wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

「週刊女性(2月14日号)」が掲載した「やっぱり『憲法改正』は必要なかった!」

 今晩(2017年2月1日)配信した「メルマガ金原No.2710」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
週刊女性(2月14日号)」が掲載した「やっぱり『憲法改正』は必要なかった!」
 
 日本における女性週刊誌の草分け(1957年創刊)である「週刊女性」の最新号(2月14日号)の表紙を眺めていると、以下のような記事のタイトルが目に飛び込んできます。
 
松本潤(33)「15年ぶりにジャニーさんと仕事した」
2017年ジャニーズ“帝劇の変”
 特別付録「ユーリ!!! on ICE」オリジナル両面ポスター
特別付録 防弾少年団?ひとり占め 最旬撮り下ろし&インタビュー
 
雅子さま(53)が目指す“平成流”の継承と削減
発掘秘話 横綱稀勢の里(30)稽古がつらい日に聴いた思い出CD
 
追悼特集&グラフ 愛されすぎた男の知られざる素顔
 松方弘樹さん(享年74)恋人、行きつけ店のオーナーらが明かす・・・
 
 以上のような芸能(ジャニーズ、韓流等)ネタ、皇室ネタの他、生活密着タイプ(?)の以下のような特集もあったりします。
 
10P特集 個人年金、イデコ、国債・・・
今年こそ今よりお金持ちになる!
 
 そして、よくよく目を凝らしていくと、「雅子さま(53)が目指す“平成流”の継承と削減」の右横(表紙の一番右端)に、小さなポイントの字で、
 
安倍首相はなぜ改憲ありきなの?
やっぱり憲法改正は必要なかった!
 
という記事のタイトルを見つけることができます。
 コンビニの店頭で立ち読みしていてこの記事を見つけ、「週刊女性(2月14日号)」を買ってきた・・・訳ではなく、実際は、私の事務所の事務員に頼んで(銀行などの外回りに行くついでに)コンビニに寄って買ってきてもらったものです。
 それというのも、私も登録している某MLに、昨日(1月31日)、名古屋学院大学教授の飯島滋明先生から、「今日発売の週刊女性で、憲法改正に関する記事が掲載されています。そこでコメントをしていますので、ご覧いただけますと幸いです。」というお知らせがあり、しかも、週刊女性が、最近も沖縄に関する良い記事を掲載していることを紹介された上で、「そうした雑誌を応援していただくという意味で」ぜひ購入して欲しいということでしたので、事務員をコンビニに派遣したという次第です。
 
 入手して読んでみたところ、この記事は見開き2ページという分量であり、内容的には、ジャーナリストの大谷昭宏さんと憲法学者の飯島先生からの取材を基に構成されたものでした。
 飯島先生からのお勧めもあり、「週刊女性」をささやかに応援するという趣旨で購入したのですが(税込430円)、同誌のめぼしい記事を転載する「週刊女性PRIME(シュージョプライム)」というサイトがあることを思いだして閲覧してみたところ、「安倍首相、通常国会で狙う憲法9条改正は「支持を得やすい項目から改憲を目指す」」というタイトルで、早くも今日(2月1日)、アップされていました。
 ネットで公開されていますので、どんな内容の記事か、少しだけ引用してみたいと思いますが、こんなに「気前よく」ネットで公開して、雑誌の売り上げに悪影響はないのでしょうか?
 
(抜粋引用開始)
憲法施行70年の節目にあたり、私たちの子や孫、未来を生きる世代のため、次なる70年に向かって日本をどのような国にしていくのか。その案を国民に提示するため、憲法審査会で具体的な議論を深めようではありませんか」
 安倍晋三首相(62)は1月20日、施政方針演説でそう述べた。昨夏の参院選で自民・公明・維新など改憲に前向きな勢力は衆参両院で3分の2を上回り、憲法改正の発議要件を満たしている。ついに、自分の手で歴史を変えるときがやって来た─。そういわんばかりの、のぼせあがった表情だった。
 ジャーナリストの大谷昭宏氏は、
「国民の反発を気にしてか、安倍首相は改憲についてしばらくトーンダウンしていましたが、どうやら、再びエンジンを吹かし始めたようですね」とみる。
(略)
 憲法学者はどう見ているのか。名古屋学院大学の飯島滋明教授(憲法学・平和学)は、「改憲論者が本当に目標としているのは、自衛隊の海外での武力行使を可能にするため、戦争や武力の行使を禁止している憲法9条を変えることです」と言い切る。
自民党などの改憲派は、9条改正が国民の支持をすぐ得られるとは思っていないため、支持を得やすいと思われる項目から改憲を目指しています。現段階では、大規模自然災害などに対処する『緊急事態条項』や家族は互いに助け合わなければならないという『家族条項』、『環境権』、高校・大学などの『教育無償化』の追加が有力です」(飯島教授)
 いずれも一見、“あってもいいかな”と思えるような項目だ。しかし、仮に国民の理解を得られる内容になったとして、その法整備は憲法を変えるしかないのだろうか。
「教育無償化を例にとると、本人の能力に応じた教育を国や自治体が提供することは憲法26条の『教育を受ける権利』が求めていることであり、憲法改正は必要ありません。別の法律を制定し、政策として実現すればいいだけの話です。緊急事態条項も、自然災害に対応するだけであれば、災害対策基本法などがすでに存在しているので必要ありません」(飯島教授)
(略)
 これから衆参両院の憲法審査会で改憲項目が絞り込まれていくとみられる。数にモノをいわせて改憲発議にこぎつけても、最後は国民投票で過半数の賛成がなければ憲法は改正できない。
憲法の旧仮名遣いを現代語にする改正が必要との主張があります。しかし、多くの中学では社会の授業で憲法前文を暗記させるなどして意味を教えていますし、わかりやすく説明する書籍も多く出版されています。むしろ、そのどさくさに紛れて憲法の意味を変える改正がなされるのが心配なんです」と飯島教授。
 ところで安倍首相は1月24日の代表質問で、民進党蓮舫代表の質問に「訂正でんでんというご指摘はまったくあたりません」と答弁。「云々」を「伝々」と読み間違えたとみられる。日本語に「伝々」という言葉はない。
 麻生財務相も首相在任中、「未曾有=みぞうゆう」「頻繁=はんざつ」「踏襲=ふしゅう」「低迷=ていまい」と誤読を連発して笑われた。安倍首相には“でんでん首相”と不名誉な呼び名もついただけに、言葉遣いを理由に改憲をゴリ押しするのはさすがに難しくなったのではないか。その動向に目を光らせたい
(引用終わり)
 
 書かれていること自体は、かねてから改憲反対運動に取り組んでいる人にとっては「今さら」のことかもしれませんが、普通の国民は、こんなこと知らないでしょうしね。いわゆる「護憲派」が、普通の国民の耳に届く言葉をなかなか持ち得ないことが最大の問題であるという認識を共有する者にとって、女性週刊誌によるこのような記事は、非常に「ありがたい」ものだろうと思います。ここは、430円で購入した上で、編集部(〒104-8357 東京都中央区京橋3-5-7 主婦と生活社 「週刊女性」編集部)に感謝の手紙を書くに如くはないですね(余っている年賀状を使ってもいいし)。
 
(余談/飯島滋明教授の業績)
 この記事を書くためにネット検索していて気がついたのですが、名古屋学院大学ホームページの教員情報には、「研究業績」を紹介する欄の右端に「PDF」という部分があり、論文などのPDFファイルにリンクされて公開されているのです。もちろん、全部という訳ではなく、教員の中にはほとんどPDFにリンクされていない方もおられますが、飯島滋明教授は、公開に非常に積極的とお見受けしました。
 ざっと眺めるだけでも、私の関心分野にぴったりの論考がいくつも目につきます。試しに何本か抜き出してみます。是非時間を作って勉強したいと思います。
 
 
 

(付録)
『500マイル』 
作詞・作曲:Hedy West 日本語歌詞:忌野清志郎 演奏:円香
 
※2017年1月26日ライブ@渋谷GLAD
YouTubeチャンネルより引用
円香(まどか)
1997年和歌山生まれ。 うたを歌って、作詞・作曲・楽曲提供などをやってます。 音楽と自然と人が好きです。
今日も1日 みんなが健康で、
明日も1日 みんなが幸せで、
そして 世界が平和でありますように。