「第61回 JCJ賞(日本ジャーナリスト会議)」贈賞式を視聴する~記念講演は猿田佐世さん「日本メデイアと国際報道」
2018年8月28日配信(予定)のメルマガ金原No.3253を転載します。
「第61回 JCJ賞(日本ジャーナリスト会議)」贈賞式を視聴する~記念講演は猿田佐世さん「日本メデイアと国際報道」
去る8月18日に東京・内幸町の日本プレスセンター・ホールで開かれた「第61回 JCJ賞(日本ジャーナリスト会議制定)」の贈賞式の模様(これが3時間21分もある)がYouTubeで視聴できますのでご紹介します。
今年の受賞者(団体)は、以下の5組の皆さんでした。
◇梅田正己氏『日本ナショナリズムの歴史』全4巻 高文研
◇朝日新聞東京社会部、大阪社会部の取材班
[財務省による公文書の改ざんをめぐる一連のスクープ]
◇しんぶん赤旗政治部、外信部
[「米の核削減、日本が反対 核弾頭の最新鋭化も促す」、「『沖縄に核』日本容認 09年、米の貯蔵庫建設提案に」その他続報]
◇沖縄タイムス編集局
[沖縄へのデマ・ヘイトに対峙する報道]
そして、冒頭の記念講演は、ND(新外交意シニアティブ)代表の猿田佐世弁護士で、自らのワシントンでの活動から見えてきた「日本メデイアと国際報道」について、約1時間お話されています。
以下に、視聴の目安時間を添えてその動画をご紹介します。
8・18JCJ賞 贈賞式(ノーカット版)(3時間21分)
1分~ 開会挨拶 中村梧郎氏(JCJ代表委員)
8分~ 記念講演 猿田佐世氏(国際弁護士・新外交イニシアティブ代表)「日本メデイアと国際報道」
※パワーポイントボードより
本日の流れ
1 米国から日本へ届く声とはどんな声か
2 日本へ伝わる米国情報の作られ方
3 日本メディアの問題点
4 自らの経験からの疑問(事例)
5 改善の手始めに・・・
・日米どこにおいても、権力の監視の姿勢を
・情報源を広げ、様々な意見を広く報道する
・情報の背景も十分に伝える
・問題の根幹を伝える調査報道を
・量的にも質的にも、過剰な米国報道は避ける
・様々なバックグラウンドの記者を派遣する
・もっと通信社を使う
・英語のできる記者を送る
1時間08分~ 第61回JCJ賞 講評(総評) 伊藤洋子氏(JCJ賞選考委員)
(贈賞式)
1時間27分~ 受賞者(1組目)梅田正己氏『日本ナショナリズムの歴史』全4巻(高文研)/プレゼンター(講評)柴田鉄治氏
1時間39分~ 受賞者(3組目)しんぶん赤旗政治部、外信部[「米の核削減、日本が反対 核弾頭の最新鋭化も促す」、「『沖縄に核』日本容認 09年、米の貯蔵庫建設提案に」その他続報]/プレゼンター(講評)酒井憲太郎氏
(受賞のことば)
1時間57分~ 梅田正己氏
2時間13分~ 羽根和人氏(朝日新聞大阪社会部デスク、前東京社会部デスク)
2時間30分~ 竹下岳氏(しんぶん赤旗編集局政治部副部長)
2時間45分~ 勝浦大輔氏(沖縄タイムス社会部中部報道部)
さて、この3時間20分余の長時間の動画の中から、まずどこを視聴すべきでしょうか?猿田さんの記念講演もとてもためになりますが、私からまずお勧めするとすれば、最後の清水潔さんの受賞スピーチ(約20分)ですね。
清水さんのお話で私の印象に強く残ったのは、東京大空襲、沖縄戦、広島・長崎への原爆投下などを語り継ぐことは重要であるが、これら「戦争の終わり」ではなく、「戦争の始まり」を検証することが重要であるということでした。清水さんが取材して番組にした南京事件や重慶爆撃についても、「なぜ、日本軍が中国にいたの?」、「都市を無差別爆撃して市民を虐殺するって、米軍よりも先に日本軍がやっていたのではないの?」という疑問を真正面からとらえねばというジャーナリスト魂の結晶であったようです。
「戦争の終わり」にばかり目を向けるということは、日本の加害責任から(意図するとしないとに関わらず)目をそらす結果につながりかねませんからね。
もしも機会があれば、清水さんが作られた「南京事件 兵士たちの遺言」、「戦争のはじまり 重慶爆撃は何を招いたのか」、「南京事件Ⅱ 歴史修正を検証せよ」を視聴する機会があれば、是非お見逃しのありませんように。
その他の4組の受賞者の皆さんからも、それぞれ貴重なお話がうかがえます。
興味のある分野からでも、視聴していただければと思います。
(弁護士・金原徹雄のブログから/清水潔氏のドキュメンタリー番組関連)
2015年10月8日
10/11再放送(BS&CS)に注目~NNNドキュメント'15「南京事件 兵士たちの遺言」
2017年5月15日
放送予告5/21『戦争のはじまり 重慶爆撃は何を招いたのか』(NNNドキュメント)
2018年4月30日
NNNドキュメント「焼却された機密文書(仮)」(2018年5月13日放送予定)に注目しよう
2018年5月7日
(再配信)NNNドキュメント「南京事件Ⅱ」(2018年5月13日放送予定)に注目しよう