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和歌山市民図書館とCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)~新旧の新聞報道を読む

 2018年2月20日配信(予定)のメルマガ金原.No.3084を転載します。
 
和歌山市民図書館とCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)~新旧の新聞報道を読む
 
 和歌山市教育委員会平成29年12月定例会の議事録に驚くべき事実(和歌山市民図書館の指定管理者の候補者を選定する手続が行われていなかったこと)が掲載されていることを教えられたのが2月13日。それからずっと気になっていたのですが、ようやく昨日、私見を取りまとめることが出来ました(CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)を和歌山市民図書館の指定管理者に指定した行政処分は無効かもしれない/2018年2月19日)。
 お陰様で、と言うのも変ですが、今朝から(私のブログにしては)このページへのアクセス数が順調に伸びているようです。
 
 ただ、昨日は3つの資料(議事録、条例、規則)を含め、相当の「大作」になってしまいましたので、2日続けてそれだけの記事を書いている余力はありません。そこで、和歌山市民図書館とCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)を取り上げて報じた新聞、それも全国紙の和歌山支局が報じた記事を2本、ネット検索してヒットしたものをご紹介したいと思います。
 その内、産経の記事は、CCCが和歌山市民図書館の指定管理者に「指定」された2017年12月20日より後に書かれたものですが、「指定」の1年半以上も前に、毎日新聞和歌山支局の坂口佳代支局長が、「図書館の行方」と題して「もしかしたら和歌山市でも?(注:CCCが指定管理者になるのでは)」という記事を書いていたのには驚かされます。純粋な「ジャーナリストとしての勘」だったのでしょうか、それとも何らかの情報が入っていたのか、一度お伺いしてみたいものですが、残念ながら、2017年4月の移動で大阪本社に転勤されています。
 以下に、各記事を部分引用しますので、是非リンク先で全文をお読みいただければと思います。
 これからも、メディア各社には、この問題に注目し続けていただきたいと思います。
 
 なお、今年の2月2日には、読売新聞(和歌山支局)が「「ツタヤ図書館」提案内容黒塗り」という記事を掲載していました。前日の2月1日に、市民グループが開示請求していたCCCとTRC(図書館流通センター)のプレゼン資料が真っ黒な状態で開示(というか不開示)された模様を写真付きで報じたものでしたが、残念ながら、ネット上では、既に閲覧できなくなっています。
 各新聞社が、ネット配信する記事を有料化する事情はよく分かりますが、今のままであれば、産経が、ネットで読める新聞記事の量・ナンバー1の地位を不動のものにするでしょうね。
 
毎日新聞 2016年5月2日 地方版
支局長からの手紙
図書館の行方 /和歌山
(抜粋引用開始) 
 普段、公立図書館を利用されますか。私は頻繁に利用するほうではありませんが、転勤する度に赴任先にどんな図書館があるのか、関心を持ってきました。図書館が魅力的だとその街の好感度も上がるからです。
 昨年5月、和歌山市は市民図書館(同市湊本町)を南海和歌山市駅ビルへ移転させる計画を発表しました。TSUTAYA(ツタヤ)を全国展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が指定管理者として運営する公立図書館が話題を呼んでいたので、「もしかしたら和歌山市でも?」と考えました。(以下、略)
(引用終わり)
※金原注 実は上記冒頭部分は「マクラ」であって、本論はこれから始まるのですが、何しろ、ここから先は「会員限定有料記事」なので仕方がありません。ただ、非会員でも月に5頁までは閲覧できますし、「無料会員登録」をすると月に10頁まで読むことができますので、とりあえず無料会員登録を検討されてはいかがでしょうか。
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産経新聞 msnニュース 2018/02/19 11:17
【関西の議論】選書は大丈夫か…「ツタヤ図書館」誕生の和歌山、斬新なスタイルに期待の一方で不安も
(抜粋引用開始)
(略)
 選定委員会による審査の結果、市は「独自の調査を踏まえて子供など利用者のニーズや動線も考慮され、空間イメージが優れている」と判断し、CCCを選んだ。市の担当者は「カフェなどの自主事業に大規模に取り組めるのもCCCの強み。にぎわいにつながる」と期待を込める。
 ツタヤ図書館は、指定管理者制度のもとでCCCが公立図書館を管理・運営する形をとる。平成25年に初めて武雄市で開館し、神奈川県海老名市、宮城県多賀城市岡山県高梁市と続いた。山口県周南市でも今月に開館。和歌山は6番目となり、中核都市では初の開館となる。
(略)
 ツタヤ図書館は利用者減少などが著しい公立図書館の再生に加え、地域の活性化の拠点として期待が寄せられている。しかし、従来の図書館とは異なるCCCの手法には各地で批判も噴出。特に選書に関する問題が目立ち、武雄市では、開館時に当時CCCが出資していた企業から中古本約1万冊を購入していたことが判明し、遠隔地のラーメンマップや古い試験問題集など住民ニーズの低い本が多く混じっていたことが問題視された。
 また海老名市ではタイ・バンコクの風俗店の案内記述もあるガイド本などが配架されていることが明らかに。このほか、従来と違う図書の分類方法への批判も出ている。
 そんな混乱が相次ぐ中、愛知県小牧市では平成27年、建設計画が住民投票で反対多数となり、白紙に戻された。和歌山市民図書館の民間運営に慎重な同市の70代の女性も「図書館としての機能が残せることを願っているが、どうなるのだろうか」と不安視する。
(略)
 尾花正啓市長は昨年12月の定例記者会見で、「市民に不安を与えないようなかたちで態勢をとる」と強調。その上で、「全く新しい図書館にしたい。図書館がいろいろな魅力を備えることになり、多くの方に『行こか』と思ってもらえるはず」と述べた。
 また、CCCの担当者も、これまで地方都市で展開してきたツタヤ図書館が初めて中核市にオープンすることについて、「和歌山市には、中心市街地の衰退や人口減といった地方の課題に加え、交通の利便性を兼ね備えた周辺の問題が絡み合っている」と指摘。「図書館の立場から地域の活性化にも貢献していけたら」としている。
(引用終わり)
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/図書館問題関連)
2017年8月12日
新しい和歌山市民図書館(2019年10月開館予定)に指定管理者制度が導入される
2017年9月16日
「市民と歩む図書館~図書館が変わる!?~」(9/30山本健慈さん&渡部幹雄さん/和歌山市勤労者総合センター)のご案内
2017年10月1日
「市民と歩む図書館~図書館が変わる!?~」(2017年9月30日)大成功!
2017年12月1日
和歌山市民図書館が「ツタヤ図書館」に!?~市民の皆さん、嬉しいですか?
2017年12月2日
「ツタヤ図書館」を通じて「図書館」そのものを学ぶために~「武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会」設立趣旨を読む
2017年12月30日
週プレNEWSが取り上げた「和歌山市民“ツタヤ”図書館」問題~目を離したらオシマイだ
2018年1月2日
図書館の自由に関する宣言」(日本図書館協会総会1954年採択/1979年改訂)を読む
2018年2月8日
再び週プレNEWSが取り上げた「和歌山市民“ツタヤ”図書館」問題~市民は出来レースを見せられた?
2018年2月19日
CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)を和歌山市民図書館の指定管理者に指定した行政処分は無効かもしれない