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予告1/24「子どもたちのSOS―今私たち大人にできること―」@和歌山県民文化会館(主催:子どもセンターるーも・和歌山県)のご案内

 今晩(2015年12月11日)配信した「メルマガ金原No.2301」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
予告1/24「子どもたちのSOS―今私たち大人にできること―」@和歌山県民文化会館(主催:子どもセンターるーも・和歌山県)のご案内

 このメルマガ(ブログ)で「子どもシェルター」のことを取り上げるのは2回目になります。前回は、和歌山に初めて誕生した「子どもシェルターるーも」(全国でも9番目の施設)の開所記念シンポジウム(主催:和歌山弁護士会和歌山県特定非営利活動法人子どもセンターるーも)の開催をご案内した記事でした(予告2/11「子どもシェルターるーも開所記念シンポジウム」(in和歌山市)/2013年12月17日)。
 それからちょうど2年、再び「るーも」が主催する(共催:和歌山県)シンポジウムが、来る2016年1月24日(日)に開催されることになりましたので、このメルマガ(ブログ)でもご紹介することにしました。
 
 そもそも、「子どもシェルター」って何?という方のために、今回のシンポジウムのチラシ裏面に掲載された文章を引用します。

(引用開始)
 子どもシェルターとは
 本来、子どもは家庭で育つ権利を持っています。しかし、最近、虐待など様々な理由によりその権利を奪われ、家庭で暮らせない子どもが増えています。
 そのような子どもを一時的に保護し、安心して暮らしてもらえる緊急避難場所が子どもシェルターです。
 子どもシェルターでは、子どもを一人ぼっちにせず、一緒に歩み、子どもの生きる力を蓄えることを目指しています。
 和歌山では、平成25年10月に子どもシェルターるーもを開設し、これまでに24人の子どもを受け入れてまいりました(平成27年10月23日現在)。
 また、全国的にも子どもシェルター開設の動きが活発で、現在までに全国に13か所の子どもシェルターが誕生しているほか(東京、神奈川、千葉、新潟、宮城、愛知、広島、岡山、京都、福岡、大分、和歌山、北海道)、大阪・沖縄などで子どもシェルターを開所する動きが進んでいます。
(引用終わり)
 
 また、「子どもシェルターるーも」設立の原動力となった(と評しても誰も異論はないはずの)土居聡弁護士へのインタビュー記事が「和歌山県男女共同参画センターりぃぶる」センターニュース第60号に掲載され、同センターのWEBサイトで今でも読めますので、是非ご一読をお奨めしたいと思います。
 なお、土居弁護士は、その後、「常に子どもを守る最前線で仕事がしたい」と言ったかどうかは未確認ですが、弁護士登録は維持したまま、和歌山県子ども・女性・障害者相談センター(児童相談所)の主幹に転身したため、シェルターを運営する「子どもセンターるーも」理事は辞任しています。
 
『居場所のない子どもたちを救いたい』
特定非営利活動法人 子どもセンターるーも 理事 土居 聡さん(和歌山市)

(抜粋引用開始)
 
弁護士として少年事件を担当してきた土居さんは、事件を起こした子どもが社会でやり直せる可能性があっても戻る場所がなく、少年院へ送られてしまうケースを重ねるうち、その状況を何とかしたいと思うようになりました。そんなとき子どもシェルターの存在を知り、強く関心を持ちました。
 児童福祉法上,虐待などを受けた18歳未満の子どもは、児童相談所の保護が受けられますが、18歳以上になると原則として対象外となり,法的な保護を受けられません。また児童相談所の一時保護所では2歳から17歳くらいまでの子どもが集団生活を送っていて,ゆっくりと物事を考えたい思春期の子どもの特性に合った場所を提供できていない場合もあることから、子どもたちの緊急避難場所として子どもシェルターをつくりたいと決意をしました。
 2012年4月、有志で和歌山弁護士会「子どもの権利委員会」に企画提案しましたが、財源や人材の確保などが厳しいと難色を示されました。そこで、全国のシェルターをすべて視察することで問題をクリアして、心理や福祉関係、行政関係者など他職種からの賛同者も得て実現にこぎつけました。
 2013年2月末、NPO法人子どもセンターるーもを設立。家庭に居場所のない子どものなかでも特に、性虐待の被害にあう可能性の高い女の子をまず救いたいと、10月1日、県内初の全国で8都道府県目となる子どもシェルターを開設しました。
(略)
 子どもシェルターの場所は非公開であるため、開設する際には賃貸や税金などの手続きひとつをとっても苦労があったと言います。るーもの定員は6人で、15~20歳くらいまでの女の子を緊急保護し、スタッフやボランティアが24時間体制で子どもの生活をサポートし、子ども一人ひとりに細やかなケアを行っています。これまでに児童相談所や女性相談所、その他福祉機関などから、性虐待の被害、親が入院してしまったケース、またどこにも行き場所がないなどの相談が寄せられたそうです。
  子ども一人ひとりにコタン(※1 子ども担当弁護士の略称)が付き、法的手続きや保護者との連絡、今後の居場所探し,退所後の生活などを支援します。コタンの活動費用は、日弁連「子どもに対する法律援助制度」※2から支払われ,子どもに負担させることはありません。入所期間は2週間~2か月程度。その後は自立援助ホームなどの施設入所や自宅に戻ることもありますが、心の傷が大きい子どもは長期ケアが必要であるため、状況に合わせた対応を行っています。また子どもが1人で外出することは、再び虐待の被害にあったり、性犯罪に巻き込まれたりなどの危険があるため、散歩や施設見学など外出時はコタンが付き添い、退所後も新しい居場所が子どもの特性に合っているかを確認するために子どもに寄り添い、継続して子どもを支えています。
(略)
 土居さんは、「シェルターでは,保護された子どもがこれからどうしたいか、すべて自分で決める。コタンやスタッフなどの大人は子どもに選択肢を提示するだけで,意見を押しつけることはありません。多くの選択肢を提示できるように情報収集や連携を広げ、子どもが決断するときにアドバイスできるようにすることが重要です。子どもは自分の意見が尊重されていると感じることで、自分に自信を持てるようになります。この繰り返しにより子ども自身の自尊心を回復させていきたい」と話されました。
(略)
(センターニュース第60号より、一部修正して掲載)
(引用終わり)
 
 それでは、以下にチラシ文字情報を転記します。
 
チラシから引用開始)
子どもの権利啓発シンポジウム
子どもたちのSOS―今私たち大人にできること―
 
日時 平成28年1月24日(日)午後1時~4時30分まで(開場/午後0時30分)
場所 和歌山県民文化会館小ホール(和歌山市松原通り一丁目1番地)
 
対象 一般県民、福祉に関わりのある方、民政児童委員、教育関係者、子どもの人権・福祉に関心のある方々など
 
申込不要・参加無料
手話通訳あり
一時保育あり 1月10日までに下記「連絡先」まで予約必要(定員あり、先着順)
 
第1部 パネルディスカッション「子どもシェルターの取り組みとこれから」
〇コーディネーター:桑原義登(るーも副理事長、相愛大学名誉教授)
〇パネリスト:
 社会福祉法人カリヨン子どもセンタースタッフ
 永井真理子(元和歌山県子ども・女性・障害者相談センター次長)
 松木正惠(るーも理事、和歌山信愛女子短期大学非常勤講師)
 伊藤あすみ(るーも理事、弁護士)
※コーディネーター、パネリストの略歴はチラシの裏面をご参照ください。
 
第2部 和歌山県立桐蔭高校演劇部による創作演劇「子どもシェルターと出会って(仮題)」
和歌山県立桐蔭高校演劇部のプロフィール
「桐蔭高校は136年の歴史をもち、「文武両道」を校訓に学校生活を送っています。演劇部は今年もゆかいなメンバーで、年間6回の公演に向けて日々練習しています。平日は放課後、休日は朝から夕方まで体育館の舞台で仲良く楽しく時にはけんかもしながら活動しています。
平成25年度
第65回 和歌山県高等学校演劇祭 優秀賞 近畿総合文化祭出場
第34回 近畿高等学校総合文化祭演劇部門 奨励賞
 
主催 特定非営利活動法人子どもセンターるーも・和歌山県
協賛 和歌山南ロータリークラブ
後援 和歌山市・和歌山弁護士会・子どもシェルター全国ネットワーク会議・和歌山県教育委員会和歌山市教育委員会和歌山県臨床心理士会和歌山県社会福祉士会・和歌山県児童福祉施設連絡協議会・和歌山県里親会・和歌山子どもの虐待防止協会・特定非営利活動法人トレス
連絡先 〒640-8044 和歌山市板屋町22 和歌山中央通りビル5階
 (特非)子どもセンターるーも事務局 TEL:073-425-6060 FAX:073-432-3440 

(引用終わり)
 
 そう、2年前のシンポジウム(2014年2月11日)に参加した私にとって、何よりも忘れ難いのが、今回と同じ和歌山県立桐蔭高校演劇部の皆さんによる創作劇「しあわせのうた」の上演でした。その日の参加者が異口同音に「桐蔭高校の演劇部が素晴らしかった」と感激し、後に作成されたシンポ報告書には、創作劇の模様を収録したDVDが付録に付いていたほどでした。
 その時の舞台写真が、今回のチラシにも使われていますが、「子どもセンターるーも」ホームページにも、その日の様子が掲載されていますので、「しあわせのうた」について書かれた部分を引用しましょう。
 
(引用開始)
第2部 桐蔭高校演劇部による創作演劇「しあわせのうた」が上演されました。素敵な演劇と桐蔭高校のみなさんの眩しいほどの笑顔に、会場全体が何ともいえない温かい雰囲気に包まれました。この日のために、子どもシェルターのことを勉強し、たくさん練習してきた桐蔭高校のみなさんには、感謝の気持ちでいっぱいです。また、機会があれば一緒に何かしたいと思うとともに、さらなる輝きを期待しています。
(引用終わり)
 
 私が桐蔭高校に在籍していた当時(1970年4月~1973年3月)演劇部があったか?すら記憶にない頼りない先輩ではありますが、後輩の皆さんが素晴らしい成果を県民文化会館の舞台で披露されることを祈ってやみません。
 
 支援を必要とする子どもたちのために、何をしなければならないのか、何ができるのかについて、考えを深めるシンポジウムになると確信しますので、是非多くの方にご参加いただきたく、ご案内します。
 

(付録)
『Don't mind (どんまい)』 作詞・作曲:ヒポポ大王 演奏:ヒポポフォークゲリラ
 

るーもチラシ表るーもチラシ裏