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「生きるよすがを求めて~映画監督 村川透のふるさと納税~」のご紹介~関西テレビ@2018年10月26日(金)午前2時55分~

 2018年10月23日配信(予定)のメルマガ金原No.3309を転載します。
 
「生きるよすがを求めて~映画監督 村川透ふるさと納税~」のご紹介~関西テレビ@2018年10月26日(金)午前2時55分~
 
 私のブログでは、地上波テレビのドキュメンタリー番組の予告記事を、自分の備忘録を兼ねてアップすることがよくあります。
 ただ、取り上げる番組がかなり限られていることは否めません。
 それは、主に以下の5つの放送枠で放送されるドキュメンタリーです。
 
NHK・Eテレ「ETV特集
NHK総合「NHKスペシャル」
日本テレビ系列「NNNドキュメント」
毎日放送MBSドキュメンタリー映像」
 
 もちろん、地上波で放送される優れたドキュメンタリー枠が他にもあることを知らない訳ではないのですが、正直、目配りがそこまで追いつかないのが実情です。
 同じ毎日放送制作の番組枠でも、月に1回の「MBSドキュメンタリー映像」はフォローしていますが、毎週日曜日の23時からTBSをキー局として全国ネットされている「情熱大陸」(「映像」より余程有名ですが)はほとんど取り上げたことがありません。
 
 ほとんど取り上げたことがないといえば、フジテレビ系(FNS)各局が制作した番組もそうですね。
 実は、この系列局の中には、ドキュメンタリー番組の劇場映画化に非常に積極的な東海テレビや、「みんなの学校」で有名な関西テレビも含まれており、優れた作品の宝庫なのでは?と気にはなりつつ、私の視聴できる関西テレビでは、「FNSドキュメンタリー大賞」(候補作)の放映は不定期なので、なかなかチェックできないというのが実情なのです。
 
 ということで、今日取り上げようという番組も、
制作局のさくらんぼテレビ山形県)はもとより、フジテレビでの放送も終わっているようなのですが、関西テレビの週間番組表を眺めていて、偶然、今週の25日(木)深夜、というよりは26日(金)未明といっても良いような時間(午前2時55分~)にこの番組が放送されることに気がつきました。そのタイトル「生きるよすがを求めて~映画監督 村川透ふるさと納税~」を見て、松田優作主演の『最も危険な遊戯』、『白昼の死角』、『甦る金狼』、『野獣死すべし』などを監督した人、と直ちに思い出す人というのは、もうかなりの年輩になっているでしょうか?
 実は、これらの作品が公開された頃というのが、私が一番映画館で映画を観ていた時代で、懐かしさもひとしおなのです。
 関西テレビの電波が届くところの方にしか役に立たず、しかもあと実質二昼夜で放送時間を迎えるという間際のお知らせになってしまいますが、「これは見過ごせないな」という思いから取り上げました。
 映画館の暗闇の中で、村川透監督の作品世界に浸りきった経験をお持ちの方の1人でもよいので、この情報が役に立つことを願いつつ、さくらんぼテレビ及びフジテレビのホームページに掲載された番組案内を引用します。
 それにしても、(特にフジテレビのものは)気合いの入った番組案内だと感心します。担当者の強い思い入れが伝わってくるようです。
 
関西テレビ 放送予定
2018年10月26日(金)午前2時55分~(放送枠55分)
第27回FNSドキュメンタリー大賞 ノミネート作品
生きるよすがを求めて~映画監督 村川透ふるさと納税
ディレクター・撮影・編集 大友信之
 
さくらんぼテレビ・番組案内から引用開始)
人生100年時代」。
高齢化が進む日本ではここ数年、「終活」という言葉が盛んに使われている。
自分らしい最期とは何か。
多くの人が自身の人生と向き合い答えを探している。
山形県村山市出身の映画監督・村川透(81)もその一人。
およそ60年間、映画とテレビドラマの一線で活躍してきた。
脚本の枠を超える演出で日本のハードボイルドの礎を築き、
名優・松田優作を主演に抜擢し「蘇える金狼」「野獣死すべし」などの
アクション映画を作り上げた。
またテレビドラマの「探偵物語」「西部警察」「あぶない刑事」などのヒット作を
通じて、国民にあまたの“娯楽”を届けてきた。
そんな村川にとっての“終活”は故郷への恩返しだ。
他の地方都市同様、村山市もかつてのようなにぎわいは失われている。
そこで数年前、村川は老後の資金をつぎ込み空き家となった生家を改装して、
小さなホール「アクトザールM.」を市民に開放した。
誰もが利用できるそのホールでは、以降、音楽鑑賞会やうたごえ合唱会、
映画の上映会といった様々な催しが行われている。
しかし村川が「アクトザールM.」に込めた思いは“単なる場の提供”ではない。
真の狙いは村川の哲学に基づいた「ただ一つの運営ルール」に凝縮されている。
そして2017年秋、村川は長年の東京暮らしに区切りを付け
故郷へと戻ることにした。
「アクトザールM.」の活動を見届け、映画界で得た“人生の楽しみ方”を
後世に伝えるために。
この恩返しには終わりがない。番組では村川の終わりのない“終活”を追った
(引用終わり)
 
(フジテレビ・番組案内から引用開始)
 数々のアクション作品を手掛けた映画監督がふるさと・山形県村山市に小さなホールを作りました。地域の人たちが文化や芸術に触れられる場になればと、私設のホールは誰にでも格安で開放されていますが、本当の狙いは別にありました。「自分でやってみることの楽しさと難しさ」を知り、人生を豊かにする生きがいを作ってもらう。スクリーンを通してあまたの“娯楽”を提供してきた名監督の志を踏まえ、かつてのにぎわいを無くした街に、たくさんの“元気”が生まれようとしています。
 「人が集まると何かが生まれてくる」、「何かやっていかないと」2017年11月、映画監督の村川透さん(80)は山形へと居を移しました。ふるさとの村山市は全国の地方都市同様に元気をなくしていて、60年前から人口は4割減少しています。そんな現状を憂いながらも、田舎のために何もしてこなかったという後悔がありました。
 実は村川監督は4年前、音楽家の兄とともに、東日本大震災で損壊した生家を私設ホール「アクトザールM.」に改装し、市民に開放していました。そこでは村川さんの人脈で奏者を招いたジャズ演奏会や、全国からファンが駆けつける村川作品の上映会、そして住民が企画するうたごえ合唱会などが開かれています。どの催しも参加者を楽しませようと趣向を凝らしていますが、村川さんは自分で奏者を招いた時以外は積極的に関わろうとしません。そこには村川さんなりのホール運営に関する哲学があり、それこそが「ふるさとに本当に贈りたいもの」だからです。
 その哲学は、村川さんが60年にわたる映画人生で学んだことでした。村川さんは大学卒業後に日活に入りますが、すでに時代は映画が斜陽。会社がロマンポルノに舵を切るようになると、村川さんは「これでいいのか」と自問自答した末、30歳を過ぎたころ山形に帰郷します。受け入れたのは義父で、のちに人間国宝となる鋳物職人の高橋敬典さん。ともに仕事をする中で、「こだわったものは最後まで突き詰めて自分で良しとするまでやる」という職人の気構えを教わりました。その後、旧知のプロデューサーから、テレビドラマ『大都会』の監督に誘われた村川さんは、「自分で良しとするまでとことんやろう。絶対にへこたれない職人でありたい」と心に決め、再び上京しました。『大都会』で監督業に復帰する際、村川さんはもう一つ心に決めていたことがありました。それは俳優・松田優作さんと仕事することで、当時傷害事件を起こし謹慎していた優作さんを、周囲が様子見を決め込む中、起用しました。村川さんは監督ではありますが、作品のテーマさえ外さなければ、セリフを変えようが何をしようが構わないという信念があります。優作さんはその期待にいつも応えてくれ、二人は『最も危険な遊戯』、『蘇える金狼』、『野獣死すべし』といったヒット作を連発します。「役者が自由に発想し、見る人を楽しませる」という考えは、今のアクトザールM.にもつながっています。
 その優作さんは40歳で急死し、長年コンビを組んだカメラマン・仙元誠三さんも今、余命1年と宣告されたがんと闘っています。旧友を見舞った後、村川さんは自らの死生観について「森羅万象すべてに定めがある。だから自分は死を全然恐れていない」と話します。つまりそれは「死ぬまで生きる」、「とことんやる」ということが自分らしい最期であり、アクトザールM.を通じた恩返しこそが“生きるよすが”として全うしていくべきことという覚悟の表れでした。そのアクトザールM.は、近所の人や趣旨に賛同したボランティアなど約20人のスタッフが中心となって運営しています。彼らは村川さんの哲学に基づいてさまざまな趣向を凝らしたイベントを行っていますが、実際の運営はまだまだ発展途上。また地域の活性化には世代を超えた交流が欠かせませんが、参加者は高齢者が多い。さらに資金面の課題もあり、光熱費や税金など年間50万円を超える維持費は全て村川さんが負担しています。アクトザールM.の建物そのものと運営の哲学をいかに次の世代に引き継いでいくのか。村川さんはその恩返しに道筋を付け、それを見届けようとしています。大好きなふるさとが再び元気を取り戻すと信じて。
 今、日本は「人生100年時代」とも言われ、「自分らしい最期とは何か」と多くの人が自身の人生と向き合い答えを探しています。番組では、映画監督・村川透の一風変わったふるさとへの恩返しを通して、人生のよりどころを持つ大切さを考えます。
コメント
ディレクター・大友信之(さくらんぼテレビ報道制作部)
 「村川監督はこれまでテレビの取材をすべて断ってきました。山形でも人となりを詳しく知る人は決して多くありません。山形に戻ってくるタイミングで取材を依頼したところ、快く受けて頂きました。山形では監督の“エネルギッシュな活躍”を数多く取材できると考えていました。しかし、いざふたを開けてみると、実際はイベントに参加するだけ。あとは粘着コロコロで掃除をして音楽を聴き、車いじりをするだけ。
 “シーンが撮れない、どうしよう”と気持ちが焦るばかりでした。“何もしないことが人の為になる”ということに気が付くまで多くの時間がかかりました。監督は“人生は人と出会って別れる旅”といつも話していました。何かをやりたいとの思いを行動に移せば、会うべく人と出会い、運命が変わっていく。それを経験してほしいということが“ふるさとへの恩返し”と気づいた時、ずっと心の奥にしまっていた松田優作との出会いをカメラの前で語ってくれました」
番組情報
タイトル
第27回FNSドキュメンタリー大賞 ノミネート作品
『生きるよすがを求めて~映画監督 村川透ふるさと納税~』
スタッフ
プロデューサー 佐藤武
ディレクター・撮影・編集 大友信之
音効 角千明(ヴァルス)
MA 市原貴広(ヴァルス)
CG 佐藤哲
ナレーション 田中秀幸
(引用終わり) 
 
(余談)
 私が地上波のテレビ番組で視聴するのは、正直言って、このブログでご紹介するドキュメンタリー番組が「ほぼ全て」と言っても過言ではありません。「ほぼ」というのは、台風や地震などの災害情報は別枠で視聴する、という意味です。
 なぜ、他の番組を視なくなったかについては、話し出すと長くなってしますので「またの機会に」としますが、太田隆文監督のFacebookでシェアされていて気がついた茂木健一郎さんがブログに書かれた「地上波テレビ、衝撃の凋落。」を読んで、かなりの程度納得しました。
 そう、「ぼくが子どもの頃に見ていた地上波テレビに比べて、今のテレビは、タレントたちの馴れ合い、内輪話、汚いテロップ、内容の低さなど、本当に劣化してしまっている。」という感想については完全に同意なのです(茂木さんの文章の主題は、この後の部分で紹介された中学・高校生たちのすさまじい地上波TV離れにこそあるのですが)。それでも、視るに値する番組を作っている人たちもいるということに、最後の望みを託しているのです。