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「原発大国ニッポンは生まれ変われるか?」~「週刊女性」(2018/5/1号)の10ページ大特集を読む

 2018年4月19日配信(予定)のメルマガ金原No.3122を転載します。
 
原発大国ニッポンは生まれ変われるか?」~「週刊女性」(2018/5/1号)の10ページ大特集を読む
 
 毎週火曜日に発売される「週刊女性」(主婦と生活社)の最新号(2018年5月1日号)が、今私の目の前にあります。今日、私の事務所の女性事務員さんに頼んで、近くのコンビニで買ってきてもらったものです。
 これは、私が女性週刊誌を買うのが恥ずかしいからではなく、事務員さんが銀行などの外回りに行くついでがあったので、頼んだということなのですが。
 何を目当てで買ったかというと、「週刊女性」が時折組んでくれる原発特集が今号に掲載されたからで、表紙には、「10P大特集 原発大国ニッポンは生まれ変われるか? 立憲民主党 枝野幸男&元首相 小泉純一郎インタビューほか」と書かれています。
 
 実は、昨晩、Facebook友達であるフリーライターの吉田千亜さん(今年の「フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション2018」で講師を務めていただきました)のタイムラインで、今回の特集のために吉田さんが書かれた記事「原発事故に苦しむ子どもたち「大人って嫌だな」深まり続ける心の闇あの日から」(ただし、これはネット版のシュージョプライム(週刊女性PRIME)掲載用のタイトルで、本誌では別タイトルになっていました)にリンクされているのに気がつき、私も「シェア」させてもらうとともに、今日、本誌も入手したという次第です。
 「原発」や「避難」をジャニーズや皇室と同じように(頻度はさすがに違いますが)取り上げ続けてくれる「週刊女性」に敬意を表すためにも、コンビニや書店で「週刊女性」の5月1日号を見つけたら(表紙は俳優の佐藤健です)是非お買い求めください(税込390円)。
 
 以下に、特集内の個別記事のタイトルと(明示されているものは)執筆者名をご紹介します。
 
原発大国ニッポンは変われるのか!? 「脱原発」の行方を占う検証10P
1「原発ゼロという国民の多数意見を無視する政党に、政権は取れません」
  「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」顧問 小泉純一郎元首相インタビュー
2「原発ゼロは夢物語じゃない。リアルに実現できると草の根で広めていく」
   立憲民主党代表 枝野幸男衆院議員インタビュー 
3「安全神話に安住する国に安全はない。原発では地域を活性化できません」
   東海村元村長、「脱原発をめざす首長会議」世話人 村上達也さん
4 山口・祝島 海と原発と私―みんなの自然を守るための闘い
  「原発マネー」に抗い続ける住民たち
   取材・文 山秋 真(ノンフィクションライター)
5 3.11から7年―汚染水、核燃料と問題山積み
    イチエフ(福島第一原発)はいま、どうなっているのか?
6 あの日から始まった「避難」「いじめ」「大人不信」
  子どもたちが語る「原発事故の真実」
   取材・文 吉田千亜(フリーライター
7 帰りたい理由、戻らない事情、それぞれの8年目
    ルポ 帰還に揺れる「警戒区域」の人々
   取材・文 渋井哲也(ジャーナリスト)
 
 過去のブログでもご紹介したとおり、「週刊女性」に掲載された記事の多くが、まだ店頭で販売中にもかかわらず、インターネット版のシュージョプライム(週刊女性PRIME)に次々と掲載されるのですよね。
 今回の特集についても、この稿を書いている4月19日(木)夜の時点で、「4」と「5」を除く5本の記事が既にシュージョプライムに掲載されています。太っ腹というか何というか。私のように、シュージョプライムの記事を読んだのを機に、本誌をコンビニで買い求める者が多ければ良いのですが。
 以下に、その5本の記事にリンクしておきます。先ほども書いたように、タイトルは、本誌とシュージョプライムでは異なっています。
 「週刊女性」には、今後ともこのような優れた特集を定期的に掲載していって欲しいと心から願いますし、そのためにも、皆さん、「週刊女性」の原発特集号が目に付いたら絶対買いましょうね。
 
小泉純一郎元首相「騙された悔しさを原動力」に “原発ゼロ” を訴える
週刊女性2018年5月1日号 2018/4/17
 
原発ゼロ基本法案》を提出した枝野幸男代表に、どこまで本気か聞いてみた
週刊女性2018年5月1日号 2018/4/19
 
脱原発を語る》東海村元村長「安全神話に安住している国に安全はない!」
週刊女性2018年5月1日号 2018/4/18
 
原発事故に苦しむ子どもたち「大人って嫌だな」深まり続ける心の闇
週刊女性2018年5月1日号 2018/4/18 〈取材・文/吉田千亜 フリーライター〉 
(抜粋引用開始)
 浪江町から避難した岡野唯さん(以下、体験談はすべて仮名)は現在、21歳。原発事故のあと、「大人は汚い」と思うようになった。
 '12年3月、避難前にいた中学校(仮校舎・二本松市)の卒業式に参加できることになり、遠く離れた友達と会いたい一心で避難先の埼玉県から駆けつけた。
 ところが、県外避難した生徒に用意されたのは「保護者席」。旧友とのきずなをつなぐ場を期待して参列したと話し、席を同じにしてほしいと伝えると、対応した教育長が言った。
「私は“きずな”なんて言いましたか?」
 そのひと言が忘れられないという。避難先の学校では、履修内容がずれて、学びそびれた授業もある。修学旅行にも行けなかった。福島県は中3、避難先では中2で計画されていたからだ。
 その狭間で起きた原発避難。卒業文集を作成するとき、教師は「岡野は修学旅行にいなかったね」と、みんなの前で笑った。
(略)
 一方、福島県内の子どもたちはどうか。
 佐藤詩織さん(22)は、3・11が中学校の卒業式だった。
「事故のあと、東京の人は他人事なんだろうな、大人って嫌だなって考えていました」
 放射能汚染を「怖い」と思う反面、「そう思わないようにしなきゃ」「高校生活を楽しみたい」と、友達と事故の話をすることはなかった。しかし高校時代、ひとりの先生が甲状腺がんの手術をしたことで、「もし事故の影響だったら」と考え、胸を痛めた。
 子どもたちの間で、原発事故への風化が進んでいるという指摘もある。
「県内では、いまや8割が原発事故に無関心ではないか」
と高校教諭の鈴木幸三さん(50)。鈴木さんには許せなかったことがある。
「高校生を廃炉作業中の原発に、視察に連れていった人がいたでしょう。しかも普通の服で。ありえない。私なら、せめて防護服を着させます。正義感が強い子どもたちを悪用している」
 この様子は、'16年11月にNHKで放送された。
「われわれ教師には、文科省放射線教育の副読本から逸脱するなと通達がありました。危険と言ってはいけないという趣旨。そんな空気では、素直な気持ちを出しにくい」
(略)
 震災から7年がたち、原発事故に関する報道量は大幅に減った。一方で国は、例えば避難解除を進めることで避難者の存在を覆い隠したように、被害を矮小化して、原発事故の実態や影響を見えないようにしてきた。
 この欺瞞に傷ついた子どもたちがいる。孤立感を深める大人たちもいる。そうした人々の声に誰もが耳を傾けるべきだろう。
(引用終わり)
 
原発警戒区域」の人々を襲う果てなき苦悩、故郷に戻るも離れるも茨の道
週刊女性2018年5月1日号 2018/4/19 〈取材・文/渋井哲也 ジャーナリスト〉
(抜粋引用開始)
(略)
 震災のとき、「原子力 明るい未来の エネルギー」と書かれた看板が話題となったが、現在は撤去された。標語を考えたのは大沼勇治さん(41)。小さいころは近所の川で遊び、消防署の人と一緒にサッカーもした。夜ノ森に桜を見にいったことも覚えている。
 そんな小学生時代に作った標語が看板となり、「看板は死んでも残る。爪痕を残せたと思った」と振り返る。
 震災までは不動産業を営み、東電関係者に物件を貸していた大沼さん。SNSで知り合った女性と'10年3月に結婚した。
「標語は結婚のとき、親類にも話しました。“原発は倒産しない。娘さんが苦しむことはありません”という意味でした。しかし、今では気まずさがあります」
 事故後はいったん、妻の実家がある会津に避難。それから愛知県へ行った。現在は茨城県古河市に住み、太陽光発電の仕事をする。
双葉町役場は埼玉県加須市に避難していたので、近くの地域で探しました。将来的には、温暖で便利な福島県いわき市に住むことも考えていますが、いまは土地が高騰して買えません」
 福島に戻らないのは、別の理由もある。
「賠償金をもらっていることでねたみもあるのか、攻撃が被災者に向けられることがあります。同じ県内でも仮設住宅に嫌がらせの手紙が届いたと聞きました。県内こそ、嫌みを言われるかもしれない」
 原発事故は、町も人間関係も、未来も破壊した。福島県とほかの地域で、また県内でも分断され、疑心暗鬼も蔓延させた。地域の再生も目指すが道なかばだ。
 安心して暮らしたい。誰もが望む願いを原発はかなえるのか、壊すのか、3・11を教訓にあらためて考えるときだ。
(引用終わり)
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/「週刊女性」関連)
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