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テキスト(印刷教材)は捨てられない

 2020年2月1日配信(予定)のメルマガ金原No.3440を転載します。

 

テキスト(印刷教材)は捨てられない

 

 以下の文章は、本日(2月1日)、Facebookの公開グループ「放送大学バーチャルキャンパス」に投稿したものを(ほぼ)そのまま転載するものであり、放送大学シリーズ(?)の一編となります。

 https://www.facebook.com/groups/OpenUnivJapan/permalink/2875397922522622/

 少し前提として書いておくと、私は昨年3月、在籍年限ぎりぎりの10年ちょうどで放送大学教養学部(社会と産業コース)を卒業し、直ちに同学部(生活と福祉コース)に再入学しました。この再入学の場合、最長6年間在籍できるそうなので、あまり早く必要単位を取ってしまわないように調整しつつ、6年ちょうどで2度目の卒業ができれば良いなと思っています。

 なお、放送大学ではテキスト(教科書)のことを「印刷教材」と称しています。

 

【テキスト(印刷教材)は捨てられない】

 

 ある方の投稿で、単位認定試験が終わった後、テキスト(印刷教材)をゴミ箱に捨てる人を目撃したことが紹介されており、人それぞれとは言いながら、「自分にはとてもできない」という感慨しきりでした。

 1月29日に今期登録していた全2科目の放送授業の試験が終わり、次学期に是非受講しようと考えている「中東の政治('20)」(高橋和夫本学名誉教授)の予習を兼ねて、高橋先生の、中東を扱った講義を再視聴し、テキスト(印刷教材)を読み返すという「自主学習」を始めたばかりだったから、特にそう感じたのかもしれません。

 画像で紹介した2冊がそれで、開講年度(2016年)に受講した「パレスチナ問題('16)」と、その先行科目である「第三世界の政治 パレスチナ問題の展開('05)」です。

 

 ちなみに、後者については、2005年当時私はまだ放送大学の学生ではなく、閉講前に入学こそしたものの、その講義の価値に気が付かず、受講登録しませんでした。

 ただ、何となく気になり、ラジオ授業15回分は全て(今はなき?)ミニディスクに録音していましたが、それをカーオーディオで聴いたのは閉講後のことで、「受講すべきだった」と後悔してもあとのまつりでした。

 

 ただ、その「第三世界の政治」のテキストを何故所有しているかというと、私が所属する和歌山学習センターでは、何年か前までは、閉講した科目の印刷教材を希望する学生に無償提供(希望者多数の場合は抽選)してくれており、そのような機会に入手したもので、背表紙には「禁帯出」というシールが貼ってありますが、当然書き込みもなく、新品同様でした。

 これはとても良い制度だと思い、楽しみにしていたのですが、閉講科目印刷教材の無償譲渡のお知らせが来なくなってかなり経ちますね。何か問題があったのだろうか?

 

 いずれにせよ、自分で受講した科目はもとより、学習センターからいただいた分も含め、テキスト(印刷教材)を捨てるということなど思いもよりません。

 もともと、前期高齢者となった今に至るまで、私の人生で「本を捨てる」というような習慣を持ったことなどなく(さすがに週刊誌などは残していませんが)、おかげで本の収納スペースには苦労しており、今はやりの「断捨離」などどこの世界のことかという旧派です。

 時代遅れではあれ、大事に保存していればこそ、「第三世界の政治 パレスチナ問題の展開('05)」のテキストを再読して、新たな学びの機会が得られることに喜びを感じています。

 

 本稿のテーマ「テキスト(印刷教材)は捨てられない」については以上のとおりですが、余談を2つばかり。

 

高橋和夫先生が単独執筆された以上2冊のテキストは、何が違うといって、何より分量が違います。「パレスチナ問題('16)」が252頁(含索引)であるのに対し、「第三世界の政治 パレスチナ問題の展開('05)」は365頁(含索引)です。「第三世界の政治」の「まえがき」によれば、「本書の前半部分の大半は『アラブとイスラエルパレスチナ問題の構図」(講談社現代新書、1992年)として出版されている。(略)また、後半部分を微修正したものが、『アメリカとパレスチナ問題/アフガニスタンの影で』(角川ワンテーマ21、2002年)として出版されている」ということであり、内容的にも非常に充実しています。「パレスチナ問題('16)」は、「第三世界の政治('05)」を基礎としつつ書き直したそうですが、比較してしまうと、「もう少し分量があれば」という感は否めません。

 印刷教材の分量の圧縮(ページ数の減少)は大学としての方針によるものだったと聞きますが、このように読み比べてしまうと、残念でないこともありません。

 

◎高橋先生の新規開講科目「中東の政治('20)」は受講をとても楽しみにしていますが、ただ、シラバスを読む限り、これが「第三世界の政治 パレスチナ問題の展開」や「パレスチナ問題」とは異なり、中東全域に目配りし、そこで影響力を行使する主要プレイヤーに注目する内容となりそうで、パレスチナ問題は背景に退くことになるのでは、という気がします。

 https://www.wakaba.ouj.ac.jp/kyoumu/syllabus/PU02060200211/initialize.do

 それはそれで仕方がないと思いますが、それなら「パレスチナ問題('16)」を閉講する必要はなかったのでは?

 もっとも、そうすると、「イランとアメリカ('17)」(大学院科目)、「現代の国際政治('18)」、「国際理解のために('19)」と併せ、全部で5科目を高橋先生1人で担当ということになってしまい、どう考えてもキャパシティオーバーですけどね。

 

(弁護士・金原徹雄のブログから/放送大学関連)

2015年1月30日

放送大学オープンコースウェア)受講の勧め~学ぶことは楽しい

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/42554034.html

2015年10月22日

放送大学「日本美術史('14)」単位認定試験にかかわる見過ごせない大学の措置について

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/45780419.html

2015年10月24日

放送大学長「単位認定試験問題に関する件について」を批判的に読む

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/45800425.html

2016年1月30日

放送大学で学ぶ“貧困”~「貧困と社会('15)」(西澤晃彦神戸大学大学院教授)受講の奨め

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/46700298.html

2016年8月6日

高橋和夫教授の「パレスチナ問題('16)」(放送大学)受講のすすめ

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/48175878.html

2017年1月26日

高橋和夫教授(放送大学)の「パレスチナ問題('16)」全15回を是非視聴して欲しい

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/49362105.html

2017年5月1日

IWJからの緊急メッセージと高橋和夫放送大学教授の4講義「受講」の奨め

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/49964524.html

2017年5月23日

山部赤人はどこから富士を眺めたのか?~「名歌「田子の浦ゆ・・・」を解釈する

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/50096424.html

2017年8月17日

高橋和夫教授(放送大学)の「パレスチナ問題('16)」全15回を是非視聴して欲しい(再説)

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/50590924.html

2018年1月19日

放送大学あれこれ~高橋和夫教授の退任と「子ども居場所づくりで子そだち子そだて支援-学びは生きる力-」(2/10和歌山学習センター)

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/51414539.html

2019年4月2日

初めて大学の卒業式(学位記授与式)に出席しました

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/53207518.html

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