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忘れないための第一歩~安保法制(戦争法)廃止を求める9・23和歌山集会

 今晩(2015年9月23日)配信した「メルマガ金原No.2222」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
忘れないための第一歩~安保法制(戦争法)廃止を求める9・23和歌山集会

 安全保障関連法案が参議院で可決成立した9月19日未明に先立つこと10数時間前、和歌山県下で安保関連法案に反対する9団体が共同で呼びかけた「戦争法案絶対許さないぞ!9・23集会」の開催を案内するプレスリリースを発出しました(緊急開催「戦争法案絶対許さないぞ!9・23集会」(和歌山城西の丸広場)のお知らせ/2015年9月18日)。
 その翌日から実質5連休に突入し、広報などやっている時間はほぼないという悪条件の中、しかも連休の最終日、どれだけの人があつまってくれるものやらと心配しましたが、以下にも書くように、2時からの集会と3時からのアピールパレード(デモ行進)に参加された方の延べ人数は約500人に達し、市民の関心の高さ(というよりも怒りの大きさと言った方が適切かもしれませんが)が伺われました。
 その概要をご紹介しようと思うのですが、パレード終了後、撮影した写真を整理した上で、Facebookに文章付きでフォトアルバムをいくつかに分けて投稿しましたので、(新たにブログ用の文章を書いている
時間がないということもあり)それをまとめてブログに転載することにします。
 ただし、Facebookには3枚ずつ(一部5枚のものも)写真をアルバムにして投稿していますが、ブログでは各まとまりごとに1枚ずつしか掲載していませんので、写真はリンク先でご覧いただきたいと思います。
 
 開催を正式に発表したのが連休直前であり、かつ参議院本会議採決の10数時間前の9月18日(金)午前中という間際であり、実質的に広報期間がほぼゼロに近い中で開催された今日の和歌山城西の丸CIMG4501広場での集会。正式な集会名称をどうする?ということも、実行委員のML上で、何となく昨日ようやく決まったという有様で(「やっぱり違憲!ただちに廃止!安保法制(戦争法)廃止を求める9・23和歌山集」)、一体どれだけの人が来てくれるのかと不安でしたが、連休の最終日にもかかわらず、午後2時から西の丸広場で開かれた集会と、3時からのJR和歌山駅手前までのアピールパレードに参加された方は延べ約500人に達し、呼びかけ団体のメンバー一同ほっと胸をなでおろしています。問題は、この勢いをどうやって持続させていくかということであり、今回の枠組みをさらに発展させて行きたいですね。
 さて、これから今日撮った写真をいくつかのアルバムにしてアップします。この作業のために、及川恒平さんのライブは泣く泣く断念しました(笹木誠次さん、島久美子さん、ご免なさい)。
 なお、写真は、①集会に参加した方々を和歌山城をバックに撮影、②司会の西口さん(和教組)、③アピールパレードのスタート、です。
 
 9・23集会の次のアルバムは、「藤井幹雄弁護士一家パート2」です。パート1の9・13集会(戦争をさせない和歌山委員会と憲法九条を守るわかやま県民の会が共同して呼びかけた「9.13戦争法案を廃案に!みんなで総がかり行動in和歌山」)に参加した藤井弁護士のお父さんは稲刈りのために、息子さんは夏休みを終えて大学(琉大)に戻ったために今日は不参加でしたが、今日は、前回に引き続いての奥様に加え、国体(水泳)出場を終えたお嬢さんが初参加でした。
CIMG4497 集会でのリレートークの第1スピーカーは、呼びかけ団体である憲法9条を守る和歌山弁護士の会と9条ネットわかやまの共同代表を兼ねる藤井弁護士でした。そこで、藤井弁護士が披露したエピソードは非常に印象的でした。伊都郡かつらぎ町出身の藤井弁護士(今でもそこに住んでいますが)は、修習を終えた平成元年から約6年間、沖縄弁護士会で活躍し、その間に元ミス沖縄の奥様とも知り合われたのですが、結納のために藤井先生のご両親が沖縄の奥様のお宅を訪問された際、ちょうど普天間飛行場に離発着するヘリコプターの飛行コースの真下にあたっていたたため、米軍ヘリが発する轟音が聞こえてきた途端、藤井先生のお母様がいきなりその場に突っ伏してしまわれたということでした。何でも、太平洋戦争中に10代であったお母様は、米軍による機銃掃射を受けた体験があり、米軍ヘリの轟音を耳にして、一気にトラウマとなっている体験が蘇ってしまったということでした。藤井先生夫婦の結納というのですから、平成6年でしょうか?(結婚式が平成7年6月に那覇でありましたからね)戦争が1人1人の市民に与えるダメージというのは、何十年経とうが癒えはしないということですね。
 藤井先生がこのエピソードを披露しつつ、戦争法制を絶対に廃止しようと訴えている間、その下で山﨑和友弁護士とともに「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」が作った「憲法の破壊を許さない!」横断幕を持って立っていた藤井先生の奥様が終止うつむき加減であったのは、4年前に亡くなられたお義母様のことを思い出して涙ぐんでいたのか、余計な私事を話さなければ良いのにと思っていたのか、ご本人には確認していません(私は前者だと推測したのですが)。
 なお、写真の3枚目は、一家で横断幕を持って歩き通し、間もなくゴールというところです。
(付記)この投稿をシェアした藤井弁護士が書いているところによると、「なお、私の挨拶の間、妻が下を向いていたのは、『滑舌の悪い挨拶に恥ずかしくて顔を上げられなかった』そうです(T_T)」とのことでした。
 
 9・23集会のアルバム第3弾は、リレートークの2人目から4人目までです。まず、政党からの発言者としCIMG4498て、民主党衆議院議員(和歌山1区)の岸本周平さんがトークされました。岸本さんは高校の同窓
でもあり(私の方が2年先輩)、知らない仲でもないのですが、正直、民主党が政権を担当している頃は、このように頼りになる「同士」として共に闘うことになろうとは、夢にも思っていませんでした。岸本さん自身、共産党の代表と同じ集会に参加する時が来ると想像していたかどうか、一度聞いてみたいもの
だと思っています。それだけ、急速にとんでもない状況が現れてしまったということなのでしょうが。
 次は、日本共産党和歌山県委員会委員長の下門力(しもかどつとむ)さんからのアピールでした。共産党といえば、中央委員会の決定を経て発表された国民連合政府構想が注目されます。具体的な選挙協力ということになれば、様々な紆余曲折があって当たり前ですが、何とか自民・公明連合に勝てる態勢を早急に作り上げなければどうにもならないということは誰もが認識しているはずです。
 リレートークの4人目は、ワカケンから姫田広さんが登壇されました。ぎりぎりまで誰が話すのか決まっていなかったにしては、しっかりした話しぶりでした。ただ、ワカケンってどんな団体なんだ?と疑問に思う人が多いと思うので、昨日の私のブログでもご紹介しましたが、メンバーの西澤正美さんに書いていただいた「自己紹介」をあらためてご紹介します。
「そもそもは昨夏、全国各地で行われている「若者憲法集会」の和歌山実行委員会ということで発足しました。ただ、諸事情により、集会の準備はいったん横においておいて、当面の最大の課題として、安保法
制について学ぶことを中心に活動してきました。
 メンバーの一人である弁護士による勉強会を開 いたり、憲法制定や特攻に関する映画を鑑賞したり、元
特攻隊員にお話を聞きに行ったりして知識を増やしました。
 また今年の7月29日には、安保法案に反対するママの会@わかやまと共同主催で和歌山駅前アピール行動
を行いました。
 今後の活動としては、安保法制の廃止を求め続けるとともに、他の政治や社会に対する不安なこと、身近にある疑問や嫌なこと等についても情報を共有し、学び、考え、行動していこうと考えています。(西澤正美)」
 
 9・23集会のアルバム、引き続きリレートークの5人目~7人目です。
 5人目は「平和と憲法を守りたい市民の声」の松浦攸吉(まつうらゆうきち)さんでした。「平和と憲法を守りたい市民の声」は、毎年正月にビッグホエール前で、成人式に出席する新成人を対象として、自衛隊や9条についての意識調査(2012年以降は原発問題についても)を続けている団体です。発足は2004年、小泉政権によるイラク特措法に基づく自衛隊派遣に反対するところから活動がスタートしたという老舗市民団体です。
CIMG4511
 これに対し、続いて登場したWAVEsについては、「20代~30代のメンバーで構成された青年グループであることと、シリアスとコメディを絶妙なバランスで体現している」と紹介して欲しいと実行委員MLに書いてありました。あとは、公式Facebookページに書いてあることくらいしか私も知りません。今回は、泉州SOUND DEMOメンバーの協力も得てデモの隊列を引っ張ってもらうことになりました。和歌山ならではのパンダがデモに登場したのは今回が初めてでしょう。これからはお馴染みになって、パンダと一緒に歩きたいということで、子ども達も積極的にデモに参加してくれるかもしれませんね。
 リレートークの7人目は、安保関連法に反対するママの会@わかやまから、今回は平田さんが登壇されました。他の登壇者には、宣伝カーの屋上に上がっていただいたのですが、平田さんについては、危険を避けるべき当然の理由があり、地面に置いたチェアーからスピーチしていただきました。今後の運動に広がりを持たせるためにも、「ママの会」に対する期待は大きいですね。
 
CIMG4517 9・23集会のフォトアルバムによるレポート、続いてはリレートークの9人目(ラスト)、「安全保障関連法案の廃案を求める和歌山大学有志の会」の越野章史事務局長(教育学部准教授)です。8月13日の和大有志の会の結成、翌日の記者発表から始まった越野先生の「怒濤の日々」は、まことに目覚ましいというか、常軌を逸しているというか、大変なものだったと推測します。この間、私もあちこちの反安保法案イベントに極力参加するようにしてきましたが、その現場の多くで越野先生にお目にかかりましたし、私がせいぜい田辺のイベントに出演した程度であったのに、越野先生は複数回にわたって年休をとって東京での学者の会のイベントや国会前の抗議行動に参加してきたのですから、その大変さのレベルは桁違いです。今日の開会前にも、「9月中に書かなければならない本があるのに全然無理」と嘆いておられました。
 なお、越野先生の前に、8人目のリレートーク話者として、和歌山大学3回生の男子学生がスピーチしてくれました。非常にしっかりとした意見を持ち、行動に移してくれる若者が地元和歌山の大学にいるということには勇気づけられました。ただ、「匿名希望」ということでしたので、写真の掲載は見合わせました。
 残る写真は、和大有志の会の皆さんが写っているデモ行進の様子を2枚みつくろったものです。 
 
 9・23集会のアルバム、西の丸広場での最後の1枚は、集会のラスト、当初の予定にはなかったので
すが、今朝、実行委員のメーリングリストに私が思いつきで投稿したことが現実のものになったという1枚です。私は以下のようなことをMLに投稿しました。
「ところで、これはリレートークとは別のことで、今頃言っても対応できないでしょうから、これは単なる「つぶやき」ですが、集会の最後で、「京大有志の会」「あしたのための声明書」を、朗読のエキスパートに読んでもらえれば参加者の気持ちが引き締まるだろうな、などと思いました(約2分かかります)。もっとも、朗読がぱっとしなければ逆効果になりまねませんので、これは「次の集会」用にとっておきますか。」
 正午過ぎに実行委員が西の丸広場に集まって集会の段取りの打合わせをした際にも、実際に誰かに「あしたのための声明書」を読んでもらおうというような話は全然ありませんでした。
CIMG4521 ところが、2時から集会が始まってみると、テンポ良く進行し、どうやら少し時間が余りそうだとなってきて、急遽バックヤードで協議した結果、「朗読の適任者がいればお願いしよう」ということになり、会場を見渡した結果、「いた!」とみんな(と言っても私を含めて3人程度ですが)が異口同音に納得したのが、歌舞さんこと「にしでいづみ」さんでした。9・13集会後のアピールパレードで魂のコール(彫刻家の安藤栄作さんは「コールの第一声が突き抜けた時、ロックコンサートの幕開かと思いました!」と感嘆されていました)をされた歌舞さんしかいない!と衆議一決し、あと10数分しかないという直前になってから私が交渉役となってお願いしたところ、快く引き受けてくださいました。
 まさに、今日の私たちのために京大有志の会が書いてくれたのかと思うような声明書です(と、全国の
同士が思っているでしょう)。
 ここ何日か、私のブログにずっと(忘れないために)掲載していますが、ここにも再度引用しておきます。
 
(引用開始)
  あしたのための声明書
 
わたしたちは、忘れない。
人びとの声に耳をふさぎ、まともに答弁もせず法案を通した首相の厚顔を。
戦争に行きたくないと叫ぶ若者を「利己的」と罵った議員の無恥を。
強行採決も連休を過ぎれば忘れると言い放った官房長官の傲慢を。
 
わたしたちは、忘れない。
マスコミを懲らしめる、と恫喝した議員の思い上がりを。
権力に媚び、おもねるだけの報道人と言論人の醜さを。
居眠りに耽る議員たちの弛緩を。
 
わたしたちは、忘れない。
声を上げた若者たちの美しさを。
街頭に立ったお年寄りたちの威厳を。
内部からの告発に踏み切った人びとの勇気を。
 
わたしたちは、忘れない。
戦争の体験者が学生のデモに加わっていた姿を。
路上で、職場で、田んぼで、プラカードを掲げた人びとの決意を。
聞き届けられない声を、それでも上げつづけてきた人びとの苦しく切ない歴史を。
 
きょうは、はじまりの日。
憲法を貶めた法律を葬り去る作業のはじまり。
賛成票を投じたツケを議員たちが苦々しく噛みしめる日々のはじまり。
人の生命を軽んじ、人の尊厳を踏みにじる独裁政治の終わりのはじまり。
自由と平和への願いをさらに深く、さらに広く共有するための、あらゆる試みのはじまり。
 
わたしたちは、忘れない、あきらめない、屈しない。
 
     自由と平和のための京大有志の会
(引用終わり)
 
 残る4枚は、今日もコーラーを引き受けてくださった歌舞さんとそのお友だちのパレード風景です。
 
アピールパレード、WAVEsの活躍
 9・23集会のフォトアルバムのアップ、だんだん疲れてきましたが、あとデモの様子を何枚かご紹介したいと思います。
CIMG4563 こちらのアルバムでは、終止デモ隊の先導役を引き受けてくれたパンダの皆さん、ではなく、WAVEsとそ
のお友だちの皆さんをフューチャーしました。
 WAVEs公式Facebookページはこちらです。
 なお、先にも書きましたが、集会とデモに参加された延人数は約500人ということで、デモ行進のてい団もほぼ4グループ(信号待ちのタイミングでさらに分断されたりしましたが)に別れ、何人かのコーラーがそれぞれのグループのコールを引っ張ったのですが、コーラー全員のコールぶりを全て聞いたのは、もしかするとデモ参加者の人数を確認した私と警備の警察官だけだったかもしれませんね。一言で言えば、「皆さんそれぞれだいぶ違いますね」ということでした。
 
 9・23集会のフォトアルバムの打ち止めです。いくつかのてい団に別れてそれぞれコーラーが引っ張ったこと、各コーラーにはかなり個性の違いがあったことは先ほど書きましたが、最もユニークだったのは中ほどを進んだCIMG4548グループでしょう。写真は、公園前交差点付近ですが、私が参加者数をカウントして、最後尾から走って中団まで戻ってみると、和歌山県平和フォーラム事務局の方(ナガタさんでしたっけ?2度ほど名刺交換したはずなのですが、見当たらない)による「さとうきび畑」の独唱が終わる間際であり、思わず私も一緒に最後のリフレインをくちずさんでしまい、歌唱が終わると参加者から一斉に拍手が起こりました。「他のてい団と全然違うな」と感心しきりでした。もっとも、ここもずっとこんな調子であった訳ではなく、ちゃんとした(?)コールも行っていました。
 あと、2枚目の写真はクイズです。この写真の中に弁護士は何人写っているでしょうか?分かる訳ない
か。
 そして、オーラスの1枚は、最後尾のデモ参加者を出迎えるWAVEs他の先着した皆さんです。信号の具合が良くなかったのか、デモの隊列が大きく2つに別れてしまい、その間にとても声も届かないくらいの距離が出来てしまいました。従って、先頭でゴールした人たちは、最後尾の出迎えまで、相当長い時間、待ってくれていたことになります。みなさん、お疲れ様でした。


(付録)
『We Shall Overcome 大きな壁が崩れる』 日本語誌・演奏:中川五郎