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放送予告「不死身の特攻兵~佐々木友次伍長はなぜ生還できたのか~」(テレメンタリー@2018年6月3日)

 2018年5月31日配信(予定)のメルマガ金原No.3164を転載します。
 
放送予告「不死身の特攻兵~佐々木友次伍長はなぜ生還できたのか~」(テレメンタリー@2018年6月3日)
 
 連日、テレビ、新聞等のマスメディアを賑わせ続けている日大アメリカンフットボール部事件について、私は、ブログはもとより、FacebookTwitterでも一切言及もシェアもリツイートもしませんでした。この問題について思うところがなかった訳ではありませんが、あえて、不十分な知識のままで何事かを述べるのは控えるべきだろうと自制していました。
 ただ、一昨日(5月29日)の一般社団法人関東学生アメリカンフットボール連盟による処分結果の公表に接し、一言だけ言いたくなりました。それは、関東学連による発表を読んでも、処分の結果は書いてありますが、処分を決定するに至るまでの経過が書かれていないため、不利益処分を受けた日本大学の監督・コーチ等に対して適正手続が保障されていたのか?が少しも分からないことがとても気になりました。
 いくら何でも、少なくとも、除名や資格剥奪(登録の抹消)などの極めて重大な処分を受けた監督、コーチに対しては、告知聴聞の機会を設け、弁明を求めたのだろうと(法律家の常識からすれば)思われるのですが、実際のところ、どうだったんでしょうか?
 
 今のところ、この「事件」に関して、私が最も共感した発言は、ジャーナリスト、ドキュメンタリー映画監督の三上智恵さんによるものです。
 
上智Facebook 2018年5月23日 10:55
「日大の学生の会見
きのう、生中継が始まった時
まるで日本兵のような彼の顔を見て
テレビを切った
内容は聞けなかった
心がざわざわして (以下略)」
 
 三上さんは、日大アメフト部のM選手の会見を見て、南京虐殺731部隊などを連想し、「そうするしかなかった そういう精神状態に追い込まれた」個人の責任を安易に免罪する「変わらぬ」風潮に、
「彼の姿を見て
戦慄すべきは
「仕方がないんだ」と
集団の中で心を殺して
なにかをやってしまう
そんな闇を抱える
私たち自身なのではないか」
と警鐘を鳴らしているのです。
 
 集団の中で個を貫くことの困難性、しかも戦争のさなかでの上官(その背後の国家)の理不尽な命令に対する身の処し方ということでいえば、一見すれば、加害者と被害者、ベクトルが180度違うようにも思えますが、「特攻」というものを考える時、三上さんの指摘の射程は、そこまで及んでいるのではないか?という気がします。
 「『仕方がないんだ』と集団の中で心を殺してなにかをやってしまう」という「なにか」が、捕虜虐殺であれば南京事件となり、自らを死に追いやれば「特攻」となるということではないかと思います。
 
 そういう問題意識をもって観れば、各別の感慨があるのではと思われるドキュメンタリー番組が、「テレメンタリー2018」(テレビ朝日系列)で放送されます。是非視聴したいと思います。
 
テレビ朝日 2018年6月3日(日)4時30分~5時00分
朝日放送テレビ 2018年6月3日(日)4時55分~5時25分
テレメンタリー2018「不死身の特攻兵~佐々木友次伍長はなぜ生還できたのか~」
(番組案内から引用開始)
太平洋戦争末期、日本軍は劣勢を挽回するため、爆弾を積んだ飛行機もろとも敵艦船に体当たりする「特攻」作戦を繰り返した。参謀から「死んで来い」と9回出撃を命じられ、9回生還した特攻兵・佐々木友次伍長。上官の命令が絶対であった時代に、彼はなぜ命令に抗して奇跡の生還を成し得たのか?本人のインタビューを基に、『不死身の特攻兵』を書いた劇作家の鴻上尚史氏が、現場を歩き、特攻隊の真実と、悲惨な戦争の実相に迫る。
ナレーター:大下容子テレビ朝日アナウンサー)
ナビゲーター:鴻上尚史
(引用終わり)
 
(参考書籍)
鴻上尚史『不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか』(講談社現代新書/2017年11月刊)