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講演会「風力発電の低周波音問題について」(5/25@ビッグ愛/風力発電の被害を考える会・わかやま)のご案内

 2019年5月20日配信(予定)のメルマガ金原No.3419を転載します。
 
講演会「風力発電低周波音問題について」(5/25@ビッグ愛/風力発電の被害を考える会・わかやま)のご案内
 
 「風力発電の被害を考える会・わかやま」世話人代表の松浦攸吉さんから、今週末(5月25日)に迫った同会主催の講演会広報への協力依頼のメールが届きましたので、ご紹介することとします。
 実は、5月3日の“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2019”の会場で、松浦さんからチラシを受け取りながら、忘れるともなく忘れてしまっていたものです。以前のように「ブログ毎日更新」を続けていれば、いつも「何か取り上げるべき材料はないだろうか?」と考えていましたので、早速紹介していたはずなのですが、いかんせん、「毎日更新」を止めてしまったため(5月になってからまだ3本しか書いていない)、こういう事態となってしまったのでした。
 
 さて、松浦さんから、この講演会にいての参加要請書の文書ファイルも送られてきましたので、それをまずお読みいただくことにしましょう。
 
(引用開始)
                              講演会開催のお知らせ
 
 平素は私たちの活動にご理解ご協力をいただき誠にありがとうございます。
 皆様もご承知のとおり生石山高原周辺に巨大風力発電建設計画が発表されて1年半が経過しました。その間、環境影響評価の配慮書、方法書等について事業者から当該地域に対しての住民説明会が開催されました。
 今年3月26日にはパシフィコ・エナジー株式会社からパシフィコ・エナジー和歌山西部洋上風力発電事業に係る計画段階環境配慮書が提出され、5000KW~12000KW級の風力を御坊市日高町美浜町海上に150基建設したいとの案が出されています。
 地域住民が風力発電建設で心配しているのは、環境破壊や景観問題もさることながら、最も心配しているのは風車周辺住民の健康被害問題です。
 しかし、環境省が2017年度に作成した「風力発電施設から発生する騒音等への対応について」の中身では、「風力発電施設から発生する超低周波音・低周波音と健康影響については、明らかな関連を示す知見は確認できなかった」ということになっており、風力発電施設から発生する低周波音20HZ以下については配慮する必要がないとなっています。
 低周波音被害と騒音被害の症状は全く異なっており、対策も異なります。
 和歌山県では風力発電施設近辺の方たちが被害を受け、低周波音被害特有の症状を訴えておられます。低周波音域20HZ以下を配慮しなくてよいということは風力発電の周辺で低周波音被害に苦しんでおられる方たちには配慮しなくてもよいということになります。
 事業者の説明会でも低周波音被害が無いかのごとく説明が進められてきています。
 住民が間違った判断をしないためには、本当のことを知る以外にないと考えています。
 このたび、医学的な立場からと工学的な立場から低周波音問題を考察していきたいと別紙の日程で講演会を企画しました。
 一人でも多くの方に講演会にご参加いただけるよう、お知り合いの方にお声かけを
よろしくお願いいたします。
                  風力発電の被害をを考える会・わかやま
                          世話人代表 松浦攸吉
                          電話 073-451-5960
(引用終わり)
 
 それでは、その講演会の内容については、チラシ記載情報を転記してご紹介しましょう。
 
(チラシ記載情報から引用開始)
講演会「風力発電低周波音問題について」
 
2019年5月25日(土)13時~16時
会場 県民交流プラザ・和歌山ビッグ愛9階会議室C
     和歌山市手平2丁目1-2(☎073-435-5200)
 
講師 翁長 博(おなが ひろし)氏
     工学博士
     元近畿大学建築学建築学科教授
     住環境の低周波音問題研究会 代表
 
講師 汐見幹夫(しおみ みきお)氏
     医学博士
     近畿大学医学部関西国際空港クリニック教授・所長
 
主催:風力発電の被害を考える会・わかやま
連絡・問い合わせ先:☎073-451-5960(松浦)
(引用終わり)
 
 私にしても、これ以上の情報の持ち合わせはないのですが、さらに関連情報を集めたいという方のために、リニューアルされた「風力発電の被害を考える会・わかやま」ホームページをご紹介しておきます。

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『日本国憲法』(長谷部恭男解説/岩波文庫)を読む~入院読書日記(3)

 2019年5月18日配信(予定)のメルマガ金原No.3418を転載します。
 
日本国憲法』(長谷部恭男解説/岩波文庫)を読む~入院読書日記(3)
 
 お待たせしました。待っていた人がいたかどうかはともかく、こう言わないと恰好がつかないので。
 3月23日に配信したブログ「『いま 日本国憲法は 原点からの検証(第6版)』(小林武・石埼学編)を読む~入院読書日記(1)」で予告した続編2編のうち、「『「表現の自由」の明日へ 一人ひとりのために、共存社会のために』(志田陽子著)については連休中の4月30日に配信し、5月半ば過ぎに何とか最後の『日本国憲法』(長谷部恭男解説/岩波文庫)にたどり着きました。
 
 簡単におさらいすると、私は、今年の1月から3月にかけて、左肺の自然気胸のため、
  2019年1月26日~1月30日
  2019年2月15日~2月19日(再発)
  2019年2月28日~3月5日(手術)
と3回の入院を繰り返したのですが、その2回目の入院時に読んだ『いま 日本国憲法は 原点からの検証(第6版)』(小林武・石埼学編)と、3回目の入院に際して読んだ『「表現の自由」の明日へ 一人ひとりのために、共存社会のために』(志田陽子著)及び『日本国憲法』(長谷部恭男解説/岩波文庫)の3冊について、「入院読書日記(1)~(3)」としてブログに読後感を発表しようと計画したものです。
 
 もともと、1月の入院直前まで、丸6年と2日間(2,193日間)ブログ毎日更新を続けていましたので、その当時であれば、3本のブログを書くのに足かけ3か月を要することなどあり得なかったのですが、翻って考えてみると、入院していなければこれらの本を読み通す機会も、無かったとは言いませんが、ずっと時間がかかった可能性は十分にあり、良いとも悪とも、何とも言えません。
 
 さて、前置きはこれくらいにして、「入院読書日記」の最終編をお送りします。これまでの2編と同様、敬体ではなく常体で書くことにします。
 

入院読書日記(3)
 
長谷部恭男 解説
2019年1月16日 第1刷発行
定価 680円+税
 
 過去、「入院読書日記」として取り上げてきた2冊の内、『いま 日本国憲法は 原点からの検証(第6版)』(小林武・石埼学編)は、11人の研究者・実務家が共同執筆した憲法教科書であり、『「表現の自由」の明日へ 一人ひとりのために、共存社会のために』(志田陽子著)は、1人の憲法研究者による「表現の自由」という単一テーマについての入門的解説書であったが、シリーズ最終作として取り上げる『日本国憲法』(長谷部恭男解説/岩波文庫)は、これら2冊とは大いに趣を異にする本である。
 どのような本であるかを知っていただくため、以下に目次を引用しよう。
 
目次(3~5頁)
日本国憲法(7~64頁)
大日本帝国憲法(65~80頁)
パリ不戦条約(戦争抛棄ニ関スル条約)(81~85頁)
ポツダム宣言(87~91頁)
降伏文書(93~97頁)
日本国との平和条約(99~131頁)
解説(長谷部恭男)(149~201頁)
索引(逆29~逆36頁)
英文 日本国憲法(逆1~逆28頁)
 
 以上の目次をご覧いただければ分かるとおり、本書は、日本国憲法の条文自体を読むための本であり、その理解に資するための関連資料と専門家(長谷部恭男早稲田大学教授)による解説を組み合わせるというオーソドックスな構成となっている。
 
 もっとも、うっかり「オーソドックス」と書いてしまったが、これは、必ずしも類書においても同じような構成がとられているということを意味しない。
 
 日本国憲法の条文を読むための本といえば、1982年に「写楽」編集部編による、条文と写真が交互に配列された『日本国憲法』(小学館)が話題を集め、この本は刊行から30数年が経った今も新版を出したりしてなお現役版であるが、付録として「大日本帝国憲法」と「英訳 日本国憲法」を収録するものの、英訳は字が小さ過ぎてとても読む気にならず、憲法についての解説は一切ない(29枚の写真説明はしっかり付いているが)。
 
 そこで、他の文庫から刊行されている類書2冊と比較してみることとした。
 なお、文春文庫から出ている『一日一条 読むための日本国憲法』東京新聞政治部/2014年4月)については、「「一日一条」読むだけでも、三か月で完全読破、完全理解。」「すべての条文を現役の政治部記者が豊富なエピソードを交えて、丁寧に解説。」(文藝春秋ホームページより)とあるとおり、著者(東京新聞政治部)による解説記事をメインとした編集となっており、ここでは取り上げない。
 
 
『新装版 日本国憲法』 学術文庫編集部 編
2013年8月29日 第1刷発行
定価 400円+税
 
 1985年3月に刊行された旧版は未見のため、どこが新しくなったのかは不明であるが、新装版の構成は以下のとおりである。
 
日本国憲法(5~58頁)
大日本帝国憲法(旧憲法)(61~77頁)
教育基本法(昭和22年制定の旧法)(78~82頁)
児童憲章(83~85頁)
英訳日本国憲法(118~87頁)
 
 講談社学術文庫版の特色をいくつか挙げてみよう。
 
〇付録として、児童憲章と併せ、「改正」前の教育基本法をそのまま掲載している(もしかしたら、旧版から入れ替える手間を惜しんだだけかもしれないが)。
〇解説が全く付いていない。だから定価を低く抑えられたのだろうが(私が購入した新装版第1刷は300円+税だった)。
大日本帝国憲法の「告文(こうもん)」は総ルビが振られているが、憲法発布勅語と本文に全くルビが振られていないのは物足りない。
 
 そして、もう1冊は角川ソフィア文庫版。
 
 
『ビギナーズ 日本国憲法』 角川学芸出版 編
株式会社KADOKAWA(角川ソフィア文庫
2013年12月25日 初版発行
定価 440円+税
 
 こちらの構成は一層シンプルなものである。
 
日本国憲法(7~80頁)※脚注・補注付き
大日本帝国憲法(81~103頁)
皇室典範(105~118頁) 
 
 いくつか特色を列記しよう。
 
〇旧憲法だけではなく、日本国憲法皇室典範についても、全ての漢字にルビが振られていて便利である。特に、大日本帝国憲法の総ルビ版は貴重。
〇「文庫版で唯一、「皇室典範」を収録」と初版の帯にうたっていた。ただし、特例法が制定されて生前譲位が実現した今となっては、改訂を要するところであるが。
日本国憲法については、脚注及び補注が付されている(凡例に「大西洋一氏(弁護士)の協力をあおいだ。」とある)。
 
 それでは、以上の講談社学術文庫版と角川ソフィア文庫版と比較して、今年1月に岩波文庫から刊行された『日本国憲法』の特色はどのような点にあるかを考えてみよう。
 
 まず第一に、長谷部恭男氏(早稲田大学教授)による53頁に及ぶ詳細な解説が付されていることが、類書との大きな違いである。
 長谷部教授による解説の構成は以下のようになっている。
 
1 大日本帝国憲法の成立と運用
(1)大日本帝国憲法の成立
(2)君主制原理と憲法の運用
2 日本国憲法の成立
(1)憲法成立の経緯
(2)「押しつけ憲法」論
(3)憲法成立の法理-八月革命説
3 天皇
(1)日本国の象徴
(2)国事行為・私的行為・公的行為
(3)皇位の継承
4 九条と平和主義
(1)不戦条約とグロティウス的戦争観
(2)個別的自衛権の行使
5 国民の権利及び義務
(1)近代立憲主義と基本権保障
(2)天皇および皇族と基本権
(3)外国人と基本権
(4)基本権の限界と制約
6 国会と内閣
(1)議院内閣制
(2)投票価値の較差と参議院選挙区の合区
(3)衆議院の解散
(4)緊急事態
7 裁判所
(1)法の権威と基本権の役割
(2)裁判官の良心と裁判員制度
(3)違憲判断の過少?
8 制度の保障
9 憲法の改正
参考文献 
  
 以上は、文庫の解説としては詳細であっても、これをもって日本国憲法全体の概説というには躊躇せざるを得ない。
 とはいえ、「入院読書日記(1)」で取り上げた『いま 日本国憲法は 原点からの検証(第6版)』(小林武・石埼学編)の「第1部 日本国憲法をデッサンする」(小林武氏執筆)について、「わずか100頁の中に、憲法全体のエッセンスを一貫した基準点に立ちながら叙述するという、一種の「力業」が見事に達成されている」と述べた評言は、長谷部教授の「解説」にもほぼそのまま当てはまると考えている。まさに、大家にして初めて書き得る文章だろう。
 
 もっとも、長谷部教授の文章に「力業」という言葉は似つかわしくないようにも思うが、今のところ適当な表現を思いつかない。
 例えば、「押しつけ憲法」論について論じた部分において、長谷部教授は、帝国議会でも活発な議論が行われ、先に紹介したものをはじめ、数多くの修正が加えられている。」という誰もが指摘する説明の後に、さりげなく以下のような文章を付け加えている(161頁)。
 
「少なくとも、ソ連の影響下にあった旧東欧諸国の憲法ほどの典型的な押しつけ憲法ではなかったと考えるべきであろう。」
 
 ここで思わず口許を緩めるかどうかは人それぞれだろうが、この部分に引き続き、長谷部教授は、「そもそも「押しつけ憲法 inposed constitution」という概念は、憲法制定権力が国民にあることを前提として、国民の自立的な意思決定なく成立した憲法を否定的に性格づけるべく用いられる概念である。こうした意味では、大日本帝国憲法をはじめとする君主制原理に基づく憲法も、すべて押しつけ憲法である。」と指摘する。同教授の意図が奈辺にあるかはともかくとして、これを読んだ者の多くは(少なくとも私は)、声高に「押しつけ憲法」論を唱える論者の多くが大日本帝国憲法に強い郷愁を感じているという事実に思い至ることになる。
 
 実は、長谷部教授による53頁に及ぶ解説中には、以上に引用したような箇所がまだまだ発見できる。私が「力業」という表現がふさわしくないのでは、と思う理由がお分かりいただけただろうか。
 
 そして、本書の、類書と比較した上での大きな特色の第2点は、豊富な付属文書とその選択の基準である。
 大日本帝国憲法と英文日本国憲法は、類書の多くも収録しているが、
 
パリ不戦条約(戦争抛棄ニ関スル条約)
降伏文書
日本国との平和条約
 
については、編者(実質的な編者は長谷部教授であろう)の明確な意図が込められている。この点について、長谷部教授は以下のように説明されている(149頁)。
 
「本書は日本国憲法および関係する基本的な文書を収める。基本的な文書としては、大日本帝国憲法から日本国憲法への変化および戦後の憲法体制の骨格の理解を助けるものを選んだ。」
 
 実は私自身、数年前に、戦後の憲法体制を考えるためには、少なくともポツダム宣言以降の重要文書の内容を理解することが必須であることに思い至り、以下のようなブログを書いたことがあった。
 
2014年1月1日
 
2014年8月30日
 
 岩波文庫版『日本国憲法』の基本的文書の選択方針について、私が全面的に賛意を表するのは以上のような経緯による。
 
 単に条文を読む、というだけであれば、インターネットでいくらでも検索して読むことができる。
 試みに、以上に取り上げた3種類の文庫に収録された法令等をネットで読むためのリンクを貼ってみよう。
 
[3文庫共通]
 
 
 
 
 
 以上のように、パソコンやタブレットを使えば、容易に原文あるいは信頼できる訳文を探し出すことができるとはいえ、誰もがそのようにして憲法を理解するための基本的文書を読んでみよう、ということにはならないだろう。
 関連文書どころか、憲法自体、どれだけの国民が全文を読んだことがあるのか、読んでもいないものを「改正すべき」とか「改正すべきでない」などと議論することの危うさ(そういう世論調査がずっと行われてきたのだが)に対する懸念こそ、これまで多くの類書が出版されてきた理由だと思われる。
 今回、満を持して岩波文庫が世に出した『日本国憲法』は、長谷部恭男教授という第一人者による詳細な解説、戦後の憲法体制を理解する上で不可欠な重要文書の多くを収録しており、社会人、学生など、広汎な国民各層の人々が1冊ずつ入手し、折に触れて読んでいただきたいと念願するものである。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/憲法条文掲載書籍関連)
2013年9月24日
2016年7月5日
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/長谷部恭男さん関連)
2014年5月16日
2015年6月7日
2015年6月11日
2015年6月16日
2016年2月6日
2016年9月2日
2018年2月18日

長峯信彦愛知大学教授(憲法学)講演会のご案内(2019年6月2日@和歌山市河北コミセン/守ろう9条 紀の川 市民の会)

 2019年5月16日配信(予定)のメルマガ金原No.3417を転載します。
 
長峯信彦愛知大学教授(憲法学)講演会のご案内(2019年6月2日@和歌山市河北コミセン/守ろう9条 紀の川 市民の会)
 
 私も運営委員を務める地域9条の会「守ろう9条 紀の川 市民の会」は、2005年1月に結成総会を開いて以来、概ね毎年春に総会を、秋に憲法フェスタを開催してきました。
 県内の他の地域9条の会と比較して、当会の大きな特色と思われるのは、上記総会と憲法フェスタでの記念講演に多くの憲法学者の皆さんをお招きしてきたことでしょう。憲法研究者以外にも、経済学者や原子力工学の研究者、故・月山桂弁護士(和歌山)、梅田章二弁護士(大阪)、羽柴修弁護士(兵庫)などにも来ていただいていますが、憲法学者に限定しても以下のような豪華ラインナップです。
 
吉田栄司関西大学教授(2012年憲法フェスタ)
森英樹名古屋大学名誉教授(2014年総会)
清水雅彦日本体育大学教授(2014年憲法フェスタ)
高作正博関西大学教授(2015年憲法フェスタ)
石埼 学龍谷大学教授(2016年総会)
植松健一立命館大学教授(2017年総会)
本 秀紀名古屋大学大学院教授(2017年憲法フェスタ)
三宅裕一郎三重短期大学教授(2018年総会) ※現・日本福祉大学教授
飯島滋明名古屋学院大学教授(2018年憲法フェスタ)
 
 なお、過去の記念講演の内容については、「九条の会・わかやま」にその要旨が掲載される例となっていますので、レジュメなどをご紹介した私のブログで併せ、過去の9人の先生方の講演内容をご紹介した「九条の会・わかやま」と私のブログへのリンクを巻末に掲載しておきますのでご参照ください。
 
 さて、今年は例年よりも開催時期が少し遅くなりましたが、第15回総会が来る6月2日(日)午後2時から、いつものように和歌山市河北コミュニティセンター2階多目的ホールで開催されます。
 今年の記念講演は、愛知大学教授の長峯信彦先生をお招きしました。当会がお招きする10人目の憲法学者であり、その内東海地方から来ていただくのはこれで5人目となります。
 入場無料、会員でなくてもどなたでもご参加いただけます。
 1人でも多くの方にご来場いただきたく、よろしくお願いします。
 
 以下に、チラシ記載情報を転記します。
 
(チラシ文字情報から引用開始)
<表面>
9条を守ろう 私たちの手で!!
守ろう9条 紀の川 市民の会 第15回総会
9条をまんなかに ~えがこう平和への道~
 
開催日:2019年6月2日(日)
会 場:河北コミュニティセンター
     (和歌山市市小路192-3 <アクセスは裏面>)
会員でなくても、どなたでもご参加いただけます!
 
【開始】14:00 【終了】16:40頃
 
第1部 講演「安倍改憲のトリックを斬る~憲法制定過程の真実と平和憲法を守る歴史的責任~」
     講師 長峯信彦氏(愛知大学教授・憲法学)
 
 安倍首相は2月の自民党大会で、「いよいよ立党以来の悲願である憲法改正に取り組む時が来た」と述べ、改憲への執念をあらわにしました。そして、自衛官募集に自治体の協力が得られないから、「憲法9条自衛隊の明記が必要だ。災害派遣を受けるなら募集活動に協力しろ」と、国民の自衛隊に対する気持につけ込み、世の中の「空気」を変え、自衛隊の明記によって徴兵制にまでつながりそうな極めて危ういことを述べています。
 安倍首相は、9条改憲への執念を捨てるどころか、ますます煮えたぎらせています。参議院選挙で何としても自民・公明・維新などの改憲勢力に打ち勝ち、安倍改憲を断念させるためには、私たちはどのようにすればよいのか、長峯先生とともにみんなで考えたいと思います。多数のみなさまのご参加をお願いいたします。
 
第2部 総会議事
 
主催:守ろう9条 紀の川 市民の会 
お問合せ先:073-462-0539 原
 
<裏面>
講師のご紹介
☆長峯信彦(ながみね・のぶひこ)さん
 1965年11月名古屋生まれ。早稲田大学法学部・同大学院法学研究科を経て、1994年早稲田大学法学部助手。1998年愛知大学法学部助(准)教授、2009年同大学教授(現職)。専門は憲法学。特に、アメリ憲法における「国旗焼き棄て」「国旗敬礼拒否」などをめぐる思想良心・表現の自由の問題や、日本のマスメディアの問題など。近年は、「憲法9条」改悪反対や(いわゆる)“慰安婦”問題などに関する講演多数。名古屋を中心とする「安倍内閣の暴走を止めよう!共同行動実行委員会」共同代表。
 著書は、樋口陽一他編『憲法の尊厳-奥平憲法学の継承と発展』(2017年)、大須賀明編『社会国家の憲法理論』(1995年)、『憲法未来予想図』(2014年)など多数。
 趣味はヴァイオリン演奏。早稲田大学在学中は早大オーケストラに在籍し、カーネギーホールなどの欧米各地で演奏されたとのことです。
 
日本国憲法を口語訳してみたら』
 「日本人として一度は日本国憲法を読んでおくべきだと思うけど、意味わかんなそうだし!」というあなたに朗報。「上から目線」の憲法を思わず笑い転げそうになる口語訳にしてみました。知らないと国民として損することもあるから要注意。エラい法学部教授もチェックしてるから(長峯信彦さん監修)、内容もお墨付き! 《幻冬社HPより》
<河北コミュニティセンターへのアクセス>
 所在:和歌山市市小路192-3 TEL:073-480-3610 (駐車場あり)
南海本線 紀ノ川駅下車徒歩3分(改札を出て左折し120m、左折し踏切を越え180m、右側)
和歌山バス 六十谷線(川永団地⇔南海和歌山市駅)梶取東バス停下車すぐ
 
<お知らせ>
①6月2日当日、託児のご希望がある場合は5月22日(水)までにご相談ください。
 相談先:090-3709-7136(馬場)
②補聴器を使用されている方がよりクリアにお聞きいだけるように、会場に『磁気ループ』を設置します。使用できるのは「Tモード」「MTモード」がある補聴器です。
 
                      「第15回総会」へのご参加のお願い
                                     「守ろう9条 紀の川 市民の会」代表  原 通範
 私たちの「守ろう9条 紀の川 市民の会」は、9条を中心に日本国憲法を「改正」しようという動きが強まった2005年1月に発足しました。以来14年が経過しました。この間、私たちは憲法「改正」をまだ許しておりませんが、特に、第1次安倍内閣の発足以降、改憲の動きはますます強まり、第2次安倍内閣になって以降、集団的自衛権行使容認、安全保障法制(戦争法)の制定など、憲法9条をないがしろにし、海外でも戦争ができる体制になっています。そして、安倍首相は本命の憲法9条改憲に向けて「いよいよ立党以来の悲願である憲法改正に取り組むときが来た」と述べ、改憲への執念をあらわにしています。安倍9条改憲を絶対に許さず、安倍退陣に追い込むためには、私たちはどのようにすればよいのか、愛知大学教授・長峯信彦さんのお話をお聞きしながらご一緒に考えたいと思います。多数のみなさまのご参加をお待ちいたしております。
(引用終わり)
 

(付記・9人の憲法研究者の講演録を読む)
 過去「守ろう9条 紀の川 市民の会」の総会もしくは憲法フェスタで講演された憲法研究者は9人に及びます。
 各講演については、同会及び「九条の会・わかやま」の事務局を兼ねる南本勲(みなもと・いさお)さんが、会紙「九条の会・わかやま」に講演要旨を通常3回に分けて掲載する例となっています。
 私のブログと併せ、過去何度かご紹介していますが、10人目の憲法研究者・長峯信彦教授をお招きする講演会をご紹介する機会に、過去の9人の憲法研究者の皆さんの講演要旨をまとめてご紹介しておきます。
 
【9人の憲法研究者の講演録を読む~「守ろう9条 紀の川 市民の会」で語られたこと(吉田栄司氏、森英樹氏、清水雅彦氏、高作正博氏、石埼学氏、植松健一氏、本秀紀氏、三宅裕一郎氏、飯島滋明氏)】
 
2018年11月11日(日) 第15回 憲法フェスタ
飯島滋明氏(名古屋学院大学教授)
自民党改憲案にどう向かい合うか~私たちの具体的な対抗策は~
金原ブログ 
「飯島滋明さんの講演「自民党改憲案にどう向かい合うか~私たちの具体的な対抗策は~」レジュメ紹介~第15回 守ろう9条紀の川市民の会 憲法フェスタにて」
 
 
2018年3月24日(土) 第14回 総会
三宅裕一郎氏(三重短期大学教授 ※現・日本福祉大学教授)
憲法9条が果たしてきた役割~「自衛隊」の明記によって何が変わるのか?~
 
2017年11月3日(金・祝) 第14回 憲法フェスタ
本 秀紀氏(名古屋大学大学院教授)
安倍政権の9条破壊を許さない~海外で戦争する『自衛隊』は認められない~
 
2017年4月1日(土) 第13回 総会
植松健一氏(立命館大学教授)
安倍首相はなぜ憲法(constitution)を変えたいのか
講演録① 会紙「九条の会・わかやま」321号
講演録② 会紙「九条の会・わかやま」322号
講演録③ 会紙「九条の会・わかやま」323号
金原ブログ 「植松健一氏(立命館大学教授)「安倍首相はなぜ憲法(constitution)を変えたいのか」講演レジュメを読む(守ろう9条 紀の川 市民の会 第13回総会)」

2016年4月2日(土) 第12回 総会
石埼 学氏(龍谷大学法科大学院教授)
戦争法は廃止、憲法9条が輝く日本を取り戻そう~今、私たちにできること~
講演録① 会紙「九条の会・わかやま」296号
講演録② 会紙「九条の会・わかやま」297号
講演録③ 会紙「九条の会・わかやま」298号
金原ブログ① 「石埼学龍谷大学法科大学院教授の講演をレジュメから振り返る~4/2「守ろう9条 紀の川 市民の会」第12回総会から」
金原ブログ② 「石埼学龍谷大学法科大学院教授の【設問】に答える~「安保法制」講師養成講座2」

2015年11月3日(火・祝) 第12回 憲法フェスタ
高作正博氏(関西大学教授)
「戦争法制」で日本はどんな国になるのか~私たちはどう対抗すべきか~
講演録① 会紙「九条の会・わかやま」285号
講演録② 会紙「九条の会・わかやま」286号
講演録③ 会紙「九条の会・わかやま」287号
講演録④ 会紙「九条の会・わかやま」288号
金原ブログ 「「第12回 憲法フェスタ」(11/3 守ろう9条 紀の川 市民の会)レポートと11月中の和歌山での取組予定のお知らせ」

2014年11月8日(土) 第11回 憲法フェスタ
清水雅彦氏(日本体育大学教授)
ちょっと待った!集団的自衛権~日本を戦争する国にさせない~
講演録① 会紙「九条の会・わかやま」260号
講演録② 会紙「九条の会・わかやま」261号
講演録③ 会紙「九条の会・わかやま」262号
金原ブログ 「『脱走兵』が日本の現実とならないように~11/8守ろう9条紀の川市民の会「第11回 憲法フェスタ」」

2014年3月30日(日) 第10回 総会
森英樹氏(名古屋大学名誉教授)
「国家安全保障基本法」は戦争体制を作りあげるもの
講演録① 会紙「九条の会・わかやま」243号
講演録② 会紙「九条の会・わかやま」244号
講演録③ 会紙「九条の会・わかやま」245号
金原ブログ 「森英樹氏講演会を開催しました(守ろう9条 紀の川 市民の会・第10回総会)」
 
 

2012年11月3日(土・祝) 第9回 憲法フェスタ
吉田栄司氏(関西大学教授)
改憲派憲法を変えて日本をどんな国にしようとしているのか
講演録① 会紙「九条の会・わかやま」205号
講演録② 会紙「九条の会・わかやま」206号

写真レポートで振り返る“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2019”

 2019年5月4日配信(予定)のメルマガ金原No.3416を転載します。
 
写真レポートで振り返る“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2019”
 
 2014年の憲法記念日から、和歌山城西の丸広場を会場として開催されてきた(主催:実行委員会)“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”、10連休にもめげず、今年も無事開催にこぎつけました。
 例年、実行委員会の中での私の役回りは、何となく広報担当兼公式記録員ということになっており、毎年、Facebookやブログに写真レポートを書いてきました。
 ところが、今年は1月下旬から3月上旬にかけて、左自然気胸のために3度も入院した末に手術を受ける事態となり、はたして5月3日までに体調が回復するものやら、自分でもいささか不安ということもあって、それまで皆勤を続けてきた「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」も、3月(第57回)と4月(第58回)は自重して参加を取りやめるなどして体力の回復に努めてきました。
 とはいえ、さすがに肉体労働はきついので、準備のための力仕事は勘弁してもらうこととし、当日は専ら記録係として写真の撮影に励み、当日から翌日にかけて、2日がかりでFacebookに14本の記事を投稿しました。そして、これらを記録として保存するため、例年通り、ブログに「まとめ記事」としてアップすることにしました。
 ただし、写真については、オリジナルのFacebookでは数枚(中にはもっと多いものもある)のアルバムとしてアップしていますが、ブログでは(原則として)1枚ずつの掲載としましたので、残りはリンク先のFacebookでご覧になってください(公開設定にしてありますので、各レポートのタイトル部分をクリックすればFacebookのリンク先が見られます)。
 
 なお、今年も、小谷英治さんが、イベントの模様を撮影した動画を3本に分割してYouTubeにアップしておられますので、以下に視聴の目安時間を記載してご紹介します。
 なお、事前に出演者の皆さまに動画サイトへのアップの可否について確認した結果に基づき、粉河高校軽音学部とおおたか静流さんの動画はありません。
 
Happy Birthday 憲法 in Wakayama 2019 1(22分)
 
 冒頭~ 開会・藤井幹雄実行委員会代表挨拶
 3分~ 和歌山朝鮮初中級学校・中級部
 
Happy Birthday 憲法 in Wakayama 2019 2(48分)
 
 冒頭~ Halau Uilani(ハワイアンフラ)
 30分~ 紀道(平和の祈りのダンス)
 42分~ わかやま平和賞贈賞式
 
Happy Birthday 憲法 in Wakayama 2019 3(1時間12分)
 
 3分~ 紀北農芸高校和太鼓部
 34分~ Crowfield
 
 2014年から始まった和歌山所西の丸広場での“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”、今年は10連休の7日目、皆さんいささか疲れがたまっているかもしれないタイミングではありましたが、無事開催にこぎ着けました。
DSCN4451 これまで、憲法記念日には、(少なくとも「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」を2005年5月13日に結成して以降は)開催を中止しなければならないような荒天となったことはなく、3年前に暴風警報発令という事態に見舞われたときでも、何とか最後まで持ち堪えました。
 そして、政治情勢は、警報が発令されっぱなしと言っても過言ではないこの時期ではありますが、素晴らしい好天にめぐまれ、今年も多くの人にご参加いただくことができました。
 司会は、2016年の第3回以来ずっと務めてくださっている植田奈津子さんが、今年も出ずっぱりで担当してくださいました。ありがとうございました。
 そして、開会挨拶は実行委員会代表の藤井幹雄弁護士(9条ネットわかやま世話人代表、憲法9条を守る和歌山弁護士の会代表世話人)でした。
 同弁護士は、挨拶の中で、2日前から使われることになった新元号「令和」の由来について、政府の公式見解ではない、大友旅人が踏まえたであろう中国古典(文選)まで遡った解釈を紹介した上で、「ここ数年、日本国憲法が目指す『平和』ということが崩されかけてきましたが、これ(改元)を機会に、皆さんと共により一層『平和』な世界、『平和』な日本を作っていくために、今日一日皆さんと共に、日本国憲法の72歳を祝いたいと思います。」と呼びかけました。
 
 開会挨拶の後は、県立粉河高校軽音学部の皆さん、というのが恒例となりました。実は、その粉河高校の皆さんの出演が危ぶまれるという事態があったらしいのですが(10連休の余波とか)、無事出演にこぎ着けました。
 もっとも、昨年は5つものユニットが出演してくれたのに対し、今年は3つとなり、しかもメンバーもかぶっているということで、やはり10連休の影響はあったのだろうなあと思います。
 プログラムから、3つのユニット名を転記しておきます(もっとも、1組目はソロでしたけど)。
 
1組目 打越壮真(ギター弾き語り)
2組目 富士山(2人編成)
3組目 TRAFFIC LIGHT(5人編成)
 
DSCN4473 3組目のTRAFFIC LIGHTは去年の出演者リストにも名前のあるバンドですが(4人編成でした)、メンバーの出入りはあるのでしょうね。
 なお、今年も粉河高校の出番の際は、同じ軽音学部の生徒さんを中心に(なのでしょう)、同校の生徒の皆さんとおぼしき若者がたくさん聴衆として参加してくださって、会場を賑やかに盛り上げてくれていました。
 それから、同校軽音学部の出番が終わり、次の和歌山朝鮮初中級学校・中級部の皆さんの演奏が始まった後も、多くの高校生がその演奏に耳を傾けてくれていたようで、それは良かったなと思いました(中級部の生徒さんによる最後の挨拶まで何人位残っていたかまでは確認していませんけど)。
 粉河高校軽音学部の皆さんには、是非来年も素晴らしい演奏を聴かせて欲しいと思います。
(さらに望蜀の言を付け加えるとすると、演奏前のトークで観衆の心を掴むには何を心掛けるべきかについても、演奏そのものと同じ位研鑽を積んでもらえればなと思います。)
 
 まだ、ステージ企画を2つしか紹介していないのに、いきなり「本部テントの人々」となったのは、粉河高校軽音学部の演奏が終わり、私が本部テントに戻った際、たまたま多くのメンバーが揃っていたので、急遽撮影することになったことによります。
DSCN4492 なお、5人の女性のうち、Facebook友達になっていただいている4人の皆さんについては、FBが勝手に自動タグ付けをしてしまいました。この4人についてはどんぴしゃ正解だったので驚きました。もう1人の方はFBは多分やっておられないのだと思いますが、何とこの方の孫娘さん(今日のステージにも登場)に「タグ付けしますか」と質問され、「どうしようか?」と思ったのですが、一応4人の方はそのままとし、孫娘さんの分はタグ付けしないことにしました。
(※追記 よくよく写真を見てみると、私も写っている方の写真の背後に、その孫娘さんも写っていました。それで「タグ付けしますか?」とFBが尋ねてきたということで、FBがお祖母さんを孫娘さんと誤認した訳ではありませんでした)。
 ところで、本部テント記念写真には、原則として男性スタッフは写らないことになっている(?)のですが(例外はあります)、今年は親切に「シャッターを押しましょう」と申し出てくださる方があったため、私が写った写真も掲載できることになりました。
 
 昨年に続いて2回目の出演となったのは和歌山朝鮮初中級学校・中級部の皆さんでした。
 昨年と同様、ステージの前半は、女生徒の皆さんによるカヤグムという朝鮮式お琴の演奏であり、後半は、様々な種類の打楽器による演奏が披露されました。
 そして、演奏が終わった後、校長の朴先生による挨拶の中で、来る6月16日(日)に和歌山市勤労者総合センター6階文化ホールで2回上映される(14時00分~と17時00分~)「朝鮮学校の過去と現在を学ぶことができる映画」(前川喜平さんの推薦の辞より)『アイ(子ども)たちの学校(ハッキョ)』への参加呼びかけが行われました。私も一度FBとブログでご紹介しています。是非多くの人にご覧いただきたいと思います。
DSCN4517 校長先生の挨拶(というか映画の広報)は、急遽決まった(私が映画の上映委員会の方をけしかけたからかもしれません)ようでしたが、最後は、出演者の1人(女生徒)の方が挨拶されました。小谷英治さんが撮影された動画がアップされましたので文字起こししました。短いけれど、とても心のこもった素晴らしい挨拶だったと思います。
 
「今日はこのような場にお招きいただき、またこういう風に公演をできて、とても嬉しく思います。今日の公演を機に、朝鮮学校について少しでも知っていただけると嬉しいですし、私たちも60周年を迎えた学校を輝かせるべく頑張っていきたいと思います。今日はありがとうございました。」
 
 和歌山朝鮮初中級学校の皆さんにも、是非来年以降も出演していただきたいですね。
 
 午前中の3組目は、これも常連となりましたが、ハワイアンフラチーム「Halau Uilani(ハラウ ウイラニ)」の皆さんです。
DSCN4537 このチームは、福井奈央子先生が指導されているフラチームのメンバーによって構成されており、今年は「憩楽(いこら)クラブかつらぎハワイアンフラチーム」と「ハワイアンフラ根来チーム」という2つのチームのメンバーが出演してくださいました。
 今年特に注目されたのは、プログラムの終盤で福井奈央子先生によるソロダンスが披露されたことです。これまでも、福井先生のソロがあったかどうか、にわかに思い出せないのですが、指の先まで神経が行き届いたフラの妙技を堪能させていただきました。
 唯一心残りなのは、これまでは、10時の開会前、ブルーシートを敷く前に、釘など危険なものが落ちていないかと確認する作業をしていたのに、今年は体調の問題もあり、会場入りが遅くなってしまったこともあって、この作業が出来なかったことでした。来年こそ、しっかり安全に踊っていただけるよう、ぬかりなく事前準備をしたいと思います。
 
 3年前の第3回の時から、紀州よさこい踊りのグループにも出演いただくことになった“HAPPY BIRTHDAY 憲法”、今年登場いただいた「紀道」も紀州よさこいのチーム・・・と言ってもよいかもしれないのですが(全く「よさこい」の世界に疎いのでよく分かりませんが)、披露していただいたのは「命のリレー」という楽曲をもとにした「平和の祈りのダンス」でした。
DSCN4558 何でも、この「紀道」の皆さんが主催して毎年「いきざまつり」という企画を開催しており、今年の8月17日(土)・18日(日)の両日、会場も同じ西の丸広場で記念すべき「第10回いきざまつり」が開催されるのだとか。「いきざまblog」というサイトに過去からのデータが掲載されており、私は昨年の第9回のために紀道代表の吉田大介さんが書かれた「ご挨拶」を読んで感心してしまいました。
 そういえば、昨年の「第9回いきざまつり」に誘ってくださる方があり、「土曜日なら時間の都合がつく」とお返事したものの、調整がつかずに結局行けなかったことを思い出しました。是非今年は参加できればと思います。
 ということで、「平和の祈りのダンス」です。私が写した静止画だけでも、その素晴らしさはかなり伝わると思いますが、冒頭でご紹介した小谷英治さんの動画も是非視聴していただければと思います。
 そして、今年8月17日・18日の両日は是非和歌山城西の丸広場の「第10回いきざまつり」へ!
 
DSCN4569 昼休みに入る直前にステージ上では「第5回 わかやま平和賞」(9条ネットわかやま制定)の授賞式(贈賞式)が行われました。過去の受賞者(団体)は、
 故・本多立太郎さん(第1回)
 核戦争防止和歌山県医師の会(第2回)
 月山桂弁護士(第3回)
 「大逆事件」の犠牲者を顕彰する会(第4回)
であり、“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”の会場で贈賞式が行われるのは、昨年の「大逆事件」の犠牲者を顕彰する会(会長の二河通夫さんが新宮から駆け付けてくださいました)に続いて2回目です。
 今年の受賞者は、和歌山市の元幼稚園長、山本喜美子さんです。山本さんの功績については、賞状に書かれた顕彰の辞を引用させていただくことによってお伝えしたいと思います。
 
賞 状
わかやま平和賞
  山本喜美子 殿
貴殿は一九四五年七月の和歌山大空襲での体験に基づいた紙芝居を制作され長年にわたって子どもたちを対象として演じ続け戦争の悲惨さと平和の大切さを語り伝えてこられました
貴殿のこれまでの活動に心から敬意を表し今後ますますのご活躍を祈念してわかやま平和賞を贈ります  
二〇一九年五月三日
   9条ネットわかやま
    世話人代表 花田惠子
        同    藤井幹雄
 
 まことに「わかやま平和賞」の制定趣旨に相応しい受賞者であると思います。ただ残念なことに、山本さんが体調を崩して入院されているということから、山本さんから「あなたが引き継いで欲しい」と後継指名を受けた池田香弥さんが、代わって賞状と副賞を受け取り、挨拶もしてくださいました。
DSCN4572 そして、贈賞式が終わり、昼休みに入った後、休憩所に充てていたテントの中で、池田さんが山本喜美子さんが制作された(絵も文章も)「せんそうのおはなし わかやまのくうしゅう」を上演してくださり、多くの子どもたちが熱心に聴き入ってくれていました。ただ、ステージ上では、午後からの出演者による音出しのテストが行われており、時々池田さんのお話が聴き取りにくい箇所があったのは申し訳なかったなと思います。スケジュールの都合で、この時間帯しかテストの時間がとれなかったというやむを得ざる事情ではあるのですが、紙芝居の方に簡易なアンプとマイクを設置するなどの工夫は可能であったかもしれません。
 なお、池田さんご自身がFacebookに書かれた文章は「公開」設定となっていますので、是非お読みいただければと思います。池田さんが彰状を届けるため入院先の病院まで山本喜美子さんを訪ね、子どもたちが紙芝居を「真剣な表情で聞いてくれたことを報告すると、とても喜んでくださいました」ということです。
 山本さんの一日も早いご快癒をお祈りするとともに、今後とも、子どもたちのために紙芝居「せんそうのおはなし わかやまのくうしゅう」が演じ続けられることを祈ってやみません。
 
DSCN4590 紀北農芸高校和太鼓部による“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”への出演も、今年で早4回目となります。
 昨年もそう思ったのですが、紀北農芸太鼓の演奏につられるように、いつの間にか会場のボルテージが上がっているな、と思って見回してみると、実際、演奏に熱心に聴き入ってる聴衆の数が、その前後よりも明らかに多い!
 熱心な「おっかけ」ファンがいるのだろうか?
 3年前の暴風も跳ね返してくれた同校和太鼓部の演奏を、これからも是非西の丸広場で披露し続けていただきたいと思います。
 
 今年のステージ企画の紹介も、トリのおおたか静流さんの1つ手前、Crowfieldの出番となりました。実は、2014年に始まった“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”の初回からCrowfieldは出演しており、ユニット結成のそもそものきっかけがこの集会に出演することにあったのですから、いわば“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”の申し子のような存在のバンドです。もっとも、ユニット名を現在のCrowfieldに変更したのは2016年夏からであり、昨年は出演していないかったり(娘のえなさんが加わった高校生ユニットKYKは出演していましたが)とかはあるのですが、今年は「あるべき姿」となり、無事Crowfieldが西の丸広場に戻ってきました。
 そこで、過去5回の経過を私のFacebookで振り返ってみましょう。
 
 「M&N」(親娘デュオ)としてデビュー。
 引き続き「M&N」として出演。息子のれなん君はゲストとして初登場。
 れなん君は正式メンバーとなったもののユニット名は相変わらず「M&N」。私はFBに「やはり、リードボーカルをとるようにならないと、お父さんやお姉さんが一人前とは認めてくれないのでしょうか?頑張れ「れなん」君。」と書いてしまいました。もしかしたら、これがCrowfieldへの改名のきっかけの一つ?
 Crowfieldと改名(2016年夏以降)後、初めての出演で、従来ゲストという扱いであったあゆみさんが正式にメンバーとして紹介されました。
 Crowfieldは1年お休み。代わりに、娘のえなさんが、りら創造芸術高校の同級生と結成したKYKが出演。
 
DSCN4612 さて、それでは今年演奏された曲目をご紹介しておきます。
 
1 イマジン 
2 レインボー・コネクション
3 この島~憲法9条の歌(オリジナル)
4 ウージの唄
5 島んちゅぬ宝
 
 そして、最後は最近のCrowfieldのステージのお約束、みんなでカチャーシーを踊って大団円です。
 今年の1月19日に開催した「危ないぞ!みんなで止めよう安倍改憲 1・19わかやま県民のつどい」でも、素和歌のお2人、なかむらいづみさんと共に臨時編成ユニット「Wakayama Peace Band」を結成して演奏してくれたCrowfieldの皆さん。これからも、“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”にはなくてはならないバンドとして、素晴らしい演奏を聴かせて欲しいと思います。
 
 “HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2019”のステージ、今年のトリはおおたか静流(しずる)さんが務めてくださいました。
 知っている人は熱狂的な支持者になるというタイプのアーティストがありますが、静流さんは間違いなくそのようなタイプの方だとお見受けしました。
 ライブを体験したことが一度もなく、CDを1枚も持っておらず、NHK・Eテレ「にほんごであそぼ」など一度も見たことがなく、ただYouTubeで「花」と「悲しくてやりきれない」を聴いたことがあるだけという私でさえ(あと「ふくしまボトムズ」の演奏もYouTubeで聴いた)、「きっと素晴らしいステージになるに違いない」と、おおたかさんに出演を交渉してみようと実行委員会の会議で決まった際、既に確信していましたもの。
DSCN4632 それから、スケジュールの関係から、十分なリハーサルをする時間がなく、昼休み中に少し音出しをしただけにもかかわらず、素晴らしい演奏と音響を堪能できて、さすがはプロ、さすがは大阪共立と今さらながら感心してしまいました。
 ちなみに、キーボードはASUさん、ベースはキューバ出身のHaruyoshi Mori Moralesさんでした。
 曲目は、私がよく知っている曲は、
 「ブンガワンソロ」
 「悲しくてやりきれない」
 「花」
の3曲でしたが、「サヤ・ドリーム」や「ほしのこどもたち」などもいい曲でしたね。
 私の近くで聴いていた知人の女性は、子育て中によく(「にほんごであそぼ」で)聴いたという「でんでらりゅうば」にいたく感激していたようでした。
 なお、今月18日(土)・19日(日)の両日、和歌山市新和歌浦の木村屋旅館において、【おおたか静流「おせなか音頭」MV撮影イベントat和歌山(和歌山市木村屋旅館)!】という楽しいイベントがあるそうです。一度問い合わせてみてはどうでしょうか?あなたもおおたか静流さんのMVに出演できる(かも)!
 
 今年もたくさんのブースが出店されていたので、その一々をご紹介するのは無理なので、当日来場者に配布されたステージ進行表兼ブース配置図をご覧ください。
 とはいえ、ブースの写真もいくらか撮っていますので、見繕っていくつかご紹介します。
 まずは、私がお世話になった、美味しい食べ物やお奨め品を購入したり、ゲームをして景品を貰ったりしたところです。
 最初は食事関係。チジミを美味しくいただいたのは「和歌山朝鮮初中級学校オモニ会」でした。そしてもう1つ、ソース焼きそばをいただいたのは「高野山BBS会」でした。
DSCN4486 次はお買い物編。
 玄米黒米粉など購入した「紀州農レンジャー」、美味しそうな玉葱は「まちなか百姓養成塾」、ちくま文庫「芸能人別帳」(竹中労)は「日教組和歌山春駒保存会(の前に出店していた)」、沖縄名産のお菓子は「ゆいま~る和歌山」でゲットしました。
 最後はゲーム編。
 日本にホームステイ中のフィンランドから来た女子高生が店番をしていた「こどもピースフェスタ」のコイン落としでは、3枚中1枚しか入らなかったものの、素敵なトートバッグを貰えて大満足。ワカナちゃんが店番を務める「子どもたちの未来と被ばくを考える会」では、いつものように輪投げを試みるも、一番手前に全然入らなかった(お手玉ダーツもうまくいかなかった)。
 
DSCN4518 私も会員である「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」のブースについては、やはり取り上げておくべきでしょう。
 いつも、会場入り口に最も近いブースが割り当てられ、大好評の風船プレゼントコーナーを運営する他、スーパーボールとヨーヨーという、小さな子どもたちが喜ぶ企画をずっと続けています。
 今年私が一番驚いたのは、このスーパーボール(すくい)にこれまで見たことがないほど多くの子ども達が詰めかけていることでした。もちろん、時間帯によって波があるのは当然なのですが、最大瞬間風速にしても、こんなにたくさんのお客さんが来ているとは!と感動してしまいました。
 
 その他のブースも、写真を撮っているところはまとめてご紹介しておきます。
 また、ブース以外に目について撮った写真もここでご紹介しておきます。
DSCN4573 アップした写真は以下のとおりです。
①パンダ喫茶:「子どもたちの未来と被ばくを考える会」は、輪投げやダーツ投げの他、パンダ喫茶という談話コーナーも設けました。
②ポップコーン・バザー:和歌山市9条センター
③めはりずし・飲み物:和歌山県地評女性部
④かすうどん:日教組和歌山春駒保存会
⑤焼き鳥・生ビール:和歌山県平和フォーラム
⑥和小物:和歌山県平和フォーラム
⑦雑貨・Tシャツ:ポズック雑貨店
⑧ポップコーン出張販売:和歌山市9条センターの深谷さん
⑨リクエストに応えるアコーディオンおじさん
⑩直射日光を避ける賢いワンちゃん
 
 さて、2日がかりでお送りしてきた“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2019”写真レポートもいよいよフィナーレ、皆さまお待ちかねの(もう終わっていますが)餅まきです。
 私も、「餅まきの聖地」和歌山の餅まき情報というFacebookページを時々閲覧するのですが、そうすると、昨年から今年にかけて、様々なTVの情報番組で、いかに和歌山県民が餅まきを偏愛しているかが度々特集されていることが分かりました。
 実際、昨日の西の丸広場にも、在京テレビ局の取材が入っていたとか(放送で使われるのだろうか?)。
DSCN4650 私は、撮影係の特権を利用して(?)餅まきの際にはステージに上がり、撮影の合間に少しだけ餅を投げるのですが、これは一度やったら止められない。もっとも、餅を投げる側(「福」をお裾分けする側)に回りたければ、実行委員会での下積みから修行するか、もしくは集会のメインゲストになる必要がありますが(冗談ですよ)。
 餅を投げても拾っても、みんながハッピーになれる「餅まき」は止められない。“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”が続く限り「餅まき」は永遠です。
 なお、今年も、餅まきに先立ち、小学生以下の子どもたち限定でお菓子まきが行われました。
 是非、来年も、今年と同じような幸せな気持ちで餅まきを行いたいものです。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”関連)
2014年4月11日
2014年5月3日
2015年4月4日
2015年5月3日
2015年5月12日
2016年3月21日
2016年5月5日
2017年4月30日
2017年5月4日
2017年3月15日
 
2019年4月29日

『「表現の自由」の明日へ 一人ひとりのために、共存社会のために』(志田陽子著)を読む~入院読書日記(2)

 2019年4月30日配信(予定)のメルマガ金原.No.3415を転載します。
 
『「表現の自由」の明日へ 一人ひとりのために、共存社会のために』(志田陽子著)を読む~入院読書日記(2)
 
 「平成」最後の1日となった今日4月30日、平成元年(1989年)4月に司法研修所を修了し、弁護士登録した私にとって、いささかの感慨がない訳ではありません。とはいえ、それは、平成の30年を振り返ることが、同時に自分の弁護士生活30年を振り返ることになるという偶然の事情によることに過ぎず、それ以上の深い思い入れがある訳ではありません。
 
 ということで、10連休の途中とはいえ、急な法律相談に応じるために事務所に出て来たのを好い機会として、かねてから「書かなければ」と思いながら、なかなか手が着けられていなかった本稿にとりかかることにしました。
 本稿を「書いてみたいと思っています。」と予告したのは、以下のブログにおいてでした。
 
2019年3月23日
 
 今年の1月から3月にかけて、左肺の自然気胸によって、
  2019年1月26日~1月30日
  2019年2月15日~2月19日(再発)
  2019年2月28日~3月5日(手術)
と3回の入院を繰り返し、その2回目と3回目の入院時に読んだ3冊の憲法関連の本の読後感をシリーズで「書いてみたい」と広言してしまったのでした。
 2回目の入院時に読んだ『いま 日本国憲法は 原点からの検証(第6版)』(小林武・石埼学編)については早々と書き上げたものの、3回目の入院のときに読んだ『「表現の自由」の明日へ 一人ひとりのために、共存社会のために』(志田陽子著)と『日本国憲法』(長谷部恭男解説/岩波文庫)とは、なかなか書き始められませんでした。
 これが、「ブログ毎日更新」を続けていたときなら、何も考えず(?)思いついたことから書き始め、何とかそれなりに書いてしまえたはずなのですが、「毎日更新」のノルマを放擲した途端に「筆が重くなる」症状に見舞われました。このようになるということはある程度予想できたことであり、そうであればこそ、6年もの間、無理を押して「毎日更新」を続けてきたのでした。
 とはいえ、これ以上引き延ばしていると、読んだ内容を忘れてしまいかねませんので、自分の問題関心に引き寄せて、特に教えられた部分を紹介するという方針で書いてみることにしました。「入院読書日記(1)」に続き、本文は常体で執筆することにします。
 

入院読書日記(2)
 
『「表現の自由」の明日へ 一人ひとりのために、共存社会のために』
志田陽子 著
大月書店
2018年10月15日 第1刷発行
定価 1,700円+税
 
 武蔵野美術大学で教鞭をとる志田陽子教授が2018年10月に刊行された単著である。
 通常、その著書の狙いや構成は、「目次」に端的にあらわれているはずであるから、本書でもまず「目次」をご紹介しよう。
 詳細「目次」は、版元のホームページに掲載されているので、それをご参照いただくこととして、以下には大項目のみ抜きだしておく。
 
目次
はじめに
第1章 表現者の足跡――なぜ「表現の自由」か
1 「表現の自由」の足跡
2 なぜ「表現の自由」か
第2章 一人ひとりの人格権と「表現の自由
1 「表現の自由」と人格権
3 プライバシーの権利
4 肖像権
5 差別表現・ヘイトスピーチと人格権
第3章 民主主義と「表現の自由
1 民主主義と「表現の自由」と「知る権利」
2 民主主義における表現の「自由」
3 民主主義の空間と「政治的中立」
第4章 共存社会と「表現の自由
1 「生きるということ」を支える「表現の自由
2 多文化社会――マイノリティ性との共存
3 経済社会と「表現の自由
第5章 文化芸術と「表現の自由
1 法からの自由としての文化芸術の自由
2 文化芸術支援と「表現の自由
3 文化芸術と政治と「表現の自由
あとがき
主要参考文献
 
 本書は、日本国憲法21条1項によって「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」と定められ、基本的人権の中でも特に「優越的地位」が承認されている「表現の自由」について、その基本的な意義、他人の人格権と「表現の自由」の行使との調整、民主主義、共存社会を根底から支え、文化芸術の発展のために不可欠な「表現の自由」をめぐる諸問題について、具体的な事例や映画等の創作例なども豊富に交えながら、広い視野からの解説を心掛けた概説書である。
 読者は、本書を通読することにより、「表現の自由」をめぐる様々な事象を知るとともに、それらの事象相互間の関係、そして「表現の自由」が果たす役割についての全体像を把握することができるだろう。
 
 もっとも、上記は、理想的な読者を想定した感想であって、誰でも通読するだけでそのような理解に達することができるとは思われない。そういう私自身、本書に書かれた全てのピースを、「表現の自由白地図の上の最も適切な場所にはめ込むことが出来るかどうか、はなはだ心許ない。
 とはいえ、およそ「表現の自由」と全く無縁な生活を送っているのでない限り(無縁な人などいるのかということはさておき)、自ら関心をいだく問題についての言及を、きっと本書の中から見出すことが出来ると思う。そのような箇所を見つければ、その問題についての理解を一層深めつつ、その周辺に関心を広げていくという次の段階に移行し、このようにして、やがて「表現の自由白地図の空白が徐々に埋められていく、本書は、そのような作業(学習)の好個の導き手であると思われる。
 
 ここで一例を挙げよう。本書を読みながら、私が「そうか」と思わず膝を打った(実際に打った訳ではないが)箇所がある。
 それは、本書111頁以下で論じられている
  第3章 民主主義と「表現の自由
  3 民主主義の空間と「政治的中立」
及び関連する201頁以下の
  第5章  文化芸術と「表現の自由
  3 文化芸術と政治と「表現の自由
の部分(特に後者の末尾)である。
 本書は、「とくに民主主義にとっては「集会の自由」が大きな意味を持つが、この自由を確保するためには、集会の場所を確保することが必要になる。こうしたニーズに応えるため、自治体が運営する公の施設がある。」という前提を示した上で、「ここ数年、市民の自発的な集会や催事に対して、地方自治体による公共施設の貸し出し拒否や、後援拒否が多く見られるようになった。」(111頁)という近時の現象を指摘する。
 実際、私自身が関わっている団体についても、「拒否」とまではいかなかったが、その一歩手前の段階までいった事例があり(この時は類似案件についての仮処分事件の調査までやった)、似たような経験を持っている団体も多いのではないかと推察する。そのような方々には、是非とも本書を買い求めて勉強されることをお薦めしたい。
 
 さて、少し先走り過ぎたが、この問題についての本書の解説を読んでみよう。
 
 本書は、まず「公の施設」についての地方自治法244条の規定を引用する。
 
 (公の施設)
第二百四十四条 普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設(これを公の施設という。)を設けるものとする。
2 普通地方公共団体(次条第三項に規定する指定管理者を含む。次項において同じ。)は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。
3 普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない。
 
 そして、「正当な理由」(地方自治法244条2項)の有無をめぐって争われた泉佐野市民会館事件最高裁判決(1995年3月7日最高裁判所第三小法廷判決)が示した、自治体が施設利用を拒否できる場合の要件を紹介する(112頁)。
※判決の該当判示箇所を引用する(本書では要約が掲げられているが、以下には判決原文から引用する)。
集会の用に供される公共施設の管理者は、当該公共施設の種類に応じ、また、その規模、構造、設備等を勘案し、公共施設としての使命を十分達成せしめるよう適正にその管理権を行使すべきであって、これらの点からみて利用を不相当とする事由が認められないにもかかわらずその利用を拒否し得るのは、利用の希望が競合する場合のほかは、施設をその集会のために利用させることによって、他の基本的人権が侵害され、公共の福祉が損なわれる危険がある場合に限られるものというべきであり、このような場合には、その危険を回避し、防止するために、その施設における集会の開催が必要かつ合理的な範囲で制限を受けることがあるといわなければならない。そして、右の制限が必要かつ合理的なものとして肯認されるかどうかは、基本的には、基本的人権としての集会の自由の重要性と、当該集会が開かれることによって侵害されることのある他の基本的人権の内容や侵害の発生の危険性の程度等を較量して決せられるべきものである。」 
 
 その上で、本書は、「しかし近年、こうした判決が参照されなくなり、「正当な理由」の捉え方がそれぞれの現場で緩んできているのではないか、という心配がある。たとえば、ある自治体の「まつり出店拒否」の事例では、「政治的・宗教的な意味合いのあるもの」の参加を認めない旨の募集要項が市報に掲載されていた(2016年「国分寺まつり」の事例)。この募集要項に基づいて、3つの団体が参加を認められなかったことについて、東京弁護士会は「表現の自由」が侵害されていると認定している。前述のように、こうした傾向が全国で見られることが報道されている。」(114頁)と、現状が紹介される。
東京弁護士会は、人権救済申立事件として受理して調査を行い、2016年8月17日付で、国分寺市長及び国分寺まつり実行委員会に対し、人権侵害を認定した上で、「要望書」を執行した。
 ちなみに、出店を拒否された3団体は、「国分寺9条の会」、「ちょっと待って原発の会」、「Bye-Bye原発国分寺の会」であった。
 
 そして、以上の「国分寺まつり」の事例もそうであるが、「近年、地方自治体による公共施設の貸し出し拒否や後援拒否などが増えている。その多くが、「政治的中立を保つ」との理由によっている。」(116頁)として、九条俳句公民館だより不掲載事件を詳しく紹介している(117頁)。
 その中で、一審さいたま地裁判決(2017年10月13日)が判示した以下の部分(本書でも引用)は特に重要だと思う。
 
本件俳句(金原注:五月雨に 「九条守れ」の 女性デモ)が,憲法9条集団的自衛権の行使を許容していると解釈すべきでないとの立場を表明したものであるとすると,本件俳句を本件たよりに掲載することにより,三橋公民館は,上記立場に反対する立場の者からクレームを受ける可能性があることを否定することはできないが,前提事実(3)エのとおり,本件俳句を本件たよりに掲載する場合,別紙俳句目録1記載のように,本件句会の名称及び作者名が明示されることになっていることからすれば,三橋公民館が,本件俳句と同じ立場にあるとみられることは考え難いから,これを掲載することが,直ちに三橋公民館の中立性や公平性・公正性を害するということはできない。
 むしろ,行政が,中立性や公平性・公正性を確保する目的が,国民の行政に対する信頼を確保することにあるとすれば,本件俳句を本件たよりに掲載しないことにより,三橋公民館が,憲法9条は,集団的自衛権の行使を許容するものと解釈すべきとの立場に与しているとして,上記立場と反対の立場の者との関係で,行政に対する信頼を失うことになるという問題が生じるが,認定事実(4)で認定した本件俳句の不掲載までの経緯によれば,三橋公民館が,本件俳句を本件たよりに掲載しないこととするに当たって,三橋公民館及び桜木公民館の職員ら(C,D及びE)は,この点について何ら検討していないものと認められる(以下、略)。
 
 地方自治体が守るべき「政治的中立性」の本質とは何か?という論点を十分正しく理解することができれば(私たちにしても、行政側にしてもであるが)、近時全国で頻発している同種事例についての対処が大いに改善に向かうのではないか、と期待される。
 それでは、いよいよ私が「思わず膝を打った」本書の該当箇所を引用しよう(207頁)。
 
(引用開始)
 公的空間における表現の政治性が問題となった場合には、「政治的中立性」の原則の本来の意味を確認する必要がある。ここで要求される「政治的中立性」は、会場を使用する市民の側に要求されるものではなく、行政職員の側に要求される原則で、職員が政治活動の主体となって公の施設をこれに利用してはならない、といういことが基本である。また、職員が特定の政治的見解に基づいて会場使用の申請を受け付けたり受け付けなかったりすることも、同じ効果を生んでしまうため、あってはならない。
(引用終わり)
 
 どうだろう、先に引用したさいたま地裁判決と上記志田教授の簡にして要を得た解説を併せ読めば、「公の施設」の利用をめぐる「政治的中立性」とは何か?が、実にすっきりと腑に落ちるのではないだろうか。
 もちろん、このような立場に立つ以上、自分の身近な「公の施設」で、改憲派原発推進派による「集会」が行われることは当然容認しなければならず、さらに進んで、自らと反対の意見を持つ者とのオープンな関係を持つに足るだけの力を自らに蓄える必要があることにも思い至るだろう。その点についての志田教授の解説を引用して本稿を終えることとしたい。
 このように、常日頃関心を有しているテーマを手がかりとして、本書の各所を読み込んでいけば(私も111頁から207頁まで参照しつつ本稿を書き上げた)、「表現の自由」についての理解を深め、実践に役立てていくことがきっと出来るだろう。
 多くの方にご一読をお薦めしたい。
 
(「民主主義の基礎体力としての「表現の自由」」115~116頁から引用開始)
 《政治に無関心であれば公共の場所を使わせてもらえる》というルールは、民主主義の担い手として必要な基礎体力を人々から奪う結果につながっていないだろうか。それは明日の社会を弱らせることにならないだろうか。
(中略)
 民主主義の中に生きる市民であれば、議論が起きることは歓迎して良いことで、「公の施設」は本来そのためにある。政治的議論が起きることが危惧感の対象になるということは、民主主義を支える文化が共有されていないということではないだろうか。この問題を克服するためには、私たちがオープンな対話に耐えられる力を身に付け、それを認め合う文化をつくることも大切だろう。そうして討論のリテラシー(公共的対話の作法)こそ、教育によって培ってほしい事柄だが、学校教育のほかにも社会教育や自由な集会がその受け皿の役割を果たす。公共施設とくに公民館は、民主主義の基礎体力づくりのために重要な役割を果たすことが期待されているのである。
(引用終わり)
 

(弁護士・金原徹雄のブログから/志田陽子さん関連)
2016年8月21日
2017年6月9日
2018年7月11日
2018年12月20日
2019年1月20日
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“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2019”(5/3@和歌山城西の丸広場)にご参加を!~10連休ですが今年もやります

 2019年4月29日配信(予定)のメルマガ金原.No.3414を転載します。
 
“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2019”(5/3@和歌山城西の丸広場)にご参加を!~10連休ですが今年もやります
 
 史上初の10連休の3日目、皆さまいかがお過ごしでしょうか?私はといえば、弁護士会の当番弁護士兼国選弁護人待機日ということで、朝から1時間ごとに「警察署から当番弁護士申し出の連絡はないか」と弁護士会の指定電話番号にアクセスして確認しつつ、法テラスからの国選弁護人指名打診に備えて携帯電話を終始身に付けていますが、午後4時現在、何の連絡もありません。
 警察署も、10連休中に通常逮捕は避けようとするでしょうから、ほとんど現行犯逮捕か緊急逮捕、ということで、普段の待機日に比べて、出動の可能性は低いだろうと思っていましたけどね。
 
 さて、この10連休中の3日目が当番弁護士・国選待機日である上に、7日目の憲法記念日(5月3日)には例年通り“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”が和歌山城西の丸広場で開催されますので、長期旅行などはなから無理だったのですが、その上、1月から3月にかけての自然気胸による3度の入院・手術からの回復を図る必要があり、仕事、行事、静養のバランスを心掛けることになりました。
 
 ということで、私にとっての連休中唯一の公式行事、“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2019”のご案内を簡単にアップしておきます。
 開催の趣旨については、4月8日付で主催の実行委員会からマスコミ各社に送信されたプレスリリースをお読みください。
 
(引用開始)
 私たちは、憲法記念日に、普段意識することの少ない「憲法」について思いをめぐらすきっかけとしていただきたいという思いから、2014年より、和歌山城西の丸広場を会場として、「HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama」というイベントを開催し、幸い多くの方々にご参加いただいてきました。
 今年も、ブースでは雑貨や様々な美味しい飲食物の販売などが行われ、高校生による和太鼓やバンド演奏、フラダンスや紀州よさこいなどがステージを彩る他、NHKEテレ「にほんごであそぼ」でおなじみのおおたか静流(しずる)さんにご出演いただくことになっています。
 また、和歌山県民が大好きな餅まきを今年もやります。
 なお、第5回「わかやま平和賞」(9条ネットわかやま制定)の受賞者に、長年、和歌山大空襲を題材とした紙芝居の制作上演を続けてこられた山本喜美子さんが選定され、当日のステージ上で贈賞式が行われることも申し添えます。
 是非多くの方に、憲法記念日の1日、ご家族連れで足をお運びいただきたいと念願しておりますので、事前の案内、当日の取材・報道をよろしくお願い致します。
 
                                         
“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2019”
日時:2019年5月3日(祝)10:00~15:00
場所:和歌山城西の丸広場(和歌山市役所向かい)
*入場無料 *小雨決行
[ブース]焼き鳥、おにぎり、かすうどん、のみもの、雑貨 etc...
[ステージ]紀北農芸太鼓、高校生バンド、フラダンス、よさこい、etc...
[その他]おおたか静流、餅まき
主催 HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2019実行委員会
お問い合わせ先
トライ法律事務所
〒640-8152 和歌山市十番丁12番地 十番丁ビル4階 電話073-428-6557
(引用終わり)
 
 何しろ10連休中ということで、例年出演してくださっていた常連さんが「今年だけはどうも・・・」というところがあったりしたと聞いていますが、それでも多くの方が出演を快諾してくださっています。
 例えば、昨年初出演された和歌山朝鮮初中級学校の生徒の皆さんが、今年も朝鮮の伝統音楽をステージで披露してくださる他、同校オモニ会の皆さんがブースを出店し、「キムパッ、チヂミ、キムチ、スルメ、お茶、タン炭火焼」などを販売されるとか。私は「少なくともチヂミは絶対に食べたい」と思っています。
※6月16日(日)に和歌山市勤労者総合センターで開催されるドキュメンタリー映画『アイ(子ども)たちの学校(ハッキョ)』(高賛侑監督)上映会にも是非ご参加ください。
 
 プレスリリースにもあるとおり、和歌山県民の大好きな「餅まき」を今年もやります。拾った餅に当たりシールが貼られていたら、景品をお持ち帰りいただけますので、是非お楽しみに。
 景品の一部をここだけで(?)そっとお教えすると、今年の1月末に緊急出版された『平和憲法の破壊は許さない なぜいま、憲法自衛隊を明記してはならないのか』(寺井一弘、伊藤真小西洋之共著/日本評論社/定価800円+税)を用意しています。あなたも、餅まきを楽しんで改憲問題を勉強しよう!

 
 さらに、今年のメインゲストは、おおたか静流(しずる)さんです。NHK・Eテレ「にほんごであそぼ」に出演されている、と聞いてもピンと来ない人も多いでしょうが、まさに「知る人ぞ知る」素晴らしいアーティストであることを、私自身、あらためて再認識させられました。
 私は、昨年「首都圏反原発連合「2018.11.11 原発ゼロ☆国会前集会」を視聴する~ふくしまボトムズfeat.梅津和時によるオープニング・ライブは心にしみます」(2018年11月23日)というブログの中で、おおたか静流さんが活動されているユニット「ふくしまボトムズ」の演奏を紹介したことがありました。
 
 けれども、おおたかさんの活動がそれだけにとどまるものではなく、実に幅広いものだということは、公式サイトのプロフィールを一瞥するだけでも明らかです。
 今年の“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”のチラシが出来上がり、私のFacebookで広報を開始した途端に、多くのFB友達がシェアしたりコメントを書き込んだりしてくれたのですが、そのうちの1人、私の司法修習の同期、大阪弁護士会の青木佳史弁護士からのコメントの一部を引用してみましょう(無断ですが、多分了解してくれますよね)。
 
(引用開始)
長年のファンなんです。そのヴォイスはもちろん、様々な向き合う姿勢に敬意を抱いているアーティストなんです。
金原さんには、ぜひ信州の無言館の絵を取り上げた「あの夏のまま」の朗読と歌を聴いてほしいです。
(引用終わり)
 
 青木さんの推奨する「あの夏のまま・・・」は、今でも入手可能なようです。

 AMAZONの内容紹介には、「戦没画学生慰霊美術館 無言館に飾られた一枚の裸婦画・・・その前に一人の老婦人が立ちました。かつての恋人が綴った感想文ノートを、窪島誠一郎が朗読します。そして帰らぬひとへの想いは歌になりました。戦争への道を二度と歩まないようにと願いつつ・・・」と書かれています。
 
 なお、おおたか静流さんは、この5月、3日の和歌山城西の丸広場出演だけではなく、前日の2日には紀三井寺の「デサフィナード」というお店でライブをされますし、18日(土)・19日(日)の両日は、新和歌浦の木村屋旅館で【おおたか静流「おせなか音頭」MV撮影イベントat和歌山(和歌山市木村屋旅館)!】という楽しいイベントもされるということで、すっかり和歌山づいておられます。
 
 以上で、今年の“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2019”の予告は終わりです。
 最後に、私のブログに掲載した2014年の第1回から昨年の第5回までのレポートをご紹介します。
 
 
 
 
 
 
 
 さて、今年もこのような「写真レポート」が書けるでしょうか?これだけのレポートを書くためには、午前10時の開演前から午後3時の終演後まで、カメラを持って、ほぼ立ちっぱなし、歩きっぱなしの作業が必要です。それだけの体力が戻っているかどうか、一抹の不安があるので、「乞うご期待」とは申し上げません。
 是非皆さまお一人お一人に西の丸広場にご来場いただきたいと心からお願い致します。

“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2019”チラシ

望月衣塑子さん(東京新聞記者)が和歌山で講演されます~2019年4月26日@和歌山県民文化会館小ホール(青法協・憲法を考える夕べ)

 2019年4月6日配信(予定)のメルマガ金原.No.3413を転載します。
 
望月衣塑子さん(東京新聞記者)が和歌山で講演されます~2019年4月26日@和歌山県民文化会館小ホール(青法協・憲法を考える夕べ)
 
 青年法律家協会和歌山支部では、1984年以来、市民の皆さまと共に憲法を考えるための記念行事を、おおむねゴールデンウイーク直前の金曜日の夜に開催するのを例としてきました。
 その35回目となった昨年(2018年)4月28日、前川喜平さんと寺脇研さんを和歌山県民文化会館大ホールにお招きしたところ、空前にしておそらく絶後の1,500人もの聴衆においでいただくことができました。
 36回目となる今年は、いくら何でも去年のようなことはあるまいということで、「平常モード」に戻り、時期も例年通り連休直前の金曜日(4月26日)の夜、和歌山県民文化会館の小ホール(キャパ324席)を確保し、「憲法を考える夕べ」を開催することとなりました。
 今年講師としてお招きすることになったのは、東京新聞社会部記者の望月衣塑子(もちづき・いそこ)さんです。
 昨年、来場者に配布するために作った資料に、第1回~第34回までの憲法記念行事一覧表を掲載していますので、それを参考にしながら、最近10年間の企画を抜き出しておきます(括弧内の肩書きは講演当時のもの)。
 
2009年(第26回) 斎藤貴男氏(フリージャーナリスト)
2010年(第27回) 池間哲朗氏(NPO法人アジアチャイルドサポート代表理事
2011年(第28回) 伊波洋一氏(前宜野湾市長)
2012年(第29回)  今中哲二氏(京都大学原子炉実験所助教
2013年(第30回)  孫崎 享氏(元外交官、元防衛大学校教授)
2014年(第31回) 半田 滋氏(東京新聞論説兼編集委員
2015年(第32回) 山本健慈氏(和歌山大学前学長)
2016年(第33回)  青井未帆氏(学習院大学法科大学院教授)
2017年(第34回)  中野晃一氏(上智大学国際教養学部長、教授)
2018年(第35回) 前川喜平氏(前文部科学事務次官
              寺脇 研氏(京都造形芸術大学教授、映画評論家)
 
 ところで、先ほど「今年は、いくら何でも去年のようなことはあるまい」と書きましたし、実際、望月さんに講演をお願いしてご内諾いただいた昨年末にはそれほど心配もしていなかったのですが、ちょうどその頃(昨年12月28日)、上村秀紀・首相官邸報道室長名で内閣記者会に対し、菅義偉官房長官の定例記者会見で望月記者が行った質問に「事実誤認」があったとし、「記者の度重なる問題行為は深刻なものと捉えており、問題意識の共有をお願いしたい」という文書が送られていたことが後に発覚して大問題となりました。
 この問題については、様々な報道もありましたが、以下には、東京新聞自身が2月20日に公表した【検証と見解】が、同紙ホームページで全文公開されていますのでリンクしておきます。是非お読みいただければと思います。
 
東京新聞 2019年2月20日付朝刊
【検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ】
 
 併せて、各種団体・有志からも多くの声明が発表されましたが、その内のいくつかにリンクしておきます。
 
 
 実は、色々な事情から、本講演会のチラシの完成が遅れ、本格的な広報を始めたのは4月に入ってからという状況なのですが、チラシ配布に先立ち、3月28日に先行して私がFacebookにチラシ完成版の画像を添付して投稿したところ、またたく間に「シェア」が20件以上に!
 講演会の概要を伝えたFacebookへの投稿をそのまま引用します。
 
 
金原徹雄 Facebookへの2019年3月28日13時41分の投稿
【4/26 和歌山県民文化会館小ホールで望月衣塑子氏(東京新聞記者)が講演!~青法協・憲法を考える夕べ】
 
(引用開始)
 まだチラシは完成していませんが、事務局長から「この内容でチラシを発注しました」という連絡がありましたので、勝手に広報を開始します(あと4週間しかない!)。
 「今話題の」という表現が適切かどうかという問題はありますが、あの望月衣塑子(もちづき・いいそこ)さん(東京新聞社会部記者)が、青年法律家協会和歌山支部の招きにより、来る4月26日(金)(10連休突入の前夜)午後6時から、和歌山県民文化会館小ホールで講演されます。
 昨年の「憲法を考える夕べ」には前川喜平さん&寺脇研さんのダブル講演に、同会館大ホールに1500人もの聴衆が詰めかけました。今年はいくら何でもそんなことはないはずですが、それでも望月さんから内諾をいただいた後、急に浮上した官邸による言論封殺の動きで一躍「時の人」に!小ホールのキャパは324席ですが、広報の出遅れでちょうど良いくらいかも・・・。
 以下にチラシ記載情報を転記します。
 
青法協憲法記念行事 憲法を考える夕べ
 
2019年4月26日(金)開場 午後5時30分 開演 午後6時00分
和歌山市松原通一丁目1番地 電話:073-436-1331)
入場無料・予約不要(先着順)
 
民主主義とは何か 安倍政権とメディア
講師 望月衣塑子(もちづき・いそこ)氏
 1975年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、(株)中日新聞に入社、東京本社に配属。東京地方裁判所東京高等裁判所での裁判担当、経済部記者などを経て、現在東京新聞社会部記者。著書『武器輸出と日本企業』(2016年、角川書店)『新聞記者』(2017年、角川書店
 
主催 青年法律家協会和歌山支部
問い合わせ先
 和歌山市南材木丁二丁目38 電話:073-488-3090
 ふたば法律事務所(弁護士 太田達也)
(引用終わり) 
 
 望月さんの会社の先輩である半田滋さん(2014年)や、望月さんとご一緒に講演されてもいる中野晃一先生(2017年)でも、県文小ホールの半分ほどしか埋まらなかったというこれまでの実績から、「まあ溢れることはないのでは」「幸か不幸か広報も出遅れているし」と思う一方、前川さん並みとはいかないけれど、かなり反応が良いことは事実であり、正直、どれだけの方が会場に来てくださるのか、ふたを開けてみるまで分かりません。ということで、チラシに「先着順」とわざわざ断っている趣旨をご了解の上、ふるってご参加いただければと思います。
 
 なお、望月さんが2017年に角川新書で刊行された『新聞記者』を原案として、同題の映画が制作され、今年の6月28日に公開されるということを知りましたので、これもFacebookで紹介しました。話題作のようなので、おそらく和歌山のシネコンでも公開されるでしょう。是非観たいものです。
新聞記者 (角川新書)
望月 衣塑子
2017-10-12

 
(引用開始)
 来る4月26日(金)午後6時から、和歌山県民文化会館小ホールにおいて、「民主主義とは何か 安倍政権とメディア」と題した講演をされる東京新聞記者・望月衣塑子(もちづきいそこ)さんですが(主催:青年法律家協会和歌山支部/入場無料・予約不要・会場キャパ324・先着順)、その望月さんが2017年に角川新書から刊行した『新聞記者』を「原案」とする映画『新聞記者』(藤井道人監督)が6月28日に公開されます。シム・ウンギョン&松坂桃李のW主演!ということで話題を集めています。映画の公式サイトを探したのですが見つけられなかったので、とりあえず公式Twitterをご紹介します。
 予告編も、2分間の本格的なものは見当たらず、まだ短い「特報」だけが公開されているようです。こちらの方も是非注目したいですね。
  
(引用終わり)
 
(参考動画)
【全編動画】「FIGHT FOR TRUTH 私たちの知る権利を守る3.14首相官邸前行動」(日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)主催) ※望月さんのスピーチは1時間22分~1時間32分
 
望月衣塑子氏(東京新聞社会部記者)スピーチ+集会アピール提案「FIGHT FOR TRUTH 私たちの知る権利を守る3.14首相官邸前行動」
 ※上記動画の抜粋
 
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/望月衣塑子さん関連)
2017年6月18日
2018年1月21日
2018年1月31日
2018年2月10日

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4番目のブログ「冬の陽中(ひなか)から」について~こんなに簡単にブログが出来てしまって良いのだろうか?

 2019年4月3日配信(予定)のメルマガ金原.No.3412を転載します。
 
4番目のブログ「冬の陽中(ひなか)から」について~こんなに簡単にブログが出来てしまって良いのだろうか?
 
 2013年1月24日から2019年1月25日までの6年と2日間、「毎日更新」を続けていた私のブログが実は2つありました。
 
 
wakaben6888のブログ(Hatena) Since 2012年8月30日
 
 いずれも、私が限られた友人・知人にBCCで送信していた「メルマガ金原」をそのまま転載していましたが、当初、「Hatenaブログ」で「wakaben6888のブログ」を始めた時には、試験運用というつもりで、「毎日配信」ではなく、それなりに選別した上でアップしていました。
 一つには、「メルマガ金原」自体、2011年3月28日の創刊以来、はじめのうちは1日に複数発信することもたびたびで、その代わり、1つ1つの記事はごく短いものもたくさんあったという事情もありました。
  それが、2012年のうちに、「メルマガ金原」も原則1日1本となり、本格的に「弁護士・金原徹雄のブログ」を「livedoorブログ」で立ち上げた2013年1月以降は、メルマガ毎日送信&ブログ毎日配信となったのでした。
 その際、「wakaben6888のブログ」の更新を止めようかとも思ったのですが、既にこちらのブログにも固定読者がある程度付いてくれていたので、メルマガの記事をコピペするだけならそんなに更新の手間もかからないということで、こちらの方も更新を続けて(内容は基本的に「弁護士・金原徹雄のブログ」と一緒です)今に至っているという次第です。
 
 その後、「livedoorブログ」では、1つのアカウントで10個までのブログを作れるということだったので、2013年2月にもう1つのブログを立ち上げました。
 
 
 こちらの方は、「弁護士・金原徹雄のブログ」を補完するものという位置付けで、「メルマガ金原」からの転載ではない記事をアップしたい時に利用するつもりでスタートしたのでした。
 
 さて、以上のような経過から、3つのブログの更新を続けてきたのですが(もっとも、「あしたの朝 目がさめたら」の更新ははなはだ不規則でした)、今年の1月26日以降、私の体調の問題から、更新が思うにまかせなくなったことは、何度かブログでもご報告してきたところです。例えば、以下の2つの記事などをご参照ください。
 
2019年1月31日
 
2019年3月23日
 
 そのような状況にもかかわらず、私が3つ目のプロバイダ(ameba)で4つ目のブログを新たに始めた、と聞かれたらさぞ驚かれるでしょうね。
 実際、私自身がいささか呆然としているところです。そのブログというのはこちらです。
 
 
 実際、新たなブログを作ろうなどというつもりは一切なく、ただ単に知人がアメブロで開設しているブログをフォローしようと思って作業をしていたところ、いつの間にか自分でアカウントを作成する手順となり(これがものすごく簡単)、あっという間に「アメブロ」に自分のブログが出来てしまったというのが実情です。
 呆然とした後、すぐに削除してしまうことも出来たのですが、何だか勿体ないような気がして、つい1本目の記事を書いてしまいました。ここまで来ると、やはり「業」なのでしょうかね?
 その記事「はじめに~ブログタイトルについて」は、私が高校時代に作った(その後は作っていないので唯一の)俳句(これを基にブログタイトルを決めました)からの連想で、高校時代に古本屋で購入した書籍の思い出を書いたごく短いものなので、以下に全文引用しておきます。
 私のブログは原則として敬体(ですます調)で書くようにしていますが、この新たなブログでは、意図的に常体(である調)で書いてみました。文体を変えると、中身も少しは変化が見られるのではないか、という期待からです。
 
 もっとも、他の3つのブログの更新も間遠になっている今、このひょんなことから誕生させてしまった「冬の陽中(ひなか)から」をそうそう更新できるとは思えませんが、従来から私のブログを読んでいただいている方には、とりあえず「お披露目」をしておかねばと思い、ご紹介したという次第です。
 
 それにしても、メールを1本書くのと同じ程度の手間でブログが1つ立ち上がってしまうのですから、何と言ったら良いのか・・・。皆さんもやってみます?
 
 
冬の陽中(ひなか)から 2019年4月2日
はじめに~ブログタイトルについて
 
(引用開始)
 ひょんなことから、また一つブログを作ってしまった(これが3社目のプロバイダーで、ブログとしては4つ目)。はたしてこれから更新していけるのか、また、実名を公表する気になるのかすら定かではないが、そういういい加減なブログがあってもよいか。
 ということで、最初はブログタイトルについて。
 もう何十年前になるだろうか、私が生まれて初めて作った俳句(高校時代だったのは間違いない)、
   古本屋 冬の陽中の 店の前
が思い浮かんだので(というか、私はこれ以降俳句など作っていないので、それで憶えていた)、とっさにタイトルにしてしまったに過ぎないのだが、しばらくはこれでいこうと思う。
 ちなみに、陽中は「ひなか」と読んで欲しいと思っているが、そんな用法・読み方があるのかどうかも知らずに作ったものだ(今でも知らないが)。
 自転車通学していた高校時代、私が学校帰りによく立ち寄っていた古本屋が2軒あった。私の住む町は地方の県庁所在地であるが、当時(昭和40年代後半)でも既に古本屋は数少なくなっており、市内に数軒もあったかどうか。
 私が上記の俳句を詠んだ際に頭に浮かんでいたのは、行きつけの2軒のうちの1軒で、狭い裏路地に面し、西向きの店の表には客寄せのために格安の古本が平台の中にぎっしり並べられており、学校帰りに自転車で立ち寄った午後4時頃、冬の暖かい陽光に包まれながら、平台内の本を手に取っている情景が頭に浮かび、それをそのまま十七文字にしたものだった。
 この店では、高校生でも気軽に買える格安本も購入したはずだが、どんな本を買ったかは憶えていない。憶えているのは、戦前、坪内逍遙訳により、中央公論社が文庫サイズのハードカバーで出版した「シェイクスピヤ全集」全40巻を、親戚から貰ったお年玉をはたいて(5,500円だったと思う)購入したことであり、この全集は、今でも私の書庫に収められている。
 戦前の本といえば、北畠親房の『神皇正統記』(和綴じだった)を購入し、ぱらぱらと読める部分だけ流し読みしたことがあったが、これも同じ店で買ったのか、あるいはもう1軒の方で買ったのかは記憶にない。この本も、購入から既に40数年経つが、いまだに私の書庫の隅にひっそりと収まっている。
 ブログタイトルからの連想で、若い頃に購入した本のことを思い出して書いてみた。他の3つのブログ(今年に入ってからあまり更新できていないが)では、自分の職業や身元なども公開した上で、社会的な発言をすることを主な目的としてきたので、このような極めて個人的な思い出話を語るブログがあっても良いかという気がする。もちろん、「読者」などは全く期待できないけれど。
(引用終わり)

初めて大学の卒業式(学位記授与式)に出席しました

 2019年4月2日配信(予定)のメルマガ金原.No.3411を転載します。
 
初めて大学の卒業式(学位記授与式)に出席しました
 
※昨日(2019年4月1日)、Facebookに投稿した記事を、一部改訂増補の上転載するものです。
 
 一昨日(2019年3月31日)、和歌山市西高松(和歌山大学松下会館内)の放送大学和歌山学習センターで行われた2018年度第2学期・学位記授与式に出席し、「卒業証書・学位記」(教養学部・社会と産業コース)の交付を受けてきました。私にとっては、40年前の大阪市立大学法学部に続く2回目の大学卒業ではありますが、何しろ大阪市大の卒業式に私は出席しておらず、両親も、てっきり「また留年するのだろう(司法試験受験のために)」と思っていたという位ですから、そもそも大阪市大の卒業証書が家にあるのかも判然としません。
 しかし、今回の放送大学については、純粋に自分が勉強したい科目だけを少しずつ受講(もちろん授業料は自分が支払い)して積み上げてきた単位が、計算通り、全科履修生としての在籍年限ぎりぎりの10年で、ぴったり卒業要件を充足したのですから、それなりの達成感もあり、学位記授与式の案内が和歌山学習センターからあった際、ためらうことなく出席の返事をしたのでした。
 
 放送大学は4月と10月の年2回、学生を受け入れていますので、卒業も年に2回認定されます。2018年度第2学期の場合、和歌山学習センター所属の学生は、教養学部卒業が25名、大学院修士課程の修了が4名、そのうち、学部卒業生16名、大学院修了生2名が参加したのですから、大半の者が仕事を持ちながらであることを考えれば、なかなかの出席率だと思います。
 生涯で初めての大学卒業式への参加ですから、それなりの感慨もありましたが、一緒に学位記授与式に出席した方も、まさに放送大学ならではの多彩な人たちでした(まあ、現役の弁護士というのも「多彩」の一例ですが)。
 出席した卒業生・修了生は全員一言ずつコメントしたのですが、私のすぐ前のKさん(紀美野町在住の女性作家)は、「最初の大学では卒業まであとわずかというところで引きこもりになって退学してしまったので、是非出席したかった」と発言され、退学こそしなかったものの、似たような境遇(多分)だった私は、思わずそれにつられ、大阪市大の卒業式に出席しなかったという過去を告白してしまいました(最初は全然別の話をするつもりだったのに)。
 
 午前11時からの学位記授与式の後、午後1時から行われた「入学者の集い」にも、卒業生としての参加要請があったため、他の数名の卒業生と共に私も午後まで残り、「集い」の後の交流会も含めて参加し、楽しい一時を過ごすことができました。
 午後2時20分から3時まで行われた交流会では、4つのテーブルに入学者や卒業生、在学生が分かれ、限られた時間ながら、活発に交流できたのは良かったですね。
 私と同じテーブル(人文・社会系)には、在校生で公認サークル「俳句会」代表のKさん(80歳)が座られたのですが、このKさんは、毎週金曜日の18時から19時まで、雨の日も風の日も、関西電力和歌山支店前で原発反対を訴えるスタンディング(サイレント・アピール)を続けておられる方なのです。
 また、田辺市本宮町から来られた新入生のYさんも、有機農産物の流通から、現在は自然エネルギーを推進する活動に従事しておられ、これまでも田辺で行われた企画などに出かけた際何度かお目にかかっていたので、お互いに驚いたことでした。
 
 ところで、私のブログを熱心に読んでくださってきた読者(いるかな?)の中には、私が放送大学で開講されている講義(BSで視聴できる)のいくつか(例えば、高橋和夫先生の「パレスチナ問題」や、西澤晃彦先生の「貧困と社会」など)を推奨したり、面接授業をきっかけに万葉集所収の有名作の解釈を試みたり(山部赤人はどこから富士を眺めたのか?~「名歌「田子の浦ゆ・・・」を解釈する)する一方、2015年に発生した「日本美術史('14)」(主任講師は佐藤康宏東大教授)試験問題無断削除事件について、大学執行部を厳しく批判する記事を書いたりしたことを記憶されているかもしれません。そういえば、その批判記事の中で、当時副学長であった来生新先生のコメントについても批判していましたが、今回私が貰った卒業証書・学位記が、その後学長に就任した来生先生名義のものだったというのも、何やら因縁めきますね。
 その他、昨年4月から、それまで放送大学の授業を視聴できていたケーブルテレビ(私はJ-COM)の多くで視聴が出来なくなり、BS受信機を持っていない者はインターネット配信でしか視聴できなくなるなど、明らかに学生の受講環境が悪化していること。また、テレビ授業、ラジオ授業の他に、徐々に増えているオンライン授業にテキスト(印刷教材)がないのは、単なる省力化としか思えず、学生にとってのメリットはないのでは?など、放送大学に対して言いたいことは色々あります。
 さはさりながら、そのような問題はありつつも、生涯学習の拠点としての放送大学を評価することに変わりはなく、4月からは、新たに「生活と福祉コース」に継続入学しました。今回は最長6年在籍できるそうなので、今度もきっちり6年で卒業しようかと思っています。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/放送大学関連)
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『いま 日本国憲法は 原点からの検証(第6版)』(小林武・石埼学編)を読む~入院読書日記(1)

 2019年3月23日配信(予定)のメルマガ金原.No.3410を転載します。
 
『いま 日本国憲法は 原点からの検証(第6版)』(小林武・石埼学編)を読む~入院読書日記(1)
 
 2019年1月25日をもって、6年と2日間(2,193日間)「毎日更新」を続けてきた「弁護士・金原徹雄のブログ」の更新をいったん中断するのやむなきに至った事情については、1月31日に配信した「近況報告~今後のメルマガとブログについて」でご説明したとおりです。
 そこに記載したとおり、1月26日から同月30日まで、左自然気胸による入院を余儀なくされたものの、ドレナージ法によって回復し、何とか手術は免れて退院したのでした。 その後、このブログは、2月中に4回更新したものの、3月に入ってからは長らく「お休み」が続き、ようやく3月17日になって、「伊藤宏さん(和歌山信愛女子短期大学教授)の論文「ゴジラ映画における原子力描写-核兵器原発はどのように捉えられてきたか-」を読む」前編後編を一挙掲載したという状況です。
 
 ブログ「毎日更新」が途絶えた時、私が一番気にしていたのは、まさにこのような状況に陥るのではないか?ということでした。
 「毎日更新」を続けていた6年の間に書いた2,000編以上のブログの中には、「とにかく何か書かねば」という強迫観念(?)から、苦し紛れに書いたものも数多くあった反面、中には、あとで読み返してみても、「今でも皆さんに読んでいただく価値があるのでは?」という自信作も、たまには書けていたと(自分では)思います。
 これは、一種の「量が質を担保する」ということに他なりません。私のブログと比較するのもどうかとは思いますが、日本映画の黄金時代と言われる昭和20年代に、小津、溝口、成瀬、黒澤などの名匠・巨匠による傑作があいついで生み出された背景には、毎週のように新作が封切られるという大手映画会社による量産体制があったことは間違いありません。
 正直、今の体調を考えると、ブログ「毎日更新」などという無謀な(?)試みを再開することは不可能と思わざるを得ません。とはいえ、いったんブログを書かない日常生活に慣れ親しんでしまうと、書きたい素材があっても、なかなか再開するきっかけがつかめず悩んでいたところに、伊藤宏先生が、昨秋来の私との約束を忘れず、新たな紀要論文をお送りくださったことをきっかけとして、ブログ再開の意欲が湧いてきました。
 
 ということで、「これは書かねば」と思っていた素材(しかも構想では3回連載になる予定)にとりかかることにしました。シリーズタイトルは「入院読書日記」というもので、以下の3冊の読後感をシリーズで書いてみたいと思っています。
 
入院読書日記(1)
『いま 日本国憲法は 原点からの検証(第6版)』(小林武・石埼学編)
入院読書日記(2)
『「表現の自由」の明日へ 一人ひとりのために、共存社会のために』(志田陽子著)
入院読書日記(3)
日本国憲法』(長谷部恭男解説/岩波文庫
 ただ、ここで言う「入院」というのは、先のブログでご報告した1月26日~同月30日の入院のことではありません。実は、私は、1月下旬から3月上旬にかけて、3回にわたって入退院を繰り返しています(いずれも左自然気胸による)。
 
1回目 2019年1月26日~1月30日
2回目 2019年2月15日~2月19日(再発)
3回目 2019年2月28日~3月5日(手術)
 
 1回目の入院の際は緊急入院であったため、病室で読む本など用意しておらず、家人に家から持ってきてもらうほどのこともないと考え、これといった読書もしていません。
 これに対し、2回目は、前夜来の不調から「おそらく再発している」と覚悟しながら主治医の外来を受診しましたので、持参したカバンの中に、かねて読みたいと考えていた『いま 日本国憲法は 原点からの検証(第6版)』をしのばせておくことを忘れませんでした。
 そして、2回目の退院時に、手術を受けるための入院日として予約した2月28日に病院に向かう際に持参したのが『「表現の自由」の明日へ 一人ひとりのために、共存社会のために』と『日本国憲法』(長谷部恭男解説/岩波文庫)だったのです。
 従って、私が構想している「入院読書日記」で取り上げる書籍は、2回目と3回目の入院時に読んだものです。
 
 正直、ブログ「毎日更新」などを続けていると、まとまった読書の時間などなかなかとれないもので、『いま 日本国憲法は』も、『「表現の自由」の明日へ』も、刊行前からAMAZONで予約して入手していたものの、気になりながら読めていなかった本でした。
 それが、度重なる入院のおかげで(ブログの更新が止まった一方)一気に読めたのですから、皮肉なものですね。
 なお、以下の読後感については、敬体ではなく常体で書いています(この方が書きやすいような気がしただけで、他意はありません)。
 

入院読書日記(1)
 
『いま 日本国憲法は 原点からの検証(第6版)』
小林武・石埼学 編
2018年11月3日 第1刷発行
定価 3,000円+税
 
 
 1992年5月30日に初版第1刷が発行されて以来、定期的に内容を刷新してきた憲法教科書の第6版。編者は、初版から第5版までが小林武氏(沖縄大学客員教授)と三並敏克氏、そして、今回の第6版から小林武氏と石埼学氏(龍谷大学教授)となった。
 本書のそもそもの成り立ちは、「私たち執筆者一同に共通するものは、歴史の進歩につねに貢献している日本国憲法を愛する心であるが、そうであるのも、1991年に還暦を迎えられた立命館大学教授山下健次先生に学部および/または大学院において薫陶を受けたことによるといえる。」(初版のはしがき)とあるとおり、当初は同門の研究者が協力して作り上げた憲法教科書であったことが分かる。「(山下)先生は、2003年、本書の3版と4版の間に、病を得て73歳で帰らぬ人となられた。」(第6版はしがき)とのことなので、この第6版の執筆者全員が立命館の山下教授門下かどうかは不明ながら、初版以来の基本的な理念を尊重しながら内容をアップツーデートするという編集の方向性を理解した上で適切な原稿を分担執筆するという、共著教科書を充実した内容とするために必須の基盤を確保する上で、基本的に同門の研究者が執筆するという伝統は、有効に機能しているのではないかと思える。
 
 初版以来の本書の特色は(各版の「はしがき」を通読したところ)、つまるところ、以下に引用する「初版のはしがき」に書かれた理念に集約されていると思われる。
 
「本書では、今日の現実の問題-憲法政治の「現点」-を、憲法がその出発においてかかげ、その後も変わることなく脈打っている精神-憲法の「原点」-から照らし出し、それを検証することを試みた。そのため、第一部では、序論として、日本国憲法の全体について、現在の憲法学上の主要な論点のすべてを一応は網羅する形で、小林(武)が叙述し、それを前提にして、第二部の本論において、7名の執筆者が、各々今日的テーマを、たんなる解説の域を超えて自由に論じることにした。」(初版のはしがき) 
 
 今回の第6版においても、「第1部 日本国憲法をデッサンする」(1~101頁)は小林武氏の単独執筆であり、憲法の歴史や基本原理を概説したうえで、近代憲法の2大領域である人権保障と統治機構について、主要な論点をほぼカバーする形で叙述している」(第6版1頁)。
 これに対し、第6版では、第2部以降に大きな変革が加えられている。「第2部 日本国憲法の眼で政治を検証する」(103~209頁)を、従来の「論文調」から、事案とその解説からなるケーススタディ形式に変更した他、「第3部 権利実現の現場と日本国憲法-実務家との対話」(211~286頁)が新設されている。とりわけ第3部を設けた意図について、編者は以下のように説明している。
 
「第3部は、憲法の教科書としては大変にユニークなものであるが、日々の仕事の中で憲法の趣旨を具体的に実現させようとしている実務家と憲法研究者の対話である。第3部のねらいは、とくに憲法の初学者に、だれもが尊重されるべき個人(憲法13条)としてその生を全うできるように日々尽力している専門職(養護学校教員、精神保健福祉士、弁護士)にそれぞれの現場の実情や苦労やそこで働く意義等を示してもらい、憲法研究者がそれに若干の解説を付することにした。とくに憲法の初学者には、いきなり抽象度の高い憲法論に接するまえに、この第3部の憲法の諸条文の趣旨が具体的に活用されている現場の描写を一読していただくことを薦める。」(第6版はしがき)
 
 さて、以下に私の読後感を述べたいと思うが、何を言うにも、本書は憲法の教科書である。悪戦苦闘の末にようやく司法試験に合格した1986年から既に33年近くが経過しようとしているが、2年間の司法修習中にも、また弁護士としての実務に就いた後も、ついぞ憲法の教科書を「通読」したことはなかったので、病院のベッドに横になりながら本書を読み通したことは、実に「新鮮」な体験であった。
 もっとも、司法試験合格後も、憲法の教科書・基本書を「参照」したことならもちろん何度もあるし、「通読」に近い経験としては、昨年、「ファクトチェック:芦部信喜教授は東京大学で「立憲主義」を教えなかったのか?~『国家と法Ⅰ 憲法』(放送大学印刷教材)から検証する」というブログを書くために、芦部教授が東京大学を定年退職した後の1985年に、放送大学での講義のためのテキストとして書いた(東大での講義録を基に弟子に書いてもらった草稿に手を入れて完成した)教科書を入手し、ざっと斜め読みしたことならある。
 しかし、まさに現役の学部の学生を主たる対象として書かれた最新の憲法教科書を熟読するという、おそらく今後もう二度とないかもしれない経験ができたのは有意義だったと思う。
 
 以上の総括的感想を踏まえ、以下、個々の感想を述べる前に、版元(法律文化社)のホームページに掲載されている「目次」の主要部分を紹介しておく。
 
第1部 日本国憲法をデッサンする
 第Ⅰ章 近代憲法と日本の憲法[小林 武]
 第Ⅱ章 基本的人権の保障[小林 武]
 第Ⅲ章 統治機構―人権確保のための政治のしくみ[小林 武]
 
第2部 日本国憲法の眼で政治を検証する
 第Ⅰ章 平和憲法の「いま」
  1 平和憲法70年の意義―政権党による9条改憲をどうとらえるか[小林 武]
  2 安全保障関連法と9条3項加憲論[近藤 真]
  3 沖縄:基地のまちの学校-安保条約のいま[小林 武]
 第Ⅱ章 人権のすがた
  1 公共空間[成澤孝人]
  2 アーキテクチャ,人,プライバシー[上出 浩]
  3 障害者に対する合理的配慮[石埼 学]
  4 堀の中の選挙権―成年者による普通選挙の番外地[倉田 玲]
  5 日の丸君が代[成澤孝人]
  6 学問の自由と軍事研究[近藤 真]
  7 規制緩和―財産権,営業の自由[坂田隆介]
  8 健康で文化的な最低限度の生活とは―生活保護基準の切り下げ[坂田隆介]
  9 「貧困の連鎖」の解消のために―教育の機会均等[彼谷 環]
  10 広がる同性パートナーシップ―家庭生活における両性の平等[彼谷 環]
  11 インターネット時代の実名報道―無罪推定原則と憲法[石埼 学]
 第Ⅲ章 統治のかたち
  1 天皇制[成澤孝人]
  2 「女性議員を増やす」という政策―「全国民の代表」と「男女平等」[彼谷 環]
  3 2つの県でも1つの選挙区―全国民を代表する参議院議員[倉田 玲]
  4 53条要求の無視―国会と内閣[成澤孝人]
  5 「強行採決」―司法審査の限界?[坂田隆介]
  6 森友公文書改ざん事件―内閣の対国会説明責任[石埼 学]
  7 京都市宿泊税条例―地方公共団体の課税権の意義と限界[石埼 学]
  8 憲法改正[石埼 学]
 
第3部 権利実現の現場と日本国憲法―実務家との対話
 1 一人ひとりの子どもを大切にすること―特別支援教育憲法
  [現場:竹村直人][憲法:上出 浩]
 2 自分を大切にすること―精神保健福祉と憲法
  [現場:塩満 卓][憲法:石埼 学]
 3 労働者の権利を大切にすること―司法による労働者救済と憲法
  [現場:大河原壽貴][憲法:坂田 隆介]
 
 私は、はしがき、目次、索引などを含めれば300頁余りのこの教科書を、「はしがき」の助言(先に引用した部分)に従い、第3部⇒第2部⇒第1部⇒目次⇒初版から第6版までの全ての「はしがき」の順序で通読した。
 読み終わった時点でもまだ退院できなかったため、さらに第3部をもう一度読み、さらに第1部も2回読んだところで退院となった(従って、第2部は一度しか読んでいない)。
 以下は、その上での感想をアトランダムに書き留めたものである。
 
 本書が第6版で初めて試みた「実務家と憲法研究者の対話(といっても、対談形式で書かれている訳ではない)」(第3部)は、実務家のはしくれである私にとっても、非常に興味深く読み進めることが出来たし、教えられることの多い3編であった。
 特別支援教育、精神保健福祉、労働者救済という3つの「現場」で、憲法の条文や理念がどのように活かされているのか、また逆に、日々の「現場」での実践から、憲法を照らし出し、関連条文をどのように解釈し、「現場」にフィードバックしていくべきかという循環過程を、自ずから読者に考えさせてくれる絶好の教材であると思う。
 編者は、「憲法の初学者」(その多くは学部の学生であろう)に、まず第3部から読むことを推奨しており、それに異を唱えるつもりは毛頭ないが、私としては、「憲法の初学者」ではない社会人読者にこそ、第3部から読み始めることをお薦めしたい。
 「憲法の初学者」にとっても、自分なりの社会体験はあるだろうし、それを踏まえて、第3部で取り上げられた3つの「現場」についての想像力も働くとは思うが、やはりより多くの経験を積み重ねてきた社会人読者にこそ、各「現場」の問題点が端的に伝わり、それとの関連で憲法をどう捉えるかについての高い問題意識も期待できるのではないか。もっとも、こう考えるのも、私が50代になってから放送大学教養学部)の現役学生となり、生涯学習について興味を持ち続けているという特殊事情によるものかもしれないが。
 もちろん、初学者にとっても非常に刺激的で、憲法を学ぶ導入部としての役割を十分に果たしてくれることは間違いないと思う。
 
 なお、具体的な事例から憲法を考えるためには、判例を通して学ぶというメソッドもあり、そのための教材も豊富に出版されているようである。しかし、判例として残る事件はそれぞれに特殊個別性を有しており、必ずしも日本国憲法の「いま」を検証するのにふさわしいとは限らないことから考えると、本書第3部のような「実務家と憲法研究者の対話」は、本書のタイトル『いま 日本国憲法は 原点からの検証』を実現するための最も適切なスタイルなのかもしれない。
 
 私には、現在、日本の大学でどのようなタイプの憲法教科書が使われているのかについて知識の持ち合わせが全くないため、本書の第3部と類似した試みを行っている類書があるのか否かは不明であるが、第6版に至って、「実務家と憲法研究者の対話」(第3部)を新たに設定したことは、「今日の現実の問題-憲法政治の「現点」-を、憲法がその出発においてかかげ、その後も変わることなく脈打っている精神-憲法の「原点」-から照らし出し、それを検証する」という初版が掲げた編集理念をより良く実現する、素晴らしい企画であったと賞賛したい。
 
 ただ、そうすると、第2部と第3部の棲み分けというか役割分担をどう考えるのか?という問題がありそうに思う。
 「第2部 日本国憲法の眼で政治を検証する」(とりとりわけ「第1章 平和憲法の「いま」」と「第2章 人権のすがた」)で取り上げられた各テーマについては、「権利実現の現場と日本国憲法―実務家との対話」でも取り上げることが十分可能なテーマではないかという気がする。
 しかし、何をいうにも、教科書として許容される頁数に限りもあり、全て「実務家との対話」にするという訳にもいかないし、また、その必要もないだろう。もっとも、第2部、第3部で取り上げた各テーマを全て「実務家と憲法研究者の対話」でまとめた本があっても興味深いとは思うが、それは本書とは別企画だろう。
 
 その第2部では、平和、人権、統治の3セクション、合わせて22のテーマが取り上げられている(内容は先に引用した目次を参照されたい)。選択されたテーマは、まさに日本国憲法の「いま」の姿を浮かび上がらせるために不可欠なものばかりである。
 社会人読者であれば、自らの関心に従って、気になるテーマから読み進めていけばよいのであるが、指定教科書として購入した学生は、はたしてこの第2部をどのように読むのだろうか、と思いながら、私は第2部を通読した。
 高校時代にこれらのテーマについて何の関心も持っていなかった学生が、いきなりこの第2部を読んで、はたして何を思うだろうか?さらに詳しいことを知りたいと考え、インターネットや図書館で知識を深めようとするだろうか?自分の学生時代(40年以上前だが)を振り返ってみると、とてもそんな姿は思い浮かばないのだが。
 とはいえ、22全てのテーマについて、さらに深めた学習を志す学生などいるはずがなく、とりあえず、問題の所在についてのざっとした知識を身に付けた上で、この内1つでも2つでも、継続して関心を持ち続けるテーマを見つけてもらえれば、編者の目的は十分に達成されるということかもしれず、そのように理解すれば、分担執筆された22の解説は、その目的に適った論考が集められているというべきだろう。
 
 私は、第3部、第2部を読んだ後、最後に「第1部 日本国憲法をデッサンする」を読み進めた。実は、初版以来の編者である小林武氏が執筆された約100頁の憲法概説を読んだ印象は、1回目と2回目では相当に異なるものだった。
 小林氏は、この短い「デッサン」の中で自説を明確に主張することをためらっておらず、それ自体は評価するし、同氏の学説の多くには共感できるものの、
明治憲法の評価が低すぎないか?
象徴天皇制の評価についても全面的には賛同できない。
などということにひっかかっていたのであるが、(退院まで時間があったので)2回目に読んだ際には相当に印象が変わっていた。
 といっても、個々の学説についてのことではなく、わずか100頁の中に、憲法全体のエッセンスを一貫した基準点に立ちながら叙述するという、一種の「力業」が見事に達成されているというもので、これは誰にでも書けるものではない、と言っては失礼極まりないかもしれないが、そのような感想を持った。
 
 なお、本書1冊を精読しただけで司法試験に挑む人はいないと思うし、司法試験のためには、深めるべき知識がもっと必要である(平成30年度の司法試験問題)。
 しかし、合格のために必要な知識は知識として、基本的な憲法の理念は、本書を熟読することによって十分身に付けることができるのではないかと思われる。

 ただ、本書をスタート台として、さらに発展的な学習に結びつけるのに有益な参考(推奨)文献の、しかも編者による簡単なコメント付きのリストがあればなお良かったとは思うが、頁数に限りがある中では難しかったかもしれない。それに、読むべき文献を探索すること自体「学び」の重要な手段であることを思えば、そこは読者の自主性に委ねることにも理由があるとも考えられる。
 
 以上、雑駁な感想を書き連ねたが、入院という偶然の機会があったからではあるが、新鮮な気持ちで憲法の教科書を通読できたのはまことに幸いであった。
 かつて憲法を学んだ元学生にも、また学ぶ機会の得られなかった者にも、自習用・憲法教科書として、本書「『いま 日本国憲法は 原点からの検証(第6版)』」をお薦めする次第である。
 

(弁護士・金原徹雄のブログから/小林武氏関連)
2014年10月5日
2014年10月18日
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/石埼学氏関連)

2015年5月29日
龍谷大学・石埼学教授による日本国憲法講義「平和主義と安保法制」を受講しよう
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石埼学龍谷大学法科大学院教授の講演をレジュメから振り返る~4/2「守ろう9条 紀の川 市民の会」第12回総会から
2016年4月5日

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2018年8月4日