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緊急開催!和歌山弁護士会「共謀罪法案(テロ等準備罪)を考える県民集会」(5/10@プラザホープ)

 今晩(2017年4月26日)配信した「メルマガ金原No.2794」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
緊急開催!和歌山弁護士会共謀罪法案(テロ等準備罪)を考える県民集会」(5/10@プラザホープ

 今年の2月6日から始めた私のメルマガ(ブログ)における共謀罪シリーズの第22回をお届
けします。
 私も会員である和歌山弁護士会が、来る5月10日(水)午後6時から、和歌山県勤労福祉会館プラザ
ホープ4階ホールにおいて、「共謀罪法案(テロ等準備罪)を考える県民集会」を緊急開催するというお知らせです。
 何しろ、今国会(常会)の会期末は6月18日であり、東京都議選への影響を恐れる公明党が延長に強
く反対していると伝えられる中、この種の企画を実施するにしても、悠長なことはしていられないということで、この日程となりました。
 ただし、和歌山弁護士会常議員会の承認を得て開催が正式に決定したのは、何と昨日(4月25日)の
ことであり、チラシのデザイン確定と発注が今日(4月26日)というのですから、私は、チラシ担当ではないので、納品日がいつかまで確認していませんが、「印刷しても、配る時間があるのか?」というのが心配です。何しろゴールデンウィーク突入寸前ですからね。

 ということで、まだチラシも出来上がっていないこのタイミングで、個人的な広報(このメルマガ&ブ
ログの他、Facebooktwitterなどでの)を開始したという次第です。皆さんも、是非、情報拡散にご協力ください。
 
 さて、集会の中身ですが、第1部では、山下幸夫弁護士(東京弁護士会日弁連共謀罪法案対策本部事務局長)に基調報告をしていただきます。
 第2部は、登壇者5名の内、名波正晴共同通信社和歌山支局長以外の4名が全て弁護士というのはやや
偏っているのでは?というご意見もあろうかと思いますが、第2部のパネルディスカッションでは、共謀罪法案をめぐる主要な論点について「多角度から考える」ことにより、議論を深めることを狙いとしてい
ます。
 端的に言えば、弁護士会の中の法案推進派も登壇して意見を述べるということであり、コーディネータ
ーの藤井幹雄弁護士のドライブがなかなか難しいだろうなあと同情したりしています。

 以前、共謀罪シリーズとして、「共謀罪に反対するのも“弁護士”、賛成するのも“弁護士”」(20
17年3月6日)という記事を書いたことがあったのをご記憶でしょうか?5月10日にパネラーとして登壇予定の山崎和成弁護士は、その記事でご紹介した「組織犯罪対策の推進を求める弁護士一同」による3月6日付「提言」の呼びかけ人の1人です。
 ちなみに、私は、その「提言」を、今月初旬に開かれた和歌山弁護士会共謀罪法案対策プロジェクトチームの会議の席上、
山崎和成弁護士から提供して貰って初めて読みました。それまで、インターネットでいくら探しても見当たらなかったので、読めたこと自体はありがたかったですね。それにしても、「組織犯罪対策の推進を求める弁護士一同」の呼びかけ人や賛同者の中で、自分の事務所のホームページや個人のブログにこの「提言」をアップして、広く自分たちの主張を社会に訴えようと考えた者は1人もいなかったのでしょうか?(もしかしたら、私が見つけられていないだけで、どこかにアップされているのかもしれませんが)。

 私が推進派の「提言」を紹介する義理はないのですが、とりあえず「提言」の「4 結論」だけ引用し
ておきます。

(引用開始)
 組織的犯罪対策として純粋に考えられるべき本件条約(金原注:国連国際組織犯罪防止条約)に必須の
共謀罪(テロ等準備罪)が政争の具となり、何年も本件条約の批准が遅延し、本件条約に参加した190
カ国のうち批准をしていないのは、イラン、コンゴ共和国及び我が国の3カ国となってしまった。
 このような状態は、日本国憲法が定める国際協調主義に反するのみならず、国民の生命・身体・財産を
組織犯罪の脅威にさらすものであり、早急に本件条約を批准するため、共謀罪(テロ等準備罪)に関する
規定の制定を求めるものである。
(引用終わり)

 要するに、「提言」の言わんとすることは、国連国際組織犯罪防止条約を一刻も早く批准する必要があ
り、批准のためには、共謀罪の制定が必須である、というものです。この後段の主張については、反対派と推進派の間でかねてから鋭い意見の対立が続いており、これについて私があれこれ書いても、まあ仕方がないで
しょう。
 ただし、上記の短い「結論」部分を書き写しながら、私が著しい「違和感」を感じた部分だけ指摘して
おきましょう。それは、何の留保も付けずに「テロ等準備罪」という言葉が繰り返し使用されていること
(「提言」の冒頭からそうです)、それから、反対派を批判するために「政争の具」という言葉を持ち出していることです。
 もともと、私は「理論派」ではなく「文章派」を自認しており、なぜ「違和感」を持ったか説明せよと
言われれば、「私ならそんな文章は絶対に書かないから」ということに尽きるのですけどね。

 ・・・という次第で、反対運動にかかわる各界の代表者を集めてリレートークを行うというような景気
付けのための集会とは相当に雰囲気の異なる集会になりそうですが、「共謀罪について理論的な問題点を深く考えてみたい」という方にはお薦めです。

 それでは、以下にチラシ記載情報を転記しますが、一言お断りする必要があるのは、このチラシに使わ
れたレッドカードを掲げる審判の写真と「共謀罪 名前を変えても レッドカード」というコピーは、大
弁護士会のご厚意で使用許諾いただいたものだということです。正直、自前で考えている時間がなかったもので。

チラシから引用開始)
共謀罪法案(テロ等準備罪)を考える県民集

共謀罪(テロ等準備罪)が国会で議論されています。
その問題点について、多角度から考えます。

日時 2017年5月10日(水) 開会:18時00分(開場:17時30分)
場所 和歌山県勤労福祉会館プラザホープ4Fホール
     和歌山市北出島1丁目5-47
入場無料 
予約不要

基調報告
山下幸夫弁護士日弁連共謀罪法案対策本部事務局長)

パネルディスカッション
【パネラー】
・山下幸夫弁護士
・名波正晴氏(共同通信社和歌山支局長)
・波床昌則弁護士(和歌山弁護士会会員・元裁判官)
・山崎和成弁護士(和歌山弁護士会民事介入暴力及び非弁護士活動対策委員会委員)
コーディネーター
・藤井幹雄(和歌山弁護士会共謀罪法案対策PT座長)

主催:和歌山弁護士会
共催:日本弁護士連合、近畿弁護士会連合会(いずれも予定)
お問い合わせ 和歌山弁護士会
 和歌山市四番丁5番地 TEL:073-422-4580 FAX:073-436-5322
(引用終わり)

 なお、和歌山弁護士会も、共催予定の日本弁護士連合会も、会全体としては共謀罪法案に対して明確に
反対の意見を表明しています。
 
日本弁護士連合会 2017年3月31日
いわゆる共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法改正案の国会上程に対する会長声明


(弁護士・金原徹雄のブログから)
2017年2月6日
レファレンス掲載論文「共謀罪をめぐる議論」(2016年9月号)を読む
2017年2月7日
日弁連パンフレット「合意したら犯罪?合意だけで処罰?―日弁連は共謀罪に反対します!!―」(五訂版2015年9月)を読む
2017年2月8日
「共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明」(2017年2月1日)を読む
2017年2月10日
海渡雄一弁護士with福島みずほ議員による新春(1/8)共謀罪レクチャーを視聴する
2017年2月21日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介
2017年2月23日
日本弁護士連合会「いわゆる共謀罪を創設する法案を国会に上程することに反対する意見書」(2017年2月17日)を読む
2017年2月24日
「安倍政権の横暴を許すな!」連続企画@和歌山市のご案内~3/3共謀罪学習会&3/25映画『高江―森が泣いている 2』上映と講演
2017年2月28日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.3
2017年3月1日
ついに姿をあらわした共謀罪法案(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)
2017年3月3日
「共謀罪」阻止の闘いは“総がかり”の枠組みで~全国でも和歌山でも
2017年3月4日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.4

2017年3月6日
共謀罪に反対するのも“弁護士”、賛成するのも“弁護士”
2017年3月8日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.5~「テロリズム集団その他」のまやかし

2017年3月9日
3月9日、和歌山で共謀罪に反対する街頭宣伝スタート~総がかり行動実行委員会の呼びかけで
2017年3月17日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.6~立憲デモクラシーの会が声明を出しました
2017年3月21日
閣議決定された「共謀罪」法案~闘うための基礎資料を集めました
2017年3月31日
2017年4月7日
2017年4月14日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.9~民科法律部会の声明を読む
2017年4月18日