今晩(2014年7月8日)配信した「メルマガ金原No.1780」を転載します。
なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
私は、今日(7月8日)の午後、和歌山弁護士会の常議員会というところに説明員として出席してきました。常議員会というのは、簡単に言えば、総会での議決を要すると定められた事項を除くほぼ全ての事項を決定する権限を有する弁護士会の常置機関です。
今日私が説明員として出席を求められたのは、憲法委員会が担当した会長声明案(集団的自衛権の行使を容認した閣議決定に対する抗議声明)及び9月に伊藤真弁護士を招いた集団的自衛権を考える市民集会を開催したいという企画の両件が審議されることになっていたため、憲法委員会の委員長として説明を求められたものです。
本日の常議員会において、ほぼ憲法委員会提案通りの内容で承認が得られましたので、会長声明についても市民集会についても、近くその内容をご紹介したいと思います。
さて、集団的自衛権行使容認反対のために取り組んでいる「会長声明」といい「市民集会」といい、弁護士会の活動の「定番」であり、やらないよりはやった方が良いに決まっており、日本弁護士連合会からの強い要請もあり、各地の弁護士会が取り組んでいるところです。
「会長声明」については、閣議決定前に、既に全国52の弁護士会全てで発出されており(ちなみに、47ではなく52の弁護士会があるのは、北海道に地裁が4つあることに対応して弁護士会も4つあるのと、歴史的経緯から東京に3つあることによります)、7月1日以降、閣議決定に抗議してその撤回を求める声明もあいついで発出されています。
また、シンポジウムや市民集会についても、全国各地の弁護士会が実施しており、和歌山弁護士会でも、来る9月16日(火)に、伊藤塾塾長の伊藤真弁護士(日本弁護士連合会憲法問題対策本部副本部長)を招いた集会を開催することが本決まりとなりました(和歌山県民文化会館、午後6時開演予定)。
今日私が説明員として出席を求められたのは、憲法委員会が担当した会長声明案(集団的自衛権の行使を容認した閣議決定に対する抗議声明)及び9月に伊藤真弁護士を招いた集団的自衛権を考える市民集会を開催したいという企画の両件が審議されることになっていたため、憲法委員会の委員長として説明を求められたものです。
本日の常議員会において、ほぼ憲法委員会提案通りの内容で承認が得られましたので、会長声明についても市民集会についても、近くその内容をご紹介したいと思います。
さて、集団的自衛権行使容認反対のために取り組んでいる「会長声明」といい「市民集会」といい、弁護士会の活動の「定番」であり、やらないよりはやった方が良いに決まっており、日本弁護士連合会からの強い要請もあり、各地の弁護士会が取り組んでいるところです。
「会長声明」については、閣議決定前に、既に全国52の弁護士会全てで発出されており(ちなみに、47ではなく52の弁護士会があるのは、北海道に地裁が4つあることに対応して弁護士会も4つあるのと、歴史的経緯から東京に3つあることによります)、7月1日以降、閣議決定に抗議してその撤回を求める声明もあいついで発出されています。
また、シンポジウムや市民集会についても、全国各地の弁護士会が実施しており、和歌山弁護士会でも、来る9月16日(火)に、伊藤塾塾長の伊藤真弁護士(日本弁護士連合会憲法問題対策本部副本部長)を招いた集会を開催することが本決まりとなりました(和歌山県民文化会館、午後6時開演予定)。
これらの「定番」ももちろん重要ですが、弁護士会に期待される役割はそれだけではないだろうとも思います。
私自身、この4月から和歌山弁護士会憲法委員会の委員長を務めており、この問題は、やや書きにくいことも事実です。それは、立場上言いにくいというよりも、言ったことがすぐに自分に跳ね返ってくるということによってです。
弁護士会に期待される大きな役割の1つは、いわゆる党派を超えた結集の軸になり得るということではないかと思います。強制加入団体(日本で弁護士の仕事をしようと思えば、日本弁護士連合会に弁護士登録した上で、どこかの単位弁護士会に必ず入会しなければならない)であるということは、会内に様々な意見・立場の会員を抱えるということであり、そのことが会内の意思統一を難しくするという側面もありながら、他方では、一党一派に偏することがないという「公正さ」に対する信頼を勝ち得やすいという側面を有しているということもできます。
全国各地で結成された「弁護士9条の会」(和歌山では「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」)に当初期待された役割も、似たような点があったように思います。
しかしながら、今は、全国的に「9条の会」の結成が相次いだ2005年から2006年にかけてとは状況が一変しています。
そもそも、「9条の会」は、憲法9条の明文改憲に反対するという一点で結集した団体が多いと思いますが、今や、立憲主義・民主主義を尊重する9条明文改憲派といかに連帯できるかが運動論の急所になりつつあり、そうなってくると「弁護士9条の会」(そもそもそういう団体が存在しない地域も少なくない)が果たせる役割も限定的にならざるを得ません。
とりあえず、そのような切迫した状況の中、瞠目すべき活動を行っているのが、和歌山のお隣の大阪弁護士会です。
大阪弁護士会では、昨年の秘密保護法案反対への取組の一環として、広く一般市民や様々な団体に呼びかけて何度かランチタイムデモを主催しました。ニュース映像などでその様子を視聴し、こういうことが全国で(もちろん和歌山でも)出来れば素晴らしいのだが、と思ったものでした。
そして、一昨日(7月6日)の日曜日、大阪弁護士会が主催して、扇町公園において、「野外集会 平和主義が危ない!秘密保護法廃止!!」という5000人規模の集会が、雨の中にもかかわらず、盛大に行われたのでした(チラシ)。
IWJ大阪チャンネル1によるUSTRAEM映像を視聴しながら、このような企画が和歌山で可能だろうか?という想念がしばらく私の頭を去来しました。
今回の野外集会も、いまだ理想的な結集の姿が実現したとは言えないでしょうが、それでも十分そのためのスタートラインに立ち得たと思います。
以下に、登壇者・団体名と視聴のための目安時間を記載しておきます。
冒頭~ 音楽演奏
※開会までまだ間のある公園内の様子がチラッと写りますが、私は参加者の持参している幟に目が行きました。判読できたものとしては、「新日本婦人の会」「大阪憲法会議」などがありましたので、特に幟の持ち込みについての規制はなかった模様です。
なお、午後3時の開会までの間、音楽を演奏されていたメンバーの紹介は、マイクの声が聴き取れずご紹介できません。いずれ、広く活躍されている方々なのでしょうが。
37分~ 主催者からのお知らせ
※「会場でのビラ配りはご遠慮ください」というアナウンスがありましたが、目的は混雑が予想される会場内の秩序維持でしょうね。聴き取りにくかったのですが、後方テントに配布物を置くスペースを提供していたようにも聞こえたのですが。
40分~ 石田法子大阪弁護士会会長
※開会挨拶を行う石田会長の首にヒョウ柄のストールが!その謎は、谷口真由美さんのスピーチを聞けば氷解します。
42分~ 太田健義大阪弁護士会秘密保護法対策本部事務局次長
44分~ 谷口真由美氏(大阪国際大学准教授、全日本おばちゃん党代表代行)
※和歌山市から参加した西郷章さんが、集会終了後、谷口真由美さんに突撃取材を敢行したレポートが、西郷さんの Facebook タイムラインに掲載されていました。
48分~ 辻元清美衆議院議員(民主党副幹事長)
50分~ 山下芳生参議院議員(日本共産党書記局長)
53分~ 福島みずほ参議院議員(社会民主党前党首)
56分~ 村上文好衆議院議員(生活の党国会対策委員長代理)
58分~ 村越進日本弁護士連合会会長→メッセージ代読
60分~ 真宗大谷派東本願寺
62分~ 大阪平和人権センター
64分~ 秘密保護法廃止!ロックアクション(服部良一氏)、秘密保護法廃止ネットワークおおさか
68分~ 藤田早苗氏(英国エセックス大学人権センター)
71分~ 明日の自由を守る若手弁護士の会
74分~ 大阪憲法会議・共同センター(梅田章二氏)
76分~ 大阪府保険医協会
79分~ 全大阪消費者団体連絡会
81分~ 認定NPO法人 環境市民
84分~ カトリック大阪大司教区社会活動センター・シナピス
88分~ 大阪宗教者9条ネット
91分~ 大江洋一大阪弁護士会秘密保護法対策本部本部長代行
※大江弁護士が読み上げ、参加者が拍手で賛同した集会アピールを書き写しておきます。
「秘密保護法が施行されれば、自衛隊の海外での活動なども秘密に指定されてしまい、私たちは、国内外で何が起こっているのかを知ることすらできなくなります。私たちは、憲法解釈変更による集団的自衛権行使の容認に対して断固として反対をします。そして、平和主義を守り抜くとともに、平和主義を脅かす秘密保護法の廃止を求めます。
2014年7月6日
野外集会 平和主義が危ない!秘密保護法廃止!! 」
53分~ 福島みずほ参議院議員(社会民主党前党首)
56分~ 村上文好衆議院議員(生活の党国会対策委員長代理)
58分~ 村越進日本弁護士連合会会長→メッセージ代読
60分~ 真宗大谷派東本願寺
62分~ 大阪平和人権センター
64分~ 秘密保護法廃止!ロックアクション(服部良一氏)、秘密保護法廃止ネットワークおおさか
68分~ 藤田早苗氏(英国エセックス大学人権センター)
71分~ 明日の自由を守る若手弁護士の会
74分~ 大阪憲法会議・共同センター(梅田章二氏)
76分~ 大阪府保険医協会
79分~ 全大阪消費者団体連絡会
81分~ 認定NPO法人 環境市民
84分~ カトリック大阪大司教区社会活動センター・シナピス
88分~ 大阪宗教者9条ネット
91分~ 大江洋一大阪弁護士会秘密保護法対策本部本部長代行
※大江弁護士が読み上げ、参加者が拍手で賛同した集会アピールを書き写しておきます。
「秘密保護法が施行されれば、自衛隊の海外での活動なども秘密に指定されてしまい、私たちは、国内外で何が起こっているのかを知ることすらできなくなります。私たちは、憲法解釈変更による集団的自衛権行使の容認に対して断固として反対をします。そして、平和主義を守り抜くとともに、平和主義を脅かす秘密保護法の廃止を求めます。
2014年7月6日
野外集会 平和主義が危ない!秘密保護法廃止!! 」
なお、大阪では、この野外集会が開かれた6日(日)午後3時~に先立ち、5日(土)・6日(日)の両日にわたり、「秘密法に反対する全国ネット 第2回全国交流集会」が開催されており、同交流集会事務局と大阪弁護士会の間で、時間調整など様々な打合せが行われていたことは想像に難くありません。
集団的自衛権行使容認によって海外で自衛隊に武力行使をさせるということと、秘密保護法強行制定との間には密接な関係があるということは、ようやく広く認識されるようになってきましたが、その点についての認識をより深めるためにも、野外集会でもスピーチされた藤田早苗さん(英国江セックス大学人権センター)の講演を含む、全国交流集会2日目のIWJ大阪による中継映像を是非視聴されるようにお勧めします。