平和と戦争を考えるテレビ番組 2018年夏(統合版)
2018年8月3日配信(予定)のメルマガ金原No.3228を転載します。
平和と戦争を考えるテレビ番組 2018年夏(統合版)
本ブログにおいて、過去3回にわたり、「平和と戦争を考えるテレビ番組」をご紹介してきました。
2018年7月16日
2018年7月17日
平和と戦争を考えるテレビ番組(NNNドキュメント)2018年夏
2018年7月24日
3本目の記事は、実質的には2本目の記事の増補版ですが、それでも2本の記事に分かれて紹介しているので、一覧性に難があり、仮タイトルであった番組名が、その後、番組サイトで確認したところ、変更されているというものもあったりしますので、いよいよ明日以降、ご紹介した番組の放送が始まるのを機に、「統合版」を作っておくことにしました。
正直、私もこの全番組を録画するわけにもいかず(主には録画機のハードディスク容量の問題ですが)、一覧にした番組案内をプリントアウトした上で、どれを録画するか、じっくりと考えたいと思っています。
皆さまも、ご活用いただければ幸いです。
8月4日(土)NHK・Eテレ 23:00~0:00
「シュモーさんを探して」
原爆投下から4年後の広島。家を失った人々のため、日米のボランティアが住宅の建設をはじめた。率いたのは、アメリカ人のフロイド・シュモー。多くの手紙で資金を募り、協力を呼びかけた。そのなかには昭和天皇宛の書簡もあった。彼をつき動かしたものはなんだったのか。アメリカに残された資料と関係者の証言から、戦争の犠牲となった市民のために活動を続け、平和を求めたシュモーの姿を明らかにしていく。」
8月5日(日)朝日放送テレビ 4:55~5:25
8月8日(水)テレビ朝日 3:30~4:00(7日深夜)
8月9日(木)メ~テレ(名古屋テレビ) 4:29~4:55
「広島に投下された原子爆弾。
73年経っても、およそ14万人の犠牲者を出した惨状は、語り尽くされていない。
広島市の海岸からわずか1キロ。
瀬戸内海に浮かぶ、金輪島(かなわじま)。
陸軍直轄の“秘密の島”には、原爆の負傷者が運ばれたというが、当時の資料はほとんど残されることなく、全てが軍のものだった島の記録は、終戦と共に消された。
その金輪島を、戦後70年以上経ち初めて訪れた女性が証言する「あの日」の惨状―
忘れられた、小さな島の記憶をたどる。
ナレーター:花澤香菜
制作:広島ホームテレビ」
8月6日(月)日本テレビ系列 0:55~1:25(5日深夜)
NNNドキュメント’18「「ただいま」と言えない...~原爆供養塔に眠る814人~」
「広島の平和公園にある原爆供養塔。そこに名前が判明しているにも関わらず遺族の元に戻っていない814人の遺骨が今も眠る。一体なぜ?我々が遺族探しを始めると存在しない住所も。そんな原爆供養塔から去年暮れ7年ぶりに遺骨が遺族の元に戻ってきた。名前が漢字一字違うことから特定に至らなかったが、映画「この世界の片隅に」がきっかけで行政も動いた。そして今年73年の時を経てある遺族が一歩を踏み出した。その思いとは...
【制作:広島テレビ】
再放送
8月12日(日)11:00~BS日テレ
8月12日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24」」
8月6日(月)NHK総合 19:30~20:43
NHK広島放送局開局90年ドラマ「夕凪の街 桜の国2018」
「【みどころ】
漫画家こうの史代氏が2004年に発表した『夕凪の街 桜の国』。
日常生活をユーモアあふれる素朴なタッチで描きながらも、原爆に翻弄された女性とその家族のひたむきに生きる姿が胸を打つ物語です。
今回、原作の設定を2018年に置きかえ、オリジナルストーリーを加えてドラマ化します。
昭和30年、思いがけない悲劇に襲われる女性。そしてそれから63年の時を経た平成30年、その秘密を図らずも知ることになる、もう一人の女性。
二つの時代をつなぐ一本の“糸”を探る中で、幸せとは何か?家族とは何か?という問いが世代を超えてじんわり胸に迫ります。
被爆地の放送局として、核と平和に向き合う番組を制作し続けてきたNHK広島放送局が開局90年の節目に送る感動の物語にご期待ください!
【メッセージ こうの史代さん】
『夕凪の街 桜の国』はもう15年近く前の作品ですが、こうしてまた新しい形でみなさんに観ていただけるのはとてもうれしいです。2018年の今の広島がドラマのオリジナル要素として加わりますが、好きなドラマの脚本家さんだったので楽しみでした。いただいた脚本を見て、本当に面白くなっていたので、感激しています!
【スタッフ】
脚本 森下 直
音楽 小林洋平
制作統括 田中意澄
プロデューサー 小池明久
演出 熊野律時
【あらすじ】
出版社で編集者として働く石川七波(46)。悩みの種は編集部のリストラと、認知症の疑いのある79歳の父親・旭。ある日、行き先も言わず家を出て行った旭を追いかけていると、いつもかわいがっている姪の風子(17)も合流。どうやら家出をしてきたらしい・・・
旭の行き先は広島。風子と一緒に尾行する七波。旭がある人の足跡を尋ねていることに気づく。そのある人とは、原爆によって亡くなった旭の姉。七波の伯母にあたる人物だった。
その、伯母の名は平野皆実。13歳のとき広島で被爆したが、昭和30年、23歳になるまで広島で暮らしていた。心の傷に悩みながらも、職場で出会った青年と恋に落ち、小さな一歩を踏み出しかけたとき、忘れかけていた“原爆”が再び皆実を襲う。
皆実の弟・旭と七波と風子の広島への旅は、それから63年後の平成30年夏。この不思議な旅の中で、これまで明かされていなかった様々なドラマが明らかになっていく・・・」
8月6日(月)NHK総合 22:00~22:45
「広島市街を望む丘の頂に立つ放射線影響研究所。その一角に、膨大な数の血液試料が凍結保存されている。原爆で被爆した親とその子らから採取した、約1000家族分の血液細胞が、そのひとつ。放影研は、この貴重な試料の一部を使って「ゲノム解析」に着手した。最新科学の力で解明しようとしているのは「原爆放射線の影響は遺伝しているのか?」という命題。原爆投下以来、世界の科学者が解を求めてきた“問い”だ。
原爆投下後、被爆地では、放射線によって生殖細胞が傷つき、被爆者の子供たちの健康にも悪影響が表れるのではないかという「遺伝的影響」の懸念が広まった。科学者たちの必死の追究が行われたが、それは今日に至るまで明らかになっていない。
「影響はない」と断定されてもされなくても、不安から逃れられない被爆者たち。そして、真実を追究するという使命と社会的影響との間で揺れる研究者たち。戦後73年、格闘を続ける関係者それぞれの思いに迫りながら、この“問い”に対する最新科学の到達点と、市民の上で炸裂した核兵器が遺した爪痕を見つめていく。」
8月11日(土)NHK総合 21:00~21:49
このルソン決戦で戦死した兵士のひとりが、小野文惠アナウンサーの祖父、「病院船衛生第15班」の衛生兵だった小野景一郎さん。祖父が関わるこの戦闘を去年、母親を通じて知らされたことをきっかけに、小野文惠は今年、他の遺族と共にルソン島に渡り、祖父の足跡をたどろうと考えている。
番組では、小野母子と遺族たちの現地調査に同行する。小野の母親が密かに保管してきた衛生班の部隊史や生還兵の手記と証言を照らし合わせ、戦死した日本兵20万人の知られざる真実に迫る。さらに、ルソン決戦について、米軍の膨大な未公開資料を発掘。それを日本側の資料や証言と照合したところ、今回初めて、ルソン決戦で亡くなった、20万人の“最期”が明らかになろうとしている。小野文恵アナウンサーの祖父・景一郎さんの「病院船衛生第15班」の最後の行程をたどりつつ、その向こうにあるルソン決戦の全貌を立体的に描き出すドキュメンタリー番組としたい。」
8月11日(土)Eテレ 23:00~0:00
「「赤い背中」が残したもの~「NAGASAKI」の波紋~」
「アメリカ人の「原爆観」を揺さぶっている本がある。アメリカ人作家・スーザン サザードさんが著した『NAGASAKI』だ。「赤い背中」を抱え、奇跡的に生き抜いた長崎の被爆者・谷口稜曄さんとの出会いをきっかけに生まれたこの本は、全米で大きな反響を呼んだ。
トランプ大統領支持者が数多くいるオハイオ州では、「原爆投下は戦争を終わらせるために仕方なかった」と考える軍関係者を親族に持つ学生たちがこの本に触発され、「原爆観」を捉え直そうとしている。現代アメリカの「市井の人々」の変化を見つめる。」
8月12日(日)NHK総合 21:00~21:49
NHKスペシャル 「“駅の子”の闘い~語り始めた戦争孤児~」
「親を空襲で亡くしたり、親と離れ離れになったりしてうまれた戦争孤児、その数は12万人にも及ぶ。孤児が駅や繁華街で寝泊まりする姿は全国で目撃されたが、子どもたちに何があったのか、その実態はよくわかっていない。
NHKでは、この3年間、孤児への聞き取りや、資料発掘を進めてきた。その結果、生々しい悲劇の実態が見えてきた。食べるものがなく、目の前で子どもたちが餓死していく日常、生きるために盗みや売春をせざるをえない子どももいた。重い口を開き始めた孤児たちが訴えるのが、国や大人たちから「見捨てられた」という思いだ。「汚い」とさげずまれ、やさしい言葉をかけてくれる大人はいなかった。進学や就職してからも差別や偏見が続いた。孤児の多くは過去を隠し、1人で生きていくしかなかった。
「戦争が終わってから本当の戦いが始まった」という孤児たち。当事者の証言をもとに、知られざる戦争孤児たちの実像と“封印されてきた戦後史”に迫る。」
8月13日(月)NHK総合 22:00~22:45
NHKスペシャル「船乗りたちの戦争~海に消えた6万人の命~」
「「我敵部隊見ユ」―広大な海域を舞台に行われた太平洋戦争。その最前線でアメリカ軍の襲来を見張る「哨戒」を担っていたのは、海軍に徴用された漁師たちであった。通称「黒潮部隊」。小さな漁船はアメリカ軍による凄まじい射撃に晒され、「敵ニ対シ突撃ヲ決行ス」と打電し消息を絶っていった。部隊の死者は2000人に及ぶとも言われるが、詳しいことは分かっていない。戦争遂行に不可欠な石油を運んでいたのも、民間の船員たちであった。戦局の悪化とともに、軍は「特攻精神」による輸送を決定。それは、船団のうち、何隻かが日本に戻れれば良いという、死を前提とした輸送作戦であった。武装の乏しい漁船や商船は、米潜水艦の格好の標的となり、およそ6万人が犠牲になったと言われている。今回、こうした船が、いつ、どこで沈められたのかを示すデータを入手し、被害の全体像を可視化することに成功した。先の戦争で海の男たちは、どのような現実に直面したのか、埋もれてきた事実を明らかにする。」
8月15日(水)NHK総合 19:30~20:43
「79年前、モンゴル東部の大草原で、日ソ両軍が激戦を繰り広げたノモンハン事件。ソ連軍が大量投入した近代兵器を前に、日本は2万人に及ぶ死傷者を出した。作家・司馬遼太郎が「日本人であることが嫌になった」と作品化を断念した、この戦争。情報を軽視した楽観的な見通しや、物量より優先される精神主義など、太平洋戦争でも繰り返される“失敗の本質”が凝縮されていた。しかし軍は、現場の将校には自決を強要した一方で、作戦を主導した関東軍のエリート参謀たちはその後復帰させ、同じ失敗を重ねていった。
今回NHKは、ロシアで2時間に及ぶソ連軍の記録映像を発掘。4Kで精細にスキャンした映像を「AIによる自動カラー化技術」で鮮やかに着色し、戦場の実態を現代によみがえらせる。さらに軍の判断の経緯が証言された、100時間を超える陸軍幹部の肉声テープも入手。敗北はどのようにして隠され、失敗は繰り返されたのか。映像と証言から迫る。」
8月18日(土)NHK・Eテレ 23:00~0:00
ETV特集 シリーズ データで読み解く戦争の時代 第1回
「自由はこうして奪われた~9万9795人の記録が映す治安維持法の全貌~」
「1925年から20年にわたり施行された治安維持法。当初「国体の変革」を主たる目的としてつくられたこの法律は、その後適用の範囲を拡大。戦時体制に異議を唱える平和主義者や宗教関係者、さらには一般市民の自由まで奪い、人権をじゅうりんした。敗戦とともに資料の多くは処分され、国をあげた人権弾圧の全貌は明らかにされていない。NHKは、戦後発掘された記録を研究者と共に分析し、グラフやCGなどを用いて視覚化した。その結果、為政者が、法律を拡大解釈・乱用して、国の政策に批判的な人々の自由を奪っていくプロセスが浮き彫りになってきた。」
8月19日(日)NHK総合 21:00~21:49
NHKスペシャル「届かなかった手紙~戦場から故郷へ 73年目の郵便配達~(仮)」
「太平洋戦争中、戦場の兵士と故郷の人々の間を行き交った「軍事郵便」は、年間4億通に達した。ところが戦況が悪化するにつれ、“宛先に届かない”手紙が増えていった。米軍や豪軍に押収され、その多くは返還されなかったのだ。検閲に配慮しながら、死と向き合う極限状態の中で紡ぎ出された、家族や友人への愛情にみちた言葉の数々。しかし兵士たちが手紙に託した切実な思いは行き場を失い、70年以上の長きにわたって彷徨っている。
いま、そうした“未配達の手紙”が国内外で次々と見つかっている。手紙を押収した米兵や豪兵が亡くなり、インターネット・オークションで売りに出されているのだ。兵庫県の団体が集めた17万通の戦時中の手紙を調べたところ、数十通が未配達と分かった。また日本の研究者らは、海外各地の文書館を調べ、計100通を超す未配達の手紙を発見した。
番組では、宛先の遺族や関係者を探し、70年余りの時を経て初めて手紙を届ける。配達先で見えてきた、手紙に秘められた様々なドラマから、知られざる戦争の一断面を描き出す。」
8月25日(土)NHK・Eテレ 23:00~0:00
ETV特集 シリーズ データで読み解く戦争の時代 第2回
「日中戦争からアジア太平洋戦争の時代、”戦時神経症”とされた兵士が送られた国府台陸軍病院。ひそかに保管されていた約8000人のカルテが研究者グループによって整理・分析され、日本軍人・軍属等の戦時トラウマの全貌が明らかになった。大規模近代戦がもたらすダメージに加え、日本軍特有の制裁や、住民加害への罪悪感が発病要因の相当数に当たることが判明した。分析によれば、発病地は中国の敵と住民が混在し、住民を巻き添えにしやすい場所に集中し、さらに、徴兵検査で除外されるはずの知的障害者まで多数、出征したことも明らかになった。敗戦後も、家の恥だと受け入れを拒む家族も多く、政府も終世収容の方針をとったため、大部分が社会復帰の機会を奪われた。番組では、トラウマを抱え続けた兵士と家族の戦後を見つめていく。」