2018年4月19日配信(予定)のメルマガ金原No.3122を転載します。
これは、私が女性週刊誌を買うのが恥ずかしいからではなく、事務員さんが銀行などの外回りに行くついでがあったので、頼んだということなのですが。
何を目当てで買ったかというと、「週刊女性」が時折組んでくれる原発特集が今号に掲載されたからで、表紙には、「10P大特集 原発大国ニッポンは生まれ変われるか? 立憲民主党 枝野幸男&元首相 小泉純一郎インタビューほか」と書かれています。
実は、昨晩、Facebook友達であるフリーライターの吉田千亜さん(今年の「フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション2018」で講師を務めていただきました)のタイムラインで、今回の特集のために吉田さんが書かれた記事「原発事故に苦しむ子どもたち「大人って嫌だな」深まり続ける心の闇あの日から」(ただし、これはネット版のシュージョプライム(週刊女性PRIME)掲載用のタイトルで、本誌では別タイトルになっていました)にリンクされているのに気がつき、私も「シェア」させてもらうとともに、今日、本誌も入手したという次第です。
「原発」や「避難」をジャニーズや皇室と同じように(頻度はさすがに違いますが)取り上げ続けてくれる「週刊女性」に敬意を表すためにも、コンビニや書店で「週刊女性」の5月1日号を見つけたら(表紙は俳優の佐藤健です)是非お買い求めください(税込390円)。
以下に、特集内の個別記事のタイトルと(明示されているものは)執筆者名をご紹介します。
1「原発ゼロという国民の多数意見を無視する政党に、政権は取れません」
2「原発ゼロは夢物語じゃない。リアルに実現できると草の根で広めていく」
「原発マネー」に抗い続ける住民たち
取材・文 山秋 真(ノンフィクションライター)
5 3.11から7年―汚染水、核燃料と問題山積み
イチエフ(福島第一原発)はいま、どうなっているのか?
6 あの日から始まった「避難」「いじめ」「大人不信」
子どもたちが語る「原発事故の真実」
取材・文 吉田千亜(フリーライター)
7 帰りたい理由、戻らない事情、それぞれの8年目
ルポ 帰還に揺れる「警戒区域」の人々
取材・文 渋井哲也(ジャーナリスト)
今回の特集についても、この稿を書いている4月19日(木)夜の時点で、「4」と「5」を除く5本の記事が既にシュージョプライムに掲載されています。太っ腹というか何というか。私のように、シュージョプライムの記事を読んだのを機に、本誌をコンビニで買い求める者が多ければ良いのですが。
以下に、その5本の記事にリンクしておきます。先ほども書いたように、タイトルは、本誌とシュージョプライムでは異なっています。
週刊女性2018年5月1日号 2018/4/17
週刊女性2018年5月1日号 2018/4/19
週刊女性2018年5月1日号 2018/4/18
原発事故に苦しむ子どもたち「大人って嫌だな」深まり続ける心の闇
(抜粋引用開始)
'12年3月、避難前にいた中学校(仮校舎・二本松市)の卒業式に参加できることになり、遠く離れた友達と会いたい一心で避難先の埼玉県から駆けつけた。
ところが、県外避難した生徒に用意されたのは「保護者席」。旧友とのきずなをつなぐ場を期待して参列したと話し、席を同じにしてほしいと伝えると、対応した教育長が言った。
「私は“きずな”なんて言いましたか?」
そのひと言が忘れられないという。避難先の学校では、履修内容がずれて、学びそびれた授業もある。修学旅行にも行けなかった。福島県は中3、避難先では中2で計画されていたからだ。
その狭間で起きた原発避難。卒業文集を作成するとき、教師は「岡野は修学旅行にいなかったね」と、みんなの前で笑った。
(略)
一方、福島県内の子どもたちはどうか。
佐藤詩織さん(22)は、3・11が中学校の卒業式だった。
「事故のあと、東京の人は他人事なんだろうな、大人って嫌だなって考えていました」
放射能汚染を「怖い」と思う反面、「そう思わないようにしなきゃ」「高校生活を楽しみたい」と、友達と事故の話をすることはなかった。しかし高校時代、ひとりの先生が甲状腺がんの手術をしたことで、「もし事故の影響だったら」と考え、胸を痛めた。
子どもたちの間で、原発事故への風化が進んでいるという指摘もある。
「県内では、いまや8割が原発事故に無関心ではないか」
と高校教諭の鈴木幸三さん(50)。鈴木さんには許せなかったことがある。
この様子は、'16年11月にNHKで放送された。
(略)
この欺瞞に傷ついた子どもたちがいる。孤立感を深める大人たちもいる。そうした人々の声に誰もが耳を傾けるべきだろう。
(引用終わり)
(抜粋引用開始)
(略)
震災のとき、「原子力 明るい未来の エネルギー」と書かれた看板が話題となったが、現在は撤去された。標語を考えたのは大沼勇治さん(41)。小さいころは近所の川で遊び、消防署の人と一緒にサッカーもした。夜ノ森に桜を見にいったことも覚えている。
そんな小学生時代に作った標語が看板となり、「看板は死んでも残る。爪痕を残せたと思った」と振り返る。
震災までは不動産業を営み、東電関係者に物件を貸していた大沼さん。SNSで知り合った女性と'10年3月に結婚した。
「標語は結婚のとき、親類にも話しました。“原発は倒産しない。娘さんが苦しむことはありません”という意味でした。しかし、今では気まずさがあります」
福島に戻らないのは、別の理由もある。
「賠償金をもらっていることでねたみもあるのか、攻撃が被災者に向けられることがあります。同じ県内でも仮設住宅に嫌がらせの手紙が届いたと聞きました。県内こそ、嫌みを言われるかもしれない」
安心して暮らしたい。誰もが望む願いを原発はかなえるのか、壊すのか、3・11を教訓にあらためて考えるときだ。
(引用終わり)
(弁護士・金原徹雄のブログから/「週刊女性」関連)
2015年8月26日
普通の女性週刊誌にこういう記事が~「週刊女性(9月8日号)」を読む
2016年10月14日
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