wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

荻野晃也さんから学ぶ“電磁波”と“リニア新幹線”の問題点

 今晩(2014年3月1日)配信した「メルマガ金原No.1652」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
荻野晃也さんから学ぶ“電磁波”と“リニア新幹線”の問題点
 
 2012年8月20日から21日にかけて、和歌山県において脱原発運動に取り組んできた人たちによる合宿(浦磯合宿)が、和歌山県日高郡日高町にある民宿「波満の家(はまのや)」で開催されるので「参加しないか」と声をかけていただき、得難い機会でしたので私も参加しました(仕事のために1日目だけの参加でしたが)。
 この時の合宿の模様は、「原発がこわい女たちの会」ブログに掲載されています(「脱原発・浦磯合宿に参加してきました」)。
 
濱一己さん ちなみに、私のFacebook やブログ(弁護士・金原徹雄のブログ)のカバーに使っている写真は、1日目の合宿が終わった後、夕食までの間に、「波満の家」のご主人・濱一己さん自ら操縦する船に乗せていただき、かつて関西電力による原子力発電所建設計画が実現寸前まで行っていた小浦(おうら)海岸を案内していただいた際に撮影したものなのです。3.11以降の「にわか脱原発派」にとっては、歴戦の勇士に古戦場を案内していただく新参者の心境でした。
 なお、濱さんと小浦原発建設阻止闘争との関わりについては、2008年10月に大阪毎日放送が、京大原子炉実験所のいわゆる「熊取六人組」を取り上げたドキュメンタリー番組「なぜ警告を続けるのか~京大原子炉実験所・"異端"の研究者たち」の中で紹介されています(18分~21分)。
 
 「熊取六人組」というのは、「いわゆる」付きの他称であり、本来は「原子力安全研究グループ」と言うべきなのでしょうが、メンバーの海老澤徹さん、小林圭二さん、川野真治さん、小出裕章さん、今中哲二さんらは、上記の番組でも紹介されていたとおり、毎年夏、この「波満の家」で合宿することが恒例となっており、2012年の浦磯合宿は、原子力安全研究グループの合宿との合同開催とい形で実現しました。
 合宿には、上述の原子力安全研究グループのメンバー(亡くなられた瀬尾健さん以外の5名)の他、その周辺の親しい研究者の方も参加されるようであり、私が参加した2012年の合宿でお目にかかったのが、実は今日、講演の映像をご紹介しようとしている荻野晃也(おぎの・こうや)さんだったのです。
 
 ここまでが「前置き」というのは少し長過ぎましたかね?
 ただ、ご紹介しようと思う講演の冒頭で、荻野さんご自身の口から、「(集会の)ビラが送られてきて、原子力資料情報室とか、原水禁とか、原発嫌いが多いので、多分、反原発運動に関わっている方々が電磁波をやるっていうのは初めてじゃないかとさっき言った(司会の澤井正子さんに)」という発言があったのを聴きながら、2012年の「波満の家」での合宿、それも懇親会も終わって民宿のロビーとおぼしき場所(?)での二次会における荻野先生の電磁波に関する蘊蓄に耳を傾けていた時の自分の心境を思い出し、つい長々と合宿の話になってしまったのでした。
 つまり、原子力の危険性と電磁波の危険性がどう結びつくのかという点について、何のイメージの持ち合わせもなかった私にとって、「電磁波の危険性も大事な問題に違いないけれど、それと原子力(核、放射線)の危険性とどういう関係があるのだろう?という「はてな?」状態だったのですね。
 おそらく、荻野先生にとって、そういう「無理解」と何十年来向き合ってこられたのだろうなと、この講演冒頭の発言を視聴して思い至った次第です。
 
 前置きはこれ位にして、荻野さんの講演の映像を、開催概要や資料と併せてご紹介します。
 
(引用開始)
学習会「電磁波とリニア新幹線問題」
 
日時:2014年2月22日(土)13:30~16:30
場所:日比谷図書文化館コンベンションホール(地階)
講師:荻野晃也さん(元京都大学工学部講師、電磁波環境研究所主宰)
主催:2/22学習会実行委員会
原子力資料情報室、原水禁、再処理とめたい!首都圏市民のつどい、高木学校、反原発出前のお店、日本消費者連盟、リニア・市民ネット、ほか調整中)
連絡・問い合わせ先:原子力資料情報室(03-3357-3800)/ 原水禁(03-5289-8224) 
 
第1部:「電磁波とは?」(1時間11分23秒)
 
 私たちの生活は、電気製品に取り囲まれています。携帯電話、電子レンジ、IH調理器など、一見便利に見える電化製品からは、「電磁波」という光の波のようなものがいつも出ています。この電磁波による健康影響(白血病乳がん、脳腫瘍など)が欧米では問題となり、スウェーデンなどでは電化製品の電磁波について規制がはじまっています。電磁波とはどんなものか、電磁波が私たち人間の体にどんな影響をあたえるのか、そして私たちの生活を取り巻く「電磁波」をどのように避け、付き合っていけばいいのか、考えます。
 
第2部:「電磁波とリニア中央新幹線(1時間47分35秒)
 
 東京と名古屋・大阪を時速500キロで結ぶ「リニア中央新幹線」計画が、推し進められています。超伝導で車体を浮き上がらせ、東京―名古屋を40分、東京―大阪を70分でつなぐ「夢の計画」?このリニア技術は、技術的にも未熟で、問題も沢山あります。車体は電磁石の塊、乗っているだけで相当な被ばく確実、電気の使用量は現行の新幹線の4~5倍、南アルプスの真下をトンネルばかりで通過する大規模自然破壊。大量生産・大量消費を見直し、省エネルギー社会をめざす今日の世界的な流れに逆行するリニア新幹線、本当に私たちに必要でしょうか?
 
講師紹介:荻野晃也(オギノ コウヤ)
京都大学工学部助手、理学博士。専門は原子核物理、放射線計測学。現在、電磁波環境研究所を主宰。伊方原発訴訟に当初から関わり耐震問題を担当、中央構造線の危険性を指摘した。1970年代半ば頃から電磁波問題を日本に紹介、その危険性に警告を発し続け、「予防原則」の対応を訴えている。
 
当日配布資料
(引用終わり)
 
 この全部で3時間もある講演の映像にいきなりチャレンジするのも良いのですが、私のお勧めは、まず当日配布資料のうちの「レジュメ」(10ページ)にざっと目を通して予備知識を仕入れ、その上で講演を視聴するという方法です(字が小さいのが難点ですが))。
 レジュメの構成は、以下のようになっています。 
 
【1】はじめに  1頁
【2】電磁波とは?  1頁
【3】人間の身体と電磁波  1頁
【4】電磁波の影響について:歴史的経過  2頁
【5】電磁波・放射線の影響問題  2頁
【6】人間の身体と電磁波  3頁
【7】電気利用と電磁波問題  3頁
【8】オール電化・LED照明の危険性  4頁
【9】変調高周波・電磁波の危険性  4頁
【10】電磁波過敏症の存在  4頁
【11】リニア中央新幹線の立地上の問題点  5頁
【12】リニアから発生する電磁波・低周波音など  6頁
【13】リニア電磁波の問題点  6頁
(1)はじめに  6頁
(2)静磁界の問題  7頁
(3)静磁界の移動問題  7頁
(4)交流磁界の車外被曝問題  7頁
(5)リニア車内の測定  8頁
(6)測定結果の不思議な値の問題  8頁
(7)周波数の問題  9頁
(8)中間周波数・高周波・光線などの問題  9頁 
【14】リニアと予防原則・思想  9頁
【15】電磁波関連・著書(共著・監修を含む)  10頁
 
 この項目を書き写しているだけでも、様々な問題点があるのだろうな、ということが伺われます。
 是非、「電磁派とリニア新幹線問題」についても学んでいきたいと思います。

(参考書籍)


危ないリニア新幹線
リニア・市民ネット
緑風出版
2013-07-13