wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

GW終盤あれこれ~恐竜全身骨格「むかわ竜」を取り上げたNHKスペシャル『世紀の発見!日本の巨大恐竜』(5/7)

 今晩(2017年5月6日)配信した「メルマガ金原No.2804」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
GW終盤あれこれ~恐竜全身骨格「むかわ竜」を取り上げたNHKスペシャル『世紀の発見!日本の巨大恐竜』(5/7)

 気がつけば、長期間の休暇がとれる珍しい並びとなった今年のゴールデンウイークも、数年ぶりに発症した持病の療養(通常3~4日の休養で回復するのですが)と、5月3日の“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2017”の公式記録員(?)としての活動(ブログへのアップを含む)に大半を費やし、観光といえば、昨日、県内の藤の名所を訪問しただけで終わることになりそうです(とてもきれいでしたけどね)。
 今日、明日の2日間で連休が終わるかと思うと、この間にやっておきたかったことをあれこれ思い返しながら、「あれも出来なかった」「これも出来なかった」と色々あるのですが、まあ仕方がないですね。
 ということで、今日一は、今一番使われている良さそうな古語辞典は何か?と調べた上で、中古品をネット注文したり(来週土・日に受講する放送大学面接授業の準備)、5月9日に某団体から頼まれている共謀罪学習会のためのレジュメを書いたり、そのレジュメを書くための準備として、IWJで岩上安身さんによる高山佳奈子京都大学大学院教授へのロングインタビュー(4月30日収録)を視聴したり、というようなことをしている間に日が暮れて、気がついてみると、「今日のメルマガ(ブログ)をどうしよう?」という時間になってしまいました。
 以上に書いたところだけでも、以下のような素材は考えられるのですけどね。
 
共謀罪学習会レジュメをメルマガ(ブログ)で公開する。
 5月9日に行われる、私が頼まれた3回目の共謀罪学習会のために、前回、御坊市で行った「憲法9条を守り・いかす日高連絡会」主催の学習会用レジュメを増補改訂しました。ただし、まだ主催者に送ってもいないレジュメをこの段階で公開する訳にはいきません。
 
○IWJ・高山佳奈子京都大学大学院教授インタビュー動画を紹介する。
 様々な集会で講師やパネラーを務めるために東奔西走されている高山教授ですが、4月30日に行われた岩上さんによるインタビューのように、3時間を超えるというような長時間のものは他にないと思います(私もまだ全部は視聴できていない)。ただ、会員登録していない人は、イントロ動画だけしか視聴できないのがネックですが、是非会員登録して(とりあえず一般会員でよいので)視聴して欲しいですね。
IWJ 権力者の「共謀」も大企業の「共謀」も処罰対象外!? 相続税法も対象外で透けて見える「富裕層優遇」!「監視対象」は下々の者だけ!? 岩上安身が京都大学教授・高山佳奈子氏にインタビュー 2017.4.30(3時間10分)
イントロ動画(15分)

 
放送大学面接授業についての蘊蓄を傾ける。
 私が受講を申し込んでいる、5月13日・14日の両日、放送大学和歌山学習センターで行われる面接授業は、中世紀行文学の代表作の一つである『東関紀行』を読むというものであり(講師は下西忠高野山大学教授)、本文自体それほど長いものではなく、ネットで何種類も公開されています。私が予習用にプリントアウトしたものの中では、これが一番読みやすいですかね。
『東關紀行』(尾上八郎解題、植松安校訂(群書類従に依拠)校註日本文學大系3(國民圖書株式會社 1925.7.23より)
 けれども、何しろまだ受講していないし、予習のために原文に目を通しておこうと思いながら、寝る前にベッドで読み始めると、1ページも読まないうちに睡魔に襲われるという絶好の睡眠薬代わりとなっている始末で、まだ通読できておらず、傾けるほどの蘊蓄の種もありません。
 
 ・・・というような具合で、あれこれTVドキュメンタリー番組のWEBサイトなどを閲覧した結果、明日(5月7日)の連休最終日に放送されるNHKスペシャルが目にとまりました。何故目にとまったのかというと・・・よく分かりません。別に、北海道の小さな町の「恐竜町起こし」に協力しようという訳でもないのですけどね。
 でも、皆さんも「観てみたい」と思いませんか?
 
NHK総合テレビ 2017年5月7日(日)午後9時00分~9時49分
NHKスペシャル『世紀の発見!日本の巨大恐竜』

「日本の恐竜研究史上、最大の発見“むかわ竜”。頭から尻尾までそろっている世界でも珍しい全身骨格化石が北海道むかわ町で発掘された。実は恐竜時代、大半が海の下だった日本では、これまで恐竜化石は、ほとんどみつかってこなかった。今回の発見は専門家の予想を覆す見事さであり、日本の恐竜世界を私たちに教えてくれる重要なピースとなると考えられている。番組では、今回、発見された全身骨格化石を手がかりに7200万年前に暮らしていた巨大恐竜“むかわ竜”を最新の映像技術で現代に甦らせる。さらに偶然と必然が織りなすドラマチックな発掘ストーリーをたどり、今、大きな盛り上がりを見せている恐竜世界、日本の研究最前線へ誘う。」
 
 以上が番組ホームページに掲載された案内ですが、調べてみると、「NHK_PR」というページに、気合いの入った予告記事(番宣)が掲載されていました。
 
“世紀の恐竜発見”に関わるプロの熱き思いにせまる
(抜粋引用開始)
今、日本で恐竜の化石が続々と発見されていることをご存じですか?
そんな“化石発見ラッシュ”のなか、北海道・むかわ町で日本初の大発見が!5月7日(日)の「NHKスペシャル」では、“世紀の発見!日本の巨大恐竜”と題し、ドラマチックな発掘ストーリーと恐竜研究の最前線に迫ります。
いったいどんな発見があったのか?番組の見どころや撮影の裏側について、植田和貴ディレクターに聞いてきました。
――2016年8月にもBSプレミアムで「知られざる恐竜王国ニッポン」が放送されましたが、今も“化石発見ラッシュ”は続いているんですか?
 
昨年の番組では、兵庫県群馬県香川県で発見された恐竜を紹介しました。その後も、徳島県など日本全国で化石が発見されていますし、これからもどんどん発見されると思います。
 昨年の番組の最後に北海道のむかわ町で発見された化石について「おそらく全身骨格の化石で、その後も調査は続いている」と紹介しました。今回の「NHKスペシャル」では、その“むかわ竜”を中心に紹介していきます。
 日本で発見される化石は、部分的にしか発見されなかったモノがほとんど。なので、“むかわ竜”のような大型恐竜の全身骨格は、非常に貴重なんですよ。すべての骨が見つかったとは言い切れないのですが、少なく見積もっても7割くらいはあるのではないでしょうか。
――恐竜は、どのくらいのサイズになるのでしょうか?
 全長8m以上にもなる恐竜です。大きな化石なので、発掘も大掛かり。重機も活用しながら山を削るように掘ったそうです。その後は“クリーニング”といって、化石を包んでいる岩を取り除く作業を4年にわたり行っています。今年の1月に小林先生から、「クリーニングが進んだから、3月くらいに化石を並べようと思う」と連絡があり、「これは番組にしたい!」と思いました。
――今回のプロジェクトは、どんな方たちが関わっているんですか?
 アメリカの大学で博士号を取っている化石発掘のプロである北海道大学の小林先生、カナダで首長竜の研究をしていた佐藤たまき先生、そしてアンモナイトの専門家・西村智弘先生などです。
 発見当時、“むかわ竜”は、首長竜だと思われていたので、初めは佐藤先生が調査にたずさわっていたそうです。西村先生は“むかわ竜”の死の謎を研究しています。今回、ある実験を行ったことで死の原因が見えてきました。その内容はぜひ番組でご覧ください!
 そして、“むかわ竜”の化石を最初に発見したのが化石愛好家の堀田良幸さんと、地元の博物館の学芸員・櫻井和彦さん。この方たちがいなかったら今回の大発見はありませんでした。
――取材中印象的なエピソードはありましたか?
 むかわ竜の化石を並べるだけで4時間もかかりました。撮影は2日の予定で、一晩そのままの状態で置い下さる予定だったんです。ところが、化石を並べた場所が地元の体育館だったので、もちろん警備員もおらず、盗難を心配した櫻井さんが「ここに泊まる!」と言いだしたんです。なので、僕も化石と一夜をともにすることになりまして……今では良い思い出になりました(笑)。大変貴重な化石なので、たしかに放置しておくのは心配ですよね。
――それは貴重な体験ですね(笑)。ほかには何かありましたか?
 ふだんは冷静な小林先生が、化石を並べている最中は興奮していたことに驚きました。小林先生とは10年以上のお付き合いになりますが、あんなに饒舌(じょうぜつ)な姿を見たのは初めてです。
 2003年に初めて化石が発見されて、2013年から本格的に発掘を開始。2017年にようやく並べられたわけですから、この瞬間を心から待ちわびていたんだと思います。「全身骨格がある!」という確信のもと、発掘を進めているわけですが、“掘ってみたらなかった”というリスクは常にあります。そんな不安のなかで実際に化石が見つかって、長年のクリーニングを待ち、ようやく化石を並べられる。その喜びがあふれているようでした!
――今回は“むかわ竜”がCGで再現されるそうですね!
 今回のCGも、VFXスーパーバイザーの松永孝治さんが関わって制作しています。実は、前回放送した番組のCG映像が『VFX-JAPANアワード2017』のテレビ番組部門で最優秀作品に選ばれました。ほかの部門の最優秀作品は『シン・ゴジラ』『君の名は。』『FINAL FANTASY XV』ですから、名実ともに日本でトップクラスのCG映像です。今回もハイクオリティーな映像になっているのでご期待ください!
――最後に、番組の見どころをお願いします。
 最新のCG技術で再現された“むかわ竜”はもちろん、発掘プロジェクトにたずさわる人たちの人間ドラマを見ていただきたいです。発見から今にいたるまで、さまざまな人の思いが交錯した物語になっていますので、お楽しみに!
(引用終わり)
 
 NHK番宣だけでは物足りないかもしれませんので(?)、4月28日付で、北海道むかわ町穂別博物館と北海道大学が共同で発表した「国内最大の恐竜全身骨格を発見(むかわ竜)」というプレスリリース(全6頁)をご紹介します。
 
プレスリリース「国内最大の恐竜全身骨格を発見(むかわ竜)」
(抜粋引用開始)
発表のポイント
・北海道むかわ町穂別から発見された恐竜化石(通称,むかわ竜)が,全身骨格(8メートル以上)であることを確認。
・海の地層から発見されたハドロサウルス科全身骨格は世界的にも稀で,正式に命名されているのはニッポノサウルスのみ。未記載の標本を加えても世界で3例目。
・国内2例目かつ国内最大の恐竜全身骨格。
白亜紀後期の恐竜全身骨格,植物食の恐竜全身骨格,海成層から発見された恐竜全身骨格として,いずれも日本初。
・予察的な分析では,ハドロサウルス科の中でもサウロロフス亜科(またはハドロサウルス亜科)に属す可能性が高い。
これまでの経緯と概要
(1)むかわ竜の発見(平成25年7月)
 平成 25 年7月,北海道むかわ町穂別に分布する上部白亜系函淵層の海成層(約7,200
万年前の外側陸棚堆積物,水深およそ80~200メートルの範囲内)からハドロサウルス科の骨格化石(13 個の尾椎骨)が確認され,報道発表を行いました。
(2)第一次穂別恐竜発掘の報告と全身骨格の可能性(平成26年1月)
 平成26年1月には,平成25年夏の第一次穂別恐竜発掘の報告を行いました。その際に,この恐竜が全身骨格である可能性が高いことを示唆し,少なくとも3割程度が発見されたと報告しました。
(3)第二次穂別恐竜発掘の報告と頭骨の発見(平成26年10月)
 平成26年10月に,第二次穂別恐竜発掘の報告を行いました。この時には,頭骨の部分骨(上顎骨の一部)を報告し,体の骨だけではなく頭の骨が含まれていることを確認しました。これによって,この恐竜化石が全身骨格であることがより確実になったのです。
(4)今回の発表:クリーニング作業の経過報告とむかわ竜の全身骨格
(略)
 ハドロサウルス科の恐竜は,白亜紀後期(約1億年前から 6,600 万年前)に棲んでいた恐竜で,どの恐竜よりも植物を食べることを得意としたスーパーベジタリアンの恐竜です。他の植物食恐竜よりもより効率よく餌を多く確保できたため,白亜紀後期の終わりには大繁栄を収め全世界(ユーラシア大陸北米大陸南米大陸南極大陸)に生活域を広げました。ハドロサウルス科の全身骨格化石はそれらの大陸から数多く発見されています。陸上で生活していた恐竜ですが,海の地層からも断片的な化石が発見されています。しかし,海の地層から全身骨格が発見されることは世界的にも稀であり,名前が付いているハドロサウルス科で海の地層から発見されているのは,樺太から発見され昭和11年に北海道大学(旧北海道帝国大学)の長尾巧教授によって命名されたニッポノサウルスのみです。属レベルまで同定されているもので保存状態がよいものにはカナダのプロサウロロフスがあり,未記載標本を加えてもハドロサウルス科全身骨格としては世界で3例目となります。
 恐竜化石は日本全国から発見されていますが,全身骨格というのは非常に稀なことです。全部の骨の50%以上が保存されたものを全身骨格とした場合,これまで全身骨格の発見はニッポノサウルスとフクイベナトール福井県勝山市)のみです。ニッポノサウルスは,発見当時日本国領でしたが,現在はロシア領のため,正確には恐竜の全身骨格化石としてはフクイベナトールに次ぐ国内2例目となります。フクイベナトールは,白亜紀前期(約1億4,500万年前から1億年前)の手取層群(富山県,石川県,福井県岐阜県にまたがる陸成層)から発見された獣脚類(肉食恐竜)であり,全長2.5mと小型の恐竜です。今回のむかわ竜は少なくとも8m あるため,国内最大の全身骨格恐竜化石となります。また,恐竜が最も栄えた白亜紀後期の恐竜としては,全身骨格化石は国内初です。さらに,植物食恐竜としても国内初の全身骨格です。国内から発見されている恐竜化石の多くが陸成層(陸上で堆積した地層)から発見されている中で,1道4県(北海道,岩手県福島県兵庫県香川県)からは海の地層からも恐竜化石が発見されていますが,その全てが断片的なものです。つまり,むかわ竜は海の地層から発見された全身骨格化石として国内初となります。これらからわかるように,むかわ竜は,日本の恐竜研究史において最大の発見であることが断言できます。
 ハドロサウルス科の恐竜は,50種類以上いますが,それらは大きくサウロロフス亜科(またはハドロサウルス亜科)とランベオサウルス亜科の二つのグループに分けられます。むかわ竜は,どちらの特徴も有していますが,現在の予察的な分析ではサウロロフス亜科に属す可能性が高いことを示しています。ただし,最終的な結論には,さらなるクリーニング作業とより詳細な研究が必要です。

(引用終わり)

 この「むかわ竜」の全身骨格が、来る6月4日(日)に「むかわ町四季の館」で、同月11日(日)に「むかわ町穂別町民センター」で大公開されると告知されています。

 実は、むかわ町で恐竜の化石が発見されたのは、今回の「むかわ竜」が初めてのことではなく、町のホームページによると、「本町では人気・注目度の高い恐竜化石の発見をきっかけに、まち全体を”ステージ”に見立て、白亜紀の恐竜時代のロマンあふれる展開をするため、町内にある様々な地域資源を磨き、活かし、結びつけ、地域の活性化を図る考えとして、「恐竜ワールド構想」を平成28年1月に策定しました。」「恐竜ワールド構想の推進にあたり、本町に関わる観光環境分析、来町者によるむかわ町の評価、先進地調査を参考に平成28~32年度までの5ヶ年間の方向性を示す「恐竜ワールド構想推進計画」を以下のとおり公開します。」とありました。
 この「推進計画」、本編だけで100ページ以上もあるため未読ですが、町の人々がかける期待には大きなものがあるのでしょうね。