今晩(2013年11月23日)配信した「メルマガ金原No.1552」を転載します。
なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
次は11/27「Stop!秘密保護法」緊急パレードに結集しよう(in和歌山市)
今日も、「和歌山限定」の話題となり、県外のメルマガ(ブログ)読者の方には申し訳ないのですが、事態が事態だけに、事情ご了解ください。
土曜日の夜という、この種の会合を開くのにふさわしいとは到底言えない曜日・時間設定にもかかわらず、会場いっぱいの約140人の参加者がかけつけました。
今、この種の集会を開いたり、参加することにどういう意義があるのでしょうか?
多くの市民が「法案成立阻止」のために行動を起こしているということを形で示し、出来ればそれをメディアで報じてもらい、世論喚起に役立てるというのは、重要な意義の一つですね。今日の集会にも少なくとも3社が取材に訪れていました(朝日と赤旗は分かったのですが、もう1社は毎日でしたかね)。
もう一つの重要な意義は、参加者1人1人が情勢を正しく認識し、自らに出来ることをやり抜こうという決意を新たにすることだろうと思います。
今日の集会でも、(後に詳細をお知らせしますが)11月27日の「緊急パレード」への結集が呼びかけられるとともに、以下のような取組が提案されました。
○一人一人の意思を国会議員や政党に伝えること
各政党、衆議院国家安全保障に関する特別委員会委員、参議院国家安全保障に関する特別委員会委員の各FAX番号一覧表、要請書文例などが配られました。
○「特定秘密保護法制定に反対する請願署名」を緊急に取り組むこと
今日の集会について、以下に式次第及び発言者名を記録するとともに、一部に簡単なコメントを付しておきます。
開会あいさつ 杉勝則氏(和歌山県地方労働組合評議会事務局長)
基調報告 由良登信弁護士(自由法曹団和歌山支部支部長)
1)「特定秘密の範囲」が不明確で恣意的な指定がされる危険が大きいこと
2)重い「漏えい」罪
3)「秘密取得行為」の広範な処罰
4)「適性評価制度」によるプライバシー侵害
5)国会・司法によるコントロールが効かない
なお、由良弁護士は、基調報告に先立ち、本日の集会に和歌山弁護士会の田中祥博会長が参加していること、田中会長は、一昨日(21日)の日比谷野外音楽堂で開催された大集会にも参加したこと、和歌山弁護士会としても、「特定秘密保護法案に反対する会長声明」を出していること(その概要まで紹介しました)、来る11月26日(火)午後6時から和歌山弁護士会館において、日弁連秘密保全法制対策本部事務局次長の太田健義弁護士を講師に招いて市民集会を開催することなどを紹介していました(由良弁護士は和歌山弁護士会憲法委員会委員でもあります)。
もっとも、これを聞いていた聴衆の中で、田中会長が今日の集会に「個人として参加している」という由良弁護士の断りを耳にとめた人がどれだけいたかは疑問ですが。
(コメント)和歌山市生まれ、岸和田市育ちの宮本議員がかけつけて国会報告をされました。週明け25日に福島で地方公聴会を行い、福島から帰京したその日のうちに、自民・公明・みんな・維新4党(朝日新聞流に言うと与党2党と翼賛野党2党)による共同修正案の趣旨説明を行う、ということまでは固まったものの、与党としては、なおも26日衆議院通過という日程は諦めておらず、状況は予断を許さないということのようです。
リレートーク
①西郷章氏(関電和歌山支店前アクション参加者)
(コメント)毎週、関西電力和歌山支店前でアコーディオンを奏でながら「脱原発」を訴え続けている西郷章さんから、原発関連情報が「今までも」隠され続けてきたこと、もしも特定秘密保護法が成立すれば、なお一層、国民にとって必要な情報が得られなくなるばかりか、国民を抑圧する道具と化すとの強い懸念が示されました(西郷さんに頼まれてFacebook用の写真をせっせと撮っていたため、要約はいい加減です。不十分な点は、また西郷さんに「メルマガ金原」用の原稿を送ってもらうことにしょう)。
②藤本清二郎氏(歴史研究者、和歌山大学教育学部教授)
(コメント)歴史研究者としての立場から反対論を述べられた藤本氏の発言にも大変共感しました。藤本氏が紹介された2つの歴史関連学会の意見表明は是非皆さんにもお読みいただきたいと思います。
日本アーカイブズ学会
日本歴史学協会
③鶴田至弘氏(治安維持法犠牲者国家賠償請求同盟和歌山県本部会長)
(コメント)特定秘密法護法がなぜ「現代の治安維持法」と言われるのかについて話されました。時あたかも、和歌山県本部から「和歌山県の治安維持法犠牲者(第2版)」という労作が刊行されたばかりであり(11月11日付)、幸い入手した私も、まだぱらぱらと頁を繰ったという程度なのですが、その「犠牲者」の多様さはうかがうことができ、これに目を通した人は、きっと「明日は我が身」という思いにとらわれるのではないかと思いました。
④坂本文博氏(憲法九条を守るわかやま県民の会代表)
閉会あいさつ(行動提起) 織部利幸氏(日本国民救援会和歌山県本部事務局長)
最後の織部さんからの「行動提起」でも提案されたとおり、「Stop!秘密保護法わかやま共同行動」主催により、来る11月27日(水)にデモ行進(緊急パレード)が行われることになりました。
平日の昼休みではありますが、「その時間帯なら何とか仕事を抜けられるという方もおられると思いますので、是非1人でも多くの方がこの「緊急パレード」に結集し、「特定秘密法護法の制定を許さない」という断固とした意思をアピールしましょう。開催概要(といっても簡単なものですが)は以下のとおりです。
「Stop!秘密保護法」緊急パレード
2013年11月27日(水)
12時15分 和歌山市役所前 出発
↓
12時45分 京橋プロムナード 解散
主催 Stop!秘密保護法わかやま共同行動
連絡先 日本国民救援会和歌山県本部(電話073-425-9411)
最後に、もう一度、「わたしたちに今出来ること」です。
長野県を代表する地方紙「信濃毎日新聞」の今日(11月23日)の社説をWEBサイトで読んで驚きました。
私は新聞の社説でこんな「呼びかけ」を読んだことがありませんでした。
以下に抜粋してご紹介します。
私からは、これ以上付け加えることはありません。
2013年11月23日 信濃毎日新聞 社説
今できること 声を上げ行動に移そう
今できること 声を上げ行動に移そう
(抜粋引用開始)
このところ知人と交わす会話やメールで、特定秘密保護法案がしばしば話題にのぼる。
「衆参とも与党が多数を占めているから成立してしまうだろう」「選挙で勝たせた有権者にも責任がある」―。法案が週明けにも衆院を通過する見通しの中で「自分たちに何ができるのか」という、ため息に似た声が多い。
昨年の総選挙と今夏の参院選で自民党は圧勝した。けれど、有権者はすべての政策について良しとしたわけではない。
政治が自らの思いとかけ離れて動こうとしている時、「それは違う」と伝えることが、有権者としての責任ではないだろうか。
(略)
仮に法案が衆院を通ったとしても、参院で審議は続く。署名はまだ間に合う。集会や勉強会に参加し、法案の危うさを自ら発信するのも手だろう。
政治の手綱を握るのはあくまで有権者だ。知る権利が脅かされるばかりか、私たちの暮らしに支障を来す恐れのある法案など必要ない。そうした思いを一人一人が声に出し、行動に表すことで、流れを変えたい。
(引用終わり)
(付記)