wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

1年前(2017年)の9月9日、中野晃一さん(上智大学教授)が語ったこと~商社九条の会・東京の講演録(文字起こし)で読む

 2018年9月9日配信(予定)のメルマガ金原No.3265を転載します。
 
1年前(2017年)の9月9日、中野晃一さん(上智大学教授)が語ったこと~商社九条の会・東京の講演録(文字起こし)で読む
 
 ちょうど1年前の2017年9月9日がどんな時期であったか、皆さんは覚えていらっしゃいますか?
 幸い、私は2013年1月24日以来、「ブログ毎日更新」を続けていますので(そのベースとなっている「メルマガ金原」は2011年3月28日以来)、すぐにその日の記事を探し出すことができます。
 
2017年9月9日
「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」9.8 キック・オフ集会大成功~3000万人署名活動スタート!
 
 実は、3日前の9月6日にも、「「キックオフから1年 さようなら安倍政権 めざそう3000万人の署名 9・5集会」を視聴する~さあ、これからだ」という記事を書くに際し、上の記事も参照したものでした。
 そう、2017年5月3日、唐突に発信された「安倍改憲メッセージ」に対抗するため、総がかり行動実行委員会や九条の会が連携し、「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」(3000万人署名)を本格的にスタートさせたのが、まさに1年前の今頃だったのです。
 
 その頃の主要な政治的関心事は、10月22日に予定されていた衆議院の愛媛3区、青森4区、新潟5区の3つの補欠選挙の帰趨でした。
 ところが、その年の6月22日に野党から憲法53条に基づく臨時国会召集要求がなされていながら、3か月間店ざらしにしていた安倍内閣が、9月28日に臨時会を召集することを決定し(同月22日の閣議で)、その冒頭で解散に踏み切ったことは記憶に新しいことと思います。
 
 この間、野党第一党民進党では、蓮舫代表の辞任に伴い、前原誠司氏と枝野幸男氏との間で代表選が戦われ、9月1日の投開票の結果、前原氏が勝利して代表に就任したのも束の間、衆議院解散当日、希望の党小池百合子代表)との合流を決定。その後、小池代表の「排除」発言などもあり、民進党系候補者は、立憲民主党希望の党、無所属に3分裂する事態となったこともまた、ご説明するまでもないでしょう。
 
 さて、今日ご紹介しようとするのは、ちょうど今から1年前の2017年9月9日、明治大学リバティタワー1012教室において行われた「商社九条の会・東京」第41回企画「講演と朗読のつどい」の完全文字起こしです。
 第1部「朗読」は、女優の前田真里衣さん(劇団民芸)による「ひめゆりの少女」(吉原公一郎原作「野火燃ゆる」より)、第2部「講演」は、中野晃一さん(上智大学教授)による「安倍改憲を阻止するために~私たちは何をなすべきか~」です。
 
 私が、冒頭、1年前の政治状況を振り返ったりしたのは、中野先生の講演日が、昨年の9月9日という、まことに微妙な時期であったことに注意を喚起したいと思ったからに他なりません。
 実際、昨年の講演で、中野先生は、以下のように述べておられます(PDF8頁~)。
 
(引用開始)
 最初に申し上げているので、私の講演を前にどこかで聞いてくださった方は又かと思いになるかもしれませんが、すみません、お手元に一応レジュメがあるんですが、と言ってご覧いただいてもしようがないんであれなんですが、レジュメに沿って話しません。ですので、気休めであるというふうに思っていただいて、もしご覧になっていて気になる言葉があるとか、これなんなんだというものがあったら、質疑応答で聞いていただいたらお答えするようにします。何分、そもそも同じ話をあちこちで繰り返すということができないという性分だということもあるんですが、皆さんもご承知のとおり、この間状況が次々と目まぐるしく変わってきてですね、レジュメを用意しても追いつかないと言いますか、それこそ朝あるいは移動中に、とんでもないことが起きて、又そのことも踏まえて考えてお話をしないと、どうにもならないということが度々あるので、申し訳ありませんが、そんな具合で、即興と言ったらあれですが、今考えながらお話しをさせていただくということ
になるかと思います。
(引用終わり)
 
 私ごとで恐縮ですが、私自身、来月10月21日(日)、かつらぎ体育センター(和歌山県伊都郡かつらぎ町丁の町2530-140)で開催される「伊都・橋本 第10回 9条まつり」で、50分ほど、「これからの9条改憲阻止の闘い」というようなテーマで話をして欲しいというご依頼をいただいているのですが(イベント自体は11時からですが、私の話は12時50分頃からと聞いているので、伊都・橋本地方の皆さん、良かったら聴きにきてください)、10月21日といえば、既に臨時国会が召集されてある程度の期間が経過している頃であり、事態ははなはだ流動的と言わざるを得ませんので、レジュメは間際にならないと送れない、ということを「憲法9条を守る伊都・橋本連絡会」の事務局にお伝えしているところです。
 
 それにもかかわらず、1年前の商社九条の会・東京の企画(文字起こし)をご紹介しようとするのには、いくつかの理由があります。
 それは、前田真里衣さんの「ひめゆりの少女」が、朗読シーンが目に浮かぶようで感動的であるということがまずあります。
 そして、中野晃一さんの講演録も、間もなく衆議院が解散されるというような事態は想定していなかった時期の講演とはいえ、今でもじっくりと読み返す価値があると思いました。1つには、安保法制(戦争法)反対に立ちあがったSealdsの若者たちの実像がかなり詳しく語られていること、もう1つは、前原誠司氏による「白色クーデター」直前までの民進党民主党)の歩みが総括されている部分が参考になるということです(この辺は中野先生の政治学者としての本領の部分だから当たり前ですが)。
 
 以下に、商社九条の会・東京ホームページに掲載された文字起こし(PDFファイル)にリンクし、主催者の方で付けた見出し・小見出しを引用しておきます。講演録には、講師自身が目を通して加筆・訂正しているそうなので、見出し部分も中野先生ご自身の了解が得られたものと考えて良いでしょう。
 
前田真里衣さん朗読「ひめゆりの少女」
中野晃一さん講演「安倍改憲を阻止するために~私たちは何をなすべきか~」
(中野晃一氏講演部分についての見出し・小見出し
  目   次
第二部 中野晃一教授講演「安倍改憲を阻止するために 私たちは何をなすべきか」
はじめに
今の運動の出発点
声を上げにくい中から、新しい市民運動
中高年を元気にしたシールズのこと
 予想もできなかった出現
 シールズは若者の中ではマイノリティーなのに
 行為の感動的な凄さ
 勇気があったからこそ
 彼らに触発されて盛り上がった運動
バランスを欠き壊れた政党政治が市民に声をあげさせた
くるくる変わる自民党の政策に対応せざるをえなかった民進党
民進党が揺れているのは
自民の暴走を助けているもの
野党だけに任せていたら共闘ができないわけ
 共闘のきっかけを作った市民運動
 民進党の中の共闘を望まない議員の存在
それでも野党共闘を進めるしか道はない
質疑応答
 昨年の東京10区の選挙について
 安倍改憲阻止へ野党共闘をどうすすめるか
 民進党について
 北朝鮮問題について
 
 さて、1年前は1年前として、昨年10月の衆議院議員総選挙、今年に入ってからの公文書改ざん問題の発覚や朝鮮半島情勢の緊迫、そこから一転して米朝首脳会談が行われる等の国際情勢の変転などを踏まえた中野先生の見解を知りたいという方も当然おられるでしょう。
 そこで、今年に入ってからの中野先生の講演動画を2本ご紹介しておきます。
 1本目は、2月3日にマスコミ9条の会と日本ジャーナリスト会議の共催で行われた講演会(東京新聞の望月衣塑子記者とのダブル講演)でのお話。
 もう1本は、9月6日にこのブログでもご紹介した、「キックオフから1年 さようなら安倍政権 めざそう3000万人の署名 9・5集会」での講演です(6日とは別の動画をご紹介します)。
 
2018年2月3日「安倍政権、憲法改悪を国会に発議のかまえ」(2時間15分)
※中野晃一さんの講演は4分~1時間03分です。
 
2018/9/5「キックオフから1年 さようなら安倍政権 めざそう3000万人の署名 9・5集会」(1時間58分)
※中野晃一さんの講演は9分~55分です。