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wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

ありそうでなかなかない伊藤真弁護士の講演録と講演動画のご紹介

憲法 講演
 今晩(2016年12月5日)配信した「メルマガ金原No.2651」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
ありそうでなかなかない伊藤真弁護士の講演録と講演動画のご紹介

 伊藤塾塾長、日本弁護士連合会憲法問題対策本部副本部長、法学館憲法研究所所長などとして、そして、一人一票裁判や安保法制違憲訴訟の主要メンバーとして、伊藤真弁護士の活躍は広く知られていますし、その講演を直接聴いたという方も少なくないと思います。
 私自身のことでいうと、伊藤先生の講演を直接聴く機会を持つ前に、DVD「憲法ってなあに?憲法改正ってどういうこと?」の発売を、旧知の錦織明弁護士(千葉県弁護士会)から教えてもらい、まだ視聴もせぬうちにメルマガ(ブログ)でご紹介しました。
 
 
 上記ブログに(追記)したとおり、実際に入手して約55分のビデオを視聴したところ、「目から鱗とはこのことか!」「憲法のことなんて難しくて分からない、という人にこそ見てもらいたい」と深い感銘を受け、学習会の講師を頼まれれば必ずこのDVDを持参し、その年のうちに200枚以上を和歌山県下で売りまくったものでした。
 そして、収録からちょうど1年経過した2014年4月末に、このビデオは(英語吹替版、韓国語吹替版とともに)YouTubeで公開されました。
 
憲法ってなあに?(55分)
 
 
 なお、YouTubeでの公開後も、DVD版が500円、講演内容を文字起こししたテキスト&パワポ資料が100円という廉価で継続販売中です(注文は Workers for Peace のフォームから)。
 
 ところで、「憲法の伝道師」として、少なくとも年間100回以上は間違いなく各地で講演されているであろう伊藤真さんですが、これだけインターネット(動画配信を含む)が普及したにもかかわらず、まとまった伊藤弁護士の講演動画や、講演内容をテキスト化した講演録が、なかなかネット環境では見当たらないのです。
 実は、2014年9月に和歌山弁護士会が伊藤先生を講師にお招きし、集団的自衛権を考える市民集会を開催した際(私は同会憲法委員会委員長として関わっていました)、伊藤先生の講演を含む集会内容を全て文字化して報告書を作って配布したいのですが、とご相談したところ、ネットでの公開も含めてご快諾いただけただけではなく、原稿の校正や小見出しを付ける作業まで引き受けていただきました。その際、他に伊藤先生の講演録がネットで公開されていないかと思って調べてみたのですが、2005年10月12日、新聞労連中央委員会での講演録しか見つかりませんでした。
 このようなお願いをする主催者がめったにないのか、あるいは、上記のケースでは、主催者が和歌山弁護士会であり、日本弁護士連合会が共催となっていたという事情があったからかもしれません。  
 
 それに、講演動画についても、30分程度のミニ講演であればいくつか見つかりますし、集会でのスピーチや記者会見での発言などは結構視聴できますが、1時間以上のまとまった長さの伊藤先生の講演動画というのは、その講演回数の割には、実はなかなか見当たらないのですよね。

 そこで、以下には、何とか見つけた、2015年7月の米沢市(実行委員会の主要メンバーが米沢市在住の弁護士8人全員と当時の米沢市長であると冒頭で紹介されています)と2016年5月の京都弁護士会での講演動画をご紹介します。京都の動画の音声レベルが低く、聴きづらいと思いますが、パワーポイントを見ながら耳を澄ませば聴き取れる範囲でしょう。
 2014年9月の和歌山弁護士会主催市民集会報告書(PDF)とともに、是非、憲法の学習に活用していただければと思います。
 
 
2015年7月5日 米沢市
平成27年度(第2回)憲法のつどい(実行委員会主催)
日本国憲法を知ろう~憲法に無関心な人はいても憲法に無関係な人はいない~(2時間13分)

 

2016年5月28日 京都市
京都弁護士会主催(日本弁護士連合会共催)
憲法がなくなる!伊藤真さんが語る緊急事態条項の恐怖(2時間13分)
 

(弁護士・金原徹雄のブログから)
2013年3月23日
伊藤真氏の自民党「日本国憲法改正草案」批判
2013年5月8日
憲法記念日に伊藤真氏が解説する自民党「日本国憲法改正草案」(報道するラジオ)
2013年7月31日
小林節氏×伊藤真氏~憲法改正を議論するために~
2013年9月4日
マガ9学校 第28回 伊藤真さん「立憲主義と民主主義~主権者って何する人~?」
2014年2月1日
伊藤真弁護士の死刑違憲論(1/31和歌山市にて)
2014年8月13日
予告 9/16 伊藤真弁護士、和歌山で集団的自衛権を語る(和歌山弁護士会)
2015年1月24日
伊藤真弁護士が岡山で語る「投票価値の平等は憲法の要請」~付「憲法ってなあに?憲法改正ってどういうこと?」文字起し版廉価で配布中
2015年3月20日
伊藤真弁護士講演録(憲法と集団的自衛権を考える) 和歌山弁護士会ホームページで公開(付・予告4/7「日本はどこに向かうのか(全国キャラバン東京集会)」)
2015年12月2日
安保法制違憲訴訟を考える(4)~伊藤真弁護士(安保法制違憲訴訟の会)による決意表明(11/19@国会前)と小林節氏の現時点(11/21@和歌山県田辺市)での見解

再配信・国連PKOの変質を追及した志位和夫日本共産党委員長(1/27本会議&2/4予算委員会)

政治 軍事
 今晩(2016年12月4日)配信した「メルマガ金原No.2650」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
再配信・国連PKOの変質を追及した志位和夫日本共産党委員長(1/27本会議&2/4予算委員会

 今年の1月に召集された第190回国会(常会)は、閉会してからまだ半年しか経っていないのに、何だかはるか以前のような気がしたりしますが、陸上自衛隊東北方面隊から南スーダンに派遣される最後の部隊が今月14日に出発し、いよいよ新任務(駆け付け警護、宿営地共同防護)の実施が可能となります。
 この時にあたり、上記常会においてPKOの変質を正面切って初めて本格的に取り上げた志位和夫日本共産党委員長による本会議と予算委員会における質疑を取り上げたメルマガ&ブログ(国連PKOの変質を追及した志位和夫日本共産党委員長(1/27本会議&2/4予算委員会/2016年2月5日)を再配信することも無意味ではないでしょう。
 なお、2月5日時点ではまだアップされていなかった衆議院会議録にもリンクし、主要部分を引用するなどの補注を加えています。
 

国連PKOの変質を追及した志位和夫日本共産党委員長(1/27本会議&2/4予算委員会
※2016年2月5日に配信した「メルマガ金原No.2357」に補注を加えて再配信します。
 
 昨年5月15日、安保関連2法案が内閣から衆議院に提出され、安保法制特別委員会(衆議院は「平和安全特別委員会」と略称)で本格的審議が始まった当初、各野党は党首級が質疑に立ってその意気込みを示しましたが、とりわけ多くの人を感嘆させたのは、5月27日と翌28日の両日に行われた志位和夫日本共産党委員長による質疑でした。
 私は、志位委員長による質疑が素晴らしかったポイントは、その周到な事前調査と分析、及び限られた時間の中で最大の効果を発揮させるための徹底した論点の絞り込みであったと思っています。
 
 2日間で結局何が取り上げられたかというと、
(1)重要影響事態法案における後方支援が、軍事的、国際的には兵站そのもの、武力行使と不可分一体のものであること。
(2)重要影響事態での後方支援、国際平和共同事態での協力支援、国際平和協力法に基づく拡大された業務のいずれにあっても、従来とは比較にならない危険な現場に自衛隊を投入し、自衛隊員に「殺し、殺される」任務を押しつけることになること。
(3)存立危機事態について、米国からの出兵要請を日本政府が自立的な判断に基づいて拒否することなど到底想定できず、結果として、自衛隊員を“米国の戦争”の尖兵として差し出すことになることが予想されること。
という、3つの論点に絞り込んで政府を追及したのでした。
 
 あまりに感心した私は、「志位和夫日本共産党委員長による質疑を読み解く」と題して、2日間の質疑と安倍首相ら政府側の答弁に注釈を加えるというシリーズを、メルマガ(ブログ)に6回にわたって連載したほどです。興味のある方は、私の第2ブログに、この連載の全てにリンクをはった「まとめ」記事をアップしてありますので、ご参照ください。
 
(あしたの朝 目がさめたら(弁護士・金原徹雄のブログ2)から)
2015年6月6日
志位和夫日本共産党委員長による安保法制特別委員会質疑(まとめ)
 
 さて、本年1月4日に召集された第190回常会でも、志位和夫日本共産党委員長は、代表質問(1月27日)だけではなく、昨日(2月4日)の予算委員会にも登場し、安倍首相らを厳しく追及しました。
 「続・志位和夫日本共産党委員長による質疑を読み解く」を連載するだけの用意はまだ出来ていませんが、とりあえずその代表質問と予算委員会での質疑の動画を日本共産党の公式YouTubeチャンネルからご紹介するとともに、その内容を報じた「しんぶん赤旗」にリンクしておきます。
 
2016年1月27日 衆議院本会議 志位和夫日本共産党委員長による代表質問(44分)


しんぶん赤旗 2016年1月28日
志位委員長の代表質問 衆院本会議

小見出しを引用開始)
安保法制=戦争法廃止、立憲主義回復を求める
南スーダンPKOに派兵されている自衛隊の任務拡大の危険
過激武装組織ISに対する軍事作戦に自衛隊が参加する危険
立憲主義の破壊――沖縄に対する憲法無視の暴圧
暮らしと経済――「アベノミクス」の破綻と、日本共産党の提案
アベノミクス」の3年間の検証と真摯な反省を
「貧困大国」からの脱却を、しっかりと政策目標にすえる
貧困と格差をただし、暮らし最優先で日本経済再生をはかる四つの提案
「緊急事態条項」の問題点――あらゆる解釈・明文改憲に反対する
(引用終わり)
 
※補注
衆議院 第190回国会 本会議 第8号(平成28年1月27日(水曜日)) 会議録
(抜粋引用開始)
 安倍政権は、昨年九月十九日、国民多数の反対の声を踏みつけにして、安保法制、戦争法の強行成立をさせるという暴挙を行いました。
 戦争法ばかりは、数の暴力で成立させられたからといって、それを許したままにしておくことは決してできません。
 戦争法は、まず内容の面で、憲法九条を踏みにじって、自衛隊の海外での武力行使を行う仕組みが幾重にも盛り込まれている違憲立法です。さらに、やり方の面で、戦後六十年余にわたる、憲法九条のもとでは集団的自衛権を行使できないという政府の憲法解釈を、一内閣の勝手な判断で百八十度覆すという、立憲主義の破壊が行われました。
 戦争法は、内容もやり方も二重に憲法違反であり、廃止するしかありません。
 安保法制、戦争法は、日本に極めて重大な危険をつくり出しています。
 第一は、日本の自衛隊が戦後初めて、外国人を殺し、戦死者を出すという現実的な危険が生まれているということです。私は、差し迫った重大な危険として、二つの問題について総理の見解を問うものです。
 一つは、アフリカの南スーダンのPKOに派兵されている自衛隊の任務が拡大されようとしていることです。
 改定されたPKO法では、PKOに参加する自衛隊に、安全確保業務、駆けつけ警護という二つの任務を新たにできるようにするとともに、任務遂行のための武器使用もできるようにしています。総理、南スーダンに派兵されている自衛隊に、こうした任務の追加を行うことを検討しているのですか。
 仮にこうした任務拡大となれば、極めて危険な事態となることを強く警告しなければなりません。
 二〇一三年十二月以来、南スーダンでは、大統領派と副大統領派の武力衝突が起こり、住民を巻き込んでの激しい内戦状態に陥っているからです。数千人が殺害され、二百四十万人が家を追われ、虐殺、レイプ、拷問などの残虐行為が行われ、多数の子供が少年兵として戦うことを強制されています。複数回、停戦が合意されたものの、そのたびに戦闘が再開され、昨年八月下旬の和平合意後も戦闘が続いています。
 こうした状況下で、南スーダンのPKOの主要な任務は住民保護とされ、そのために必要なあらゆる措置をとる権限、武力行使の権限が与えられています。住民保護のためにPKOみずからが交戦主体、戦争の主体となって武装勢力と戦う、これが南スーダンのPKOの実態なのです。
 総理、南スーダンが内戦状態に陥っているという認識はありますか。南スーダンでは、停戦合意を初めとするPKO参加五原則が崩壊し、自衛隊の派兵の法的前提がなくなっているのではありませんか。にもかかわらず、自衛隊の派兵を続け、その任務を拡大するならば、自衛隊が武力を行使し、武装勢力と戦うことになるではありませんか。武装勢力といっても、軍隊と民間人の区別はつきません。自衛隊が一たび少年兵や民間人を撃ってしまったら、取り返しがつきません。
 このような活動は、海外での武力行使を禁止した憲法九条のもとでは絶対に許されないと考えますが、いかがですか。日本の貢献は、憲法九条に立った非軍事の人道支援、民生支援に徹するべきであります。総理の答弁を求めます。
 いま一つは、過激武装組織ISに対して、米国を初めとする有志連合が行っている軍事作戦に、自衛隊が参加する危険です。
 ISのような残虐なテロ組織がどうして生まれたか。きっかけになったのは、二〇〇一年、米国等が開始したアフガニスタン報復戦争でした。対テロ戦争は、テロを根絶するどころか、その温床を広げる結果となりました。さらに、二〇〇三年、米国等が開始したイラク侵略戦争は泥沼の内戦をつくり出しました。この二つの戦争の混乱の中からISという怪物のようなテロ組織が生まれ、勢力を拡大していったのです。
 戦争でテロはなくせない。テロと戦争の悪循環をもたらし、世界じゅうにテロを拡散した。総理、この事実をお認めになりますか。米国によるアフガン、イラク戦争に無条件の支持を与えた自民党政府は、厳しい反省が必要ではありませんか。
 この歴史的教訓に照らしても、今、一部の国が行っているISに対する空爆など軍事作戦の強化では、問題は決して解決しません。それは、多数の罪なき人々を犠牲にし、憎しみの連鎖をつくり出し、テロと戦争の悪循環をもたらすだけではありませんか。
 安保法制、戦争法との関係で私が強く危惧するのは、政府が、ISへの空爆などへの自衛隊の軍事支援について、政策判断として考えていないとしつつ、法律的にはあり得ると答弁していることです。
 総理に伺います。そういう政策判断をしている理由は何ですか。米国が、対IS軍事作戦を拡大し、日本に支援要請をしてきた場合に、それを拒否できますか。戦争法がある以上、拒否できず、軍事支援を行うことになるのではありませんか。
 テロと戦争の悪循環、憎しみの連鎖に日本自身が入り込み、日本国民をテロの危険にさらす、そのような道は断じて許すわけにいきません。
 世界からテロをなくすために何が必要か。私は、国際社会が一致結束して、次の四つの対策に取り組むことを提唱します。
 第一は、国連安保理決議を厳格に実行し、テロ組織への資金、人、武器の流れを断つ断固たる措置をとることです。
 第二は、貧困や格差、民族的、宗教的差別など、テロの土壌となっている問題をなくしていく努力を払うことです。
 第三は、ISが支配地域を拡大してきたシリアとイラクでの内戦を解決し、平和と安定を図るための政治的、外交的努力を尽くすことです。
 第四は、シリア国民の半数以上が難民として苦しむもとで、難民の人権を守り抜く国際的支援を抜本的に強化することです。
 どれも困難を伴う大仕事ですが、この道しかないのではありませんか。総理の見解を求めます。

(引用終わり)
 
2016年2月4日 衆議院予算委員会 志位和夫日本共産党委員長による質疑(1時間38分)
 
 
※補注
衆議院 第190回国会 予算委員会 第7号(平成28年2月4日(木曜日)) 会議録
(抜粋引用開始)
○志位委員 (注:南スーダン派遣自衛隊の任務拡大を)検討の対象にされているという御答弁でした。
 そうした自衛隊の任務拡大が何をもたらすか。その危険性を考える上で、国連PKOの任務がこの二十年間余りで大きく変化していることについて総理がどういう認識を持っているかについて、次にただしていきたいと思います。
 かつての国連PKO、一九九〇年代前半ぐらいまでのPKOは、国連の大原則である内政不干渉、中立性を尊重した活動を行っていました。すなわち、内戦が終結して停戦合意がされている国に、紛争当事者全ての合意を得て、中立の存在としてPKOは展開する、いざ停戦が破れて内戦が起こったら撤退する、これが基本でした。主要任務、筆頭マンデートは、停戦合意を監視することに置かれていました。一九九二年にカンボジアに展開したPKOは、そうしたPKOの典型だと思います。
 ところが、この任務に大激変が起こります。契機となったのは、一九九四年、アフリカ・ルワンダで内戦が勃発し、政権側が主導する形で引き起こされた大虐殺でした。この事件を契機として、保護する責任という考え方が出てきます。ある国で重大な人権侵害が起こった場合に、その国の政府が何もしない、あるいは政府が人権侵害を引き起こすような場合には、国連は、中立性を失おうとも、内政干渉になろうとも、そして武力を行使してでも住民を保護すべきだという考え方です。
 こうした流れの中で、一九九九年八月、当時のアナン国連事務総長が、これからの国連PKOは国際人道法、武力紛争法を遵守せよという告示をPKO要員に発します。すなわち、これから先は、任務遂行のために、国連PKO自身が武力紛争法で定義される交戦主体、紛争当事者となって、軍事紛争に積極的に関与する覚悟を持てというものであります。
 
 
 こうして、徐々に、武力を行使しての住民保護がPKOの主要任務、筆頭マンデートになっていきます。
 パネルをごらんください。
 二十一世紀に入って創設され現在活動中の国連PKOは九つありますが、そのうちアフリカに展開する八つのPKO、リベリアコートジボワールダルフール、コンゴ、アビエ、南スーダン、マリ、中央アフリカのPKOは、その全てで武力を行使しての文民保護が任務、マンデートに位置づけられております。停戦が破れて戦闘状態になってもPKOは撤退しません。国連自身が交戦主体となって住民保護のために武力の行使をする、これが今日のPKOの主流になっております。
 総理に基本的認識を伺います。
 国連PKOの活動がこうした方向に大きく変わっている、かつての停戦監視から、武力を行使しての住民保護へと大きな変化が起こっているという認識はありますか。
 
安倍内閣総理大臣 (略)
 
○志位委員 いろいろおっしゃいましたけれども、文民の保護などを重要任務にするものに変化があるということはお認めになりました。
 ただ、ここで私がさらに言いたいのは、武力を行使しての住民の保護というのは生易しいものではないという問題です。
 私は、先日、国連PKOの幹部として東ティモールシエラレオネアフガニスタンなど世界各地で武装解除などに携わってきた、東京外国語大学教授の伊勢崎賢治さんに話を伺いました。伊勢崎氏によると、一九九九年にアナン事務総長が出した告示は、PKOの現場に大きな影響を与えたと言います。その後、PKO部隊が好戦的になっていったとして、二〇〇〇年当時、みずからの経験を次のように語っておられます。ちょっと紹介いたします。
 
 僕は、インドネシアから独立した東ティモールの暫定知事を務めて、PKF、平和維持軍を統括していたことがあります。そのとき、反独立派の住民によってPKFの一員であるニュージーランド軍の兵士が殺されました。彼は首がかき切られて耳がそぎ落とされた遺体で見つかりました。見せしめであることは明白でした。そのとき、僕らは復讐に駆られてしまった。ニュージーランド軍司令官の求めに応じて、僕は武器使用基準を緩めました。敵を目視したら警告なしで発砲していいと。法の裁きを受けさせるために犯人を拘束するという警察行動ではありません。敵のせん滅が目的です。現場はどんどん復讐戦の様相を呈してきました。僕自身もです。結果、全軍、武装ヘリまで動員して追い詰めていったのです。民家などをシラミ潰しにして、十数名の敵を皆殺しにした。全員射殺したので、その中に民間人がいたかどうかはわかりません。
 
 伊勢崎氏は、民兵の射殺は国際法上違法ではないこととはいえ、それでも、胸の中に、ある後ろめたさ、重苦しさを抱え込みましたと率直に語っておられます。
 いま一つ、伊勢崎氏がPKO部隊が好戦的になっていることを示す典型例として挙げたのが、南スーダンの隣国コンゴで二〇一〇年から活動している国連コンゴ安定化ミッションであります。コンゴPKOは、主要任務、筆頭マンデートに住民保護を掲げるとともに、三千人から成る攻撃型部隊、介入旅団を設置、その任務を武装勢力の無害化としています。
 武装勢力の無害化とは何か。コンゴPKOのトップ、マーティン・コブラー事務総長特別代表は、無害化とは、最終的に武装勢力を消すということだ、投降に応じなければ攻撃を加える、これが基本方針だと明言しています。あらかじめ対象とする武装勢力を指定し、住民や国連に対する攻撃がなくても、投降に応じなければ攻撃を加え、武装勢力を無害化、せん滅する、事実上の先制攻撃の権利が与えられています。
 総理に伺います。
 これが国連PKOの現実です。もちろん、このコンゴのPKOには日本は参加しておりませんが、現在のPKOは事実上の先制攻撃の権利まで与えられるようになっている。総理はこうした実態を御存じでしょうか。
 
安倍内閣総理大臣 (略)
 
○志位委員 日本の参加は参加五原則に基づいてやるんだと繰り返しておっしゃられます。しかし、問題は、世界のPKOの実態がその五原則とはかけ離れたものになっているということなんですよ。
 パネルをごらんください。
 これは、二〇〇〇年以降の国連PKO要員の犠牲者の数の推移であります。
 任務拡大の影響もあって、年間百人超の犠牲者を出すことは、一九九〇年代までは四回だったんですが、二〇〇〇年以降は十二回と常態化しつつあります。このグラフでいいますと、赤い線の上です。二〇一五年には百二十一人が犠牲となっています。
 政府は、自衛隊国連PKOに参加する際には、PKO参加五原則、すなわち、停戦合意の成立、全ての紛争当事者の受け入れ同意、中立的立場、いずれかが満たされない場合の撤収、武器使用は自己保存型に限定を遵守する、憲法九条で禁じた武力行使を行うことはないとしてきました。先ほど総理もそういう御答弁をされました。
 それに対して、先ほど紹介した伊勢崎賢治氏は次のように批判しております。
 
 PKO五原則があるから、停戦合意が破られたら帰ってくればいいと言いますが、停戦が破られてもPKOは撤退しません。住民の保護のために武力行使します。停戦合意が破られてから住民保護という本来の任務が始まるのです。それができないなら、初めから来るなという世界になっていることに政府は全く気づいていない。PKO五原則や憲法九条との整合性は、PKOそのものの変質によって完全に破綻しています。そして、二十年前の議論をしている政府の認識とPKOの現実がかつてないほど乖離している。このように述べています。
 
 今日の国連PKOは、憲法九条を持つ日本が到底参加できないようなものに変化している。それを見ずに政府は二十年前の議論をしているという批判であります。
 長年国連PKOで幹部として活動してきた伊勢崎氏の発言、これは大変重いものがあると思うんです。この批判にどうお答えになりますか。
 
安倍内閣総理大臣 (略)
 
○志位委員 伊勢崎さんの批判は、PKO五原則というのは停戦が破れたら撤退するということになっていると今おっしゃいました、しかし、世界のPKOは、停戦が破れても撤退しないで、住民保護のために武力の行使をするものになっていると。これはもうかけ離れているという現場からの批判は重く受けとめるべきだと思います。
 総理は五原則ということを繰り返し繰り返し言われるわけですが、そういう建前が通用するかということを、私は、次に、南スーダンの具体的なPKOに即して聞いていきたいと思います。
 自衛隊が参加している南スーダンのPKOの現状は、まさに住民保護のために武力の行使を行うという典型的な事例となっております。
 二〇一三年十二月以来、南スーダンでは、大統領派と副大統領派の武力衝突が起こり、住民を巻き込んで激しい内戦状態に陥っています。政府軍と反政府軍双方によって、数千人が殺害され、二百四十万人が家を追われ、虐殺、レイプ、拷問などの残虐行為が行われ、多数の子供が少年兵として戦うことを強制されています。約十八万人を超える民間人が南スーダン各地にある国連施設に逃げ込み、恐怖の余り外に出ることができない状態です。
 ここに私、持ってまいりましたが、これは、二〇一五年八月二十日に発表された国連報告書、南スーダンに関する専門家委員会の暫定報告書でありますが、ここでは、政府軍と関連武装グループによる二〇一五年四―七月のユニティ州攻撃として、次のような事実を告発しております。
 読み上げます。
 
 恐るべき人権侵害。本委員会は、政府軍がいわゆる焦土作戦をユニティ州全域で実行したことを知った。政府の同盟軍は村々を破壊し続けた。人が中にいる家屋に火をつけ、家畜その他金品を略奪し、学校や病院など主要なインフラを襲撃し破壊した。さらには、彼らは民間人を無差別に殺害し、殴打し、拷問にかけた。子供たちは特に深刻な被害を受けた。多くの子供が殺され、七歳の子供たちを含めてレイプされ、拉致あるいは少年兵として州内での戦闘を強制された。本委員会は、少女たちがしばしば両親や地域の人々の前でレイプされ、その後、生きたまま家ごと焼かれたとの証言を聞いた。
 
 大変深刻なレポートであります。反政府勢力だけでなく、政府軍によってもこうした残虐行為が行われているんです。これが南スーダンの現状です。政府軍と反政府勢力との間で複数回、停戦が合意されたものの、そのたびに戦闘が再開されています。昨年八月下旬に和平合意が交わされましたが、その後も戦闘が続いています。
 
 総理に伺います。
 私は、本会議の代表質問で、南スーダンが内戦状態に陥っているという認識はありますかとただしました。それに対して総理は、南スーダンPKOの活動地域において武力紛争が発生しているとは考えていないと答弁しました。しかし、南スーダンの現状は今お話ししたとおりです。これは国連の報告書です。文字どおりの内戦状態が続いているではありませんか。武力紛争が続いているではありませんか。
 
○中谷国務大臣 (略)
 
○志位委員 これは、全く甘い、現地の状況を全くつかんでいない認識ですよ。
 これは、昨年十一月二十三日に発表された南スーダン・ミッションの任務見直しに関する国連事務総長の特別報告です。
 今、政府勢力と反政府勢力の間にいわば和平合意が成り立っているかのような御発言がありましたが、守られておりません。昨年八月下旬の和平合意、守られていない。
 この国連事務総長報告には何と書いてあるかといいますと、停戦違反と、和平合意実施の準備段階のために決められた当初期限を当事者たちが守れなかったことは、彼らの和平プロセスへの誓約及び彼らの実施にかかわる政治的支持に懸念を持たせると厳しく批判しております。そして、この特別報告では、南スーダンで武力紛争が続き、その結果として、UNMISS、人道関連要員、国内避難民に移動の自由がない状況が続いているとしています。
 これは去年の十一月二十三日ですよ。和平合意の後に発表された国連事務総長報告が、停戦違反が続いていること、当事者たちが平和的解決の意思を持っているかどうか疑わしいこと、そして、武力紛争が続いていることをはっきり述べているじゃありませんか。読んでいないんですか。
 
○岸田国務大臣 (略)
 
○志位委員 この認識も全くだめですね。
 今、暫定政府の閣僚ポストの合意がされたというふうにおっしゃいましたけれども、政府はつくられていないじゃないですか。一月二十二日の期限につくる予定だった政府はつくられていない。
 それから、今、政府間開発機構の声明に即した合意がされたと言いますが、その後出された二月二日のアフリカ連合、AUの声明では、スーダン和平合意が危機に瀕していることを極めて憂慮している、こう述べている。
 一つ、直近のレポートを示しましょう。ことし一月二十一日、国連人権高等弁務官事務所南スーダンPKO、UNMISSが発表した報告書。「南スーダンの長期化する紛争下での人権状況」、直近の南スーダンの状況をこう述べております。読み上げます。
 
 二〇一三年十二月の暴力勃発から約二年、情け容赦ない戦闘とその多方面にわたる影響が続いており、民間人全体の人権と生活条件に対する重大な衝撃を与えている。加えて、国連の要員、施設、人道物資を狙った攻撃が続いており、二〇一三年十二月以来、三十四人の国連要員、三人の現地要員、一人の契約者の命が犠牲となった。政府軍と反政府軍の二〇一四年一月二十三日の停戦合意、両者による二〇一四年五月九日の再確認及び二〇一五年八月下旬の和平合意の実施の一環としての停戦合意にもかかわらず、戦闘は続いている。紛争当事者たちは、礼拝所や病院といった伝統的な避難場所、そして、時として国連の基地まで攻撃しているので、紛争地域で安全な場所は極めてわずかになった。
 
 これは直近の報告ですよ。これが、国連が公式に報告している南スーダンの直近の現状です。情け容赦ない戦闘が続き、停戦合意が何度も交わされたが、繰り返し破られ、国連の要員と基地が攻撃され、安全な場所は極めてわずかになっている。まさに現瞬間も内戦状態、武力紛争が続いているということじゃないですか。
 政府は、こうした報告書が出ていることを把握していないんですか。この報告書、読んでいないんですか。
 
○岸田国務大臣 (略)
 
○志位委員 国連事務総長報告が、武力紛争が続いているとはっきり言い切っているじゃないですか。これだけ国連の報告書に基づいて明瞭な事実を示しても、南スーダンが内戦状態、武力紛争に陥っているという事実を認めようとしない。自衛隊を派兵しておいて、余りにも無責任な姿勢と言うほかありません。
 総理に続けて伺います。
 こうした内戦状態のもとで、南スーダンPKO、UNMISSに、二〇一四年五月以降、主要任務、筆頭マンデートとして住民保護が掲げられ、そのために必要なあらゆる措置をとる権限、武力行使の権限が与えられております。昨年十月、十二月の国連安保理決議では、戦術ヘリコプター、無人機を配備することまで求めております。住民保護のためにPKOみずからが交戦主体、戦争の主体となって武装勢力と戦う、これが南スーダンPKOの実態となっております。
 こうしたもとで、改定PKO法によって、自衛隊の任務に安全確保業務、駆けつけ警護の任務が新たに付与され、任務遂行のための武器使用が可能になったらどうなるか。
 これまでは、ともかくも、PKOにおける自衛隊の武器使用は自己保存のために限定されていました。活動内容も施設や道路をつくることなどに限定されていました。ですから、深刻な内戦下での派兵でしたが、これまでのところ、幸いにも、自衛隊は一発の銃弾も撃たず、一人の死者も出さないできました。しかし、改定PKO法によって任務拡大となれば、自衛隊が武器を使用して武装勢力と戦うことになるではありませんか。
 武装勢力といいましても、政府軍と反政府軍がともに民兵を動員し、さらに、武装した住民を含むさまざまな集団が入りまじり、区別がつきません。こういう勢力を相手にして自衛隊が武器の使用をすれば、市民に向かって発砲する、少年兵を撃ってしまうということになりかねません。既に南スーダンPKOの要員から三十六名の死者が出ておりますが、自衛隊員の犠牲者が出るという強い危惧があります。
 改定PKO法によって任務拡大となれば、自衛隊が戦後初めて殺し、殺されるという危険が、私は、現実のものになる、このように強く危惧しております。
 私は、本会議の代表質問で、南スーダンPKOに派兵されている自衛隊に、改定PKO法に基づいて安全確保業務、駆けつけ警護などの新たな任務を付与し、これらの任務遂行のための武器使用権限を与えたら、憲法九条が禁止した海外での武力行使を行うことになるのではないかとただしました。それに対して総理は、何の根拠も示さずに、憲法九条の禁ずる武力の行使を行ったと評価されることはないと答弁されました。
 総理に伺います。
 なぜ、改定PKO法における任務遂行型の武器使用は憲法九条の禁ずる武力の行使を行ったと評価されることはないのか、その根拠を端的に示していただきたい。
 
安倍内閣総理大臣 (略)
 
○志位委員 今の総理の御答弁は、結局、派遣先国及び紛争当事者の受け入れ同意の安定的維持、国家または国家に準ずる組織が敵対的なものとして登場しないことを前提にしたものだから、憲法が禁止する武力行使に当たらないとの御答弁でした。
 しかし、問題は、南スーダンでこういう前提が成り立つかということなんですよ。
 南スーダンPKO、UNMISSに関する国連報告を読んで、私は、極めて深刻だと痛感させられるのは、反政府勢力だけでなく、南スーダン政府軍によってもUNMISSに対する危害行為、攻撃が加えられていることです。
 パネルをごらんください。
 これは、二〇一五年八月二十一日に発表された南スーダンに関する国連事務総長報告から作成したものであります。この報告であります。
 二〇一五年四月十四日から八月十九日までの時期に南スーダン政府軍によって行われたUNMISSに対する危害行為、攻撃について、報告書では次のように記載しています。
 
 この時期におけるUNMISSに対する危害行為、攻撃百二件のうち九十二件は、政府軍、治安部隊による。
 四月二十九日、五月七日、七月二十七日の三回にわたり、ユニティ州ベンティウのUNMISSの基地と国連の住民保護区のすぐ近くで政府軍が対空射撃を行い、保護を求めてきた住民五人が負傷。
 六月二十七日、ボルの北二十一キロで政府軍兵士がUNMISSのはしけに十五から二十発の砲撃。
 七月五日、二人の政府軍兵士がベンティウの国連の住民保護区に侵入し発砲、一人を殺害。
 七月九日、マラカルの南で政府軍がUNMISSのはしけ船団をロケット弾と重機関砲で攻撃。
 
 これは一断面ですが、南スーダン政府軍によってさまざまな形でUNMISSに対する危害行為、攻撃が加えられていることを生々しく示しております。
 改定PKO法における任務遂行型の武器使用は、派遣先国及び紛争当事者の受け入れ同意の安定的維持、国家または国家に準ずる組織が敵対するものとして登場しないことを前提にしたものだから憲法九条が禁止する武力行使に当たらないとの先ほど御答弁でした。しかし、このどちらの条件も南スーダンには存在していないじゃないですか。南スーダン政府軍がUNMISSに対して攻撃しているじゃないですか。敵対するものとして登場しているじゃないですか。
 伺います。
 南スーダンで、自衛隊に安全確保業務、住民の保護という新たな任務を付与し、任務遂行のための武器使用を認めたら、自分の身に危険が及ばなくても、住民に銃を向ける相手を殺傷することになるんです。南スーダン政府軍が住民やそれを防護するUNMISSを攻撃してきたら、自衛隊南スーダン政府軍と銃火を交えることになるわけであります。これは、憲法が禁止する武力行使そのものになるじゃありませんか。先ほどのあなたの論理からいっても武力行使になるでしょう。こんなこと、憲法上許されませんよ。
 
○中谷国務大臣 (略)
 
○志位委員 聞いていることに答えておりません。
 偶発的なものだとおっしゃいましたけれども、先ほどの国連の報告書というのは、限られた期間ですが、百二件中九十二件は政府軍によるものだと言っているわけですよ。九十二件ですよ。そのうち、政府の側から是正がされたのはたった一件だ、あとは是正もされていない、このように国連が報告しているんです。偶発的なものとは言えません。
 それから、ジュバは安定しているというふうにおっしゃったけれども、先ほど私が紹介した一月二十一日の国連報告書では、昨年も、ジュバの国連の住民保護サイトのまさに周辺において政府軍による襲撃があって、そして住民が拉致されて殺害される、ジュバのど真ん中で起こっている、そういう報告になっているわけですよ。
 私はこれだけ具体的な事実を示して聞いている。私は、事実に即して、南スーダンで現実に起こっている事態に基づいて、自衛隊の任務を拡大し、政府軍と銃火を交える事態になったら武力の行使になるのかならないのか、これを聞いているんです。武力の行使になるでしょう。国家がまさに敵対するものとして登場しているじゃないですか。
 
○中谷国務大臣 (略)
 
○志位委員 そんな認識で自衛隊を出しているというのは本当に無責任だと思います。南スーダンの現実は、内戦状態、武力紛争が続いている。これは国連が認定していることです。そして、政府軍はUNMISSや避難民を攻撃している。これも事実です。この現実に即して質問しているのに、武力の行使か否かを答えられない。私は、ここにこの法律の危険性があると思います。
 自衛隊の任務に安全確保業務を追加し、任務遂行のための武器使用の権限を仮に与えたとすれば、住民への攻撃をしている南スーダン政府軍と自衛隊が戦うことになる。憲法九条が禁止した武力の行使そのものになります。
 私は、きょう、国連PKOが住民保護のために断固たる武力行使が求められるPKOへと大きく変化していること、そして、南スーダンPKOもその典型的な一つだということを明らかにしてまいりました。今日の国連PKOは、憲法九条を持つ日本の自衛隊が参加できるような活動ではいよいよなくなっているということを強調しなければなりません。
 もちろん、住民が深刻な人道的危機にさらされているときに、国際社会がその保護のための責任を果たすことは必要であります。しかし、日本の貢献は、憲法九条に立った非軍事の人道支援、民生支援に徹するべきです。
 南スーダンでも、国連の活動はPKOだけではありません。国連難民高等弁務官事務所UNHCR国連児童基金ユニセフ、世界食糧計画、WFP、いわゆる国連人道支援の御三家と言われる機関が、各国のNGOと協力して、難民支援、食糧支援、医療支援、教育支援、児童保護など、さまざまな人道支援に取り組んでいる。日本は、憲法九条を持つ国として、こういう非軍事の人道支援こそ抜本的に強化すべきであります。
 私は、安保法制、戦争法の強行によって、日本の自衛隊が戦後初めて外国人を殺し、戦死者を出すという現実的な危険が生まれていると思いましたが、南スーダンPKOに派兵している自衛隊の任務拡大が最初の殺し、殺されるケースになることが強く危惧されます。これまで自己防護に限っていたから、一人の犠牲者も出さないで済んだのです。それを拡大したら、最初のそういう危険なケースになることを強く危惧いたします。戦争法を廃止することが文字どおりの急務であることを強く訴えたいと思います。
(引用終わり)
 
 とりわけ注目されるのは、南スーダンにPKO要員として派遣されている自衛隊の置かれている現状認識を問い、その任務拡大による一層の危険について追及する質疑にあたり、伊勢﨑賢治氏(東京外国語大学教授)の年来の主張を踏まえていることです。
 例えば、1月27日の代表質問における南スーダン関連の質問は以下のように展開されます。(※補注で引用した会議録を参照願います)
 
(引用開始)
 安保法制=戦争法は、日本にきわめて重大な危険をつくりだしています。
 第一は、日本の自衛隊が、戦後初めて、外国人を殺し、戦死者を出すという現実的な危険が生まれているということです。私は、差し迫った重大な危険として、二つの問題について総理の見解を問うものです。
 一つは、アフリカの南スーダンのPKO(国連平和維持活動)に派兵されている自衛隊の任務が拡大されようとしていることです。
(略)
 総理、南スーダンが内戦状態に陥っているという認識はありますか。南スーダンでは、停戦合意をはじめとする「PKO参加5原則」が崩壊し、自衛隊の派兵の法的前提がなくなっているではありませんか。にもかかわらず自衛隊の派兵を続け、その任務を拡大するならば、自衛隊が武力を行使し、武装勢力とたたかうことになるではありませんか。武装勢力といっても軍隊と民間人の区別はつきません。自衛隊が一たび、少年兵や民間人を撃ってしまったら、取り返しがつきません。
 このような活動は、海外での武力行使を禁止した憲法9条のもとでは絶対に許されないと考えますが、いかがですか。日本の貢献は、憲法9条にたった非軍事の人道支援、民生支援に徹するべきです。総理の答弁を求めます。
(引用終わり)
 
 そして、2月4日の予算委員会審議では、さらに詳細にわたって質疑がなされています。YouTubeで6分~56分の部分ですが、南スーダン情勢を中心とする国連PKO変質の問題にこれだけの時間が国会審議に割かれたのは、おそらく初めてのことでしょう。
 伊勢﨑賢治さんが、Facebookに投稿(予算委員会質疑の当日でしたが)された以下の言葉を最後に引用し、さらにこの問題に関する議論が深まることを期待しましょう。

衆院本会議の代表質問で、共産党の志位委員長に、自衛隊南スーダンで既に「交戦主体」になっている現実を言及していただきました。ぜひ、これを機に、戦時国際法・国際人道法で定義される「交戦主体」が、安全保障と自衛隊政策で論議される語彙のコアになるように。」
 
(追記 2016年2月6日)
 2月6日にFacebookに投稿された伊勢﨑賢治さんの志位委員長に対する「お礼」を引用しておきます。

「一昨日の衆院予算委員会共産党の志位さん。交戦権が支配する世界に交戦権のない自衛隊を送り続ける、日本人が犯してきた根源的な矛盾に言及していただきました。自衛隊員が命をかけられる大義を与えるのは国民です。政治ではありません。少なくとも、非常に脆弱な内戦状態だと国連が認識する南スーダンを、そうではないと言い張る日本政府ではありません。志位さん、自衛隊員にかわってお礼を申し上げます。」

代表も司令官もいなくなった国連南スーダン派遣団(UNMISS)~半田滋さんの記事(現代ビジネス)を読む

平和 軍事
 今晩(2016年12月3日)配信した「メルマガ金原No.2649」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
代表も司令官もいなくなった国連南スーダン派遣団(UNMISS)~半田滋さんの記事(現代ビジネス)を読む

 南スーダンの情勢はどうなっているのか?陸上自衛隊は無事に帰還できるのか?全ての日本人にとって
、悩ましい問題のはずです(どうしても自衛隊に「武力行使」させたい一部の人間を除く)。
 ところで、陸上自衛隊もそのミッションの一部に組み込まれている国連南スーダン派遣団(UNMISS)の軍事部門のトップであるオンディエキ司令官(ケニア)が更迭され、まだ後任も決まっていないとは、まことに心配なことだと思っていましたが、今日、講談社の「現代ビジネス」サイトに掲載された半田滋さんが書かれた記事によると、国連南スーダン派遣団(UNMISS)の代表を務めていたエレン・ロイ事務総長特別代表(デンマーク)が11月30日付で退任し、後任の代表も決まっていないということです。
 UNMISSの最高責任者も軍事部門の責任者も「いない」という、ほとんど「あり得ない」事態の中で、日
本の自衛隊を含むPKO要員が業務を行っているということであり、重大な事態が生じた時に迅速適切な判断と指示がなされるのか、重大な懸念があると言わざるを得ません。
 そういうところに自衛隊員を送り込んだ政権を選挙で支持した1人1人の国民が、こういう事態に無関心でいて良いはずはありません(選挙で野党に投票した人も、それだけで免責されるものではありません)。
 是非、リンク先で半田さんの記事をお読みください。
 
講談社 現代ビジネス 2016年12月03日 半田 滋
【スクープ】南スーダン「国連PKO代表」が不在の異常事態!
自衛隊は、本当に無事でいられるのか?

(抜粋引用開始)
 自衛隊国連平和維持活動(PKO)を行うために派遣されている国連南スーダン派遣団(UNMISS)。
その代表を務めたエレン・ロイ事務総長特別代表(デンマーク)が11月30日付で退任し、今月1日から代表の座が空席となっていることがわかった。11月には軍事部門のオンディエキ司令官(ケニア)が更迭され、やはり空席となっている。
 会社でいえば、社長と専務がいない状態だ。決断し、実行を命じるトップが不在では会社は成り立たな
い。UNMISSには副代表や軍司令官代理がいるものの、それでコト足りるなら、最初から代表や軍司令官は
不要ということになる。やはりこれは異常事態と見るべきだ。
 そんな中、陸上自衛隊第9師団(青森)を主力とする部隊は数次に分けて南スーダンへ出発した。UNMISS
の指揮命令系統のトップ不在という異常事態下で、武器使用を拡大した「駆け付け警護」「宿営地の共同
防衛」という新任務に12日から就くことになる。
 日本政府は派遣期間を延長した10月25日の閣議決定、新任務付与を命じた先月15日の閣議決定で、それ
ぞれ「基本的な考え方」を発表し、南スーダン情勢や新任務について踏み込んだ説明をしているが、UNMISS代表が不在となることには触れていない。自衛隊が派遣される首都ジュバを10月8日に訪問してロイ代表と面会した稲田朋美防衛相は自身の進退を含めた「今後のUNMISS」について説明を受けなかったのだ
ろうか。
2016年10月15日「派遣継続に関する基本的な考え方」
(略)
 UNMISS代表は事務総長特別代表という肩書が示すように、当該PKOについて、人事権はもとより、任務の
決定、予算の執行などあらゆる面で絶大な権限を持っている。UNMISSは国連加盟の約60カ国から軍事部門13058人、文民部門769人を集め、地元スタッフを加えれば15000人以上になる巨大な国連組織だ。
 そんな組織のリーダーが不在となった現在、二人いる副代表が役割を分担して補完しているようだ。い
つ代表が決まるのか、外務省国際平和協力室は「何も聞いていません」と答えるのみ。いつになれば代表
不在という異常事態が終息するのか、見通しはまったくたっていないという。
 ロイ代表より先に更迭されたオンディエキ軍司令官は、7月に起きた武力衝突で、指導力の欠如、準備不
足、指揮命令の混乱などの責任を問われた。国連の報告書によると、ジュバの政府軍と反政府勢力の間で武力衝突が発生した際、避難民が生活するUNMISSの保護施設も襲撃を受け、7月の3日間で20人以上の避難
民を含めて73人が亡くなった。
 報告書は「(オンディエキ軍司令官ら)幹部の指導力不足により、無秩序で非効果的な対応となった。
予兆があったのに、十分な警戒態勢もとらなかった」と指摘。政府軍兵士がホテル滞在者らに残虐行為をした事件についても、報告書は「政府軍兵士が略奪を始めた際、市民がUNMISSに通報したにもかかわらず、複数の部隊が出動要請を拒絶して市民らが殺人や威嚇、性的暴力などの重大な人権侵害にさらされた」
としている。
(略)
 問題はオンディエキ軍司令官の更迭を受けて、ケニア政府がUNMISSに派遣していた1000人の歩兵部隊を
撤収させることを決め、 近く全員が南スーダンから消えることにある。ケニア軍が治安維持を担っていた
のは北部のワウ、アウェイル、カジョクの三都市でいずれも州都にあたる。
 ワウでは中国の工兵部隊がケニア軍に守られて道路補修を続けており、さぞかし心細い思いをしている
に違いない。UNMISSはジュバを守る歩兵部隊を削って三都市に移動させ、治安維持を担わせる方針と伝え
られる。
  「ケニア軍が撤収するとなると自衛隊の宿営地があるジュバが治安悪化した場合、対応できないのでは、
という不安が出てくる」というのは陸上自衛隊幹部。「駆け付け警護」「宿営地の共同防衛」という新任務が追加されたとはいえ、主任務は道路補修などの施設復旧であることに変わりなく、部隊編成もこれま
で通りという。銃の扱いが得意な普通科(歩兵)部隊も増員されなかった。 
 治安状況を安定させようと、国連安全保障理事会は8月12日、ルワンダ、ケニア、エチオピアの近隣3カ
国で構成される4000人の「地域防護部隊」の追加派遣を決めた。当初は「介入軍」とみなして反対してい
南スーダン政府も受け入れを閣議決定している。
 ところが、こちらもケニアが不参加を表明したことで4000人のやり繰りが暗礁に乗り上げ、地域防護部
隊は現状では一人も派遣されていない。
 UNMISS代表と軍司令官の不在、ケニアの撤収、追加部隊の着任遅れという三重苦の中で、日本政府は撤
収するどころか、逆に武器使用の範囲を拡大させる新任務を自衛隊に命じたのである。
(略)
 国連が8月12日から10月25日まで2カ月以上に及ぶ情勢をまとめた報告書によると、ジュバとその周辺の
治安情勢について「『volatile(不安定な、流動的な)』状態が続いている」とし、「国全体の治安は悪化しており、とりわけ政府軍が反政府勢力の追跡を続けている中央エクアトリア州の悪化が著しい」と明
記した。同州にはジュバが含まれるのである。
 また国連人道問題調整事務所(OCHA)のジョン・ギング業務局長は11月16日、国連本部で南スーダン
視察した状況を報告、昨年の同時期より100万人多い、推定370万人が深刻な食糧危機に直面しているとし
て「食糧不足が今ほど悪化したことはなく、さらに悪化する情勢にある」と述べた。
 なぜこれほど日本政府と国連の見方が違うのか。安全保障関連法が成立して1年以上、また同法が施行さ
れて半年以上が経過した。自衛隊を活用する「積極的平和主義」を掲げ、成立を急いだ安保法がいつまで
も適用されないようでは説明がつかない、というのが安倍晋三首相の本音ではないのか。
 日々悪化する現地情勢に加え、PKO代表不在という不安。そのような中で、自衛隊が曇った目でしか状況
判断しない政府の犠牲者になる事態だけは避けなければならない。
(引用終わり)
 
 なお、「現代ビジネス」サイトには、伊勢﨑賢治さんも以下のような記事を書かれていますので、是非お読みください。
 
 伊勢﨑さんといえば、このところ、様々なメディアに積極的に登場して発言されています。そのうちの1つ、一昨日(12月1日)、BSフジ・プライムニュースに、柴山昌彦氏(内閣総理大臣補佐官衆議院員)とともに出演し、そのハイライトムービーが番組ホームページで視聴できます。なお、プライムニュースでハイライトムービーが見られるのは放送から10日間だけで、その後は文字起こししたテキストが代わりに掲載されます。
 番組の全体像を掴むためには、一度ハイライトムービーを見ておいた上で、後日テキストをじっくり読むのが良いと思います。
 

12/18「ふぉーらむ 食・遊・学びの子ども居場所づくりで 地域で子そだち・子そだて支援」(放送大学和歌山学習センター)のご案内

社会 人権
 今晩(2016年12月2日)配信した「メルマガ金原No.2648」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
12/18「ふぉーらむ 食・遊・学びの子ども居場所づくりで 地域で子そだち・子そだて支援」(放送大学和歌山学習センター)のご案内

 知っている人は前から注目していたものの、このメッセージで初めて「子ども食堂」って何?と思った
方もおられるかもしれませんね。
 
 
あなたは決してひとりではありません。
こども食堂でともにテーブルを囲んでくれる
おじさん、おばさん。
学校で分からなかった勉強を助けてくれるお兄さん、お姉さん。
あなたが助けを求めて一歩ふみだせば、
そばで支え、その手を導いてくれる人が
必ずいます。
あなたの未来を決めるのはあなた自身です。
あなたが興味をもったこと、好きなことに
思い切りチャレンジしてください。
あなたが夢をかなえ、活躍することを、
応援しています。
 
平成28年11月8日

内閣総理大臣
安倍晋三
(引用終わり)
 
 SNSの世界では、「子ども食堂」がなぜ必要となったのかを考えれば、「総理大臣としてよくこんなことが言えるな」、「呆れ果てた」という反応が多かったと思いますが、ネトウヨ界ではこれでも「賞賛の嵐」だったのかもしれません。
 もともと、「子供の未来応援国民運動」自体、「何だかなあ」といういかがわしさはぬぐえず、その官
製・国民運動の「一周年の集い」で発表されたメッセージですから、まことに運動の実体に則した内容のメッセージだという評価(?)が可能かもしれません。
 悪くとれば、この官製・国民運動に「子ども食堂」が絡め取られて変質する恐れも絶無ではないかもしれませんが、それはさておき。
 
 いずれにせよ、「子ども食堂」の知名度アップになにがしかの貢献はあったということで、この機を逃さず、その実態を広く国民に知ってもらう必要がありますが、その一助となる企画の案内が届きましたので、ご紹介することとしました。
 それは、放送大学和歌山学習センター地域貢献プロジェクト2016「食・遊・学びの子ども居場所づ
くりで 地域で子そだち・子そだて支援」の一環としてのフォーラムを開催するという案内です。
 以下に、チラシ掲載の情報を転記してご紹介します。
 
チラシから引用開始)
放送大学和歌山学習センター地域貢献2016 公開講演Ⅱ
 
ふぉーらむ
食・遊・学びの子ども居場所づくりで 
地域で子そだち・子そだて支援
 
日時 2016年12月18日(日)
    13時30分~16時15分(13時 受付開始)
場所 和歌山大学地域連携・生涯学習センター2階ホール(和歌山県図書館の東隣り)
     和歌山市西高松1丁目7-20
 
第1部 基調講演 13時30分~15時00分 
①子どもはジグザグの道を歩む-生きづらさと向き合う子どもを支える-
  講師:谷尻 治 氏(和歌山大学教育学部 教職大学院 教授)
②子ども食堂でみんなの居場所づくり-私たちにできること-
  講師:新家 貢 氏(中之島子ども食堂 代表)
 
第2部 パネル討論 15時15分~16時15分
問題提起
地域で子そだち・子そだて支援-みんなの居場所、逃げ場所、心の修復場所づくり-
コーディネーター 
 森下順子氏(放送大学客員准教授/和歌山信愛女子短期大学准教授) 
パネリスト
 谷尻 治 氏 
 新家 貢 氏
 古賀敬教 氏(NPOフードバンク和歌山 会長)
 阪田由美子 氏(和歌山大学地域連携・生涯学習センター子そだて支援員研修担当/放送大学学生)
 
お申し込み・お問い合わせ
放送大学 和歌山学習センター

〒641-0051 和歌山市西高松1-7-20
TEL 073-431-0360
Email
wakayama-sc@ouj.ac.jp
(引用終わり)
 
 私自身、放送大学和歌山学習センターに所属する現役の学生(あと2年は在籍できます~うっかり卒業に必要な単位を取ってしまわない限り)であり、時々このような案内が学習センターから届きます。参加したいと思う企画も少なくないのですが、なかなか日程が合わず、めったに参加できないのが残念です。
 実際、今日ご紹介した12月18日(日)の企画にしても、案内が届いた時には既に別件の予定が入っ
てしまっており、私自身は参加することができません。
 けれども、これは放送大学とは関係のない市民の方にも、きっと関心をもってご参加いただける企画だ
と思いましたので、メルマガ(ブログ)でご案内することとしました。
 なお、参加される場合には、駐車場に限りがありますので(はっきり言って少ないです)、極力公共交通機関を利用されるようにお勧めします。
 

マガジン9の「憲法24条を考える 自由な〈個人・結婚・家族〉のために」に注目しよう~改憲派はなぜ24条にこだわるのか?

憲法 人権
 今晩(2016年12月1日)配信した「メルマガ金原No.2647」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
マガジン9の「憲法24条を考える 自由な〈個人・結婚・家族〉のために」に注目しよう~改憲派はなぜ24条にこだわるのか?

 今年(2016年)もあと1月となった12月1日、月日の経つのは早いものでというありきたりの感慨をマクラに、さて今日のメルマガ(ブログ)で何を取り上げようか?と考えてみると、それなりに候補はいくつか思いつくのです。
 
〇猿田佐世・新外交イニシアティブ(ND)事務局長出版記念企画「新しい日米外交を切り拓く 沖縄・安保・原発TPP、多様な声をワシントンへ~過去・現在・そしてアメリカ大統領選挙を経て~」(11/26)の動画がNPJサイトにアップされています。

 とはいえ、猿田さんの著書『
』(集英社)、編著『アメリカは日本の原子力政策をどうみているか』(岩波ブックレット)を入手し、前者を読み始めたばかりなので、これを読み終え、動画もあらまし視聴した上で取り上げた方が良いのではないかと思ったりもします。


〇新任務を付与された陸上自衛隊南スーダンに派遣されましたが、この問題に関する国会での本格的な論戦の口火を切ったのが、今年の通常国会における志位和夫日本共産党委員長による衆議院本会議における代表質問(1月27日)と2月4日開催の予算委員会での質疑だったと思います。この質疑の模様については、2月5日のメルマガ(ブログ)で取り上げたのですが(国連PKOの変質を追及した志位和夫日本共産党委員長(1/27本会議&2/4予算委員会)、これを再配信してもよいかなと思っています。
 また、PKO協力法については直接取り上げられなかったとはいえ、2015年5月27日、28日の両日に行われた志位委員長による圧巻の質疑は、「戦地に派遣される自衛隊員を待ち受ける事態」がどういうものかを考える上で、絶対に見逃すことのできないものでした。あまりに感心した私は、「志位和夫日本共産党委員長による質疑を読み解くと題して、2日間の質疑と安倍首相ら政府側の答弁に注釈を加えるというシリーズを、メルマガ(ブログ)に6回にわたって連載したほどです。私の第2ブログに、この連載の全てにリンクをはった「まとめ」記事をアップしてありますので(志位和夫日本共産党委員長による安保法制特別委員会質疑(まとめ))、これも機会を見て、重要な部分を再配信しようかと思っています。
 
〇IR推進法をめぐる茶番(私の地元和歌山にもカジノ誘致のためにマカオ視察を広く推奨している衆議院議員がいます)も取り上げねばと思いますが、資料を集めるだけでもなかなか大変です。
 
 以上は、実現するかどうか確約のできない予告編でした。・・・という長い前置きの後にお送りする今日の話題は、「マガジン9」に、今年の1月から不定期に連載されているインタビュー・シリーズ「憲法24条を考える 自由な〈個人・結婚・家族〉のために」のご紹介です。
 これまで、斎藤美奈子さん、想田和弘さん、山口智美さん、打越さく良さん、谷口真由美さんが登場しています。
 シリーズを開始するにあたって、「マガジン9」編集部が掲げた企画意図は、以下のようなものでした。
 
「戦後「日本国憲法」によって、新しく保障されることになった「個」の尊重と男女平等。戦前の家父長制度にあった、家庭内の理不尽な序列や差別も、憲法上否定され、それに伴い多くの民法が変わりました。女性が自己決定できる立場になり、個人として財産や親権、選挙権を持てるなど、真の人権を得たのは、それ以来のことです。
しかし、自民党改憲草案は、これらを保障する条文のひとつ、憲法24条の改訂も視野に入れています。私たちは、「平和」「自由」そして、「権利」は、あるのが当たり前として生きてきましたが、それらが当たり前でなくなったらどうなるのか?この「憲法24条を考える」シリーズでは、改憲の動きについて、憲法24条はいかにして生まれたのかについて、また旧憲法下の実体験などを知ることを通じて、身近なテーマである「結婚」「家族」と憲法、そして個人や国家との関係について考えます。」
 
 私は、参院選の前頃から再び自民党改憲案をテーマとした学習会の講師を頼まれる機会が増え、たまたま入手した「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の大判チラシなどをつらつら眺めた結果、彼らが改憲を目指す三大テーマが、今や「9条」、「緊急事態条項」、そして「24条」なのだということに否応なく気がつかされました。
 試みに、私の手元にある「世界は変わった。日本の憲法は・・・」というタイトルのチラシには、その1/4のスペース(「9条」や「緊急事態条項」と同じだけのスペース)を割いて、以下のような主張を掲げています。少し引用してみましょう。
 
(引用開始)
大切な家族の絆を守ろう
家族保護の規定の導入を!
社会の基礎となる家族を守るために、
国家が責任を持って家族保護政策を推進できる規定を憲法に!

日本の憲法には、家族の保護についての規定が一切ありません。家族については、近年、家族の絆の弱体化、家族崩壊ともいうべき現象が社会問題化しており、家庭・家族関係は「静かな有事」といってよい段階になっています。
「家族の絆」に迫る危機の兆候
家庭での子どもに対する虐待事件の急激な増加
親族同士の殺人が5割を超えている
日本以外の各国は、憲法に家族保護の規定を明記し、国家機関を設けて家族政策に取組んでいます。

欧州主要国は、各国とも憲法の規定に基づく国家機関を設け、政府が責任をもって手厚い財政支出とともに家族保護政策を推進しています。
現在の日本には、そもそも家族政策という考え方がなく、家族の保護政策に責任を持つ政府機関もありません。いま、憲法に家族保護の規定を設け、国家が責任をもって家族保護に取り組むことを明確にする必要があるのではないでしょうか。
日本の家族関係社会支出の規模はわずか0.75%(各国の家族関係社会支出の対GDP比)
(引用終わり)
 
 憲法について何も考えたことのなかった人が、何かの拍子に「憲法おしゃべりカフェ」に誘い込まれ、まことしやかにこういう説を吹き込まれたら、「それはいいことだ」と思うでしょうね。
 それにしても、「日本の家族関係社会支出の規模」が欧米に比べて著しく少ないという棒グラフまで掲げる図々しさには呆れます。仮にその数字が正しいとしても、それは国(大半の期間は自民党が政権与党だった)の社会政策の貧しさの結果であって、憲法は関係ないでしょう。・・・ということに自分で気がつく人ばかりではないと思わねばならず、その意味でも、「9条」や「緊急事態条項」と並んで、「24条」に注目する必要は非常に大きいと思います。
 
 そこで、是非多くの人に読んで欲しいマガジン9の「憲法24条を考える 自由な〈個人・結婚・家族〉のために」。これまで、以下のようなテーマでインタビューが行われています。
 
2016年1月20日 UP
斎藤美奈子さんに聞く(その1)
24条改憲案にある「家族は、互いに助け合わなければならない」の真意は?
 

「確かなジェンダー視点に定評のある文芸評論家で、鋭い時事エッセイでも人気の斎藤美奈子さんは、2012年に発表された『自民党改憲草案』の中でも、24条の改憲案に危機感を持って注目しているひとり。そこで斎藤さんにじっくり聞いてみた。「何が問題?」「どこがおかしい?」と。――「そもそも憲法24条って、何だっけ?」なんていう方こそ、ぜひご注目!」
 
2016年2月3日 UP
斎藤美奈子さんに聞く(その2)
復古主義に、女性の使い倒し。個の権利がこのままでは危ない!?

「現行の日本国憲法では、婚姻についての基本的な考え方と両性の平等を示す、憲法24条。それは、改憲を進めようとしている自民党が手始めに変えたいもののひとつと言われている。
 なぜここから?なにが変えられようとしてる?という疑問を、文芸評論家の斎藤美奈子さんに聞くインタビュー、待望の2回目。前回は、2012年に自民党が発表した改憲草案(以下「自民草案」)で24条の冒頭に加えられた「家族条項」にフォーカスし、一見穏当に見えるこの一文に隠された「国に従うシステムの強化」というねらいが指摘された。しかし、この改憲の狙いは他にもある、と斎藤さん。それって何だか、聞いてみよう。 」
 
2016年5月18日 UP
想田和弘さんに聞く(その1)
結婚観や家族観は人それぞれ。その「違い」を認めよう

「昨年末に最高裁が出した、民法に定める「夫婦同姓」の強制は合憲である、との判断には、夫婦別姓という選択肢を求める多くの人から批判と失望の声があがった。結婚以来、ずっと別姓を通しているという映画監督の想田和弘さんもそのおひとり。24条の「生みの親」であるベアテ・シロタ・ゴードンさんに生前、インタビューした経験もある想田さんに、ご自身の考える「家族」や「結婚」について、そして自民党の24条改憲案について聞いてみた。前編はまず、ベアテさんの思い出とともに、想田さんが結婚したときのエピソードやその思いから──。」
 
2016年5月25日 UP
想田和弘さんに聞く(その2)
憲法は、多様な価値観や生き方を守るためにあるもの

「「家族は、互いに助け合わなくてはならない」と定める自民党の24条改憲案。それだけ聞けば、たしかに「いいこと」のようだけれど…。それを憲法に書き込むことのおかしさについて、そして危険性について、想田監督とともに考えてみた。」

2016年7月6日 UP 
山口智美さんに聞く(その1)
知ってる?右派と自民党が目指す改憲の最重要項目は、「憲法24条」!

「赤い袈裟を着た坊主のアイコンが印象的なツイッターアカウントをご存知ですか?発信者は、米国北部のモンタナ州立大学で教鞭をとる、山口智美さん。日本で起きているジェンダー周りの不可思議な動きや、アメリカまで進出(?)しようとする右派・歴史修正主義者たちの動向を捉えた鋭い発信や著作で注目を集めています。山口さんの専門は文化人類学フェミニズム。調査の中で右派の人たちのありように直接触れてきた経験から、今、強く警告しています。
自民党が中心となって進めている改憲では、『24条』が実は、たいへん重要視されています。特にこの24条に『家族条項』を加えることは、右派にとって、とても大きな意味を持つからです」
 知られざるその実態、ぜひ教えてください!」
 
2016年7月13日 UP
山口智美さんに聞く(その2)
日本会議などの右派が、こだわる「家」のかたち。彼らの目指す「日本」とは?

「前回は、24条の改変が、いかに右派から重視されているか、その問題点は何か?という観点から、モンタナ州立大学准教授の山口智美さんにお話をうかがいました。ここで浮かび上がってきた疑問があります。なぜそんなにも改憲を進める右派の人たちは、「家族の助け合い」「縦の関係」にこだわりを見せるのでしょうか?右派のフィールドワークを重ねてきた山口さんに、活動を支える草の根の人々の実態や共通する考え方についてたずねてみました。」
 
2016年8月24日 UP
打越さく良さんに聞く(その1)
「選択的夫婦別姓」はなぜ今もって認められないのか? ——別姓訴訟と24条

「昨年末12月16日、「選択的夫婦別姓」を求める声が広がる中、女性たちが起こした裁判に対し最高裁大法廷は〈「夫婦は…夫または妻の氏を称する」と夫婦同姓を定めて別姓を選択することを認めない民法750条は「憲法に違反しない」〉という判決を出しました。
 「個人の尊重」や、「婚姻の自由」を保障し、婚姻などの法律は「両性の本質的平等に立脚して制定」と定めた日本国憲法の下で、なぜ多くの人びとが求める「選択的夫婦別姓」は認められないままなのでしょう? そして、選択的夫婦別姓を敵視し、憲法24条改憲を強く進めようとしている現政権や改憲勢力は、21世紀の日本を、どこへ向かわせようとしているのでしょうか? 
 先の裁判で、原告側弁護団の事務局長を務めた、弁護士の打越さく良さんに、今回の判決から考える「憲法24条の危機」について、うかがいました。」
 
2016年8月31日 UP
打越さく良さんに聞く(その2)
家族内の個人の自由と尊厳を守る。そんな24条が、平和な社会を支える

「前半では「選択的夫婦別姓」の実現を阻んだ、昨年末の最高裁大法廷判決をふりかえりながら、それまでの道のり、そして判決への疑問などを、同裁判の原告弁護団事務局長・打越さく良弁護士に詳しくうかがいました。憲法24条に対しての違憲性が問われたこの裁判からは、個人の尊厳をめぐる日本の現実がいろいろと見えてきます。この裁判と24条改憲との関連、そして問題点を、後半では、さらに掘り下げてうかがいましょう。」
 
2016年11月23日 UP
谷口真由美さんに聞く(その1)
人々を家制度から解放した憲法24条は「押しつけ」ではなく「ギフト」

「今年6月、『憲法って、どこにあるの?』と題した著書を出版された、法学者にして「全日本おばちゃん党」代表代行の谷口真由美さんは、法学を学んでいた大学生の頃、ベアテ・シロタさんが書かれた24条の原案と出会い、震えるほど感動したそうです。24条がどのようにして書かれたのか、またそれを変えようとしている自民党が掲げる改憲草案の目指す方向性とはどういうものなのか、もし本当にそれが実現したら何が変わるのか、お話をうかがいました。」
 
2016年11月30日 UP
谷口真由美さんに聞く(その2)
「家族は助け合わなくてはならない」自民党の24条改憲案は「オッサンのファンタジー」?

「今年6月、『憲法って、どこにあるの?』と題した著書を出版された、法学者にして「全日本おばちゃん党」代表代行の谷口真由美さん。前回、24条は「押しつけ」ではなく、むしろ「ギフト」とのお話でしたが、一方、今出されている自民党改憲草案の24条については「オッサンのファンタジー」だと指摘します。こうした改憲がもし実現したらどんな心配があるのか、そして、そうさせないために何をしていくべきかを考えます。」

「避難の権利」を訴える総理大臣と福島県知事への手紙~森松明希子さんから

原発 人権
 今晩(2016年11月30日)配信した「メルマガ金原No.2646」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「避難の権利」を訴える総理大臣と福島県知事への手紙~森松明希子さんから

 原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)、原発被害者訴訟原告団国連絡会、避難住宅問題連絡会、「避難の権利」を求める全国避難者の会の4団体は、「自主避難者の住宅無償提供継続を求める/原発事故被害者を切り捨てるな!/4団体共同全国集会in福島」
を12月4日に開催します(会場:福島県教育会館)。
 連絡先となっている「ひだんれん」のホームページは、以下のようにアピールしています。
 
(引用開始)
 日本政府と福島県による、自主避難者の住宅無償提供打ち切りは、すでに社会的、経済的にダメージを受けている避難者を切り捨て、救済をせず無権利状態に陥れることになり、人道上も許せることではありません。また、このことは原発事故被害者全体の今後に大きな悪影響を及ぼすことになり、認めることはできません。
 私たちは12月6日からの福島県議会に、自主避難者の住宅無償提供の継続を求め、請願書を提出します。
 これに向けて、11月28日(月)から12月2日(金)までの1週間、県庁前アピールと内堀県知事に直訴する連続行動を行い、12月4日(日)は4団体共同の全国集会とデモを開催します。
 和製パンク「切腹ピストルズ」も全国から集結して一緒に福島の街を練り歩きます。参加する方の鳴り物、踊りの飛び入り大歓迎!
 原発事故被害者の切り捨てを許さないために、是非、ご参集ください!
(引用終わり)
チラシ(PDF)
 
 内堀雅雄福島県知事に対する「直訴状」の一部が「ひだんれん」ホームページに掲載されています(11月28日の知事への直訴状より抜粋)。
 
 避難先自治体が独自の支援策(公営住宅の1年間無償提供など)を決定したというニュースに接することはあるものの、国や福島県が来年3月で災害救助法に基づく住宅無償提供を打ち切るという方針を変えるという兆候も認められぬ中、避難者4団体が実施することとなった企画です。
 
 このような動きに呼応して(だろうと思いますが)、森松明希子さん(原発賠償関西訴訟原告団代表、東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream 代表)が、安倍晋三内閣総理大臣と内堀雅雄福島県知事に対する手紙(2016年11月28日付)を公開しました。
 「住宅支援を受けておられる方が最も当事者性があり説得力もあるのも承知で、私も何か力になれないか、意見表明はできないかと考え、一福島県民、一国民、一避難民として渾身の思いで書いた」そうで(森松さん自身は住宅支援は受けていません)、「無断で転記・転載、大歓迎」ということなので、私のメルマガ&ブログに「無断転載」することにしました。
 ただ、文章自体は、サンドリのホームページに掲載されたものをそのまま転載したことはもちろんですが、どこで改行するか、どこで1行空白スペースを設けるか、などの文章の体裁については、私の判断で(つまり私の読み方に従って)大幅に改めていることをお断りします(これも「無断」ですが、森松さん、「金原編集ヴァージョン」もOKですよね?)。
 「「避難の権利」を訴える総理大臣と福島県知事への手紙」というタイトルも、手紙を読んだ上で、私が考えたものです。住宅支援継続問題も、つまりは「避難の権利」を認めるかどうかというところが岐れ目なのだ、という主張だと私は読み取ったのですが、これはあくまで私個人の読み方です。
 

内閣総理大臣 安倍 晋三さま
福島県知事 内堀 雅雄さま
 
 前略
 
「復興庁 避難者消したら 復興か」
福島県 避難者無視して 復興か」
 
 福島県郡山市から大阪市に2児を連れて母子避難を5年8か月間敢行しつづけている森松明希子と申します。1年前にも内閣総理大臣および福島県知事にお手紙を差し上げました。

 何度でも繰り返します。
 放射線被曝から免れ健康を享受する権利は、人の命や健康に関わる最も大切な基本的人権にほかなりません。誰にでも、等しく認められなければいけないと、私は思うのです。
 なぜなら、少しも被ばくをしたくないと思うことは人として当然のことであり、誰もが平等に認められるべきことだと思うからです。
 また、これから先、将来のある子どもたちに、健康被害の可能性のリスクを少しでも低減させたいと思うことは、親として当然の心理であり、子どもの健やかな成長を願わない親は一人としていないと思うのです。
 そこには、一点の曇もなく、放射線被曝の恐怖、健康不安があってはならないと思うのです。
 たまたま県外に親戚・縁者・支援者のつながりがあった人だけが被ばくを免れることができる、とか、経済力はじめ運良く様々な条件に恵まれた人たちだけが被ばくから遠ざかることができた、というようなことで本当に良いのでしょうか?
 
 今、次々となされる施策、法律で定められている年間1ミリシーベルトを超える放射線量が確認されても帰還困難区域を解除する、避難者にとっての命綱である支援住宅の打ち切り(他方で帰還者にだけは手厚い保護)など、これらの非道な施策により、幼い子どもの被ばくを少しでも避け避難を続けていたいと願っても、泣く泣く帰還するしか選択肢がなくなるという世帯もあるということをご承知の上での措置なのでしょうか?
 そして、それが本当に平等でフェアな施策だと言えるのでしょうか?
 何よりも、それは本当に正しいことなのでしょうか?
 
 そもそも、避難するという選択肢を選び、安心して避難を続けるという道筋が立てられる制度が5年以上経過しても何一つ確立されることもなく、避難したくてもできない世帯があることを国や福島県は分かった上でのこれまでのこの5年8か月間のご対応なのでしょうか。
 もしもご存知ないのでしたら、それは、「声なき声」、生活者の視点、ふつうの暮らしをしている人々の思いや声を聞き漏らしていることにほかならず、大変な無礼を承知の上で申し上げますが、為政者としては致命的であると言っても過言で無いと思うのです。
 
 原発事故子ども被災者支援法という法律はあるのにずっと棚晒しの現状・・・
 法律があっても、実際の被災者は何ら救済されないというこの現実。
 私は、福島にとどまり日々放射線と向き合う暮らしを余儀なくされていらっしゃる方々の選択をとやかく申し上げたことは一度もありません。むしろ、子どもを育てる同じ親としてのお立場の方々を思うにつけ、心中、心よりお察し申し上げる次第です。
 一方で、避難という選択をした私たちもまた、紛れも無く福島県民であることにかわりありません。遠く離れた土地に幼子と避難をしていたとしても、福島が、3.11前の何の健康被害のリスクも不安もない状態にもどりさえするのなら、すなわち、3.11前には現存しなかった放射線がなくなり3.11前の福島でありさえするのなら、今すぐにでも家族揃って福島での生活をまた再開したいと心から願っているのです。
 そう願い続けて5年8か月の歳月が流れました。
 
 避難をしている福島県民の「声」は届いているのでしょうか。
 それとも「意図的に無視」されているのでしょうか。
 県政を担われる内堀知事におかれましても、どうか、避難という選択をした者もまた県民の一人として捨て置くことなく、人の生命・健康にかかわる最も大切な基本的人権を尊重していただけますよう、避難民にもまた、温容な具体的施策の継続、実施をお願いしたく存じます。
 原子力災害がひとたび起きた時に、これまでのご対応が常套の手法とされてしまうことで計り知れない国民の権利が将来にわたり侵害されることになると私は危惧するのです。
 人の命や健康よりも大切にされなければならないものはあるのでしょうか?
 国民は、等しく、自らの命を守り健康を享受する権利があるはずです。
 生命や健康を守る行為が原則であり、その原則的行為を選択した人に対して、どうか最低限度の制度を保障してください。
 そして、不幸にも原子力災害を経験してしまった県民(国民)として、次の世代に対して恥ずかしくないアクションを県政、県民として手を取り合って進めて頂きたいと思うのです。
 
 同様の事が、国政においても言えると思います。
 そのためには、一部の経済的利害関係の発生する人々の声だけでなく、人として当たり前の事を申し上げているだけにすぎない一母親、一生活者、一県民、一国民の真摯な声にどうか耳を傾けてくださいますよう、心からお願い申し上げます。
 
 避難者の存在そのものが社会的事実であり歴史的証拠なのです。「意図的な無視」により数にも数えようともしない、数に上げてしまったものは線引き・支援の打ち切りによって、全力で存在そのものを消そうとすることは、為政者としてあるまじき恥ずべき行為だと思うのです。
 私や私の子どもたちも含め、「避難している人々」は間違いなく存在しているのです。
3.11から今現在に至るまで、間断なく避難という選択をし続けています。汚染があるから帰らないという選択を尊厳をもって敢行しているのです。
 
 最後にこれだけはお伝えさせてください。
 トップが事実から目を背け、隠蔽体質を貫かれますと、国民・住民はさらなる苦痛と困難を強いられます。福島原発事故による国土の汚染は国のトップが世界に向けてアンダーコントロールと隠蔽しました。
 福島県からの避難者は北海道から沖縄まで全47都道府県全てに存在するというのに、
県のトップは物産売り込みには熱心で全国飛び回ったとしても、全国に散らばる避難者には会おうともせず無視しつづけています。
 私たち避難者の正確な数や実態、苦難の状況を把握しようともしないし、声も聞かない、
受け入れ先の自治体に「避難者をよろしく」とお願いもしてくれない。
 学校のいじめは学校長が無視、隠蔽したら苦しむのは子どもたちです。
 隠蔽されて再発防止策が講じられないと、被害の子も加害の子も、そして今は加害者にも被害者にもなっていないけれど、新たな犠牲者が出ることは必至です。
 そして再発防止は事実(何が起きていたかという被害の事実)と向き合わずしてはありえないと思うのです。
 いじめも原子力惨禍もそれは同じことです。
 なかったことにする、見ないことにする、臭いものに蓋が、どれだけ多くの子供たちの未来を奪っていることか・・・
 そのことに全ての人が気づくべきだと私は思うのです。
 避難児が恐喝いじめ事件に遭っていたという痛ましい事件がありましたが、全国に散らばる避難者の子どもたちは、国・県からの保護が皆無に等しく、同様の危険にさらされ続けているという現状があります。避難するという選択を尊重されないばかりか、さらなる危険にさらされながらの避難の継続を強いられることは、あってはならないことです。
 子どもたちの未来と健康を最優先に考えてください。
 子どもたちはこの国の未来であり、福島県にとっても大切な宝物です。
 避難を続ける人々の選択を尊重し、特に保護すべき避難の子どもたちをどうか全力で守ってください。
 内閣総理大臣福島県知事が全力でその姿勢を示してください。
 
 長文かつ乱文、大変失礼いたしました。
 
 福島の復興を切に願う一県民として、また、東日本大震災の真の復興を心から願う一国民として、筆を取らせていだだきました。
 最後までお読み下さいましてありがとうございます。
 
  2016年11月28日
 
                                       森松明希子


12・4チラシweb版 

「福島の現実に向き合い、原発再稼働を止めよう 11.19集会」(脱原発を目指す女たちの会)を視聴する~UPLANの再開を待ちながら

報道 原発
 今晩(2016年11月29日)配信した「メルマガ金原No.2645」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「福島の現実に向き合い、原発再稼働を止めよう 11.19集会」(脱原発を目指す女たちの会)を視聴する~UPLANの再開を待ちながら

 私のメルマガ(ブログ)を毎日読んでくださっている方がはたして何人位おられるのか、実数を把握す
るのは困難ですが、何とか2桁に乗る程度はおられるのではないかななどと期待も交えて推測しています
 メルマガを配信している先は240以上ありますが、一方的に送りつけるだけですから、毎日読んでく
れるなどと期待する方が無理でしょう。
 これに比べてブログ版は、読者が積極的に「閲覧しよう」としない限り、アクセス・カウンターの数字
は上がりませんから、まだしも実数を把握できる可能性があります。ただ、毎日の実訪問者数平均して150人~200人のうち、リピーターや常連の方は少ないようなので、やはりこちらも「毎日閲覧」という人はそうそういないでしょう。
 
 ・・・というようなボヤキが今日の主眼ではありません。メルマガ(ブログ)の「毎日配信」も大変ですが、それとは比べものにならないほど大変な苦労をしながら動画配信を続けてきてくださったのがUPLANの三輪祐児さんです。
 三輪さんによる取材・撮影・YouTubeへのアップの頻度たるや、ほとんど「毎日配信」に近く、時には1日2本立というようなこともあり、IWJのように何人もスタッフを抱えてということもなさそうな中で
、よく続くものだと驚嘆していました。
 UPLANの驚くべきところはその「頻度」だけではなく、何よりもその対象とする「企画」の選択眼の素晴
らしさにこそあります。
 原発問題を中心としながら、憲法問題、TPP、人権問題など、これぞという企画の動画がないかと探
す時、私はまずまっさきにUPLANにアップされていないかどうかを確認するのが習慣となっていました。
 これまでに2つのYouTubeアカウントに集積された動画は、まことに貴重な歴史の証言です。
 
 
 「祐児三輪アカウント」の「About」で、三輪さんは次のように書かれています。
 
(引用開始)
狭義の意味でのジャーナリストではありません。歴史資料としてこれらの映像を配信しています。10年後、20年後の人々は、原発再稼働やTPP加盟に狂奔する現代の私たち日本人を狂った、理解不能な、奇異な存
在として見ることでしょう。我々が戦時下にB29と竹槍で戦おうとした日本人を見るように・・・。
そういう未来の研究者のために、現代の我々がどういう情報や意見を持ち、何を考え、どのような未来を
構想し、そしてどのようにして敗れていったのかを伝えようと思っています。
撮影・編集および配信者:UPLAN 代表 三輪祐児
(引用終わり)
 
 さて、その三輪さんも、さすがに疲れた、ということだと思いますが、11月13日のFacebookに以下のような投稿をされました。
 
(引用開始)
【年末の配信休止の予告】
みなさま
五年半にわたって続けてきた映像活動ですが、いったんお休みさせていただきます。12月中頃までは、す
でに約束済や予約済の映像のみの配信にいたしますが、休息後、来年初頭からは別の形で再開いたします

つかれました。最近は大切な約束を失念したり、移動中の自転車で事故をおこしかけたり、深酒による失態など、自分自身の体力、気力に自信を失っています。福島の皆さまにはとくにお詫びします。継続配信をいったん中断して、別の闘い方を模索します。決して見捨てることはいたしません。ただ、いま限界なのでしばらく休憩をとらせていただきたいと思います。お許しください。来年になったら新しい形でお目
にかかれると思います。
(引用終わり)
 
 この投稿に対する沢山のコメントを読めば、三輪さんの配信するUPLANの動画が、どれだけ多くの方に頼りにされていたかが分かります。
 再開UPLANの活動に期待することはもちろんですが、今はゆっくりと心身ともにリフレッシュするため、ゆっくり休養をおとりください、と申し上げたいと思います。
 
 ところで、私自身の「休養」は?
 うーん、どうしようか。
 
 さて、今のところ、UPLANがアップした最新の映像は、去る11月19日(土)に東京都千代田区永田町の星陵会館で開かれた「脱原発をめざす女たちの会」主催による「福島の現実に向き合い、原発再稼働を止めよう 11.19集会」です。
 前半は、石丸小四郎さん(双葉地方原発反対同盟代表)と千葉親子さん(3.11甲状腺ガン家族の会元代表世話人)による福島からの報告。後半は、YUKARIさん(シンガーソングライター・福島県いわき市から東京へ避難)による歌と石川賢治さん(福井原発訴訟<滋賀>弁護団事務局長)による講演です。いずれも傾聴すべき内容ですが、稼働中の原発を裁判で止める初の事例となった高浜原発運転差止・大津地裁仮処分決定について、事務局長の石川弁護士から分かりやすく説明してくれていますので、是非視聴していただければと思います。
 
 それでは、年明けからのUPLANの「新しいかたち」での再開を期待しつつ、上記動画をご紹介します。
 
20161119 UPLAN【前半】脱原発を目指す女たちの会(1時間04分)

冒頭~ 開会
3分~ 「過酷事故5年8か月後の今」石丸小四郎さん(双葉地方原発反対同盟代表)
36分~ 「多発する甲状腺ガンの現状」千葉親子さん(3.11甲状腺ガン家族の会元代表世話人
58分~ ビデオメッセージ 福島みずほさん(社民党参議院議員
 
20161119 UPLAN【後半】脱原発を目指す女たちの会(1時間11分)

冒頭~ 歌:YUKARIさん(シンガーソングライター・福島県いわき市から東京へ避難)
19分~ 講演:「大津地裁は高浜原発をどう止めたか」石川賢治さん(福井原発訴訟<滋賀>弁護団
務局長)
1時間08分~ 閉会 司会者より
 
 

(付録)
『My Life』 作詞・作曲・演奏:Yukari
  

11/26「第3回 全国市民意見交換会」(主催:市民連合&総がかり行動実行委員会)を視聴する

憲法 政治
 今晩(2016年11月28日)配信した「メルマガ金原No.2644」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
11/26「第3回 全国市民意見交換会」(主催:市民連合&総がかり行動実行委員会)を視聴する

 昨日も少し触れましたが(11/26自由党大阪府総支部連合会(大阪府連)総会開催~小沢一郎氏語る)、一昨日(11月26日)、東京都千代田区霞が関の全日通霞ヶ関ビルディングを会場として、午前10時開始、午後4時終了という長丁場の集会が開かれました。「市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)」と「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の共催により、「市民と野党の共闘の深化と衆院選に向けた戦略の構築を目指す目的で」開催された「第3回 全国市民意見交換会」であり、市民連合わかやまも参加することとし、事務局から1名を派遣しました。
 
 参加した若手弁護士がMLに配付資料をPDF化してアップしてくれたのですが、各地からの報告のための資料が豊富に含まれており、じっくり読み込めば、今後の私たちの活動にとっても非常に参考になるところが多いのではないかと思います。
 
 その資料の冒頭に当日のプログラム(次第)が載っていましたので、以下に転記します(ただし、スペースの都合で団体名称が略称とされている場合、極力正式名称で表記するようにしました)。
 
〔第1部〕(10:30~12:30)
1 開会の挨拶 / 高田健(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)
2 選挙戦の総括 / 山口二郎(立憲デモクラシーの会)
3 北海道からの報告 / 小林久公(戦争させない市民の風・北海道)
4 三重からの報告 / 森原康仁(市民連合みえ)
5 東京からの報告 / 森田彦一(TeNネットワーク2016)
6 新潟からの報告 / 横山由美子(新潟に新しいリーダーを誕生させる会)
7 地方議員との共闘の可能性 / 市来とも子(杉並区議会議員)
8 市民参加型選挙に関する提案 / 芝田万奈(学生/元SEALDs)
 
昼休憩(12:30~13:30)
 
〔第2部〕(13:30~15:10)
意見交換会
グループA 小会議室(7F):北海道/秋田/岩手/宮城/山形/福島/栃木/群馬/茨城/埼玉/千葉/新潟/長野
グループB 大会議室(8F):東京/神奈川
グループC 中会議室(8F):静岡/愛知/岐阜/富山/石川/三重/滋賀/京都/大阪/奈良/和歌山/兵庫/岡山/山口/徳島/香川/愛媛/福岡/長崎/佐賀/熊本/宮崎/鹿児島
 
小休憩(15:10~15:25)
 
〔第3部〕(15:25~16:00)
1 各グループからの報告
2 今後の方針についての共有 / 諏訪原健(大学院生/元SEALDs)
3 全体総括 / 中野晃一(安全保障関連法に反対する学者の会)
 
 以上はあくまで「予定」ですから、実際このとおりのタイムスケジュールで進行したのかは分かりませんが、幸い、第1部と第3部の模様を収録した動画が公開されていますので(昨日もご紹介しましたが)、視聴のための目安の時間も添えてご紹介します。
 今後の各地での取組の参考となる経験が様々に語られていますので、是非1人でも多くの方に視聴していただければと思います。
 
市民連合 第3回全国市民意見交換会 2016年11月26日(2時間35分)

〔第1部〕
冒頭~ 開会
1分~ 開会の挨拶 高田健さん(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)
7分~ 選挙戦の総括 山口二郎さん(立憲デモクラシーの会)
25分~ 北海道からの報告 小林久公さん(戦争させない市民の風・北海道)
37分~ 三重からの報告 森原康仁さん(市民連合みえ)
56分~ 東京からの報告 森田彦一さん(TeNネットワーク2016)
1時間06分~ 新潟からの報告 横山由美子さん(新潟に新しいリーダーを誕生させる会)
1時間22分~ 地方議員との共闘の可能性 市来とも子さん(杉並区議会議員)
1時間34分~ 市民参加型選挙に関する提案 芝田万奈さん(学生/元SEALDs)、塩田潤さん(SEALDs関西)
 
1時間57分~ 昼休憩
 
〔第3部〕
1時間58分~ 各グループからの報告
1時間58分~ グループBからの報告
2時間03分~ グループCからの報告
2時間09分~ グループAからの報告
2時間14分~ 今後の方針についての共有 諏訪原健さん(大学院生/元SEALDs)
2時間22分~ 全体総括 中野晃一さん(安全保障関連法に反対する学者の会)
2時間33分~ 閉会

11/26自由党大阪府総支部連合会(大阪府連)総会開催~小沢一郎氏語る

政治 社会
 今晩(2016年11月27日)配信した「メルマガ金原No.2643」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
11/26自由党大阪府総支部連合会(大阪府連)総会開催~小沢一郎氏語る

 昨日(11月26日)、先月、党名を「生活の党と山本太郎となかまたち」から「自由党」に変更した
同党の大阪府総支部連合会(大阪府連)総会が、共同代表の小沢一郎氏も出席して開催されました(於:大阪市社会福祉センター)。
 その模様が、IWJ大阪によって中継され、アーカイブが視聴できますのでご紹介します。
 
新生「自由党」大阪府総支部連合会大会 2016.11.26(1時間19分)
2分~ 開会
来賓挨拶
4分~ 平野博文氏(民進党衆議院議員
11分~ 辰巳孝太郎氏(日本共産党参議院議員
16分~ 服部良一氏(社会民主党、元衆議院議員
総支部長挨拶
24分~ 村上史好氏(大阪府第6区総支部長、大阪府連代表、前衆議院議員
28分~ 渡辺義彦氏(大阪府第7区総支部長、元衆議院議員
32分~ 真白リョウ氏(大阪府第12区総支部長、音楽家・作家)
議案提案・採択
40分~ 役員人事について
42分~ 活動方針について
党代表挨拶
44分~ 小沢一郎氏(自由党共同代表、衆議院議員
1時間14分~ 頑張ろう三唱
1時間16分~ 小沢一郎氏ぶらさがり会見
 
 ところで、自由党ホームページを閲覧すると、今月下旬から、各地で「総支部連合会総会」が開催されていることが分かります。
 
11月20日(日) 千葉県総支部連合会(千葉県連)総会
11月25日(土) 東京都総支部連合会(東京都連)総会
11月26日(日) 大阪府総支部連合会(大阪府連)総会
11月27日(日) 岩手県総支部連合会(岩手県連)総会
11月28日(月) 神奈川県総支部連合会(神奈川県連)総会
11月29日(火) 岡山県総支部連合会(岡山県連)総会
12月 2日(金) 沖縄県総支部連合会(沖縄県連)総会
 
 以上の都府県連総会には全て小沢一郎代表が出席(予定)して、以下のような挨拶をされているようです。
 
「小沢代表はあいさつの中で新綱領について述べ、党名の『自由』は今横行している競争原理に優先順位をおき、自由勝手にやらせる、一般国民にはそのうちおこぼれがくるという新自由主義とは異なり、社会保障を取り入れた民主主義、公平公正な開かれた考え方と説明。安倍政権とは根本的に考え方が違うと述べた。また、「政権をとってこれを実現するためにも選挙が重要」「野党協力で必ず勝てる。そのために最後まで尽力する」と早期解散を想定した次期総選挙に向け強い意欲を示した。」(千葉県総支部連合会総会にて
 
 以上の小沢代表の挨拶にあるとおり、全国各地で総支部連合会総会の開催を急ぐのも、衆議院の早期解散を想定してのことであるのは言うまでもありません。
 もちろん、民進党日本共産党も着々と準備は進めているでしょうが、社民党を含めた4野党間の共闘(と言いたくない人もいるようですから、「選挙協力」でも良いのですが)はどの程度進んでいるのでし
ょうか。東京では幹事長・書記長会談があったようですが、現場(各都道府県レベル)での調整がつくかどうかが問題です。
 昨日の自由党大阪府連の総会には、野党3党からの来賓挨拶がありましたが、大阪での4野党間の選挙協力(端的に言えば小選挙区の割り振り)の行方はとても気になります。何しろ、大阪では、自民、公明だけではなく、維新とも闘わねばならず、先般の参院選では立憲野党は1議席も取れなかったのですからね。
 
 ところで、今夏の参院選において、特に1人区における野党共闘を推進するために大きな力を発揮した市民連合と4野党の協議が、来るべき衆院選を見据えて、11月17日に再び開催されました。
しんぶん赤旗 2016年11月18日(金)
市民と4野党 意見交換/共通政策 力合わせ豊かに/総選挙に向け定期開催確認


 さらに、昨日(11月26日)、市民連合と総がかり行動実行委員会の呼びかけにより、東京都内で第
3回全国市民意見交換会が開催され、市民連合わかやまも参加しました。
しんぶん赤旗 2016年11月27日(日)
衆院選 市民・野党の共闘大きく/市民連合総がかり実行委全国意見交換会

動画(2時間35分)
 

 以上のような動きと連動してと言って良いかどうかはさておき、昨日の自由党大阪府連総会には、市民連合わかやまから何人かのメンバーが参加しました(私は行っていません)。自由党近畿ブロックのホームページによると、「党員・サポータの方はもちろん、生の小沢一郎の話を聞いてみたいという方にもオブザーバー席をご用意しております。」とありましたので、その「オブザーバー席」で小沢代表の演説に耳を傾けていたのでしょ
う。
 以下の私のブログでもご紹介しているとおり、今夏の参院選和歌山県選挙区において、ゆら登信候補推薦してくださった「生活の党と山本太郎となかまたち」の小沢一郎代表からは、節目節目に丁寧なメッセージをいただいていましたので、そのお礼を述べるという趣旨もあったのかもしれません。
 自由党衆議院和歌山1区~3区に独自候補を立てる可能性はないでしょうが、衆院早期解散を前提として、市民連合わかやまとしても、先日の「第3回 賛同団体・賛同者の集い」で承認された当面の活動方針「来るべき衆院選において、立憲野党に共闘を呼びかけ、その実現を目指す活動を行う。」を早急に具体化しなければならないということを、自由党大阪府連総会を視聴して再確認しました。
 

“DAYS JAPAN”丸井春編集長が語る「いのちのものさし」ほか~「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(031~034)

報道 情報
 今晩(2016年11月26日)配信した「メルマガ金原No.2642」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
DAYS JAPAN”丸井春編集長が語る「いのちのものさし」ほか~「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(031~034)

 「ラジオフォーラム」の事実上の後継番組として、今年の4月からスタートした「自由なラジオ LIGHT UP!」。そのアーカイブYouTubePODCASTで聴取することができますので、これまで4回にわたり、その全番組(30本)のアーカイブをご紹介してきました。
 ここまで来れば、「自由なラジオ LIGHT UP!」の全てのアーカイブを紹介するブログを目指すとの決意を前回披瀝しましたので、その公約に従い(?)、最新の4本(031~034)をご紹介します。
 
 いずれも興味深い内容ですが、私も定期購読者の1人となっているフォトジャーナリズム月刊誌「DAYS JAPAN」の2代目編集長・丸井春さんに注目です。
 「DAYS JAPAN」と言えば広河隆一広河隆一と言えば「DAYS JAPAN」という具合に、きってもきれない関係と思われてきたカリスマ編集者の後を継いだのが、写真家ではない若き女性編集者であったことに、定期購読者を含め、多くの人があっと驚いたことと思います。
 基本的にこれまでの広河さんの編集方針を踏襲しながら、徐々に新編集長としての色が出せればいいという堅実な方針のように思われ、多くの読者から信頼を得つつあるというところではないでしょうか。
 
 ところで、何ヶ月ぶりかで「DAYS JAPAN」のホームページを閲覧してみて驚きました。旧サイトは、今年の9月号を最後に基本的に更新が止まっていました。
 そして、全面的に刷新されたホームページは、相当に雰囲気が変わっていました。
 何より注目すべきは、比較的最近の記事がかなりの本数、テキスト中心(中には写真がメインの記事もあります)ではありますが、全文掲載されていることです。
 現在のところ、まだコンテンツなしのジャンルもありますが、「チェルノブイリ」「福島」「沖縄」「戦争」「女性・子ども」「自然」「災害」「営みの地球」「コラム」に分類されて掲載されています。
 また、今はトップページに「沖縄基地問題ピックアップ」というコーナーが設けられています。
 試みに、カテゴリー「福島」に掲載されている記事は以下のとおりです。
 
2016年11月号
「福島県の追跡調査が示す 母親たちの深く孤独な不安」(広河隆一)
2016年7月号
「[小児甲状腺がんを追う」①ヨウソ剤服用うやむやにした責任者は誰か?」(広河隆一)
2016年7月号
「福島の母354人本音アンケート 子供の健康・避難と保養」(広河隆一)
2016年5月号
「福島原発事故から5年 復活する「福島安全神話」」(広河隆一)
2016年4月号
「DAYSから福島民友新聞へ 「風評被害」とは何か」(広河隆一、DAYS JAPAN編集部)
2016年3月号
「原発事故が変えた景色 町をのみ込む汚染廃棄物」(写真:広河隆一)
2016年3月号
「中間所蔵施設になる私の故郷 さよならをするために。」(写真・インタビュー:広河隆一、まとめ:丸井春)
 
 たまたま「福島」は広河隆一さんの記事や写真ばかりでしたが、「沖縄」に関しては森住卓さんの記事や写真も掲載されています。
 このように、読み応えのある記事をホームページで公開することについては、定期購読者を増やして経営を安定させるという観点から見てどうなんだろう?という意見もあるでしょうが(正直私もそう思わないでもありませんが)、それよりも、1人でも多くの人に読んでもらいたいという公益性を優先したということでしょうか。
 いずれも是非お薦めしたい記事ばかりですが、上に紹介した「福島」の記事の中でも、特に3月号に掲載された「中間所蔵施設になる私の故郷 さよならをするために。」は、是非みんなに読んでいただきたいですね。
 
 そして、このような素晴らしい記事が満載の月刊誌「DAYS JAPAN」が、年間(12冊)予約購読すれば、何とわずか7,700円(1冊あたり641円)で配達されてくるのです。是非皆さん申し込んでください。絶対に後悔はしません。

 さて、それでは「自由なラジオ LIGHT UP!」のアーカイブ4回分(031~034)をご紹介します。

031 2016.11.1
DAYS JAPAN若き編集長が語る「いのちのものさし」
PERSONALITY おしどりマコ・ケン
GUEST 丸井春さん(報道写真誌DAYS JAPAN 編集長)


「今回のスタジオのお客様は、報道写真誌DAYS JAPANの編集長、丸井春さんです。フォトジャーナリスト広河隆一さんの後を継いで、30代前半の若さで編集長になった丸井さんに、広告に頼ることなく真実を報道する雑誌を創っていらっしゃる、その思いをじっくりと伺いました。
 当初は講談社から発刊されていたDAYS JAPAN。その創刊号(1988年)では、「四番目の恐怖」と題し、なんと福島第一原発の爆発を予言するかのような驚きの記事が、広瀬隆氏と広河隆一氏の手によって特集されています。
 そんなこだわりの写真ジャーナリズム誌が、さまざまな圧力から休刊に追い込まれ、そしてその後、広河隆一氏の執念と多く読者の支援に支えられ、独立誌として再起するまでのエピソードを、番組前半で伺いました。
 また後半では、広河隆一氏の引退に伴い、なんと公募で編集長の座を射止めた丸井春さんに、女性ならではのしなやかな視点で編集する新しいDAYS JAPANの魅力について伺いました。
 特に力を入れている動物福祉の問題を例に、「経済のものさし」でつくられる社会の仕組みの中で、人は大切なものの多くを失っていること、そして「いのちのものさし」で世の中を見ることで、豊かで、何よりも争いのない平和な社会が見えてくることを教えてくださいました。
 今の時代だからこそ大切な「本当のことを知る権利」を保障しながら、真実を写す「写真」のもつダイナミズムによって社会を変えようするDAYS JAPAN
 私たち自由なラジオも、ラジオというツールで同じところを目指す組織として、ぜひエールを送りたいと思います。」
 

「今回は、リスナーのあなたといつも以上に“真っすぐに向き合う”番組にしたいと思い、ちょっと変則的な構成、でもとってもあたたかなオンエアになりました!
 番組冒頭では、ずっと番組を聴いてくださっているリスナーのみなさんや、カンパをお寄せいただいている市民スポンサーのみなさんからのお便りをたっぷりとご紹介しています。本当に日々あたたかな思いをお届けくださり、ありがとうございます!そしてお志しをお分けくださっている皆さま、皆さまのお力があってこそこの番組が成り立っています!普段は時間がなくてなかなかゆっくりお伝えできていなかったのですが、でもどうしても心から感謝の気持ちを届けたく、今回のこのコーナーを収録しました。
 そして、今回はおふたりのゲストの方に、電話でお話を伺いました。お一人目は、作家の澤地久枝さんです。戦争へと転がり落ちつつあるような今の日本だからこそ、若い世代に戦争の記憶をきちんと語り伝えたい、そんな強い思いを抱いて活動をつづける澤地さん。ご著書『14歳<フォーティーン>満州開拓村からの帰還』は、まさにその思いを書き綴った作品で、これまで誰にも話したことがないことも、この本には託したといいます。そこに至ったお気持ち、執筆のご苦労などをご本人から伺いました。
 お二人目の電話ゲストは、落合恵子さんです。新潟県知事選を勝ち抜いた米山隆一氏。民主主義の中では、世の中は変わり得る可能性があると勇気を得た今回の結果。そのニュースに胸を震わせた同志の落合さんと木内さん。少し……ほんの少し希望が見える中を、あきらめないで力強く動いていかねばと誓い合いました。思えば、東京五輪に見るメディアの一色報道。その中で目くらませを食らっているかのように、見逃してはならない大切な現実が届きづらい。そんな今、私たちは目を見開き、耳を澄まして、しっかりと立っていなくては! そんなことを改めて感じるインタビューになりました。
 そして、澤地久枝さんも落合恵子さんも、またこの番組、市民のための自由なラジオ“Light Up!”に出演してもいいですよ、とおっしゃっていただけました!本当にありがとうございます!リスナーのみなさん、そして思いを同じくする仲間たちの輪が、少しずつ少しずつ広がっていっています。あなたもぜひ、市民のための自由なラジオ“Light Up!”にご参加をよろしくお願いします!」

033 2016.11.15
広告代理店からの巨額な広告費に支配されるメディアを疑え!
PERSONALITY おしどりマコ・ケン
GUEST 本間龍さん(元博報堂社員・著述家)


「今回のゲストは、元博報堂の社員で、現在は執筆活動でご活躍の本間龍さんです。「広告代理店」という言葉が期せずして一般的になった今年、ネット広告に絡む不正請求事件や過労自殺問題などの不祥事が続く「電通」を例に、広告代理店とはいったいどんな業態なのか、そしてそこに常態化している異常な体質とは具体的にはどのようなものなのかについて詳しく伺いました。(その中で、本間さん自身が犯した罪とその罪を服役して償ったお話しも後半で伺っています。)
 年商2兆円以上を稼ぎ出す巨大企業「電通」は、巨額な広告費を引き受け、国などの行政や大企業の思うままの広告を大量に投下します。市民は知らず知らずのうちにプロパカンダに洗脳され、例えば3.11以前は、ほとんど誰もが原発は「安くて安全でクリーンなエネルギー」と思いこみ、問題意識を持ちえなかったように、本当に大切な真実が見えづらい状況におかれてしまっていました。
 広告だけではなく、報道もそうです。メディアは広告収入で成り立つ故に、企業や広告代理店にとって不都合な事実は、積極報道したりはしないでしょう。そのために、市民の知る権利が大きく侵害されるケースが発生します。
 では、私たちはそんな社会の中で、どのような姿勢でいたらよいのでしょうか?大手メディアが報道することを鵜呑みにしないこと、しっかりと自分の目と耳で確かめてから理解すること。それしかありません。そしてそういった確かな意思をもつ市民が育つことが、世の中を変えていく力になることを願って止みません。資本主義の中のメディアと市民の在り方を問う、そんな放送回となりました。
■LIGHT−UPジャーナル「原発とプロパガンダ~巧妙に仕組まれた日本のメディア報道と広告~」
今回のLight Up!ジャーナルは、本間龍さんともに、原発とプロパガンダについてお伝えします。私たちはなぜフクシマまで、原発を疑わなかったのか? 巧妙に仕組まれた日本のメディア報道と広告について考えます。
本間龍・著「原発プロパガンダ」(岩波新書)



「2013年『永続敗戦論――戦後日本の核心』という本がベストセラーになりました。1945年以来、我々はずっと「敗戦」状態にある。「永続敗戦」とは戦後日本のレジーム(政治体制)の核心的本質であり、「敗戦の否認」を意味する。そのように解くこの本は、多くの読者から支持され、現代日本を考える上での重要な指摘であると高い評価を受けました。今回は、著者である白井聡さんをゲストに迎え、「侮辱のなかに生きる」我々日本国民への提言をお聞きします。
『永続敗戦論 戦後日本の核心』(講談社+α文庫)□白井 聡

※注 今月(2016年11月)文庫化されました。
■緊急報告「豊中市私立小学校建設を巡る疑惑とは?」
 大阪豊中市で今、「瑞穂の国記念小学院」という私立小学校の建設工事を巡り、ある疑惑が浮上しています。空港移転跡地だった国有地を当該学校法人に売却したにも関わらず、公開されるべき売却金額は非公開。さらに、名誉校長は安倍昭恵氏(安倍晋三首相夫人)、法人理事長には右翼団体の大阪支部長。それ故か、この学校法人が運営する幼稚園では、子どもたちに教育勅語を暗唱させ、軍歌を歌わせている。果たしてその裏には何があるのか?豊中市会議員でこの問題を追及する木村真さんをゲストに迎え内情をお聞きします。」
 
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2013年11月4日
「DAYS JAPAN」新編集長募集11/1締切 素晴らしい後継者が選ばれることを祈ります

2014年3月19日
広河隆一さんの大きな懸念と『自発的隷従論』
2016年8月16日
「市民のための 自由なラジオ LIGHT UP!」のご紹介~もう19回分もアーカイブがたまっていた

2016年9月5日
古賀茂明さん、泥憲和さん、望月衣塑子さん~「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(020~022)
2016年10月1日
チェルノブイリ事故から30年目のベラルーシを訪ねた菅谷昭松本市長ほか~「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(023~026)
2016年10月25日
伊藤宏さん(和歌山信愛女子短期大学教授)が西谷文和さんと語る「現場記者が見てきた『原子力ムラ』」ほか~「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(027~030)