wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

 今晩(2014年2月13日)配信した「メルマガ金原No.1636」をお届けします。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 

 

こういう人間に支配される国であってはならない(2014年2月12日・衆議院予算委委員会)
 
 今日のメルマガ(ブログ)では、別のことを書こうと思っていたのですが、帰宅してネットに接続したところ、昨日(2月12日)の衆議院予算委員会における安倍晋三首相のとんでもない発言を知り(うかつにも昨日は気がついていなかった)、急遽この問題を取り上ることにしました。
 これを大きく報じた東京新聞の記事を引用します。
 
東京新聞 2014年2月13日
首相、立憲主義を否定 解釈改憲「最高責任者は私」
 安倍晋三首相は十二日の衆院予算委員会で、集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更をめぐり「(政府の)最高責任者は私だ。政府の答弁に私が責任を持って、その上で選挙で審判を受ける」と述べた。憲法解釈に関する政府見解は整合性が求められ、歴代内閣は内閣法制局の議論の積み重ねを尊重してきた。首相の発言は、
それを覆して自ら解釈改憲を進める考えを示したものだ。首相主導で解釈改憲に踏み切れば、国民の自由や権利を守るため、政府を縛る憲法立憲主義の否定になる。 
 首相は集団的自衛権の行使容認に向けて検討を進めている政府の有識者会議に
ついて、「(内閣法制局の議論の)積み上げのままで行くなら、そもそも会議を作る必要はない」と指摘した。
 政府はこれまで、集団的自衛権の行使について、戦争放棄と戦力の不保持を定め
憲法九条から「許容された必要最小限の範囲を超える」と解釈し、一貫して禁じてきた。
(略)
 元内閣法制局長官の阪田雅裕弁護士は、首相の発言に「選挙で審判を受けれ
ばいいというのは、憲法を普通の政策と同じようにとらえている。憲法は国家権力を縛るものだという『立憲主義』の考え方が分かっていない」と批判した。
(略)
(引用終わり)
 
 東京新聞の記事、そこに引用された阪田雅裕元内閣法制局長官のコメントに付け加えることは特にないのですが、このニュース、東京新聞以外に大きく報じたところはあったのでしょうか?
 今日13日になって、時事通信が以下のような記事を配信しましたが。
 
時事通信 2014年2月13日12時59分
安倍首相に批判相次ぐ=解釈改憲めぐる答弁-自民総務会
(抜粋引用開始)
 13日の自民党総務会で、集団的自衛権行使を可能にする憲法解釈変更をめぐる安倍晋三首相の国会答弁に批判が相次いだ。
 問題視されたのは12日の衆院予算委員会での発言で、首相は解釈変更について「政府の最高責任者は私だ。政府の答弁について私が責任を持って、その上で選挙で審判を受ける」と強調した。
 総務会で村上誠一郎元行革担当相は「首相の発言は選挙で勝てば憲法を拡大
解釈できると理解できる。その時々の政権が解釈を変更できることになる」と非難。村上氏の主張を、野田毅党税調会長が「正面から受け止めるべきだ」と支持し、船田元・憲法改正推進本部長も「拡大解釈を自由にやるなら憲法改正は必要ないと言われてしまう」と指摘した。
(略)
(引用終わり)
 
 安倍自民党立憲主義を否定しているなどということは、さんざん憲法学習会で強調してきましたので、私自身つい感覚が麻痺してしまっていると反省しなければならないのですが、この発言が大した問題にならないとしたら、そのこと自体がとんでもないことです。
 この安倍発言を容認する人間には、北朝鮮金正恩独裁体制を批判する資格はないと断言しなければなりません。
 
 実は今晩、私は、和歌山県平和フォーラム主催の講演会(於:和歌山県勤労福祉会館プラザホープ4Fホール)で講師を務めていたのですが、私が用意した演題が、「集団的自衛権と国家安全保障基本法案そして自民党改憲案~憲法立憲主義守るために~」というものでした。
 そこで私が強調したのも、憲法の基本原則を逸脱せぬように、国民の代表である国会が制定した法律に従って統治が行われるという「法治主義」の原則を守り、「人の支配」を許してはならないということでした。
 昨日の予算委員会におけるこの許せぬ発言に気がついていなかったため、安倍批判のトーンが(あれでも)生ぬる過ぎたのではないかといささか心残りです。
 
 なお、このような報道に接した際は、記事をうのみにするのではなく、必ず「裏をとる」習慣を身につけたいものです。
 昨日の安倍首相の発言は以下の方法で確認(視聴)できます。
 
衆議院インターネット審議中継
  ↓
配信方法の選択(別ウインドウが開きます)
  ↓
カレンダーから2月12日を選択してクリック
  ↓
予算委員会をクリック
  ↓
発言者一覧から「大串博志民主党無所属クラブ)」をクリック
  ↓
トータル時間の42分40秒~46分50秒が安倍晋三首相の問題発言部分です。
 
 さて、この4分余りの映像をじっくりと視聴された方はどういう印象を持たれたでしょうか?
 先日、岩上安身さんによる小出裕章さんに対するインタビューをご紹介しましたが、そこで小出さんが言われた「安倍さんのような、私から見ると『この人、病気だな』と思うような人出てきてしまって、世界情勢を見ることもできないわけですね」という評言があまりにも適切であることに驚かれるのではないかと思います。
 この映像を是非精神医学を専攻している方々に視聴した上で診断をくだしていたきたいと思うのですが、素人の私が一見しただけでも(控え目に言っても)「正常」とはとても思えません。
 日本は「こういう人間に支配される国であってはならない」とつくづく思います。
 
(付記)
 本題とは少し離れますが、今日のプラザホープでの講演会終了時に、司会の方が、明日2月14日(金)、和歌山市あいあいセンターで開かれる「希代の悪法 秘密保護法は廃止を!学習集会」(主催:Stop!秘密保護法わかやま共同行動)が開かれることを告知し、聴衆に参加を呼びかけてくださったことをご報告します。
 

(付録)
『ヒミツの晋ちゃん、毒まんじゅう』 作詞・作曲・歌 松原洋一