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(再配信)NNNドキュメント「南京事件Ⅱ」(2018年5月13日放送予定)に注目しよう

 2018年5月7日配信(予定)のメルマガ金原No.3140を転載します。
 
(再配信)NNNドキュメント「南京事件Ⅱ」(2018年5月13日放送予定)に注目しよう
 
 今日お送りするのは、去る4月30日に配信した「NNNドキュメント「焼却された機密文書(仮)」(2018年5月13日放送予定)に注目しよう」を再配信するものです。
 
 なぜ、わずか1週間にして再配信することにしたかというと、今日、たまたまNNNドキュメントのホームページを閲覧したところ、5月13日放送予定の番組名が、仮題から本タイトルに変更されており、しかもそれが「南京事件Ⅱ」だったからです。
 「南京事件Ⅱ」という以上、当然「南京事件Ⅰ」があった訳で、それは、2015年10月4日に放送され、ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞を受賞した「南京事件 兵士たちの遺言」のことです。
 この番組については、ネトウヨ界隈からの攻撃の対象となったことは言うまでもありませんが、産経新聞もその尻馬に乗って<「虐殺」写真に裏付けなし>という記事を掲載し、日本テレビがこれに対して正式に文書で抗議する事態となりました(産経新聞 2016年10月16日付掲載〈「虐殺」写真に裏付けなし〉記事について)。
 私は、この「南京事件 兵士たちの遺言」については、本放送には気がついていなかったものの、放送された直後の評判に気がつき、再放送の視聴を薦める記事を書いたものでした(10/11再放送(BS&CS)に注目~NNNドキュメント'15「南京事件 兵士たちの遺言」/2015年10月8日)。
 その中で、私は「本と雑誌のニュースサイト/リテラ」に掲載された小杉みすずさんの記事「安倍首相が否定したい南京大虐殺日本テレビの番組が精緻な取材で「事実」と証明! ところが番組告知は…」の一部を引用したのですが、とりわけ注目すべき部分を再掲します。
 
(抜粋引用開始)
ただ、ひとつだけ気になるのは、今回の放送のタイトルが、事前の新聞のラテ欄では「しゃべってから死ぬ 封印された陣中日記」とされていて、「南京」の文字がなかったことだ。先週の『NNNドキュメント』の最後に流された予告編でも「南京」の言葉は一言も出てこず、番組公式サイトでも事前に告知されていなかった。ようするに、4日深夜の初放映時になって初めて「南京事件 兵士たちの遺言」という真のタイトルが明かされたわけだが、ここに何か裏を感じるのは穿ち過ぎだろうか。
 権力を忖度し、ネット上の批判に怯え、萎縮した報道を続けるテレビ業界だ。その圧力を避けようとしたのか、真相は不明だが、こうした番組が継続して放送されれば、業界の失いつつある信頼も取り戻せるはず。
(引用終わり)
 
 そう、これでお分かりになったでしょうか。前回も今回も、事前に告知された仮題には「南京事件」という文字は一切使われていなかったのです。
 もっとも、前回は、予告編でも秘匿されたままだったのに対し、今流れている予告編では、しっかりと「南京事件Ⅱ」と題されているところが大きな違いです。
 
NNNドキュメント 2018/5/13 「南京事件Ⅱ」(20秒)
(文字起こし)
「封印されていた南京事件。残されていた兵士たちの肉声が伝える現実とは。(兵士の肉声の一部は、最後の「凄かったです」以外は聴き取れなかった)」
 
 それだけ、ディレクターも今回の放送には「腹をくくった」のでしょう。中国人捕虜の集団虐殺と思われるCG再現映像まで流そうというのですから。
 もちろん、「焼却された機密文書」という仮タイトルが、単にめくらましのために付けられた訳ではないでしょう。日本にとって都合の悪い(とりわけ戦争犯罪の証拠となり得るような)書類は、徹底的に焼却されたのですから。そのような中で、裏付によって信頼できる証言を積み重ね、歴史的事実に肉薄しようとするジャーナリスト魂の成果を心して視聴したいと思います。
 
 それでは、4月30日に配信したブログをそのまま再配信します(タイトルも仮題のままとしておきます)。ただし、現在の番組案内は、タイトルが「南京事件Ⅱ」となっている他、少し補充された部分もありますので、それのみまず以下に引用しておきます。
 
日本放送系列
2018年5月14日(月)午前0時55分~(13日深夜)【拡大版】
NNNドキュメント'18「南京事件Ⅱ」
(番組案内から引用開始)
かつて日本が行った日中戦争や太平洋戦争。
残された兵士のインタビューや一次資料を分析、
さらに再現CGで知られる事のなかった戦場の全貌に迫る。
政府の公式記録は、焼却されるなどして多くが失われた。
消し去られた事実の重みの検証を試みるとともに現代に警鐘を鳴らす。
ナレーター/湯浅真由美 制作/日本テレビ 放送枠/55分
再放送   
2018年5月20日(日)11:00~ BS日テレ
2018年5月20日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24
(引用終わり)
 

 まずは、5月13日(日)深夜に放送予定のNNNドキュメント'18の放送予告をお読みください。
 
日本放送系列
2018年5月14日(月)午前0時55分~(13日深夜)【拡大版】
NNNドキュメント'18「焼却された機密文書(仮)」
(番組案内から引用開始)
かつて日本が行った日中戦争や太平洋戦争。残された兵士のインタビューや一次資料を分析、さらに再現CGで知られる事のなかった戦場の全貌に迫る。政府の公式記録は、焼却されるなどして多くが失われた。消し去られた事実の重みの検証を試みるとともに現代に警鐘を鳴らす。【制作:日本テレビ
再放送   
2018年5月20日(日)11:00~ BS日テレ
2018年5月20日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24
(引用終わり)
 
 NHK/Eテレの「ETV特集」や毎日放送の「映像」と並び、私がいつも注目し、ブログでもよくご紹介している「NNNドキュメント」ですが、2週間後に放送される上記番組は、是非録画せねばと思っています。NNNドキュメントは、通常、コマーシャルを含めて30分枠での放送ですが、この番組は【拡大版】ということなので、おそらく1時間枠での放送ではないかと思います。
 
 私たちは、森友学園問題にからんで財務省によって組織的に行われた公文書改ざん問題に怒っている訳ですが、首相や首相夫人に対する「忖度」が許せないというようなレベルを超えて、ことの本質は、歴史に対する冒涜というところにあるはずです。
 
 そういう意味から、森友問題などとは比較にもならない(もちろん、森友学園公文書改ざん事件の重要性が低下する訳では決してありませんが)、1945年8月に日本政府によって組織的に行われた公文書抹殺作戦は、日本史上の一大汚点として、全ての国民が記憶にとどめる必要があります。
 
 日本政府は、中立国を通じ、ポツダム宣言受諾を連合国に通知した1945年(昭和20年)8月14日、国や自治体が保有する機密文書の廃棄を閣議決定したと言われています。
 ただし、後掲する神本美恵子参議院議員民進党)の質問主意書に対する内閣答弁書を読めば分かるとおり、1945年8月18日付・各市町村長宛「機密重要書類焼却ノ件」、8月21日付「大東亜戦争関係ポスター類焼却ノ件」という通達のように、後日、物証が残っていることが明らかになった(長野県東筑摩郡今井村役場(現松本市)の庶務関係書類綴の中から発見)ものでさえ、「政府内にこれらの事実関係を把握することができる記録が見当たらない」という木で鼻をくくったような回答であり、ましてや記録自体が残っていない「8月14日閣議決定」に至っては、「お尋ねの「本件閣議決定の内容」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではなく」というのが政府の公式見解です。
 
松本市文書館が保管する「東筑摩郡 今井村役場 庶務関係書類綴 昭和二十年」の写真が数枚、以下のブログ(季節の変化 活動の状況)に掲載されています。
 
 ポツダム宣言を受諾した鈴木貫太郎内閣、8月17日から政権を引き継いだ東久邇宮内閣は、この国をあげての組織的機密文書廃棄という歴史に対する犯罪について、大きな責任を負っていると思います。
 そういう意味からも、今度のNNNドキュメントには期待しています。
 是非視聴されますよう、お薦めします。
 
(参考)
第189回国会(常会)質問主意書
質問第二一八号
(引用開始)
一九四五年八月十四日の閣議に関する質問主意書
 
右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。
  平成二十七年七月二十九日
神本 美恵子   
                 参議院議長 山崎 正昭 殿
 
                  一九四五年八月十四日の閣議に関する質問主意書
 
 今年は戦後七十年ということで様々な歴史的検証が行われている。歴史を構成するのは、一つは記憶であり、もう一つは記録である。戦争を体験した人が減少する一方で、記録の重要性はこれ以後も増すことはあっても減少することはない。
 記録の第一のものは国家の持つものである。国家の統治行為、命令などを誰が、いつ、どのように発したかは極めて重要な歴史資料である。戦後七十年を経てなお続いている近隣諸国との歴史認識の溝を埋め、共通認識を得るために最重要な記録である。そこで質問する。
 
一 一九四五年八月十四日の閣議(以下「本件閣議」という。)の内容、出席した閣僚名、場所、時刻を明らかにされたい。
 
二 本件閣議決定の内容はどのように実行に移されたか、明らかにされたい。
 
三 一九四五年七月二十六日に出された「ポツダム宣言」は第十項で「吾等ノ俘虜ヲ虐待セル者ヲ含ム一切ノ戦争犯罪人ニ対シテハ厳重ナル処罰加ヘラルヘシ」としているが、この項目の内容と本件閣議の関連について明らかにされたい。
 
四 一九四五年八月十五日以前から、軍部、政府関係機関では公文書の焼却が大量に何日間も行われたが、この焼却行為の法的根拠を示されたい。
 
五 政府は一九四五年八月十八日に各市町村長に宛て「機密重要書類焼却ノ件」を、八月二十一日に「大東亜戦争関係ポスター類焼却ノ件」という通達を出した。これらの通達の法的根拠をそれぞれ示されたい。
 
六 「機密重要書類焼却ノ件」と「大東亜戦争関係ポスター類焼却ノ件」の二つの通達は、通達そのものの棄却までも命じている。このような組織的な証拠隠滅行為を国家が行うことをどのように判断すればよいか、政府の見解を明らかにされたい。
 
七 本件閣議及び前記五の通達について、これまで国会で議論されたことがあるか否か、あった場合にはその内容につき、政府の承知するところを示されたい。
 
八 極東国際軍事裁判では、本件閣議決定に関する言及がなされたか否か、政府の承知するところを示されたい。
 
九 これまで政府は、戦後賠償問題や戦時・戦後補償問題で各国と交渉した際、本件閣議決定や各種通達について各国に説明したことがあるか否か示されたい。
 
十 本件閣議決定とそれによる行為は近代国家として許されざる卑怯・卑劣なことである。また、当時の軍事・政治指導者が自分たちが裁かれるのを防ぐため政策決定の重要資料を全て焼却するというのは、その時代の国民に対して責任を負うつもりがないこと、さらに、歴史上の判断を仰ぐ意思もないことを示している。戦後七十年の今、これらをどう評価、判断するのか、政府の見解を明らかにされたい。
 
  右質問する。
(引用終わり)
 
第189回国会(常会)
答弁書第二一八号
(引用開始)
内閣参質一八九第二一八号 平成二十七年八月七日
内閣総理大臣 安倍 晋三   
                   参議院議長 山崎 正昭 殿
参議院議員神本美恵子君提出一九四五年八月十四日の閣議に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
 
参議院議員神本美恵子君提出一九四五年八月十四日の閣議に関する質問に対する答弁書
 
一について
 お尋ねの昭和二十年八月十四日の閣議で決定した案件としては、現在確認できる範囲では、詔書案(終戦詔書案)、内閣告諭、塩ノ専売ニ関スル事務ノ委譲ニ関スル件、詔書喚発ニ際シ恩赦奏請ノ件、軍其他ノ保有スル軍需用保有物資資材ノ緊急処分ノ件、外地、満州支那ニ所在スル生産設備等ニ対シ破壊行為ヲ厳禁スル件及び外務省所管赤十字国際委員会特別寄附金第二予備金ヨリ支出ノ件がある。
 また、お尋ねの「出席した閣僚名、場所、時刻」については、資料を確認することができず、お答えすることは困難である。
 
二について
 お尋ねの「本件閣議決定の内容」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難である。
 
三について
 お尋ねの「本件閣議」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難である。
 
四について
 お尋ねの「焼却行為の法的根拠」について、調査した限りでは、政府内に確認することができる記録が見当たらないことから、お答えすることは困難である。
 
五及び六について
 お尋ねの各市町村長に宛てた「機密重要書類焼却ノ件」及び「大東亜戦争関係ポスター類焼却ノ件」について、調査した限りでは、政府内にこれらの事実関係を把握することができる記録が見当たらないことから、お尋ねについてお答えすることは困難である。
 
七について
 お尋ねの「本件閣議」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、お尋ねの各市町村長に宛てた「機密重要書類焼却ノ件」及び「大東亜戦争関係ポスター類焼却ノ件」について、国会において言及がなされているものとしては、現在確認できる範囲では、平成二十五年十二月五日の参議院国家安全保障に関する特別委員会における質疑があると承知している。
 
八及び九について
 お尋ねの「本件閣議決定」及び「各種通達」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではなく、お尋ねについてお答えすることは困難である。
 
十について
 お尋ねの「本件閣議決定とそれによる行為」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、「当時の軍事・政治指導者が自分たちが裁かれるのを防ぐため政策決定の重要資料を全て焼却」したことについては、調査した限りでは、政府内に事実関係を把握することができる資料が確認できないことから、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。
(引用終わり)

「安倍9条改憲を許さない!5・3おおさか総がかり集会」をIWJで視聴する

 2018年5月6日配信(予定)のメルマガ金原No.3139を転載します。
 
「安倍9条改憲を許さない!5・3おおさか総がかり集会」をIWJで視聴する
 
 3日前の憲法記念日(5月3日)には、全国各地で憲法集会が開かれたことと思います(改憲派の集会というのもありましたけど)。
 私のブログでも、その内、一昨日は東京(有明防災公園)での集会を、昨日は和歌山市和歌山城西の丸広場)での催しをご紹介してきました。
 
2018年5月4日
「平和といのちと人権を!5・3憲法集会2018」開催~「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」1,350万署名突破
 
2018年5月5日
写真レポートで振り返る“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2018”
 
 東京、和歌山と来ましたので、今日は、お隣の大阪市扇町公園)で開かれた「安倍9条改憲を許さない!5・3おおさか総がかり集会」を中継したIWJの動画が、今のところ全編無料で公開されていますので(しかも画質も今日からアップグレードされた模様)、ご紹介することとしました。
 
 東京、大阪の集会の動画を見ていて思うのは、この種の景気付けの集会も必要だし、和歌山でも(大都市に比べて規模はずっと小さくなるものの)やることもあるけれど、過去5年間、我々が和歌山城西の丸広場でやり続けてきた“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama ”とは相当に違う、ということです。
 東京や大阪の集会に参加する人というのは、今さら説得する必要などない、強固な同士であることが前提であるのに対し、“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama ”は、何しろフィナーレが「餅まき」ですからね。そして、「餅まき」目当てにやって来る善男善女に聴いてもらうべく、今年はプロの講談師に新作「憲法講談」を委嘱し、「幣原喜重郎首相がマッカーサーとのサシの話し合いで、憲法9条の骨格を定めた」というお話を語っていただいたという次第です。
 餅まき目的でやって来た人の内、どれだけの人に憲法の大事さを伝えられたか数字を挙げろと言われても困りますし、今の緊迫した情勢下、悠長すぎはしないか?と思われる方もおられるでしょうが、間に合うか合わないかはともかく、やるべき方向性はこちらだということで続けてきた“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama ”、私としては「間違っていない」という確信を深めました。
 もちろん、東京や大阪の憲法集会の意義を低く見ている訳ではなく、参加された全ての方に最大限の敬意を表することは言うまでもありません。
 
 それでは、IWJによる貴重な動画をご覧ください。
 なお、IWJを財政的に支えるためにも、是非会員登録をご検討ください(私も年会費1万円の一般会員です)。
 
IWJ 安倍9条改憲許さない!5.3おおさか総がかり集会 ―スピーチ・香山リカ氏、立憲野党各政党からの挨拶ほか 2018.5.3
記事公開日:2018.5.3 取材地:大阪府 動画
冒頭~ 開会 
※注 司会の1人は、芸人9条の会の笑福亭竹林さんでしたね。
2分~ 開会挨拶 丹羽徹さん(大阪憲法会議・共同センター幹事長)
6分~ 各政党挨拶
※注 順番は、尾辻かな子衆議院議員立憲民主党)、民進党(メッセージ朗読)、辰巳孝太郎参議院議員日本共産党)、福島みずほ参議院議員社民党)、大谷啓衆議院議員自由党大阪府連幹事長)
31分~ スピーチ 香山リカさん(「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」発起人)
41分~ ライブ 川口真由美さん
1時間00分~ 木村真さん(豊中市議・森友学園問題を考える会)
1時間06分~ 子どもの未来を考えるママの会@大阪
1時間10分~ 大阪平和委員会青年学生部
1時間14分~ ストップ辺野古新基地建設大阪アクション
1時間20分~ コール
1時間21分~ 集会宣言採択 
1時間24分~ 閉会挨拶
1時間26分~ 3コースに分かれてデモに出発
 
 大阪総がかり実行委員会のホームページに、5月3日の集会で採択された「集会宣言」が掲載されていましたので、全文引用しておきます。
 
(引用開始)
                              集  会  宣  言
 
いま、世界と人類の歴史に新たな一歩が刻まれようとしています。地球上で唯一冷戦構造が続いてきた朝鮮半島に、戦争状態が終結し平和が訪れようとしています。北東アジアでの非核化に向けた新たな第一歩が始まろうとしています。また、昨年、国連で核兵器禁止条約が採択され、各国で締結と批准の手続きが進められ、近い将来、条約が発効することが確実視されています。
しかし、安倍政権は、大きく変化する北東アジア情勢に対して、ただ傍観するしかないという無能さを曝け出し、唯一の被爆国でありながら、核抑止力の呪縛に縛られ、核兵器禁止条約にも背を向けています。
また、国内政治においても、安倍首相や首相夫人による政治の私物化やかずかずの疑惑・不正が明らかになり、国民の信頼を完全に失っています。この政権に改憲を提起する資格などまったくありません。
戦争する国づくり、憲法と民主主義の破壊に暴走してきた安倍政権、そして、激変する国際情勢に的確に対応できる能力のない安倍政権は、即時、退陣すべきです。
本日、扇町公園に参集した私たちは、市民と野党の共闘の大きな力で、安倍政権を一日も早く退陣させ、いのちとくらしと人権がしっかりと守られる社会の実現にむけて奮闘することを宣言します。
 
2018年5月3日
        安倍9条改憲を許さない!5・3おおさか総がかり集会参加者一同
(引用終わり)
 
 約1時間半の集会を終えて、約2万人の参加者は、3つのコースに分かれてデモ(憲法パレード)に出発したのですが、その際のコール案が、上記大阪総がかり実行委員会のホームページに掲載されていました。各地で行われているデモのコーラー役を務める方の参考になるかもしれません。あるいは、「自分ならこういう表現にはしない」ということで、素敵な別案を思いつくかもしれませんね。
 なお、「スポット①②③に対応」とか書かれているのは、デモの先導車から道行く人に呼びかけるスポットアナウンスのことで、こちらの原稿も集会ホームページにアップされていました。
 
(引用開始)
                2018.5.3おおさか総がかり憲法集会コール
                            総がかり行動実行委員会
ショートコール(ラップ調)
 
スポット ① ② ③ に対応
 
安倍政権を必ず倒そう!
安倍政権を必ず倒そう! 倒そう! 倒そう!
ねつ造、隠蔽許さない!
国会の私物化許さない!
権力、私物化許さない! 許さない! 許さない!
文章改ざん、徹底糾弾!
森友疑惑、徹底追及!
安倍首相の、責任重大!
安倍昭恵氏を、証人喚問!
松井知事の、責任重大!
説明責任、松井は、はたせ!
安倍首相は、今すぐ辞任! 辞任! 辞任!
加計疑惑も徹底追及!
防衛省の隠蔽糾弾!
疑惑の隠蔽許さない!
民主主義を取り戻そう!
立憲政治を取り戻そう!
安倍政権は、今すぐ退陣!
みんなの力で、政治を変えよう!
安倍政権をみんなで倒そう!
あきらめないぞ!
あきらめないぞ!
安倍政権は、今すぐ退陣!
戦争したがる、総理はいらない!
ウソをつくな!
ウソをつくな!
安倍政権を必ず倒そう!
安倍政権を必ず倒そう!
 
セクハラ事件徹底糾弾!
ウソをつくな!
セクハラ認めろ!
処分は、甘いぞ!
辞任を取り消せ!
罷免がまっとう!
人間の尊厳ふみにじるな!
人権侵害、反省ないのか!
麻生大臣、セクハラかばうな!
麻生大臣、責任重大!
麻生は、ヤメロ!
安倍首相の責任重大!
安倍首相も、セクハラかばうな!
セクハラ内閣、総辞職!
セクハラ内閣、総辞職!
 
スポット ④ ⑤ に対応
 
戦争法は、絶対廃止!
戦争法は、今すぐ廃止!
戦争する国、絶対反対!
集団的自衛権、絶対反対!
みんなの力で、改憲とめよう!
憲法改悪、絶対反対!
9条改憲絶対反対!
改憲発議絶対止めよう!
 
憲法守れ!
憲法変えるな!
いかそう憲法
いかそう9条!
戦争反対!
対話で平和を!
 
スポット ⑥ に対応
 
沖縄新基地 絶対反対!
辺野古に 基地をつくらせないぞ!
埋め立て工事を 今すぐヤメロ!
オスプレイいらない!
どこにもいらない!
 
スポット ⑦ に対応
 
原発再稼働絶対反対!
貧困・格差必ず無くそう!
労働法制改悪反対!
安倍政権を必ず倒そう!
核兵器は、全面禁止!
核兵器禁止条約、今すぐ批准!
朝鮮半島非核化推進!
戦争終結
戦争終結
朝鮮戦争終結させよう!
対話に背を向ける総理はいらない!
北東アジアの平和を築こう!
 
平和憲法、守り抜こう!
9条生かして、平和を築こう!
憲法9条、世界の宝!
憲法いかして 平和を築こう!
憲法いかして いのちを守ろう!
憲法いかして 人権守ろう!
憲法いかして 生活守ろう!
憲法いかして 未来を築こう!
(引用終わり)

写真レポートで振り返る“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2018”

 2018年5月5日配信(予定)のメルマガ金原No.3138を転載します。
 
写真レポートで振り返る“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2018”
 
 2014年の憲法記念日から、和歌山城西の丸広場を会場として開催されてきた(主催:実行委員会)“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”。
 何となく、実行委員会の中で、広報担当兼公式記録員としての役割を、押し付けられたというか、買ってでたというか、自分でもよく分からぬながら、毎年、Facebookやブログに写真レポートを書いてきました。
 今年も、Facebookに投稿した記事14本を記録として保存するため、ブログに「まとめ記事」としてアップすることにしました。
 ただし、写真については、オリジナルのFacebookでは数枚(中にはもっと多いものもある)のアルバムとしてアップしていますが、ブログでは(原則として)1枚ずつの掲載としましたので、残りはリンク先のFacebookでご覧になってください(公開設定にしてありますので、各レポートのタイトル部分をクリックすればFacebookのリンク先が見られます)。
 
 なお、今年も、小谷英治さんが、イベントの模様を撮影した動画を2本に分割してYouTubeにアップしておられますので、以下に視聴の目安時間を記載してご紹介します。
 なお、プログラムの内、子どもピースフェスタの皆さんと玉田玉秀斎さんについては、事情によりアップされていません。
 
Happy Birthday 憲法 in Wakayama 2018  1(1時間31分)
冒頭~ 開会
3分~ 粉河高校軽音学部
39分~ 和歌山朝鮮初中級学校中等部
1時間02分~ Halau Uilani(ハワイアンフラ)
1時間23分~ わかやま平和賞贈賞式
 
Happy Birthday 憲法 in Wakayama 2018 2(1時間26分)
冒頭~ 紀北農芸高校和太鼓部
30分~ KYK
58分~ 喜笑花(よさこい踊り)
1時間19分~ フィナーレ(お菓子まき&餅まき)
 
【写真レポート1 開会&司会】
 2014年から始まった“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama ”、今年も憲法記念日和歌山城西の丸広場に帰ってきました。2年前に暴風警報発令という事態に見舞われたということはありましたが、雨のために中止という初めての事態があり得るかもしれないと本気で心配するような予報が続き、やきもきさせられましたが、前日(2日)には、3日は概ね朝方までに雨が止むという予報が複数の天気予報サイトに掲載され、ほっと胸をなでおろしたものでした。
 そして迎えた5月3日、前夜来の雨も上がり、西の丸広場の水捌けは思いの他良好で、風が少しきついものの、2年前に比べれば、テントの倒壊を心配しなければならい程のことはなく、無事開会の午前10時を迎えました。
 司会は、一昨年、昨年に引き続き、植田奈津子さんが出ずっぱりで務めてくださいました。第1回、第2回の司会を担当してくださった坂口親宏さんといい、植田さんといい、このイベントは本当に司会者に恵まれています。ありがとうございました。
 今年も開会挨拶は、実行委員会代表の藤井幹雄弁護士(9条ネットわかやま世話人代表、憲法9条を守る和歌山弁護士の会代表世話人)でした。
 憲法をめぐる情勢はまことに厳しいと言わざるを得ませんが、藤井さんはあえてそれには触れず、てるてる坊主のジョーク(参考動画でご確認ください)で会場を和ませ、「71回目の憲法の記念日、憲法の誕生日、HAPPY BIRTHDAYです。今日は、是非一日憲法の誕生日を、皆さんと楽しく祝いたいと思います」と述べるにとどめました。

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※参考動画(小谷英治さんⅠ)冒頭~
 
【写真レポート2 粉河高校軽音学部】
 開会後、先陣を切って登場するのは、県立粉河高校軽音学部の皆さん、というのが恒例となってきました。これまでは、大体3ユニット程度が出演してくれていましたが、今年は何と5ユニットも!もっとも、そのうちの1組は、顧問の横手先生が自らギターの名手と見込む教え子と2人でギターデュエットを披露するために登場した「ヨコディー」でしたが。
 以下に、5組のユニット名をご紹介しますが、写真がいっぱい並んでいて、どれがどれやらよく分からないと思いますので、一目で見分ける指標も書き添えておきます。
1組目 PaiNs
 6人編成。ドラムスは男性。
2組目 おはし
 5人編成。ドラムスは女性。ちなみに、リードボーカルの女性は1組目と2組目は共通。
3組目 TRAFFIC LIGHT 
 4人編成。こちらのボーカルの女性(ギターも弾きます)は、1組目・2組目のボーカルの女性と似たような服装ですが、別人です。
4組目 ヨコディー
 男性2人組。これは間違わない。
5組目 Area21
 4人編成。全員女性。
 あと、Facebookでご紹介した写真の中に、たくさんの生徒さんに囲まれて横手先生が話をされているシーンがありますが、これは、粉河高校軽音学部の出番が終わった後、横手先生から部員の皆さんに簡単な説示(というのかな?)が行われているところです。反省会の日程をどうしようか、などということも話していましたが、終始和やかな雰囲気でした。
 実は、午後から出演してくれた紀北農芸高校和太鼓部も、終演後、荷物を車に積み込んだ後、その車の前で、当日の演技(演奏)についての振り返りをしていたようなのですが、私が通りかかった時には、顧問の先生ではなく、生徒の中のリーダー(主将?)とおぼしき男子生徒から、結構厳しい指摘がなされていたようで、雰囲気は完全に体育会系で、粉河高校軽音学部とは相当に違うという印象でした。もっとも、これはどちらが好いとか悪いとかいう問題ではありませんけどね。
 例えが良いかどうか分かりませんが、紀州踊り(ぶんだら節)と紀州よさこいの違いというか・・・(でもないか)。
 なお、昨年の写真レポートで、私はこう書いていました。
「会場には、粉河高校の生徒さんたちがたくさん応援に駆け付け、会場全体が若々しく華やかな雰囲気に包まれました。中には、同校軽音学部の後輩たち(1年生)もたくさんいたようで、「来年は是非自分も、大阪共立による素晴らしい音響で演奏したい!」と決意してくれたことでしょう。なお、司会の植田奈都子さんが粉河高校軽音学部顧問の横手先生に取材しているのを横で聞いていたところ、粉河高校の軽音学部の部員は約60人!もいるということで、「すごい」と感心することしきりでした。
 是非、来年も素晴らしい演奏を聴かせて欲しいと思います。」
 これは、そっくり今年にもあてはまります。粉河高校の皆さん、ありがとうございました。

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※参考動画(小谷英治さんⅠ)3分~
 
【写真レポート3 和歌山朝鮮初中級学校中等部】
 粉河高校軽音学部に続く午前中2組目の出演は、“HAPPY BIRTHDAY 憲法"には初登場の和歌山朝鮮初中級学校中等部の皆さんでした。
 ステージの前半は、3人の女生徒の皆さんによるカヤグムというお琴の演奏でした。私は伝統楽器についての知識などほとんどありませんが、古代以降のアジアにおける文化伝播の中で、カヤグムや和琴もそれぞれの発展を遂げていったのだろう、などと想像されました。
 後半は、8人の生徒の皆さんによる、様々な種類の打楽器の演奏が披露されました。
 この演奏を聴いていて思ったのは、日本では、和太鼓は各地で独自の発達を遂げましたが、太鼓以外の打楽器にどんなものがあっただろう?ということでした。考えてみると、拍子木、鉦、鈴、銅鑼など、それなりに思い出す言葉はあれど、どうも音楽演奏とは結びつかない・・・というようなことに思いを巡らすのもまた楽しいものです。

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 さて、演奏終了後、出演者を代表して挨拶した男子生徒が話された内容を文字起こししてみましたのでお読みください。
「こんにちは。僕たちは、和歌山朝鮮初中級学校で学ぶ中学生です。僕たちは、自分の民族の言葉や歴史を学べる学校が大好きです。今年、ウリハッキョ(私たちの学校)は創立60周年を迎えます。県に一つしかないウリハッキョ、一世、二世の方々が守ってくださり、今僕たちが学べています。少人数の学校ではありますが、全校生徒が大好きなウリハッキョをこれからも守り受け継がれるよう、一丸となって頑張っていきます。今日は本当にありがとうございました。」
 もちろん、先生方による添削はあったでしょうが、会場にいてこれを聴いた多くの方が感動されたことと思います。粉河高校軽音学部の出演時にあれだけたくさんいた高校生の内、どれだけの生徒がこの挨拶の時まで残って聴いてくれたかな?ということが、少し気になりました。
 なお、会場内で知人の神谷さんにお会いし、「日本国憲法誕生おめでとうございます!でも、今朝鮮学校に通う子どもたちの学ぶ権利が奪われています」というアピールのチラシをいただきましたので、JPGファイルとしてご紹介しておきます。是非お読みください。

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※参考動画(小谷英治さんⅠ)39分~
 
【写真レポート4 Halau Uilani(ハワイアンフラ)】
 午前中3組目の登場は、これも粉河高校軽音楽部と並ぶ常連、ハワイアンフラを披露してくださるHalau Uilani(ハラウ ウイラニ)の皆さんです。
 このハワイアンフラチームは、福井奈央子先生が指導されている3つのフラチーム「憩楽(いこら)クラブかつらぎハワイアンフラチーム」「ハワイアンフラ根来チーム」「パルポート太田ハワイアンフラチーム」の合同チームとしての出演です。
 前夜来の雨のため、いかにブルーシートを敷いても、ぬかるみ状態だったら申し訳ないな、などと心配していましたが、幸いにも、雨がそれほど多量には降らなかったことに加え、西の丸広場の水捌けも良好であったため、演技には何の支障もなかったようで、ほっとしました。
 私が、開会前に演技ゾーンに釘など落ちていないかと地面をしらみつぶしに調べる作業も恒例になってきましたが、去年は古釘を1本発見したのに対し、今年は先が尖っていないので、釘ではないようでしたが、細長い金属片を1つ発見という「成果」でした。
 皆さんが、安全にその妙技を披露していただけるよう、来年も頑張りたいと思います。

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※参考動画(小谷英治さんⅠ)1時間02分~
 
【写真レポート5 こどもピースフェスタ】
 朝の部最後のステージ企画は、昨年に続いて2回目の登場となった「こどもピースフェスタ」の皆さんでした。昨年の7月30日に和歌山ビッグ愛1階展示ホールで開かれた「第1回 こどもピースフェスタ」は、様々なグループが出展し、とても楽しくてためになる企画として大成功であったと思います。
 そして、今年も開催する「第2回 こどもピースフェスタ」の事前広報をかねて、再び西の丸広場のステージに戻ってきました。「手のひらを太陽に」や「幸せなら手をたたこう」など、私でも知っている歌を親子で歌い、また昨年に引き続き、こどもたちから、自分が大事に思っていることが発表されました。
 なお、今年のピースフェスタの日程ですが、私の記憶によると、9月2日(日)ビッグ愛にて、ということだったように思うのですが、動画がないため(事前に確認したところ、YouTubeへのアップは遠慮したいということだった)たしかめることができません。
 「こどもピースフェスタ」公式Facebookページが開設されていますので、しっかりフォローしていれば、正式な告知記事が掲載されるはずです。

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【写真レポート6 わかやま平和賞贈賞式】
 午後のステージ企画が始まる前に、「第4回 わかやま平和賞」(9条ネットわかやま制定)の贈賞式が行われました。これまで、故・本多立太郎さん(第1回)、核戦争防止和歌山県医師の会(第2回)、月山桂弁護士(第3回)に贈られてきた「わかやま平和賞」。前回から少し間が空きましたが、第4回の「わかやま平和賞」を贈るに相応しい団体として「『大逆事件」の犠牲者を顕彰する会」が選定されました。
 同会の長年にわたる活動は、広く知られているところでしたが、今年1月に新宮市が大石誠之助氏を名誉市民としたことが、選定の大きなきっかけとなったことは事実です。
 今回の贈賞式には、同会の設立以来の会長である二河通夫(にこう・みちお)さんがわざわざ新宮からおいでくださり、心のこもった受賞スピーチをされました。
 小谷英治さんが撮影された動画(1本目)の1時間23分~が「わかやま平和賞贈賞式」ですが、二河会長のスピーチは1時間28分~です。是非お聴きください。
 
 以下に、藤井幹雄9条ネットわかやま世話人代表から二河会長に手渡された賞状の文面を転記します。
 
(引用開始)
       賞     状
 
わかやま平和賞
 
大逆事件」の犠牲者を顕彰する会
  会長 二 河 通 夫 殿
 
 貴会は二〇〇一年八月の設立以来日本の近代史を暗転させた思想弾圧事件である「大逆事件」の犠牲となった新宮熊野の人々の名誉を回復しその功績を顕彰するためにたゆまぬ努力を重ね人権と平和の尊さを広く訴えてこられました
 ここに貴会のこれまでの活動に心から敬意を表し今後ますますのご活躍を祈念してわかやま平和賞を贈ります
 
 二〇一八年五月三日  
 
  9条ネットわかやま
  世話人代表 
     花 田 惠 子
     藤 井 幹 雄
(引用終わり)
 

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 ところで、二河会長は、受賞挨拶の冒頭で「私たちが『大逆事件』の犠牲者を顕彰する会を立ち上げたのは、今から約18年前の2000年の夏でありました。」と言われており、賞状の記載と1年食い違いますので、お断りしておくと、9条ネットわかやまが入手した資料(「大逆事件」の犠牲者を顕彰する会の事務局から送っていただいた)には、「設立 2001年8月」と書かれていました。実際のところはよく分かりませんが、事実上、2000年から活動を開始し、2001年8月に設立総会が開かれたのかもしれません。

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 余談ですが、二河通夫先生は、「くまの平和ネットワーク」の代表も務めておられます。同ネットワークは、昨年は6月と12月の2回、憲法の講演会を開催されましたが、その講師としてお招きいただき、二河先生に大変お世話になった2人、すなわち、6月に共謀罪についてお話させていただいた私(金原)と、12月に「ゴジラウルトラマンがあなたに伝えたいこと」と題して講演された伊藤宏先生(和歌山信愛女子短期大学教授)が、揃って二河先生にご挨拶できたのも良かったですね。
 
【写真レポート7 紀北農芸高校和太鼓部】
 午後のステージ企画(と言っても、演奏は平場で行われますが)の先陣は、紀北農芸高校和太鼓部の皆さんです。
 和歌山の人間にとっては、紀北農芸太鼓の迫力満点の演奏は既にお馴染みのものですが、初めてその演奏に接する人は、「高校生がこの演奏を」と驚かれるでしょう。
 “HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”への紀北農芸の出演も、今年で早くも3回目、すっかり恒例となりつつあります。思えば2年前の初出演の際は、強風吹き荒れる悪天候をものともせず、会場の西の丸広場に駆け付け、風さえ吹き飛ばすような熱演を見せてくれたのでした。
 そういえば、去年もそう感じたのですが、今年も紀北農芸和太鼓部の演奏のボルテージが高まるに連れて、場内の人数もどんどん増えていくように思ったのですが、これは気のせいなのでしょうか?
 是非、来年以降も、素晴らしい演奏を披露していただきたいと思いました。

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※参考動画(小谷英治さんⅡ)冒頭~
 
【写真レポート8 KYK】
 いよいよステージ企画も「トリ」の1つ手前までたどり着きました。毎年お送りしているこの写真レポートも、この辺まで来るとようやく「ゴールも近い、もう少しだ、頑張ろう」という元気がわいてきます(正直、大変な手間なのですよ)。
 今年登場していただいたKYKは、紀美野町にある「りら創造芸術高等学校」3年生による3人編成のバンドです。プログラムのメンバー紹介には、「エナ(ギター、ヴォーカル)」「シュリ(ヴォーカル)」「ユウホ(ピアニカ、ヴォーカル)」と書かれていました。写真では、向かって右からエナさん、シュリさん、ユウホさんですね。
 この3人によるユニットは、和歌山市ぶらくり丁商店街で月1回行われているポポロハスマーケットでのライブに出演したり、色々と活動の場を広げているようですが、私が聴いたのは今回が初めてでした。とっても伸び伸びとした歌声が素敵なハーモニーを形作っていますね。
 演奏された曲目は、「あなたに(MNGOL800)」「空も飛べるはずスピッツ)」「糸(中島みゆき)」「タッタ(ゆず)」「オワリはじまり(かりゆし58)」の5曲でしたが、この選曲のセンスは、60代前半の私にとっても全く違和感がありませんでした(素晴らしい)。

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 なお、3人のうちのエナさんは、まだ中学生の頃からお父さんと一緒に、この西の丸広場のステージで歌っていたのですよね。現在のバンド名でいうとCrowfieldという、和歌山中で知らぬ人はいない(?)という家族バンドでベースとヴォーカルを担当しているエナさん、しっかりとこちらの宣伝もしていました。小谷英治さんの動画(2本目)の30分~がKYKの演奏、44分~がCrowfieldの宣伝です。ここでも少し書いておきましょう。
5月12日(土)@和歌山市北コミセン「メガソーラーはいらない」
7月29日(日)@オールドタイム「No.2 ラブ&ピースライブ 和歌山 平和を祈るコンサート」
※参考動画(小谷英治さんⅡ)30分~
 
【写真レポート9 喜笑花(よさこい踊り)】
 2年前の第3回の時から、紀州よさこい踊りのグループにも出ていただくようになりました。今年も、「喜笑花」一組だけでしたが、ご出演いただきました。
 「YAPPA紀州」のイントロが聞こえてくると、何だか血が騒ぐような気になりませんか?
 ところで、「YAPPA紀州」「やっぱ紀州」「ヤッパ紀州」、どれが正しい表記なのか、いまだに分からない。皆さん、分かります?

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※参考動画(小谷英治さんⅡ)8分~
 
【写真レポート10 玉田玉秀斎(憲法講談)】
 2018年の“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”、トリを務めていただいたのは、講談師・四代目玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)さんでした。玉秀斎師匠は、昨年、和歌山大学観光学部の木川剛志准教授が監督された短編映画『七曲ブルース』に地元紙の記者役で主演されるなど、和歌山ともご縁が深いということもあり、今回、憲法記念日を祝うイベントにふさわしい新作「憲法講談」の一席をお願いしょうと衆議一決したそうです。「そうです」と書くのは、その衆議一決した会議に私は欠席していたからですが。
 その後、和歌山大学観光学部木川研究室主催によるイベントに、9条ネットわかやま共同代表の花田惠子さんとともに足を運び、「憲法講談」についての打合せを行ったり、資料をお届けしたりした経過の一端は、私のブログでもご紹介しています。ただ、誰を主人公にした、どんな話になるのかということについては、慎重に言及を避けてきました。それは、新作の初演を楽しみにしている方に対する礼儀であるのはもちろんですが、はたして、私が提案した人物を主人公としたストーリーが、玉秀斎師匠に「降りてくる」かどうかは、講談の神様にしか分からぬことで、実際のところ、一体どんなストーリーになっているのか、師匠からは事前に何の連絡もありませんでしたので、私も他の聴衆の皆さんとほとんど変わらぬ状態で新作講談に耳を傾けたのでした。
 結果はどうであったかといえば、私の提案したとおり、幣原喜重郎元首相を主人公とし、1946年1月24日に行われた、二人きりの幣原・マッカーサー会談をクライマックスとする日本国憲法象徴天皇制+戦争・戦力放棄)誕生物語となっていました。正直、ほっとしました。
 私から師匠にお送りした幣原喜重郎憲法9条発案説に関わる資料だけではなく、師匠独自に集めた資料も使った上で、約25分のお話が組み立てられていました。
 何しろ、私は原案と資料を提供したという立場なので、とても虚心に耳を傾けるという訳にはいきませんでしたが、期待以上と申し上げたら失礼にあたるでしょうか、とても感動しました。
 また、終了後、多くの方から「とても良かった」「素晴らしかった」と声をかけていただき、玉秀斎師匠に新作を委嘱しようというもともとの発案とは無関係であったにもかかわらず、師匠にお願いして本当に良かったと思いました。
 願わくは、この憲法講談(タイトルをどうされるか、玉秀斎師匠から伺うのを忘れていた)が、これからも多くの場所で演じられることを切に願っています。

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 なお、師匠にもお送りしましたが、私が過去、幣原9条発案説に関わって書いたブログの一覧と略年表をご紹介しておきます。
 
(「弁護士・金原徹雄のブログ」から)
2013年6月6日
憲法9条 幣原喜重郎発案説”について(その1)
2014年8月30日
“平和主義と天皇制”~「戦後レジーム」の本質を復習する
2014年9月1日
戦争に敗けるということ~加藤朗氏「敗北をかみしめて」を読んで考える
2015年5月30日
内閣総理大臣の孤独な闘い~天皇制と日本の若者を救った幣原喜重郎(この仮説は知っておく価値がある)
2016年8月13日
憲法9条 幣原喜重郎 発案説”を補強するマッカーサー書簡の発見~部分採録内閣総理大臣の孤独な闘い」
 
幣原喜重郎・戦後略年表
1945年(昭和20年)
 10月9日 第44代・内閣総理大臣に就任。
 10月11日 幣原、マッカーサーとの最初の会談。マッカーサーは「5大改革」の意向を明示。
1946年(昭和21年)
 1月24日 幣原は、マッカーサーと3時間、余人を交えず会談。その際、幣原から、天皇制存続の必要性を強調した上で、戦争放棄・戦力不保持を憲法に書き込むことを提案し、マッカーサーから賛同を得る(いわゆる「9条・幣原発案説」⇒以前は少数説と言われていたが、今では「有力説」と言って良いと思う)。
 2月1日 松本烝治国務大臣商法学者でもある)を委員長とする松本委員会で検討していた憲法改正案の1つを毎日新聞がスクープ(幣原の同意の下、吉田茂外相が観測気球としてリークしたという説もある)。
 2月3日 マッカーサー、民政局スタッフに3原則(象徴天皇制戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認、封建制廃止/いわゆるマッカーサー・ノート)を示し、GHQ草案の起草を命じる(⇒翌日から実質8日間で草案完成)。
 2月8日 政府、松本案をGHQに提出。
 2月13日 外務大臣公邸にて、GHQ(ホイットニー少将ら)は、吉田茂外相、松本烝治国務大臣らに対し、松本案を拒否する意向を示した上で、GHQ草案を手交した(⇒この案を受け入れなければ、天皇の地位を保障できなくなるかもしれないと示唆したと伝えられている)。
 2月21日 幣原、マッカーサーと会談し、その後、皇居に参内し、昭和天皇から「象徴でよい」との同意を得る。
 3月6日 政府、憲法改正草案要綱を発表。
 4月10日 第22回衆議院議員総選挙(戦後初の総選挙、初めて女性参政権が認められた)実施。
 4月22日 幣原内閣総辞職。同日、幣原は「大日本帝国憲法」改正案を審議する枢密院に出席し、草案についての趣旨説明をしている。
 5月16日 吉田茂、第45代・内閣総理大臣に(組閣の結果、幣原も無任所の国務大臣として入閣)。
 6月20日 第90回・帝国議会召集(会期は同年10月11日まで)。衆議院貴族院で構成された帝国議会により、大日本帝国憲法改正案(日本国憲法案)が審議された(いわゆる「制憲議会」)。
 11月3日 日本国憲法 公布
1947年(昭和22年)
 4月25日 第23回衆議院議員総選挙幣原喜重郎も当選。
 5月3日 日本国憲法 施行
1949年(昭和24年)
 2月11日 幣原、衆議院議長に就任(新憲法下では2人目)。
1951年(昭和26年)
 3月10日 幣原喜重郎、現職の衆議院議長として逝去。
 
(付記)言い忘れましたが、玉秀斎師匠は、私の大阪市立大学法学部の後輩です。
 
【写真レポート11 ブース紹介(憲法9条を守る和歌山弁護士の会)】
 写真レポートで振り返る“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2018”も、いよいよフィナーレのお菓子撒き・餅撒きを残すだけ・・・と思っていたら、ブース紹介を全くしていなかったことに気がつきました。どうしても、写真の撮影もステージ企画中心になってしまい、ブースを紹介するための適当な写真がなくて困ってしまうのは例年通りですね。何とか、ブース専属の公式記録員を任命しなければ。
 さて、市役所側から西の丸広場に入ってきた人が、最初に出会うブースは、伝統的に「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」が受け持ってきました。西の丸広場の2箇所ある入口のうち、メインとなる道路に面した北西の入口に最も近いブースとして、プログラムやブース配置図を印刷した案内チラシを配ったり、開会からしばらくの間は、「風船ください」という女子高生や子どもたちへの対応におおわらわです。けれども、場内のあちこちに風船を持った人たちがいると、大いに雰囲気が盛り上がりますよね。
 また、風船コーナーの隣りでは、ヨーヨーすくい、スーパーボールすくいが子どもたちの人気を集めています。私も、閉会間際に一度ヨーヨーすくいをさせてもらいましたが、すぐに切れてしまいました。なかなか難しものです。
 ちなみに、私は、憲法9条を守る和歌山弁護士の会の会員とはいえ、ほぼ本部テント詰めというか遊軍というか、はたまた公式記録員というか、なかなかこのブースに立ち寄る時間はありませんでした。

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【写真レポート12 ブース紹介(本部テントの人々)】
 ブース紹介の第2弾は「本部テントの人々」です。和歌山城側というか、駐車場側というか、南西の入口に最も近く、かつステージに最も近い位置にあるのが本部テントです。
 ここでは、総合受付、企画進行管理の他、「やきもち」販売、安倍9条改憲NO!3000万人署名呼びかけなども行っており、主に9条ネットわかやまのメンバーが主力として待機しています。
 ということで、毎年、本部テントに詰めているスタッフの写真を撮るのも、公式記録員である私の任務であるにもかかわらず、今年はうっかりそれを忘れるところだったのですが、トリである玉秀斎師匠の出番の直前、たまたま本部テント前を通りかかった際、写真撮影の指示を受け、急遽当然写るべき常連メンバーに招集をかけ、出来上がったのがこの写真です。
 何故か、この本部テント記念写真には、男性スタッフはめったに写ったことがない。昨年1人だけ写っていたというのが唯一の例外だったと思います。その理由は・・・?不明です。

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【写真レポート13 ブース紹介(全部まとめて)】
 ブース紹介も、やり出すときりがありません。私個人のことで書けば、昼食でお世話になったブースは、けいじん舎(コロッケ2個)、県地評女性部(麦茶ペットボトル)、和歌山県平和フォーラム(焼き鳥)、オモニ会(チジミ)でした。みんな美味しくいただいて、お腹いっぱいになりました。
 それから、わかやま市9条センターでは、100円のカバンを2個ゲットして大満足。子どもたちの未来と被ばくを考える会の輪投げ(50円)に挑戦して、何と1つしか入らなかった。
 といったところでしょうか。実は、野菜なども安くて美味しそうなものが売られていたようなので気にはなっていたのですが、何しろ公式記録員としての写真撮影が忙しく、合間にはブルーシートを敷いたり外したり、ということで買いそびれたのは残念でした。
 ブースの配置図は、当日、来場者に配布されたものをスキャンして掲載しておきますので、それをご覧ください。また、各ブースの写真は、適当に撮ったものしかありませんが、見繕ってご紹介します。

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【写真レポート14 フィナーレ(お菓子まき&餅まき)】
 ”写真レポートでお届けしてきた“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2018”も、いよいよ大団円を迎えます。
 憲法記念日の5月3日、全国各地で、護憲派改憲派が様々な催しを行う中で、フィナーレに餅まきをやるところが他にあるということを、寡聞にして私は聞いたことがありません。もしあるとすれば、和歌山県下のどこかに違いないと思うほど、和歌山と餅まきはきってもきれない関係にあるようです。何しろ、県庁職員有志が「和歌山餅まきカレンダー」というサイトを運営し、「「餅まきの聖地!」和歌山の餅まき情報」という Facebookページがあるくらいです。
 もちろん、“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”も、毎年しっかり餅まきカレンダーに掲載されています。
 万一、安倍9条改憲国民投票の結果、現実のものとなっても、このようなイベントを開いてフィナーレに餅まきをして楽しめるかどうか、相当に疑問です。
 願わくは、いつまでも心おきなくみんなと一緒に餅まきを楽しみながら憲法の誕生日を祝えますように。

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※参考動画(小谷英治さんⅡ)1時間19分~
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”関連)
2014年4月11日
5月3日は“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”に集いましょう(和歌山城西の丸広場) 
2014年5月3日
憲法記念日に届いた“西谷文和さん”と“はちようび”からのメッセージ(和歌山城西の丸広場にて)
2015年4月4日
5月3日は各地の憲法集会に!~和歌山市は“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2015”
2015年5月3日
右翼の街宣車を圧倒した高校生たちの演奏の力~“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama
2015”から」
2015年5月12日
写真レポートで振り返る“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2015”
2016年3月21日
第一報“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2016”(5/3@和歌山城西の丸広場)今年
もやります!
2016年5月5日
写真レポートで振り返る“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2016”
2017年4月30日
今年も憲法記念日には和歌山城西の丸広場へ!~“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama
2017”へのお誘い
2017年5月4日
写真レポートで振り返る“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2017”
2017年3月15日
速報“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2018”(5/3@和歌山城西の丸広場)~今年
は玉田玉秀斎師匠による「憲法講談」上演!

「平和といのちと人権を!5・3憲法集会2018」開催~「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」1,350万署名突破

 2018年5月4日配信(予定)のメルマガ金原No.3137を転載します。
 
「平和といのちと人権を!5・3憲法集会2018」開催~「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」1,350万署名突破
 
 長年、憲法記念日には、5・3憲法集会実行委員会が主催する集会と、平和フォーラムが主催する集会が別々の会場で開かれてきました。言ってみれば、原水協原水禁憲法版のようなものです。
 それが、憲法の危機が差し迫ってきた2015年から、「平和といのちと人権を!5・3憲法集会」として、統一集会が開かれるようになり、今年も、有明防災公園(東京臨海広域防災公園)において、強風吹きすさぶ中、開催されました。
 集会のチラシなどを読むと、
  主催 5・3憲法集会実行委員会
  共催 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
      安倍9条改憲NO!全国市民アクション
と表示され、また、集会ホームページには、
 お問い合わせ
 「平和といのちと人権を!5・3憲法集会」実行委員会
  〒101-0061 東京都千代田区神田三崎町2-21-6-301
  03-3526-2920(戦争をさせない1000人委員会)
  03-3221-4668(解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会)
  03-5842-5611(戦争する国づくりストップ!憲法をまもり・いかす共同センター)
  03-3221-5075(九条の会
と書かれていました。
 
 安倍9条改憲NO!全国市民アクションが共催団体として表示され、九条の会がお問い合わせ先となっていることから分かるとおり、昨秋来取り組まれてきた「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」(3000万人署名)の一応の集約結果(集約日4月25日)の発表がこの日行われることになっていたことも注目を集めました。
 
 既に多くの動画がアップされていますが、ざっと見渡した上で、「Makabe Takashi」さんの動画をベースに、適宜他の動画も補充するということにしたいと思います。
 
 和歌山市では、昨日、“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2018”が開催されましたが、全国各地の憲法集会に参加された多くの方々と共に、全国集会の模様を追体験し、今後の運動の方向を見定める指針としたいと思います。
 
 ところで、和歌山でも、昨日の午前中は雨上がり後の強い風が少し心配でしたが、有明防災公園の風は、和歌山城西の丸広場どころではない強さだったようです。まあ、海が近いせいもあるでしょうが。
 そのような中、昨年を上回る参加者だったとか。実は和歌山市も、天候不順で心配したにもかかわらず、参加者は(目分量ですが)増えていました。多くの人が危機感を共有された結果でしょうか。
 
Makabe Takashi(1時間08分)
9条改憲NO!平和といのちと人権を!5.3憲法集会2018 コンサート ユキヒロ 佐藤タイジ
冒頭~ 司会 菱山南帆子さん
1分~ ユキヒロ(仲里幸広) 「HEIWAの鐘」合唱 他
※注 仲里幸広さん作詞・作曲の合唱曲「HEIWAの鐘」については、歌詞付き歌唱がYouTubeにアップされていますのでご参照ください。
32分~ 佐藤タイジ(THEATRE BROOK:Vocal&Guitar)
 
Makabe Takashi(2時間31分)
9条改憲NO!平和といのちと人権を!5.3憲法集会2018 #2018憲法集会 #RegaindemocracyJP
冒頭~ 司会 古今亭菊千代さん
1分~ 開会挨拶 高田健さん(5・3憲法集会実行委員会)
7分~ 落合恵子さん(作家)
13分~ 竹信三恵子さん(和光大学教授、元朝日新聞論説委員
21分~ 清末愛砂さん(室蘭工業大学准教授)
32分~ 山内敏弘さん(一橋大学名誉教授)
43分~ 枝野幸男さん(立憲民主党代表、衆議院議員
48分~ 大塚耕平さん(民進党代表、参議院議員
57分~ 又市征治さん(社民党党首、参議院議員
1時間02分~ メッセージ披露(小沢一郎自由党代表、衆議院議員
1時間03分~ アピール 菱山南帆子さん
1時間06分~ おしどりマコ・ケンさん
1時間17分~ 山城博治さん(基地の県内移設に反対する県民会議共同代表)
1時間21分~ 武藤類子さん(福島原発告訴団代表)
1時間27分~ 布川ひとみさん他(高校生平和大使)
1時間31分~ 上山由里香さん(教育と教科書問題について)
1時間35分~ 東京朝鮮中高級学校合唱部
1時間50分~ 杉原浩司さん(武器輸出反対ネットワーク [NAJAT] 代表)
1時間54分~ 六郷伸司さん(TENOHASI:ホームレス支援 NGO 代表)
1時間59分~ 岡田俊宏さん(弁護士・日本労働弁護団事務局長)
2時間03分~ 「安倍9条NO!憲法を生かす全国統一署名」報告
※注 ここで発表された数字は「1,350万筆突破」でした。
2時間08分~ プラカード・コンテストの発表
2時間16分~ 連帯挨拶 諏訪原健さん(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合
2時間21分~ 行動提起 福山真劫さん(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)
 
shusei ch1(33分)
ジンタらムータ クロージングライブ「9条改憲NO!平和といのちと人権を!5.3憲法集会」2018.5.3 @有明防災公園
 
The River(動画分割編)
※注 発言者ごとに分割した動画がアップされているチャンネルです。
 
Makabe Takashi(1時間16分)
9条改憲NO!平和といのちと人権を!5.3憲法集会2018 デモ行進(豊洲コース)

「南部さんの国民投票法講座」(マガジン9)に注目しよう

 2018年5月3日配信(予定)のメルマガ金原No.3136を転載します。
 
「南部さんの国民投票法講座」(マガジン9)に注目しよう
 
 事前の予報が不順な天候を繰り返し伝えていため、果たして予定通り開催できるのか危ぶんでいた“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2018”ですが、みんなの祈りが通じ、無事予定通りのスケジュールで開催することができました。おまけに、目分量からの推測ではありますが、過去最大の人出ではないかという気がするほど、多くの方においでいただき、楽しんでいただくことができました。
 出演してくださった皆さま、西の丸広場に集ってくださった皆さま、本当にありがとうございました。
 先例にならい、まずFacebookに写真レポートをアップし、それをブログにまとめようと思いますが、今日の間には合いませんので、明日以降ということにさせていただきます。
 
 昨日は、自民党憲法改正推進本部による日本記者クラブでの記者会見の模様をご紹介しましたが、もしも自民党の思惑通り、憲法改正案を国会が発議することになったら、次に待ち構えているのは国民投票です。
 その手続を定めた「日本国憲法の改正手続に関する法律」は、広告が事実上野放しに近いなど、様々な欠陥が指摘されており、本当に改憲発議したいなら、まず手続法をまともなものに改正しなければならないのではないのか?ということが問題となります。
 
 先日、本間龍さんと南部義典さんの共著(対談)『広告が憲法を殺す日 国民投票プロパガンダCM』(集英社新書)の内容を少しご紹介しました(「憲法」についての新書を2冊買った、これから読むけどお薦めします~『五日市憲法』『広告が憲法を殺す日 国民投票プロパガンダCM』/2018年4月25日)。
 
 上記書籍の共著者のうち、南部義典(なんぶ・よしのり)さんの略歴を、南部さんが長らく「立憲政治の道しるべ」を連載しているマガジン9から引用しておきます。
 
(引用開始)
南部義典
なんぶ よしのり:1971年岐阜県生まれ。京都大学文学部卒業。衆議院議員政策担当秘書慶應義塾大学大学院法学研究科講師(非常勤)を歴任。現在、シンクタンク国民投票広報機構」代表。専門は、国民投票法制、国会法制、立法過程。国民投票法に関し、衆議院憲法審査会、衆議院参議院日本国憲法に関する調査特別委員会で、参考人、公述人として発言。主な著書に『図解 超早わかり国民投票法入門』(C&R研究所、2017年)、『Q&A解説 憲法改正国民投票法』(現代人文社、2007年)、『広告が憲法を殺す日 ――国民投票プロパガンダCM』(共著、集英社新書、2018年)、『18歳成人社会ハンドブック ――制度改革と教育の課題』(共著、明石書店、2018年)、『18歳選挙権と市民教育ハンドブック[補訂版]』(共著、開発教育協会、2017年)、などがある。(2018年4月現在)
(引用終わり)
 
 『広告が憲法を殺す日 国民投票プロパガンダCM』を購入する前から私の書棚に並んでいた南部さんの著書は、上にも紹介されている『Q&A解説 憲法改正国民投票法』(2007年/現代人文社)でした。
 この法律が出来て間もない時期の出版で、他に頼りにできるような解説書もほとんどなく、憲法学習会のためのレジュメ作成などにあたってはかなり参考にさせてもらいました。 ただし、本間さんとの対談で南部さんご自身が認めておられるとおり、民主党議員の政策担当秘書としてこの法律の立法過程に関わっていた南部さんも、国民投票運動における広告規制の重要性には気付いていなかった、ということを反映し、極力規制をなくし、自由な運動を保障するということに力点を置いた解説が『Q&A解説 憲法改正国民投票法』中において展開されているという印象を受けます。
 
 さて、法律が出来てから10年以上、いよいよ憲法改正国民投票が現実の政治日程にのぼるかもしれないという状況を迎え、マガジン9条での南部さんの連載も、「立憲政治の道しるべ」特別編として、「南部さんの国民投票法講座」が始まっています(2018年1月~)。
 もちろん、これまでも「立憲政治の道しるべ」で、たびたび国民投票法のことは取り上げてこられたのですが、「憲法改正についての話題が多くのぼるなか、「国民投票」について知りたいという声が聞かれるようになりました。この連載では、国民投票までの流れから、国民投票法について知っておくべき点や課題について説明していきたいと思います。」(連載第1回)ということで、短期連載が始まりました。
 非常に分かりやすく、かみ砕いた説明がなされていますので、是非1人でも多くの方にお読みいただきたく、ご紹介します。
 
マガジン9  南部さんの国民投票法講座  2018年1月24日
第1回 国民投票までの流れを知ろう(南部義典)
(抜粋引用開始)
 この憲法96条が定める憲法改正手続きの具体的な内容についての法律が「国民投票法」で、2007年5月に制定されました。正しくは「日本国憲法の改正手続に関する法律」といいます。
 これとは別に、国会の組織や運営のあり方を定める「国会法」という法律も同様に、憲法改正の手続きに関する事項を定めています。「国民投票と法」というカテゴリーは、憲法国民投票法、国会法の三本柱で成り立っています。
(略)
 この講座では、国民投票法の第1条から順番に条文を読み込んでいくような進め方はしません。各回、主なトピックを拾いながら、掘り下げていきますので、気軽に読み進めていただければ幸いです。
 初回となる今回は、「国民投票までの流れを知ろう」と題し、その手続きを大まかに説明します。
※金原注 ここで掲載されている南部さん作成の「国民投票までの流れ(衆議院参議院の場合)」はとても分かりやすい図表です。しっかり読んで頭に入れると良いと思います。
(引用終わり)
 
マガジン9  南部さんの国民投票法講座 
第2回 ここが問題!国会で審議される憲法改正原案(南部義典)
 http://maga9.jp/180221-2/ 2018年2月21日
(抜粋引用開始)
 憲法改正原案も、通常の議員立法と同じく、提出者の人数には制限がありません。理屈の上では、議員1名でも提出することができます。
 しかし、仮に提出者が1名しかいない場合、(6)衆議院本会議における趣旨説明、質疑から(13)参議院憲法審査会における採決の直前までのすべてのプロセスにおいて、答弁をすべて1名でこなさなければならなくなります。それは物理的(体力的)に無理でしょう。
 現実問題としては、衆議院参議院で揃って、単独で3分の2以上の議席を持つ政党(会派)は存在しないことから、(5)のように憲法改正原案を複数政党(会派)で「共同提出」することが議論の前提となります。提出者も、共同提出に合意した政党(会派)からそれぞれ選ばれることになり、通常は複数名いることが想定されます。
 例えば、自民党希望の党公明党日本維新の会が共同して、憲法改正原案を衆議院に提出したとします。この場合、提出者の内訳は、自民党4名、希望の党2名、公明党1名、日本維新の会1名といったように、大政党(会派)からは複数名選ばれることになります。繰り返しますが、提出者が1名しかいないと、その政党(会派)に対する質疑のさい、答弁の負担がすべてその人だけに掛かってしまいます。おそらく、自民党ではベテラン1名、中堅1名、若手2名くらいでポジショニングを行い、答弁を分担するはずです。
(略)
 表の(5)憲法改正原案を共同提出、のところに、「内容関連事項ごとに区分」と記しています。私が考えるに、これが憲法改正原案に関する最も重要なルールですが、法律では「(議員が憲法改正原案を提出するに当たっては)内容ごとに関連する事項ごとに区分して行うものとする」としか定めていないので(国会法第68条の3)、何が内容関連事項に当たるのか、その判断基準を明確にする必要があります。
 まさに、憲法改正原案の大きさ(サイズ)を決める問題ですが、有権者には憲法改正案ごとに1枚の投票用紙が与えられ、投票することになっているので、「投票単位の問題」にも直結しているのです。
 内容関連事項をどう判断すべきか、国民投票法(案)が国会で審議されていた2006年~07年当時も議論になりました。法案の提出者は「①個別の憲法政策ごとに民意を問うという要請、②相互に矛盾のない憲法体系を構築する要請、のバランスである」と繰り返し答弁していました。①を重視すれば、できるだけ細かく区分することが必要になりますが、あまり細かく区分しすぎると憲法体系に矛盾が生じることから、ある意味、当然のことを述べているにすぎません。具体例を以て、当てはめていくしかありません。
(引用終わり)
 
マガジン9  南部さんの国民投票法講座 
第3回 国民投票運動って、イメージできますか?(南部義典)
 http://maga9.jp/180321-1/ 2018年3月21日
(抜粋引用開始)
 国民投票運動の定義ですが、国民投票法100条の2が「憲法改正案に対し、賛成又は反対の投票をし、又はしないよう勧誘する行為」と規定しています。
 まず、運動の対象は「憲法改正案」です。国民投票法14条1項1号は、憲法改正案を「国会の発議に係る日本国憲法の改正案」と定義しています。あくまで、国会が発議した憲法改正案です。前回扱った「憲法改正原案」は、国会が発議する前のものなので、国民投票運動の対象にはなりません。国会の発議とは無関係な、巷にあふれている憲法改正案(私案)も、国民投票運動の対象とはなりません。国会が憲法改正の発議をするまでは、憲法改正案は世の中に存在しないことから、発議までの間、100条の2が定める意味の国民投票運動は、行いようがないということにもなります。
 また、国民投票運動に該当するのは、賛成投票、反対投票をする(しない)よう、勧誘する行為です。「勧誘」がキーワードであり、その意味は、相手方の意思に明示的に働きかけることです。対面でも、ネット上でも「賛成投票をしてほしい」「反対投票をしないでほしい」と言うのは、相手方の意思に明示的に働きかけているので、国民投票運動に該当します。一方、「私は、賛成投票をすることを決めた」「私は、反対投票をするつもりだ」と言うだけでは、自らの意見を述べて(示して)いるだけで、相手方の意思に明示的に働きかけたこと(投票の勧誘)にならないので、国民投票運動には該当しません。国民投票そのものを棄権(ボイコット)するよう勧誘する行為が国民投票運動に該当するかどうか、政府の解釈はいまだに確定していません。
(略)
 国民投票運動をどのように行うのかという、運動の態様に話を進めます。
 国民投票法は、運動の態様については「原則自由」という理念に則っています。(表1)では、国民投票運動の例としていくつか示していますが、選挙運動としては禁止されているものも、国民投票運動としては「ほとんど」認められます。「原則自由」なので、ポジティブな説明は実際、難しいです。私が例示したもの以外でも、どんどんアイデアを出して、実行に移していただくことできます。
 反対に、⑤許されない行為はあるのかということですが、ここでは、二つの類型を説明します。
 まず、組織的に、多数人を相手に行われる買収行為です。違反があった場合には、3年以下の懲役、禁錮、または50万円以下の罰金に処せられます。「多数人を相手に」とは、一体何人以上を相手にした場合をいうのか、国民投票法の規定(第109条)だけでは明らかにならず、裁判例が出るのを待つしかありません。
 少なくとも言えるのは、選挙の場合では、たった一人を相手に買収が行われるだけでも買収罪が成立するのに対し、国民投票では犯罪とならないということです。例えば、喫茶店で友人どうしのA君とB君が歓談しているとします。たまたま、憲法改正案に賛成すべきか反対すべきかという話題となり、最終的にB君が意見を変え、二人は意気投合した結果、A君が「B君、賛成投票の約束をしてくれてありがとう。うれしいから、今日は僕がおごるよ」と言ってB君の会計もしたとします。この場合、選挙では買収罪が成立しますが、国民投票では不可罰となります。
 もう一つは、いわゆる国民投票運動CMが投票期日の14日前から禁止されるという点です(国民投票法105条)。よく、スポットCMの禁止とも言われますが、国民投票法は番組のスポンサーとなるCM(タイムCM)とスポンサーとならないCM(スポットCM)を区別していないので、国民投票運動CMと呼ぶのが正確です。
 なぜ、「投票期日の14日前から禁止される」のか。国民投票法の基本的な考え方は、投票期日に賛成・反対双方のCM合戦が過熱すると、有権者が冷静な判断ができなくなってしまうおそれがあるので、それを避けるため、一定の「冷却期間」を置くということです。
 もう一つの理由付けとしては、CMとはもともと国民投票運動の手段としては高額なもので、資金力を持つ者が優位に立って、効果的に行うことができることから、賛成・反対の立場でCMの総量が偏在することがないよう、間接的な意味で、総量規制を及ぼす(一定期間、賛成・反対のCM総量をどちらもゼロとする)という点が挙げられます。
 「投票期日の14日前から禁止される」ことを反対に解すると、投票期日の15日前(の午後12時)までは許されることになります。また、冒頭で、国民投票運動は「勧誘」がキーワードであると述べましたが、賛成投票・反対投票の勧誘をその要素としないCMは、概念の上では国民投票運動CMではなくなるので、規制の網には掛からず、投票期日まで放送できるということになります。憲法改正案の内容に関して、一定の印象(プラス、マイナス)を与えるにとどめ、勧誘表現を直接含まない態様のものが挙げられます。
 仮に、憲法9条改正案(自衛隊明記案)が発議されていたとしたら、被災地でがれきの下に埋もれている子ども、お年寄りを救出する自衛隊員の姿を訴えるだけのCMは、投票期日14日前から投票期日までの間でも放送することができます(イメージとして説明しています)。賛成投票・反対投票の「勧誘」を要素としていないので、国民投票運動CMには該当しないからです。商品広告で多く採られている手法が(価格も示さなければ、「買って下さい」とも言わない)が、国民投票にも応用されるケースといえるでしょう。
(引用終わり)
 
マガジン9  南部さんの国民投票法講座 2018年4月18日 
第4回 国民投票広報協議会の役割とは?(南部義典)
(抜粋引用開始)
 個別に指摘しましたが、国民投票広報協議会が行う事務のいずれも(国民投票公報、憲法改正案広報放送、憲法改正案広報広告)、その詳細は決まっていません。どの政党(会派)も、公式に検討を始めたことさえありません。先例が何一つないことから、この点は非常に深刻なことです。
 法的には、国会が憲法改正の発議をすれば、その瞬間から国民投票運動は可能となります。国民が、賛成、反対の判断をするのには、国民投票広報協議会から発せられる各種の情報が頼りになります。国民投票運動が盛り上がろうとしているときに、国会側が広報のあり方を「これから考えます。しばしお待ちを」というのでは、時機を逸することは明らかです。本来、憲法改正の中身の話に深入りする前に、広報のあり方をどうするか、各党各会派で十分な合意を整えておくべきなのです。
 もう一つ、問題が残っています。選挙の際の政見放送、候補者経歴放送は、その期間中、同じ内容が流れ続けます。他方、国民投票は、期間が60〜180日間とかなり長いことから、同じ内容の広報放送が流れ続けたりすると、視ている有権者が飽きてしまったり、発議後に生じた新たな争点に対応できないなどの問題が生じます。国民投票運動期間の終盤で、役に立たない広報が続いては、国民投票そのものへの関心を薄めてしまいます。そこで、広報の内容を、期間の途中で変更することを検討すべきです。
(引用終わり)

自民党憲法改正推進本部・細田博之本部長ほか記者会見(2018年4月18日@日本記者クラブ)を是非じっくりと視聴しよう

 2018年5月2日配信(予定)のメルマガ金原No.3135を転載します。
 
自民党憲法改正推進本部・細田博之本部長ほか記者会見(2018年4月18日@日本記者クラブ)を是非じっくりと視聴しよう
 
 去る3月22日に開催された自民党憲法改正推進本部の全体会合で、憲法9条改正案につき、紆余曲折の末、細田博之本部長への一任が取り付けられたこと、及び細田氏が「有力」と考える案を踏まえた自民党の「改憲4項目条文案」(朝日新聞から引用)を、このブログでもご紹介しました(自民党改憲4項目が事実上まとまる~「安倍退陣」そして「安倍なき安倍改憲NO!」のために/2018年3月23日)。
 
 その3日後の3月25日には、自民党定期党大会が開かれましたので、22日の憲法改正推進本部で、まがりなりにも取りまとめられた改憲案が承認されるのかと思いましたが、さすがに間際すぎたのか、結局、以下のようになったようです(自民党定期党大会(2018年3月25日)で「改憲4項目」はどうなったのか?/2018年3月26日)。私のブログのまとめ部分を引用します。
 
(引用開始)
①二階幹事長による党務報告の中で、党憲法改正推進本部での意見集約の概要が報告されたが、条文案までは紹介されなかった。
②提案された運動方針には、改憲4項目は明示されたが、条文案までは示されなかった。
改憲4項目について「憲法審査会での幅広い合意形成を図るとともに、改正賛同者の拡大運動を推進する」という運動方針が採択された。
(引用終わり)
 
 もっとも、党大会資料など私の手許にありませんから、自民党ホームページに掲載された簡単なレポートや産経新聞の報道をもとにした推測ですから、あまり信用しないでください。
 
 ところで、それから後、自民党改憲案(条文案)はどうなったのかと思っていましたが、3月22日の憲法改正推進本部で取りまとめられたという「条文イメージ・たたき台素案」(9条に関しては一任を取り付けた細田本部長が有力としていた案)でとりあえず確定したことは間違いないようです。
 
 というのは、まことに遅ればせながらなのですが、自民党憲法改正推進本部の主要メンバー4人が、4月18日に日本記者クラブで会見を行っていたことに気がつき、会見の模様を視聴してみたところ、「条文イメージ・たたき台素案」の9条に関する部分については、3月22日段階で「有力案」と言われていたもの(後掲)で確定していました。
 
 そして、細田本部長の発言は回りくどく、何を言いたいのかよく分からぬ節もありますが、この「条文イメージ・たたき台素案」で、公明党日本維新の会希望の党(その後分党することになりましたが)などの党名を挙げた上で、既に各党に示したというのか、これから示す予定というのか判然としませんでしたが、協議に入っていきたいと述べています。
 
 全部で1時間ちょっとの会見なので、時間をやりくりして視聴することも難しくないと思いますので、特に「安倍9条会見NO!」3000万人署名に取り組んでおられる方には、是非じっくりとご覧になっていただきたいと思います。
 ちなみに、自民党憲法改正推進本部のホームページを見ても、いまだに、昨年12月20日の「憲法改正に関する論点整理を取りまとめ」が最新ニュースですから(やる気があるのだろうか?)、こちらの方で最新の動きをフォローすべく努力するしかありません。
 
 会見を通して視聴すれば、細田本部長が、何とかの一つ覚えの如く、多くの社会科の教科書に自衛隊違憲であるとの立場もあると書かれているのがけしからん(本当にそうなのか、私は知りませんが)ということを繰り返し、だから自衛隊明記が必要だと根拠付けていることが分かります。
 それ以外に言うことはないのか、と呆れることもできますし、一般国民にはこの台詞が案外効き目があるのかもしれないと警戒することもできます。自民党首脳の会見を真剣に視聴するというのは、なかなかに刺激的な経験です。
 
日本記者クラブ 自民党憲法改正推進本部 会見 2018.4.18(1時間13分)
冒頭~ 司会 倉重篤郎 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞
2分~ 総論 細田博之氏(自民党憲法改正推進本部本部長)
20分~ 各論 根本匠氏(自民党憲法改正推進本部事務総長)
38分~ 質問(倉重篤郎)⇒現在の政治状況の中で憲法9条改正という歴史的大事業ができるのか?
 39分~ 中谷元氏(自民党憲法改正推進本部本部長代理)
 45分~ 岡田直樹氏(自民党憲法改正推進本部本部長代理)
48分~ 質問(TBS金平)⇒自衛隊日報隠しが起きシビリアンコントロールが機能していない中で自衛隊を明記することについて
 49分~ 中谷元
51分~ 質問(TBS金平)⇒仮に総理が交代しても9条改憲は今の案のままでいくのか?
 52分~ 細田博之氏 
57分~ 「総理が替わっても同じなのか?という質問だが」と促されて、
 57分~ 細田博之氏「そこが問題でしてね」と話し始めて、若干のどよめきと笑い。
1時間01分~ 質問(共同通信)9条改憲案はフルスペックの集団的自衛権を認めるように読めるのではないか?
 1時間02分~ 中谷元
 1時間03分~ 細田博之
 1時間06分~ 根本匠
1時間07分~ 質問(倉重篤郎)今後のスケジールは?
 1時間08分~ 細田博之
 1時間11分~ 中谷元
1時間12分 最後に今日の揮毫(細田)「有備無憂(そなえあればうれいなし)」
会見リポートから引用開始)
あくまでも「たたき台」強調
 この日の会見には、自民党憲法改正推進本部の細田博之本部長以下4役がそろい踏みで、同本部がこのほどまとめた条文案を示しながら議論の経過を詳細に説明してくれた。細田氏は「この案はあくまでもたたき台」とした上で、今後衆参の憲法審査会の場で、この案を軸に各党との間で条文論争が活性化することに期待感を表明した。
 個々の条文案については様々な評価、疑問がある。そこも質疑したいところだが、まずは大状況として改憲が可能な政治状況なのかどうか。つまり、この森友加計問題で失速中の安倍晋三政権下で、憲法9条改正という歴史的大事業を成し遂げられるのか。
 そのへんを改憲4役はどう認識しているのか。司会の特権として、その質問から入った。誰もが聞きたい素朴な疑問だ、と思ったからだ。
 回答はそれぞれだったが、要は、疑惑解明も大切だが、日本の置かれた環境を考えると、憲法改正論議はより緊要であり、こういった与野党を超えた政治の大課題には政局を持ち込むべきではない、という建前論だった。
 ただ、果たしてそうか。政策遂行と政局とは無縁ではない。改憲といった「超政策」に至っては、ましてそうではないか。森友加計問題が日本の民主主義をどこまで毀損したか、ある意味憲法論議と無縁ではない、といった問題意識も伝わってこなかった。
 ただ、興味深い質疑もあった。「仮に首相が交代しても今の安倍首相案(1、2項はそのままにして9条2として自衛隊の存在を明記)のままか」という若干ひねった質問に対し、細田氏は「国民の理解が得られるギリギリの案。これが限界だ」と答えた。石破茂氏らの9条2項削除案を否定、首相の交代については肯定も否定もせず、であった。
企画委員 毎日新聞社専門編集委員  倉重 篤郎 
(引用終わり)
 
(参考資料)
自民の改憲4項目 条文イメージ・たたき台素案
 
[9条]
9条の2 前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。
2 自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
 
[緊急事態条項]
64条の2 大地震その他の異常かつ大規模な災害により、衆議院議員の総選挙又は参議院議員通常選挙の適正な実施が困難であると認めるときは、国会は、法律で(※「の」?)定めるところにより、各議院の出席議員の三分の二以上の多数で、その任期の特例を定めることができる。
 
73条の2 大地震その他の異常かつ大規模な災害により、国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情があるときは、内閣は、法律で(※「の」?)定めるところにより、国民の生命、身体及び財産を保護するため、政令を制定することができる。
2 内閣は、前項の政令を制定したときは、法律で定めるところにより、速やかに国会の承認を求めなければならない。
 
[合区解消]
47条 両義院の議員の選挙について、選挙区を設けるときは、人口を基本とし、行政区画、地域的な一体性、地勢等を総合的に勘案して、選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数を定めるものとする。参議院議員の全部又は一部の選挙について、広域の地方公共団体のそれぞれの区域を選挙区とする場合には、改選ごとに各選挙区において少なくとも一人を選挙すべきものとすることができる。
2 前項に定めるもののほか、選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。
 
92条 地方公共団体は、基礎的な地方公共団体及びこれを包括する広域の地方公共団体とすることを基本とし、その種類並びに組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める。
 
[教育]
26条 略 
2 略 
3 国は、教育が国民一人一人の人格の完成を目指し、その幸福の追求に欠くことのできないものであり、かつ、国の未来を切り拓く上で極めて重要な役割を担うものであることに鑑み、各個人の経済的理由にかかわらず教育を受ける機会を確保することを含め、教育環境の整備に努めなければならない。
 
89条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の監督が及ばない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

放送予告・NHKスペシャル「憲法と日本人~1949-64 知られざる攻防~」(2018年5月3日)~付・憲法調査会資料を国立公文書館デジタルアーカイブで読む  

 2018年5月1日配信(予定)のメルマガ金原No.3134を転載します。
 
放送予告・NHKスペシャル「憲法と日本人~1949-64 知られざる攻防~」(2018年5月3日)~付・憲法調査会資料を国立公文書館デジタルアーカイブで読む
 
 昨日のNNNドキュメントに続き、今日はNHKスペシャルのご紹介です。しかも、放映日は明後日(!)の憲法記念日という差し迫ったもの。今まで、ついうっかりNHKスペシャルの放送予定をチェックするのをさぼっていて、気がつくのが遅くなりました。
 とりあえず、番組案内を引用してみます。
 
NHK総合TV
2018年5月3日(木)午後8時00分~8時49分
NHKスペシャル「憲法と日本人~1949-64 知られざる攻防~」
(番組案内から引用開始)
憲法施行から71年。“現在”と同じように憲法改正をめぐる国民的議論が交わされた時代が、これまでに“1度”だけあった。GHQが憲法制定についての公式報告書を刊行した1949年から、政府の「憲法調査会」が憲法改正を棚上げする報告書を提出した1964年までの15年間である。今回、NHKはこの間に交わされた憲法論議に関する様々な一次資料を大量に発掘した。そこから見えてきたものは何か――。
発掘した様々な一次資料や当事者たちの貴重な証言から、この15年間の憲法論議に「現在の論点」が凝縮されていることが明らかになってきた。現在と同じく、現行憲法が「押しつけ」か否かという議論を経て「9条」「自衛隊」をどう取り扱うかに収斂されていくのである。番組では、知られざる15年の攻防を多角的に検証し、憲法をめぐる日本人の模索を見つめていく。
(引用終わり)
 
 上記ページに15秒の予告動画が埋め込まれており、いますので、文字起こししておきます。
 
「NHKスペシャル、憲法の施行から71年。新たに見つかった700点の貴重な資料から、現在の憲法論議の源流を探ります。総合、5月3日夜8時です。」
 
 番組案内ページには、3枚の写真が掲げられており、1枚が、1946年11月3日に公布された日本国憲法の公布文であることは分かります。
 
(引用開始)
 朕は、日本国民の総意に基いて、新日本建設の礎が、定まるに至つたことを、深くよろこび、枢密顧問の諮詢及び帝国憲法第七十三条による帝国議会の議決を経た帝国憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
(引用終わり)
 
 あとの2枚は、何かの会議風景、もう1枚は、右上に「極秘」という朱色のスタンプが押された文書の表紙で、タイトルは「改正憲法〇〇・・・」、本文1行目が「帝國政府が先に・・・」などと読めるようですが、正体は分かりません。
 
 わずか49分の番組の中で、700点の新資料をどう紹介するのか、番組のお手並み拝見といった心境です。
 
 なお、番組案内文でも触れられている政府の「憲法調査会」が収集した資料については、国立公文書館に保管されており、国立国会図書館憲政資料室が作成した「憲法調査会資料(MF:国立公文書館蔵)目録」で表題を知ることができ、そこに記載された「「国立公文書館請求番号」欄に記載の番号で国立公文書館デジタルアーカイブを検索することで閲覧することができる。」ようです。
 
憲法調査会資料(MF:国立公文書館蔵)目録
2013年9月 PDF作成
国立国会図書館憲政資料室
 
 ためしに、目録の4番目に記載されている「帝国憲法改正諸案及び関係文書(1)(憲資総9)」の「国立公文書館請求番号」が「憲00112103」ですので、国立公文書館デジタルアーカイブのトップページを開き、検索ボックスの中に「憲00112103」と入力して検索ボタンを押してみると、ぴったりこの文書が見つかり、「画像等」という欄の「閲覧」ボタンを押すと、上記文書の画像が現れました。目次に続く本文冒頭には、昭和21年1月4日に松本国務大臣が脱稿した「憲法改正私案」を骨子として要綱化され、2月8日、連合国最高司令部に提出された「憲法改正要綱」(いわゆる甲案)が掲載されています。さらにあとの方には、憲法改正草案が第90回帝國議会に付議された後、衆議院貴族院で行われた修正箇所を示す文書なども読むことができます。そして、これらの画像を一括ダウンロードすることもできます。
 
 実際にやってみると、実に簡単に検索できることが分かりました。
 国立国会図書館ホームページの中の「日本国憲法の誕生」コーナーで基礎知識を身につけた上で、憲法調査会資料目録で読みたい資料の国立公文書館請求番号を調べ、国立公文書館デジタルアーカイブのトップページから検索すれば、あっという間に資料の画像にたどり着けます。
 皆さんも是非やってみられることをお薦めします。
 もちろん、このような検証作業が出来るのも、公文書をしっかりと残すという意識を政府も国民もしっかりと持っていればこそです。

NNNドキュメント「焼却された機密文書(仮)」(2018年5月13日放送予定)に注目しよう

 2018年4月30日配信(予定)のメルマガ金原No.3133を転載します。
 
NNNドキュメント「焼却された機密文書(仮)」(2018年5月13日放送予定)に注目しよう
 
 まずは、5月13日(日)深夜に放送予定のNNNドキュメント'18の放送予告をお読みください。
 
日本放送系列
2018年5月14日(月)午前0時55分~(13日深夜)【拡大版】
NNNドキュメント'18「焼却された機密文書(仮)」
(番組案内から引用開始)
かつて日本が行った日中戦争や太平洋戦争。残された兵士のインタビューや一次資料を分析、さらに再現CGで知られる事のなかった戦場の全貌に迫る。政府の公式記録は、焼却されるなどして多くが失われた。消し去られた事実の重みの検証を試みるとともに現代に警鐘を鳴らす。【制作:日本テレビ
再放送   
2018年5月20日(日)11:00~ BS日テレ
2018年5月20日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24
(引用終わり)
 
 NHK/Eテレの「ETV特集」や毎日放送の「映像」と並び、私がいつも注目し、ブログでもよくご紹介している「NNNドキュメント」ですが、2週間後に放送される上記番組は、是非録画せねばと思っています。NNNドキュメントは、通常、コマーシャルを含めて30分枠での放送ですが、この番組は【拡大版】ということなので、おそらく1時間枠での放送ではないかと思います。
 
 私たちは、森友学園問題にからんで財務省によって組織的に行われた公文書改ざん問題に怒っている訳ですが、首相や首相夫人に対する「忖度」が許せないというようなレベルを超えて、ことの本質は、歴史に対する冒涜というところにあるはずです。
 
 そういう意味から、森友問題などとは比較にもならない(もちろん、森友学園公文書改ざん事件の重要性が低下する訳では決してありませんが)、1945年8月に日本政府によって組織的に行われた公文書抹殺作戦は、日本史上の一大汚点として、全ての国民が記憶にとどめる必要があります。
 
 日本政府は、中立国を通じ、ポツダム宣言受諾を連合国に通知した1945年(昭和20年)8月14日、国や自治体が保有する機密文書の廃棄を閣議決定したと言われています。
 ただし、後掲する神本美恵子参議院議員民進党)の質問主意書に対する内閣答弁書を読めば分かるとおり、1945年8月18日付・各市町村長宛「機密重要書類焼却ノ件」、8月21日付「大東亜戦争関係ポスター類焼却ノ件」という通達のように、後日、物証が残っていることが明らかになった(長野県東筑摩郡今井村役場(現松本市)の庶務関係書類綴の中から発見)ものでさえ、「政府内にこれらの事実関係を把握することができる記録が見当たらない」という木で鼻をくくったような回答であり、ましてや記録自体が残っていない「8月14日閣議決定」に至っては、「お尋ねの「本件閣議決定の内容」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではなく」というのが政府の公式見解です。
 
松本市文書館が保管する「東筑摩郡 今井村役場 庶務関係書類綴 昭和二十年」の写真が数枚、以下のブログ(季節の変化 活動の状況)に掲載されています。
 
 ポツダム宣言を受諾した鈴木貫太郎内閣、8月17日から政権を引き継いだ東久邇宮内閣は、この国をあげての組織的機密文書廃棄という歴史に対する犯罪について、大きな責任を負っていると思います。
 そういう意味からも、今度のNNNドキュメントには期待しています。
 是非視聴されますよう、お薦めします。
 
(参考)
第189回国会(常会)質問主意書
質問第二一八号
(引用開始)
一九四五年八月十四日の閣議に関する質問主意書
 
右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。
  平成二十七年七月二十九日
神本 美恵子   
                 参議院議長 山崎 正昭 殿
 
                  一九四五年八月十四日の閣議に関する質問主意書
 
 今年は戦後七十年ということで様々な歴史的検証が行われている。歴史を構成するのは、一つは記憶であり、もう一つは記録である。戦争を体験した人が減少する一方で、記録の重要性はこれ以後も増すことはあっても減少することはない。
 記録の第一のものは国家の持つものである。国家の統治行為、命令などを誰が、いつ、どのように発したかは極めて重要な歴史資料である。戦後七十年を経てなお続いている近隣諸国との歴史認識の溝を埋め、共通認識を得るために最重要な記録である。そこで質問する。
 
一 一九四五年八月十四日の閣議(以下「本件閣議」という。)の内容、出席した閣僚名、場所、時刻を明らかにされたい。
 
二 本件閣議決定の内容はどのように実行に移されたか、明らかにされたい。
 
三 一九四五年七月二十六日に出された「ポツダム宣言」は第十項で「吾等ノ俘虜ヲ虐待セル者ヲ含ム一切ノ戦争犯罪人ニ対シテハ厳重ナル処罰加ヘラルヘシ」としているが、この項目の内容と本件閣議の関連について明らかにされたい。
 
四 一九四五年八月十五日以前から、軍部、政府関係機関では公文書の焼却が大量に何日間も行われたが、この焼却行為の法的根拠を示されたい。
 
五 政府は一九四五年八月十八日に各市町村長に宛て「機密重要書類焼却ノ件」を、八月二十一日に「大東亜戦争関係ポスター類焼却ノ件」という通達を出した。これらの通達の法的根拠をそれぞれ示されたい。
 
六 「機密重要書類焼却ノ件」と「大東亜戦争関係ポスター類焼却ノ件」の二つの通達は、通達そのものの棄却までも命じている。このような組織的な証拠隠滅行為を国家が行うことをどのように判断すればよいか、政府の見解を明らかにされたい。
 
七 本件閣議及び前記五の通達について、これまで国会で議論されたことがあるか否か、あった場合にはその内容につき、政府の承知するところを示されたい。
 
八 極東国際軍事裁判では、本件閣議決定に関する言及がなされたか否か、政府の承知するところを示されたい。
 
九 これまで政府は、戦後賠償問題や戦時・戦後補償問題で各国と交渉した際、本件閣議決定や各種通達について各国に説明したことがあるか否か示されたい。
 
十 本件閣議決定とそれによる行為は近代国家として許されざる卑怯・卑劣なことである。また、当時の軍事・政治指導者が自分たちが裁かれるのを防ぐため政策決定の重要資料を全て焼却するというのは、その時代の国民に対して責任を負うつもりがないこと、さらに、歴史上の判断を仰ぐ意思もないことを示している。戦後七十年の今、これらをどう評価、判断するのか、政府の見解を明らかにされたい。
 
  右質問する。
(引用終わり)
 
第189回国会(常会)
答弁書第二一八号
(引用開始)
内閣参質一八九第二一八号 平成二十七年八月七日
内閣総理大臣 安倍 晋三   
                   参議院議長 山崎 正昭 殿
参議院議員神本美恵子君提出一九四五年八月十四日の閣議に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
 
参議院議員神本美恵子君提出一九四五年八月十四日の閣議に関する質問に対する答弁書
 
一について
 お尋ねの昭和二十年八月十四日の閣議で決定した案件としては、現在確認できる範囲では、詔書案(終戦詔書案)、内閣告諭、塩ノ専売ニ関スル事務ノ委譲ニ関スル件、詔書喚発ニ際シ恩赦奏請ノ件、軍其他ノ保有スル軍需用保有物資資材ノ緊急処分ノ件、外地、満州支那ニ所在スル生産設備等ニ対シ破壊行為ヲ厳禁スル件及び外務省所管赤十字国際委員会特別寄附金第二予備金ヨリ支出ノ件がある。
 また、お尋ねの「出席した閣僚名、場所、時刻」については、資料を確認することができず、お答えすることは困難である。
 
二について
 お尋ねの「本件閣議決定の内容」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難である。
 
三について
 お尋ねの「本件閣議」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難である。
 
四について
 お尋ねの「焼却行為の法的根拠」について、調査した限りでは、政府内に確認することができる記録が見当たらないことから、お答えすることは困難である。
 
五及び六について
 お尋ねの各市町村長に宛てた「機密重要書類焼却ノ件」及び「大東亜戦争関係ポスター類焼却ノ件」について、調査した限りでは、政府内にこれらの事実関係を把握することができる記録が見当たらないことから、お尋ねについてお答えすることは困難である。
 
七について
 お尋ねの「本件閣議」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、お尋ねの各市町村長に宛てた「機密重要書類焼却ノ件」及び「大東亜戦争関係ポスター類焼却ノ件」について、国会において言及がなされているものとしては、現在確認できる範囲では、平成二十五年十二月五日の参議院国家安全保障に関する特別委員会における質疑があると承知している。
 
八及び九について
 お尋ねの「本件閣議決定」及び「各種通達」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではなく、お尋ねについてお答えすることは困難である。
 
十について
 お尋ねの「本件閣議決定とそれによる行為」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、「当時の軍事・政治指導者が自分たちが裁かれるのを防ぐため政策決定の重要資料を全て焼却」したことについては、調査した限りでは、政府内に事実関係を把握することができる資料が確認できないことから、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。
(引用終わり)

「立憲デモクラシー講座・第Ⅲ期」第4回・上西充子氏(法政大学キャリアデザイン学部教授)「働き方改革という策略―裁量労働制と高度プロフェッショナル制度をめぐって」のご紹介

 2018年4月29日配信(予定)のメルマガ金原No.3132を転載します。
 
「立憲デモクラシー講座・第Ⅲ期」第4回・上西充子氏(法政大学キャリアデザイン学部教授)「働き方改革という策略―裁量労働制と高度プロフェッショナル制度をめぐって」のご紹介
 
 立憲デモクラシーの会による立憲デモクラシー講座も第Ⅲ期となり、第Ⅱ期までとは相当に変化が見られるようになりました。
 端的に言えば、従来は、「立憲デモクラシー」に直接間接に関わるテーマについて、政治学憲法学の研究者が語るというのが基本であったのに対し、第Ⅲ期に入ってからは、テーマが(もちろんそれにつれて講師の顔ぶれが)かなり多彩になってきました。第Ⅲ期のテーマと講師を、予告されている第5回まで列挙してみます。
 
第1回 山口二郎氏(法政大学教授)、佐々木寛氏(新潟国際情報大学教授)、柿崎明二氏(共同通信社
 市民連合と選挙政治-到達点と課題
第2回 本田由紀氏(東京大学大学院教授)
 家族に干渉する国家―家庭教育支援法案を中心に
第3回 石田淳氏(東京大学大学院総合文化研究科教授)
 安全保障のディレンマと立憲デモクラシー
第4回  上西充子氏(法政大学キャリアデザイン学部教授)
 働き方改革という策略―裁量労働制と高度プロフェッショナル制度をめぐって
第5回 丹羽宇一郎氏(元伊藤忠商事会長、元駐中国大使)
 戦争に近づくな
 
 このように、第Ⅲ期に入ってから、テーマや講師の幅が目に見えて広がっている一方、「立憲デモクラシー」のコアの部分については、新たにデモクラシー・チャンネルと提携した動画版(YouTube版)立憲デモクラシー講座が始まりましたので、講演版と動画版が相互補完関係にあると考えることもできます。動画版は、今まで5人の講師が登場されました。
 
1人目 山口二郎氏(法政大学教授・政治学
2人目 杉田敦氏(法政大学教授・政治学
3人目 長谷部恭男氏(早稲田大学教授・憲法学)
4人目 石川健治氏(東京大学教授・憲法学)
5人目 石田英敬氏(東京大学教授・記号論
 
 それから、第Ⅱ期までの立憲デモクラシー講座は、大学有志の会などが協力することはあっても、主催は立憲デモクラシーの会であったと思いますが、第Ⅲ期では、
 
第3回 主催 立教大学文学研究科比較文明学専攻
第4回 主催 早稲田大学メディア・シティズンシップ研究所
 
に、立憲デモクラシーの会が「協力」という立場で関わるという風に、主催団体の面からも多様性が模索されています。
 
 以上のような第Ⅲ期の流れの中で、昨日(4月27日)、第4回の立憲デモクラシー講座が開かれました。
 
憲デモクラシー講座 第Ⅲ期 第4回
タイトル:「働き方改革という策略―裁量労働制と高度プロフェッショナル制度をめぐって」
講師:上西充子氏(法政大学キャリアデザイン学部教授・労働問題)
日時:2018年4月27日(金)19:00~20:40(18:30開場)
場所:大隈小講堂(大隈講堂地下1階、300人収容)
主催:早稲田大学メディア・シティズンシップ研究所
協力:立憲デモクラシーの会 、安保関連法の廃止を求める早稲田大学有志の会
 
 おさらいをしておくと、今年の4月6日に、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」が内閣から衆議院に提出されたものの、審議入りできていませんでしたが、野党の審議拒否が続く中、昨日、審議入りしたとのニュースが伝えられています。
 
日本経済新聞 2018/4/27 20:00
働き方改革法案が審議入り
(引用開始)
 安倍晋三首相が今国会の最重要法案と位置づける働き方改革関連法案が27日の衆院本会議で審議入りした。残業時間を年720時間までに抑える上限規制や一部専門職を労働時間の規制から外す「脱時間給制度」の創設などを導入する内容。審議拒否を続ける野党は同制度の削除を求めており、制度の扱いが最大の焦点になる。
 法案にはこのほか正規と非正規で不合理な待遇差をなくす「同一労働同一賃金」の実現も盛り込んだ。安倍首相は衆院本会議で「成立に向け政権として全力を傾注していく」と強調した。
 焦点は脱時間給制度の扱いだ。政府は適用者に年104日以上の休日義務付けなどの措置を設けたが、野党は「残業代ゼロ制度」と徹底抗戦の構えをみせる。
 政府・与党は6月20日までの会期中に成立させるため、審議を急ぐ考えだ。一方、立憲民主党など主な野党は麻生太郎財務相の辞任などを求め審議拒否を続けている。
 法案に盛り込まれるはずだった裁量労働制の対象拡大は、厚生労働省の調査に不適切なデータが見つかり撤回された。
(引用終わり)
 
 なお、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」というのは、労働基準法以下36(私の数え間違いでなければ)の法律の一括改正法案です。
 
法律案新旧対照条文
法律案要綱
 
 情勢はまことに流動的というしかありませんが、そもそも何が問題なのかという基本的なところをしっかりと認識するためにも、上西充子教授による講義をしっかりと聴講しましょう。
 今回もいつものように、UPLAN(三輪祐児)さんによる中継動画がアップされていますので、ご紹介します。
 
20180427 UPLAN 上西充子「働き方改革という策略―裁量労働制と高度プロフェッショナル制度をめぐって」(1時間40分)
冒頭~ 山口二郎氏(立憲デモクラシーの会共同代表、法政大学教授)
2分~ 上西充子氏(法政大学キャリアデザイン学部教授・労働問題)
1時間04分~ 質疑応答
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/立憲デモクラシー講座)
2015年11月15日
佐々木惣一が発見した「国民の存在権」(憲法13条)と自民党改憲案~石川健治東大教授の講義で学ぶ(11/13立憲デモクラシー講座 第1回)
2015年12月12日
山口二郎法政大学教授による「戦後70年目の日本政治」一応の総括~12/11立憲デモクラシー講座 第3回)
2016年1月8日
中野晃一上智大学教授による「グローバルな寡頭支配vs.立憲デモクラシー」~1/8立憲デモクラシー講座第4回)
2016年1月31日
杉田敦法政大学教授による「憲法9条の削除・改訂は必要か」~1/29立憲デモクラシー講座 第5回)
2016年3月28日
立憲デモクラシー講座第6回(3/4三浦まり上智大学教授)と第7回(3/18齋藤純一早稲田大学教授)のご紹介
2016年4月11日
立憲デモクラシー講座第8回(4/8)「大震災と憲法―議員任期延長は必要か?(高見勝利氏)」のご紹介(付・『新憲法の解説』と緊急事態条項)
2016年4月25日
立憲デモクラシー講座第9回(4/22)「表現の自由の危機と改憲問題」(阪口正二郎一橋大学教授)」のご紹介(付・3/2「放送規制問題に関する見解」全文)
2016年5月15日
立憲デモクラシー講座第10回(5/13)「戦争化する世界と日本のゆくえ」(西谷修立教大学特任教授)のご紹介
2016年6月16日
立憲デモクラシー講座第11回(6/3石田英敬東京大学教授)と第12回(6/10岡野八代同志社大学大学院教授)のご紹介
2016年10月22日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅱ期」スタート~第1回・白藤博行専修大学教授「辺野古争訟から考える立憲地方自治」(10/21)のご紹介
2016年11月21日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅱ期」第2回・木村草太首都大学東京教授「泣いた赤鬼から考える辺野古訴訟」は視聴できないけれど
2016年12月17日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅱ期」第3回・五野井郁夫高千穂大学教授「政治的リアリズムと超国家主義丸山眞男の国際政治思想から現代世界を読む」のご紹介
2017年1月16日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅱ期」第4回・山口二郎法政大学教授「民主主義と多数決」のご紹介
2017年3月11日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅱ期」第5回・青井未帆学習院大学教授「裁判所の果たす役割~安保法制違憲国家賠償請求訴訟を題材に」のご紹介
2017年5月5日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅱ期」第6回・石川健治東京大学教授「天皇と主権 信仰と規範のあいだ」のご紹介
2017年6月29日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅱ期」第7回・島薗進上智大学特任教授&石川健治東京大学教授「教育勅語―なにが問題か:天皇・軍隊・人間」のご紹介
2017年12月17日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅲ期」第1回・山口二郎氏、佐々木寛氏、柿崎明二氏「市民連合と選挙政治-到達点と課題」のご紹介
2018年1月30日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅲ期」第2回・本田由紀氏(東京大学大学院教授)「家族に干渉する国家―家庭教育支援法案を中心に」のご紹介
2018年3月3日
「立憲デモクラシー講座・第Ⅲ期」第3回・石田淳氏(東京大学大学院総合文化研究科教授)「安全保障のディレンマと立憲デモクラシー」のご紹介
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/YouTube版・立憲デモクラシー講座)
2018年2月18日
YouTube版・立憲デモクラシー講座が始まった~第1回(山口二郎氏)、第2回(杉田敦氏)、第3回(長谷部恭男氏)のご紹介
2018年3月12日
YouTube版・立憲デモクラシー講座第2回「立憲政治とは何か」(杉田敦法政大学教授)のご紹介~【音声改良版】再アップ
2018年3月14日
YouTube版・立憲デモクラシー講座に石川健治東京大学教授(憲法学)が登場~しかも3回分(第4回~第6回)の「大河」講義
2018年4月6日
YouTube版・立憲デモクラシー講座・第7回「「メディアと政治」を考える」(石田英敬東京大学教授)を視聴する

前川喜平氏、寺脇研氏、堀内秀雄氏「これからの日本 憲法と教育の危機」(青年法律家協会和歌山支部)に1,500人!~天の時・地の利・人の和

 2018年4月28日配信(予定)のメルマガ金原No.3131を転載します。
 
前川喜平氏寺脇研氏、堀内秀雄氏「これからの日本 憲法と教育の危機」(青年法律家協会和歌山支部)に1,500人!~天の時・地の利・人の和
 
 昨日(4月27日)午後6時から、和歌山県民文化会館大ホールで開かれた青年法律家協会和歌山支部主催による「憲法を考える夕べ2018 これからの日本 憲法と教育の危機」に、約1,500人の市民の皆さまにおいでいただくことができました。キャパ2,000の会場に変更しましたので、席にはまだ余裕がありましたが、それでも、和歌山でのこの種の企画に1,500人というのは、近来にない快挙(!?)と言ってはばかりません。青年法律家協会和歌山支部の企画としては、空前にしてかつ絶後であることは間違いないでしょう。
 それにしても、4月4日から5日にかけて、会場を当初予定していたキャパ360の和歌山県勤労福祉会館プラザホープ4階ホールから和歌山県民文化会館大ホールに変更する決断をして本当に良かったと、主催者(だけではありませんが)全員、胸をなでおろしました。
 懸念したとおり、会場変更を知らずにプラザホープの方に行かれた方も20人程度おられたようですが、車やバイクで来られた方には、プラザホープに待機した青法協会員や学生アルバイト(お願いしました)から会場変更をご説明して県民文化会館に向かっていただき、公共交通機関を使って来られた方については、青法協がチャーターしたタクシーで県文にお送りしましたので、参加しようと思っていたのに参加出来なかったという方は、幸いにもおられなかったと思います。
 プラザホープの方に行かれる方がこの程度の人数で済んだのは、青法協としても、全国紙和歌山版に「急告」を出稿するなどの努力はしましたが、会場変更の告知を周囲の方に広めてくださった、多くの皆さま方のご協力のたまものと感謝しております。

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  さて、第1部の前川喜平さん、寺脇研さんによるダブル講演、第2部の堀内秀雄さん(和歌山大学名誉教授)をコーディネーターに迎えたディスカッションの内容はどうだったのかということですが、何を言うにも、私は主催団体(青年法律家協会和歌山支部)の一員として、大半の時間をロビーや舞台袖などを行ったり来たりしており、少しまとまってお話を伺ったのは、第2部ディスカッションの冒頭から約1/3の部分と終わりの方を少し、1階客席の後方に立って聴かせていただいただけなので、全体的な感想は、以下にご紹介する小谷英治さんによる全編動画を視聴してからにしたいと思います。
 ただ、多くの方から、「非常に満足した」、「勇気付けられた」、「感動した」という声を伺っていますし、私自身が場内で確認したことですが、第2部のディスカッションは、限られた時間の中で、堀内先生の名コーディネーターぶりが遺憾なく発揮され、とても充実して引き込まれる内容であったと思います。

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 それでは、以下に、小谷英治さんによる動画をご紹介しますが、会場の音声をそのまま収録した音声レベルが低いため、耳をそばだてて聴いていただく必要があることはお断りしておかねばなりません。実は、数多くYouTubeにアップされている前川さん講演会やシンポの録音を聴いていると気がつくのですが、他の方に比べて、前川さんの発言が聴き取りにくいと感じる動画に時々ぶつかります。どうも、前川さんが、口許からかなり離れた位置にマイクを持つ癖があるのも一因ではないかと思います。
 動画の1時間33分~、第2部の冒頭で堀内先生が、「先ほど司会者から、『声が小さいので大きな声でしゃべってください』、『ゆっくりしゃべってください』という情報がありましたので、出来るだけそれに沿いたいと思います」と仰っているのは、第1部終了後、聴衆の一部から、そのような苦情が寄せられたのだと聞いています。実際、堀内先生の発言が最も聴き取りやすいのは、意識的に、マイクを口許に近づけて発言するようにされているからだろうと思います。
 まあ、会場の位置によっては、聞こえ方にかなり相違があるのは、どこの会場でもありがちなことではあるのですが、県文大ホールの音響設備の性能も関係しているのかもしれません。
 というような事情から、聴き取りにくい箇所もあろうと思いますが、行きたいけど行けなかったという方には、是非視聴していただければと思います。
 
これからの日本 憲法と教育の危機20180427(2時間34分)
 
 なお、以下には、記録として残すため、今回の企画に関わる文書を3点ばかり掲載しておきます。
 まず最初は、4月6日に発信したプレスリリースです。
 
(引用開始)
                             (プレスリリース/2018年4月6日)
報 道 機 関  各位
                            青年法律家協会和歌山支部
                              支部長 丸 山   哲
                              (広報担当)
                              弁護士 金 原 徹 雄   
 
                      青法協憲法記念行事・憲法を考える夕べ
                       「これからの日本 憲法と教育の危機」
                               開 催 の お 知 ら せ
 
 拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
私たち青年法律家協会和歌山支部は、憲法を擁護し平和と民主主義および基本的人権を守ることを目的に1967年に設立され、1984年以降は、市民の皆さまとともに憲法を考えるための記念行事を毎年開催してきており、今年は、来る4月27日(金)午後6時から、「これからの日本~憲法と教育の危機~」というテーマで、元文部官僚の前川喜平氏寺脇研氏にご講演いただくとともに、第2部では、堀内秀雄氏(和歌山大学名誉教授)をコーディネーターとしてディスカッションを行い、議論を深めていただこうと考えています。
 非常に有意義な企画と確信しておりますので、1人でも多くの方にご参加いただきたく、是非、事前告知及び取材・報道をお願いしたいと存じます。
 なお、本企画は、当初、和歌山県勤労福祉会館プラザホープ4階ホールで開催する旨告知しておりましたが、全国各地での前川喜平氏講演会に主催者の予想をはるかに超える聴衆が詰めかけている状況や、当支部への問い合わせの件数、内容などから考え、とても予定した会場では収容しきれず、大混乱を招きかねないと判断し、急遽、和歌山県民文化会館大ホールに会場を移すことと致しました。その間の事情については、別紙として添付しました会場変更についての「緊急のお知らせ」をご参照ください。
 報道機関各社におかれましては、会場が変更されたことも含め、企画の告知にご協力いただけましたらまことに幸甚に存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。 敬具
 
                                      記
日時 2018年4月27日(金)午後6時00分~(開場5時30分)
        ※状況により、開場を早める場合があります。
会場 和歌山県民文化会館大ホール
     和歌山市松原通一丁目1番地 電話:073-436-1331
内容 第1部
     講演① 前川喜平氏(前文部科学事務次官
     講演② 寺脇 研氏(京都造形芸術大学教授、映画評論家)
    第2部 ディスカッション
     前川喜平氏寺脇研
     コーディネーター 堀内秀雄氏(和歌山大学名誉教授) 
入場無料、予約不要
主催 青年法律家協会和歌山支部
連絡先 あすか綜合法律事務所(豊田泰史) 電話073-433-3980 
(引用終わり)
 
 次は、昨日、会場受付で来場者に配布した資料です。講師によるレジュメはなかったのですが、式次第と青法協とは何かを説明する文章くらい来場者に配布した方が良いのではないか、それに、配布物を用意すれば、その残部を数えることによって、正確な来場者数を把握できるということで、用意することにしたものです。
 この文書自体は、開催日の1週間前に私が作成したものですが、特に、「青年法律家協会和歌山支部 憲法記念行事の歩み」については、一朝一夕で書ける訳がなく、実のところ、青法協和歌山支部会員の畑純一弁護士が数年前に、過去の憲法記念行事のチラシを網羅的に収集し、これをPEF化するとともに、それに基づいた一覧表(これは途中の2004年開催分まででしたが)を作っていたと聞いていたので、そのデータを送ってもらい、手直しや補充を加えて完成させたものです。これを書き上げて私の脳裏に去来したのは、「人に歴史あり、団体にも歴史あり」ということでした。
 
(引用開始)
                              青法協憲法記念行事
                          ~憲法を考える夕べ 2018~
                         これからの日本 憲法と教育の危機
 
日時 2018年4月27日(金)午後6時00分~(閉会8時30分頃予定)
場所 和歌山県民文化会館 大ホール(和歌山市松原通1丁目1) 
主催 青年法律家協会和歌山支部
 
[内容]
 第1部 基調講演
  講演① 前 川 喜 平(まえかわ・きへい)氏
         前文部科学事務次官
  講演② 寺 脇   研(てらわき・けん) 氏
         京都造形芸術大学教授、映画評論家
         NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター
 第2部 ディスカッション
  前 川 喜 平 氏
  寺 脇   研 氏
 コーディネーター 
  堀 内 秀 雄(ほりうち・ひでお)氏(和歌山大学名誉教授)
 
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                                青年法律家協会とは
 
 青年法律家協会は、1954年、憲法を擁護し平和と民主主義および基本的人権を守ることを目的に、若手の法律研究者や弁護士、裁判官などによって設立された団体です。現在は、弁護士と研究者によって構成される弁護士学者合同部会と、司法修習生の各期部会、法科大学院生部会があります。弁学合同部会の会員数は約2500名、法律家の任意団体としては最も幅広い層が参加し、人権活動と情報ネットワークの場となっています。
 
              青年法律家協会【設立趣意書】(1954年 設立総会)
 
「平和」 それは、つねに人類の渇望してやまないものであります。もっとも貴重な青春の数年間をあの太平洋戦争の渦中ですごしこの戦争で多くのすぐれた先輩、友人をうしなったわたくしたちは特に平和にたいして強い関心を持っております。
「民主主義」 これこそ平和をまもるとりでであります。民主的諸制度の否定されるところに自由もなければ人権もなく、自由と人権のないところに戦争の暗いかげがさしこむことをわたくしたちは身を以て体験しました。戦争から敗戦の過程をへて、わたくしたちはあまりにも多くのものをうしないましたが、その高価な代価をはらって、ようやく平和と民主主義の原則を獲得しました。平和と民主主義を標ぼうする日本国憲法はこのようにして、制定されたものであると考えます。
 ところが、その後何年もたたないうちに、再軍備が課題となり、これと関連して思想、言論、集会、結社の自由や団体行動の自由がふたたび否定しさられようとしています。もしもこのまま自由と人権が否定されていくならば、またあの暗い時代がくることはだれがみてもあきらかでありましょう。
 わたくしたちは、おなじ時代にそだった人間としてすべての政治的立場をはなれて、なお共通の考えと立場をもつことが多く、また法律家としては、その職能をとおして、憲法を擁護する権利と義務と責任をもっております。わたくしたち全国の若い法律家があつまって平和と民主主義をまもる会を設立しようとしているのはこのような趣旨であります。
                                       
                         青年法律家協会和歌山支部について
 
私たち青年法律家協会和歌山支部は、憲法を擁護し平和と民主主義および基本的人権を守ることを目的に1967年に設立され、その主要な行事として、1984年以降、市民の皆さまとともに憲法を考えるため、講演会等の記念行事を毎年開催してきており、今年が第35回となります。これまでの憲法記念行事の内容を以下にご紹介致します。今後とも、当支部主催の憲法記念行事へのご参加をよろしくお願い致します。
                                       
                  青年法律家協会和歌山支部 憲法記念行事の歩み
 
第1回 1984年5月2日 紀の国会館
テーマ 現代における平和とは 
講演「憲法9条を巡る今日的課題」 川口 是氏(元京都大学教授)
講演「軍拡と核兵器の現状」 長谷邦彦氏(毎日新聞記者・大阪本社社会部)
 
第2回 1985年5月2日 紀の国会館
テーマ こどもたちの輝ける未来のために 憲法と青少年の権利を考える夕べ
講演「少年非行の訴えるものーその受けとめ方と少年の人権」 
    能重真作氏(東京都荒川区立第四中教師)
映画「核戦争後の地球」(製作NHK)
 
第3回 1986年5月2日 紀の国会館
テーマ いま子どもたちが訴えるもの いじめ・体罰と教育の現状
講演「子どもの人権と体罰」 室井 修氏(和歌山大学教授)
講演「教育現場からみたいじめ・体罰の現状」 瀧川洋士氏(高野口中学校教諭)
 
第4回 1987年4月30日 紀の国会館
テーマ 日本国憲法施行40周年 いま、憲法の原点へ・・・『国家機密法』と国民の知る権利を考える夕べ
映画「武器なき敵」(1941年作品)
講演「くらしの中の憲法」 寿岳章子氏(前京都府立大学教授)
 
第5回 1988年4月28日 紀の国会館
テーマ いま、言えていますか、言うべきことを。言論の自由こそ民主主義のかなめ
講演「天皇報道を考える」 西山清雄氏(民法労連役員)
講演「この道はいつかきた道」 早乙女勝元氏(作家)
 
第6回 1989年4月27日 紀の国会館
テーマ あなたが国の主権者です!私たちはいま、本当に国の主人公になっているでしょうか
講演「天皇制とその歴史的責任」 大江志乃夫氏(茨城大学教授)
講演「天皇制とキリスト教」 辻 宣道氏(日本キリスト教団静岡草深教会牧師)
 
第7回 1990年4月27日 紀の国会館
テーマ 「女性の人権」を考える夕べ 真の男女平等を求めて 就職差別、賃金格差、「〇〇家の嫁」、セクシャル・ハラスメント、性の商品化・・・本当の男女平等とは何かを考えてみましょう。
講演「真の男女平等を求めて」 松尾道子氏(弁護士)
講演「性風俗産業と女性の人権」 兼松左知子氏(婦人相談員)
 
第8回 1991年5月2日 紀の国会館
テーマ いま再び平和を問う!
映画「タイコンデロンガのいる海」
講演「自衛隊の実態と海外派兵」 神浦元彰氏(軍事ジャーナリスト)
 
第9回 1992年4月30日 紀の国会館
テーマ 高齢化社会を考える夕べ 「ねたきり老人」のいない社会をめざして!
講演「「寝たきり老人」のいない社会をめざして!」岡本祐三氏(阪南中央病院内科医長)
ビデオ「豊かな老後への挑戦-デンマークからの報告-」(製作NHK)
 
第10回 1993年4月30日 紀の国会館
テーマ 民主主義と政治腐敗構造を考える夕べ
講演「日本の構造的政治腐敗」 立花 隆氏(政治評論家)
ビデオ「こんな政治でいいのか~いつまで続く金権腐敗」
 
第11回 1994年4月28日 紀の国会館
テーマ 心にひびく憲法を考える夕べ 人が人に手をさしのべ瞳と瞳がみつめあい・・・
講演「自然・子ども・家族-国際家族年に寄せて-」 灰谷健次郎氏(作家)
 
第12回 1995年4月28日 紀の国会館
テーマ 憲法国際貢献
パネルディスカッション 和田 俊氏(朝日新聞編集委員)、木村晋介氏(弁護士)、重栖 隆氏(ニュース和歌山編集長)、小畑 郁氏(金沢大学法学部助教授)、汐見 恵氏(主婦)
 
第13回 1996年5月2日 和歌山市民会館市民ホール
テーマ いま沖縄から
講演「日本国憲法公布50年ー沖縄の視点から」 新崎盛暉氏(沖縄大学教授)
 
第14回 1997年5月2日 紀の国会館
テーマ 情報公開 僕はそのことが知りたい・・・
講演 清水 勉氏(弁護士)
講演 松浦米子氏(大阪市オンブズマン代表)
 
第15回 1998年5月1日 和歌山市民会館市民ホール
テーマ 国民主権の形骸化の現状と実質化への道 
講演「中坊公平 国民主権を語る」 中坊公平氏(元日弁連会長)
 
第16回 1999年5月3日 和歌山市民会館市民ホール
テーマ 人権と報道 被害者が犯人に 覚えていますか?松本サリン事件
講演 河野義行氏(会社員・松本サリン事件被害者)
講演 浅野健一氏(同志社大学教授)
 
第17回 2000年4月28日 アバローム紀の国
テーマ どう変える日本の裁判所
映画「日独裁判官物語」
講演「日本の裁判官の実態」 安倍晴彦氏(元裁判官)
講演「日本の司法の問題点と市民による司法改革」 高見澤昭治氏(弁護士)
 
第18回 2001年4月27日 和歌山市民会館市民ホール
テーマ 次の世代に負の遺産を残さないで!!
講演「日本の廃棄物 その問題点と方向」 藤永延代氏(おおさか市民ネットワーク代表)
 
第19回 2002年5月2日 アバローム紀の国
テーマ 憲法の平和主義・日本の進路 21世紀の日本の役割を問う
講演 浅井基文氏(明治学院大学国際学部教授・元駐英公使等)
 
第20回 2003年5月2日 アバローム紀の国
テーマ 憲法から平和を考える―激動する世界をどう見るか
講演 水島朝穂氏(早稲田大学法学部教授)
 
第21回 2004年4月28日 アバローム紀の国
テーマ 北東アジアから日本を世界をみる
講演 車 圭根氏(韓国弁護士)
 
(番外) 2004年7月2日 和歌山県民文化会館小ホール
テーマ イラクの現在これからの日本 イラクから平和を考える
講演「イラクの現在これからの日本」 郡山総一郎氏(フォト・ジャーナリスト)
 
第22回 2005年4月28日 和歌山県民文化会館小ホール
テーマ 酒井啓子氏 イラク戦争を見る
講演「イラク戦争と日本」 酒井啓子氏(アジア経済研究所)
 
第23回 2006年4月28日 和歌山県民文化会館小ホール
テーマ 靖国問題憲法
講演 高橋哲哉氏(東京大学大学院総合文化研究科教授)
 
第24回 2007年4月27日 和歌山市民会館小ホール
テーマ 平和を目指して9条の実践―基地の島沖縄から
講演 糸数慶子氏(前参議院議員
 
第25回 2008年4月25日 和歌山県民文化会館小ホール
テーマ 最新映像で見るイラク戦争―戦争現場から9条を考える
講演 西谷文和氏(フリージャーナリスト、「イラクの子どもを救う会」代表)
 
第26回 2009年4月28日 和歌山県民文化会館小ホール
テーマ 平和と平等をあきらめない
講演 斎藤貴男氏(フリージャーナリスト)
 
第27回 2010年4月28日 和歌山県民文化会館小ホール
テーマ 懸命に生きる人々~日本人こそアジアの人々から学んで欲しい~
講演 池間哲朗氏(NPO法人アジアチャイルドサポート代表理事
 
第28回 2011年4月28日 和歌山県勤労福祉会館プラザホープ4階ホール
講演 伊波洋一氏(前宜野湾市長)
 
第29回 2012年4月27日 和歌山県勤労福祉会館プラザホープ4階ホール
テーマ 放射能汚染の時代~3.11後の世界をどう生きるか~
講演 今中哲二氏(京都大学原子炉実験所助教
 
第30回 2013年4月26日 和歌山県民文化会館小ホール
テーマ 戦後日本外交の歴史と展望~自主と追随の戦い~
講演 孫崎 享氏(元外交官、元防衛大学校教授)
 
第31回 2014年4月25日 和歌山県民文化会館小ホール
テーマ 集団的自衛権のトリックと安倍改憲
講演 半田 滋氏(東京新聞論説兼編集委員
 
第32回 2015年4月29日 和歌山県勤労福祉会館プラザホープ4階ホール
テーマ 学び続ける自由と民主主義~不安の時代に抗して
講演 山本健慈氏(和歌山大学前学長)
座談会「民主主義の危機を克服するために」 山本健慈氏、花田惠子氏(9条ネットわかやま共同代表)、金原徹雄(弁護士)、岡 正人(弁護士・司会)
 
第33回 2016年4月30日 和歌山県勤労福祉会館プラザホープ4階ホール
テーマ 違憲無効な安保法制にどう立ち向かうか~法律施行という状況をふまえて~
講演 青井未帆氏(学習院大学法科大学院教授)
 
第34回 2017年4月28日 和歌山県民文化会館小ホール
テーマ 市民の力で立憲民主主義を創る~他者性を踏まえた連帯の可能性~
講演 中野晃一氏(上智大学国際教養学部長、教授)
(引用終わり)
 
 最後に、司会者用台本から、講師及びコーディネーター紹介部分を抜粋します。
 司会は、青法協和歌山支部の若手会員、戸村祥子(とむら・しょうこ)弁護士が担当しましたが、本番のわずか3日前に、自分が司会者に予定されていることを知ったという戸村さんのために、老婆心ながら私が書いて提供したものです。
 弁護士会主催の市民集会などでも司会を務めることの多い戸村さんは、ほとんど準備もできない中、立派に司会役を果たしてくれました。
 青法協和歌山支部が、もう一度1,500人規模の集会を企画することはないと思いますが、支部長の丸山哲(まるやま・さとる)さんや戸村さんを始めとする、これからの青法協和歌山支部を担っていく主体となる若手会員にとって、今回は得難い経験ができた貴重な機会となったと思います。20年後もこれで大丈夫(!?)。
 
(司会者用シナリオから抜粋引用開始)
 まず、1人目の講師である前川喜平さんのご経歴を簡単にご紹介します。
 前川さんは、1955年1月、奈良県御所(ごせ)市のお生まれ。1963年7月に東京に転居されました。1979年3月に東京大学法学部を卒業し、同年4月、文部省に入省され、大臣官房長、初等中等教育局長などを経て、2016年6月、文部科学事務次官に就任され、2017年1月に退官されました。そして、同年5月、学校法人加計学園問題に関わって「総理のご意向」などと記された文科省の内部文書の存在が明らかとなり、前川さんが記者会見で「あったことをなかったことにはできない」としてその文書の存在を明言されたことは皆さまご承知のとおりです。
 以後、全国各地から寄せられる講演依頼を積極的に引き受けられ、東奔西走の毎日を送っておられます。
 それでは、前川さん、よろしくお願い致します。
(略)
 続きまして、2人目の講師、寺脇研さんをご紹介します。
 寺脇さんは、1952年7月、福岡県のお生まれ。1975年3月、東京大学法学部を卒業し、同年4月、文部省に入省されました。前川さんの、文部省での4年先輩となります。文部省政策課長、大臣官房審議官(生涯学習政策担当)、文化庁文化部長などを経て、2006年11月に退官されました。
 現在、京都造形芸術大学教授、映画評論家、NPO教育支援協会チーフ・コーディネーターなどとしてご活躍であり、「キネマ旬報」でREVIEW欄を担当されるなど、さまざまなメディアに映画評を寄稿されています。
 ご著書には、『中学生を救う30の方法』、『21世紀の学校はこうなる』、『格差時代を生きぬく教育』、『それでも、ゆとり教育は間違っていない』、『「官僚」がよくわかる本』、『文部科学省』などの単著多数の他、昨年11月には、前川喜平さんとの共著『これからの日本、これからの教育』を刊行されています。
 それでは、寺脇さん、よろしくお願い致します。
(略)
 ただいまから、第2部「ディスカッション」を始めたいと思います。第2部では、堀内秀雄さんにコーディネーターをお願いしておりますので、まず堀内さんのご経歴を簡単にご紹介します。
 堀内さんは、1950年3月、大阪市のお生まれ。1973年3月に大阪外国語大学フランス語学科、そして1975年3月には大阪市立大学法学部を卒業されました。岸和田市教育委員会社会教育主事などを経て、1988年、和歌山大学生涯学習教育研究センター助教授に着任され、その後、同センター教授・センター長を歴任されました。2009年7月、和歌山大学理事兼副学長に就任、2012年12月に退職されました。現在、和歌山大学名誉教授、立命館大学産業社会学部非常勤講師などを務めておられます。共著に『市民が創る生涯学習計画』、『地域生涯学習の計画化(下)―社会教育労働と住民自治』などがあります。市民活動としては、NPO法人「わかやまNPOセンター」初代理事長・現副理事長。市民連合わかやま・共同代表としてのご活躍は、皆さんよくご存知のことと思います。
 それでは、ここからの進行は堀内さんにお任せしますので、よろしくお願い致します。
(引用終わり)

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(弁護士・金原徹雄のブログから/前川喜平氏関連)
2017年6月2日
前川喜平前文部科学事務次官の記者会見&インタビュー動画を視聴する
2017年7月22日
前川喜平前文部科学事務次官の日本記者クラブ記者会見&国会参考人質疑を読む(視聴する)
2017年11月25日
前川喜平/寺脇研『これからの日本、これからの教育』(ちくま新書)を読む
2017年12月7日
【日程速報】2018年4月27日・前川喜平氏寺脇研氏が和歌山で語る(青法協憲法記念の夕べ)&【必見動画】前川喜平氏ロングインタビュー(IWJ)
2018年1月10日
「前川喜平さん・寺脇研さんズバリ加計問題を斬る」で「加計問題」を語り、同日「寺脇研トークセッション004」では「教育」を語る(2018年1月8日@岡山市
2018年1月31日
市民連合「あたりまえの政治を取りもどす 1.30シンポジウム」に登壇した前川喜平さん、望月衣塑子さん、寺脇研さん
2018年2月7日
神戸市(1/16)と今治市(2/3)での前川喜平氏講演会の動画を視聴しながら、和歌山市(4/27)での講演会を心配する私
2018年3月8日
前川喜平氏寺脇研氏が語る「これからの日本 憲法と教育の危機」~青法協和歌山支部憲法を考える夕べ(2018年4月27日)へのお誘い
2018年4月5日
会場が変わりました!前川喜平氏寺脇研氏が語る「これからの日本 憲法と教育の危機」(2018年4月27日@和歌山県民文化会館大ホール)
2018年4月18日
「これからの日本 憲法と教育の危機(前川喜平氏寺脇研氏)」4/27@和歌山県民文化会館大ホールのお知らせと前川氏講演動画「憲法とわたし」(4/17)のご紹介
2018年4月22日
市民連合「あたりまえの社会を考えるシンポジウム~貧困・格差の現場から」(2018年4月20日北とぴあ・さくらホール)を視聴する~本田由紀さん、前川喜平さん他