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「戦争立法」に備えるための学習会~IWJの貴重なアーカイブで学ぶ

 今晩(2015年3月14日)配信した「メルマガ金原No.2029」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「戦争立法」に備えるための学習会~IWJの貴重なアーカイブで学ぶ

 最初は、今日の記事のタイトルを、昨日に続くシリーズ第3弾として、
  続々「戦争立法」はどうなるのか?~若い弁護士のための勉学の勧めⅢ
としてお送りしようかと思ったのですが、考えてみると、今後、このテーマで書かなければならない機会
はいくらでもありそうなので、このタイトルにこだわっていたら、紛らわしくて訳が分からなくなりかね
ないので止めました。
 
 今日は、先週行われた3つの学習会・講演会の中継動画をご紹介します。いずれもIWJによるアーカイブが視聴できます。いつまで、会員でなくても視聴できるのかはよく分かりませんので、できるだけ早
く視聴されることをお勧めします。
 それにしても、2月21日に帯広で倒れた岩上休身さんが2週間余りの休養の後、復帰されたのは喜ばしいことですが(【岩上安身よりみなさまへ】ひとまずの復帰のご挨拶 ?突然の「攣縮(れんしゅく)」からのサバイバル、そしてニトロ片手のタイトロープウォークへ)、くれぐれも無理はなさらずに、とお
伝えしたですね。
 岩上さんの心労を少しでも減少させるため、有料会員登録する人を1人でも増やしたいものです(会員登録)。
 そういえば、私自身、1年間の有効期間が切れるという案内を貰っていながら、多忙にかまけて更新できていない。早く一般会員としての年会費を払わなければ。
 
 さて、ご紹介する学習会の1つめは、憲法9条京都の会が3月5日(木)に開催した「戦争する国にしない、させない!3・5緊急学習講演会」であり、九条の会・事務局で一橋大学名誉教授の渡辺治さんが講演されたものです。
 
 
 渡辺さんの論旨明快な語り口はよく知られていますが、私が特にこの京都での講演を視聴されるようにお勧めしたいと思ったのは、安倍政権の二面性、すなわち米国や財界から待望久しい政策の推進者という側面と、米国も財界も歓迎できない歴史修正主義者としての側面ということですが、この両面性をどのように理解すれば良いのかということのみならず、昨年4月のオバマ訪日が象徴するように、米国も財界も、安倍に対する懸念はあるにせよ、こういう政権でなければ海外で米国とともに戦争する国にすることはできないとして、この政権を支えていくという決断がなされたと考えるべきであることが解き明かされます。
 これは相当に説得力のある意見であると思います。
 そして、その認識を踏まえて、私たちがどうすべきかという運動論が語られます。
 次にご紹介する「戦争をさせない1000人委員会」の緊急学習会を「各論」とすれば、この渡辺治さんの講演は大状況を理解するための「総論」という位置付けになるのだろうと思います。
 
 そして、「各論」です。
 3月7日(土)午後、東京の連合会館で「3.7緊急学習会『戦争法に備えよ』」(主催:社会文化法律センター・戦争をさせない1000人委員会)が開かれました。
 
(抜粋引用開始)
■■法案の内容が分からないなかで、反対運動を作らなければならない■■
 その際に、まず、問題となることはこれらの法案の正確な中味がまだ分からないと言うことです。新聞
などに観測記事が掲載される程度で条文内容が分からず、日弁連なども意見書を作ることすら難しい状況
です。
 秘密保護法案もなかなか国会に提出されず、提出されたと思ったら、極めて短い時間の議論で、強行採決し、閉会となりました。安倍政権はまた同じようにやろうとしていると見なければなりません。このようなやり方は本当におかしいと思いますが、私たちも、このような事態を前提に考えなければなりません

■■法案内容を大胆に予測してディスカッションしたい■■
 そこで、法案の内容をさまざまに予測しながら、そこにどのような憲法上の問題があるかをトータルに
議論する場を設けたいと考え、この学習会を企画しました。
 日弁連憲法問題対策本部の福田護弁護士と戦争をさせない1000人委員会事務局長代行の藤本泰成さんに、
法案の内容と今後の情勢を予測してもらいながら、対談形式で、新進気鋭の憲法学者である青井未帆先生に憲法上の問題点についてコメントしていただく形で学習会をしたいと思います。考え得るベストメンバーによる学習会です。
(引用終わり)
 
動画その1
 7分~ 開会挨拶 宮里邦雄氏(社会文化法律センター共同代表、弁護士)
 14分~ 福田護氏(日弁連憲法問題対策本部、社会文化法律センター会員)
動画その2
 冒頭~ 福田護氏(続き)
 22分~ 基調報告 青井未帆氏(学習院大学教授・憲法学)(~1時間03分)
 1時間13分~ パネルディスカッション
  パネリスト
   青井未帆氏
   福田護氏
   藤本泰成氏(戦争をさせない1000人委員会事務局長代行)
  司会 海渡雄氏(社会文化法律センター共同代表、弁護士)
 1時間26分~ 紙芝居「戦争法って何だろう?」(作:福島みずほ参議院議員)上映
 
 2時間07分~ 会場発言 清水雅彦氏(日本体育大学教授・憲法学
 
 この緊急学習会については、パネルディスカッションのコーディネーターを務めた海渡雄一弁護士がレポートを書いておられます。
 まずざっとこれに目を通した上で、中継動画に進むと良いかもしれません(海渡さんによると「拙稿について畏れ多くも青井先生に添削していただいた。」とのことです)。
 
 
 最後に、IWJ兵庫による中継動画をご紹介します。「九条の会.ひがしなだ」9周年記念講演会「内田樹が語る『街場の戦争論』~グローバリズム憲法九条~」が、3月7日(土)、神戸市・東灘区民センターうはらホールで開催され、内田樹(たつる)さんの講演、それから内田さんと元自衛官・泥憲和さんとの対談が行われました(司会:小山乃里子さん)。
 なお、2時間03分~で、泥さんが自衛隊に入隊直後の説明会で、新入隊員の1人が「反戦歌のレコード
を聴いちゃ駄目ですか?」と上官に質問したというエピソードは面白いですよ。
 今日ご紹介した最初の学習講演会が「総論」、2番目の緊急学習会が「各論」とすると、内田さんと泥さんによるお話は、とてもためになる「傍論」というところでしょうか。