今晩(2015年9月11日)配信した「メルマガ金原No.2210」を転載します。
なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
大学人だけではなく大学も立ち上がりつつある~学校法人北星学園、立命館大学法学部、早稲田大学法学部
明日(9月12日)午前10時から、和歌山県田辺市において開かれる「安保法案だよ全員集合!」というイベントに法案反対派のパネリストの1人として出演することになっている私としては、その発言に備えた準備もしなければならないしということで、正直メルマガ(ブログ)を書くために割ける時間は限られています。
ということで、これは注目したいと考えたシンポジウムのIWJ京都による中継動画をご紹介したいと思います。
「憲法から安全保障法制を考える」という公開緊急シンポジウムであり、主催は立命館大学法学部。今日の午後4時半から開催されたばかりです。
まず、同学部のホームページに掲載された開催案内を引用します。
明日(9月12日)午前10時から、和歌山県田辺市において開かれる「安保法案だよ全員集合!」というイベントに法案反対派のパネリストの1人として出演することになっている私としては、その発言に備えた準備もしなければならないしということで、正直メルマガ(ブログ)を書くために割ける時間は限られています。
ということで、これは注目したいと考えたシンポジウムのIWJ京都による中継動画をご紹介したいと思います。
「憲法から安全保障法制を考える」という公開緊急シンポジウムであり、主催は立命館大学法学部。今日の午後4時半から開催されたばかりです。
まず、同学部のホームページに掲載された開催案内を引用します。
法学部では、今国会で審議中の安全保障関連法案について、学生のみなさんや市民の方々とも一緒に考える機会とするために、以下の要領で緊急公開シンポジウムを開催することにいたしました。
みなさまのご来場を心からお待ちしています。
みなさまのご来場を心からお待ちしています。
【日 時】9月11日(金)16時30分~19時00分
【会 場】衣笠キャンパス 存心館3階801号教室
【内 容】
・開会あいさつ 宮井雅明教授(法学部長)
・基調講演「戦争と平和の時代を生きて」岩井忠熊氏(立命館大学名誉教授・元特攻隊員)
*岩井忠熊氏は、1922年生まれ。日本近代史専攻、元特攻隊員。主な著書は、『明治国家主義思想史研究』(青木書店、1972年)、『西園寺公望』(岩波書店、2003年)、『十五年戦争期の京大学生運動』(文理閣、2014年)など。
・報告「安全保障法制をめぐる憲法問題」植松健一教授(法学部・憲法学)
*植松健一教授は、1971年長野県生まれ。憲法学専攻。共著として、『憲法講義』(日本評論社、2015年)、『安保関連法総批判―憲法学からの「平和安全」法制批判』(日本評論社、2015年
【会 場】衣笠キャンパス 存心館3階801号教室
【内 容】
・開会あいさつ 宮井雅明教授(法学部長)
・基調講演「戦争と平和の時代を生きて」岩井忠熊氏(立命館大学名誉教授・元特攻隊員)
*岩井忠熊氏は、1922年生まれ。日本近代史専攻、元特攻隊員。主な著書は、『明治国家主義思想史研究』(青木書店、1972年)、『西園寺公望』(岩波書店、2003年)、『十五年戦争期の京大学生運動』(文理閣、2014年)など。
・報告「安全保障法制をめぐる憲法問題」植松健一教授(法学部・憲法学)
*植松健一教授は、1971年長野県生まれ。憲法学専攻。共著として、『憲法講義』(日本評論社、2015年)、『安保関連法総批判―憲法学からの「平和安全」法制批判』(日本評論社、2015年
)など。
・リレー・トークおよび質疑応答
・閉会あいさつ 中島茂樹氏(立命館大学名誉教授)
司会 倉田玲教授(法学部)
【参加費】無料(事前申込不要)
●立命館大学法学部緊急公開シンポジウムチラシ
(引用終わり)
・リレー・トークおよび質疑応答
・閉会あいさつ 中島茂樹氏(立命館大学名誉教授)
司会 倉田玲教授(法学部)
【参加費】無料(事前申込不要)
●立命館大学法学部緊急公開シンポジウムチラシ
(引用終わり)
何しろ、つい先頃シンポが終わったばかりなので、IWJ京都によるアーカイブ動画も、まだ前半の分しかアップされておらず、後半のリレートーク以下はまだ見られません。
おそらく、間もなく後半もアップされるでしょうから、視聴画面の右横「過去の番組」欄に注目してください(ブログの方には、アップされ次第、後半の動画にもリンクをはります)。もっとも、第2部のリレートークで発言される方のプライバシーに配慮して、公開は第1部だけであった可能性もありますので、その節はご容赦ください。
このシンポジウムに注目したのは、既にお分かりのことと思いますが、主催が「有志の会」ではなく、「立命館大学法学部」だということです。
冒頭の宮井雅明法学部長の挨拶では、次のように語られていました。
冒頭の宮井雅明法学部長の挨拶では、次のように語られていました。
「本日のシンポジウムは、今国政の焦点となっているいわゆる安全保障関連法案について、主として憲法研究の立場から問題提起をして、大学の教職員だけでなくしてですね、学生さん、さらには市民の皆さんと共にですね、法案の問題点について認識を深め、共有するために企画を致しました。ですから、法案反対のですね、シュプレヒコールをあげることが目的ではないですけども、それを拒絶している訳でもありません。(笑)その辺はですね、皆さんのご判断にお任せしたいというふうに思っております。さて、このようなシンポジウムをなぜ立命館大学の法学部が主催するのかと問われればですね、我が法学部は、平和と民主主義を理念としているからです、というふうに答えたいと思います。平和と民主主義を理念としているのは、日本が引き起こした戦争に対する反省に基づいているということである。その法学部が、この状況の下で何もしないというのではですね、看板倒れ、虚偽表示というふうにですね、言われても仕方がないようなことになってしまんではないだろうかと考えたからです。その意味では、このような企画を立てるのが遅すぎたということをですね、この場でお詫びしなければいけないというふうにも感じております」
なお、宮井部長の挨拶の中で、9月16日には早稲田大学法学部が立憲主義をテーマとして緊急シンポジウムを開くらしいということが紹介されていましたので、調べてみました。
そうすると、同学部のホームページにチラシのPDFファイルが掲載されていましたので、その概要をご紹介しておきます。どこか中継してくれるところがあるだろうか。それにしても、16日の14時から17時というのは微妙な日程だなあ。
そうすると、同学部のホームページにチラシのPDFファイルが掲載されていましたので、その概要をご紹介しておきます。どこか中継してくれるところがあるだろうか。それにしても、16日の14時から17時というのは微妙な日程だなあ。
シンポジウム
立憲主義の危機に抗して ? 法と知の復権のために
報告
『知・政治・憲法のTriade』
樋口 陽一 氏 東北大学・東京大学名誉教授
『立憲主義に対するあからさまな挑戦について』
長谷部 恭男 氏 早稲田大学教授
『立憲主義をめぐる現局面の日本史的文脈』
水林 彪 氏 早稲田大学教授
パネルディスカッション
座長 今関 源成 氏 早稲田大学教授
主 催:早稲田大学法学部
日 時:2015年9月16日(水) 14:00~17:00
会 場:早稲田キャンパス3号館501教室
対 象:学生・教職員・一般
立憲主義の危機に抗して ? 法と知の復権のために
報告
『知・政治・憲法のTriade』
樋口 陽一 氏 東北大学・東京大学名誉教授
『立憲主義に対するあからさまな挑戦について』
長谷部 恭男 氏 早稲田大学教授
『立憲主義をめぐる現局面の日本史的文脈』
水林 彪 氏 早稲田大学教授
パネルディスカッション
座長 今関 源成 氏 早稲田大学教授
主 催:早稲田大学法学部
日 時:2015年9月16日(水) 14:00~17:00
会 場:早稲田キャンパス3号館501教室
対 象:学生・教職員・一般
各大学も、「有志」だけではなく、学部、大学としての意思表示が(遅いけれど、これからでも)期待されます。
そういう意味では、学校法人北星学園が、安保法案を批判する声明を理事会で決定したというニュースには励まされました。
毎日新聞 2015年09月11日 10時00分
安保法案:北星学園が批判する声明 広報に掲載
(引用開始)
北星学園大などを運営する学校法人北星学園(札幌市厚別区)が、安全保障関連法案について「日本国憲法の平和主義を理念上も実践上もないがしろにするもの」などと批判する声明を理事会で決定し、10日から配布した学園広報に掲載した。大学運営法人によるこのような声明は異例。
声明は「戦後70年にあたって」と題し、本文で「立法手続きにおいては立憲主義を毀(こぼ)つもの」と法案の審議過程に疑問を呈した。さらに「戦後日本が立脚してきた憲法と民主主義が、大きな危機にさらされている」と懸念している。
安保法案:北星学園が批判する声明 広報に掲載
(引用開始)
北星学園大などを運営する学校法人北星学園(札幌市厚別区)が、安全保障関連法案について「日本国憲法の平和主義を理念上も実践上もないがしろにするもの」などと批判する声明を理事会で決定し、10日から配布した学園広報に掲載した。大学運営法人によるこのような声明は異例。
声明は「戦後70年にあたって」と題し、本文で「立法手続きにおいては立憲主義を毀(こぼ)つもの」と法案の審議過程に疑問を呈した。さらに「戦後日本が立脚してきた憲法と民主主義が、大きな危機にさらされている」と懸念している。
北星学園は戦後50年の1995年、「戦争で、アジアの人々に与えた多くの被害・苦しみを痛感し、その責めにこたえていく」とした平和宣言を発表。今回の声明では当時の「平和宣言にこめられた精神をあらためて確認する」とした。【山下智恵】
(引用終わり)