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「日本国憲法施行75年 5・3憲法記念日宣伝行動inわかやま」に参加して

 202253日配信(予定)の「メルマガ金原No.3517」を転載します。
 Facebookにも同内容で掲載しています。

日本国憲法施行75年 5・3憲法記念日宣伝行動inわかやま」に参加して

 日本国憲法が施行されて75年目となる5月3日、11時30分から約1時間、JR和歌山駅前(西口)において、県下3団体(憲法9条を守る和歌山弁護士の会、戦争をさせない和歌山委員会、憲法九条を守るわかやま県民の会)が呼びかける「5・3憲法記念日宣伝行動inわかやま」が行われました。
 宣伝行動の中身は、参加者が手に手に持ったプラカードや横断幕などによるスタンディングアピール、呼びかけ団体メンバーによるマイクでのアピール(リレートーク)、うたごえ9条の会メンバー(?)らと一緒に2曲ほど、といったところでした。

 この宣伝行動の事務局は、和歌山県地方労働組合評議会(県地評)と和歌山県平和フォーラムが担当していたこともあり、呼びかけ団体の一員とはいえ、私は開始時刻のぎりぎりに駅前に着いたのですが、そこでいきなりワープロ打ちの進行表のようなものを見せられ、「金原さんのスピーチは3番目なのでよろしく」と言われて驚きました。
 「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」からは、浅野事務局長が参加予定でしたから、浅野さんがスピーチするのは当然と思っていましたが、私は「行けたら行く」としか言っておらず、誰からも事前に「スピーチをよろしく」という予告などされていませんでしたからね。

 とりあえず、今日の進行を振り返っておきます。

スピーチ1 浅野喜彦さん(憲法9条を守る和歌山弁護士の会・事務局長)
スピーチ2 坂本文博さん(憲法九条を守るわかやま県民の会・代表運営委員)
スピーチ3 金原徹雄(憲法9条を守る和歌山弁護士の会)
スピーチ4 裏野勝也さん(戦争をさせない和歌山委員会、和歌山県平和フォーラム代表)
うたごえ(2曲)「ウクライナの空に」(“We shall overcome”のメロディーで)ほか新作1
スピーチ5 琴浦龍彦さん(憲法九条を守るわかやま県民の会、和歌山県地評議長)

 憲法記念日に様々な団体が共同で和歌山駅前で取組を行うようになったのはいつからか、ご存知でしょうか?
 ちょうど取材に来ていた読売新聞の記者さんからこのような質問を受けた県地評の杉さんから助け船を求められ、とっさに2006年の憲法記念日憲法9条を守る和歌山弁護士の会が呼びかけて街頭署名行動を行ったのが最初、と答えられたのは我ながら上出来でした。
 2014年の憲法記念日からは、和歌山城西の丸広場で「HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama」を開催するようになったので、私自身は憲法記念日和歌山駅前に行くことはなくなりましたが、同年以降も、少数ながら別働隊が和歌山駅前での署名集めを中心とした宣伝行動を続けていました。
 その「HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama」もコロナ禍の影響などから2020年以来中断しており、今のところ再開のめどは立っていません。

 そのような中、私としては実に久しぶりに憲法記念日和歌山駅前まで足を運びました。振り返ってみると、この前5月3日にここに来たのは2013年のことで、その年は駅前での署名行動の後、第1回「憲法9条を守り生かそう わかやまアピール行進」を実施したのでした。
 私が書いたブログを読み返してみると、当時90歳であった故・月山桂先生が元気に先頭を歩いてくださったことなども思い出されて感慨一入です。
 ちなみに、その翌年からは西の丸広場でイベントを開くことになったため、このデモの第2回は今までのところ行われていませんが、その精神は2014年6月以来毎月実施している「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」に受け継がれています。

 ところで、私は何をスピーチしたかを書いてこの稿を終えたいと思います。
 11時半に和歌山駅前に着いて「3番目」のスピーチを頼まれてすぐにネタ探しを始め、今最も気になっている、4月26日に自民党安全保障調査会が公表した「提言」から、特に「敵基地攻撃能力あらため反撃能力」の保持と、防衛予算倍増計画の2点に絞ってお話ししようと決めました。
 ところが、私のすぐ前でお話しされた坂本文博さんが、この2つの論点についてもしっかり話されてしまったため、私の急遽立てた計画はあえなく頓挫してしまい、あれこれ考える間もなく、マイクを手に持たざるを得なくなりました。
 そこで咄嗟にお話ししたのは、やはり私の中でとても気になっていた問題でした。

 それは、4月28日に行われた半田滋さん講演会(主催:青年法律家協会和歌山支部)の質疑応答で発言された1人の女性の質問についてです。正確に再現は出来ませんが、その方の質問は大要以下のようなものでした。

・私はこれまで9条は守らなければいけないと思ってきました。
・けれども、ウクライナで戦争が始まり、連日の報道などを見聞きするにつけ、本当にこのままで良いのだろうかと心配で心配で夜も寝られないほどです。
・どう考えたら良いのでしょうか?

 この質問に対する半田さんの答えは、(これまた正確な再現ではありませんが)「戦争するための意思と能力がない限り、戦争は絶対に起こりません。日本を取り巻く中国、北朝鮮、ロシアには日本に侵攻する理由がありませんから、安心しておやすみください(※金原注:もっとも、日本が米軍と一体化して武力行使に至れば話は別という含意あり)」というものでした。時間の限られた質疑応答の中ではこれ以上の答えは無理だったでしょう。
 ただし、それでこの女性が得心できたかどうかは別問題であり、本来なら、その不安について真摯に耳を傾けながら対話する時間が必要なのだろうと思います。
 もちろん、いかに対話しても、考えの溝が埋まらない可能性は十分にありますが、9条を守ることに不安を感じる人との真摯な対話の機会をどのように確保していくかが、今後の運動にとってとても大事なことだと思います。

 概要、以上のようなことを話そうとしたのですが、とっさの思いつきで話し始めたことですし、他のスピーカーのお話とは全然方向が異なる内容なので、どれだけ伝わったか自信はありません。そこで、一文を書き留めておこうと思った次第です。