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「翼賛体制構築に抗する声」再び!(2/25日本外国特派員協会記者会見)

 今晩(2015年2月26日)配信した「メルマガ金原No.2013」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「翼賛体制構築に抗する声」再び!(2/25日本外国特派員協会記者会見)

 今井一さん、マッド・アマノさん、小林節さん、古賀茂明さん、雨宮処凛さん、おしどりマコさん、大芝健太郎さんら7人が出席して、参議院議員会館において、「翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明」を発表するための記者会見が行われたのは2月9日のことでした。
 
2015年2月9日
「翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明」に賛同、支持の声を結集してください
 
 そして、昨日(2月25日)、東京有楽町の日本外国特派員協会においても、以下の賛同人の方々が出席して記者会見が行われました。
 
今井一(いまいはじめ)さん
マッド・アマノさん
平田オリザ(ひらたおりざ)さん
古賀茂明(こがしげあき)さん
中沢けい(なかざわけい)さん
 
 その中継画像を2種類ご紹介します。
 
Hirata, Imai, Koga, Amano & Nakazawa: “Writers, Journalists Calling for Free Speech”Kei Nakazawa all(FCCJ)

6分~ 今井一さん
13分~ マッド・アマノさん
 新作の“I am Koga ”が披露されました。
17分~ 平田オリザさん
20分~ 古賀茂明さん
26分~ 中沢けいさん
34分~ 質疑応答
 
平田オリザ今井一、古賀茂明、マッド・アマノ中沢けい(1)(JCC株式会社)

4分~ 今井一さん
11分~ マッド・アマノさん
14分~ 平田オリザさん
17分~ 古賀茂明さん
23分~ 中沢けいさん
平田オリザ今井一、古賀茂明、マッド・アマノ中沢けい(2)(JCC株式会社)

冒頭~ 質疑応答
 
 全編を視聴しようとすると1時間半近くかかりますので、概略どのような話がなされたかを知るために、BLOGOSに掲載された記事に目を通されることをお勧めします。
 以下には、質疑応答の中で古賀茂明さんが、「報道ステーション」コメンテーター「降板」問題(契約があったわけではないから「事実上の雇い止め」でしょうか)と、歴史認識憲法問題についての官邸と皇室の見解の食い違いについての質問に答えた部分の要約を引用します。ちなみに、前者はJCC2本目の23分~、後者は34分~で視聴できます。
 
BLOGOS編集部 2015年02月25日 18:13
ネットと新聞・テレビのユーザに"大きな乖離"、報道の現場に自粛の空気も…古賀茂明氏らが訴え

(抜粋引用開始/質疑応答での古賀茂明氏の発言から)
古賀氏:正確に言うと、特にテレ朝との間で契約があるわけではない。テレ朝の立場から、するとその時
その時でお願いをしているので、クビにするということではない。
 聞いているのは、番組に誰を呼ぶのかはプロデューサー中心に決めているが、私は忙しいので3ヶ月先まで決めていて、毎月1回出て下さいという話がベースにある。報道局長が私の出演を嫌がっていると去年から聞いていたが、1月23日の発言以降は、"絶対出すな"という厳命が下っていると。これは報道局長に直接言われたわけではないので聞いてみたいと思うが、もちろんトップの意向を反映していると考えて
いる。
 3月は6日と27日に出る予定だったが、キャンセルすると大きな批判が出るだろうということで、出演
が決まっていなかった4月以降は出演禁止だということだと思う。
 昨日のテレビ朝日社長会見では、私の出演について「決まっていることは何もない。官邸から圧力を
受けているとは承知していない」という回答だった。
古賀氏:観察をしていて気づくことは、天皇皇后両陛下や、皇太子殿下も、非常に平和、放射能の問題に
ついてはっきりと触れられる場面が多いと感じる。
 一方でそれらどう報道されているか。かなりの場面で、政府批判ととられるかもしれないようなところがカットされて伝えられている。新年のご感想でも、東日本大震災で大勢のひとが避難生活を送っており
放射能汚染の影響があるとおっしゃっているのに書かない、ということが起きている。
 マスコミが自重している面もあると思うが、そのまま伝えられることはまずいという、政府側の判断があるんだろうなと思う。政府としては、メディアがどう報道するかをコントロールしようとすることによ
って、天皇陛下のお気持ちが曲げられることが起きているのではないか。
(引用終わり)
 
 ところで、「翼賛体制構築に抗する声」という公式サイトがリニューアル、ではない、新規開店していました。
 
 
 これにともない、「賛同人」及び「応援者」の意思表示(登録)を行うためのサイトも変更となりました。
 
 
 さらに注目すべきは、このホームページの中に「表現しよう」「表現を見る」というコーナーが設けられていることです。
 どんなものか?「表現しよう」を引用します。
 なお、記者会見の中でも、古賀さんがこのキャンペーン(表現しよう)について説明しています(JCC2本目の55分~です)。
 
「表現しよう」
(引用開始)
 私たちが持つ「作品づくり」という強い武器を通じて、翼賛体制の構築に抗しましょう。
「翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明」には、文筆家・音楽家・詩人・写真家・映画
監督・映像作家・脚本家・演出家・俳優・ダンサー・マジシャン・パントマイマー・グラフィックデザイナー・服飾デザイナー等々、ここでは紹介しきれないほど、ありとあらゆる分野の表現者の方たちからの
賛同が寄せられました。
 この表現者たちが「翼賛体制の構築に抗する」表現を一斉に始めたら、世の中に大きな一石を投じるこ
とができるはずです。
 ぜひ皆で作品を発表しましょう。
 URL等を
hanyokusan@gmail.com までお知らせ頂ければ、事務局でも出来る限り拡散します。また本サイトで紹介させて頂く場合もあります。なお、掲載はサイト全体のバランス等を見ながら行っていますので、掲載希望や、掲載基準等のお問い合わせはお受け致しかねます。あらかじめご了承ください。
(引用終わり)
 
 そして、その実例が既に「表現を見る」コーナーでいくつか紹介されています。
 
 これからも、私たちん1人1人が「翼賛体制構築に抗する声」を上げ続けなければと思います(私も一応「賛同人」の1人だし)。
 
 最後に、想田和弘さんが中心となって起草した「声明」をあらためて掲載しておきます。
 
(引用開始)
       翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明
 
私たちは、[ISIL]と称する組織・集団による卑劣極まりない邦人人質惨殺事件を強く非難し、抗議するものである。また、この憎しみと暴力の連鎖の帰結として起きた事件が、さらなる憎しみや暴力の引き金となることを恐れている。
 
同時に、事件発生以来、現政権の施策・行動を批判することを自粛する空気が国会議員、マスメディアから日本社会までをも支配しつつあることに、重大な危惧を覚えざるを得ない。
 
「人命尊重を第一に考えるなら、政権の足を引っ張るような行為はしてはならない」
「いま政権を批判すれば、テロリストを利するだけ」
「このような非常時には国民一丸となって政権を支えるべき」
 
そのような理屈で、政権批判を非難する声も聞こえる。
 
だが、こうした理屈には重大な問題が潜んでいる。
 
まず、実際の日本政府の行動や施策が、必ずしも人質の解放に寄与するものとは限らず、人質の命を危うくすることすらあり得るということだ。であるならば、政府の行動や施策は、主権者や国会議員立法府)やマスメディアによって常に監視・精査・検証され、批判されるべき事があれば批判されるのは当然の事であろう。
 
また、「非常時」であることを理由に政権批判を自粛すべきだという理屈を認めてしまうなら、原発事故や大震災などを含めあらゆる「非常時」に政権批判をすることができなくなってしまう。たとえば、日本が他国と交戦状態に入ったときなどにも、「今、政権を批判すれば、敵を利するだけ」「非常時には国民一丸となって政権を支えるべき」という理屈を認めざるを得なくなり、結果的に「翼賛体制」の構築に寄与することになるだろう。
 
しかし、そうなってしまっては、他国を侵略し日本を焼け野原にした戦時体制とまったく同じではないか? 70数年前もこうして「物言えぬ空気」が作られ、私たちの国は破滅へ向かったのではなかったか?
 
実際、テレビで政権批判をすると、発言者や局に対してネットなどを通じて「糾弾」の動きが起こり、現場の人々に圧力がかかっている。
 
問題なのは、政権批判を自粛ないし非難する人々に、自らがすでに「翼賛体制」の一部になりつつあるとの自覚が薄いようにみえることである。彼らは自らの行動を「常識的」で「大人」の対応だと信じているようだが、本当にそうであろうか?私たちは、今こそ想像力を働かせ、歴史を振り返り、過去と未来に照らし合わせて自らの行動を検証し直す必要があるのではないだろうか?
 
日本国憲法第21条には、次のように記されている。
 
「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」
 
日本国憲法第12条には、次のようにも記されている。
 
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」
 
私たちは、この日本国憲法の精神を支持し尊重する。そしてこの精神は、「非常時」であるときにこそ、手厚く守られ尊重されなければならないと考えている。
 
なぜなら「非常時」にこそ、問題の解決のためには、様々な発想や見方、考え方が必要とされるからである。
 
私たち言論・表現活動に携わる者は、政権批判の「自粛」という悪しき流れに身をゆだねず、この流れを堰き止めようと考える。誰が、どの党が政権を担おうと、自身の良心にのみ従い、批判すべきだと感じ、考えることがあれば、今後も、臆さずに書き、話し、描くことを宣言する。
(引用終わり)
 
(付記)
 以上の声明の起草者である想田和弘監督が、昨日の記者会見にも出席しておられた平田オリザさん(劇作家・劇団主宰者)を「観察」した映画2本『演劇1』と『演劇2』が日本映画専門チャンネルでTV初放映されます。視聴できる方はお見逃しなく。