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wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

「じえいちょう」って何だ?~「とある地本の自衛帳」から考えたこと

平和 文化
 今晩(2014年11月7日)配信した「メルマガ金原No.1902」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。

 

「じえいちょう」って何だ?~「とある地本の自衛帳」から考えたこと

 先日、知人から「『じえいちょう』って知ってます?」と尋ねられ、全く見当がつかなかったので教
えてもらったところ、「自衛隊が作った自由帳です」との説明に驚きました。
 昔々子どもの頃に、ほとんど落書き帳としてしか使わなかった無地のノートを親に買ってもらった記憶がぼんやりと蘇ってきました。それを、たしか自由帳と呼んでいたような気がします。
 試みに、ウイキペディアで調べてみたところ、以下のように説明されていました。
 
【自由帳(じゆうちょう) ウイキペディアから】
(引用開始)
 自由帳(じゆうちょう)はノートブックの一種。名前の通りあらゆる事を自由に書き込むため用
いられる。中身は白無地で、普通のノートブックとは違い、罫線が入っていない。最近は再生紙を利用したものも多い。メモ帳やスケッチブックなど使用方法は様々。幼児のお絵かきなどに
も用いられる。
 ほとんどの文具店でも取り扱っており、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでも一部取り
扱っている。
 表紙にはアニメなどのキャラクターや、子供たちの興味を惹く動植物の絵や写真などを大きく
配したものが一般的である。
 表紙に「じゆうちょう」または「自由帳」の題字をつけた上で、学習帳シリーズの1つとして販売
する文具会社がある。
 白紙の紙をノート状に綴じただけのものであるため、小学校低学年の児童などが多目的に
使用する。
 そのため、子供会や運動会などの景品としても多用される。
(略)
(引用終わり)
 
 どうやら、現在に至るまで、自由帳は子どもたちに愛用されているようです。
 
 さて、それでは自衛隊が作った「じえいちょう」とはどういうものか?と興味津々で調べてみました。
 主に、Twitter などで話題となっていたようですが、比較的よく情報がまとまっており、しかも
実際にブロガー自身が通信販売で「じえいちょう」をゲットした人の書いたブログがありましたのでご紹介します。
 
模型の花道のブログ 2014年10月28日
自衛隊が作った自由帳「じえいちょう」を買ってみた

(引用開始)
岡山の自衛隊基地では現在このようなグッズが売られてるそうです。
自衛帳て!!!
ツイッターで拡散してニュースプログまとめサイトに載せられ、こないだからネットのちょっとした話
題になっています。
自分の笑いのツボにもハマったので欲しいなーとつぶやいたところ、親切なフォロワーさんから通販
でも扱っていますよと教えていただきました。
早速ポチ(笑)。
待つ事数日、届きました。
海上自衛隊バージョンは、潜水艦おやしお、ヘリ護衛艦ひゅうがの2種類。
航空自衛隊バージョンは、C-1輸送機、F-2戦闘機の2種類。
陸上自衛隊バージョンは、10式戦車、コブラの2種類・・・なんですが、ネットショップは両方とも
10式と記載ミスがあり、試しに買い物カゴに入れてもそう表記されたため、違って送られて来たら
面倒なのでコブラは買い控えました。
表紙右上の萌えイラストは、自衛隊岡山地方協力本部が昨年からPRに使用しているイメージ
キャラクターで、デザインはストライクウィッチーズやガールズ&パンツァーでお馴染みの売れっ子イラ
ストレーター島田フミカネ氏によるものです。
確かに陸自の女の子はガルパンの西住殿にどこか似ているような。
島田氏の起用は岡山ゆかりの人物なの以外にも、ミリタリーに造詣深い事もあったんでしょうね。
裏表紙は同キャラ別コスチュームのイラスト入り。
自由帳なので中は白無地になっており、見返しには萌えキャラのぬりえ付き。
裏の見返しには、表紙の兵器の諸元が記載。
もう片手間レベルでなく予算かけて本気で作ってます(笑)。
ちなみにこの萌えキャラ効果で、岡山では自衛官や防衛大の志願者が増えてるそうな。
あちこちの地方協力本部がこぞって萌えキャラ投入するわけだ。
この日曜に舞鶴行ったらおみやげ店でこんな海自グッズ並んでたし。
3年前来たときには影も形もなかったです。
^^;
(引用終わり)
 
 このブログを書かれたのは、「模型の花道」というサイトの管理人であり、プラモデル愛好家の間ではおそらく名の通った方なのでしょうね。
 私に「じえいちょう」のことを教えてくれた知人も、子どものころからのプラモデル愛好家であり、
今はどうか分かりませんが、以前、とある役所に勤めていた頃は、新しいプラモデルを買う時にはず2つずつ買うということを聞き、「どうして2つも?」と尋ねたところ、「1つは組み立てるため、う1つはコレクションとして」と聞いて、マニアというのはこういうものかと感心した記憶があります。
 
 さて、「じえいちょう」です。
 上記「模型の花道のブログ」にあるとおり、この「じえいちょう」を企画販売しているのは、
自衛隊岡山地方協力本部というところのようです。
 
 部外者には、「地方協力本部」と聞いてもイメージがわいてきませんが、防衛省・自衛隊サイトでは、「自衛隊地方協力本部自衛隊の受験、見学、質問、相談等の窓口です。お気軽にお問合せください」と説明されており、各都道府県には必ず(北海道には4つ)設置されています。
 これだけではいまひとつよく分からないので、「自由帳」に続き、再びウイキペディアを参照すると、「自衛隊地方協力本部(じえいたいちほうきょうりょくほんぶ)は防衛省に置かれている自衛隊の機関の一種。防衛庁(現: 防衛省)の組織改編に伴い、2006年(平成18年)7月31日自衛隊地方連絡部から改編された。協力本部(きょうりょくほんぶ)または地本(ちほん)と略される」とあり、この名称に改組されてからまだ8年しか経っていないことが分かります。
 根拠条文は以下のとおり。
 
自衛隊法
第二十九条 地方協力本部においては、地方における渉外及び広報、自衛官及び自衛官候補生の募集その他防衛大臣の定める事務を行う。
2 地方協力本部に、地方協力本部長を置き、自衛官又は事務官をもつて充てる。
3 地方協力本部長は、防衛大臣の定めるところにより、方面総監の指揮監督を受け、部務
を掌理する。
 
 各地の「地方協力本部」の主たる任務は「地方における渉外及び広報、自衛官及び自衛官候補生の募集」ということであり、岡山地方協力本部が、岡山独自イメージキャラクター島田フミカネさんに依頼して制作したのも、その活動の一環です。
 そのイメージキャラクター
  陸上自衛隊 吉備桃惠(キビモモエ)
  海上自衛隊 瀬戸水葡(セトミズホ)
  航空自衛隊 備前愛梨(ビゼンアイリ)
については、「とある地方の防衛少女」という、単なるファンサイトなのか、それとも事実上の
式サイトなのかよく分からないサイトまであります(「一般社団法人DSC(自衛隊応援クラブ)関連サイト。自衛
隊岡山地本三人娘をこよなく愛するサイト」などと表記されていますが)。
 そして、このサイトに設置された「グッズ販売 こちらから」というバナーをクリックすると、「グッズ販売サイト 自衛隊3人娘」に誘導され、「岡山自衛隊三軒屋駐屯地Yショップ自衛隊人娘キャラクターグッズ販売サイトです」という説明が付いており、ステーショナリー」をクリックして、ようやく「じえいちょう(とある地本の自衛帳)」販売コーナーにたどり着きます。
 「三軒屋駐屯地Yショップ」が、岡山地方協力本部の直営ショップとは考えにくいとは思うのですが、実態はよく分かりません。
  
 それで「じえいちょう」を注文したかって?一瞬心が動いたことは動いたのですが(もちろん、
「資料」として手元にあればということです)、ゆうパックによる送料がそこそこするので(送料無料になるのは5000円以上のお買い上げから)、まだ決断はついていません。
 
 さて、「模型の花道のブログ」に書かれていたように、このようなイメージキャラクターを制作してアピールする手法は各地の地本で実行されており、私の住む和歌山地方協力本部にも実はあったのです。
 みかんの助(陸自)、うめの助(海自)、かきの助(空自)という、一般公募から採用されたキャラクターであり、正直、これで岡山の3人娘に太刀打ちするのは難しかろうという気がしますが、それはさておき。
 
 再び私に「じえいちょう」の存在を教えてくれた知人から聞いた話を紹介すると、昔のプラモ
デルの世界では、自衛隊の戦車、護衛艦、戦闘機などはさっぱり人気がなかったのに、現
在はすっかり様変わりし、自衛隊関連のプラモデルは大人気なのだそうです。
 「じえいちょう」について知りたくて検索した tweet やブログは、実に無邪気で好意にあふれ
た文章が多く、軍事マニアの一部に見られるような、右翼がかったというか、攻撃的というか、
そういう性格は(ちらっと覗いただけの印象ですが)あまりなさそうでした。
 そう、プラモ少年がそのまま大人になった人たちが書いたのだろうなあ、という印象なのです。
 
 そして、自衛隊です。もともと、子どもは(女の子のことはよく分かりませんが)、昔から戦車や軍艦や戦闘機が大好きなので、自衛隊の装備品に人気が集まっても、それだけでどうこう言う気もないのですが、「自衛隊岡山地本3人娘」や「じえいちょう(とある地本の自衛帳)」まで来ると、さすがに「どうなのかなあ」と首を傾げざるを得ません。
 今までのような「戦争をしない自衛隊」であれば、「まあいいか」と苦笑いを浮かべながら見
過ごせたことでも、「戦争をする自衛隊」になるかどうかという瀬戸際の今、多くのプラモデル好家や自衛隊応援クラブの人たちと一緒になって「ほほえましい試み」と評価する気には
到底なれません。
 そのように思う理由を論理立てて説明することはなかなか難しいのですが、この「いやな感
じ」の根底には、「子どもをだましてはいけない」という感情があるのだろうと思います。
 皆さん、自分の子どものために「じえいちょう」を買う気になりますか?