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日本記者クラブ「公文書管理を考える」第3回までを視聴する~三宅弘弁護士、仲本和彦沖縄県公文書館アーキビスト、福田康夫元首相

 2018年6月2日配信(予定)のメルマガ金原No.3166を転載します。
 
日本記者クラブ「公文書管理を考える」第3回までを視聴する~三宅弘弁護士、仲本和彦沖縄県公文書館アーキビスト福田康夫元首相
 
 昨日に続き、日本記者クラブにおける記者会見の動画をご紹介しようと思います。
 昨日は、5月31日に行われた高橋和夫放送大学名誉教授と田中浩一郎慶應義塾大学教授による「核合意離脱 米・イラン関係の行方」をご紹介したのですが、その翌日の6月1日には、福田康夫内閣総理大臣が招かれ、「公文書管理を考える(3)」として話されていることに気がつきました。
 小泉内閣官房長官時代から公文書管理問題に取り組み、首相在任中に公文書管理法制定への道筋をつけた(成立は麻生内閣時代)福田康夫氏が、公文書の改ざん、隠匿などの不祥事が次々と暴かれる状況について、どのように発言されたか、興味津々という方も多いでしょう(私自身ももちろんそうです)ということで、2日続けて日本記者クラブ会見動画をご紹介することにしました。
 
 けれども、福田康夫元首相の会見は「公文書管理を考える(3)」であって、当然、「(1)」と「(2)」が既に行われているわけです。
 そこで、以下には、シリーズ第1回の三宅弘弁護士(昨年の8月23日には、和歌山弁護士会の招きにより、「“公文書”は誰のもの?~あらためて国民の知る権利を考える~」と題して講演していただきました)、そして、第2回の 仲本和彦氏(沖縄県公文書館アーキビスト)の会見動画も併せて一挙にご紹介することとしました。
 もっとも、実は、この「公文書管理を考える」シリーズは、
 
6月5日 (4)磯田道史・国際日本文化研究センター准教授
6月7日 (5)加藤丈夫・国立公文書館館長
 
と予告されており、とりあえずの最終回まで公開されたら、今回の投稿を増補して再配信しようかと思っています。
 森友学園問題、加計学園問題、自衛隊日報問題など、日々マスコミを賑わす問題の本質がどこにあるのか、根っこのところから理解するために、このシリーズの人選はうってつけだと思います。仲本和彦さんのお話はまだ視聴できていませんが、三宅弘弁護士と福田康夫元首相を招く(これから国立公文書館館長も招く予定)というのは日本記者クラブなればこそ実現したラインナップでしょう。
 私も、是非全編視聴して学びたいと思います。
 
 
2018年04月16日 15:30~16:30 10階ホール
「公文書管理を考える」(1)三宅弘弁護士(1時間07分)
(会見リポートから引用開始)
数百人規模の公文書管理庁新設でチェック強化を
 昨年来の森友・加計両学園を巡る問題が再燃し、公文書管理が改めて注目されている。内閣府の諮問機関である公文書管理委員会の委員長代理を務める三宅弘弁護士が、最近の問題を踏まえて解説した。
 役所内で複数の職員間の連絡に使われれば公文書の「組織共用性」という定義を満たすのに、職員が「個人のメモ」として作れば公文書扱いされていないケースや、役所の意思決定に関わる文書なのに保存期間「1年未満」に設定されて勝手に捨てられてしまうケースを厳しく批判。3月の朝日新聞の報道で発覚した財務省の文書改ざんを「昨年1年間の議論は何だったのか」と嘆いた。
 自衛隊の国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報について、防衛省がいったん廃棄したと説明した後に次々に見つかっている問題にも触れ、「外務省外交史料館同様に、史料館を設けて戦略的な集中管理をすべきだ」と提言した。
 改善策も示した。改ざんや不作成に対しては公文書管理法を改正して科料などの罰則規定を設けることや、安易な文書廃棄を防ぎ国として文書のチェック態勢を強化するために、内閣府公文書管理課を改組・独立させた数百人規模の公文書管理庁を作ることを呼びかけた。
 さらに①公文書の定義の一つである「組織共用性」を廃止して役所で保存すべき文書の範囲を広げること②情報公開法を改正して「知る権利」を明記すること③情報公開訴訟で開示・不開示が争われた文書について、裁判所に密室での閲覧権を与えて公平な判断を促す「インカメラ審理」の導入すること――を求めた。
 三宅弁護士は15年にわたって公文書管理や情報公開について、専門家の立場から発言を続けてきた。これまでは地味な分野で脚光を浴びることが少なかったが、国民の関心が高い今こそ、解決の好機になるかもしれない。
毎日新聞社会部  青島 顕
(引用終わり)
 
2018年05月11日 14:00~15:30 10階ホール
「公文書管理を考える」(2)仲本和彦・沖縄県公文書館アーキビスト(1時間37分) 
(会見リポートから引用開始)
独立した管理機関設置など提言
 森友学園を巡る財務省の決裁文書改ざんや自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽など公文書管理を巡る問題が相次いで発覚している。1997年から9年間、米国立公文書館(NARA)で資料調査を行い、沖縄県公文書館アーキビストとして活躍する仲本和彦さんが、日本の公文書管理制度へ改善策を提言した。
 仲本さんの案は①公文書の定義を「組織の共有」に限定しない、②独立した記録管理院を創設、③レコードマネジャーの配置、④罰則規定を設ける―の4点だ。
 日本の公文書管理法では行政ファイルの破棄に関し首相に「協議し同意を得なければならない」とされ査察も首相が「提出を求めることができる」にとどまっている。しかし、米国では政府から独立した国立公文書館長が査察し、破棄も処分計画書を点検し、利害関係者がコメントできるよう官報に告知した後になされると違いを解説。政府の意向で破棄がされないよう、会計検査院のように独立した組織の設置などを求め「抜本的改革をしていかないとこの問題はなくならない」と指摘した。
 米国では国家戦略として記録管理が取り組まれているという。特に課題となっているのが電子媒体の保存で100年先にも閲覧できるようにするため産官学で取り組んでいると紹介した。トランプ大統領が駆使するツイッターも公文書として保存されるという。
 仲本さんは制度不備だけでなく、現在の国会論争にも苦言を呈した。首相の関与など「安倍おろし」に終始している点を疑問視し「本質は行政がゆがめられる土壌があることだ。公文書記録の管理をどうするかもっと突っ込んだ議論をしてほしい」と訴えた。今を生きる国民への説明責任だけでなく、将来の国民が政策点検するのに重要な公文書。新国立公文書館の建設までに、公文書の役割を国民が考える機会にしたい。
沖縄タイムス東京支社  上地 一姫
(引用終わり)
 
2018年06月01日 15:00~16:00 10階ホール
「公文書管理を考える」(3)福田康夫・元首相(1時間01分)
(動画説明から引用開始)
首相在任時に、公文書管理法制定に取り組んだ福田氏が、管理法制定までの経緯や現在の在り方について話した。
「記録を残すということは歴史を積み上げること。日本の形を作るという意識を持って欲しい」と、公務員の意識の重要性を強調した。一方で罰則を設けることについては「一人ひとりの良心に依存」と、否定的な味方を示した。
司会 川村晃司 日本記者クラブ企画委員(テレビ朝日
(引用終わり)
 
(参考法令)
行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)
公文書等の管理に関する法律(平成二十一年法律第六十六号)