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伊藤宏さん(和歌山信愛女子短期大学教授)が西谷文和さんと語る「現場記者が見てきた『原子力ムラ』」ほか~「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(027~030)

 今晩(2016年10月25日)配信した「メルマガ金原No.2610」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
伊藤宏さん(和歌山信愛女子短期大学教授)が西谷文和さんと語る「現場記者が見てきた『原子力ムラ』」ほか~「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(027~030)

 「ラジオフォーラム」の事実上の後継番組として、今年の4月からスタートした「自由なラジオ LIGHT UP!」。そのアーカイブYouTubePODCASTで聴取することができますので、これまで3回にわたり、その全番組(26本)のアーカイブをご紹介してきました。
 ここまで来たら、「自由なラジオ LIGHT UP!」の全てのアーカイブを紹介するブログを目指そうと決意し(というような大層なことでもありませんが)、今日も最新の4本(027~030)をご紹介します。
 いずれも興味深い内容ですが、私個人としては「030 現場記者が見てきた『原子力ムラ』。~矛盾に直面する地元、そして都会の無関心~」のゲスト、伊藤宏さんに大いに感心があります。
 私は、和歌山信愛女子短期大学教授、元共同通信記者、そして新聞うずみ火編集委員でもある伊藤宏さんとは、同じ会議でお会いしたことが1~2度あるだけなのですが、一度、原発問題についてのまとまったお話が伺えればと思っていたところなのです。
 
 新聞うずみ火ホームページ(スタッフ)に載っていた経歴を引用します。

 

(引用開始)
1962年10月埼玉県生まれ。てんびん座
共同通信記者
共同通信青森支局時代、六ヶ所村核燃料サイクル基地問題の取材中、警備員ともみ合う反対派をフェンスの内側から見ている自分に気づき、「自分の居場所は違う」と直感。その日のうちに辞表を書いたという「熱い記者魂を持った男」である。専門は原子力報道の検証だが、好きな怪獣ゴジラをテーマにした論文も。高校、大学時代に相手を一発で止めた強烈なタックルは原子力政策の矛盾追及に向けられる。
(引用終わり)
 
 なお、新聞うずみ火ホームページには「プール学院大学短期大学部助教授」と書かれていましたが、現職は「和歌山信愛女子短期大学教授」です。修正をお願いします(とここに書いても通じないか・・・)。
 もう1つ、現職の和歌山信愛女子短期大学の研究者情報を引用します。
 
(引用開始)
学位 修士(新聞学)
所属 生活文化学科 生活文化専攻
職名 教授、入試部長
研究教育分野 ジャーナリズム論、メディア論、地域社会論、社会学科学技術社会論
研究内容・研究テーマ 原子力報道の検証、原子力政策および地域振興策等の検証
主な研究業績
【著書】
一揆・青森の農民と「核燃」』(築地書館
『子どもへの視点』(聖公会出版)
『国際堺学を学ぶ人のために』(世界思想社
関西電力原発』(西日本出版社
【論文】
「日本の原子力報道・朝日新聞は1970年代の原子力論争をいかに報道したか」(修士論文
「新聞は「4・26」をどう伝えてきたか・マス・メディアにとってのチェルノブイリ」(『科学・社会・人間』99号)
福島第一原発事故以降の原子力報道・事故後3ヶ月間の新聞社説の論調から見えてくること」(プール学院大学研究紀要第52号)
所属学会 日本マス・コミュニケーション学会、日本ビジネス実務学会、日本NIE学会
(引用終わり)
 
 ここまで調べたら、どうにも「好きな怪獣ゴジラをテーマにした論文」というのが気になってネット検索してみたのですが、なかなか論文のタイトルも掲載誌も見つかりません。
 伊藤宏さんのFacebook「自己紹介」には、「大学教員の仕事をしながら、原子力問題に関わり続けています。原子力報道の検証、怪獣ゴジラウルトラマンの研究がライフワークです。新聞うずみ火の編集委員という顔も持っています。」とあり、いよいよゴジラについての論文が気になってきました。
 
 さらにネット探索を続けたところ、もう全4回シリーズが終わってしまっていて残念なのですが、今年、伊藤さんは「市民のための人権大学院 じんけんSCHOLA(すこら)」の主催による「原発と人権」という全4回の連続講座を行っていたのですね。
 全4回のタイトルのみご紹介します。
  第1回(08月17日) 福島第一原発の今
  第2回(09月03日) 怪獣ゴジラ原発
  第3回(09月17日) 原発とマスメディア
  第4回(10月01日) 原発裁判と人権
 ここでも「怪獣ゴジラ原発」が・・・。聴きたかったなあ。
 
 今回の「自由なラジオ LIGHT UP!」ではゴジラの話は出てこなかったようですが、大阪市から和歌山市の勤務校まで通勤しておられるのですから、またお会いできる機会もあるでしょう。
 ゴジラウルトラマンもさることながら、勤務校ホームページの研究者情報に掲げられた研究テーマ「原子力報道の検証」、「原子力政策および地域振興策等の検証」についての本格的なお話を伺う機会を是非和歌山でも設けたいものですね。もっとも、既にどこかの団体がお招きしていて私が知らなかっただけ、ということもあるかもしれないけれど。
 なお、伊藤さんは、地元ラジオ局・和歌山放送(WBS)の朝の情報番組「ボックス」(8:30~10:44)の金曜日にレギュラーで出演しておられるようです。
 
 さて、それでは「自由なラジオ LIGHT UP!」のアーカイブ4回分(027~030)をご紹介します。
 

「8月26日付朝日新聞の1面に、安倍政権が「共謀罪」を秋の臨時国会に提出しようとしているという記事が出ました。共謀罪とは、「具体的な犯罪について2人以上の者が話し合って合意するだけで処罰することができる犯罪のこと」。これまでに3度も国会で廃案になった共謀罪が、「テロ対策」という名目で復活するといいます。そもそも共謀罪の問題点とは何か。政府の狙いとは何なのか。もし、共謀罪が可決成立してしまうと、私たちの社会はどう変わってしまうのか。治安立法にお詳しい弁護士の永嶋靖久さんをゲストにお迎えし、お話をお聞きします。」
 
028 2016.10.11
シベリアヒロシマ、そしてこれから……。戦争を静かに描き続けた父・四國五郎のぶれない思い
PERSONALITY 木内みどり
GUEST 四國 光さん

「ゲストの四國光さんの父、画家の四國五郎さんは、貧しかった幼少期から独学で画を学びとり、天才的な才能を開花させるも戦争に召集され、終戦後はシベリア抑留。奇跡の帰国を遂げますが、共に画家の夢を抱いていた弟が広島で被爆死したことをきっかけに、戦争の惨さ、平和の尊さを語り継ぐためだけに絵を描こうと決意します。東京には行かず……、
「広島に留まって、死んだ人のために描こう。平和のメッセージを描く画家になろう」
……命をかけて靴底に忍ばせシベリアから持ち帰った紙片の画とともに。
 四國五郎さんは実際、戦争を描いた作品を、自ら売ろうとはしなかったといいます。
 優しく静かな視線で人間を描きとり、繊細な画と詩とで戦争の無意味を訴える四國五郎さんの作品は、亡くなった今も、広島の市民にとって大切なものとなっています。
 そしてそれらは、亡き父の生前の意思に従って、一人でも多くの人々に戦争の悲劇を届けたいと奔走する四國光さんの手によって、これからもますます数多くの人々に運ばれていくのでしょう。大企業を退職したばかりの光さんの新たな挑戦が今、はじまりました。」
 
029 2016.10.18
本当のことをどこまでも書き続けたい 清武英利が語るノンフィクションの真髄
PERSONALITY いまにしのりゆき
GUEST 清武 英利さん(ジャーナリスト・元読売巨人軍球団代表)

「今回のスタジオのお客様は、秀逸なノンフィクション作品をいくつも世に送り出しているジャーナリスト、清武英利さんです。清武さんは、1975年、立命館大学経済学部から読売新聞社に入社。中部本社社会部長を経て、2002年からは東京本社勤務。編集局運動部長などを歴任。2004年には、読売巨人軍の取締役・球団代表・ゼネラルマネージャーとなられました。その後、いわゆる「清武の乱」で読売巨人軍を追われる形で退き、今はジャーナリストとしてご活躍です。
 番組前半では、大金持ちをタックスヘイブンへと導くプライベートバンカーと富裕層といわれる人々の素顔を描いた著書「プライベートバンカー~カネ守りと新富裕層」(講談社)について伺います。そのノンフィクションの中に実名で登場するノルマ100億の男、杉山氏とはどんな人なのか、また彼に財産を託すシンガポール在住の日本人たちの暮らしとは?興味深い物語の中に、バブルとその後の歪んだ日本経済の闇が見えて来ます。
 清武さんは自分にしか書けないテーマを追いたいと、常に社会の表舞台に立つ人より、後方に蠢く人にスポットを当てます。番組後半では、そんな清武さんのジャーナリズム論に耳を傾けます。真実を話してくれる人にどれだけ会えるのかが勝負だという清武さん。この頃のものが言いにくくなった日本社会において、それでも知り得た真実を、どこまでも書き続けようとする記者魂こそが、きっと社会を変えるのだとお考えでした。
 今なお日本経済の深部に切り込むノンフィクション作品を書き続ける清武さんのお話から、私たち自由なラジオも、決してあきらめないで発信することの大切さを確認できたようで、たいへん有意義なインタビューとなりました。」
 
030 2016.10.25
現場記者が見てきた『原子力ムラ』。~矛盾に直面する地元、そして都会の無関心~
PERSONALITY 西谷文和
GUEST 伊藤宏さん(和歌山親愛女子短期大学教授・元共同通信記者)

「10月初旬に福井県を取材してきた西谷文和は、もんじゅ廃炉を巡る基本的な疑問に突き当たりました。それは、もんじゅで出た「使用済み核燃料」は99.8%という高純度プルトニウムであるにも関わらず、これをさらに再処理するRETFなるものが、すでに1200億円かけて作られているという事実です。今回は、長年に渡って「原子力ムラ」の取材を続けてきた元共同通信記者の伊藤宏氏をゲストにこの問題を考える他、福島原発事故から5年、風化する記憶と、復活する「原子力ムラ」の実態に迫ります。」