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全国市長会と日本弁護士連合会が「災害時における連携協力に関する協定」を締結しました(2018年12月17日)

 2018年12月18日配信(予定)のメルマガ金原No.3365を転載します。
 
全国市長会と日本弁護士連合会が「災害時における連携協力に関する協定」を締結しました(2018年12月17日)
 
 大規模災害の発生に備え、各地の自治体と弁護士会の間で、いわゆる「災害協定」を結ぶ動きが強まっています。
 例えば、静岡県弁護士会は、このような自治体との協定の締結に非常に積極的に取り組んでいる弁護士会として知られており、同会ホームページのトップページの【新着記事】を一覧しただけでも、以下のような記事にリンクされていました。
 
【お知らせ】 松崎町と平時及び災害時の被災者支援等に関する協定を締結しました
2018年12月7日(締結日11月16日)
 
【お知らせ】 裾野市と平時及び災害時の被災者支援等に関する協定を締結しました
2018年11月10日(締結日11月6日)
 
【お知らせ】 菊川市と平時及び災害時の被災者支援等に関する協定を締結しました
2018年11月2日(締結日10月26日)
 
【お知らせ】 函南町と平時及び災害時の被災者支援等に関する協定を締結しました
2018年10月1日(締結日9月25日)
 
【お知らせ】 小山町と平時及び災害時の被災者支援等に関する協定を締結しました
2018年10月1日(締結日9月14日)
 
 現在のトップページだけでこれだけあるのですから驚きます。
 小山町よりも前に締結されたところがどれだけあるのか知りたいと思ってネット検索したところ、同弁護士会会員の永野海(ながの・かい)弁護士のホームページにまとめて掲載されていました。
 それによると、平成15年2月の静岡県、同25年3月の静岡市以降、沼津市浜松市磐田市藤枝市富士宮市富士市御殿場市三島市御前崎市焼津市掛川市(これに続くのが小山町)との間で協定を締結しているとのことです。
 
 具体的にどのような内容の協定が結ばれているのか調べてみたところ、藤枝市静岡県弁護士会との「災害時相談業務等に関する藤枝市静岡県弁護士会との協定書」(平成27年5月12日付)が、藤枝市のホームページに掲載されていましたので、興味のある方はリンク先でお読みください。
 
 静岡県ほど進んでいるところは少ないかもしれませんが、全国各地で同種の協定を締結すべく、話し合いを進めているところはたくさんあるはずです。
 昨日、そのような動きを強力に後押しする力になるのではと期待される協定が、全国市長会と日本弁護士連合会との間で締結されましたので、今日は、その協定(正式名称は「災害時における連携協力に関する協定」)の全文をご紹介しようと思います。
 
 まず、その協定締結を伝えた弁護士ドットコムニュースを引用します。
 
弁護士ドットコムニュース 2018年12月17日 14時29分
日弁連全国市長会と「災害協定」締結 「被災者に寄り添っていきたい」
(抜粋引用開始)
 日本弁護士連合会(日弁連)と全国市長会は12月17日、「災害時における連携協力に関する協定」(災害協定)を締結した。この日、全国市長会の立谷秀清会長(福島県相馬市長)と日弁連の菊地裕太郎会長による協定締結の調印式が東京・霞が関弁護士会館でおこなわれた。
 協定には、弁護士による相談(無料相談を含む)や被災者の生活再建、被災地域の復旧復興などの情報提供をおこなうことなどが盛り込まれた。
 菊地会長は、法律相談にかぎらず、生活相談を含めて応じていくとして、「これから被災にあわれたら、まっさきに自治体、弁護士会に甘えてもらえたらと願っている」とした。
 また、日弁連の太田賢二副会長は「弁護士会自治体と連携し、できるかぎりすみやかに正確な情報提供をするなどして、被災者に寄り添いたい。まずは被災者に安心してほしい。さまざまなニーズにこたえていきたい」と話した。
 全国市長会の立谷会長は「市長会のそれぞれの市長が、すみやかに弁護士の協力が得られるようにという願いでお願いしました。このような協定という形で実現を得られたことをこころよりお礼申し上げる」と話した。
(略)
(引用終わり)
 
 以下の協定・第4条にあるとおり、「被災市等及び被災地弁護士会等の間に合意等が存する場合には、当該合意等が本協定に優先する」とされているとおり、大規模発生直後から迅速な法的支援を可能とするためには、やはり、地域ごとに、自治体と地元弁護士会との災害協定を事前に締結しておくことが望ましいことは言うまでもありません。
 先ほど述べたとおり、この全国市長会日弁連との災害協定が、各地における自治体と弁護士会との協議を加速させる役割を果たしてくれることを期待したいと思います。
 
 それでは、以下に、全国市長会日弁連との間で昨日締結された「災害時における連携協力に関する協定」全文をご紹介します。
 
(引用開始)
                       災害時における連携協力に関する協定
 
 全国市長会(以下「甲」という。)と日本弁護士連合会(以下「乙」という。)とは、災害時における連携協力に関し、次のとおり協定(以下「本協定」という。)を締結する。
 
 (趣旨)
第1条 本協定は、日本国内において災害が発生した場合において、被災地域の市及び特別区(以下「被災市等」という)並びに被災地域に存する弁護士会及び弁護士会連合会(以下「被災地弁護士会等」という。)が協調して、被災者に対する迅速な生活再建の支援を図り、もって被災地の円滑な復旧復興を実現するために、甲及び乙が連携協力することを目的とする。
 (協力事項)
第2条 甲及び乙は、次に掲げる事項の実施のために連携協力する。
 (1) 被災者に対する弁護士による相談(無料相談を含む。)
 (2) 被災者の生活再建、被災地域の復旧復興その他被災者に有益な情報の提供
 (3) 前各号に掲げるもののほか、被災者の支援に必要な事項
2 日本国内において大規模災害が発生した場合、甲及び乙は、可及的速やかに、被災市等と被災地弁護士会等が協議の上、被災者が災害発生直後の初動期間に前項第(1)号の相談を無料で受ける機会を実現できるように、互いに連携協力する。
 (連絡責任者)
第3条 甲及び乙は、本協定に基づく連携協力に関する連絡責任者を選定し、相互に通知するものとし、変更があった場合も同様とする。
 (被災市等及び被災地弁護士会等との協議)
第4条 甲及び乙は、第2条に定める連携協力を実施するに当たり、前条に定める連絡責任者を通じて、それぞれ被災市等及び被災地弁護士会等と協議を行うものとする。なお、被災市等及び被災地弁護士会等の間に合意等が存する場合には、当該合意等が本協定に優先するものとし、甲及び乙は、当該合意等を尊重するものとする。
 (事前準備等)
第5条 甲及び乙は、本協定が想定する事態に備え、常時情報交換や相談窓口の連絡先等の提供に努め、連携協力するものとする。
 (期間)
第6条 本協定は、本協定締結の日から効力を生じるものとし、甲又は乙が書面をもって
本協定を終了させる意思を通知しない限り、その効力は継続するものとする。
 (協議)
第7条 本協定に関し必要な事項については、甲及び乙が協議の上、別に定めるものとする。
2 本協定に定めのない事項については、甲及び乙がその都度協議して定めるものとする。
 
 本協定の締結を証するため、本書2通を作成し、甲及び乙がそれぞれ記名押印の上、各自その1通を保有する。
 
 2018年12月17日
 
                 甲 東京都千代田区平河町二丁目4番2号
                    全国都市会館4階
                          全国市長会
                                              会長 立 谷 秀 清
 
                 乙 東京都千代田区霞ヶ関一丁目1番3号
                    日本弁護士連合会
                     会長 菊 地 裕太郎
(引用終わり)