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オリジナルで聴く「ぼっち・ざ・ろっく!」最終回エンディングテーマ~ASIAN KUNG-FU GENERATION『転がる岩、君に朝が降る』~

 2022年12月28日配信(予定)の「メルマガ金原No.3529」を転載します。

オリジナルで聴く「ぼっち・ざ・ろっく!」最終回エンディングテーマ~ASIAN KUNG-FU GENERATION転がる岩、君に朝が降る』~

 先日(12月24日の深夜24時~)ついに最終回(第12話)が放送された、女子高生バンド(結束バンド)の日常を描くTVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」については、Facebookなどでしつこく取り上げてきましたが、その続報です。

 そもそも、結束バンドの4人のメンバーの姓(後藤、伊地知、山田、喜多)や担当楽器がアジカンASIAN KUNG-FU GENERATION)由来ということからも分かるとおり、原作マンガの作者(はまじあき さん)自身がおそらくアジカンの熱烈なファンであることは間違いないでしょうし、TVアニメのサブタイトルが、第8話を除き、全てアジカンの楽曲タイトルそのままか若干アレンジしたものとなっており、原作者も密接に関わったアニメ制作の上でも、アジカンに対するリスペクトは継承されていました。

 そして最終回、それまでエンディングテーマは、結束バンドのメンバー(を演じた声優さん)が交代で歌っていたこともあり(喜多⇒山田⇒伊地知)、残るは主人公のぼっちちゃんこと後藤ひとりのみとなっていたため、ファンの間では、「最終回のエンディングは、ぼっちちゃん(の声優の青山吉能さん)が歌うのでは」という観測が有力であり、実際その期待は裏切られませんでした。
 ただし、それまで番組中で披露される曲は(オープニング、エンディングを含め)全て(結束バンドメンバー自作という設定の)オリジナル曲ばかりでしたので、最後の最後にアジカンのカバー曲(しかも、第1話「転がるぼっち」と最終話「君に朝が降る」というタイトルの由来となった)『転がる岩、君に朝が降る』(作詞作曲:後藤正文)になるとは!と、ぼざろ(ぼっち・ざ・ろっく)ファン、アジカンファンの双方を驚かせ、喜ばせることになりました。

 正直、私はアジカンの楽曲そのものについての知識はほぼないに等しく、ミュージックビデオを何曲かYouTubeで視聴しただけなのですが、メンバーの後藤正文さんについては、かなり前からその存在を意識していました。そのきっかけとなった、2013年3月11日に開催された「つながろうフクシマ!さようなら原発講演会」での坂本龍一さんと後藤さんとの対談を、ブログで簡単に紹介していました。

2013年4月1日
坂本龍一さんと後藤正文さんの対談に耳を傾けよう 

 残念ながら、当時の映像はもう視聴できなくなっていますが、ブログでは、後藤さんが発行していた個人新聞「THE FUTURE TIMES」についても紹介していました。この新聞は、どうやら2018年に発行された第9号が今のところ最終号となっているようですが、後藤さん自身が同紙に連載していた「未来に話そう」がネットでも読めますので、一部引用してみます。

(引用開始)
 「これだ」という楽曲ができる度に、「たった一曲で世界が変わるんじゃないか」と僕は思う。
 そうした誇大妄想はもろくも崩れて、世間的なヒット作としての評価は受けられずに、いつもがっかりしている。
 けれども、その曲が「ある世界」と「ない世界」のどちらがマシなのかと問われれば、間違いなく「ある世界」を僕は選ぶ。世界を変えられなくても、僕自身は間違いなく、その曲の誕生以前と以後では、何から何まで違う。
 これは音楽だけに限ったことではないと僕は思う。「社会をより良く変えたい」と願っていても、僕らにできることは少ない。
 たとえば、明日から、誰しもが貧困や差別について考えなくても済むような発明はできない。
 ただ、差別や貧困のない世界を僕らが求めている社会と、求めていない社会とでは、大きな違いがある。どちらがマシかは言うまでもない。
(引用終わり)

 ここまで引用したのは、実は『転がる岩、君に朝が降る』の冒頭の歌詞が以下のようなものであったことにもよります。

(引用開始)
出来れば僕は世界を塗り変えたい
戦争をなくすような大逸れたことじゃない
だけどちょっと それもあるよな
(引用終わり)

 『転がる岩、君に朝が降る』(2008年2月6日リリースの11枚目のシングル)が「ぼっち・ざ・ろっく」最終話のエンディングテーマとなることについて、後藤正文さんが寄せたコメントが公開されています。

(引用開始)
何も持たずに生まれたはずなのに、
間違うことや失うことを恐れて臆病になってゆく私たち。
それでもこの世界を丸裸のまま転がってゆくのだという決意を歌った
転がる岩、君に朝が降る」という楽曲を、大切に扱ってくれて嬉しいです。
後藤正文ASIAN KUNG-FU GENERATION
(引用終わり)

 女子高生バンドを主人公としたアニメ最終話のエンディングで、メンバー(を演じた声優さん)がこの曲を歌うのですよ。私は「素晴らしい!」と感動しました。
  昨日届いた、この曲を最終14曲目に収録したアルバム「結束バンド」を昨日から車の中でずっと聴いています。
 「結束バンド」によるカバーは公式YouTubeチャンネルでは公開されていませんので、アジカン公式チャンネルで公開されているASIAN KUNG-FU GENERATIONによるオリジナルヴァージョンを是非皆さんも聴いてください。

ASIAN KUNG-FU GENERATION 『転がる岩、君に朝が降る


www.youtube.com


同歌詞
 

(余談)
 TVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく」を製作したアニマックスがソニーミュージックの子会社であり、ASIAN KUNG-FU GENERATIONソニー系レーベルのキューンミュージック所属であること、さらに、アジカン自身、アニメのテーマ曲を何度か手がけていることなどが、「ぼざろ」とアジカンによる幸福なコラボの背景にあることを付け加えておきます。

(参考ブログ/弁護士・金原徹雄のブログ2)
2022年12月25日
TVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」が終わってしまった~原作者(はまじあき氏)のお礼の言葉に胸がつまる~年末年始に「一気見」しませんか