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wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

予告2/4地球塾vol.4/使ううエネルギーから つくるエネルギーへ:中島敦司和歌山大学システム工学部教授@almoギャラリー(和歌山市ぶらくり丁)

社会 環境
 今晩(2017年月15日)配信した「メルマガ金原No.2692」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
予告2/4地球塾vol.4/使ううエネルギーから つくるエネルギーへ:中島敦和歌山大学システム工学部教授@almoギャラリー(和歌山市ぶらくり丁)

 2016年4月、和歌山市の「ぶらくり丁商店街」にオープンした「almoギャラリー」(1階は野菜スイーツのお店「almo」)で、昨年8月から始まった地球塾。来る2月4日(土)に開催される第4回では、和歌山大学システム工学部教授で、NPO法人わかやま環境ネットワーク理事長でもある中島敦司先生に、エネルギーについて語っていただくことになったとのお知らせが道本みどりさんからありました。
 これまでの3回のうち、私が参加できたのは第1回の映画『祝福(いのり)の海』上映と東条雅之監督とのシェアリングだけなのですが、毎回とも環境や健康にまつわる興味深いテーマが設定されており、都合がつけば是非参加したい企画ばかりです。
講演「わかやまの妖怪」 次回のゲストである中島敦司先生は、上にご紹介した2つの公的肩書きの他に、「紀州の妖怪」博士、及び3人編成のユニット「五十五万石」のギタリストという顔もお持ちです。
 2月4日のお話のテーマは「エネルギー問題」ということで、「妖怪」との関連性が出てくるかどうかは不明ながら、きっと有意義なお話が伺えるものと思います。
 私としても、参加したいのはやまやまながら、この日の午後は、弁護士会の研修を欠席してでも参加しなければと考えている企画がアバローム紀の国であり(これも近々ご紹介します)、地球塾との掛け持ちができるかどうかやや心許ないところです。
 定員25名で、予約者優先ということなので、興味を持たれた方は是非お早めに予約ください。
 なお、掲載した写真は、NPO法人わかやま環境ネットワークの2015年総会で「わかやまの妖怪」という演題で記念講演をされた中島先生です。
 

(チラシから引用開始)
ロハスな暮らしを楽しむ 地球塾 vol.4

使うエネルギーから つくるエネルギーへ
 
環境や健康についてみんなで考え、ロハスな暮らしを体験する場を作りたい、と始まった地球塾。
第1回は、“自給的な暮らし方”をテーマに、草木染め体験と映画『祝福(いのり)の海』の上映、第2回は“私たちの食”をテーマに、映画『遺伝子組み換えルーレット』の上映と農家 小林元さんのお話を聞きながらのお食事会、第3回は、“災害と防災”について、4人の話し手たちによるトークセッションを行いました。
第4回目となる、今回の地球塾は、“エネルギー”をテーマに和歌山大学システム工学部教授の中島敦司先生にお話いただき、参加者の皆さんともこれからのエネルギーについて語り合う場としたいと思います。
 
話し手 中島 敦司 和歌山大学システム工学部教授
 
5年後の私の暮らしを考えてみる機会です。
もしかすると、今よりもっと人もお金もどんどん地域の外へ・・・
互いに寄り添っていくことがさらに必要になってくるかもしれません。
今回は、手作りエネルギーをきっかけに地球が動き出しているトピックについてお話しし、
さらに来場者同士が話し合う機会にしたいと思います。
 
《日 時》2017年2月4日(土)
            16:00-18:00(開場15:30)
《場 所》almoギャラリー(和歌山市匠町32/ぶらくり丁商店街内)
《料 金》1,000円(焼き菓子と1ドリンク付)
《定 員》25名
《ご予約・お問合せ》almoギャラリー
 twl:073-425-8583(紀州まちづくり舎内)
 mail:
kishu.machi@gmail.com
 ご予約優先とさせていただきます。
 
主催:almoギャラリー
共催:NPO法人わかやま環境ネットワーク
後援:NPO法人市民の力わかやま
協力:NPO法人にこにこのうえん、にんにこ被災者支援ネットワーク和歌山、NPO法人和歌山有機認証協会、紀州農レンジャー、ポポロハスマーケット

(引用終わり)
 

沖縄で起こっている異常な事態~山城博治さんの長期身柄拘束と接見禁止

司法 人権
 今晩(2017年1月14日)配信した「メルマガ金原No.2691」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
沖縄で起こっている異常な事態~山城博治さんの長期身柄拘束と接見禁止

 昨年10月以来、沖縄平和運動センター議長の山城博治(やましろひろじ)さんが、再三にわたって不当に逮捕・勾留・起訴されていること、そして、起訴後も保釈が認められず、弁護士以外との接見も禁止されたままという異常な状況に心を痛め、何とかしなければと考えている方が多いことと思います。
 けれども、大手メディアが大きく取り上げることをしないため、十分な情報を得られず、基本的な事実の経過すら判然としないという方が大半かもしれません。であるならば、インターネットで集められる情報の内主要なものを整理してご紹介するだけでも、何ほどかの役には立てるかもしれないと考え、この情報のコラージュを届けすることにしました。
 まずは、沖縄の地元2紙の報道などを基に、事実経過を振り返っておきましょう。
 
2016年10月17日(月)
器物損壊で逮捕
沖縄タイムス+プラス(2016年10月18日 07:39) 
「市民運動リーダー逮捕、有刺鉄線2本切った疑い 高江ヘリパッドに反対」

(引用開始)
 
沖縄県東村高江周辺の米軍北部訓練場内に設置された有刺鉄線を切断したとして、県警は17日、沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)を器物損壊の疑いで現行犯逮捕した。調べに対し、黙秘しているという。
 県警によると、山城議長は17日午後3時半ごろ、北部訓練場内で、ヘリパッド建設工事現場への進入を防ぐために設置されたフェンスの上に張られた有刺鉄線2本を、ペンチのようなもので切って壊した疑いがある。発生現場は、同訓練場メインゲートから北東に約1・8キロ離れた地点で、フェンスは沖縄防衛局が設置した。
 当時、現場周辺には山城議長のほかに十数人の市民らがいたため、防衛局職員が山城議長らに対し、訓練場内からの退去を要求。山城議長が鉄線を切ったのを防衛局職員が目撃し、県警に通報した。
 通報を受けて、訓練場内に駆け付けた捜査員らが山城議長を追跡し、県道70号に出たところで逮捕した。
 県警は「米軍の同意があれば基地内でも逮捕できる」とし、基地外で逮捕したのは「現場は足場も悪く、混乱を避けるために県道上で逮捕した」と説明した。
 9月22日からヘリパッド建設工事に反対する市民らが同訓練場内に入って抗議活動を始めて以降、逮捕者は2人目になる。
(引用終わり)
 
2016年10月20日(木)
傷害及び公務執行妨害で再逮捕
沖縄タイムス+プラス(2016年10月21日 09:38)
「山城議長を再逮捕 公務執行妨害・傷害容疑で」

(抜粋引用開始)
 
東村高江の米軍北部訓練場工事用道路で侵入防止フェンスを設置していた沖縄防衛局職員(42)に暴行を加えたとして、県警警備1課は20日、沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)と神奈川県の牧師の男性(31)を公務執行妨害と傷害の容疑で逮捕した。
 逮捕容疑は8月25日、通称「N1裏地区」で工事現場への侵入防止フェンスを設置していた男性職員の腕を強くつかみ、肩をつかんで激しく揺さぶる行為などで頸椎(けいつい)捻挫と右腕打撲のけがを負わせた疑い。県警は2人の認否を明らかにしていない。
 山城議長は17日に器物損壊容疑で逮捕された。弁護人によると、検察は20日、同容疑で身柄を引き続き拘束する勾留請求をし、那覇簡裁は却下したが、那覇地裁が勾留を認めた。20日夜に山城議長と接見した三宅俊司弁護士は「警察は一般的に勾留満期で再逮捕する。今回は請求が却下されると見越して再逮捕したのだろう。(反対運動の中心人物を)何が何でも拘束したいのは明らか。極めて悪質な手段で、住民弾圧だ」と批判した。
(引用終わり)
 
2016年11月9日(水)
勾留理由開示手続(那覇簡易裁判所・上原宏光裁判官)が開かれる。
琉球新報(2016年11月10日 11:32)
「山城氏「大衆運動への弾圧」  勾留理由開示で捜査を批判」

(抜粋引用開始)
 山城議長は「もし傷害があったとしたなら、私たちの望むところではない。心からおわびしたい」とした。
 一方、「7月22日に多数の機動隊が私たちに襲いかかった事態を明らかにせず、私たちを毎日捜査するのは沖縄の抵抗、大衆運動に対する弾圧だ」と批判した。
(引用終わり)
 
2016年11月11日(金)
山城博治氏と神奈川県の牧師を傷害、公務執行妨害で起訴。山城氏については器物損壊でも起訴。
琉球新報(2016年11月12日 11:55)
「弁護士「運動弾圧だ」 山城議長ら2人起訴 北部ヘリパッド」

(抜粋引用開始)
 
那覇地検は11日、米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の工事用道路上で、沖縄防衛局の職員に揺さぶるなどの暴行を加えてけがを負わせ、公務を妨害したとして逮捕・送検された沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)を、傷害と公務執行妨害の罪で起訴した。米軍提供区域内で防衛局が設置した有刺鉄線を切断したとして、器物損壊の罪でも起訴した。ヘリパッド建設工事に反対する抗議運動のリーダーとして活動していた山城議長が起訴されたことを受け、弁護士から「政府が抗議運動の萎縮を狙ったものだ」との声が上がった。
 ヘリパッド建設への抗議活動中の逮捕者の中で、起訴されたのは山城議長で2人目。山城議長と共謀したとして、神奈川県の牧師の男性(31)も、傷害と公務執行妨害の罪で起訴した。地検は2人の認否を明らかにしていない。
(略)
 山城議長の弁護人を務める金高望弁護士は「必要性のない不当な起訴であり、現場の運動に対する弾圧だ」とコメントした。保釈請求する方針も示した。
(引用終わり)
 
2016年11月29日(火)
山城博治氏ら4人を威力業務妨害で再逮捕
琉球新報(2016年10月21日 09:38)
「威力業務妨害容疑 4人逮捕 県警、辺野古新基地建設で」

(抜粋引用開始)
 
県警警備一課と名護署は29日、名護市辺野古の米軍キャンプシュワブゲート前で、コンクリート製ブロックを積み上げて工事車両の進入を阻み、威力をもって沖縄防衛局の業務を妨害したとして、威力業務妨害の疑いで沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)を含む計4人を逮捕した。県警は捜査に支障を来すとして、それぞれの認否を明らかにしていない。
 逮捕されたのは山城議長、職業不詳男性(66)=宜野座村、職業不詳男性(59)=名護市、職業不詳男性(40)=名護市。逮捕容疑は今年1月28日午後2時5分ごろから同30日午前8時41分ごろにかけて、米軍キャンプシュワブゲート前の路上にコンクリート製ブロック1400個余りを積み上げ、工事関係車両の搬入と沖縄防衛局の業務を妨害した疑い。
(略)
(引用終わり)
 
2016年12月12日(月)
威力業務妨害についての勾留理由開示手続(那覇簡易裁判所)が開かれる。
琉球新報(2016年12月13日 11:00)
「「運動への圧力」山城議長が陳述 那覇簡裁で開示手続き」

(引用開始)
 
名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前でコンクリート製ブロックを積み上げて沖縄防衛局などの業務を妨害したとして、威力業務妨害容疑で逮捕された沖縄平和運動センターの山城博治議長ら4人の勾留理由開示手続きが12日、那覇簡裁で行われた。
 山城議長は意見陳述で「(発生から)10カ月も経過した事案であり、政治的な捜査であることを勘ぐってしまう。運動への圧力ではないか」と述べた。
(引用終わり)
 
2016年12月20日(火)
威力業務妨害で起訴
※報道記事は見つかりませんでしたが、12月28日付で発表された刑法研究者による緊急声明に「さらに山城氏は、③11月29日、名護市辺野古の新基地建設事業に対する威力業務妨害の疑いでまたしても逮捕され、12月20日、追起訴された。」とあります。
 
2016年12月26日(月)
名護署から拘置所に移監
※1月12日の記者会見前の照屋寛徳衆議院議員による報告で明らかに(照屋議員は弁護士資格があるので接見できます)。
 
 以上の経過を整理すると以下のとおりです。
 
2016年10月17日 第1回逮捕 
罪名 器物損壊(現行犯逮捕)
被疑事実 2016年10月17日、東村(ひがしそん)高江周辺の米軍北部訓練場内で、ヘリパッド建設工事現場への進入を防ぐために設置されたフェンスの上に張られた有刺鉄線をペンチのようなもので切ったとの疑い。
 
2016年10月20日 第2回逮捕
罪名 傷害、公務執行妨害
被疑事実 2016年8月25日、通称「N1裏地区」で工事現場への侵入防止フェンスを設置していた沖縄防衛局の男性職員の腕を強くつかみ、肩をつかんで激しく揺さぶる行為などで頸椎(けいつい)捻挫と右腕打撲のけがを負わせ、公務の執行を妨害したとの疑い。
 
2016年11月11日 第1回起訴
罪名 傷害、公務執行妨害、器物損壊
 
2016年11月29日 第3回逮捕
罪名 威力業務妨害
被疑事実 2016年1月28日午後2時5分ごろから同30日午前8時41分ごろにかけて、米軍キャンプシュワブゲート前の路上にコンクリート製ブロック1400個余りを積み上げ、工事関係車両の搬入と沖縄防衛局の業務を妨害した疑い。
 
2016年12月20日 第2回起訴
罪名 威力業務妨害
 
 この間、弁護団としては、2回の勾留理由開示請求の他、保釈請求却下に対する準抗告、接見禁止決定に対する準抗告、特別抗告など、あらゆる手段で山城さんの身柄を取り戻すべく努力しているようですが、いまもって接見禁止が付いたままの勾留が続くという異常事態となっています。
 
 それにしても、弁護士の目から以上の経過を見ると、10月20日の傷害と公務執行妨害による2回目の逮捕が、「あたゆる手段を使って反対派のリーダーを高江の現場から引きはがす」という権力の意思が明確になった分水嶺であるように思えます。三宅俊司弁護士もコメントしているとおり、「何が何でも拘束したいのは明らか」ですから。
 
 その後の経過の問題点については、12月28日に公表された刑事法研究者による緊急声明に詳しく述べられていますので、是非お読みください。
 前田朗東京造形大学教授のブログに掲載された声明を全文紹介します。
 
(引用開始)
プレスリリース「山城博治氏の釈放を求める刑事法研究者の緊急声明」について 016.12.28
 日本政府は、民主的に表明される沖縄の民意を国の力で踏みにじっておきながら、日本は法治国家であると豪語する。法律を学び、教える者として無力感におそわれる。まことに残念ながら刑事司法もこれに追随し、非暴力平和の抗議行動を刑法で抑え込もうとしている。平和を守ることが罪になるのは戦時治安法制の特徴である。しかし、今ならば引き返して「法」をとり戻すことができるかもしれないので、刑事法学の観点から、山城氏の逮捕・勾留こそが違法であり、公訴を取消し、山城氏を解放すべきであることを説明する必要があった。
 10日前に海外識者らの「山城博治氏らの釈放を求める声明」が発表され、その後、沖縄県内の二紙が、勾留中の山城氏の「県民団結で苦境打開を」「未来は私たちのもの」とする声を伝えた。日本の刑事法研究者としても、刑事司法の側に不正がある、と直ちに応じておかねばならないと考え、別紙のとおり、「山城博治氏の釈放を求める刑事法研究者の緊急声明」(2016.12.28)を発表する。

呼びかけ人(50音順) 
春日勉(神戸学院大学教授)、中野正剛沖縄国際大学教授)、本庄武(一橋大学教授)、前田朗東京造形大学教授)、森川恭剛(琉球大学教授)

賛同人(50音順) 
足立昌勝(関東学院大学名誉教授)、雨宮敬博(宮崎産業経営大学准教授)、石塚伸一龍谷大学教授)、稲田朗子(高知大学准教授)、内田博文(神戸学院大学教授)、内山真由美(佐賀大学准教授)、梅崎進哉(西南学院大学教授)、大場史朗(大阪経済法科大学准教授)、大藪志保子(久留米大学准教授)、岡田行雄(熊本大学教授)、岡本洋一(熊本大学准教授)、垣花豊順(琉球大学名誉教授)、金尚均龍谷大学教授)、葛野尋之一橋大学教授)、黒川亨子(宇都宮大学講師)、斉藤豊治(甲南大学名誉教授)、櫻庭総(山口大学准教授)、佐々木光明(神戸学院大学教授)、笹倉香奈(甲南大学教授)、島岡まな(大阪大学教授)、鈴木博康(九州国際大学教授)、陶山二郎(茨城大学准教授)、関哲夫(國學院大学教授)、高倉新喜(山形大学教授)、寺中誠(東京経済大学非常勤講師)、豊崎七絵(九州大学教授)、新倉修(青山学院大学教授)、新村繁文(福島大学特任教授)、平井佐和子(西南学院大学准教授)、平川宗信名古屋大学名誉教授)、福井厚(京都女子大学教授)、福島至(龍谷大学教授)、福永俊輔(西南学院大学准教授)、保条成宏(福岡教育大学教授)、本田稔(立命館大学教授)、前野育三(関西学院大学名誉教授)、松宮孝明立命館大学教授)、松本英俊(駒澤大学教授)、三島聡(大阪市立大学教授)、水谷規男(大阪大学教授)、宮本弘典(関東学院大学教授)、宗岡嗣郎(久留米大学教授)、村井敏邦大阪学院大学教授)、村田和宏(立正大学准教授)、森尾亮(久留米大学教授)、矢野恵美(琉球大学教授)、吉弘光男(久留米大学教授)他4人
以上 56人(2017/01/05現在)

以上 41人(12月28日13:00 第1回集約)
(注) 引き続き賛同を呼びかけ、2017年1月中旬に次回集約の予定。

           山城博治氏の釈放を求める刑事法研究者の緊急声明
 
 沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)が、70日間を超えて勾留されている。山城氏は次々に3度逮捕され、起訴された。接見禁止の処分に付され、家族との面会も許されていない山城氏は、弁護士を通して地元2紙の取材に応じ、「翁長県政、全県民が苦境に立たされている」「多くの仲間たちが全力を尽くして阻止行動を行ってきましたが、言い知れない悲しみと無慈悲にも力で抑え込んできた政治権力の暴力に満身の怒りを禁じ得ません」と述べる(沖縄タイムス2016年12月22日、琉球新報同24日)。この長期勾留は、正当な理由のない拘禁であり(憲法34条違反)、速やかに釈放されねばならない。以下にその理由を述べる。
 山城氏は、①2016年10月17日、米軍北部訓練場のオスプレイ訓練用ヘリパッド建設に対する抗議行動中、沖縄防衛局職員の設置する侵入防止用フェンス上に張られた有刺鉄線一本を切ったとされ、準現行犯逮捕された。同月20日午後、那覇簡裁は、那覇地検の勾留請求を却下するが、地検が準抗告し、同日夜、那覇地裁が勾留を決定した。これに先立ち、②同日午後4時頃、沖縄県警は、沖縄防衛局職員に対する公務執行妨害と傷害の疑いで逮捕状を執行し、山城氏を再逮捕した。11月11日、山城氏は①と②の件で起訴され、翌12日、保釈請求が却下された(準抗告も棄却、また接見禁止決定に対する準抗告、特別抗告も棄却)。さらに山城氏は、③11月29日、名護市辺野古の新基地建設事業に対する威力業務妨害の疑いでまたしても逮捕され、12月20日、追起訴された。
 山城氏は、以上の3件で「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」(犯罪の嫌疑)と「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」があるとされて勾留されている(刑訴法60条)。
 しかし、まず、犯罪の嫌疑についていえば、以上の3件が、辺野古新基地建設断念とオスプレイ配備撤回を掲げたいわゆる「オール沖縄」の民意を表明する政治的表現行為として行われたことは明らかであり、このような憲法上の権利行為に「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」があるのは、その権利性を上回る優越的利益の侵害が認められた場合だけである。政治的表現行為の自由は、最大限尊重されなければならない。いずれの事件も抗議行動を阻止しようとする機動隊等との衝突で偶発的、不可避的に発生した可能性が高く、違法性の程度の極めて低いものばかりである。すなわち、①で切断されたのは価額2,000円相当の有刺鉄線1本であるにすぎない。②は、沖縄防衛局職員が、山城氏らに腕や肩をつかまれて揺さぶられるなどしたことで、右上肢打撲を負ったとして被害を届け出たものであり、任意の事情聴取を優先すべき軽微な事案である。そして③は、10か月も前のことであるが、1月下旬にキャンプ・シュワブのゲート前路上で、工事車両の進入を阻止するために、座り込んでは機動隊員に強制排除されていた非暴力の市民らが、座り込む代わりにコンクリートブロックを積み上げたのであり、車両進入の度にこれも難なく撤去されていた。実に機動隊が配備されたことで、沖縄防衛局の基地建設事業は推進されていたのである。つまり山城氏のしたことは、犯罪であると疑ってかかり、身体拘束できるような行為ではなかったのである。
 百歩譲り、仮に嫌疑を認めたとしても、次に、情状事実は罪証隠滅の対象には含まれない、と考えるのが刑事訴訟法学の有力説である。②の件を除けば、山城氏はあえて事実自体を争おうとはしないだろう。しかも現在の山城氏は起訴後の勾留の状態にある。検察は公判維持のために必要な捜査を終えている。被告人の身体拘束は、裁判所への出頭を確保するための例外中の例外の手段でなければならない。もはや罪証隠滅のおそれを認めることはできない。以上の通り、山城氏を勾留する相当の理由は認められない。
 法的に理由のない勾留は違法である。その上で付言すれば、自由刑の科されることの想定できない事案で、そもそも未決拘禁などすべきではない。また、山城氏は健康上の問題を抱えており、身体拘束の継続によって回復不可能な不利益を被るおそれがある。しかも犯罪の嫌疑ありとされたのは憲法上の権利行為であり、勾留の処分は萎縮効果をもつ。したがって比例原則に照らし、山城氏の70日間を超える勾留は相当ではない。以上に鑑みると、山城氏のこれ以上の勾留は「不当に長い拘禁」(刑訴法91条)であると解されねばならない。
 山城氏の長期勾留は、従来から問題視されてきた日本の「人質司法」が、在日米軍基地をめぐる日本政府と沖縄県の対立の深まる中で、政治的に問題化したとみられる非常に憂慮すべき事態である。私たちは、刑事法研究者として、これを見過ごすことができない。山城氏を速やかに解放すべきである。
(引用終わり)
 
 以上の刑事法研究者による緊急声明により、刑事訴訟法学的観点からの問題点はほぼ網羅されていると思います。
 なお、上記プレスリリースで引用されている「海外識者らの「山城博治氏らの釈放を求める声明」」をご紹介しておきます。
 
 
 ところで、11月11日に第1回起訴、12月20日に第2回起訴なのだから、もう第1回公判期日が決まっているだろうと普通思いますよね。公判前整理手続をやるような重大事件ではないのですから。ところがどうもまだ第1回公判期日の日程すら決まっていないようなのです。
 目に付いたネットの記事を(情報の確実性については保証しかねますけど)ご紹介しておきます。
 
レイバーネット日本から
沖縄「山城博治さんたちの早期釈放を求める会」から緊急署名のお願い

(抜粋引用開始)
 1月17日に、那覇地裁で三者(弁護士、検察官、裁判官)面談があり、そこで第一回公判の日取りが決まるようです。第一回裁判終了後に、被疑者は釈放(保釈)されるのが通例です。しかし、検察側の裁判日引き延ばしが予想されることから、それを許さないためにも、裁判所に早期釈放を求める署名を提出することになりました。このままだと微罪にも関わらず、4~6カ月も拘留されかねません。多く署名を集め、国=検察側の言いなりにならないよう裁判所に圧力をかける意味でも大変重要な闘いとなります。
(引用終わり)
 
 ところで、上記記事の中に「検察は体を養生するための靴下の差し入れもさせず」とある部分については、地元紙による以下のような記事がありました。
 
沖縄タイムス+プラス(2016年12月21日 06:00)
勾留中の山城議長へ、靴下の差し入れ実現 沖縄県警が認める

(抜粋引用開始)
【名護】新基地建設の抗議行動に絡んで起訴、勾留されている沖縄平和運動センターの山城博治議長への靴下の差し入れが20日、沖縄県警に認められた。全国的には認められる中、県警はこれまで「自殺予防」を理由に認めておらず、改善を求める声が上がっていた。
 東京の女性(68)が、「靴下を差し入れるため」に来県。名護署で長いものから短いものまで3種類を示して交渉し、短いものだけが認められた。「山城さんは大病を患ったばかりで足元の冷えが心配だった。大きな勝利だと思う」と喜んだ。
(略)
(引用終わり)
※後掲の院内集会動画の1時間21分~で、おそらくこの「東京の女性」の発言を聞くことができます。
 
 なお、上記「山城博治さんたちの早期釈放を求める会」による署名とは別に、鎌田慧澤地久枝佐高信落合恵子小山内美江子の5氏が要請者となり、那覇地検及び那覇地裁宛の「山城博治さんらの釈放を求める要請書」へのインターネットを通じた賛同署名が呼びかけられており、既に多くの人が署名されたことと思います。普段はネット署名にはあまり積極的ではない私も署名しました。
 
 一昨日(1月12日)、上記要請人5名の内、鎌田慧さん、佐高信さん、落合恵子さんが出席して記者会見と院内集会が開かれました。
 しばらく休養されていた三輪祐児さん(UPLAN)が現場に復帰して中継動画をアップしてくださっていますのでご紹介します。

20160112 UPLAN【記者会見】山城博治さんらの釈放を(50分)
 
20170112 UPLAN【院内集会】山城博治さんらを救え!(1時間43分)

冒頭~ 司会 満田夏花さん
5分~ 落合恵子さん
6分~ 国会議員スピーチ(共産党民進党社民党
23分~ 鎌田慧さん
38分~ 前田朗さん(東京造形大学教授)
45分~ 佐高真さん
51分~ (電話出演)伊波義安さん(山城博治さんたちの早期釈放を求める会)
57分~ 寺井一弘さん(弁護士)
1時間08分~ 藤本泰成さん(平和フォーラム)
1時間14分~ イイクラオサムさん(日本国際法律家協会)
※「沖縄/琉球での政治弾圧に抗議する JALISA(日本国際法律家協会)声明」
1時間21分~ オオキセイコさん(年末に山城さんに靴下を差し入れに行った方)
1時間27分~ 会場発言

(再配信)「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(035~037)~祝おしどりマコさん・ケンさん平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞受賞!

報道 情報
 今晩(2017年1月13日)配信した「メルマガ金原No.2690」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
(再配信)「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(035~037)~祝おしどりマコさん・ケンさん平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞受賞!

 正月早々、YouTubeで聴取することができなくなっていた「自由なラジオ LIGHT UP!」も、ようやく新アカウント「jiyunaradio funclub」からアーカイブが再アップされ始め、昨日、
最新の4本(038~041)をご紹介したところです。
 
 今日は、昨日も予告したとおり、旧アカウントにリンクしていたため、いまやYouTubeで試聴できなくなっている私のメルマガ(ブログ)アーカイブのリンクをやり直します。とはいえ、一度に37回分のリンクをやり直すのも大変なので、過去6度の配信を、新しいものから古い方に順番に遡って再配信していくことにします。
 
(第1回)
2016年12月18日
「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(035~037)~祝おしどりマコさん・ケンさん
平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞受賞!
(第2回)
2016年11月26日
DAYS JAPAN”丸井春編集長が語る「いのちのものさし」ほか~「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカ
イブを聴く(031~034)
(第3回)
2016年10月25日
伊藤宏さん(和歌山信愛女子短期大学教授)が西谷文和さんと語る「現場記者が見てきた『原子力ムラ
」ほか~「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(027~030)
(第4回)
2016年10月1日
チェルノブイリ事故から30年目のベラルーシを訪ねた菅谷昭松本市長ほか~「自由なラジオ LIGHT UP!
」最新アーカイブを聴く(023~026)
(第5回)
2016年9月5日
古賀茂明さん、泥憲和さん、望月衣塑子さん~「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(02
0~022)
(第6回)
2016年8月16日
「市民のための 自由なラジオ LIGHT UP!」のご紹介~もう19回分もアーカイブがたまっていた
※この001~019の19回分については、さらに何度かに分割して再配信するかもしれません。
 
 それではまず始めに、035~037のYouTubeへのリンクを新アカウントに変更して再配信します。
 なお、再配信にあたり、オリジナル配信では引用していなかった「Light Up! ジャーナル」の部分も補
充してご紹介するとともに、(参考動画)なども付け加えています。
 

 2016年12月18日に配信した「メルマガ金原No.2664」を再配信します。

「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(035~037)~祝おしどりマコさん・ケンさん
平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞受賞!

 「ラジオフォーラム」の事実上の後継番組として、今年の4月からスタートした
「自由なラジオ LIGHTUP!」。そのアーカイブYouTubePODCASTで聴取することができますので、これまで5回にわたり、その全番組(34本)のアーカイブを紹介してきました。
 ここまで来れば、「自由なラジオ LIGHT UP!」の全てのアーカイブを紹介するブログを目指すと前々回に披瀝した決意に従い、最新の3本(035~037)をご紹介します。

 3回のゲストそれぞれの興味深い話題に耳を傾けていただきたいのはもちろんですが、実は今日フューチャーしたいのは、パーソナリティのおしどりマコ・ケンのお2人なのです。
 おしどりマコ・ケンのお2人が、このたび、第22回平和・協同ジャーナリスト基金賞の奨励賞を受賞
されました。
 今年の受賞者は以下の方々です。

基金賞(大賞)(1点)
 毎日新聞夕刊編集部の「夕刊『特集ワイド』における平和に関する一連の記事」
◆奨励賞(7点)
★ノンフィクション作家、大塚茂樹さんの「原爆にも部落差別にも負けなかった人びと」(かもがわ出版
★原爆の図丸木美術館学芸員、岡村幸宣さんの「≪原爆の図≫全国巡回――占領下、100万人が観た!」(新宿書房
★よしもと所属の夫婦漫才コンビ・DAYSJAPAN編集委員、おしどりマコ・ケンさんの原発問題での情報発信
★金澤敏子、向井嘉之、阿部不二子、瀬谷實さんの「米騒動とジャーナリズム」(梧桐書院
★上丸洋一・朝日新聞記者の「新聞と憲法9条」(朝日新聞出版)
瀬戸内海放送制作の「クワイ河に虹をかけた男」
★森永玲・長崎新聞編集局長の「反戦主義者なる事通告申上げます――消えた結核医 末永敏事――」(長崎新聞連載)

 同基金ホームページに掲載された授賞理由と受賞者プロフィルを引用します。

(引用開始)
授賞理由
 原発問題も引き続き日本にとって重大な課題とあって、原発関係からもぜひと選ばれたのが、おしどりマコ・ケンさんの『原発問題での情報発信』です。お二人は漫才コンビですが、市民の立場から、原発事故に関し本当に必要な情報が出てこない状況に疑問を抱き、東電や政府の記者会見に出席したり、福島にも通って原発事故に関する情報を執筆、動画、講演などで発し続けています。こうした活動が「市民運動の支えなっている」と評価されました。
プロフィル
原発問題での情報発信
 おしどりマコ・ケン
 マコとケンの夫婦コンビ。横山ホットブラザーズ横山マコトの弟子。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。社団法人漫才協会会員。認定NPO法人沖縄・球美の里理事。フォトジャーナリズム誌「DAYSJAPAN」編集委員
 東京電力福島第一原子力発電所事故(東日本大震災)後、随時行われている東京電力の記者会見、様々な省庁、地方自治体の会見、議会・検討会・学会・シンポジウムを取材。また現地にも頻繁に足を運び取材し、その模様を様々な媒体で公開している。
(引用終わり)

 マコさん、ケンさん、受賞おめでとうございました(一応マコさんとはFacebook友達だけど、しばらくタイムラインご無沙汰してたから、受賞知らなかった)。

 さて、それでは「自由なラジオ LIGHT UP!」のアーカイブの最新3回分(035~037)をご紹介し
ましょう。

035 2016.11.29
福島県双葉町現地ルポ(第1部)&
前西成区長が振り返る公募区長の3年8か月(第2部)
PERSONALITY いまにしのりゆき
GUEST 大沼勇治さん、小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所・電話出演)、臣永正廣さん(前大阪市西成区長)


出演:大沼勇治さん(双葉町ルポ・取材)小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所・電話出演)
「2部構成でお届けする今回の市民のための自由なラジオ“Light Up!”。第1部は、パーソナリティのいまにしのりゆきが、未だ帰還困難区域に指定されている福島県双葉町ご出身の大沼勇治さんと、双葉町を訪れたルポです。双葉町のシンボルとして町の玄関口にあったアーチ状の原発PRの看板、そこに書かれた標語「原子力明るい未来のエネルギー」を子どもの頃につくったご本人でいらっしゃる大沼さん。福島第一原発事故でふるさとを追われたことから、愚かな原子力政策に反対し続け、その看板のアーチを震災遺構として残す運動もして来られました。看板は、昨年の12月、老朽化を理由に取り壊されましたが、その双葉町は今、どうなっているのでしょうか?
 いまにしのりゆきが大沼勇治さんと歩きました。
第2部 前西成区長が振り返る公募区長の3年8か月
ゲスト:臣永正廣さん(前大阪市西成区長)
 橋下徹市長の肝入り改革のひとつで、公募区長として2012年8月から2016年3月31日までの3年8か月、大阪市西成区長を務めた臣永正廣さん。西成区といえば、大阪の下町も下町、日雇い労働者の町、あいりん地区を真っ先に思い浮かべる人も多いほど、さまざまな課題をかかえています。徳島の那賀川町長を務めた経験はあったものの、もとはジャーナリスト。そんな民間からの新しい血を期待され、西成区で汗を流した臣永さんの奮闘の日々を振り返ります。」
※金原注(参考動画)
見つめ続ける ひと、思い :大沼勇治さん (39)(毎日新聞)(2分26秒)

「今回は、特別企画です!パーソナリティの女優、木内みどりが、作家の澤地久枝さんの書斎におじゃましてじっくりとお話を伺いました。いつも通りのあたたかな笑顔で迎えてくださった澤地さん、本当に自然に、おだやかに、そしてあるときは熱を込めて、たくさんのお話をして下さいました。満州から引き揚げて、焼野原の東京・原宿のバラックから始まった澤地さんの戦後。心臓を患いながらも好奇心と強い信念をもって様々なことに挑戦を続けた若き日々。そしてその結果収斂されていく唯一無ニな作家としての才能。生命を何よりも尊び、深く戦争を憎み、また3.11以降は特に原子力政策と戦争、その両方を推し進めようとする安倍政権にも、強く反対の声を上げておられます。今回は、普段執筆活動をなさっているお部屋で、実に普段着の、素のままの澤地さんがにじみ出るような対談になりました。
 戦後この国が手に入れたもの、失くしたもの、そしてこれから未来へ手渡すべきもの。そんな大切なも
のの姿が、はっきりと見えてくる、そんな時間でもありました。そのお話の中身は、放送本編に、どうぞごゆっくり耳を傾けていただければと思います。」
■Light Up! ジャーナル「福島県沖地震で使用済核燃料プールの冷却停止、私たちが今考えるべきこと」
「11月22日の福島県地震では、東日本大震災以降最大の津波が発生し、あの悪夢が再び頭をよぎった方も多かったことでしょう。日本列島に頻発する地震原子力発電所の危険極まりない現状を専門家の視点で元京都大学原子炉実験所の小出裕章さんが解説します。 
 一方パーソナリティの木内みどりは、大きな企業や組織に所属するものとしての顔しか持たない者のする無責任な判断と行動が、この国のしくみになってしまっていることを嘆き、ひとりの人間の「個」が重
んじる社会こそが、脱原発の突破口だとこだわります。さて、その木内の思いに、小出さんはどう答えたのでしょうか? お楽しみに!」
 
「今回のゲストは、今年11月に東京電力を解雇された元社員の一井唯史さん。一井さんは、福島原発事故の賠償にかかわるお仕事に携わる中で、その激務のため体調を崩され会社を休職していました。その後、会社から休職の期限が過ぎるとして解雇されてしまいます。賠償に納得されない方との交渉などストレスが高い現場に加え、経験を考慮しない人員配置、慢性的な人手不足などで職場は劣悪な環境と化し、ピーク時には睡眠時間3時間半の日が連続したといいます。一井さんは、うつ病を発症したのは労災であると訴え、会社に社員の地位の確認を求める交渉を続けていらっしゃいます。大企業の労災封じはどのような構造から生まれるのか?電通の高橋まつりさんの過労自殺の記憶も新しい今、声を上げられず命を絶ったり、泣き寝入りをしている人たちのためにも、自分ががんばるのだと一井さんは奔走されています。今回は、そんな一井さんの胸の内をゆっくりと伺って参ります。」
■LIGHT UP! ジャーナル「少年の頃、原子力にかけた夢と、それから気づいた大きな矛盾と絶望。小出裕章さんが、原子力発電に徹底的に反対する理由とは?」
「今回のLight Up!ジャーナルは、小出裕章さんご自身のことについて伺いました。子どもの頃から、原子力に携わる科学者の道を志した小出裕章さんが、なぜ人生の大半を、反原発脱原発のために費やして来られたのか?京都大学原子炉実験所を退官された今、その思いを、これまで歩んでこられた道を振り返りながら冷静に語ってくださいました。」

(弁護士・金原徹雄のブログから)
2017年1月12日
「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(038~041)~YouTube新アカウントで復活!(しつつある)

「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(038~041)~YouTube新アカウントで復活!(しつつある)

報道 情報
 今晩(2017年1月12日)配信した「メルマガ金原No.2689」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(038~041)~YouTube新アカウントで復活!(しつつある)

 「ラジオフォーラム」の事実上の後継番組として、昨年の4月からスタートした「自由なラジオ LIGHT UP!」。そのアーカイブYouTubePODCASTで聴取することができますので、これまで6回にわたり、その全番組(37本)のアーカイブを紹介してきました。
 そして今年も、「自由なラジオ LIGHT UP!」の全アーカイブ紹介を目指し、最新の3本(038~040)をご紹介します・・・と書くつもりで、番組ホームページにアクセスしたのが1月6日だったでしょうか。
 ところが、いつもご紹介しているYouTubeを開けようとしても、「この動画に関連付けられていたYouTubeアカウントが停止されたため、この動画は再生できません。」というメッセージが出てくるのみ。ホームページには、原因調査中で、復旧するまではポッドキャストPODCAST)配信でお聞き下さいという説明があるだけ、という状況が続きました。
 ポッドキャストを聴こうと思えば、まずiTunesをダウンロードしなければならず(結局やりましたけど)、それより、どうせYouTubeがすぐに復活するだろうから、と待っていたのですが・・・。
 1日経ち、2日経ち、3日経ってもYouTubeが復活しない!
 当然、過去6回取り上げた私のメルマガ&ブログからのリンクも無効になったままで、これはいよいよポッドキャストで聴くしかないかな、と思い始めた昨日(1月11日)、最近の回が「jiyunaradio funclub」という新たなアカウントで再アップされ始めたのです。
 手作業で(?)ぼちぼち再アップしているようで、同じ037を2つアップして036がないとか、まだまだ混乱しているようで、41本全部を新たなアカウントでアップし終えるまでにどれだけかかるか分かりません。が、とりあえず、私のメルマガ(ブログ)で未紹介だった038~041は無事再アップされましたので、今日ようやくそれらをご紹介できることになりました。
 「自由なラジオ LIGHT UP!」のスタッフの皆さん、「funclub」(?)の皆さん、本当にありがとうございます。
 それにしても、このトラブルの原因は何だったのでしょうね?

 さて、それでは「自由なラジオ LIGHT UP!」のアーカイブの最新4回分(038~041)をご紹介しましょう。
 過去の37本分についても、少なくともブログ版は全部リンクをやり直さなければ、と思っています。いつになるか分かりませんけど。
 

「世界中に大きな衝撃を与えたアメリカ大統領選挙から1ヶ月以上が経ちました。ドナルド・トランプ勝利によって、アメリカでは未だに抵抗運動が続いています。果たして、このトランプ勝利は何を意味するのか?大衆が彼の暴言を受け入れた背景には何があるのか?メディアはどのように機能したのか?関西学院大学教授の冨田宏治さんに伺います。」
■LIGHT−UPジャーナル〜「欧州に『安全な原発』ができたってほんと?」
「フランスやフィンランドなどで安全性の高い最新鋭の原子炉の建設が進んでいます。航空機の衝突などのテロや過酷な事故にも対応できるということですが、建設費が当初想定よりも大幅に膨らみ、逆風も強まっているようです。今回は、安全をうたう原子炉の行方について、今中哲二さんにお話を伺います。」
※金原注(参考サイト)


「今回のスタジオのお客様は、前新潟県知事の泉田裕彦さんです。4期目の知事選への出馬を断念し、今年の10月24日に退任されたばかりの泉田さんに、その胸の内をじっくりと伺いました。
 今回の知事選挙期間中に行われた報道各社調査による県民の県政評価率が、なんと8割を越えていたという泉田さん。マニュフェストは、自分がやりたいことではなく、有権者が望むことをそのまま採用し、愚直に県政を推進して来られました。番組前半では、そんな泉田さんに、忘れもしない2007年7月16日、知事1期目で遭遇した新潟県中越沖地震当時の記憶を振り返っていただきました。そのときは、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の3号機の変圧器から火災が発生。なんと県庁と現地のホットラインは不通。緊急対策室の扉が地震で開かなくなったためだったといいます。
 その反省から、泉田さんの働きかけもあって「免震重要棟」ができたわけですが、その後、福島第一原発の免震重要棟が出来たのは、なんと3.11の8月前だったといいます。もしかしたら東日本大震災による壊滅的被害から日本を救ったのは、泉田さんと言っても過言ではないでしょうか? そんなお話を前半で伺っています。
 番組後半では、今年の2月の段階では議会で4選目指して県知事選に立候補を表明されていた泉田さんが、なぜ告示の1か月前に突然撤退を決められたのか。地元の新聞社が、泉田県政を執拗に追い込んだかのように見える「中古フェリー購入問題」報道に関して、泉田さんの見解を伺いました。番組では、当該新聞社が掲載した反論も紹介。選挙の争点が、この問題だけになることで公益性が確保できないと判断し撤退した泉田さんの英断の裏には、いったいどんな真実があったのでしょうか?ハウスエージェンシーを経由して東京電力から大きな広告出稿を手にしていた地元新聞社。原子力ムラとメディアのつながりについて言及しながら、泉田さんの身辺で当時起こっていたことについて伺いました。」
■LIGHT−UPジャーナル〜「東京電力柏崎刈羽原子力発電所の立地面から見た脆弱性」
「元京都大学原子炉実験所の小出裕章さんに電話をおつなぎして、再稼働を急ぐとされる東京電力柏崎刈羽原子力発電所の立地面から見た脆弱性について、泉田前知事とともに伺いました。」
 
「終戦から70年以上が経った今、戦争体験者の数は減少の一途を辿っています。中でも兵士として戦地に赴いた人の数は顕著です。
 そんな中、ここに攻撃機の整備兵として真珠湾攻撃に赴いた一人の元海軍兵がいます。瀧本邦慶さん(95)。
 瀧本さんはその後、北太平洋ミッドウェイ海戦にも参加。負傷するも、九死に一生を得ます。また、続いて送られた西太平洋トラック島でも、餓死の恐怖と戦いますが、ひょんな偶然から死を免れます。
 終戦後、なんとか復員する瀧本さんですが、戦史などを調べるうちに、大きな怒りに震えたといいます。それは、自分が見てきた事実と、国(大本営)が発表している事実がまったく違うことが理由でした。「国は平気で嘘をつく」。果たしてどのような嘘だったのか?
 そして、10年前からそれらの戦争体験の語り部として小中高大学を回っていましたが、それもある理由から瀧本さんは止めることを考えます。その決意の理由とは?
 今回は、瀧本邦慶さんご本人をスタジオにお招きし、戦争で見てきたこと体験したことをつぶさに伺います。
◯瀧本邦慶さん講演依頼はこちらから
平和学習を支える会
http://heiwa.osaka/
新聞うずみ火 http://uzumibi.net/
 

「今回のスタジオのお客様は、映画監督のリンダ・フォーグランドさんです。完璧な日本語を話すリンダさんは、アメリカ人の宣教師の娘として日本で生まれ育ち、アメリカに渡った後は映画の字幕の翻訳で培った才能とそこで出会った人々との交流の中で、今度はご自身が監督となって衝撃的な映画の数々をリリースして来られました。
 敢えてアートに昇華させた「美しい映像」で、誰にも真似できないインパクトをもって表現する戦争の悲劇、人間の愚かさ……。
 リンダさんの映画には、戦争と平和への深いこだわりがたくさん詰まっています。それは、日本の地方都市で暮らした小学生の頃の記憶の断片、先生が「アメリカが広島に原爆を落とした」と教えたとき、教室中の日本人の友だちが一斉にリンダさんの方を振り向いたという、そんな原体験からだとおっしゃいます。言われのない罪の意識を、日米の文化のはざまにあった幼少期から引きずって来たとおっしゃるリンダさん。その後どんな作品を、どんな思いに重ねて生み出してきたのでしょうか? じっくりと語っていただきました。
作品の一部がご覧になれます。
http://lhoaglund.com/
■LIGHT−UPジャーナル:「息苦しい今の日本をどう生き抜くべきなのか?」
「今回のLight Up!ジャーナルは、落合恵子さんと電話でお話しします。求められれば声を届けるために休む暇なく全国を駆け巡っている落合恵子さん。様々なデモや集会に参加し、その行く先々での出会いの中でまた新しい価値を見つけながら、ご自身の思いを伝え続けていらっしゃいます。息苦しい今の日本をどう生き抜くべきなのか? 小さな声でも、心から湧く「伝わる言葉」をつなぎあわせて大きくしていくことの大切さを語って下さいました。若き日のラジオパーソナリティ時代の意外なエピソードも飛び出し、聴き応え満点のインタビューです!」
※金原注(参考動画)
映画『ANPO』予告編(1分37秒)
 

院内集会・資源エネルギー庁ヒアリング「原発の事故処理・賠償費用、廃炉費用誰がどのように負担するか」(2016年12月14日)を試聴する

原発 政治
 今晩(2017年1月11日)配信した「メルマガ金原No.2688」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
院内集会・資源エネルギー庁ヒアリング「原発の事故処理・賠償費用、廃炉費用誰がどのように負担するか」(2016年12月14日)を試聴する

 昨日、「パブコメ締切まであと1週間!~原発事故費用・廃炉費用⇒東京電力が責任を取らないまま国民負担に!」と題し、「総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 電力システム改革貫徹のための政策小委員会 中間とりまとめに対する意見公募」に応募しようと呼びかけましたが、今日はその続編(というか補充)です。
 昨日は、パブコメを書くための参考資料として、以下のサイトをご紹介しました(リンクを再掲します)。
 
 
 
 
 今日補充してご紹介しようとするのは、12月14日に衆議院第1議員会館で開かれた院内集会・資源エネルギー庁ヒアリング「原発の事故処理・賠償費用、廃炉費用誰がどのように負担するか」の中継動画です。集会の主催は、原子力市民委員会、原発ゼロの会、国会エネルギー調査会(準備会)有識者チーム、市民電力連絡会、eシフト、パワーシフト・キャンペーン、環境エネルギー政策研究所の7団体、後援は全国消費者団体連絡会でした。
 集会の開催趣旨は以下のように説明されていました。

電力自由化のもとで相対的に不利となる原発に対する「事業環境整備」の議論が新たな局面を迎えています。
 2016年9月以降、原発廃炉費用の一部、および福島第一原発事故の事故処理・賠償費用の一部を「託送料金」のしくみを利用して回収できるようにする議論が、12月中旬にも取りまとめられようとしています。
 原発事故の責任追及、原子力政策の国民的議論なく、国会での議論もなく、拙速に決めてしまうことに対し、多くの市民・消費者、新電力会社、国会議員、専門家から異議が上がっています。
 そこでこのたび、国会議員や専門家、消費者団体、環境団体などの共同により、院内集会と資源エネルギー庁ヒアリングを開催します。
 当日は、「原発コスト転嫁の前に責任の明確化と政策見直しを」とうったえる賛同署名も、経済産業省に提出予定です。どなたでもご参加いただけます。」
 
 2時間を超える動画ですから、パブコメ締切(1月17日)までに試聴することは難しい人も多いでしょうが、パブコメはさておくとしても、見る価値のある集会だと思います。
 試聴の目安時間及び関連資料と併せてご紹介します。
 
院内集会・資源エネルギー庁ヒアリング 「原発の事故処理・賠償費用、廃炉費用誰がどのように負担するか」(2時間05分)

冒頭~ 開会
 
 
3分~ 署名提出「原発コスト安」は嘘だった 国民への8.3兆円負担転嫁の前に政策転換を
※金原注 
(引用開始)
 福島第一原発廃炉費用などのために新たに8.3兆円を国民に負担させる形で政府が調整に入ったとの報道が、新電力・消費者に衝撃を与えました。9月16日の報道によれば、内訳は廃炉費用4兆円、賠償費用3兆円、さらに福島第一以外の原発廃炉費用として1.3兆円というものです。事故の責任があいまいなまま、また原子力政策の見直しを伴わない国民への負担転嫁は、新電力事業者や国民を説得できるものではありません。
 福島第一原発事故の賠償・被害最小化を最優先として、東京電力の責任を明らかにし、莫大な費用がかかることが明白となった原子力発電については、これまで利益を得てきた事業者が責任を持って安全な廃炉に向けた対策を取るべきです。経済合理性を欠く原発を、維持を前提として国民負担で支えることは、電力自由化の理念にも反し受け入れられるものではありません。
 パワーシフト・キャンペーンは、福島第一原発事故廃炉・賠償については東京電力の責任で、また今後の廃炉費用をめぐっては、政策転換の議論を行うことを強く要請します。
1.事故の責任があいまいなままに、国民負担は許されない
 東京電力福島第一原発事故については、東京電力に一義的な責任があるとされながらも、原子力損害賠償支援機構を通じて他の電力会社と政府が賠償費用を支援しています。東京電力が責任を取っているとは言えない一方で、東京電力の2015年度の営業利益は3400億円を超えています。一民間企業の起こした甚大事故について、企業を事実上「救済」しながら国民負担を求めることについて、倫理的にも経済的にも、理解を得られるものではありません。
2.「原発の事故費用・廃炉費用は莫大」明らかに-政策変更なき国民負担は許されない
 2014年の「エネルギー基本計画」をはじめ、各電源のコスト検証において、原子力については、事故処理・賠償費用を勘案してもなお、「コストが低廉な電源」と位置づけられてきました。しかし今回、東京電力福島第一原発事故廃炉・賠償費用は東京電力だけでは負担できないこと、また他の原発廃炉費用も、原発を保有する電力会社では支払いきれないことが公にされたと言えます。そうであれば、まずは新規原発の建設可能性について撤回し、また既存の原発廃炉も早急に検討する方向で、具体的に政策転換を行うべきです。
 原発のリスク、費用、事故被害の大きさについての国民的議論なしに、国民負担に転嫁することは、電力自由化の趣旨にも反しています。
 原発の費用負担と、原発電気の卸電力市場での取引や「非化石電源」としての扱いなど、市民・消費者に受け入れがたい政策に反対し、9月20日に新たに設置された「東京電力改革・1F問題委員会(東電委員会)」および「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」を注視していきます。
(引用終わり) 
 
8分~ 河野太郎衆議院議員原発ゼロの会/自民党
※金原注
原発ゼロの会「東電賠償・廃炉費用、老朽炉廃炉費用の託送料金上乗せについて(談話)」
(談話の「ポイント」を引用開始)
■ポイント
【総論】
1.既に東電賠償・廃炉費用は国民負担に転嫁されはじめている
2.東電債務超過回避のために費用見積りを隠すべきではない
3.老朽炉の廃炉関係費用の見積りを明らかにすべき
東電賠償・廃炉費用について】
4.原賠機構一般負担金「過去分」はあり得ない
5.「使用済燃料再処理等既発電費」の前例を悪用すべきではない
6.1F廃炉費用の託送料金上乗せの根拠がない
7.1Fへの廃炉会計制度(廃止措置資産)適用には歯止めがない
8.東電破綻処理、株主・貸し手責任の完遂が前提
【老朽炉の廃炉費用について】
9.「安全神話」の反省がない
10.ベースロード電源市場とのバーターにすべきではない
11.廃炉促進の特別法で分割償却を担保すべき
12.託送料金上乗せは電力会社に不当な損益改善効果
13.会計制度を歪めるべきではない
14.「原発は安い」というコスト計算に意味はない
(引用終わり)
22分~ 近藤昭一衆議院議員原発ゼロの会/民進党
24分~ 阿部知子衆議院議員原発ゼロの会/民進党
 
29分~ 新電力各社へのアンケート結果についての報告
※金原注
 
35分~ 資源エネルギー庁ヒアリング
 司会 飯田哲也氏(認定NPO法人環境エネルギー政策研究所所長)
 36分~ 大島堅一氏(立命館大学国際関係学部教授) 論点整理
 57分~ 竹村英明氏(市民電力連絡会会長、EGパワー) 問題点指摘
 1時間01分~ 資源エネルギー庁からの説明と討論 

パブコメ締切まであと1週間!~原発事故費用・廃炉費用⇒東京電力が責任を取らないまま国民負担に!

原発 声明
 今晩(2017年1月10日)配信した「メルマガ金原No.2687」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
パブコメ締切まであと1週間!~原発事故費用・廃炉費用⇒東京電力が責任を取らないまま国民負担に!

 先月来、気にはなりながらメルマガ(ブログ)で取り上げてこなかったテーマがあります。それは、原発事故の処理費用や廃炉費用を国民に負担させるための枠組みを作ろうという国の方針であり、様々な団体が反対のアピールを出していますし、どういう風に取り上げたものか迷っているうちに時が経過し、気がついてみると、「総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 電力システム改革貫徹のための政策小委員会 中間とりまとめに対する意見公募」なる長ったらしいタイトルのパブコメ募集期間が、あと1週間(1月17日まで)と迫っていました。
 そこで、とりあえず、このパブコメの募集要項と、その対象となった「中間とりまとめ」をご紹介することにしたいと思います。
 
(抜粋引用開始)
 経済産業省では、総合資源エネルギー調査会基本政策分科会の下に設置された「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」(小委員長:山内弘隆一橋大学大学院商学研究科教授)において、競争活性化の方策と競争の中でも公益的課題への対応を促す仕組みの具体化に向け、検討してきました。
 本小委員会の検討結果を中間報告書としてとりまとめるにあたり、広く皆様からも御意見をいただきたく、以下の要領で意見の募集をいたします。
1.意見募集対象
 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 電力システム改革貫徹のための政策小委員会 中間とりまとめ
2.資料入手方法 略
3.意見募集期間(意見募集開始日及び終了日)
平成28年12月19日(月)~平成29年1月17日(火)
(郵送の場合は平成28年1月16日(月)必着)
4.意見提出先・提出方法
別紙の意見提出用紙に日本語で記入の上、以下いずれかの方法で送付して下さい。
(1)電子政府の総合窓口( e-Gov )意見提出フォーム
※(金原注)意見提出フォームへのアクセスはこちらのページから。
(2)郵送
(3)FAX
(4)電子メール
(引用終わり)
 
「電力システム改革貫徹のための政策小委員会 中間とりまとめ(案)」
※2016年12月16日に開催された小委員会で提案されたもの。実際にパブコメに際して公表された「中間とりまとめ」から(案)が外れていますが、どこか修正されたかどうかは未確認ですので、引用される場合には、「パブリックコメント:意見募集中案件詳細」から「中間とりまとめ」をダウンロードされることをお勧めします。
 
 ただ、いきなり「中間とりまとめ」(PDFファイルで34ページもある)を「読んでください」と言っても、何が特に問題なのか訳が分からないと思いますので、信頼するに足る団体の声明をまず2つお読みいただければと思います。
 1つは、「原子力市民委員会」が12月2日に発表した「声明:新たな東京電力救済策・原子力発電会社救済策は正当化できない」です。この12月2日というのは、「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」が「中間とりまとめ」を了承した12月16日よりも前ですが、大筋は明らかになっていたため、緊急に公表した声明です。声明自体は相当に長いものなので、同時に公表された声明の要旨を引用します。
 

同声明(要旨)
(引用開始)
原子力市民委員会 
 座長:吉岡 斉           
 座長代理:大島堅一、島薗 進、満田夏花 
 委員:荒木田岳、大沼淳一、海渡雄一、後藤政志、筒井哲郎、伴 英幸、武藤類子  
 2016年9月に入って経済産業省は、新たに2つの審議会を設置した。経済産業省に置かれる「東京電力改革・1F問題委員会」(略称:東電委員会)と、同省の総合資源エネルギー調査会に置かれる「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」(略称:貫徹委員会)である。前者は東京電力救済を目的としている。後者は東京電力のみならず、全ての原子力発電会社(旧電力9社および日本原子力発電、ならびに将来原子力発電所を保有する電力会社)の救済を目的としている。
 2つの審議会は、2016年内にも、新たな東京電力救済策と、原子力発電会社救済策の骨子を定めることを目指している。もしそれが実現すれば、2つの深刻な事態が発生することになる。
 第1に、2011年3月の福島原発事故に係る事故対策費の支払いの大半を、事故対策活動を続けるために今後追加されていく支払いも含めて、国民負担に転嫁する仕組みが整うこととなる。ここで重要なのは電気料金(当面は新電力も含めた電気料金、2020年からは送電会社の託送料金)への上乗せによって東京電力救済資金が調達されることである。これにより国会の承認なしに際限なく値上げしていくことが可能となる。
 第2に、東京電力だけでなく全ての原子力発電会社が抱える原子力発電固有のコストを、同じように将来追加される支払いも含めて電気料金に上乗せし、国民負担に転嫁する仕組みが整うこととなる。当面予定されているのは廃炉コストだけだが、この仕組みを他の費目にも当てはめていくことは簡単である。今後も次々と巨額の国民負担を求める事案が浮上してくると見込まれる。しかも国会の承認なしに、新たな国民負担を、際限なく追加していくことが可能となる。
 たとえば使用済み核燃料再処理コストについては、2006年より再処理等積立金が電気料金に上乗せされ、現在までに5兆円余りが積み立てられたが、すでに半分以上が日本原燃に注入され、しかも日本原燃の再処理実績はほとんどない(425トン)。六ヶ所再処理工場では新規制基準適合のための工事が続いており、今後の再稼働の見通しも立っていない。この状態が続けば、再処理が進まぬまま積立金が枯渇し、新たな国民負担が求められる事態となる恐れが濃厚である。たとえ将来再処理が廃止されても、今までの国民負担は返還されない。
 今まで述べてきた2つの原子力発電会社救済策が導入されれば、福島原発事故の対策コストと原子力発電固有のコストを、簡単に国民に転嫁するメカニズムが完成することとなる。つまり単に今回限りの救済策ではなく、永続的な救済策が導入されることに相当する効果をもつこととなる。こうした深刻な事態を踏まえて原子力市民委員会は、原子力発電にともなう国民の犠牲を最小限にとどめるため、2つの提案をしたい。
 第1は、福島原発事故の対策費について、電気料金からの上乗せによる東京電力への追加注入の仕組みの導入を見送ることである。東京電力は、2011年の福島原発事故によって深刻な経営危機に陥ったが、同年6月の東京電力債務超過にさせないという閣議決定にもとづき、手厚い政府主導の支援策により今日まで生き延びてきた。しかし早期に経営破綻させるべきだった。福島原発事故を引き起こした企業として3月期に債務超過に陥ることを防ぐ必要はない。東京電力延命という政府の努力目標を記載した2011年6月の閣議決定も見直す必要がある。なお東京電力を破綻処理しても支払えない事故対策コストが、国民負担となることは止むを得ない。東京電力原子力関係者は、そのような結果をもたらす恐れのある原子力発電事業を進めたこと自体が誤りだったことを謝罪し、原子力発電廃止を決定すべきである。
 第2は、原子力発電固有のコストは、数ある発電手段の中から原子力発電を選んだ電力会社が負担すべきである。今になって原子力発電コストが割高であることが明らかになったからといって、新電力会社に背負わせるべきではない。しかも原子力発電会社はすでに原子力発電施設解体引当金を積み立てている。廃炉コスト見積りが上昇した場合は、引当金の増額で対応するのが筋である。
                                           以上
(引用終わり)
 
 もう1つは、「原子力資料情報室」が12月19日に発表した「福島原発事故の損害を消費者転嫁する前に東電の破産処理をすべきだ」という声明です。これは、3日前の「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」での取りまとめの結果を承けた声明です。
 
原子力資料情報室 2016年12月19日
福島原発事故の損害を消費者転嫁する前に東電の破産処理をすべきだ

(引用開始)
 福島第一原発事故の損害費用を広く消費者に転嫁するという本末転倒した制度の導入が目論まれている。ことの発端は10月に東京電力がこのままでは債務超過になり経営破綻する恐れが出たことを理由に政府の救済を求めたことにある。政府は東電を破産から救済するために、「新制度」を導入して消費者転嫁をいっそう進めようとしている。私たちは、なし崩し的かつ上限のない青天井の救済策より、東電を破産処理した上で出直すことを求めたい。
 「新制度」の導入は2020年、総括原価方式が終了した時点である。損害費用は、現在は東京電力が電気料金を通して調達している。損害賠償費用が被災者目線で支払われていない問題があるが、それはともかく、例えば、発送電が法的に分離される2020年以降は、送電会社を通して損害費用を確保しようとするのが「新制度」である。こうすることで東電と契約解消した消費者も費用を支払わされることになる。4年も先に導入する制度をいま決めているのだが、いったん消費者転嫁の「新制度」が導入されれば、今後、増えていく損害費用に容易に対応できる。
 東電の損害額は賠償費用8兆円、除染・中間貯蔵5.6兆円、廃炉費用7.9兆円という。経産省が改めて見積もりをした結果だ。ただし、廃炉費用の金額は廃炉支援機構からのヒアリングを転記しただけで、経産省自身が見積もったものではないと、無責任な対応をしている。廃炉に要する金額はさらに膨らむ可能性が高い。不透明なのは、費用のうち事故炉の廃炉技術の開発費用は政府が負担していて、東電負担がどの割合かが明らかになっていない点だ。上記見積で廃炉費用がヒアリング結果を吟味せずにそのまま載せているのは、あえて政府負担分と東電負担分を明らかにしないために違いない。
 損害額のうち、除染費用4兆円は政府が購入した東電株(1兆円)の売却益を充てる皮算用だ。中間貯蔵1.6兆円は電源三法交付金から支出する。税金で賄うことになる。
 問題は賠償費用と廃炉費用だ。賠償費用は送電部門を通して確保したいという。いわゆる託送料金に加えるのだ。
 本来なら、東電が身を切って支払うべき賠償を消費者に転嫁することを合理づけるために、経産省は「過去分」という概念をひねり出してきた。「受益者負担の公平等の観点から、事故前に確保されておくべきであった賠償への備え(=過去分)」という。否応無しに原子力の電気を使わされてきた消費者も負担するのが「公平」だというのである。通常では考えられない理屈を振りかざしている。屁理屈さは次のように考えると明瞭だ。レストランが火災になり保険では支払いきれないので、これまでに食事をした方全員に不足分の負担を求めているのと同じようなものだ。
 理屈にならない屁理屈をとおすのだから、金額の根拠も数字合わせそのもので、2015年度の原発の設備容量と1966年から2011年までの設備容量を比較して3.8兆円とし、2020年までには1.4兆円を電気料金から徴収するから残り2.4兆円を託送料金に上乗せするという。
 また、廃炉費用は送電会社の利益で賄うという。合理化を進めその分も廃炉費用に充てる。これが「新制度」の内容だ。
 負担を消費者転嫁する「見返りに」、原発の電気を市場で取引できるように「ベースロード電源市場」を創設することも経産省は目論んでいる。一部の新電力が「安い」原発の電気を卸電力市場に出すことを求めていることへの対応だ。一般消費者はそんなことを望んではないだろう。むしろ原発の電気を使いたくないと考えている方たちが多数だ。それはともかく、すでにある日本卸電力取引所に既存の原子力事業者(大手電力会社)が原発や石炭火力などの「安い」電気を出さないからだといって、ベースロード電源市場を創設すれば機能するとは限らない。詳細は今後決めるというから、結局は市場創設に失敗し、損害費用の消費者転嫁だけが残る恐れが強い。
 東電を破綻させないことを前提に場当たり的な救済策を後付けしているから、理屈にならない論理を押し付けることになるのだ。菅直人元総理大臣が国会エネルギー調査会(準備会)(11月)の席上、2011年当時は事故の最中にあり東電救済が止むを得ないと考えたが、今なら東電を破産処理しても大きな問題は起きないので破産処理をするべきだと述べている。河野太郎衆議院議員は過去分をいうなら過去に原発であげてきた利益をまず差し出すべきで、また、火力など設備を売却して損害に充てるのが真っ当な対応だと主張する。
 東電経営陣や大株主が懐を痛めず、消費者に損害費用を転嫁することは認めがたい。東電の破産処理を行うことが先決だ。
                                       以上
(引用終わり)
 
 また、パブコメを書くための手引きとして、以下のサイトがよく推奨されています。
 
 
 最後に、この問題を考えるための参考動画です。
 
 
2016年12月20日 BSフジLIVEプライムニュース ハイライトムービー
『廃炉・賠償21.5兆円 なぜ従来試算の2倍に』
ゲスト 山本拓氏(自民党資源・エネルギー戦略調査会会長)、石川和男氏(社会保障経済研究所代表)、大島堅一氏(立命館大学国際関係学部教授)

※まもなくこのハイライトムービーは見られなくなり、代わってテキストアーカイブが公開されることになります。
  
2017年1月8日 IWJ兵庫 
政府は原発救済費用を電気代に上乗せするな!福島事故の賠償はまず東京電力に払わせよう!「原発負担金はお断り!神戸集会」 2017.1.8

※一昨日(1月8日)、「さよなら原発神戸アクション」が神戸市勤労会館で開いた集会です。環境経済学が専門の朴勝俊(パク・スンジュン)氏(関西学院大学教授)が、経産省が求める原発事故処理・賠償などの費用負担の仕組みと問題点を分かりやすく解説してくれています(チラシ参照)。

再放送に注目!ハートネットTV(Eテレ)シリーズ 暮らしと憲法「第一回 女性」(1/11)&「第二回 外国人」(1/12)

憲法 人権
 今晩(2017年1月9日)配信した「メルマガ金原No.2686」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
再放送に注目!ハートネットTV(Eテレ)シリーズ 暮らしと憲法「第一回 女性」(1/11)&「第二回 外国人」(1/12)

 私が、定期的にホームページを閲覧して興味深いドキュメンタリーの放送予定がないかと確認する主な番組は、NHKスペシャル(総合)、ETV特集(Eテレ)、NNNドキュメント(日本テレビ系)、テレメンタリーテレビ朝日系)、映像(毎日放送)ですが、地上波に限っても、これ以外にも見るに値する番組は少なくないと思います。けれども、そうそうテレビばかり見ている時間もないですし、とりあえず5番組をフォローするのが精一杯です。
 ということで、漫然とテレビのスイッチを入れてあちこちのチャンネルをのぞいてみるという習慣がなくなり、インターネットであたりをつけた番組を録画した上でDVDにダビングして視聴する(テレビはほぼモニターとしてしか使わない)生活が定着してしまいましたから、なかなか新規の番組に目が行かないようになっています。
 従って、「新規」どころか、既に放送開始から10年が経過したNHK・Eテレの「ハートネットTV」(毎週月曜~木曜午後8時00分~8時29分、再放送翌週月曜~木曜午後1時05分~1時34分)も、「障害や病のある人、悩んでいる人、支える家族や共感する人。現代社会には、さまざまな「生きづらさ」と向き合っている人がいます。そんな「生きづらさ」を抱える全ての方々のために、ハートネットTVはスタートしました。“当事者の目線”を大切に、ほかのメディアやニュースとは違う視点で「生きづらさ」を掘り下げ、シリーズ化して放送しています。」(番組ホームページから)という番組であることは、何となく聞き知っていたように思いますが、積極的に録画・視聴することはなかったのです。
 
 そんな私が、ハートネットTVで新春4日と5日に放送され、まだ再放送を視聴するチャンスがある「シリーズ 暮らしと憲法」の2本の存在に気がついたのは、志田陽子さん(武蔵野美術大学教授・憲法学)がFacebookタイムラインでシェアされていたのが目にとまったからです。Facebookもやり過ぎると時間の浪費になる恐れが十分にあるので要注意ですが、自分では気がつかなかった良質な情報に気付かせてくれる機会も多いので、要は使い方次第ですね。ちなみに、Twitterは、1日1回ブログ更新情報をツイートするだけで、情報収集には全く利用していません(そんなことをやり出したらブログを書く時間がなくなる!)。
 
 今のところ2本放送された「シリーズ 暮らしと憲法」ですが、憲法施行70周年の5月3日まであと4ヶ月近くあるのですから、まさかこの2本で終わりということはないでしょう。もっとも、第3回以降の予定は探し出せませんでした。
 ところで、「第二回 外国人」に百地章さん(国士舘大学大学院客員教授)が出演されたそうですが、一体どんな発言をしたのでしょうね。名城大学近藤敦さん(法学部教授)も出演されたのですから、お2人が同じことを言っているはずはないでしょうけど。
 
NHK・Eテレ 2017年1月11日(水)午後1時05分~1時34分
再放送)ハートネットTV「シリーズ 暮らしと憲法 第一回 女性」

(番組案内から引用開始)
放送内容
今年は、日本国憲法が施行されてから70年の節目の年。戦後日本は、憲法を道しるべに社会を築いてきました。しかし、憲法のことを普段は、あまり意識しないのではないでしょうか?ハートネットTVでは、シリーズで暮らしの現場から憲法を見つめていきます。
第一回 女性 
第24条・婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し……
法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければなりません。
男女平等がうたわれたこの第24条は、当時、世界でも類を見ない高い理想を掲げた内容でした。この条文の草稿を書いたのが、GHQのスタッフだったベアテ・シロタ・ゴードンさん(当時22歳)。幼少期に10年ほど日本で暮らしたベアテさんは、財産権・選挙権などの「権利」を持たず、結婚も本人の意思だけでは決められない日本女性たちの状況を見聞きしていました。70年前に生まれた憲法の男女平等の理念をもとに戦後女性が獲得した権利と、いまなお抱え続ける生きづらさ。貧困や様々な困難を抱える女性の暮らしから憲法を見つめます。
 
関連情報
ベアテ・シロタ・ゴードンさんについて

1923年オーストリア・ウィーン生まれ。1929年5歳の時にピアニストの父に伴い来日、その後10年を日本で過ごす。1945年、GHQ民政局のスタッフとして再来日。日本国憲法の草案作成に携わる。人権、特に女性の人権について担当する。戦後、アメリカでアジア文化の普及に努める。2012年逝去、享年89歳。
番組で紹介した非正規職シングル女性の実態調査について
2016年3月に報告された「非正規職シングル女性の社会的支援に向けたニーズ調査」。横浜・大阪・福岡にて非正規職で働くシングル女性を対象に、ウェブアンケート調査及びグループインタビューを実施した調査結果。
※詳しくは、(公財)横浜市男女共同参画推進協会ホームページに報告書の概要が公表されています。
※(金原注)
 報告書【概要版】を発行しました!  報告書概要版(PDF) 
無戸籍者への対策について
法務省民事局のホームページに「無戸籍の方が自らを戸籍に記載するための手続等について」として、相談窓口や手続きについての詳細が掲載されています。
民間の支援団体『民法772条による無戸籍児家族の会』では電話相談を受け付けています。
無料相談ホットライン 03-6428-0728


出演者情報

ベアテ・シロタ・ゴードンさん(元GHQ民政局スタッフ)
白藤 香織さん(公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会)
辻村 みよ子さん(明治大学法科大学院教授)
山浦 善樹さん(弁護士、元最高裁判所判事)
山田 賢治アナウンサー
(引用終わり) 
 
(番組案内から引用開始)
放送内容
第二回 外国人
第11条・国民はすべての基本的人権の享有を妨げられない…
第14条・すべて国民は法の下に平等であって…
第25条・すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
様々な理想的な権利が記された条文。改めて読んでみると、主語は「国民」であって、日本に暮らす外国人についての記述はありません。外国人の権利はどうなっているのでしょうか?いま、学説や判例では、「国民」と書かれていても、権利の内容によって「外国人にも権利がある」とされています。しかし、どの権利を認めるかについては議論が分かれます。特に第25条の「生活保護」や第26条の「教育の権利と義務」は、どこまで認めるかは諸説あり、福祉や学校の現場では混乱が生まれています。いま、日本に暮らす外国人はおよそ230万人、国は今後も外国人の受け入れを増やしていく方針です。様々な課題に直面している外国人の暮らしから憲法を見つめます。
 
出演者情報
柴田 圭吾さん(豊橋市役所)
ピッチフォード 理絵さん(NPO法人青少年自立援助センター定住外国人子弟支援事業部 多文化子ども・若者日本語教室)
近藤 敦さん(名城大学法学部教授)
百地 章さん(国士舘大学大学院客員教授
山田 賢治アナウンサー
(引用終わり)
 

司法に安保法制の違憲を訴える意義(9)~東京・差止請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告(田中煕巳さんと小倉志郎さん)による意見陳述

憲法 司法
 本日(2017年1月8日)配信した「メルマガ金原No.2685」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
司法に安保法制の違憲を訴える意義(9)~東京・差止請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告(田中煕巳さんと小倉志郎さん)による意見陳述

 昨日は、昨年12月21日(水)に開かれた安保法制違憲・差止請求事件の第2回口頭弁論から、被告・国の答弁書に対して反論した「準備書面(1)」についての古川(こがわ)健三弁護士、平和的生存権の権利性・被侵害利益性について主張した「準備書面(2)」についての黒岩哲彦弁護士の各陳述をご紹介しました。
 
 今日は、同口頭弁論で意見陳述されたお2人の原告、長崎原爆被害者で被団協事務局長の田中煕巳(てるみ)さんと元原発技師の小倉志郎さんの陳述内容を、裁判後の報告集会で配布された資料から引用してご紹介します。
 
 田中煕巳さんは、元東北大学工学部助教授、元十文字学園女子大学短期大学部教授、工学博士。昨年のオバマ米大統領の広島訪問を前に被団協事務局長として日本記者クラブで会見し、記者の質問に答えたことを記憶しておられる方もいるかもしれませんね。
 
 
田中煕巳 被団協事務局長 「オバマ広島訪問」① 2016.5.19(1時間21分)
 

 また、元東芝原発技術者であった小倉志郎さんは、3.11後、国会事故調の協力調査員として事故原因の究明に協力されたりしていますが、実は、3.11の4年前である2007年に、「リプレーザ」という季刊誌に山田太郎という筆名で『原発を並べて自衛戦争はできない』という論文を発表したことで
知られています・・・と言っても、正直、広く知られるようになったのは3.11後のことでしょうが。
 3.11後、安全保障の観点から原発の即廃炉を主張する言説は多くの人が口にするようになりましたが(私もそうですが)、2007年の時点で、原発技術者としての長年の経験・知識に裏打ちされたこれだけの論考が書かれていたというのは驚かざるを得ません。筆者の了解の下、インターネットに転載されたものがいくつかあるようですが、3.11から1ヶ月余り後という時点で「ちきゅう座」に掲載された
ものが、最も読みやすいと思います。
 
 
 原発が存在するということ自体、日本が絶対に「戦争ができない国」であることの最も重要な根拠の一つであることを非常に説得力豊かに解き明かした論考として、全国民必読と言っても言い過ぎではないと思います。
 
 なお、東京地裁での安保法制違憲訴訟の資料(訴状、答弁書、準備書面など)は、「安保法制違憲訴訟の会」ホームページの「裁判資料」コーナーに、「国家賠償請求訴訟」「差止請求訴訟」に分けて収録されています。
 
 また、差止請求訴訟の「請求の趣旨」(原告が求めている結論)及び被告・国の「請求の趣旨に対する答弁」は、昨日のメルマガ(ブログ)に引用していますのでご参照ください(司法に安保法制の違憲を訴える意義(8)~東京・差止請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告訴訟代理人による陳述)。
 
 それから、当日午後1時から参議院議員会館において行われた報告集会の動画を、もう一度ご紹介しておきます。
 
2016年12月21日 『安保法制違憲訴訟差し止め請求訴訟』傍聴&報告集会(1時間35分)
 
冒頭~ あいさつ 寺井一弘弁護士
8分~ 古川(こがわ)健三弁護士 「準備書面(1)」について
15分~ 黒岩哲彦弁護士 「準備書面(2)」について、法廷でのマイク問題について、口頭弁論での
原告意見陳述について
21分~ 原告・田中煕巳(てるみ)さん(長崎原爆被害者、被団協事務局長)
33分~ 原告・小倉志郎さん(元原発技師)
42分~ 原告・東京大空襲被災者
52分~ 原告・父が関東軍で悲惨な体験
58分~ 原告・船員(外洋航路)
1時間05分~ 福田護弁護士 差止訴訟の現状と今後
1時間17分~ 原告・志田陽子さん(憲法研究者・武蔵野美術大学教授)
1時間27分~ 原告・飯島滋明さん(憲法研究者・名古屋学院大学教授)
1時間33分~ 閉会 司会・杉浦ひとみ弁護士
 

 
1.私は、1932(昭和7)年生れで、84歳になります。
 2000(平成12)年から現在まで日本原水爆被害者団体協議会日本被団協)の事務局長をしています。
 私の父は元軍人で満州へ赴任したため、私は満州で生れましたが、父が、昭和13年に奉天瀋陽)で亡くなったので、母は私と兄、妹2人を連れて長崎に帰りました。
 長崎へ原爆が投下された1945年8月9日、私は13歳で旧制中学1年生でした。自宅は爆心から3.2キロ離れた山影の地形の所にありました。
 木造2階建の家で、私は2階に居て、突然、真っ白な強い光を感じ、慌てて2階から下に降りて伏せましたが、気を失ってしまいました。強い爆風が襲ったと思いますが、どうして気を失ったかわかりません。母子4人は、奇跡的に誰も傷を負いませんでした。家は爆風でかなり傷みましたが、修理して住むことができました。
 爆心地から1キロ以内に父方と母方の2軒の伯母の家があり、5人の親戚を亡くしました。爆心地と私が住んでいた街との間に大きな金比羅山という山がありましたので、私は原爆直後の惨状は知りませんでしたが、3日後に爆心地帯に入ったときには、亡くなった方が何百何千と散乱し、重症をおったままの方たちもあちこちにいました。これは本当に人間の世の出来事かと思いました。
 
2.終戦後、母子家庭の我家の生活は苦しく、働いて生きることで精一杯でした。私は、進学したかったのですが、高校卒業後1年間は市の保健所の臨時職員として働き、その後、上京して4年間働き、東京理科大学理学部に入学し、原子物理学を専攻しました。長崎では、被爆者が白血病で後になってどんどん亡くなっていくのを見ていました。原爆がどんなものか知りたかったのです。
 卒業間際に、東北大学工学部の助手の募集があり、幸い採用され、研究者と教育者の道に進み、その後埼玉の大学に移り、70歳まで勤務しました。私は、幸運にも無傷で生き残ったので、被爆者のためにできることを精一杯しようと考えて活動してきました。
 
3.原爆の被害が何だったのかを振り返るとき、特異な事としてまず思い出すのは、終戦直後から現地にアメリカが設置したABCC(原爆傷害調査委員会AtomicBomb Casualty Commission)が被爆データを収集していたことです。子どもはすべて連れて行かれ、ABCCで検査されました。妊婦がいるというと、助産婦協会が協力して、妊婦は連れて行きました。検査をするのです。被爆に苦しむ人が行っても治療をしてくれるところではありません。遺伝子レベルでの調査をしていたのです。私たちは嫌なところだと思っていましたが、占領下ですから私たちに「否」はありませんでした。私たちはモルモットだったのです。
 また、国内では被爆者であることによる根深い差別偏見がありました。長崎を出た者は「長崎出身」は口にすることができませんでした。イコール被爆者というレッテルが貼られるからです。被爆者の子ども世代の結婚にあたっても、親が被爆者であることや長崎出身であることは隠さなければいけないことでした。
 私たちは原爆によって体内に入った放射能のためにこのような苦しみをずっと負い続けています。力に
よる紛争解決は核兵器に行きつく可能性をはらみ、またこの日本では原発は格好のテロの対象になっています。70余年前の被爆の苦しみが解決されていないのに、再びその危険に踏み出す事になった安保法制は、私自身の平和的な生存も、私たち被爆者の人格としての尊厳も顧みないことです。そして、被爆者の一人として生きてきた自分の人生を振り返ると、同じ苦しみを誰にも味合わせたくありません。
 また戦後一貫して平和と被爆者の救済のために戦ってきた私にとっては、私たちの声を聴くことなく、
憲法9条を踏みにじる法律を制定した事に対して、主権者としての強い怒りを感じます。
                                        以上
 

 
1.私の人生と原子力発電所とのかかわり
 私は1941年(昭和16年)5月に生まれ、3歳の時に現在の大田区でB29による大空襲の真下にいました。たった一晩のことですが、いまだに我が家の地域が大火災になった光景が鮮明な記憶として残っています。
 その後は、食料をはじめ物資の不足する中を家族の努力のおかげで、無事に大学院(修士)までの教育を受けることができました。
 1967年(昭和42年)4月に日本原子力事業株式会社(後に東芝に吸収合併される)に技術者として入社し、原子力発電所の建設に携わることになりました。まさに日本の高度成長期で、エネルギー資源の乏しい日本は、原子力発電所(以下、原発)の導入を始めたばかりで、先行する米国産業界とライセンス契約を結び、原発の技術を学ぶのに必死でした。私は最先端技術を学び、日本の安定したエネルギー源確保に貢献できることに生き甲斐を感じていました。
 原子炉の炉心の安全を守るシステムに13年関わり、その後、柏崎・刈羽原発1号機の建設現場で働きました。岩盤まで掘り下げた地面の上に一個の巨大で複雑な原発が姿を現してくるのを目の当たりにして、圧倒される思いでした。ここで3年を過ごした後、既に稼働をしていた福島第二原発の現場に移動となり、原発の定期点検、修理工事、運転中の原発内のパトロールも行いました。パトロールは原子炉建屋、タービン建屋、屋外、中央制御室など人が近づける部分は全部観て回り、運転状態に異常がないことを自分の感覚を使って確認します。原発は1基でも一日では回りきれない大きさです。原発は海水温度や大気温度などに敏感に反応して、炉心の出力が変わり、建屋の空調設備の運転が周期的に変動するなど自動制御によって行われるために、現場にいると原発が巨大な生き物であるかのような錯覚を覚えるほどでした。
 
2.原発の危険性と平和の関係
 2002 年(平成14年)3月に定年退職をしました。高度成長期に仕事に埋没していた私は、自分が安全に、平和に生きることへの危機感など持たない生活を送ってきましたが、この間に、1979年(昭和54年)のスリーマイル島、1986年(昭和61年)にチェルノブイリ原発事故がおこり、原発が人間や生態系に想像を絶するような打撃を与えるものでありながら、あまりに脆弱なものであることを知りました。退職してからは、その危険性については強い危機感を抱くようになりました。そして、原発にかかわる仕事に携わった者の責任として、この国に、健康で安全に暮らせる環境を残さなくてはいけないという、強迫観念に近いような強い思いにとらわれるようになりました。季刊誌に「原発を並べて自衛戦争はできない」という論文を投稿したのは2007年のことでした。その内容は、①武力攻撃に対して脆弱な原発を海岸線に50基余りも並べた日本は、これを軍事力などでは守れない。②一たび原発が武力攻撃されたら、日本の土地は永久に人が住めない土地になり、再び人が住めるように戻る可能性がない、ということです。
 この結論は、3.11で震災による福島第一原発が大事故を起こしたことで証明されてしまいました。
 原発は、ミサイルなどの巨額な兵器によらなくても携帯可能な小型の兵器により原子炉を冷却する電源系統、あるいは海水系統を破壊すれば、炉心損傷のような過酷事故にいたる脆弱なものなのです。昨年11月にフランスでテロが起こった時、フランス政府は原発への攻撃を恐れ、警戒したと報道されたのはその証左です。
 
3.私たちの声を聞かない憲法違反の法制定
 昨年の秋、「成立したとされる」安保法制法は、多くの憲法学者たちも「違憲」だと明言しました。ま
た、国会内で十分な議論もされないまま多数派による強行採決によって成立させられました。平和でなければ原発は守れません。この法律は、他国との間に憎しみを生み、原発への攻撃の危険性を招くものです。私のような経験を持つ者の声や、大勢の知恵が全く反映される機会もなく、しかも憲法違反の法律が作られたことは許せません。今、この日本に住む私たちだけでなく、将来生まれて来る子どもたちが安全に、健康に暮らせなくなるのです。もっともっと議論されるべきだったはずです。原発の実情を知る私は、このまま刻々と過ぎる時間は、ちょうど時限爆弾を抱えたような感覚で、激しい焦燥感に駆られ、苦しんでいるのです。
                                        以上
 

(弁護士・金原徹雄のブログから)
2016年9月3日
東京・安保法制違憲訴訟(国賠請求)が始まりました(2016年9月2日)
※過去の安保法制違憲訴訟関連のブログ記事にリンクしています。
2016年9月6日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(1)~東京・国家賠償請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告訴訟代理人による意見陳述
2016年9月10日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(2)~東京・国家賠償請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告による意見陳述

2016年10月4日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(3)~東京・差止請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告訴訟代理人による意見陳述
2016年10月5日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(4)~東京・差止請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告による意見陳述

2016年12月9日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(5)~東京・国家賠償請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告代理人による意見陳述
2016年12月10日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(6)~東京・国家賠償請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告による意見陳述

2017年1月5日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(7)~寺井一弘弁護士(長崎国賠訴訟)と吉岡康祐弁護士(岡山国賠訴訟)の第1回口頭弁論における意見陳述

2017年1月7日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(8)~東京・差止請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告訴訟代理人による陳述

司法に安保法制の違憲を訴える意義(8)~東京・差止請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告訴訟代理人による陳述

憲法 司法
 今晩(2017年1月7日)配信した「メルマガ金原No.2684」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
司法に安保法制の違憲を訴える意義(8)~東京・差止請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告訴訟代理人による陳述

 昨年12月21日(水)午前10時30分から、東京地方裁判所103号法廷において、安保法制違憲・差止請求事件(原告52名)の第2回口頭弁論が開かれました。
 今回は、9月29日の第1回口頭弁論で陳述された被告・国の答弁書に対する原告の反論(準備書面(1))と平和的生存権の権利性・被侵害利益性についての具体的な主張(準備書面(2))が行われました。
 当日は、上記2本の準備書面の概要について、古川(こがわ)健三、黒岩哲彦両弁護士が法廷で陳述した他、お2人の原告、長崎原爆被害者で被団協事務局長の田中煕巳(てるみ)さんと元原発技師の小倉志郎さんが意見陳述されました。
 
 これまでの裁判資料や報告会で配布された資料(法廷での陳述用原稿など)は、「安保法制違憲訴訟の会」ホームページの「裁判資料」に(「国家賠償請求訴訟」「差止請求訴訟」に分けて)収録されています。
 
 今日は、原告訴訟代理人である古川弁護士と黒岩弁護士による陳述を全文ご紹介しようと思いますが、それに先立ち、本件差止請求訴訟の「請求の趣旨」及び被告・国の「請求の趣旨に対する答弁」をまずお読みください。
 
東京地方裁判所(民事第二部) 
平成28年(行ウ)第169号 安保法制違憲・差止請求事件
原告 志田陽子、石川徳信ほか(計52名)
被告 国

「訴状」から
請求の趣旨
1 内閣総理大臣は,自衛隊法76条1項2号に基づき自衛隊の全部又は一部を出動させてはならない。
2 防衛大臣は,重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律の実施に関し,
(1) 同法6条1項に基づき,自ら又は他に委任して,同法3条1項2号に規定する後方支援活動として,自衛隊に属する物品の提供を実施してはならない。
(2) 同法6条2項に基づき,防衛省の機関又は自衛隊の部隊等(自衛隊法8条に規定する部隊等をいう。以下同じ。)に命じて,同法3条1項2号に規定する後方支援活動として,自衛隊による役務の提供を実施させてはならない。
3 防衛大臣は,国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律の実施に関し,
(1) 同法7条1項に基づき,自ら又は他に委任して,同法3条1項2号に規定する協力支援活動として,自衛隊に属する物品の提供を実施してはならない。
(2) 同法7条2項に基づき,自衛隊の部隊等に命じて,同法3条1項2号に規定する協力支援活動として,自衛隊による役務の提供を実施させてはならない。
4 被告は,原告らそれぞれに対し,各金10万円及びこれに対する平成27年9月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
5 訴訟費用は,被告の負担とする。
との判決並びに第4項につき仮執行の宣言を求める 
 
「答弁書」から
請求の趣旨に対する答弁
1 請求の趣旨第1項ないし第3項の請求に係る訴えをいずれも却下する
2 請求の趣旨第4項の請求をいずれも棄却する
3 訴訟費用は原告らの負担とする
との判決を求める。
 なお,請求の趣旨第4項につき仮執行の宣言を付することは相当でないが,仮にこれを付する場合には、
(1)担保を条件とする仮執行免脱宣言
(2)その執行開始日を判決が被告に送達された後14日を経過した時とすることを求める。
 
 当日は、午後1時から、参議院議員会館において報告集会が行われました。その動画がアップされていますので、併せてご紹介します。
 
2016年12月21日 『安保法制違憲訴訟差し止め請求訴訟』傍聴&報告集会(1時間35分)

冒頭~ あいさつ 寺井一弘弁護士
8分~ 古川(こがわ)健三弁護士 「準備書面(1)」について
15分~ 黒岩哲彦弁護士 「準備書面(2)」について、法廷でのマイク問題について、口頭弁論での原告意見陳述について
21分~ 原告・田中煕巳(てるみ)さん(長崎原爆被害者、被団協事務局長)
33分~ 原告・小倉志郎さん(元原発技師)
42分~ 原告・東京大空襲被災者
52分~ 原告・父が関東軍で悲惨な体験
58分~ 原告・船員(外洋航路)
1時間05分~ 福田護弁護士 差止訴訟の現状と今後
1時間17分~ 原告・志田陽子さん(憲法研究者・武蔵野美術大学教授)
1時間27分~ 原告・飯島滋明さん(憲法研究者・名古屋学院大学教授)
1時間33分~ 閉会 司会・杉浦ひとみ弁護士
 

 
1 本案前の答弁について
 被告は、本案前の答弁として、本件集団的自衛権の行使等の処分性を争い、訴えの却下を求めている。しかし、被告が処分性を否定する論拠とするのは1960 年代、70 年代頃までの古い議論である。平成16 年の行政事件訴訟法改正は「国民の権利利益のより実効的な救済」を目指すものであった。最高裁判所行政事件訴訟法改正前後から、処分性概念を拡大することによって、国民の実効的権利救済を図るスタンスを明確にしており、学説も概ねこれを好意的に評価している。
 本年12 月8 日、厚木基地航空機騒音訴訟の上告審判決が言い渡されているが、その原審である東京高裁判決は、自衛隊機の運航という事実行為が国民に騒音被害の受忍を強いているという観点から処分性を認め、最高裁も処分性についての判断を維持した。集団的自衛権の行使等は、国民を戦争に巻き込み、またはその危険に晒すことにより、国民の権利・利益を侵害する事実行為であり、自衛隊機の運航について処分性が認められるのと同一の構造により、処分性を肯定すべきである。
 さらに、集団的自衛権の行使等がなされた場合には、相当程度の確実さをもって武力攻撃事態等に発展する蓋然性が高く、武力攻撃事態等においてはいわゆる有事法制の実施により国民は多面的かつ強力な権利制限と義務付を受けることになる。それは原告らの生命・身体財産を根底から奪いかねないものであり、一旦集団的自衛権の行使等が行われた場合にはもはや取り返しのつかないことになる。したがって、集団的自衛権の行使等は十分個別具体的な権利侵害性を有するし、抗告訴訟としての差止め訴訟による救済の道を閉ざしてはならない。
 
2 被告の答弁態度について
 被告は、請求原因に対する認否において、違憲性の主張についての認否をことごとく避けている。すなわち、新安保法制法の違憲性についての主張、集団自衛権の行使の違憲性についての主張、新安保法制法の制定過程において立憲主義が否定され、国民の憲法改正決定権が侵害されているという主張、そして後方支援活動・協力支援活動の違憲性についての主張のいずれについても、「事実の主張ではなく、争点とも関連しないので、認否の要を認めない」として認否を明らかにしない。
 しかし、これらの明白かつ重大な憲法秩序の破壊こそが、原告らの具体的な権利を踏みにじり、原告らを不安と苦悩に陥れた根本的・直接的な原因である。これらが争点と関係しない、などというのは詭弁というほかはない。特に、国家賠償請求との関係では、侵害行為の態様と被侵害利益の種類や内容との相関において不法行為の違法性が判断されることになるのだから、憲法の破壊そのものが侵害行為を構成する本件で、違憲性の争点を回避して判断することはあり得ない。
 
3 憲法破壊の重大性について
 新安保法制法は、憲法が拠ってたつ基本原則である平和主義を、根本から破壊した。それも、閣議決定と法律の制定という方法によって。このことを、石川健治東京大学教授は、「クーデター」と呼んでいる。
 また、濱田邦夫元最高裁判所判事は、参議院平和安全法制委員会公聴会に公述人として出席し、集団的自衛権の行使が容認される根拠についての政府の説明に触れ、「法匪」という言葉を用いて厳しく非難した。新安保法制法は制定手続きにおいてもその内容においても著しく違憲性を帯びたものであることは、多数の憲法学者有識者が指摘するところである。
 私たちが戦後70年間の永きにわたり平和を享受し、平和の礎の上に基本的人権の尊重を受けることができたのは、まさに憲法が徹底した平和主義を謳い、私たちがこれまでそれを守ってきたからであった。その道は平坦ではなく、幾多の試練もあった。
 しかし、今ほど憲法が重大な危機に瀕しているときはない。激しい戦闘の現場である南スーダンへ、新安保法制法にもとづく駆けつけ警護任務が付与された陸上自衛隊の派遣が11月20日から始まっている。私たちは、憲法制定以来はじめて、自衛隊が積極的に日本の領域外で外国の戦争に参加し、加担しようとする国家意思に直面している。一旦銃弾が放たれたら、もはや後戻りはできない。原告らの権利侵害はもちろん、差止め請求との関係においても、憲法の破壊の重大性は、重大な損害を生じるおそれや原告適格の内容をなしている。
 被告は、違憲性の主張に対する認否を明らかにし、議論に応じなければならない。
                                        以上
 

 
1 原告らは、新安保法制法によって侵害される原告らの権利・法的利益として、第1に平和的生存権を主張するものであるが、これに対し、被告は、答弁書において、原告ら主張の被侵害利益は、いずれも具体的な法的利益ではなく、国家賠償法上保護された権利ないし法的利益の侵害をいうものでもないから、主張自体失当であると主張している。そこで、本準備書面では、平和的生存権の権利性・被侵害利益性について主張を補充するものである。
 平和的生存権は、平和のための世界的な努力(平和的生存権の根拠1)、憲法前文、9条、13条をはじめとする第3章の諸条項の憲法の規定(平和的生存権の根拠2)、憲法学説の研究の成果と裁判例(平和的生存権の根拠3)、平和を守るための動き(平和的生存権の根拠4)により、平和的生存権の具体的権利性・裁判規範性は認められる。
 
2 被告は答弁書で平和的生存権の具体的権利性・裁判規範性を否定する根拠として札幌高裁昭和51年8月5日判決から最高裁判所平成元年6月20日第三小法廷判決まであれこれの14の判決を引用している。しかしこれらの判決は時代遅れのものである。平成元年最高裁判所判決後に①自衛隊イラク派遣差止等請求事件の名古屋地裁判決(平成19年3月23日・いわゆる「田近判決」)②自衛隊イラク派遣差止等請求事件の名古屋高裁判決(平成20年4月17日・いわゆる「青山判決」)③自衛隊イラク派遣違憲確認等請求事件の岡山地裁判決(平成21年2月24日・いわゆる「近下判決」)が出されている。
 名古屋高裁判決・青山判決は確定判決であることは重要である。青山判決は「この平和的生存権は、局面に応じて自由権的、社会権的又は参政権的な態様をもって表れる複合的な権利ということができ、裁判所に対して保護・救済を求め法的強制措置の発動を請求し得るという意味における具体的権利性が肯定される場合がある」としている。本件差止請求は、平和的生存権に基づき裁判所に対して保護・救済を求め法的強制措置の発動を請求しているのである。
 「市民平和訴訟」平成8年5月10日東京地裁判決が、「政府は、憲法九条の命ずるところに従い、平和を維持するよう努め、国民の基本的人権を侵害抑圧する事態を生じさせることのないように努めるべき憲法上の責務を負うものということができ、この責務に反した結果、基本的人権について違法な侵害抑圧が具体的に生じるときは、この基本的人権の侵害を理由として裁判所に対して権利救済を求めることは可能といえよう。」と判示した点は軽視すべきでない。
 
3 平和的生存権は、憲法前文と9条及び第3章の人権規定から基本的人権の基底的権利として具体的権利性があり、裁判規範であること認められ、原告ら主張の平和的生存権不法行為法上の被侵害利益性があることも明らかである。新安保法制法の制定によって、前文及び憲法9条とこれらに依拠する平和的生存権は、平和主義そのものと一緒に破壊され、葬られようとしている。今般のように内閣と国会が暴走する場合、立憲民主主義の観点からこれを合法的に牽制するのは、司法の責務である。
 原告らは、違憲の新安保法制法による被侵害利益の第1に平和的生存権を主張するものである。裁判所は、憲法の要請と国民・市民の声に真摯に向き合い、平和的生存権を正面から認め、新安保法制法の違憲判断と原告らの被害の回復を宣言されることを強く要請するものである。
                                        以上
 

(弁護士・金原徹雄のブログから)
2016年9月3日
東京・安保法制違憲訴訟(国賠請求)が始まりました(2016年9月2日)

※過去の安保法制違憲訴訟関連のブログ記事にリンクしています。
2016年9月6日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(1)~東京・国家賠償請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告訴訟代理人による意見陳述
2016年9月10日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(2)~東京・国家賠償請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告による意見陳述

2016年10月4日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(3)~東京・差止請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告訴訟代理人による意見陳述
2016年10月5日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(4)~東京・差止請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告による意見陳述
2016年12月9日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(5)~東京・国家賠償請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告代理人による意見陳述
2016年12月10日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(6)~東京・国家賠償請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告による意見陳述
2017年1月5日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(7)~寺井一弘弁護士(長崎国賠訴訟)と吉岡康祐弁護士(岡山国賠訴訟)の第1回口頭弁論における意見陳述

アンコール放送1/21『原発に一番近い病院 ある老医師の2000日』(ETV特集)~高野英男院長の死と高野病院の現在

社会 災害
 今晩(2016年1月6日)配信した「メルマガ金原No.2683」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
アンコール放送1/21『原発に一番近い病院 ある老医師の2000日』(ETV特集)~高野英男院長の死と高野病院の現在

 2016年の大晦日、インターネット上に流れた火事のニュースに目が吸い寄せられました。福島県双葉郡で唯一入院受け入れを続けている民間病院として、10月にETV特集で取り上げられたばかりだった広野町(ひろのまち)にある高野(たかの)病院敷地内の院長宅で火事があり、男性が遺体で見つかったが、高野英男院長(81歳)と連絡がとれないというものでした。
 私自身は、ETV特集で知った以上の知識がある訳ではありませんでしたが、どれだけ地域の方々が大きな衝撃を受けられただろうかと心が痛みました。
 このような事態になることなど想定せず、もともと1月21日(土)午後11時から、ETV特集原発に一番近い病院 ある老医師の2000日」がアンコール放送されると予告されていましたので、今日、あらためてその番組案内をご紹介するとともに、高野病院をめぐる現在までの情報をいくつか引用しました。
 最新の情報については、「高野病院を支援する会Facebook」に随時掲載されますので、注目してください。
 最後まで地域医療につくされた高野英男院長と同病院スタッフに心から敬意を表したいと思います。
 
NHK Eテレ 
2017年1月21日(土)午後11時00分~午前0時00分
ETV特集 アンコール「原発に一番近い病院 ある老医師の2000日」

(番組案内から引用開始)
 原発に最も近い高野病院。復興作業に携わる“新たな住民”や居場所を失ったお年寄りの最後のとりでです。奮闘する院長の高野英男さん(81)の2000日を見つめます。
 福島第一原発から22キロ離れた双葉郡広野町の高野病院。院長の高野英男さん(81)は現役の医師として診療を続けている。5年前の原発事故で、病院を取り巻く環境は大きく変化した。原発周辺の病院が休止しているため、救急車が殺到。地域医療が崩壊する中、除染など復興作業に携わる“新たな住民”や、原発事故によって居場所を失ったお年寄りたちの最後のとりでとなっている。孤軍奮闘する老医師、その2000日を見つめる。
(引用終わり)
 
朝日新聞デジタル 2016年12月31日 15時32分
原発事故後もとどまった院長死亡か 福島県広野町の火災

(抜粋引用開始)
 福島県広野町下北迫の高野病院の関係者から30日午後10時半ごろ、病院敷地内にある院長宅で「煙が充満している」と119番通報があった。県警双葉署によると、高野英男院長(81)が1人で暮らす木造平屋建て住宅の一部が焼け、中から男性の遺体が見つかった。火災後、高野さんと連絡がとれていないという。
 高野病院は東京電力福島第一原発から約20キロの場所にある民間病院。原発事故後も避難せず、双葉郡で唯一、入院医療を続けている。
 原発事故当時、約100人の患者がいたが、避難に耐えられないとみられる重症患者もいたため、町にとどまった。2人いた常勤医は事故後、高野さんだけになっていた。
(引用終わり)
 
医療法人社団養高会 高野病院 ホームページ 2017/01/03
高野病院病院長死去につきまして

(引用開始)
みなさまへ
先日テレビ、新聞等で報じられましたように、
平成28年12月30日夜間の火災により
高野病院病院長 高野英男が死去いたしました。
ここに生前のご厚誼を感謝いたしますとともに、謹んでお知らせ申しあげます。
院長高野英男は、昭和55年に高野病院を開設以来、
地域医療にその身をささげてきましたが、
平成23年3月11日の福島第一原子力発電所事故以降は
双葉郡にたった一つ残った医療機関として、まさに身を削るように
地域医療の火を消してはいけないと、日々奮闘してまいりました。
院長 高野英男が私たちに遺した、「どんな時でも、自分の出来ることを粛々と行う」
この言葉を忘れずに、院長の意志を受け継ぎ、職員一丸となり、
これからも地域の医療を守っていく所存です。
今後も高野病院への温かいご支援、そして時には厳しいご指導を
よろしくお願い申し上げます。
なお、葬儀等は、生前の本人の強い希望によりとり行いません。
また、誠に勝手ながらご弔電、ご供花、ご香典等の儀は固くご辞退申し上げます。
平成28年1月3日
医療法人社団養高会
理事長 高野 己保
(引用終わり)
 
NHKニュースWEB 2017年1月3日 19時14分
院長が火事で死亡の高野病院 広野町が存続支援へ

(抜粋引用開始)
 
東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で一時、ほとんどの住民が避難した福島県広野町で、町内にとどまって診療を続けてきた病院の院長が火事で死亡し、広野町は地域に欠かせない医療機関を存続させるため、常勤医師の確保など支援に乗り出すことを明らかにしました。
 東京電力福島第一原発の半径20キロから30キロの範囲にある広野町では、原発事故のあと、町役場やほぼすべての住民が一時避難しましたが、町にある民間の高野病院は診療を続けました。
 この病院の院長、高野英男さん(81)の自宅で先月30日に火事があり、見つかった男性の遺体が3日、高野院長と確認されました。高野院長は高野病院唯一の常勤医師でしたが、亡くなったことで、病院の設置に法律上必要となる常勤の医師がいなくなりました。
 広野町の遠藤智町長は3日役場で会見を開き、地域に欠かせない医療機関を存続させるため、支援に乗り出すことを明らかにしました。
 具体的には高野病院の常勤医師確保のため、福島県への協力要請や全国への呼びかけを行うとともに、診療の一部を担うボランティアの医師を募る窓口を町役場に設けるということです。また、非常勤などの医師が町を訪れる際の交通費や宿泊費の補助も行うということです。
(引用終わり)
 
高野病院を支援する会 ホームページ
「団体について」より引用開始)
 
高野病院を支援する会会長の広野町長遠藤智と申します。
 メディアで報道が行われている通り、2016年12月30日の深夜に高野病院院長でおられる高野英男氏がご自宅での火事にて逝去されました。高野病院は広野町唯一の入院施設であり、高野院長が唯一の常勤医として、震災後も1日も休まず地域医療の砦となってきました。今回高野医師が亡くなられたことで、現在の高野病院は院長・常勤医がいない状態であり、広野町周辺の医療は危機的な状況に陥っています。
 12月31日より浜通り地方の自治体、また医療機関に支援要請を行なってきました。 これまでに、大町病院、公立相馬総合病院、常磐病院、相馬中央病院、ひらた中央病院、南相馬市立総合病院(五十音順)が支援に手を挙げてくださっています。また全国の医師においてボランティアによる支援の輪も広がっております。結果として、高野病院における1月の診療体制は徐々に整いつつあります。会としては引き続き精神科診療体制の構築に全力を尽くしております。
 この会の最も大きな目的は双葉地方の地域医療を守ることです。短期的にはボランティア医師の支援を受けて高野病院の診療を維持しつつ、中長期的な医療体制の展望を県や国に特段の支援を求めて参ります。
団体概要
名称  高野病院を支援する会
連絡先
 
takanohospital.volunteer.dr@gmail.com
会長  遠藤智(広野町町長)
メンバー 尾崎章彦 事務局長
坪倉正治、嶋田裕記、山本佳奈
(引用終わり)
「高野病院を支援する会Facebook」
 
JB PRESS 2017.1.6(金)
地域医療より箱物行政の福島県、高野病院を見殺し
あきれた行政の対応に立ち上がったボランティア医師グループ

(抜粋引用開始)
 
しかし、震災後の高野病院の歩みは困難の連続だった。最大の理由は人口減少である。
 震災後、広野町の人口は、震災前の5400人から約3000人まで減少した。2015年9月に警戒区域が解除された隣の楢葉町においても約8000人の人口のうち楢葉町に戻ったのは約400人にとどまっている。富岡町は現時点で帰還が始まっていない。
 人口減少が著しい「限界集落」において医療を民間病院だけで維持するのは大変困難である。実際、震災後の高野病院においても、従来の雇用を維持しながら診療を継続することが非常に難しい状況となっていた。
 しかし、高野院長の次女である高野事務長が福島県に、「地域医療を安定的に提供するために力を貸してほしい」と支援を依頼しても、民間病院であることを理由に「高野病院を利するための支援は不公平である」と告げられ、全く取り合ってもらえなかったと言う。
 その一方で、広野町を含む双葉郡の救急医療を充実させる目的で「ふたば医療センター(仮)」30床の建設準備が24億円という予算を使い双葉郡富岡町で進んでいる。初期投資は一床あたり8000万円という多額の税金を投入する。
 それ以上に衝撃的なのが、現在避難区域で休止している県立病院を再開した際には、この医療機関を潰すことが最初から決まっていることだ。現在の見通しでは5年以内に避難指示が解除される予定である。
 これは果たして多くの国民が納得できる税金の使い方なのだろうか。少なくとも私には、主要な病院機能が存在している高野病院を拡充して2次救急の体制を整えた方がよほど効率的な投資に映る。重症患者に関しても、南相馬市いわき市に搬送することで対応可能である。
(略)
 私は福島県南相馬市にある南相馬市立総合病院の一勤務医である。福島第一原子力発電所から10~30キロに位置する南相馬市において、この2年あまり被災地の医療に携わってきた。
 あいにく高野院長には直接お目にかかったことはなかったが、高野院長の超人的な活躍、そして高野病院の震災後の窮状は耳に入っていた。悔やまれるのは、「何か自分にできることはないだろうか」と悠長に考えている間に今回の惨事が起きてしまったことだ。
?12月30日火事が発生した直後にその知らせを聞いたが、高野病院の再三のSOSにもかかわらず危機感なく過ごしていた自分を本当に情けなく思った。
 火事翌日の12月31日、縁あって高野医師の最期に立ち会うこととなった。その体験は、「高野病院の窮状をなんとかしたい」と私に思わせるには十分だった。
 幸いだったのは、同日広野町町長遠藤智氏がいち早く浜通り地区の自治体と医療機関に医療支援の要請を行ってくれたことだ。
 これまでに、大町病院、常磐病院、相馬中央病院、南相馬市立総合病院が病院として支持を表明している。全国の医師に支援の輪が広がっている。
 その中で、私と浜通りの有志の医師は「高野病院を支援する会」を立ち上げることになった。現在も、会のフェイスブック
https://www.facebook.com/savepatientakano/)、会のホームページ(http://savepatientakano.sakura.ne.jp/)を介して情報発信に努めている。
 この会の最も大きな目的は短期的に高野病院の診療を継続させることである。2016年12月31日現在102人の患者が高野病院には入院している。また、病院を受診する外来患者や緊急搬送される患者も少なくない。
 ある程度の見通しがつくまでの間、浜通り地区の有志医師、また、全国からのボランティア医師を高野病院につなぎ、その医療をサポートしたいと考えている。
 また少しずつだが全国の医師や仲間にも支援の輪が広がっている。私自身の力は微々たるものだが、皆の力を借りることでなんとかこの窮状をしのぐ手助けをできればと考えている。
?1月3日には広野町遠藤智町長が記者会見を開き、町として全面的な支援を表明した。また、同時に町長が高野病院を支援する会の会長を引き継いでくださることとなった。今後は町長や広野町のスタッフをサポートしながら県や国に支援をお願いしていくこととなる

 
私たちは、今一度高野病院の窮状を顧みて一刻も早い支援をお願いしたいと考えている。広野町、また、双葉郡にとって、震災後も被災地の地域医療を守り続けてきた高野病院は地域の財産なのだ。
(引用終わり)