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今年も「九条連」が紀州おどり(第48回 2016年8月6日)に参加します

 今晩(2016年7月23日)配信した「メルマガ金原No.2516」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
今年も「九条連」が紀州おどり(第48回 2016年8月6日)に参加します

 今から11年前の2005年(平成17年)8月6日、毎年8月の第一土曜日に開催される例となって
いた紀州おどり(正調ぶんだら節の部)に、「九条連」という新しい連が、新調したばかりの青地に「九
条ネットわかやま」と白く染め抜いた新調の法被を身にまとい、初出場を果たしました。
 出場する各連は、事前に主催者に連を紹介してもらうための原稿を提出するのですが、初出場時に提出した原稿は、おそらく以下のようなものでした。
 
「私たち憲法9条を守る和歌山弁護士の会と9条ネットわかやまは、世界に誇る平和憲法9条を守り、再び戦争の惨禍が起こることのないよう活動しています。戦後60年、平和な日本を築き上げてきた憲法9条に感謝しながら、力いっぱい踊ります」
 
 私の手元に11年前の提出原稿の写しが残っていた訳ではなく、初出場以来、1回も休まず出場している私ですが、この紹介文章が変更されたという記憶が全然ないのですね。何しろ、「戦後60年」の部分さえ、何年経っても改訂していなかったほどですから。憲法9条の趣旨を尊重し、条文の一部を引用した格調高い紹介文ですから、改訂のしようもなかったということでしょう。
 もっとも、いくら何でも「戦後60年」という箇所、昨年は「戦後70年」になっていたでしょうね?(後にご紹介する動画を視聴して確認したら、何と去年も「60年」のままだった!)。
 
 さて、1969年(昭和44年)から始まった紀州おどりは、今年で第48回となります。過去、第30回(1998年)と第46回(2014年)の2回、悪天候のために中止となっていますので、「九条連」としては、今年が通算11回目の出場となります。
 
 今年の紀州おどりの日程は以下のように発表されています。
 
(引用開始)
開催日 平成28年8月6日(土曜日)
開催時間 16時50分~21時(予定)
開催場所 和歌山城周辺
内容 昭和44年に始まり、毎年10万人を超える人が訪れる和歌山市民から愛され続けている伝統ある
お祭りです。紀伊國屋文左衛門にちなんだ「ぶんだら節」に合わせ、約60の連が和歌山城周辺を練り歩
き、大勢の人でにぎわいます。※午後4時00分~周辺道路交通規制有
問い合わせ 和歌山市紀州おどり実行委員会事務局 電話073-435-1234
(引用終わり)
 
 以下は、これを踏まえての「九条連」に参加しようという方へのお知らせとお願いです。ただし、本日現在、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」紀州おどり担当者からの公式発表に接していませんので、去る7月20日に開催された某会議の席上、豊田泰史弁護士から会議出席者への「九条連」参加要請に際して発表された内容、及びこれまでの例から「多分こんなところでいいだろう」という私見を交えたご案内です。この通りにしていただいて、まず間違いないと思います。
 開催2週間前となりましたし、ぼちぼち私のところに「今年の紀州おどりの集合時間や場所は決まりま
したか?」という問い合わせが来ていますので、このタイミングでお知らせすることとしました。
 
【事前集合・練習】
時刻:2016年8月6日(土)午後5時30分~
場所:和歌山弁護士会館4階講堂(和歌山市四番丁5番地
※裏の駐車場側入口から入館し、エレベーターで4階へお上がりください。法被を配布し(先着順)、直
前練習を行います。お茶とおにぎりも用意します。「ぶんだら節」未経験者でも、直前練習で何とかなっています。本番では、ベテランを前方に、初心者を後方に配置するように配慮します。いよいよとなれば、「平和」幟を持って歩くだけという役もあります。
 
【待機・スタート地点等】
スタート待機地点:和歌山市三木町交差点付近 
スタート時刻:正確な時刻は未確認ですが、例年通り、午後7時ちょうどころのはずです。
※スタートの20分前(6時40分ころ)に待機地点である三木町交差点集合です。和歌山弁護士会館に立ち寄る時間的余裕のない方は、直接三木町交差点付近にお越しください。「九条ネットわかやま」と染
め抜かれた青い法被を着た一団が目印です。
スタート地点:六番丁交差点付近
ゴール地点:西の丸広場先付近
 
【お問合せ・連絡先】
あすか綜合法律事務所
 和歌山市六番丁24 ニッセイ和歌山ビル11階 
 電話073-433-3980  
 担当:重藤雅之(しげとうまさゆき)弁護士

 今年の「九条連」のご案内は以上のとおりです。
 ここから先は私の個人的な、なくもがなの述懐です。
 
 ここ数年、紀州おどりのたびに、私は「これが最後の九条連かもしれない」と思いながら参加してきました。その主な理由は、端的に言って参加者数の先細り、減少です。
九条連2015出発前 そもそも紀州おどり全体の参加者数(の公式発表)自体、減少傾向が続いており、「九条連」が初出場した2005年に「8,801人」であったものが、昨年2015年には「5,953人」にまで減少しています。県の人口自体、100万人の大台を割ってから毎年着実に(?)1万人規模で減少しています
ので、当然と言えば当然かもしれませんが。
 そして、「九条連」です。昨年は、一応公式発表「50人」としましたが、実質的にちゃんと踊っていた大人は30人もいたかどうかという有様で、まともな「連」としての体裁を維持することも困難なとこ
ろまで来てしまったというのが私の率直な感想でした(写真は昨年のスタート直前のスナップ)。
 10回目の出場となったその「九条連」の写真(私が撮影)と動画(西郷章さんが撮影)が、Facebook
に公開設定で投稿されていますので、ご覧ください。
 
 
 様々な企画が生み出されても、始めたころの熱気がそのまま維持・発展していくケースは多くありません。大抵は、年を経るにつれて勢いを失い、やがて消滅に至るのが普通ですから、「九条連」とて例外ではないと考えれば、いまさらじたばたしても始まらないのかもしれません。ただ私としては、「九条連」にここまで付き合った以上、最後まで見届ける責任があるだろうと思っています。
 
 ・・・というかなり悲観的な感想は、昨年の参加状況を踏まえてのものですが、ここに来て、「これが最後の九条連かもしれない」別の要因が浮上しつつあるようなのです。
 今のところ、この点に詳しく触れるだけの情報を私個人は持ち合わせていませんので、これ以上書く訳
にはいきませんが、2014年の憲法記念日に開催される憲法集会(講師:内田樹氏)の後援を求められた神戸市が、「憲法に関しては、『護憲』『改憲』それぞれ政治的な主張があり、憲法に関する集会そのものが、政治的中立性を損なう可能性がある」として後援不承諾としたこと、同年6月、「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」という俳句が俳句教室会員の互選によって公民館報に載せる句に選ばれながら、公民館(さいたま市)が独断で掲載を中止したこと(この事件はその後、さいたま市を被告とする訴訟に発展)などが、決して対岸の火事などではないのだということを私
たちは自覚する必要があります。
 現に、先の参院選の最中、「選挙に行こうよ」と街頭でアピールしていた女性たちに対し、和歌山県
が「集団示威行為であり、県条例に違反する」と警告したではありませんか(「選挙に行こう」と呼びかけることは集団示威運動か?~市民連合わかやま有志弁護士から和歌山県警に対する申入書(2016年7月1日)
2016年7月4日)。
 
 私たちは、「世界に誇る平和憲法9条を守り、再び戦争の惨禍が起こることのないよう活動」することや、「平和な日本を築き上げてきた憲法9条に感謝しながら、力いっぱい踊」ることが出来て当たり前だと思ってきましたよね。
 そのような「当たり前」が「当たり前」でなくなりつつある世界に私たちは現に生きているのだということを認識した上で、一人一人が今年の「九条連」に参加するかどうを決めて欲しいと切に願っています。