2017年7月15日配信(予定)のメルマガ金原.No.2874を転載します。
なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
昨日の伊藤宏さん講演会(7/17)に続き、今日から始まった3連休のブログの話題も、和歌山での行事案内で埋まりそうです。
正直言って、自分でテーマを設定し、そのテーマに沿った素材・資料を収集し、自分の考えをまとめて文章化するというようなことが毎日出来るはずはなく、行事案内や動画紹介、TVドキュメンタリー番組の案内などの合間に、時々力の入った記事が書ければ上出来というものです。
そういう意味から、「澤藤統一郎の憲法日記」には驚嘆せざるを得ません(とても真似はできない)。
以下にご紹介するチラシの記載によると、「高レベル放射性廃棄物処分場の「適地」が近く(8月にも?)政府から公表される予定です。」とのことで、「えっ!もうそんなところまで話が進んでいたの?」と驚いた方も多いのではないでしょうか。私もその1人です。
チラシに、「国が科学的根拠に基づき、より適性が高いと考えられる地域(科学的有望地)を提示する」とした2013年12月の最終処分関係閣僚会議が示した方針については、以下の資料をご参照ください。
高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた新たなプロセス
平成25年12月17日 経済産業省(第1回最終処分関係閣僚会議資料)
国が、以上のような方針を打ち出したこと自体は私も耳にしていましたが、その後の「科学的有望地の提示」に向けた国の動きがどうなっているのかについてのフォローを怠っていたため、昨日届いた和歌山県平和フォーラムのチラシを眺めながら、いささか呆然としています。
とはいえ、今から、2013年12月の最終処分関係閣僚会議が示した方針、そして、2015年5月の閣議決定「特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針」を経て、どのような検討がなされてきたのかを跡づけるのは容易なことではありません。
幸い、経済産業省 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会 放射性廃棄物ワーキンググループの委員である伴英幸氏が「原子力資料情報室通信」第515号(2017/5/1)に書かれた論考「科学的有望地の顛末」が、原子力資料情報室ホームページに転載されていますので、これであらましの経過を頭に入れることができます。もっとも、一読しただけではすっきりと呑み込むのは難しいかもしれませんが。
ところで、21日の学習交流会で講師を務められる末田一秀さん(「はんげんぱつ新聞」編集委員)は、たしか3.11からそれほど間のない時期に和歌山で講演されており、私も聴講したはずです。末田さんの共著書『福島・柏崎刈羽の原発震災―活かされなかった警告』(七つ森書館/2011年6月刊)が私の書庫にあるので間違いありません。
末田さんは、「環境と原子力の話」というホームページを運営されており、「放射性廃棄物を考える」というコーナーもありますので、是非参考にしてください。
末田さんは、「環境と原子力の話」というホームページを運営されており、「放射性廃棄物を考える」というコーナーもありますので、是非参考にしてください。
それから、昨日、主催者である和歌山県平和フォーラムの藤原慎一郎さんが、私の事務所までチラシを届けてくださった際、一緒にA5版・40頁の小冊子『どうする?原発のゴミ 高レベル放射性廃棄物の最終処分問題を考える』(頒価300円/2017年6月3日発行/原子力資料情報室・原水爆禁止日本国民会議・反原発運動全国連絡会発行)も1冊進呈してくださいました。
タイトルを一読すればお分かりのとおり、7月21日の学習交流会のタイトルは、この冊子からの転用です。以下に、冊子の構成と執筆者をご紹介しておきます。
第1章 高レベル処分場の危険性(末田一秀)
第2章 どのように処分地を選ぼうとしているか(伴英幸)
第3章 誘致の動きを封じ、脱原発へ(末田一秀)
第4章 地下研究施設の教訓(久世薫嗣、兼松秀代)
もしかすると、太っ腹な和歌山県平和フォーラムのことですから、21日の参加者全員にこの冊子が無償配布されるかもしれません。仮にそうでないとしても、もしも会場販売していれば、300円出して購入する価値は絶対にあると思います。
それでは、チラシから学習交流会の文字情報をご紹介しましょう。
(チラシから引用開始)
学習交流会
どうする!原発のゴミ
-高レベル放射性廃棄物の最終処分-
日時 2017年7月21日(金)開場18:00 開会18:30
和歌山市北出島1丁目5-47 TEL:073-425-3335
講師 末田一秀さん 「はんげんぱつ新聞」編集委員
核のゴミ、高レベル放射性廃棄物処分場の「適地」が近く政府から公表される予定です。
政府(最終処分関係閣僚会議・2013年12月)は、「国が科学的根拠に基づき、より適性が高いと考えられる地域(科学的有望地)を提示する。その上で、国が前面に立って重点的な理解活動を行った上で、複数地域に対して申し入れを実施する」と決定しました。
この夏にも公表されるのではと伝わっています。
そこで地層処分の問題点やこれまでの政府の流れ、どのように対応していけば良いのかを考える会を企画しました。参加を呼びかけます。
主催 和歌山県平和フォーラム
お問い合わせ TEL:073-425-4180(和歌山県平和フォーラム)
(引用終わり)
(参考法令等)
(参考資料)
平成27年(2015年)4月24日 日本学術会議
「高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策提言-国民的合意形成に向けた暫定保管」(高レベル放射性廃棄物の処分に関するフォローアップ検討委員会)
(参考動画)
IWJ④ 末田一秀氏講演会「防災・避難計画と震災ガレキの今」 2015.2.21
女川原発防災計画の問題点 末田一秀氏(1時間16分)
末田一秀先生講演会20141213ゴミ連@塩谷中アリーナ 1 主催者・来賓挨拶(20分)
末田一秀先生講演会20141213ゴミ連@塩谷中アリーナ 2 講演(1時間26分)
末田一秀先生講演会20141213ゴミ連@塩谷中アリーナ 3 質疑応答(21分)
※【塩谷町指定廃棄物最終処分場問題】末田一秀氏講演会
(弁護士・金原徹雄のブログから/高レベル放射性廃棄物関連)
2012年10月1日(2014年1月18日再配信)
2012年12月31日(2013年2月13日再配信)
2014年10月3日
2015年2月19日
「核のごみ」をめぐる注目すべき動き~国の「基本方針」改訂と日本学術会議の「提言」
2015年5月7日
2015年5月7日
2016年1月2日
2016年10月11日