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大島堅一立命館大学教授による電力自由化についての講演動画のご紹介(2016年3月5日@和歌山市)

 今晩(2016年3月14日)配信した「メルマガ金原No.2395」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
大島堅一立命館大学教授による電力自由化についての講演動画のご紹介(2016年3月5日@和歌山市

 去る3月5日(土)、本来なら「どちらに参加しようか?」と悩んだかもしれない行事が、田辺市和歌山市で開催されました。
 私は、どちらもメルマガ(ブログ)でご案内しています。
 田辺市での企画「1/32を掴み取れ!―野党共闘の陣―」(主催:戦争する国づくりストップ!田辺・西牟婁住民の会)は、来るべき参院選和歌山選挙区での野党共闘の気運を盛り上げようという重要なイベントでしたし、和歌山市での大島堅一立命館大学教授を招いての講演会「電力自由化で何がどう変わるのでしょうか」(主催:原発がこわい女たちの会)は、かねて掛け違ってお話が聴けていなかった大島教授による「電力自由化」という、原発の今後とも大いに関連がありそうでいて何だかよく分からない問題についての講演を聴けるという得難い機会であり、どちらに参加すべきか、さぞ悩んでいたことでしょう・・・よんどころない所用が既に入っていなければ。

2016年 2月15日

大島堅一立命館大学教授が電力自由化について語ります(3/5@和歌山市)
2016年2月21日

 
田辺・西牟婁(和歌山県)が“熱い!”~「1/32を掴み取れ!-野党共闘の陣-」(3/5@紀南文化会館大ホール)他のご案内

 ということで、結局どちらも参加できなかった私ですが、そのうち和歌山市で開催された大島堅一教授による講演の模様を収録した動画(小谷英治さん撮影)がYouTubeにアップされていましたので、ご紹介しておこうと思います。
 
電力自由化で何がどう変わるのでしょうか・大島堅一氏講演20160305主催原発がこわい女たちの会(1時間25分)
 

 ただし、いきなり動画を最初から視聴しても、何が何だか分からない可能性もありますので、いくつかの予備知識があった方が有益かと思います。
 1つは、主催者の企画意図を理解した上で講演を聴かれた方が絶対に頭に入りやすいと思います。問題意識をもって聴講する、と言い換えても良いかもしれません。「原発がこわい女たちの会」公式ブログに、この講演会を告知した記事が載っていますので、その一部をご紹介します。
 
原発がこわい女たちの会ブログ 2016年02月14日(日)
講演会「電力自由化で何がどう変わるのでしょうか」を開きます

(抜粋引用開始)
 「電力自由化が4月からスタート」のニュースでにぎわっています。
 これまで一般家庭ではふつう、電気は地域独占の電力会社から購入するしかなかったのですが、これからは契約先を自由に選べるようになるのです。新しい小売電気事業者(新電力会社)は、通信、ガス、メーカーなどの企業からの参入を含め多数におよび、各社料金メニューや各種サービスを提示しています。
 これまでの独占体制がくずれ、消費者にとって選択肢が広がってきたことは歓迎すべきなのかもしれません。しかし、電力自由化原子力発電の将来とどうかかわっていくのかを見極めることが肝要です。
 原子力発電をおこなってきたのは、地域独占の北海道、東北、北陸、東京、中部、関西、中国、四国、九州、の9電力(沖縄を除く)と電気の卸会社である日本原電です。さらに使用済み燃料を再処理するために電力会社が共同出資で作ったのが日本原燃ですがその運営経費は(依然として稼働していませんが)私たちの電気料金に上乗せされています。また福島の原発事故の損害賠償費用や除染費用は、そのほとんどが電気料金負担に転嫁されています。
 政府のエネルギー政策では、原発をベース電源にしようとしていますし、再処理工場は相変わらず稼働させようとしています。
 これらの問題が、電力自由化でどのようになっているのか、原発と電力システム改革・エネルギー政策の関係には、分からないことがたくさんあります。原発で作った電気を使いたくない人は、それが選択できるのでしょうか?
 そこで当会では、環境経済学の立場から原発について研究され「原発のコスト―エネルギー転換への視点」を発信されてきた大島堅一さん(立命館大学教授)を迎えて講演会を開きます。御参加下さい。
(引用終わり)
 
 次に、私たちの知りたい情報が掲載されているとは限りませんが、国の主務官庁である資源エネルギー庁ホームページの中の「電力小売自由化」についての説明をおさえておきましょう。
 
 
 また、電力自由化の根拠法は電気事業法なのですが、4月1日からスタートする「電力小売自由化」について定めた電気事業法改正法(平成二十六年六月十八日法律第七十二号)についてはまだ施行されておらず、総務省法令データベースを一覧しても、どこがどう変わったのか(変わるのか)実に分かりにくいので、「根拠法を読んでみたい」という奇特な方は、4月1日以降に以下のリンク先を閲覧されればよいと思います。
 
 
 とりあえず、講演動画を視聴するための予備作業は以上のようなところでしょうか。
 ところで、この動画の映像は問題ありませんが、音声は正直聞き取りにくいと感じられることと思います。最初のうちは半分も言っていることが分からず、聞き続ける意欲を失ってしまうかもしれません。
 しかし、そこを我慢して聞き続ければ(問題意識をもって聞き取ろうと集中すればということです)、そして、大島教授の話し口調に慣れてくれば、聞き取れる範囲がずっと増えてきます。
 とはいえ、実際に会場で講演を聴講するのと同じような訳にはいきませんが、それはまあ仕方がないと我慢しなければ。
 大島教授の講演動画で視聴できるのは、ほとんどが「原発コスト論」を主要テーマとしたものであり、「電力自由化」に特化した講演動画は、今のところ他に見当たらないと思います(少なくとも私は発見できていません)。そういう意味からも貴重な動画だと思いますので、視聴をお勧めしたいと思います。
 

(付録)
『そろそろ』 作詞・作曲:嶋田奈津子 演奏:なつおmeets南風
 
※2015年9月23日@ララロカレ(田辺市