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「アジア太平洋法律家協会及び国際民主法律家協会の板門店宣言に関する声明」を読む(付・「板門店宣言」全訳)

 2018年5月8日配信(予定)のメルマガ金原No.3141を転載します。
 
「アジア太平洋法律家協会及び国際民主法律家協会の板門店宣言に関する声明」を読む(付・「板門店宣言」全訳)
 
 去る4月27日、板門店(パンムンジョム)の「平和の家」において、大韓民国の文在
寅(ムン・ジェイン)大統領と朝鮮民主主義人民共和国金正恩キム・ジョンウン)国務委員会委員長による南北首脳会談が行われました。
 朝鮮戦争休戦後の南北首脳会談としては、2000年6月の金大中(キム・デジュン)大統領・金正日キム・ジョンイル)国防委員長会談、2007年10月の盧武鉉ノ・ムヒョン)大統領・金正日総書記会談に続く3回目となりました。以前の2回が北朝鮮平壌で行われたのに対し、今回の会談は板門店で行われました。
 
 4月27日、両首脳は、「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言」を発表しました。2000年の「6.15南北共同宣言」、2007年の「10.4宣言」との比較など、この「板門店(パンムンジョム)宣言」については、様々な評価が可能でしょう
が、以下には、5月4日に発表された「アジア太平洋法律家協会及び国際民主法律家協会の板門店宣言に関する声明」をご紹介しようと思います。
 この声明が出されるに至った経緯については、笹本潤弁護士(アジア太平洋法律家協会事務局長)が、青年法律家協会弁護士学者合同部会MLでこの声明を紹介された際の文章が参考となりますので、同弁護士のご了解を得て、以下に転記します。
 
(笹本潤弁護士の投稿から引用開始)
 南北朝鮮合意を受けて、COLAP(アジア太平洋法律家協会)では、北朝鮮の朝鮮民主法律協会と韓国の民弁米軍委員会のチャン弁護士と笹本(COLAP事務局長)で起草し、COLAPとIADL(国際民主法律家協会)のメンバーに提案して議論し、COLAPとIADLの共同声明ができました。
 この声明では、パンムンジョム宣言が自決権の原則を支持し、今後平和条約に移行するにあたり、段階的な非核化と、平和体制に逆行する朝鮮半島からの米軍の撤退、韓国の核の傘からの脱却、9条に反する日本の好戦的関与の放棄、などを求めています。
 米朝会談は、トランプ大統領のイランへの対応を見ると予断は許せない状況ですが、南北のパンムンジョム宣言の実施過程を市民・法律家レベルで強化していくことにより、東北アジアの軍事的緊張要因となってきた、朝鮮半島東北アジアの米軍の軍事的関与と9条に反する日本の軍事行動をなくしていくための力にもなると思います。
 COLAPとIADLの声明を出すにあたっては、2016年にCOLAPが結成されて以来、北朝鮮の法律家が積極的に関与し、声明の作成や会議の参加を通して、彼らとの信頼関係も築けてきました。チャン弁護士をはじめとする韓国の弁護士も、ともに積極的に関与しました。法律家レベルでアジアや国際的連携も確実に進んでいます。
 
IADLホームページ
(引用終わり)
 
 以下には、日本国際法律家協会(Jalesa)Facebookページに掲載された日本語訳(訳責・新倉修氏)と英語原文を、パラグラフごとに対照して掲載します。
 なお、印刷する場合には、PDFファイルをご利用ください。
 
(引用開始)
      アジア太平洋法律家協会及び国際民主法律家協会の板門店宣言に関する声明
             COLAP and IADL Statement on the Panmunjom Declaration
 
 アジア太平洋法律家協会(The Confederation of Lawyers of Asia and the Pacific, COLAP)及び国際民主法律家協会(The International Association of Democratic Lawyers, IADL)は、2018年4月27日に朝鮮民主主義人民共和国金正恩委員長および大韓民国文在寅大統領が署名した「朝鮮半島における平和、繁栄及び統一のための板門店宣言」を歓迎する。この宣言は、朝鮮半島及び東北アジアにおける平和の一里塚である。
 
The Confederation of Lawyers of Asia and the Pacific (COLAP) and International Association of Democratic Lawyers (IADL) welcome the "Panmunjom Declaration for Peace, Prosperity and Unification on the Korean Peninsula" singed on April 27th, 2018 by Chairman Kim Jong Un of the Democratic People’s Republic of Korea (DPRK) and President Moon Jae In of the Republic of Korea (ROK). It is a milestone for peace on the Korean peninsula in particular and in Northeast Asia at large.
 
  板門店宣言は歴史的に重要である。自決の原則を確認し、朝鮮半島における南北関係の劇的な改善と発展を反映するものである。これによって軍事的な緊張関係が減少され、これにともない朝鮮半島の恒久かつ永続的な平和への希求が生まれる。
 
This agreement is historic.  It upholds the principle of self-determination and reflects the dramatic improvements and developments of inter-Korean relations.  These improvements will reduce military tensions with the aspiration for a permanent and lasting peace on the Peninsula.
 
 この宣言は、朝鮮半島における恒久平和を呼びかけるものであり、休戦は速やかに恒久平和の合意に変わらなければならない。
 
The Declaration calls for permanent and peace on the Peninsula and for the armistice should be promptly transformed into a permanent peace agreement.
 
 この宣言ができたのは、戦争の脅威と核兵器の使用が高まっていたときであった。この宣言によって戦争の脅威が減ることになった。両国の指導者は、朝鮮半島における本当の非核化を実現するために協力することを約束した。  
 
The Declaration comes at a time when the threat of war and use of nuclear weapons was rising. The Declaration helps defuse the threat of war. Both leaders have promised to work to make true denuclearization of the Korean Peninsula as a reality.
 
 この地域における永遠の平和を心に留めながら、アジア太平洋法律家協会は、関係諸国にこの宣言の実現を求めるものである。すなわち
 
Having in mind eternal peace in this area, COLAP demands the states concerned implement the declaration.  We call on:
 
   1 北朝鮮とアメリカは、来たるべき首脳会談において、この地域における北朝鮮とアメリカとの軍事的対立の脅威を取り除くため、朝鮮戦争終結させる協定ないしは条約を締結すること
 
1, The DPRK and the US at the upcoming summit, to conclude an agreement to end the Korean War so as to remove the threat of DPRK-US military confrontation from the region.
 
   2 アメリカは、講和条約の一部として、朝鮮半島に駐留するアメリカ軍の完全撤退を達成させるために必要な積極的な措置をとること。米軍基地は朝鮮戦争以来60年以上に及んで存在してきた。そのプレゼンスは、朝鮮人民の主権と独立に対する軍事的な介入を意味している。
 
2, The US to take all necessary and positive measures to accomplish a full withdrawal of the US forces stationed in the Peninsula as part of a peace treaty. The bases have existed for more than 60 years after the Korean War. Their presence represents a military intervention against sovereignty and independence of the Korean people. 
 
 3 北朝鮮は、核兵器の配備を停止し、アメリカ政府が、経済制裁の解除、米韓共同軍事演習の停止、核戦略施設の撤去、韓国駐留米軍の撤退など、北朝鮮に対する敵視政策を放棄するためにとられる処置に応じて、その所持する核兵器を解体すること
 
3, The DPRK to stop developing nuclear weapons and dismantle any nuclear weapons it possessed in accordance with the measures taken by the US Government to relinquish its hostile policies against DPRK such as the lifting economic sanctions, suspending US-ROK joint military exercises, withdrawing nuclear strategic assets, removing the US Forces stationing in Korea.
 
   4 大韓民国は、北からのミサイルの脅威を口実として大韓民国内に設置された終末高高度防衛ミサイル(THAAD)をすべて撤去するなど、アメリカの核の傘を離脱する処置をとること
 
4, The Republic of Korea to take steps to get rid of the US nuclear umbrella, including removal of whole set of the Terminal High Altitude Area Defense Missile (THAAD) system, which has been installed in this country on a pretext of missile threats from the North.
 
   5 日本政府は、外交関係の正常化に向けて北朝鮮との対話を再開し、日本の平和憲法9条に反する北朝鮮に対するアメリカの敵視政策にならった軍事力の拡張などの好戦的な政策をすべて放棄しなければならないこと
 
5,  The Japanese Government to resume dialogue with the DPRK with a view toward normalizing diplomatic relations, and should abandon all militaristic policies such as military expansion similar to the hostile US hostile policies toward DPRK, which runs counter to Japan’s Peace Constitution (Article 9).  
 
 アジア太平洋法律家協会は、南北朝鮮が、対立を止め、再統一を実現するプロセスを加速することを支持し、この板門店宣言を実施するにあたって法律家としての役割を果たすことを約束する。
 
COLAP supports that the South and the North will end their confrontation and speed up a process to realize reunification, when we are always committed to fulfilling our roles as lawyers in implementing the Panmunjom Declaration.
 
2018年5月4日
 
ジーン・マイラー
IADL会長
  Jeanne Mirer
  President, IADL
 
ジテンドラ・シャーマ
COLAP会長
  Jitendra Sharma
  President, COLAP
 
(訳責・新倉修)
 
※PDFファイル
(引用終わり)
 
 なお、今回の「板門店宣言」自体をまだ読んでいないという方もおられるでしょうから、その日本語全訳をご紹介したいと思い、色々検索したところ、何種類かの訳文が出回っていましたので、その中から、「ソウル=共同」と「KOREA.net」の2つの訳文をご紹介しておきます。
 
日本経済新聞 2018/4/27 20:48 
(引用開始)
 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮金正恩キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長が27日に署名した「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言」の全文は次の通り。(韓国側発表による)
 
 大韓民国の文在寅大統領と朝鮮民主主義人民共和国金正恩国務委員長は平和と繁栄、統一を願う全民族のいちずな願いを込め、朝鮮半島で歴史的な転換が起きている意義深い時期である2018年4月27日に、板門店の平和の家で南北首脳会談を行った。
 両首脳は、朝鮮半島にもはや戦争はなく、新たな平和の時代が開かれたことを8千万のわが同胞と全世界に厳粛に宣言した。
 両首脳は、冷戦の産物である長い分断と対決を一日も早く終わらせ、民族的和解と平和繁栄の新たな時代を果敢に切り開き、南北関係をより積極的に改善し発展させていかなければならないという確固たる意志を込め、歴史の地、板門店で次のように宣言した。
 
1 南と北は、南北関係の全面的で画期的な改善と発展を実現することで、途絶えた民族の血脈をつなぎ、共同繁栄と自主統一の未来を早めていくだろう。
 南北関係を改善し発展させることは、全民族のいちずな願いであり、もはや先送りできない時代の切迫した要求だ。
 
(1)南と北は、わが民族の運命はわれわれ自ら決定するという民族自主の原則を確認し、既に採択された南北宣言や全ての合意などを徹底的に履行することで、関係改善と発展の転換的局面を切り開いていくことにした。
 
(2)南と北は、高官級会談をはじめとする各分野の対話と交渉を早期に開催し、首脳会談で合意した内容を実践するため、積極的な対策を立てていくことにした。
 
(3)南と北は、当局間協議を緊密にし、民間交流と協力を円満に進めるため、双方の当局者が常駐する南北共同連絡事務所を開城地域に設置することにした。
 
(4)南と北は、民族的和解と和合の雰囲気を高めていくため、各界各層の多方面の協力と交流、往来や接触を活性化することにした。
 対内的には、(2000年の南北共同宣言が発表された)6月15日をはじめ、南と北にともに意義がある日を契機に、当局と国会、政党、地方自治体、民間団体など、各界各層が参加する民族共同行事を積極的に推進し、和解と協力の雰囲気を高める。対外的には18年アジア大会をはじめとする国際競技に共同で出場し、民族の知恵と才能、団結した姿を全世界に誇示することにした。
 
(5)南と北は、民族分断により発生した人道問題を至急解決するため努力し、南北赤十字会談を開催して離散家族・親戚再会をはじめとする諸問題を協議、解決していくことにした。
 差し当たって、今年8月15日を契機に離散家族・親戚の再会を行うことにした。
 
(6)南と北は民族経済の均衡的な発展と、共同繁栄を成し遂げるため、(07年の南北首脳による)10月4日宣言で合意した事業を積極的に推進していき、一次的に東海線と京義線の鉄道と道路などを連結し、現代化し、活用するための実践的な対策を取っていくことにした。
 
2 南と北は、朝鮮半島で先鋭化した軍事的緊張状態を緩和し、戦争の危険を実質的に解消するため共同で努力していくだろう。
 朝鮮半島の軍事的緊張状態を緩和し戦争の危険を解消することは、民族の運命と関連する非常に重大な問題であり、われわれ同胞の平和的で安定した生命を保証するための鍵となる問題だ。
 
(1)南と北は、地上と海上、空中をはじめとするあらゆる空間で、軍事的緊張と衝突の根源となる相手に対する一切の敵対行為を全面的に中止することにした。
 差し当たって、5月1日から軍事境界線一帯で拡声器(宣伝)放送やビラ散布をはじめとするあらゆる敵対行為を中止し、その手段を撤廃し、今後非武装地帯を実質的な平和地帯としていくことにした。
 
(2)南と北は、黄海北方限界線一帯を平和水域とし、偶発的な軍事衝突を防止し、安全な漁業活動を保証するための実質的な対策を立てていくことにした。
 
(3)南と北は、相互協力と交流、往来と接触が活性化することに伴うさまざまな軍事的保証対策を講じることにした。
 南と北は、双方間に提起される軍事的問題を遅滞なく協議、解決するため、国防相会談をはじめとする軍事当局者会談を頻繁に開催し、5月中にまず将官級軍事会談を開くことにした。
 
3 南と北は、朝鮮半島の恒久的で強固な平和体制構築のため、積極的に協力していくだろう。
 朝鮮半島で非正常な現在の休戦状態を終わらせ、確固たる平和体制を樹立することは、もはや先送りできない歴史的課題だ。
 
(1)南と北は、いかなる形態の武力も互いに使用しないという不可侵合意を再確認し、厳格に順守していくことにした。
 
(2)南と北は、軍事的緊張が解消され、互いの軍事的信頼が実質的に構築されるのに伴い、段階的に軍縮を実現していくことにした。
 
(3)南と北は、休戦協定締結65年となる今年、終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制を構築するため、南北米3者、または南北米中4者会談の開催を積極的に推進していくことにした。
 
(4)南と北は、完全な非核化を通して核のない朝鮮半島を実現するという共通の目標を確認した。
 南と北は、北側が講じている主動的な措置が朝鮮半島非核化のために非常に意義があり重大な措置だという認識を共にし、今後それぞれ自らの責任と役割を果たすことにした。
 南と北は、朝鮮半島非核化に向けた国際社会の支持と協力を得るため、積極的に努力することにした。
 
 両首脳は、定期的な会談と直通電話を通じ、民族の重大事を随時、真摯に議論し、信頼を強固にし、南北関係の持続的な発展と朝鮮半島の平和と繁栄、統一に向けた良い流れをさらに拡大していくために共に努力することにした。
 差し当たって、文在寅大統領は今秋、平壌を訪問することにした。
 
 2018年4月27日
 
 
 大韓民国 大統領 文在寅
 
 朝鮮民主主義人民共和国 国務委員会 委員長 金正恩
(ソウル=共同)
(引用終わり)
 
KOREA.net 報道資料
韓半島の平和と繁栄、統一に向けた板門店宣言  2018.04.27
(引用開始) 
大韓民国の文在寅大統領と朝鮮民主主義人民共和国金正恩国務委員長は、平和と繁栄、統一を念願とする全同胞の一致した志向を込めて、韓半島の歴史的な転換が起こっている重要な時期に、2018年4月27日に板門店の「平和の家」で、南北首脳会談を行った。
 
両首脳は、韓半島ではもはや戦争は起きず、新たな平和の時代が開かれたことを8千万の我が同胞と全世界に厳粛に闡明した。
 
両首脳は、冷戦の産物である長い分断と対決を一日も早く終息させ、民族の和解と平和繁栄の新たな時代を果敢に作り出しながら、南北関係をより積極的に改善し発展させていかなければならないという確固たる意志を込めて、歴史の地である板門店で次のように宣言した。
 
1.南と北は、南北関係の全面的で、画期的な改善と発展を成し遂げることにより、分断された民族の血脈を繋ぎ、共同繁栄と自主統一の未来を早めていく。 南北関係を改善し発展させることは、我が民族の一様な望みであり、これ以上、先送りできない時代の差し迫った要求である。
 
① 南と北は、我が民族の運命は我々自身が決定するという民族自主の原則を確認し、過去の南北宣言とすべての合意を徹底的に履行することにより、関係改善と発展の転換的局面を開いていくことにした。
 
② 南と北は、高官級会談を始めとする各分野の対話と交渉を早期に開催し、首脳会談で合意された問題を実践するための積極的な対策を立てていくことにした。
 
③ 南と北は、当局間の協議を緊密に行い、民間交流と協力を円滑に確保するために、双方の当局者が常駐する南北共同連絡事務所を開城地域に設置することにした。
 
④ 南と北は、民族の和解と団結の雰囲気を盛り上げていくために、各界各層の多様な協力と交流往来と接触を活性化することにした。
 
内においては6・15を始め、南と北の双方において意義のある日を機に、当局と国会、政党、地方自治団体、民間団体など各界各層が参加する民族共同行事を積極的に推進して和解と協力の雰囲気を盛り上げながら、外においては2018年のアジア競技大会を始めとする国際競技に共同進出し、民族の知恵と才能、団結した姿を全世界に誇示することにした。
⑤ 南と北は、民族分断により発生した人道的問題を早急に解決するために努力し、南北赤十字会談を開催し、離散家族・親戚の再会を始めとする諸問題を協議解決していくことにした。
 
当面の間、来たる8・15を機に離散家族・親戚の再会を進めることにした。
 
⑥ 南と北は、民族経済の均衡ある発展と共同繁栄を達成するために、10・4宣言で合意された事業を積極的に推進して行き、一次的に東海線および京義線鉄道と道路を接続して近代化し、活用するための実践的な対策を取っていくことにした。
 
2.南北は、韓半島で尖鋭な軍事的緊張状態を緩和し、戦争の危険を実質的に解消するために共同で努力していくものである。
 
韓半島の軍事的緊張状況を緩和し、戦争の危機を解消することは民族の運命に関わるとても重要な問題で、我が民族の平和で安定した生活を保証するために要となる問題である。
① 南と北は、地上と海上、空中を始めとするすべての領域で軍事的緊張と対立の基となる相手に対する一切の敵対行為を全面停止することにした。
 
当面、5月1日から軍事境界線一帯で拡声器放送とビラ散布を始めとするすべての敵対行為を停止し、その手段を撤廃し、今後の非武装地帯を実質的な平和地帯にしていくことにした。
 
② 南と北は西海の北方限界線一帯を平和水域とし、偶発的な軍事的衝突を防止し、安全な漁労活動を確保するための実際的な対策を立てていくことにした。
 
③ 南と北は、相互協力と交流、往来と接触が活性化されることによる様々な軍事的保障対策を取ることにした。
 
南と北は、双方の間に提起された軍事的問題を遅滞なく協議解決するために、国防長官会談を始めとする軍事当局者会談を頻繁に開催し、5月中にまず、将官級軍事会談を開くことにした。
 
3.南と北は、韓半島の恒久的で強固な平和体制の構築のために積極的に協力していく。 韓半島で非正常な停戦状態を終息させ、確固たる平和体制を樹立することは、これ以上先送りできない歴史的課題である。
 
① 南と北は、いかなる形態の武力も互いに使用しないことについての不可侵合意を再確認し、遵守していくことにした。
 
② 南と北は、軍事的緊張が解消され、互いの軍事的信頼が実質的に構築されるのに従って、段階的に軍縮を実現していくことにした。
 
③ 南と北は、停戦協定締結65年になる今年、終戦を宣言し、停戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制構築のための南・北・米3者または南・北・米・中4者会談の開催を積極的に推進していく。
 
④ 南と北は、完全な非核化を通じて核のない韓半島を実現するという共通の目標を確認した。
 
南と北は、北側が取っている主動的な措置が韓半島の非核化のために非常に意義があり、大きい措置だという認識を共にして、今後それぞれ、自己の責任と役割を果たすことにした。
 
南と北は、韓半島の非核化のための国際社会の支持と協力を得るために積極的に努力することにした。
 
両首脳は、定期的な協議と直通電話を通じて、民族の重大事を頻繁かつ真剣に議論して信頼を強固にし、南北関係の持続的な発展と韓半島の平和と繁栄、統一に向けた良い流れをさらに拡大していくため共に努力することにした。
 
当面して文在寅大統領は、今年の秋に平壌を訪問することにした。
 
2018年4月27日
 
 
大統領
文在寅
 
朝鮮民主人民共和国
国務委員会委員長
(引用終わり)
 
(参考サイト)
板門店宣言」原文
[全訳] 6.15南北共同宣言(2000年6月15日)
[全訳] 10.4南北首脳宣言(2007年10月4日)