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3.11企画として原発事故を伝えるTV番組のご紹介(NHK総合・Eテレ)

 2018年3月6日配信(予定)のメルマガ金原.No.3098を転載します。
 
3.11企画として原発事故を伝えるTV番組のご紹介(NHK総合・Eテレ)
 
 昨日までの2日間、今度の日曜日に開催する「フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション2018」関連の企画をご紹介してきました(おしゃべり交流会「3.11と私」&「政治をなおそうデモ3 東日本大震災から7年 和歌山から 今 できること」)。
 
 3.11の前後には、東日本大震災福島第一原発事故に関連した番組が各局から放送されますが、その中から、原発事故に関連したTVドキュメンタリー番組4本と論説番組1本をまとめてご紹介しようと思います。
 3.11から7年。例年に比べて、心なしか原発関連の番組が少ないような気もしますが(奇しくも5本ともNHKだった)、母子避難や原発裁判などを番組で取り上げた制作者の思いを共有し、1人でも多くの方に視聴していただきたく、ご案内することとしました。
 
本放送 2018年3月7日(水)午後8時00分~8時29分
再放送 2018年3月14日(水)午後1時05分~1時34分
NHK・Eテレ ハートネットTV
「シリーズ 東日本大震災から7年 第3回 母親たちの原発事故」
東日本大震災からまもなく7年。1万8千人超の犠牲者が出た未曾有の大災害で、とりわけ深刻な被害を受けた人たちがいます。高齢者や障害者、幼い子どもや女性など、いわゆる“災害弱者”と呼ばれる人たちです。そこで、3月は改めて“災害弱者”となりやすい人たちの視点から、防災や被災地の今を見つめるシリーズをお伝えします。
 第3回は、福島第一原発の事故が起きたとき、放射能の影響を受けやすい“子ども”を抱えることから、厳しい立場に立たされた「母親たち」の7年を丹念に振り返る証言ドキュメント。中でも国が避難指示を出さなかった、年間被曝量が20ミリシーベルト以下の場所で暮らしていた母親たちは、「避難するか、しないか」を自ら決断した上で、自主的に避難することを余儀なくされました。この「放射線の影響からわが子を守りたい」という思いから、福島県を離れた“自主避難ママ”たち。その多くが「心配しすぎだ」と主張する夫や家族との深刻な対立を経験し、母子だけで避難。国が避難指示を出した地域の住民と違い、政府や東電による賠償や支援が限られていたことから、二重生活の資金は尽きて困窮。避難先では相談相手もなく孤立するという厳しい状況に追い込まれ、その苦難は避難を終え帰郷した後も続きました。番組では、その知られざる実態を3人の母親たちの証言を軸に描きます。」
※金原注 「放射線の影響からわが子を守りたい」という思いから、福島県を離れた“自主避難ママ”たち。・・・というフレーズが気になる方もおられるかもしれません。「わが子を守りたい」という思いから居住地を離れた“自主避難ママ”たちは、何も福島県の人たちだけではありませんからね。ただ、この番組で取り上げた3人が、皆さん福島県の方だったということかもしれず、さらに推測をたくましくすれば、この番組を制作したのが、NHK福島放送局だったのかもしれない、などとも思います。
 
2018年3月7日(水)午後10時25分~11時15分
NHK総合TV NHKスペシャ
「被曝の森2018  見えてきた“汚染循環”」
東京電力福島第一原子力発電所の事故によって放射性物質で汚染された区域はこの先どうなっていくのか?2016年3月に放送した「被曝の森~原発事故5年目の記録~」では、急速に家々を覆っていく植物や、昼間から住宅地に出現するイノシシなど、無人の町が野生に侵食されつつある衝撃の実態を明らかにした。放射性物質の生物影響に関する様々な研究報告も伝え、低線量被曝の謎に迫った。今回の番組はその続編。
 去年の春、被災地は新たな局面を迎えた。国による計画除染が終わり、広い範囲で一斉に避難指示が解除された一方で、山間部を中心に「帰還困難区域」として取り残される地域が生まれたのだ。その面積は340km2(東京23区の約半分)。対象となる住民は2万4千人に及ぶ。そうした「帰還困難区域」で、放射性物質はどのような影響をもたらしているのか?科学者による研究は、より深く、より多角化している。これまで調査されてこなかった高線量の森に踏み込み、生態系の中で放射性物質がどのように移動・残留しているのか、解明が進んでいる。科学者たちの挑戦や住民の思いを追いながら、その実態を記録する。」
※金原注 このブログを発信するのが3月6日(火)の夜ですから、3月7日の放送にあとから気がつく方もおられるでしょうね。NHKスペシャルは、まず間違いなく再放送がありますので、見逃した方は、番組ホームページの中の「再放送」予定のページをこまめにチェックされると良いでしょう。
 
NHK総合TV 2018年3月9日(金)午前4時20分~4時30分
NHK・Eテレ 2018年3月9日(金)午後1時50分~2時00分(再放送)
視点・論点原発事故集団訴訟と福島復興の課題」除本理史氏(大阪市立大学大学院教授)
※金原注 大阪市立大学経営学研究科の除本理史(よけもと・まさふみ)教授が、上記のテーマでお話されます。3.11以降、かねて除本先生が研究してこられたテーマですが、とりわけこの時期の放送となったのは、3.11企画ということもありますが、全国各地で国と東電を被告として提起された集団訴訟のうち、3月15日には京都地裁で、16日には東京地裁で、22日には福島地裁いわき支部で、相次いで判決が言い渡されるからでしょう。なお、NHK解説委員室ホームページの中の「解説アーカイブス これまでの解説記事 視点・論点」のコーナーに、放送後、読み上げ用の原稿がそのまま掲載されることになるそうです。
 なお、除本先生の原発関連の業績については、私が書いたブログ「除本理史(よけもと・まさふみ)教授(大阪市立大学大学院経営学研究科)の講演動画と論文のご紹介~福島第一原発事故による被害の救済と復興」(2018年1月28日)をご参照ください。
 
本放送 2018年3月10日(土)午後11時00分~午前0時00分
再放送 2018年3月15日(木)午前0時00分~1時00分(水曜深夜)
NHK・Eテレ ETV特集
「忘却にあらがう~福島原発裁判・原告たちの記録~」
原発事故被害への東電と国の責任を問い3824人が原告となった原発訴訟。原告たちの声から、生活者一人一人にとって原発事故とは何だったのかを7年後の今、見つめる。
 原発事故被害への東京電力と国の責任を問うために、全国でおよそ三十の集団訴訟が提訴されている。そのひとつ、3824人が原告となった訴訟で、去年十月、福島地方裁判所は、国と東電の責任を認め、総額五億円の追加賠償を命じる判決を下した。原発事故から7年が経とうとしている今、この原発裁判の原告たちの声や現在の暮らしの様子から、生活者一人一人にとって原発事故とは何だったのかを見つめてゆく。
※金原注 2017年10月10日、福島地裁で判決の言渡しがあった訴訟は、「生業(なりわい)訴訟」と呼称されている裁判です。詳細は「生業訴訟原告団弁護団」ホームページをご覧ください(相当充実しています)。
 
2018年3月17日(土)午後9時00分~9時49分
NHK総合TV NHKスペシャ
メルトダウンFile.07 AI徹底分析  原発事故全記録(仮)」
「世界最悪レベルとなった東京電力福島第一原子力発電所の事故から7年。事故がなぜ、どのように起きたのか、今もなお謎が残されている。独自の取材と専門家による科学的検証を重ね、事故の真相に迫り続けてきたシリーズ「メルトダウン」。今回は、人工知能AIも使って、現場で人々がどう行動し何が起きたのか、ヒューマンファクターに迫る。
 3つの原子炉がメルトダウンした後も続いていた放射性物質の放出。東北地方だけでなく、一部は東京や千葉など関東地方にも届いた。なぜ放出は止まらなかったのか。一連の事故対応を記録したテレビ会議の発言や国や東京電力の間でやりとりされた数万枚のFAXなど、膨大な記録を読み解いていくと、新たな事実が浮かび上がってきた。想定外の事態が次々と発生したときに、人間は何に直面するのか、当時の現場をドラマで再現する。福島第一原発で進行した危機の実態を解明し、今に突きつけられた課題を探る。」