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「立憲デモクラシー講座・第Ⅲ期」第6回・前川喜平氏(前文部科学事務次官)「教育改革における「個人」と「国家」~臨時教育審議会のパラドックス~」のご紹介

 2018年7月4日配信(予定)のメルマガ金原No.3198を転載します。
 
「立憲デモクラシー講座・第Ⅲ期」第6回・前川喜平氏(前文部科学事務次官)「教育改革における「個人」と「国家」~臨時教育審議会のパラドックス~」のご紹介
 
 立憲デモクラシーの会が主催(時に協力ということも)する「立憲デモクラシー講座」の第Ⅲ期も、回を重ねて第6回が開かれました。時期的に見て、第Ⅲ期はこれが最後かもしれません・・・と思っていたのですが、最後の山口二郎さん(共同代表)の挨拶によると、7月20日(金)、戦前の国体思想や学問の弾圧(だけではないでしょうが)などをテーマとして開催するようで、基調講演2人+パネルディスカッション(西谷修さんや石川健治さんも参加)という盛り沢山な内容となるようです。
 以上予告された次回もそうですが、従来、政治学憲法学の研究者が講師を務めることが多かった「立憲デモクラシー講座」の取り上げるテーマや講師が、第Ⅲ期では、相当に広い範囲から選ばれるようになったという印象があります。
 何しろ、最新の第6回の講師は前川喜平さん(前文部科学事務次官)だったのですからね。
 以下に、第Ⅲ期の講師とテーマをご紹介しておきます。
 
第1回 2017年12月15日 
山口二郎氏、佐々木寛氏、柿崎明二氏「市民連合と選挙政治-到達点と課題」
 
第2回 2018年1月26日 
本田由紀氏(東京大学大学院教授)「家族に干渉する国家―家庭教育支援法案を中心に」
 
第3回 2018年3月2日 
石田淳氏(東京大学大学院総合文化研究科教授)「安全保障のディレンマと立憲デモクラシー」
 
第4回 2018年4月27日
上西充子氏(法政大学キャリアデザイン学部教授)「働き方改革という策略―裁量労働制高度プロフェッショナル制度をめぐって」
 
第5回 2018年5月11日
丹羽宇一郎氏(元伊藤忠商事会長、元駐中国大使)「戦争に近付くな」
 
第6回 2018年6月29日
前川喜平氏(前文部科学事務次官)「教育改革における「個人」と「国家」~臨時教育審議会のパラドックス~」
 
 今回も、いつものようにUPLANさんによる動画がアップされていますのでご紹介します。
 
20180629 UPLAN 前川喜平「教育改革における「個人」と「国家」~臨時教育審議会のパラドックス~」(2時間03分)
 
 なお、残念ながら音声レベルは、聴きとりやすいとはどうも言いにくいようなので、外付けのアンプ付き小型スピーカーを接続して聴かれることをお勧めしたいと思います(パソコンで講演動画を視聴する人の必需品~「ダイソー300円スピーカー」をお薦めします/2018年6月16日)。
 
 なお、講演の内容に関連していくつかのサイトをご紹介しておきます。
 
〇文部省『学制百二十年史』(ぎょうせい刊/1992年)
 第三編 教育・学術・文化・スポーツの進展と新たな展開
  第一章 教育改革
   第三節 臨時教育審議会と教育改革
    一 臨時教育審議会設置までの教育改革の検討
    二 臨時教育審議会の発足
        三 臨時教育審議会の答申
    四 臨時教育審議会答申の実施状況
 提唱者であった中曽根康弘首相をして、「会長を学者にしたのと(財界人にすれば良かった)、事務局を文部省にしたのが失敗だった」と言わしめた臨教審の成果について、文科省サイトの中で詳しく言及しているのは以上の部分しか見つかりませんでした。4次にわたる答申自体も、ネットで見つけることができませんでした。
 わずかに、以下の第4次(最終)答申の(抄)が見つかっただけです。
 
〇教育改革に関する第4次答申(最終答申)(抄)
 
 前川さんが、1947年・教育基本法の前文を諳(そら)んじておられることはつとに有名だと思いますが、この立憲デモクラシー講座の冒頭においても、同前文を暗唱される前川さんの姿を視聴できます。
 以下に、いまだに文科省サイトに掲載されている1947年・教育基本法から前文を引用します。
 
文部科学省 教育基本法資料室へようこそ! 昭和22年教育基本法制定時の条文
(前文を引用開始)
 われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。
 われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。
 ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する。
(引用終わり)
 
(参考書籍)
 前川さんの初めての単著でしょうか、前川さんの座右の銘をそのままタイトルにした『面従腹背』という本が出来ました。私も未入手ですが、是非読んでみたいと思います。
 
前川喜平著『面従腹背』(毎日新聞出版
【目次】
はじめに~個人の尊厳、国民主権
第1章 文部部官僚としての葛藤
第2章 面従腹背の教育行政
第3章 教育は誰のものか
第4章 特別座談会 加計学園問題の全貌を激白
 前川喜平
 寺脇研京都造形大学教授)
 倉重篤郎(毎日新聞専門編集委員
おわりに~面従腹背から眼横鼻直へ
巻末 面従は一切なし Twitterなら何でも言える
    ほぼ独り言の「腹背発言集」
 
 上の目次(おわりに)に出てくる「眼横鼻直」は「がんのうびちょく」と読む道元禅師の説法に由来する禅語であり、「あたり前の事実を、ありのままに見て、しかも、そのままである真実を頷(うなず)き取る。」意だそうです(臨済禅・黄檗禅公式サイトより)。
 「面従腹背から眼横鼻直へ」の真意を知りたい人は、この本を買わねばならないでしょうね。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/立憲デモクラシー講座)
2015年11月15日
佐々木惣一が発見した「国民の存在権」(憲法13条)と自民党改憲案~石川健治東大教授の講義で学ぶ(11/13立憲デモクラシー講座 第1回)
2015年12月12日
山口二郎法政大学教授による「戦後70年目の日本政治」一応の総括~12/11立憲デモクラシー講座 第3回)
2016年1月8日
中野晃一上智大学教授による「グローバルな寡頭支配vs.立憲デモクラシー」~1/8立憲デモクラシー講座第4回)
2016年1月31日
杉田敦法政大学教授による「憲法9条の削除・改訂は必要か」~1/29立憲デモクラシー講座 第5回)
2016年3月28日
立憲デモクラシー講座第6回(3/4三浦まり上智大学教授)と第7回(3/18齋藤純一早稲田大学教授)のご紹介
2016年4月11日
立憲デモクラシー講座第8回(4/8)「大震災と憲法―議員任期延長は必要か?(高見勝利氏)」のご紹介(付・『新憲法の解説』と緊急事態条項)
2016年4月25日
立憲デモクラシー講座第9回(4/22)「表現の自由の危機と改憲問題」(阪口正二郎一橋大学教授)」のご紹介(付・3/2「放送規制問題に関する見解」全文)
2016年5月15日
立憲デモクラシー講座第10回(5/13)「戦争化する世界と日本のゆくえ」(西谷修立教大学特任教授)のご紹介
2016年6月16日
立憲デモクラシー講座第11回(6/3石田英敬東京大学教授)と第12回(6/10岡野八代同志社大学大学院教授)のご紹介
2016年10月22日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅱ期」スタート~第1回・白藤博行専修大学教授「辺野古争訟から考える立憲地方自治」(10/21)のご紹介
2016年11月21日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅱ期」第2回・木村草太首都大学東京教授「泣いた赤鬼から考える辺野古訴訟」は視聴できないけれど
2016年12月17日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅱ期」第3回・五野井郁夫高千穂大学教授「政治的リアリズムと超国家主義丸山眞男の国際政治思想から現代世界を読む」のご紹介
2017年1月16日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅱ期」第4回・山口二郎法政大学教授「民主主義と多数決」のご紹介
2017年3月11日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅱ期」第5回・青井未帆学習院大学教授「裁判所の果たす役割~安保法制違憲国家賠償請求訴訟を題材に」のご紹介
2017年5月5日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅱ期」第6回・石川健治東京大学教授「天皇と主権 信仰と規範のあいだ」のご紹介
2017年6月29日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅱ期」第7回・島薗進上智大学特任教授&石川健治東京大学教授「教育勅語―なにが問題か:天皇・軍隊・人間」のご紹介
2017年12月17日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅲ期」第1回・山口二郎氏、佐々木寛氏、柿崎明二氏「市民連合と選挙政治-到達点と課題」のご紹介
2018年1月30日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅲ期」第2回・本田由紀氏(東京大学大学院教授)「家族に干渉する国家―家庭教育支援法案を中心に」のご紹介
2018年3月3日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅲ期」第3回・石田淳氏(東京大学大学院総合文化研究科教授)「安全保障のディレンマと立憲デモクラシー」のご紹介
2018年4月29日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅲ期」第4回・上西充子氏(法政大学キャリアデザイン学部教授)「働き方改革という策略―裁量労働制高度プロフェッショナル制度をめぐって」のご紹介
2018年5月13日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅲ期」第5回・丹羽宇一郎氏(元伊藤忠商事会長、元駐中国大使)「戦争に近付くな」のご紹介
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/YouTube版・立憲デモクラシー講座)
2018年2月18日
YouTube版・立憲デモクラシー講座が始まった~第1回(山口二郎氏)、第2回(杉田敦氏)、第3回(長谷部恭男氏)のご紹介
2018年3月12日
YouTube版・立憲デモクラシー講座第2回「立憲政治とは何か」(杉田敦法政大学教授)のご紹介~【音声改良版】再アップ
2018年3月14日
YouTube版・立憲デモクラシー講座に石川健治東京大学教授(憲法学)が登場~しかも3回分(第4回~第6回)の「大河」講義
2018年4月6日
YouTube版・立憲デモクラシー講座・第7回「「メディアと政治」を考える」(石田英敬東京大学教授)を視聴する
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/前川喜平氏関連)
2017年6月2日
前川喜平前文部科学事務次官の記者会見&インタビュー動画を視聴する
2017年7月22日
前川喜平前文部科学事務次官の日本記者クラブ記者会見&国会参考人質疑を読む(視聴する)
2017年11月25日
前川喜平/寺脇研『これからの日本、これからの教育』(ちくま新書)を読む
2017年12月7日
【日程速報】2018年4月27日・前川喜平氏寺脇研氏が和歌山で語る(青法協憲法記念の夕べ)&【必見動画】前川喜平氏ロングインタビュー(IWJ)
2018年1月10日
「前川喜平さん・寺脇研さんズバリ加計問題を斬る」で「加計問題」を語り、同日「寺脇研トークセッション004」では「教育」を語る(2018年1月8日@岡山市
2018年1月31日
市民連合「あたりまえの政治を取りもどす 1.30シンポジウム」に登壇した前川喜平さん、望月衣塑子さん、寺脇研さん
2018年2月7日
神戸市(1/16)と今治市(2/3)での前川喜平氏講演会の動画を視聴しながら、和歌山市(4/27)での講演会を心配する私
2018年3月8日
前川喜平氏寺脇研氏が語る「これからの日本 憲法と教育の危機」~青法協和歌山支部憲法を考える夕べ(2018年4月27日)へのお誘い
2018年4月5日
会場が変わりました!前川喜平氏寺脇研氏が語る「これからの日本 憲法と教育の危機」(2018年4月27日@和歌山県民文化会館大ホール)
2018年4月18日
「これからの日本 憲法と教育の危機(前川喜平氏寺脇研氏)」4/27@和歌山県民文化会館大ホールのお知らせと前川氏講演動画「憲法とわたし」(4/17)のご紹介
2018年4月22日
市民連合「あたりまえの社会を考えるシンポジウム~貧困・格差の現場から」(2018年4月20日北とぴあ・さくらホール)を視聴する~本田由紀さん、前川喜平さん他
2018年4月28日
前川喜平氏寺脇研氏、堀内秀雄氏「これからの日本 憲法と教育の危機」(青年法律家協会和歌山支部)に1,500人!~天の時・地の利・人の和