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残念なお知らせ~今年(2018年)の紀州おどりに「九条連」は参加しません

 2018年7月23日配信(予定)のメルマガ金原No.3217を転載します。
 
残念なお知らせ~今年(2018年)の紀州おどりに「九条連」は参加しません
 
 今日は、残念なお知らせをしなければなりません。
 2005年5月に設立したばかりの「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」の呼びかけにより、その年の8月6日に行われた第37回紀州おどり(正調ぶんだら節の部)に初出場を果たして以来、平和憲法を守りたいという市民有志が「九条連」を結成し、昨年の第49回まで連続出場を続けてきましたが(第46回は荒天のために中止)、今年の「九条連」を結成しての参加は取りやめとなりました。
 これまで延べ12回にわたり、ほぼ毎回のように参加してくださった方もおられる中、このようなお知らせをしなければならないのはまことに残念です。
 
 ここで、初出場以来、紀州おどりの公式アナウンサーによって当日読み上げられてきた「九条連」の紹介文をあらためてご紹介します。
 
「私たち憲法9条を守る和歌山弁護士の会と9条ネットわかやまは、世界に誇る平和憲法9条を守り、再び戦争の惨禍が起こることのないよう活動しています。戦後60年、平和な日本を築き上げてきた憲法9条に感謝しながら、力いっぱい踊ります」
 
 若干補足すると、最初に出場した時点では、「9条ネットわかやま」はまだ結成準備の段階でした。2005年の初出場に備えて新調した法被の襟に染め抜いた「九条ネットわかやま」という表記に漢数字が使われたのは、単に縦書きだったからということだったかもしれませんが。
 それと、もしかすると最近では、「戦後60年」は「戦後70年」と改訂されていたかもしれません。
 
 この紹介文を読み返すと、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」が設立されたのも、「9条ネットわかやま」の設立が準備されていたのも、そして、「九条連」を結成して紀州おどりに初出演したのも、全て「戦後60年」の2005年のことだったことが分かります。
 前年の2004年6月10日には、9人の著名な識者から、「日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、「改憲」のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始めることを訴えます。」という「九条の会」アピールが発表され、全国においていわゆる「9条の会」を結成する動きが相次いだのが2005年以降のことでした。
 
 「九条の会」アピールから14年、9人の呼びかけ人のうち6人の方がお亡くなりになり、今も実質的に活動を続けておられるのは澤地久枝さんくらいか、という状況の中、同会は新たに12人の世話人が就任するなどのてこ入れを行っていますが、粘り強く活動を続けてきた各地の「9条の会」をはじめとする運動体の中には、新たな参加者がほとんどなく、単に活動を担う者の平均年齢が10歳以上高まっただけというところも少なくないのではと危惧されます。
 
 和歌山における「九条連」の活動休止も、大きな流れとしては、「メンバーの高齢化、活動の疲弊」という文脈で理解すべきなのかなと(私は)考えています。
 
 実は、近年、先に引用した「九条連」の紹介文にある「世界に誇る平和憲法9条を守り」というような「政治的主張」を行う連を出場させて良いのか?という抗議が実行委員会(事務局は和歌山市)に寄せられているということは、和歌山市からも伝えられ、昨年など、実行委員会の出方次第では、仮処分を申請する必要があるのでは?という想定をしていた時期もあったくらいです。
 護憲集会への地方自治体による後援名義の拒否、憲法俳句(梅雨空に「九条守れ」の女性デモ)の公民館誌への掲載拒否など、民主主義社会の根幹を支える「表現の自由」「思想信条の自由」がないがしろにされる風潮のまっただ中に「九条連」もあった訳で、そのような時期であるからこそ、意地でも「九条連」を続けるべきだと、正直、個人的には思わないでもありません。
 
 けれども、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」において、今年の紀州おどりには参加しない、という提案がなされた時、私は反対しませんでした。
 その主な理由は、継続して参加しようという人があまりに少なくなってしまったということにあります。昨年(2017年)の参加者は正味50人、しかもそのうち3人に1人は子どもでした。そのことを、私はブログに「他の連にはない著しい特色」と書いてはみたものの(第49回紀州おどりに今年も九条連が参加しました/2017年8月5日)、裏返せば、「大人は30数人しか来なかった」ということですからね。
 何ごとにも「始まり」があれば必ず「終わり」があるわけで、この辺が「九条連」の仕舞い時かもしれないと感じています。
 
 「九条連」の意義を認めて、毎回のように参加し、周囲にも呼びかけてくださった方にはまことに申し訳ないのですが、以上のような事情をご理解いただければと思います。
 
 毎年8月の第一土曜日に開催される紀州おどりへの「九条連」としての参加要請が、なぜ今年は来ないのだろう?というお問合せを何件かいただき、私が、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」を代表してお知らせするような立場ではないのですが(役員でも何でもない)、これまでブログ等を通じて参加要請をしてきた経緯もあり、今年から参加中止に至ったことをお知らせすることにしたものです。
 
 もちろん、「九条連」としての活動は一応の終止符を迎えましたが、「憲法9条を守る活動」に終止符はありません。また、新鮮な顔ぶれを迎え入れ、新たな枠組みでの取組を何とか実現したいと思いますので、一緒に智恵を出し合いましょう。
 
(注 写真は2017年の第49回紀州おどりに出場した「九条連」です)

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(弁護士・金原徹雄のブログから/紀州おどり「九条連」関連)
2013年7月25日
今年も「九条連」は紀州おどりに参加します!
2013年8月4日
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2015年7月22日
今年こそ「九条連」に結集を!(8/1)~10回目の紀州おどり出場
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今年も「九条連」が紀州おどり(第48回 2016年8月6日)に参加します
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「九条連」(第49回 紀州おどり 正調ぶんだら節の部)への参加を呼びかけます~今年を最後としないために
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