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茂木敏充経産相の原発政策見直し発言

 今晩(12月30日)配信した「メルマガ金原No.1217」を転載します。

茂木敏充経産相の原発政策見直し発言
 
 茂木敏充(もてぎ・としみつ)経済産業大臣が、12月27日未明の記者会見において、民主党政権が認めないとしていた原発の新設についても『いまイエス・ノーを決めるのではなく、専門的知見を十分に蓄積した上で判断したい』と、将来的に建設を認める可能性を示した」(読売)と伝えられました。
 
読売オンライン 2012年12月27日
 
 IWJによるその記者会見の映像を視聴してみましたが、上記読売の記事は、ほぼ正確な要約であることを確認しました。
 
 同様の発言は、12月28日に行われた閣議後の定例会見でも繰り返されていましたので、周到に用意されたものでしょう。
 
 しかし、いくら選挙で大勝したからといって、「それはないだろう」と指摘した社説をいくつかご紹介しておきます。
 
東京新聞 2012年12月28日 社説
原発維持方針 3・11をもう忘れたか
 
毎日新聞 2012年12月28日 社説
原発ゼロ見直し 議論を白紙に戻すな
 
朝日新聞 2012年12月29日 社説
原発新増設―「反省ゼロ」ですか?
 
京都新聞 2012年12月30日 社説
原発の新増設  中止方針白紙は論外だ
 
 これに対し、茂木発言を諸手を挙げて歓迎したのが産経であったと知っても誰も意外ではないですね。
 
産経新聞 2012年12月28日 主張
原発ゼロ」転換 現実的な判断を歓迎する
 
 日本経済新聞も、くどくどと色々書いてありますが、まあ「歓迎派」であることは間違いありません。
 
日本経済新聞 2012年12月30日 社説
原発の安全確かめ電力不安を拭え
 
 「読売はどうした?」と思われる方もおられるでしょうが、「歓迎派」であることに疑いの余地はないものの、社説では本日まで取り上げられていません(これは意外?)。
 
 新増設以外にも、既存の原発は国の責任で再稼働すると明言する茂木経産相ですが、「責任」って、どういう責任の取り方が出来るのでしょうね?
 この点について、TV番組(テレビ朝日「ワイドスクランブル」)の中で茂木大臣を問い詰めた美輪明宏さんの発言が注目を集めています(ネトウヨによる美輪さんに対する攻撃も相当ですが)
 
You Tube
Dailymotion
文字起こし
 
 文字起こしを利用させてもらいますが、茂木氏の発言で最も問題なのは以下の分でしょう。
 
(引用開始)
これ一番大きな問題ですね。ただあの、この問題があるから再稼動が出来ないとい問題ではなくて、既に使用済み核燃料があるんです。ゼロの段階ならこの処分場決めなかったら稼動するしないという議論はあると思うんですけど、もう既に再稼動うがしまいが一番大きな問題は残ると思うんです。
(引用終わり)
 
 「問題」と言っているのは、美輪さんが指摘した放射性廃棄物の最終処分をどうするのか?という「問題」です。
 これに対して、茂木経産相は、「既に使用済み核燃料がある」のだから、原発再稼働して(あるいは新増設して?)さらに放射性廃棄物が増えたところで同じことだ、と言っている訳ですよ。
 同じことじゃないでしょう!
 核燃料サイクル事業について、「完全に放棄する選択肢はない」(27日の記者会見から/読売オンラインより)と言っているのも結局同じことです。
 
 原発に懐疑的な意見を持ちながら自民党に投票した人たちに、この映像を是非見てもらいたいですね(いつまで削除されずに残っているかが問題ですが)。
 
 それにしても、この期に及んでなお「原発建設阻止闘争」を続けなければならないとは、何という国なんだろうと慨嘆したくもなりますが(祝島に思いを馳せて暗澹とした気持ちになっている人も多いと思います)、政・官・財・学・メデイアに張り巡らされた原子力マフィアの勢力が自然に退潮していくはずはなく、強烈な巻き返しが始まっているのです。
 野田政権の退場により、さらに強大な「敵」が姿を現したということでしょう。