2018年5月17日配信(予定)のメルマガ金原No.3150を転載します。
まず、今日報じられた最新のニュースからお読みください。
毎日新聞 2018年5月17日 10時14分(最終更新 5月17日 15時14分)
強制不妊手術 東京の男性ら一斉提訴 国賠訴訟第2陣
(抜粋引用開始)
「不良な子孫の出生防止」を掲げた旧優生保護法(1948~96年)に基づき不妊手術を強制されたのは「個人の尊厳」などを保障する憲法に反するとして、東京、宮城、北海道に住むいずれも70代の男女3人が17日、国に総額計約8000万円の損害賠償を求めて東京、仙台、札幌の各地裁に提訴した。旧法下の不妊手術をめぐる国賠訴訟は、今年1月末に仙台地裁に起こした宮城県の60代女性による提訴に続く第2陣で、一斉提訴は初めて。
請求額は、東京の男性3000万円▽宮城の女性3850万円▽北海道の男性1100万円。北海道の男性は小島喜久夫さん(76)と名前を明らかにし、宮城の女性と東京の男性はそれぞれ飯塚淳子さん、北三郎さん(75)の名前で活動している。3人は提訴に先立ち、各道県へ手術記録の開示を請求するなどしたが、保存期間終了を理由に見つかっていないため、記憶や証言、手術痕などから当事者であるとした。
(略)
3人は「子どもを産み育てるかどうかを決める権利を侵害された」などと主張。政府や国会が救済制度の創設を怠った「不作為」の状態が現在も続き、精神的苦痛を被ったと訴えている。当初、今回の一斉提訴に参加予定だった北海道の夫婦は、妻が不妊手術と同時に人工妊娠中絶も強制されていたとして賠償内容を追加するため、後日に札幌地裁へ提訴する意向。【服部陽、遠藤大志、安達恒太郎】
(引用終わり)
なお、毎日新聞は、上記の記事に引き続き、東京地裁に提訴した北三郎さんと仙台地裁に提訴した飯塚淳子さんの提訴後の記者会見での発言を伝える記事も配信しています。引用はしませんが、無料記事として公開されていますので、是非リンク先でお読みください。
毎日新聞 2018年5月17日 11時31分(最終更新 5月17日 15時15分)
強制不妊手術 「心の傷埋めたい」東京の男性提訴
ところで、本ブログでも、去る3月30日に、和歌山弁護士会などが「全国一斉 旧優生保護法による不妊手術110番」を実施することをお知らせしました(和歌山弁護士会など「全国一斉 旧優生保護法による不妊手術110番」(2018年3月30日)実施のお知らせ/2018年3月28日)。
もっとも、ブログに掲載したのがわずか2日前というあまりに間際であったため、あまり効果はなかったと思いますが。
今回も、和歌山弁護士会の長岡健太郎弁護士からの掲載要請に応じてのものですが、前回3月の相談の際には和歌山弁護士会副会長であった長岡先生も、同月末で副会長の1年の任期を終え、4月から、同弁護士会高齢者・障害者支援センター運営委員会の委員長に「復帰」しての要請です。
3月30日の相談は、「全国一斉」と銘打っての実施の割には、全国18箇所での実施(内弁護士会は9会)にとどまりましたが、今度の5月21日は、統一日以外の日程で実施する3箇所を含め、全国38箇所での実施が決定しており、しかも、この内22箇所が弁護士会が主体となって相談を行います。もちろん、和歌山弁護士会でも実施します。
前回の相談をブログでご紹介した際には、和歌山だけではなく、全国各地の受付電話(FAX)番号や受付時間を、入手した資料に基づいてご紹介しましたが、今回は、とてもそこまでやっている時間はありません。
とりあえず、私が入手した資料に基づき、今回、「一斉相談(110番)」を実施する弁護士会の名称を記載して、「一斉相談(110番)」案内記事が掲載されている場合には、該当ページにリンクしておきます。
詳細は、各弁護士会のホームページ(掲載されている場合/これから掲載されるところもあるはず)をご覧になるか、各会に電話等でお問い合わせください。
詳細は、各弁護士会のホームページ(掲載されている場合/これから掲載されるところもあるはず)をご覧になるか、各会に電話等でお問い合わせください。
岩手弁護士会
秋田弁護士会
埼玉弁護士会
千葉県弁護士会
神奈川県弁護士会
愛知県弁護士会(実施日5月25日)
滋賀弁護士会
京都弁護士会
奈良弁護士会
和歌山弁護士会
広島弁護士会
岡山弁護士会
徳島弁護士会
高知弁護士会
私が閲覧した後に掲載されたところがあるかもしれませんので、その節は何卒ご容赦ください。
なお、この他、弁護士有志や弁護団によって電話相談が計画されているのは、以下の地域です。
北海道、宮城、栃木、群馬、東京、富山(6月6日実施予定)、石川、山梨、長野、鳥取、愛媛、福岡、佐賀、長崎、大分(5月26日実施)、鹿児島
(追記)
全国38箇所での受付時間や受付番号を一覧表にした「優生保護法ホットライン(電話相談)一覧(2018年5月21日)」を入手しましたので、PDFファイル化してご紹介します。ご活用ください(5月17日20時)。
〇チラシ(総ルビ付き)
〇実施要領
〇和歌山弁護士会ホームページ掲載用告知文
の3点です。
ただ、それぞれ重複する部分もありますので、全部掲載する必要もないと思い、これらを適宜ブレンドし、私が1つの文章にまとめてみました。つまり「文責:金原」です。
企画の趣旨
平成8年に改正され、「母体保護法」と改称される以前の旧優生保護法は、「この法律は、優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するととともに、母性の生命健康を保護することを目的とする」(1条)と規定し、同法のもと、平成8年まで、全国で多くの障害者が本人の意思に関わりなく不妊手術及び人工妊娠中絶を受けました。
この問題に関しては、知的障害を理由に同意なく不妊手術を強制され、救済措置も取られていないのは違法として、宮城県内の60代の女性が、平成30年1月30日、国家賠償請求訴訟を仙台地裁に提起し、大きく報道されました。
このような動きの中で、本年3月30日に続き、来る5月21日(月)に、全国において、優生手術被害者からの相談に弁護士が答える110番の実施が計画されており、和歌山弁護士会においても、「旧優生保護法による不妊手術110番」を実施することになりました。その概要は以下のとおりです。
相談会の概要
(1)日 時 平成30年5月21日(月)午後1時~午後4時
(2)相談方法
電話相談:073-421-6055
※上記電話は、当日のみの開設です。
FAX:073-436-5322
※聴覚障害者など、電話相談が困難な方のために、FAXでの相談も受け付けます。
(3)対 象 障害当事者や、その家族、支援者等
(4)相 談 料 無料
(7)主 催 和歌山弁護士会
(8)本件に関するお問い合わせ先
TEL:073-422-1858(パークアベニュー法律事務所)
和歌山弁護士会事務局
TEL:073-422-4580
(9)5月21日以降のご相談(重要!)
なお、5月21日以降も和歌山弁護士会では、旧優生保護法による不妊手術や人工妊娠中絶に関する相談を随時受け付けます。まずは、以下の電話もしくはFAX宛にお申し込みください。折り返し、担当者からご連絡します。
TEL:073-422-4580
FAX:073-436-5322
以上、「文責:金原」によるハイブリッド版のご案内でした。
3月30日の一斉相談は、全国で34件の相談があったものの、和歌山は0件でした。「残念ながら」という表現が適切か?という問題はあるものの、必要な情報が当事者やご家族、支援者に届いていない可能性が十分にありますので、5月21日の全国一斉相談にも参加した上、それ以降も随時相談を受け付けることにしたものです(長岡委員長から直接確認しました)。
多くの方のご協力を得て、この情報を、5月21日を過ぎても広げていきたいと思いますので、何卒よろしくお願いします。