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長野たかしさん・あやこさんの新作CD『残り時間』を是非聴いて欲しい

 2020711日配信(予定)のメルマガ金原No.3472を転載します。

 

長野たかしさん・あやこさんの新作CD『残り時間』を是非聴いて欲しい

 

 「『関西フォーク』というムーブメントがあった」と聞いてぴんと来る人、知識として知っているだけではなく、「自分もそのムーブメントに参加していた」という自覚がある世代の中では、1954年(昭和29年)生まれの私などは、比較的若い方(?)でしょうか。

 「関西フォークの時代」をいつからいつと定義するかは困難な問題ですが、私の個人史に引きつけて言うと、1967年末の『帰ってきたヨッパライ』(ザ・フォーククルセダーズ)の発売・大ヒット(私は中学1年生)に始まり、岐阜県坂下町(現中津川市)、椛の湖のほとりで開かれた第3回全日本フォークジャンボリー(高校2年生だった私も友人とテント持参で参加していた)が、一部参加者による舞台占拠をもって幕を閉じた1971年夏まで、という気がします。

 

 そして、その頃歌い始めたアーティストで、今なお現役という方々も多い中で、私が、ここ数年の間に、和歌山のライブハウスで生の演奏に複数回接することができ、とても感銘を受けた方々のお名前を挙げるとすると、中川五郎さん、よしだよしこさん、そして、長野たかしさん(元五つの赤い風船のベーシスト)と奥様の森川あやこさんでしょうか。

 

 このうち、長野たかしさん・あやこさんについては、ほぼ毎年、和歌山でのライブにおじゃましているように思います。実際、そのライブ会場で手売りされていた以下の4枚のCDを都度購入させてもらっていますので。

 

Face to Face 面と向かって!』 6曲収録

 「花をください」「君こそは友」「心のネット」「生きる」「コップ半分の酒」「Hard Times Come Again No More

 

『希求』 11曲収録

 「めぐり逢い」「灰色の街」「私が歌う理由(わけ)」「コップ半分の酒」「希求」「Last night I had strangest dream」「追放の歌」「勇気を出して」「モノローグ」「つまんない歌」「夢の夜会」

 

『同じ丘に立って』 10曲収録

 「同じ丘に立って」「私が私と言えるよう」「このままじゃ死ねないね」「心許なきこの国で」「光あるうちに」「街はレンガ色に」「何もせん隊ダジャレンジャー」「いいんだよ それで」「守ろうこの平和」「同じ丘に立って(instrumental)」

 

『れぞれの木は空へ 2018.11.10 長野たかし50周年記念ライブ with あやこ』 14曲収録

 「残りの人生で」「モノローグ」「同じ丘に立って」「灰色の街」「Fight To The Last」「私が私と言えるよう」「コップ半分の酒」「光あるうちに」「それぞれの木は空へ」「心許なきこの国で」「希求」「めぐり逢い」「いいんだよ それで」「君こそは友」

 

 ところが、今日ご紹介しようと思っている出たばかりのお二人のCD『残り時間』(10曲収録)は、ライブ会場での手売りではなく、「先行予約」した上で郵送していただいたものです。

 その間の経緯を理解していただくには、長野さんご自身が「CD先行予約」をFacebookで呼びかけた文章の一部を引用するのが良いでしょう。

 https://www.facebook.com/groups/522771518349954/permalink/557523078208131/

 

(引用開始)

いよいよ、生活苦が現実のものとなりました。

予約をしていたライブハウスから続々と中止、延期、そして開催中止・延期を促すメールや電話が届いています。

そんな中、政府の休業補償とは名ばかりで、ほとんどのツアーミュージシャンは、減収証明ができる書類などはなく、網の目から落とされます。

私どももその中の一人です。

その上、緊急事態宣言が発せられると、私どものライブをしてくれる頑張っているライブハウスも、今後ライブ開催ができるか微妙ですので、ライブをして得る私の現金収入も断たれてしまいます。

そこで、私どもが生き抜く方法としては、現在できている新曲をCDにしたり、これから作っていく曲を録音CDにして皆さんに買って頂くしか術がありません。

しかし、現在、CD製作する資金もなく、前回させて頂いいた様に先行予約という個人的なクラウドファンディングを行いCD製作資金と生活費を確保するしかありません。

(略)

販売予定価格は3000円

どうか先行予約をお願いいたします。

どうぞ宜しくお願いいたします。

目標は「所得補償給付」と同じ額の30万円です。

30万円が集まったところで、CDの原版をプレスにまわせるよう、残りの曲を作ろうと思います。30万円との競争と、自分にプレッシャーをかけておきます。…基本なまけもんなんで。

(引用終わり)

 

 ここまで率直な文章を書ける人はあまりいないかもしれません。

 この文章が書かれたのが4月7日、奇しくも一都二府四県に緊急事態宣言が発令されたその日であり、まだ、全国民に所得制限なしで10万円ずつ支給する方針に転換する前のことでした。

 

 CDのジャケットに長野さんが書かれた文章も少し引用してみましょう。

 

(引用開始)

2020年1月16日、70歳の誕生日を迎え、今年は頑張って古希記念70ヶ所ライブツアーに取り組んでみようと、日本各地のライブハウス、ライブ居酒屋、喫茶店の情報を集め、ツアー計画を立て動き始めました。ところが、2月初め頃からクルーズ船でのコロナウイルスによる感染患者のことが報道され出し、ライブ中止、延期の連絡が次々と入ってきたのです。ライブのできないツアーミュージシャンにとっては死活問題。考えた末「私のできることは、曲を作り歌うこと」。CDを作り売れば口に糊することもできるのではないかという結論に至りました。

(引用終わり)

 

 全国のライブハウス(居酒屋、喫茶店)を回って演奏されているミュージシャンの皆さんにとって、「歌う場」に対する行政からの休業要請、そして正式要請の前から吹き荒れていた「自粛」の嵐は、まさに、表現活動と生計の双方を直撃する「死活問題」だったわけです。

 徐々にライブは復活の兆しを見せ始めているとはいえ、いまだ危機の渦中であり、今後の演奏活動とそれを支える収入の確保は、全てのミュージシャンにとって切実な問題であり続けているのだろうと思います。

 

 そのような中、届いた長野たかしさん・あやこさんによる待望の新作CD『残り時間』です。タイトルを見て、私は前作の冒頭に収録された『残りの人生で』を思い出しました。その歌詞をご紹介したいのは山々なのですが、最初の1行を書き写すと、それで歌詞の全部を転記したことになってしまい、著作権法上の「引用」として許容されるかどうか、いささかためらいがありますので控えておきます。

 いずれにせよ、私は、長野さんの5学年下ですが、「残り時間」で何が出来るか、いやでも意識せざるを得ない年代となっていますので、私にもぴったりと身につくタイトルです。

 

 収録されているのは以下の10曲です。

 

『残り時間』

1.Hard Times Come Again No More  詞・曲:Stephen Foster 訳詞:長野たかし

2.More to Come  詞・曲:長野たかし

3 私に嘘はつかないで   詞・曲:長野たかし

4 午前0時の鐘が  詞・曲:長野たかし

5 だいじょうぶ  詞・曲:長野たかし

6 Chain  詞・曲:長野たかし

7 平和の道(平和行進のうた)  詞・曲:長野たかし

8 道の駅  詞・曲:長野たかし

9 自分の心に正直に  詞・曲:長野たかし

10 風が吹く  詞・曲:長野たかし

 

 この1曲、1曲の感想を書いていてはきりがありませんし、第一、実際の曲を聴いていない人にその良さを伝えることはもともと至難なことなので、あきらめました。

 その代わりとして、長野たかしさん・あやこさんのファン代表(?)として、このアルバムのレコーディングにも参加されている、大阪の熊取町議会議員であり、琵琶奏者でもある江川けいこさんのFacebookに書かれた感想の一部を引用させていただきます。ちなみに、江川さんは、和歌山での長野たかしさん・あやこさんのライブにも、長野さんのベースで演奏するオープニングアクトの出演者として何度も出演されており、昨年のライブで演奏された『感謝』(作詞:北山修、作曲:加藤和彦)はとても素晴らしかったですよ(何組も出演していたので、間違っていたらごめんなさい)。

 https://www.facebook.com/keiko.egawa.9/posts/3053282954757750

 

(引用開始)

【残り時間】~えがどんの勝手な感想~

 長野たかしさんの「希求」を5年前に初めて聞いた時、私が探し続けていたのはこんな歌だと心奪われ、それからは二人の追っかけを可能な限りしています。

 あれから4枚のCD(アルバム)が生まれました。

 新曲の制作に没頭する長さんの気迫と、「こんな音どう?」と気に入ったコードをひいて聞かせてくれた時は、それが楽しそうでたまりませんでした。

 今回、新しいCDをつくると聞いた時、二つのお願いをしました。

 一つは琵琶の音色を入れてほしいとお願いしました。長さんは琵琶の特徴をすぐ理解され、調弦を変えて挑戦するこができました。プロってすごいなと思いました。「道の駅」は、ご高齢のご夫婦が人生の道の駅で一息つきながら、これまで目指してきたことや、将来について戸惑いを感じながらも二人で生きていこうという、長さん自身の人生を歌ったものだと思いました。そんな曲に琵琶の音を入れて下さったこと、とっても感謝しています。

 二つ目は、「平和行進」に向けた曲を作ってほしいとお願いしました。毎年広島・長崎まで核兵器の廃絶と平和を求めてみんなで歩きます。音楽を通して元気に歩けて、歌詞は覚えなくても誰でも気軽に歌えるような曲にしてほしいとお願いしました。そこで生まれたのが「平和への道」です。今年は特に新型コロナ感染症で行進時に歌えなかったのですが先導カーから「平和の道」が流れると「元気が出た」との感想をいただきました。行進用はガヤ(会話)抜きで伴奏たっぷりの分を頂きました。

 私は「五つの赤い風船」時代を知りませんが、どの曲もいとおしいです。あやこさんが長さんの歌詞に込められた思いをまっすぐ受け止め、尊重しながら歌い、二人のハーモニーが絶妙です。ぜひ聞いてほしいです。

(略)

 今回のCDには多くのミュージシャンが加わり、とっても豊富な曲想で楽しめます。いろんな意味で私の支えになった曲ばかりです。勝手な感想をるる述べましたが、ぜひ手に取って聞いてくださいませ。

(引用終わり)

 

 1曲1曲の紹介はあきらめると書きましたが、音源をご紹介できる曲はこの限りにあらずということで、長野たかしさんの公式YouTubeチャンネルで聴ける『残り時間』収録の2曲は是非聴いてください。

 

 まずは、『午前0時の鐘が』です。

 この曲については、アルバムのジャケットに長野さんご自身が書かれた紹介文をお読みいただくべきでしょう。

 

(引用開始)

特に劇団(※金原注 人形劇団MOMO)の作品を通じて、長年やってきた環境問題については、コロナ禍とは切り離せない問題だと知りました。ウイルスは単独では生存することができず、何らかの生物を宿主としていなければならず、その宿主が絶滅の危機に陥ると、別の生物に宿り生き延びていくということを知りました。つまり、人類が自然破壊を行い、絶滅危惧種を作っていく限り、COVID-19のようなウイルスが、次から次と、人類に襲い掛かって来るということです。

このことは必ず訴えようと「午前0時の鐘が」を書きました。

環境危機時計という、地球環境問題の悪化に伴う人類存続危機の程度をどのように感じているか、時計の針にたとえて表示したものがあります。

2019年の調査では「9時46分…極めて不安」となっております。

 https://www.af-info.or.jp/ed_clock/

MVも作り、YouTubeに載せておりますので、ぜひ一度ご覧ください。

(引用終わり)

 

『午前0時の鐘が』

 https://www.youtube.com/watch?v=ZI5AjFjX4Os

 

 もう1曲、全曲ヴァージョンがアップされているのが『私に嘘はつかないで』です。

 この曲は、長野たかしさん・あやこさんがやっておられる人形劇団MOMOの「主演女優」(自称なので、本当かどうかは知りません)である「ザベス」ちゃんのデビュー曲ということのようです。

 曲は、字幕付きの演奏を聴いていただければ分かりますが、ダブル・ミーニングの技法で作られています。

 3番まである歌詞の1番だけ引用します(この程度なら著作権法が許容する「引用」でいけるでしょう)。

 

(引用開始)

ちゃんと目を見て話してよ

いつも話をはぐらかす

責任とるとは言うけれど

口から出任せ嘘ばかり

 笑いあってた金髪だーれ?

 いくら貢げば気が済むの

 ガラクタばかりを押しつけられて

 なにがそんなに嬉しいの

私に嘘はつかないで

勝手にルールは変えないで

私に嘘はつかないで

勝手にルールは変えないで

(引用終わり)

 

 表向き(?)の意味は、不実な交際相手の男性をなじる健気な女性の嘆きですが、裏の意味はもちろん(普通の大人には)分かりますよね?これが分からない人は、よほど世間離れしている・・・と私などは思いますが、実はそういう人が案外多いのかも。

 

 アルバム収録ヴァージョンは、さらにYouTube版に手を加え、素敵なアレンジになっていますよ(この曲に限らず、『残り時間』の多彩な編曲はとても優れていると思います)。

 

『私に嘘はつかないで』

 https://www.youtube.com/watch?v=HK2c4nQZ-CU

 

 今回の収録曲10曲の中で長野たかしさん公式チャンネルにアップされている曲が実はもう1曲ありました。それがフォスターの『Hard Times Come Again No More』です。

 長野さんが、東日本大震災に衝撃を受け、自らの訳詞で歌い始めたこの曲ですが、2011年6月、宮城県牡鹿半島の小さな避難所を支援物資を持って回った際、「ある漁村に来たとき、どうしてもこの歌を、今、ここで歌わなければならないという衝動にかられ、歌った」映像です。

 訳詞も掲載されたご自身による解説とともにご視聴ください。

 

Hard Times Come Again No More

 https://www.youtube.com/watch?v=M_xsX-ixM-c

 

 今回のアルバム『残り時間』の冒頭に、再び『Hard Times Come Again No More』をニューアレンジで収録(もちろん、あやこさんと2人で歌っています)したのは、もちろんコロナ禍に見舞われた(ご自身も含めた)人類のために「波間に漂う小船のように/辛いことが続いても/きっといつかは祈りは届く/OhHard Times,com again,no more」(訳詞の4番より)と歌わずにはいられなかったのだと思います。

 

 なお、このニューアルバム『残り時間』の入手方法ですが、長野たかしさんのFacebook(7月8日付)では以下のように説明されています。

 https://www.facebook.com/bass.chou3/posts/4023590074382224

 

(引用開始)

7月7日発売!のお約束果たせました。

ご予約頂いていた方へのCDを、全て投函、送付いたしました。

既に届いた方からの、嬉しい感想がぞくぞく届いております。

ありがとうございます!

◆ご希望の方は、メッセンジャーにて、ご住所、お名前をお知らせ下さい。

到着後送金・送料込みの3000円でおわけしております。(振込用紙を添付します。)

宜しくお願い致します。

(引用終わり)

 

 これによれば、長野たかしさんのFacebook

  https://www.facebook.com/bass.chou3?epa=SEARCH_BOX

メッセンジャー

  CD『残り時間』 〇枚購入します。

  住所&氏名

と書いて送信すれば良く、料金(送料込みで3000円)は、CD到着後に同封された振込用紙で送金する(その送金手数料は購入者負担)ということのようです。

 書かれてはいませんが、注文する際には、自己紹介とFacebookの友達申請も併せて行うのが良いように思います。

 

 それでは、Facebookをしない人はどうすれば良いのか?ということが問題となりますが、

〇これを機にFacebookのアカウントを取得する

Facebookをやっている家族・友人などに頼んで注文してもらう

〇長野さんのライブ情報などをもとに(閲覧するだけならFacebookのアカウントがなくても大丈夫)ライブに出かけていって長野さんから直接購入する(お二人のサインも貰える)

のどれかですかね。 

  実は、先行予約していたCDを送っていただいたので、長野さんの住所も携帯番号もメールアドレスも分かるのですが、勝手にこのブログで公開する訳にもいきませんしね。この程度の情報提供でご了解ください。

 

 以上で、少し長くなり過ぎたような気がするCD紹介を終えます(私の文章は概して長くなり過ぎる傾向があります)。

 CDも素晴らしいですが、是非また和歌山のライブ会場でお二人の演奏を接することのできる日が近いことを心から願っています。

 

(付録)

 今回のアルバム収録曲以外にも、長野たかしさんのYouTubeチャンネルには素晴らしい曲が何曲もアップされていますが、その中から、「日本国憲法賛歌」というサブタイトルを持つ曲をご紹介しましょう。

 

『それぞれの木は空へ・日本国憲法讃歌』

 https://www.youtube.com/watch?v=DyfzdLRw-m8

 

(余談)

 このブログの巻末に『残り時間』のジャケット(表)の画像を掲載していますが(厳密に言うと著作権侵害のような気もしますが、まあ長野さんの了解は得られるだろうということで)、逆向きになっていて読みにくいとは思いますが、「ヒヤリングアート株式会社」という補聴器の会社による広告が掲載されています。長野さんが最近補聴器を使われているということは、昨年のライブの「ネタ」にもなっていましたが、その補聴器の会社がこのCDの制作に「賛助広告」を出してくれたということでしょう。とても感心しましたので、以下に広告全文を引用します。

 

(引用開始)

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(引用終わり)

 

(弁護士・金原徹雄のブログから/長野たかしさん&森川あやこさん関連)

2014年5月6日

音楽で憲法を感じる、考えるⅡ(長野たかし氏・森川あやこ氏 奉納ライブ 鞍馬寺

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/37958676.html

2015年4月5日

5月3日の過ごし方~鞍馬寺・奉納ライブ(長野たかし・森川あやこ他)はどうですか?

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/43500271.html

2016年12月27日

長野たかしさんの「乗り越える」ための新しい“We Shall Overcome”~付・CD『希求』ダイジェスト試聴のお勧め

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/49170091.html

 

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関西電力が日置川(和歌山県白浜町)の原発立地事務所を閉鎖(2020年6月30日)

 2020年7月7日配信(予定)のメルマガ金原No.3471を転載します。

関西電力が日置川(和歌山県白浜町)の原発立地事務所を閉鎖(2020年6月30日)

 和歌山県の旧日置川町(ひきがわちょう)は、関西電力による原子力発電所立地計画が進められた県内の複数候補地の1つであり、推進、反対に町を二分する過酷な状況が長期間続いた末、反対派の町長が当選するに到り、とりあえず原発建設は阻止されました。
 しかし、計画が頓挫した後も、関西電力は入手済みの日置川町(その後の合併により白浜町)の土地を手放さず、現地事務所も閉鎖せずに職員を常駐させ続けていることから、「使用済核燃料の中間貯蔵施設建設を狙っているのでは?」ということが、長く取り沙汰されてきました。

 そして、その「噂」が具体的な「懸念」に転化したのは2017年11月のことでした。同月23日、関西電力の岩根社長が福井県知事に対し、使用済核燃料中間貯蔵施設の県外立地について「2018年には具体的な計画地点を示す」と表明したのですが、これは、知事が大飯原発3・4号再稼働同意にあたり「できるだけ(中間貯蔵施設の県外立地を)具体化してほしい。関電は再稼働にあたって答えを示す必要がある」と求めたことに応じたものでした。
 これにより、一気に日置川町と合併した白浜町に注目が集まることになり、関西電力の関連会社が新たな土地を買い入れていることなども広く知られる事態となりました。

 これ以降、パンダと温泉の町・白浜に核のゴミはいらない、という運動が盛り上がり、県内、県外の諸団体からの要請や地元住民による反対運動のための団体結成が相次ぎ、このため、当初腰が定まらないと見られていた井澗誠(いたに・まこと)町長も、2018年9月定例会の冒頭で、「使用済み核燃料の中間貯蔵施設につきましては、(略)受け入れることは考えておりませんし、仮に将来的に事業者等から申し入れがあったとしても、受入の協議を行う考えはありません」と表明するに至りました。
 そして、翌2019年12月18日、白浜町議会は、放射性物質の受け入れを拒否することなどを内容とする「白浜町安心・安全なまちづくり推進条例」を全会一致で可決しました。
 ここで、同条例の第7条をあらためてご紹介しておきます。

(引用開始)
第7条(環境の整備等) 町は、全ての町民、観光旅行者等が安心して、安全かつ快適に生活又は滞在することができる環境の整備に努め、安心・安全なまちづくりに影響を及ぼすと危惧される事項を認めないものとする。
2 前項に規定する安心・安全なまちづくりに影響を及ぼすと危惧される事項は、次の各号に掲げるものとする。
(1) 廃棄物、土砂等の不適正な処分等を町内において行うこと。
(2) 放射性物質原子力発電所など原子力関連施設の核燃料並びにこれらから生ずる使用済燃料及び放射性廃棄物をいう。)の町内への持込み、及びこれらを貯蔵又は処分する施設を町内に建設すること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、この条例の目的達成を阻害すること。
(引用終わり)

 私も、この問題については、巻末リンク一覧のとおり、かなり熱心に本ブログでフォローしてきましたが、上記条例の制定によって「一段落」と感じ、以来、忘れるともなく忘れていました。

 ところが、昨日(7月6日)、私も登録している某MLで、「核のゴミはいらん日置川の会」が公表した「関西電力(2020年6月30日)日置川原発立地事務所 閉める!」という文章が紹介されていました。
 関西電力が、長らく職員を常駐させて維持してきた現地事務所が6月30日をもって閉鎖されたというニュースで、一つの時代を画す動きだと思い、上記の文章を(同会のご了解を得て)全文転載させていただくことにしました。
  もっとも、関西電力がプレスリリースを発表するような話題ではなく、メディアでこれを報じたところも(ネット検索した限りでは)見当たりませんでしたので、「裏取り」は出来ていません。ただ、この情報を送ってくださったのが冷水喜久夫さん(脱原発わかやま、核のゴミはいらん日置川の会)、それを紹介してくださったのが松浦雅代さん(子どもたちの未来と被ばくを考える会)ということで、「裏取り」できていなくても、十分信頼に値すると判断したものです。

 大きな動きには違いありませんが、冷水さんも書かれているように、原発立地事務所(関西電力がそう名乗っていた訳ではありません~「日置川サービスルーム」とか言うのでしたっけ?自信はありませんが)が閉鎖されたとしても、「これからも気を抜くことなく反対運動を続けていかなければならない」でしょう。

 以下に、「核のゴミはいらん日置川の会」の文章を全文引用しますが、基本的に文章に手は入れていません。和歌山弁護士会の広報委員会委員として、「会報」校正歴30年以上のキャリアを誇る(?)私としては、どんな文章を読んでも校正したくてうずうずするのですけどね。
 なお、本文の中に「核のゴミはいらん白浜・日置川の会」というい団体名が出てきますが、おそらく「核のゴミはいらん日置川の会」と「核のゴミはいらん白浜の会」という2つの団体をまとめて表記したのではないかと推測します。

(引用開始)
      関西電力(2020年6月30日)日置川原発立地事務所 閉める! 

 1978年(昭和53年)頃から関西電力は日置川原発立地をめざして、白浜町(旧日置川町)に事務所を設置し、40年余り関西電力に就職や関連会社への就職斡旋や招待旅行、また病人を大阪の関西電力病院に連れていくなど、色々と手を変え品を替えして町民に取り入ってきました。
 ここ10年程は、町内の民泊活動を「地域貢献」として支援するなどして、多い時には7~8名の職員を常駐して活動を展開してきました。
 事務所閉鎖の表向きの理由は「耐震性がないので閉める」としているが、建物は壊さずにそのまま残すということです。
 最近の関西電力は、「原発不正マネー事件」関電役員の不正行為などの社会的信用は地に落ちており、年々高くなる原発コストや重大事故を起こせば、数十兆円の費用がかかることが分かったのに国は見直しを示めしていません。
 使用済み核燃料中間貯蔵施設問題は、2017年(平成29年)11月に福井県知事が関電社長と対談し、大飯原発3・4号機の再稼働を認める代わりに、使用済み核燃料の貯蔵施設を県外に設置することを条件に認める約束をしました。
 当初は2018年(平成30年)に候補地を決め、2020年(令和2年)に工事を開始し2030年から稼働させると発表していたのを、候補地決定を2020年までに延長しました。
 このことに対して私たちは、2018年7月に「核のゴミはいらん白浜・日置川の会」を結成して講演会や学習会、請願活動や町長交渉など、また町議会毎に仲間の議員が一般質問して条例制定運動を求めて来ました。
 ようやく2019年12月18日白浜町で「核のゴミ拒否条例」が全会一致で可決されました。条例は「安全・安心なまちづくり推進条例」という名称となっており、まちづくりに影響を及ぼすと危惧される事項は認めない。と規定されている中に、「原子力発電所の核燃料、使用済み燃料などを町内に持ち込むことや、それらを貯蔵、処分する施設の建設を認めない」としています。
 この条例を読めば、核燃料や放射性廃棄物の持ち込みや貯蔵が一切できなくなることは、はっきりしています。

 この条例が制定された日の夕方、マスコミの取材に応じた関西電力は「将来の立地地点として地元情勢を鑑みながら、地道に取り組んでいく。今後も地元の情勢をふまえて適切に対処したい」と私たちの気持ちを逆なでするような談話を発表しました。
 2020年6月30日で関西電力は日置川事務所を閉めたとしても、白浜町の日置川地区に62haの広大な土地があり、地元の意思とは関係なく今後も工作活動を続けていくということなので、私たちはこれからも気を抜くことなく反対運動を続けていかなければならないと考えています。

   2020年7月1日
                         核のゴミはいらん日置川の会
(引用終わり)

(弁護士・金原徹雄のブログから/白浜町・中間貯蔵施設関連)
2018年1月8日 
「和歌山に中間貯蔵施設はいらない!~脱原発わかやま原発学習会」(2018年1月20日)のご案内 
2018年2月3日 
「和歌山に中間貯蔵施設はいらない!」(講師:小山英之美浜の会代表)が和歌山市でも開催されます(2/18あいあいセンター) 
2018年2月4日 
吉原毅氏を招いて/「原発ゼロ法案」と「核のゴミ」を考える~白浜に核のゴミ(中間貯蔵施設)は来るのか!?~(2/23田辺ビッグ・ユー)のご案内 
2018年2月25日 
白浜町長に県内8団体が要望書を提出~使用済核燃料の中間貯蔵施設は受け入れないとの意思の表明を求める(2018年2月23日) 
2018年2月26日 
パンダの町・白浜町は関西電力の中間貯蔵施設を受け入れるのか?~白浜町議会2017年12月定例会会議録を読む 
2018年4月17日 
白浜町長への要望書「(略)白浜町を核のゴミの捨て場にしないよう使用済核燃料の「中間貯蔵施設」は受け入れないとの意思をあらかじめはっきりと表明してください」を読む 
2018年7月31日 
「核のゴミはいらん日置川の会」が結成されました~松浦雅代さんからの報告 
2018年9月8日 
白浜町の井澗(いたに)誠町長が使用済み核燃料中間貯蔵施設を受け入れる意思のないことを議会で表明(2018年9月6日) 
2018年10月15日 
白浜町議会(2018年9月6日)で使用済み核燃料中間貯蔵施設を受け入れる意思のないことを表明した井澗(いたに)誠町長の発言全文(書き起こし) 
2019年12月19日 
白浜町議会が放射性物質の受け入れを拒否する「白浜町安心・安全なまちづくり推進条例」を可決(2019年12月18日)

石埼学龍谷大学教授「議院内閣制から診た安倍内閣」正・続を読む

 2020年4月12日配信(予定)のメルマガ金原.No.3456を転載します。

石埼学龍谷大学教授「議院内閣制から診た安倍内閣」正・続を読む

 龍谷大学法学部教授の石埼学(いしざき・まなぶ)先生には、2016年4月2日に、私も運営委員を務める「守ろう9条 紀の川 市民の会」総会での記念講演をお願いしたことをきっかけに、主としてFacebookを通じて交流させていただいています。
 おかげで、歴代プリキュアについてのマニアックな知識・見識に接することが出来た他、石埼先生に一命を救われた子猫のミー君の成長記録に目を細めたりしてきました。
 もちろん、そのような身辺雑記的なテーマだけではなく、石埼先生が小林武先生と共に編集された憲法の教科書『いま 日本国憲法は 原点からの検証(第6版)』(法律文化社)を入手して勉強させていただく貴重な機会を得たりということもありました。実際、入院という不測の事態があったからでもありますが、司法試験に合格した1986年以来初めて(!)憲法の教科書を通読(精読)し、ブログに感想を書き留めることが出来たのは、私にとっても得難い経験となりました。

 今日取り上げようと思うのは、その石埼先生が、日本共産党中央委員会理論政治誌と銘打たれた「前衛」5月号に発表された論考「続・議院内閣制から診た安倍内閣」及びその正編(「前衛」2019年5月号所収)です。

 そもそも、「前衛」の昨年5月号に掲載された石埼先生の論考「議院内閣制から診た安倍内閣」は、「安倍政権が、日本国憲法が採用した議院内閣制の趣旨を軽視ないし愚弄し、もって日本における国民主権原理に基づく統治の根幹部分を破壊しつつある」ことを、具体例を検討することを通じて明らかにしようとしたものでした。

 そして、そのための方法論として、安倍内閣の特徴を、
(1)国会に対して説明責任を果たしていない。
(2)国会における審議および議決の意義を軽視し、それらにおける野党の存在意義を理解していない。
(3)国会に属する立法権を形骸化し、それを実質上内閣に移譲させようとしている。
という3項目に分類した上で、それぞれについて主要な具体例を取り上げるという構成で論述が組み立てられていました。
 とはいえ、第二次安倍政権が発足した2012年12月から、同稿の執筆を終えた2019年3月までの6年余における安倍政権の「悪行」は数知れず、上記の基準に従って主要なものを選別し、内容を信頼できる出典にあたって確認するだけでも大変な手間であったと思います(私などとても根気が続かない)。

 2019年5月号の正編「議院内閣制から診た安倍内閣」に取り上げられた具体例を列挙すると以下のとおりとなります。

一 国会への内閣の説明責任
1 議院におけるヤジ
〇2015年2月19日・衆院予算委員会 玉木雄一郎議員(民主)に「日教組どうするの、日教組!」
〇2015年5月28日・衆院安保特別委員会 辻元清美議員(民主)に「早く質問しろよ」
〇2015年8月21日・参院安保特別委員会 蓮舫議員(民主)に「そんなこといいじゃないか」
 以上は安倍首相によるヤジであるが、この他にも閣僚等による不規則発言や不適切答弁が4例紹介されています。
2 不誠実な答弁

〇根拠もなく断言する。
〇質問をしている野党議員も熟知している制度や法案の条文を繰り返す。
〇質問されたことに正面から答えない。
〇言葉の意味を限定してはぐらかす。
 安保関連法案、森友学園問題、加計学園問題などに関わる不誠実答弁の実例が指摘されています。
3 公文書の偽造
南スーダン派遣陸上自衛隊部隊作成の「日報」隠蔽
労働基準法改正(裁量労働制対象拡大)のための政府(厚労省)説明資料におけるデータの異常さ
森友学園問題に関わる財務省決裁文書の改ざん
入管法改正(特定技能)のための入管資料(失踪特定技能実習生からの聞き取り調査結果)データの虚偽公表
〇「毎月勤労統計」偽装疑惑

二 議院内少数派(野党)
1 強行採決
〇2015年9月17日 参議院安保特別委員会 安保法制法案
〇2017年6月14日~15日 参議院本会議 共謀罪法案(委員会採決省略)
〇2018年12月8日 参議院本会議 入管法改正案(特定技能)等
2 質疑時間
  野党議員による質問時間の割合の減少

3 五三条要求の無視
〇2015年10月21日 野党が憲法53条に基づき臨時会の召集決定を要求⇒翌年の常会まで国会を開かなかった。
〇2017年6月22日 野党が憲法53条に基づき臨時会の召集決定を要求⇒98日経過後の9月28日に召集したが所信表明演説すらせずに衆院を解散した。

三 立法権の簒奪
1 文言の不明確な立法
特定秘密保護法
共謀罪 特に「準備行為」
2 委任立法
〇2016年 統合型リゾート実施法(カジノ規制基準を省令等に委任する授権規定あり)
〇2018年 働き方改革法(高度プロフェッショナル制度の対象となる業種や収入を省令に委任)
〇2018年 改正入管法(「特定技能」の在留期間、在留資格の有無の認定方法、受け入れ業種や分野等の根幹部分を省令等に委任)

 「どのように、どの程度、議員内閣制から逸脱しているか?」という視点から、安倍内閣を「診断」するというユニークな論考の概略をご理解いただけたでしょうか?

 そして、発売されたばかりの「前衛」2020年5月号に掲載された続編は、「安倍内閣の「政治手法」の議院内閣制からの逸脱をこの1年間(2019年3月中旬から2020年3月中旬)の出来事を振り返って明らかにするもの」というものであり、つまりは正編に増補する内容となっています。
 もっとも、増補といっても、ページ数は正編と同じ14ページが費やされており、それだけ「悪の種は尽きない」だけではなく、1つ1つの論点に費やす分量が多めになっており(正編は紙幅の制限から、箇条書き的にならざるを得なかった面があると思います)、それだけ読み応えがあります。

 「続・議院内閣制から診た安倍内閣」も、正編の構成を基本的に踏襲しています。
 以下には、各項目で取り上げられた問題事例の「見出し」だけご紹介しておきます。

一 国会への内閣の説明責任
1 議院におけるヤジ
〇2019年11月6日・衆院予算委員会 今井雅人議員(無所属)に対し「あなたじゃないの」
〇2020年2月12日・衆院予算委員会 辻元清美議員(立憲)に対し「意味のない質問だよ」
2 理解不能な、または虚偽の答弁
〇2019年11月~ 「桜を見る会」及び「前夜祭」関連の安倍首相答弁
〇2020年2月~ 黒川弘務東京高検検事長定年延長問題についての森雅子法相らによる一連の答弁
3 公文書の廃棄
〇「桜を見る会」招待者名簿の廃棄。過去の招待者名簿の違法な管理。一部改ざんした資料の国会への提出。

二 議会内少数派(野党)の存在意義の軽視
1 与党による予算委員会の開催拒否
野党からの開催要求があったにもかかわらず、
〇第198国会(常会) 2019年3月1日以降、衆院予算委員会を事実上開かず。
〇同 2019年3月27日以降、参院予算委員会を事実上開かず。
〇第200国会(臨時会) 2019年11月6日意向、衆院予算委員会を事実上開かず。
2 麻生大臣の答弁
〇2020年1月28日 衆院予算委員会 「マーケットに与える影響はきわめて大きいので、我々はマーケットと仕事をしていますので、野党と仕事をしているんじゃない。マーケットとやらなきゃいかぬと思う」と答弁。

三 立法権の簒奪
1 東京高検検事長定年延長問題
2 閣議決定による自衛隊の中東派遣

 以上、石埼学先生による「議院内閣制から診た安倍内閣」正編・続編で取り上げられた安倍政権による問題事例をご紹介してきました。
 一読、全ての項目について「ああそういうことがあったな」と思い出していただけた方はどれほどおられたでしょうか。
 ここ1年間の出来事を取り上げた続編ですら、与党による予算委員会の開会拒否って憶えていました?

 私は、石埼先生が取り上げた問題事例は(程度の濃淡はあれ)一応全て記憶していましたが、これは、私が2013年1月(第二次安倍政権発足の翌月です)から昨年1月までの丸6年間、「ブログ毎日更新」を続けていたという特殊事情によります。
 普通の人は、7年半近くも経てば、「安倍批判疲れ」に陥るのも無理はないし、細かなことまで一々憶えていられませんよね。

 けれども、安倍政権のひどさは度を超えているというか、あり得ないレベルのものです。最近におけるその代表例は検事長定年延長問題(及びそれに付随する検察庁法「改正」問題)ですが、そのタイミングで発生した新型コロナウイルス禍すら、政権延命に役立てようとしているかのようです。

 そのような状況の下、「安倍内閣に、国民のための政治など望むべくもない」ことを理論的に指し示すため、日本の統治機構の根幹である議院内閣制からの常軌を逸した「逸脱」という確かな視座を提供することが、「議院内閣制から診た安倍内閣」正・続の重要な役割であろうと思います。

 その上で、この論考をどう活用していくかが、今後の私たち一人一人が担うべき課題でしょう。

(余談)
 石埼先生の論考(正・続とも)では、私のブログを後注の中で参照先として紹介してくださっており、大変光栄です。

[正編]安倍首相による「私は立法府の長」発言について    
 http://kimbara.hatenablog.com/entry/2018/11/03/175437 (wakaben6888のブログ)
  ※弁護士・金原徹雄のブログ http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/52635022.html 
[続編]注ⅴ 東京高検検事長定年延長問題について  
 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/54300679.html 
 ※最新の(9) http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/54468459.html 

(弁護士・金原徹雄のブログから/石埼学氏関連)
2015年5月29日
龍谷大学・石埼学教授による日本国憲法講義「平和主義と安保法制」を受講しよう 
2016年2月10日 
石埼学(いしざきまなぶ)龍谷大学法科大学院教授(憲法学)講演会へのお誘い~4/2「守ろう9条 紀の川 市民の会」@和歌山市 
2016年4月2日 
石埼学龍谷大学法科大学院教授の講演をレジュメから振り返る~4/2「守ろう9条 紀の川 市民の会」第12回総会から 
2016年4月5日 
石埼学龍谷大学法科大学院教授の【設問】に答える~「安保法制」講師養成講座2 
2016年9月11日 
治安維持法と自民党改憲草案~石埼学龍谷大学法科大学院教授の講演レジュメで学ぶ(9/8国賠同盟近畿ブロック会議より) 
2018年8月4日 
『国会を、取り戻そう!議会制民主主義の明日のために』(石川裕一郎、石埼学、清末愛砂、志田陽子、永山茂樹共編著)を読む 
2019年3月23日 
『いま 日本国憲法は 原点からの検証(第6版)』(小林武・石埼学編)を読む~入院読書日記(1) 
2019年4月10日 
「前衛」5月号の特集「安倍内閣との対決点」に注目した

和歌山県・高野町の取組~住民への消毒液とマスク(1人あたり50枚)の配布~から考える

 2020年4月12日配信(予定)のメルマガ金原No.3455を転載します。

和歌山県高野町の取組~住民への消毒液とマスク(1人あたり50枚)の配布~から考える

 新型コロナウイルス感染症による「災厄」に対し、住民・国民を守るために地方公共団体や国が何をしようと努め、何をしたかについて、日々、ものを思わない人はいないでしょう。
 その一々をブログに書き留めることに意義はあるのかもしれませんが、私自身の身辺の事情や意欲の問題もあり、これまでそのような問題を取り上げることはしてきていませんでした。

 もちろん、ワシントンポスト(アジア太平洋版)にまで、「和歌山モデル」として称揚された和歌山県におけるPCR検査の効果的な実施と感染封じ込め対策については、私自身、仁坂吉伸知事が推進するIR誘致に大反対であるという立場は立場として、それなりに評価してFacebookで関連情報をシェアなどしてきました。
 一昨日(4月10日)、東京の日本記者クラブ和歌山県庁をインターネットで繋ぎ、仁坂知事のリモート会見が行われましたので、関心のある方にはアーカイブ動画の視聴をお勧めします。

20200410新型コロナウイルス」(8)  仁坂吉伸和歌山県知事(57分)

 https://www.youtube.com/watch?v=-YN1b4yGEnM&feature=emb_title


 私が特にお勧めしたいのは、53分頃から、このような危機に臨んだトップのあり方について質問されたのに対し、仁坂知事が「一番大事なのは『論理』であり、しっかり議論すればよい。一番いけないのは『ええかっこしい』である」(金原による要約)と答えた部分です。

 さて、本題に戻り、「住民・国民を守るために地方公共団体や国が何をしようと努め、何をしたか」について、今日私がご紹介しようとするのは、弘法大師空海が開いた高野山金剛峯寺が所在する和歌山県伊都郡高野町(こうやちょう)の取組です。

 私が、高野町独自の取組に気が付いたのは、毎日新聞(ネット版)の以下の記事を読んだ時でした。短い記事であり、無料サイトで公開されていますので、全文引用させていただきます。

毎日新聞2020年4月7日 地方版
新型コロナ 高野町が「消毒液」配布へ 児童らに洗えるマスクも /和歌山
(引用開始)
 新型コロナウイルスの感染予防対策として、高野町は16日から、手指などの消毒に使われる次亜塩素酸水の町民への配布を始めることを明らかにした。次亜塩素酸水を生成する装置を購入し、町役場と富貴支所で毎週月曜日と木曜日の午前9時~午後6時に配布する。毎回1人500ミリリットル以内で、洗浄済みペットボトルなどの容器を持参してもらう。
 また、町内のこども園や小中学校の園児、児童、生徒計約230人を対象に、洗えるマスクを1人に付き3~4枚配布するという。
 一方、影響を受けている観光業や住民の暮らしなどに対する経済対策として、町内全域(公共施設を除く)の水道料金や下水道などの使用料の5~7月請求分を無料とする方針も固めた。対策に関係する計約1億3000万円の一般会計補正予算案を町議会に提出する予定だ。【藤原弘】
(引用終わり)

 「次亜塩素酸水」というのは聞き慣れない上に、自治体が住民を対象に消毒液を配布するというのは興味深いと思い、高野町ホームページで確認したところ、4月9日付で以下の告知がアップされていました。

安全に使える除菌水「次亜塩素酸水」を町民の皆さまに配布します(※PDF

 「次亜塩素酸水(微酸性電解水)」(じあえんそさんすい/びさんせいでんかいすい)の性質については詳しく説明されていますが、正直、私にはよく分かりません。
 ただ、一般的な消毒液の入手難を経験した人(多くの人が経験したと思いますし、当然、高野町の町民の皆さんもそうでしょう)にとっては、とてもありがたい施策だと思います。

 そして、翌4月10日に高野町のホームページにアップされたのが「町民の皆様にマスクを配布します!」というお知らせでした。
 以下に告知文を引用します。

(引用開始)
              マスクを配布します!
新型コロナウイルス感染症対策として、住民の皆さまにマスクを配布します。
〇配布場所
 ①高野町役場 9:00~18:00
 ②富貴支所   9:00~17:00
〇配布日 令和2年4月20日から
〇配布枚数 お一人あたり 1箱(50枚入り)
〇対象者 高野町に住所を有する住民すべての方
〇交換方法 郵送で届くハガキがマスク引換券です。必ずご持参ください。
※住民の皆さまのマスクについては、人数分確保しております。
〇お問い合わせ
 高野町福祉保健課 0736-56-2933
(引用終わり)

 除菌水「次亜塩素酸水」配布の案内文にはなかったエクスクラメーション・マーク「!」が付いていることからも、高野町職員の「達成感」がしのばれます。ここまでこぎ着けるには、それなりの努力が必要だったはずですものね。

 ここまで読んできて、「素晴らしい!」と思ったその次に、自分の住む自治体と思い比べながら、「高野町ではなぜこのような取組ができるのか?」という疑問がわいてくるのが普通の反応でしょう。
 「人口が少ないので、必要とするマスクの量や予算規模も少なくて済むからではないか?」ということは、一応誰でも思いつくことでしょう。
 実際、人口92万人台の和歌山県(和歌山より少ないのは7県のみ)にある30市町村の中でも、高野町の人口は下から数えて4番目(多分)の約3,000人です。

 しかし、人口の多寡が本当に問題なのでしょうか?
 「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」についての4月7日付閣議決定には、例の「1住所当たり布マスク2枚配布」という、国際的にも揶揄・嘲笑の対象となった政策が(今さら引っ込みもつかないのでしょう)以下のように掲げられていました(8頁~)。

(引用開始)
 国内でマスク・消毒液等を製造する企業に対して生産設備への投資を支援することで更なる増産に取り組み、マスクについては月7億枚を超える供給を確保するなど、例年の需要を上回る供給量を確保する。
 その上で、マスク等の衛生資材を、介護施設、障害者福祉施設保育所及び学校等に配布する。布製マスクについては、政府による買上げにより、介護施設利用者等及び妊婦に対して、順次、必要な枚数を配布するとともに、全国の小学校・中学校・高等学校・特別支援学校・高等専修学校等の児童・生徒及び教職員に対して、4月以降、1人2枚配布する。加えて、全国で 5,000 万余りの世帯全てを対象に1住所当たり2枚配布する。
(引用終わり)

 国が全国民(というか全「住所」)に布マスクを配布できるのであれば、はるかに住民に近い立場にある基礎自治体(市町村)が、全住民にマスクを当面の必要量配布することが不可能なはずはないでしょう。当然、個々の自治体の中には「必要量のマスクが確保できない」「予算の手当がつかない」というところも出てくるはずで、それを援助するのが国の仕事でしょう。「布マスク2枚配布」について、大半の国民が呆れ返ったのは、以上のような役割も弁えず、人気取りのために400億円以上の貴重な国費を蕩尽しようとする国の底意が見え透いていたからだと思います。
 私が、一昨日の仁坂吉伸和歌山県知事の日本記者クラブ会見の中で、特に「一番大事なのは『論理』であり、しっかり議論すればよい。一番いけないのは『ええかっこしい』である」という部分に感銘を受けたのは、以上のような感慨から来たものなのです(仁坂知事の真意が奈辺にあるかは知りませんが)。

 もとより、頑張っていいる自治体は高野町だけではありません。マスクが不足しがちな医療機関や福祉機関に優先的に配布しているところも多いと聞いています。
 また、埼玉県川口市のように、経営難に陥っている小規模事業者に一律10万円を独自に支給すると発表した自治体もあります。
 これからも、「新型コロナウイルス感染症による「災厄」に対し、住民・国民を守るために地方公共団体や国が何をしようと努め、何をしたかについて」注意深く見守っていくとともに、素晴らしい取組には賞賛の声を届けたいと思います。

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“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2020”中止のお知らせと“2014~2019”回顧

 202045日配信(予定)のメルマガ金原No.3454を転載します。

 

HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2020”中止のお知らせと“20142019”回顧

 

 HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2020実行委員会が、今年の中止を発表したのが3月31日のことでした。

 今年は、私自身、実行委員会での議論に全然参加できておらず、中止するかどうかについて若干の意見を述べただけですが、2014年の第1回以来、それなりに企画に関わってきた者として、ブログに記録はとどめておくべきかと思います。

 ということで、まずは実行委員会からの「中止のお知らせ」をお読みください。

  http://web2.nazca.co.jp/rituko31/happy%20birthday%202020%20tyushi.pdf

 

(引用開始)

HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2020”中止のお知らせ

 

 2014年以来、毎年5月3日の憲法記念日に、和歌山城西の丸広場を会場として開催してきた“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”。今年も5月3日に、多くの皆さんと楽しく交流し、普段意識することの少ない「憲法」について、1人でも多くの人に思いをめぐらすきっかけとしていただきたいと願い、準備を重ねてまいりました。

 この間、多くの団体から様々なブース企画のお申し込みをいただくと共に、ステージで素晴らしい演奏を披露してくださるはずのバンド、学校などから出演の内諾をいただいていました。また、実行委員会構成団体の多くが講演でお世話になり、和歌山ともご縁が深かった故・中村哲医師を追慕し、その業績を振り返るためのパネル展示も、ペシャワール会のご協力を得て開催する運びとなっていました。

 しかしながら、皆様ご承知のとおり、全世界的な新型コロナウイルス感染症の蔓延という予期せぬ事態の発生のため、私たちも、企画を実施するか中止するかの選択を迫られることとなりました。

 毎年フィナーレのお約束として参加者から大好評を博していた「餅まき」については、濃厚接触、密集を避けるため「配布」に切り替える、あるいは取りやめるなどの対策を検討しました。

 その他、体調不良者に参加を自粛していただく、消毒薬やマスクを確保する、万一に備えて参加者名簿への連絡先記入をお願いするなど、中止を避けるための対策も検討してきました。

 しかしながら、限定された参加者のみの集会ではなく、広い屋外に不特定多数の方が参加されることを前提としたイベントであるという性格上、主催者として万全の対処はしきれないと判断せざるを得ませんでした。

 毎年のこの「憲法のお祭り」を楽しみにしていただいている市民の皆様、そして、出演・出展(店)を予定しておられた皆様には大変申し訳ございませんが、今年の5月3日に西の丸広場で予定していた“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2020”は中止することと致しました。

 規模を縮小してでも、秋以降に開催できないかについては、実行委員会で今後検討致しますが、関係する方々も多数おられることから、取り急ぎ「今年の5月3日は中止します」ということをお伝えすることと致しました。

 何卒事情ご賢察の上、ご了解くださいますようお願い致します。

 また皆様と、心置きなく憲法の誕生日をお祝いするために再会できることを、実行委員会一同心から願っております。

 

  2020年3月31日

 

    HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2020実行委員会

(引用終わり)

 

 中止に至った事情については、上記のお知らせに特に付け加えることはありません。もちろん、考慮した事情を全部書いてある訳ではありませんが、その必要もないでしょうし。

 

 「お知らせ」としては以上でおしまいなのですが、せっかくほぼ1年ぶりにこのブログで“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”を取り上げたのですから、2014年から2019年まで、毎年の憲法記念日に、和歌山城西の丸広場で開催を続けてきた過去の6回分を回顧したいと思います。

 といっても、1回ごとに回顧するとなるといくら時間があっても追いつかず、今の私にはそのような余裕はありませんので、過去に書いた私のブログにリンクするという、はなはだ安直な方法でご勘弁いただきたいと思います。

 巻末に掲げたリンク集がそれですが、これらは、大別すると事前予告とレポートに分けられます。特に、ステージやブースなどの写真を中心にFacebookに投稿した記事をまとめた「写真レポートで振り返る~」シリーズは、第2回(2015年)からずっと継続してブログに掲載を続けている準「公式記録」(?)と言ってもよいようなものなので、お時間があれば、是非ご覧になっていただければと思います。

 

 以下には、「写真レポートで振り返る~」シリーズを始める前の2014年、第1回をレポートした「憲法記念日に届いた“西谷文和さん”と“はちようび”からのメッセージ(和歌山城西の丸広場にて)」の中から、この企画の「初心」を感じていただけるのではないかと思われる部分を引用します。

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/37909239.html

 

(引用開始)

 普段、憲法平和運動などと接点のない人たちに、どうすれば私たちの声を届けることができるのか?ということは、ほとんど「永遠の課題」であり続けるかもしれないという「あきらめの気持ち」にとらわれることもしばしばでしたが、今は「あきらめる余裕などない」段階であり、「子ども連れでも楽しく過ごせる(特注風船+ヘリウムガスも用意)」、「和歌山県民の大好きな“餅まき”大会を実施(豪華景品付き)」という企画内容も、そのような問題意識からでした。

 今まで憲法について考える機会のなかった人たちに、少しでも憲法について考えてもらう機会になればということで、餅まき大会の景品にも、

 伊藤真弁護士DVD憲法ってなあに?憲法改正ってどういうこと?』 8枚

 赤塚不二夫、永井憲一著『「日本国憲法」なのだ!』 8冊

 小学館版(「写楽」編)『日本国憲法』 15冊

などを用意しました。

 そのような所期の目標は、かなりの程度達成できたのではないかと思います。

 さらに多くの人に来て欲しかったなど、言い出せばきりがありませんが、それは来年以降の課題(来年もやるかどうかなど何も決まっていませんが)として、とにかく向こう1年間、これ以上政権の好き勝手を許さず、憲法を守り抜く覚悟が必要であることを再認識する機会にもなったと思います。

(引用終わり)

 

 最後に、昨年の“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2019”を小谷英治さんが撮影し、YouTubeにアップされた動画をご紹介します。個々のステージ企画出演者の皆さんに、YouTubeへのアップの可否を確認した上で(私が確認したのでした)、ご了解が得られた分が公開されています。

 いずれも素晴らしい演奏や踊りです。今年が中止になった代わりにはならないかもしれませんが、これらの演奏や踊りを視聴され、「心置きなく憲法の誕生日をお祝いするために再会」する日を心待ちにしていただければと思います。

 

Happy Birthday 憲法 in Wakayama 2019 1(22分)

 https://www.youtube.com/watch?v=wzxQyF2MsYA

冒頭~ 開会・藤井幹雄実行委員会代表挨拶

3分~ 和歌山朝鮮初中級学校・中級部

 

Happy Birthday 憲法 in Wakayama 2019 2(48分)

 https://www.youtube.com/watch?v=MZ7FQt49l4A

冒頭~ Halau Uilani(ハワイアンフラ)

30分~ 紀道(平和の祈りのダンス)

42分~ わかやま平和賞贈賞式

 

Happy Birthday 憲法 in Wakayama 2019 3(1時間12分)

 https://www.youtube.com/watch?v=UGzzsKPw3LM

3分~ 紀北農芸高校和太鼓部

34分~ Crowfield

 

(弁護士・金原徹雄のブログから/“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”関連)

2014年4月11日

53日は“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”に集いましょう(和歌山城西の丸広場) 

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/37499675.html

2014年5月3日

憲法記念日に届いた“西谷文和さん”と“はちようび”からのメッセージ(和歌山城西の丸広場にて)

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/37909239.html

2015年4月4日

5月3日は各地の憲法集会に!~和歌山市は“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2015

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/43486787.html

2015年5月3日

右翼の街宣車を圧倒した高校生たちの演奏の力~“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama

2015”から」

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/43885267.html

2015年5月12日

写真レポートで振り返る“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2015

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/44006032.html

2016年3月21日

第一報“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2016”(5/3和歌山城西の丸広場)今年

もやります!

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/47148211.html

2016年5月5日

写真レポートで振り返る“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2016

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/47495854.html

2017年4月30日

今年も憲法記念日には和歌山城西の丸広場へ!~“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama

2017”へのお誘い

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/49958084.html

2017年5月4日

写真レポートで振り返る“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2017

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/49980617.html

2018年3月15日

速報“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2018”(5/3和歌山城西の丸広場)~今年

は玉田玉秀斎師匠による「憲法講談」上演!

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/51692377.html

2018年5月5日

写真レポートで振り返る“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2018

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/51942127.html

2019年4月29日

HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2019”(5/3和歌山城西の丸広場)にご参加を!~10連休ですが今年もやります

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/53304665.html

2019年5月4日

写真レポートで振り返る“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2019

 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/53322424.html

 

※写真は昨年(2019年)のフィナーレ、餅まきの模様です。

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拡散大希望!週刊文春があの森友特集記事を全文無料公開

 メルマガ金原・号外(2020年3月25日)を配信します。

Facebookから転載します。

【拡散大希望!週刊文春があの森友特集記事を全文無料公開】

 週刊文春が、完売して入手不能となっていた「3月26日号」の中の森友記事を今日(3/25)から全文無料公開したと執筆者の相澤冬樹記者(大阪日日新聞)自身がYahoo!ニュースで紹介しています(4分割されてアップされています)。

 森友記事を含む「3月26日号」そのものは、Kindle版(電子書籍)として税込400円で発売中にもかかわらず、全文無料公開に踏み切った文春の心意気に感謝し、是非周りに広めてくだるようお願いします。

週刊文春 2020年3月26日号[雑誌]

桜玉吉

文藝春秋

2020-03-18


週刊文春編集部から

「「週刊文春2020326日号に掲載された大阪日日新聞記者・相澤冬樹氏による記事「森友自殺〈財務省〉職員遺書全文公開 『すべて佐川局長の指示です』」が大きな反響を呼んでいる。「週刊文春」編集部は完売により記事が読めない状況を鑑み、文春オンラインで全文公開する。真面目な公務員だった赤木俊夫さんに何が起きていたのか。森友問題の「真実」がここにある。」

すべて佐川局長の指示です」――森友問題で自殺した財務省職員が遺した改ざんの経緯【森友スクープ全文公開#1】

「まさに生き地獄」――55歳の春を迎えることなく命を絶った財務省職員の苦悩【森友スクープ全文公開#2】

「トシくんは亡くなって、財務局は救われた。それっておかしくありませんか?」財務省職員の妻が提訴した理由【森友スクープ全文公開#3】

自殺した財務省職員・赤木俊夫氏が遺した「手記」全文【森友スクープ全文公開#4】

東京高等検察庁検事長定年延長問題について(8)~「違法」だからこそ辻褄が合わなくなる

 2020年3月15日配信(予定)のメルマガ金原No.3451を転載します。

東京高等検察庁検事長定年延長問題について(8)~「違法」だからこそ辻褄が合わなくなる

 予算案が衆議院を通過し、国会論戦の主戦場が参議院予算委員会に移って以降、政局の中心がコロナウイルス対策に集中し、東京高検検事長定年延長問題に対する関心が薄らぎつつあるのではと懸念される中、一昨日(3月13日)、内閣が衆議院に提出した束ね法案「国家公務員法等の一部を改正する法律案」の中の検察庁法「改正」案がとんでもない内容であることが分かりましたので、黒川東京高検検事長の定年を延長した閣議決定の撤回を求めることと共に、検察庁法「改正」阻止が、国民(とりわけ法曹)にとって喫緊の課題となってきました。

 何しろ、「要項」には、検察庁法「改正」については、「検察官の定年を段階的に年齢六十五年に引き上げることとする等、所要の規定の整備を行うものとすること。」としか書いていないにもかかわらず、「新旧対照条文」を読んでみるととんでもない内容なのです。

 いずれ、この問題についてはじっくりブログで考えてみたいと思いますが、まずは、昨日(3月14日付)の朝日新聞社説が要領良くこの法案の危険性をまとめてくれていましたので、是非お読みになることをお勧めします。


2020年3月14日 朝日新聞 社説

検察庁法改正 許されぬ無法の上塗り

(抜粋引用開始)

 法をまげたうえで、さらに法の本来の趣旨を踏みにじる行いを重ねるという話ではないか。納得できない。

 国家公務員の定年延長にあわせ、検察官の定年を63歳(検事総長のみ65歳)から65歳に段階的に引き上げる検察庁法改正案が、国会に提出された。

 見過ごせないのは、63歳以上は高検検事長や地検検事正といった要職に就けないとしつつ、政府が判断すれば特別にそのポストにとどまれる、とする規定を新たに盛り込んだことだ。

 安倍内閣は1月末に東京高検検事長の定年を延長する閣議決定をした。検事総長に昇格させるための政治介入ではないかと不信の目が向けられている。  政府は従来、検察官の定年延長は認められないとの立場だったが、今般、解釈を変えることにしたと言い出し、決定を正当化した。立法時の説明や定着した解釈を内閣だけの判断で覆す行為は、法の支配の否定に他ならない。法案は、その暴挙を覆い隠し、さらに介入の余地を広げる内容ではないか。

 政治家が特定の人物を選び、特別な処遇を施すことができるようになれば、人事を通じて組織を容易に制御できる。その対象が、政界をふくむ権力犯罪に切り込む強い権限を持ち、司法にも大きな影響を与える検察となれば、他の行政官と同列に扱うことはできない。

(略)

 混迷の出発点である高検検事長人事の背景に、首相官邸の意向があるのは明らかだ。検察への信頼をこれ以上傷つけないために、定年延長の閣議決定をすみやかに取り消すとともに、検察庁法の改正作業も仕切り直すことを求める。

(引用終わり)

 そこで、書こうと思いながら積み残してきた論点を2つに絞り、簡単にご紹介しておきます。いずれも、既にメディアや論者によって取り上げられているものですが、私自身の備忘録代わりに書き留めておこうとするものです。
 第一は、国家公務員法第81条の3第2項に定める「人事院の承認」の問題です。1月31日の閣議決定で黒川弘務東京高検検事長の定年を6ヶ月間延長した根拠は同法第81条の3第1項ですが、この第81条の3には第1項の他に第2項があります。巻末の(関連法令)をお読みいただきたいのですが、この第2項は、第1項により一度勤務が延長された職員につき、必要があれば再度の延長が可能(場合によっては三度目以降の延長も可能)であること、ただし、延長期間は、当初の「定年退職日の翌日から起算して三年を超えることができない。」ことを定めた規定です。

 そして、第81条の3第1項に基づく(最初の)勤務延長と、第2項に基づく(再度以降の)勤務延長は要件が異なります。第2項の場合には、第1項で求められる要件に加えて、「人事院の承認を得て」という要件が加重されているのです。  検察官については、準司法的機能を担う「職務と責任の特殊性に基いて」(国家公務員法附則第13条)、検察庁法、検察官の俸給等に関する法律などによって、国家公務員法とは異なる特例が広汎に規定されています。

 しかるに、その最も重要な、勤務させることを認めるか否かという問題について、人事院という内閣の所轄の下に設置された一行政機関がイニシアティブをとるという、昭和22年の検察庁法制定当時には(そして国家公務員法に定年制度が導入された昭和56年当時にも)誰も夢想だにしなかった事態を認めざるを得なくなってしまうのです(今の安倍内閣が続く限り)。

(参考)この第81条の3第2項の問題については、2月27日に毎日新聞が大きく報じています。インターネットでは有料記事ですので、無料公開されている冒頭部分のみ引用します。
毎日新聞 2020年2月27日 13時00分

霞が関OBもカンカン…検事長の定年延長 語られぬ「条文第2項」の衝撃

(抜粋引用開始)

 霞が関OBはカンカンである。安倍晋三政権が黒川弘務・東京高検検事長を「定年延長」した問題について、である。実は根拠となる法の条文そのものに、重大な問題が潜んでいた。安倍政権の解釈を認めると、検察官の独立などどこへやら、検察官人事を検察庁でも法務省でもなく、人事院が左右する異常事態が生じる可能性があるというのだ。語られざる論点を追った。【吉井理記/統合デジタル取材センター】

(引用終わり)

 第二の論点は、仮に検察官に国家公務員法第81条の3を適用して勤務延長をさせることができると仮定しても、黒川検事長検事総長に任命することは不可能なのではないか、という点です。

 立憲民主党枝野幸男代表が2月26日の衆院予算委員会の質問に立った際に指摘したことでも知られるようになったことですが、かねて人事院は、国家公務員法第81条の3によって勤務延長させた職員を、別の官職に異動させることは原則として出来ないと解釈してきました。人事院規則11―8(昭和五十九年人事院規則一一―八)第5条第2項が認めた例外は、「法第八十一条の三第一項の規定により引き続いて勤務している職員(以下「勤務延長職員」という。)の法令の改廃による組織の変更等に伴う異動であつて勤務延長(略)に係る官職の業務と同一の業務を行うことをその職務の主たる内容とする他の官職への異動及び再任用をされている職員としての異動」です。

 本来、「職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるとき」(国家公務員法第81条の3第1項)でなければ勤務延長が認められないとしているのですから、勤務延長させた職員を別の官職に異動させることは明らかに法の趣旨に反します。
 試みに私が探したところでは、人事院に置かれた「公務員の高齢期の雇用問題に関する研究会」の第1回会議(平成19年9月7日開催)での配付資料の中に「国家公務員の定年制度等の概要」という資料があり、その「2 勤務延長(国公法第81条の3、人事院規則11-8第6条~第10条)」の「(注) 留意点」として、「②「当該職務に従事させるため引き続いて勤務させる」制度であり、勤務延長後、当該職員を原則として他の官職に異動させることができない。」と明言しています。

 それまで定年の定めがなかった国家公務員法に初めて定年制度が導入されたのは昭和56年のことですが(施行は昭和60年)、同改正案が審議されていた国会において、政府委員である人事院の斧誠之助任用局長が「検察官と大学教官につきましては、現在すでに定年が定められております。今回の法案では、別に法律で定められておる者を除き、こういうことになっておりますので、今回の定年制は適用されないことになっております。」と明確に答弁していたことは既にご紹介済みです。
 また、その答弁の前年(昭和55年)には、法改正に向けた「想定問答集」総理府人事局において作成されていたことを、小西ひろゆき参院議員が国立公文書館で発見して広めました。
(引用開始)

問四十六 「法律に別段の定めのある場合を除き」としている理由及び具体例いかん。 答 今回の定年制度法案は、現在法律により定年が定められている職員については、それそれの法律によることとして、適用対象から外すという考え方を採っているので、「法律に別段の定めのある場合を除き」と規定している。具体例としては、検察官(検察庁法第二十二条により定年が定められている。)及び大学教員(教育公務員特例法第八条により大学管理機構が定年を定めることとされている。)がある。
問四十七 検察官、大学の教員については、年齢についてのみ特例を認めたのか。それとも全く今回の定年制度からはずしたのか。

答 定年、特例定年、勤務の延長及び再任用の制度の適用は除外されることとなるが、第八十一条の五の定年に関する事務の調整等の規定は、検察官、大学の教員についても適用されることとなる(金原注:「第八十一条の五」は、最終的には「第八十一条の六」となった)。

(引用終わり)

 以上のとおり、立法者は明確に検察官については国家公務員法上の定年制度は適用除外と考えていたのですから、新設する法第81条の2以降の諸規定の条文を吟味するに際しても、検察官・大学教員には適用されないことを前提として起案するのが当然です。

 先に指摘した法第81条の3第2項による再度(以降)の勤務延長を行う際には、人事院の承認を要件としたのも、検察官と大学教員には適用されないからこそそのような規定を置いたのであって、そのような前提をひっくり返し、第81条の3第1項を検察官に適用しようとしても(それ自体、文理解釈上「あり得ない」解釈ですが)、辻褄が合わない点が各所に出てきます。そして、同条第2項の「人事院の承認」がその典型例なのです。

 せっかく検事長の勤務延長をしても(仮にそんなことができるとしても)、検事総長という明らかに別の官職に異動させることは不可能(内閣は、質問主意書への答弁で「可能」と答えていますが)ということも、そもそも検察官に勤務延長などあり得ないという前提で作られている法体系を、恣意的に「いいとこどりしよう」という無茶苦茶な横紙破りで破壊するからこそ現れる破綻なのです。
 1つ1つの法律は、単独で完結するものではなく、他の諸法令との間に整合性を保ちつつ、緊密な法体系の一部を構成するものです。  今、私たちの目の前で進行している事態は、この法体系そのものを我が儘勝手に粉砕しようとする権力の横暴であり、私たちには、それを座視するのか、それともそれを許さないという声を上げるのか、そのどちらを選ぶのかという問いが突きつけられているのだと思います。

弁護士会による声明)

2020年3月2日

静岡県弁護士会「黒川弘務東京高検検事長の定年延長に強い懸念を表明する会長声明」 2020年3月5日

京都弁護士会「検察庁法に違反する定年延長をした閣議決定に抗議し、撤回を求める会長声明」

2020年3月10日

滋賀弁護士会「検察官に関する不当な人事権の行使に抗議する会長声明」

2020年3月12日

仙台弁護士会「東京高検黒川弘務検事長の定年延長を行った閣議決定を直ちに撤回することを求める会長声明」

2020年3月13日

大阪弁護士会「検事長の定年延長に関する閣議決定の撤回を求める会長声明」

2020年3月13日

千葉県弁護士会「東京高等検察庁検事長の勤務延長に対する会長声明」

(関連法令)

国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)  (定年による退職) 第八十一条の二 職員は、法律に別段の定めのある場合を除き、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の三月三十一日又は第五十五条第一項に規定する任命権者若しくは法律で別に定められた任命権者があらかじめ指定する日のいずれか早い日(以下「定年退職日」という。)に退職する。 〇2 前項の定年は、年齢六十年とする。ただし、次の各号に掲げる職員の定年は、当該各号に定める年齢とする。 一 病院、療養所、診療所等で人事院規則で定めるものに勤務する医師及び歯科医師 年齢六十五年 二 庁舎の監視その他の庁務及びこれに準ずる業務に従事する職員で人事院規則で定めるもの 年齢六十三年 三 前二号に掲げる職員のほか、その職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより定年を年齢六十年とすることが著しく不適当と認められる官職を占める職員で人事院規則で定めるもの 六十年を超え、六十五年を超えない範囲内で人事院規則で定める年齢 ○3 前二項の規定は、臨時的職員その他の法律により任期を定めて任用される職員及び常時勤務を要しない官職を占める職員には適用しない。
 (定年による退職の特例) 第八十一条の三 任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。 ○2 任命権者は、前項の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前項の事由が引き続き存すると認められる十分な理由があるときは、人事院の承認を得て、一年を超えない範囲内で期限を延長することができる。ただし、その期限は、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して三年を超えることができない。
 (定年退職者等の再任用) 第八十一条の四 任命権者は、第八十一条の二第一項の規定により退職した者若しくは前条の規定により勤務した後退職した者若しくは定年退職日以前に退職した者のうち勤続期間等を考慮してこれらに準ずるものとして人事院規則で定める者(以下「定年退職者等」という。)又は自衛隊法の規定により退職した者であつて定年退職者等に準ずるものとして人事院規則で定める者(次条において「自衛隊法による定年退職者等」という。)を、従前の勤務実績等に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、常時勤務を要する官職に採用することができる。ただし、その者がその者を採用しようとする官職に係る定年に達していないときは、この限りでない。 ○2 前項の任期又はこの項の規定により更新された任期は、人事院規則の定めるところにより、一年を超えない範囲内で更新することができる。 ○3 前二項の規定による任期については、その末日は、その者が年齢六十五年に達する日以後における最初の三月三十一日以前でなければならない。
第八十一条の五 任命権者は、定年退職者等又は自衛隊法による定年退職者等を、従前の勤務実績等に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、短時間勤務の官職(当該官職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間が、常時勤務を要する官職でその職務が当該短時間勤務の官職と同種のものを占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間であるものをいう。第三項において同じ。)に採用することができる。 ○2 前項の規定により採用された職員の任期については、前条第二項及び第三項の規定を準用する。 ○3 短時間勤務の官職については、定年退職者等及び自衛隊法による定年退職者等のうち第八十一条の二第一項及び第二項の規定の適用があるものとした場合の当該官職に係る定年に達した者に限り任用することができるものとする。
  附  則 第十三条 一般職に属する職員に関し、その職務と責任の特殊性に基いて、この法律の特例を要する場合においては、別に法律又は人事院規則(人事院の所掌する事項以外の事項については、政令)を以て、これを規定することができる。但し、その特例は、この法律第一条の精神に反するものであつてはならない。
検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号) 第二十二条 検事総長は、年齢が六十五年に達した時に、その他の検察官は年齢が六十三年に達した時に退官する。
第三十二条の二 この法律第十五条、第十八条乃至第二十条及び第二十二条乃至第二十五条の規定は、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)附則第十三条の規定により、検察官の職務と責任の特殊性に基いて、同法の特例を定めたものとする。
人事院規則一一―八(11―8)(職員の定年)(昭和五十九年人事院規則一一―八)  (定年に達している者の任用) 第五条 職員(法第八十一条の二第三項に規定する職員を除く。)の採用は、再任用(法第八十一条の四第一項又は第八十一条の五第一項の規定により採用することをいう。次項において同じ。)の場合を除き、採用しようとする者が当該採用に係る官職に係る定年に達しているときには、行うことができない。ただし、かつて職員として任用されていた者のうち、引き続き特別職に属する職、地方公務員の職、沖縄振興開発金融公庫に属する職その他これらに準ずる職で人事院が定めるものに就き、引き続きこれらの職に就いている者の、その者が当該採用に係る官職を占めているものとした場合に定年退職(法第八十一条の二第一項の規定により退職することをいう。以下同じ。)をすることとなる日以前における採用については、この限りでない。 2 職員の他の官職への異動(法第八十一条の二第三項に規定する職員となる異動を除く。)は、その者が当該異動後の官職を占めているものとした場合に定年退職をすることとなる日後には、行うことができない。ただし、法第八十一条の三第一項の規定により引き続いて勤務している職員(以下「勤務延長職員」という。)の法令の改廃による組織の変更等に伴う異動であつて勤務延長(法第八十一条の三第一項の規定により職員を引き続いて勤務させることをいう。以下同じ。)に係る官職の業務と同一の業務を行うことをその職務の主たる内容とする他の官職への異動及び再任用をされている職員としての異動については、この限りでない。
 (勤務延長) 第六条 法第八十一条の三に規定する任命権者には、併任に係る官職の任命権者は含まれないものとする。
第七条 勤務延長は、職員が定年退職をすべきこととなる場合において、次の各号の一に該当するときに行うことができる。 一 職務が高度の専門的な知識、熟達した技能又は豊富な経験を必要とするものであるため、後任を容易に得ることができないとき。 二 勤務環境その他の勤務条件に特殊性があるため、その職員の退職により生ずる欠員を容易に補充することができず、業務の遂行に重大な障害が生ずるとき。 三 業務の性質上、その職員の退職による担当者の交替が当該業務の継続的遂行に重大な障害を生ずるとき。

第八条 任命権者は、勤務延長を行う場合及び勤務延長の期限を延長する場合には、あらかじめ職員の同意を得なければならない。
第九条 任命権者は、勤務延長の期限の到来前に当該勤務延長の事由が消滅した場合は、職員の同意を得て、その期限を繰り上げることができる。
第十条 任命権者は、勤務延長を行う場合、勤務延長の期限を延長する場合及び勤務延長の期限を繰り上げる場合において、職員が任命権者を異にする官職に併任されているときは、当該併任に係る官職の任命権者にその旨を通知しなければならない。  

(弁護士・金原徹雄のブログから~東京高等検察庁検事長定年延長問題)

2020年2月8日

東京高等検察庁検事長定年延長問題について~法律の規定は読み間違えようがない 2020年2月11日

東京高等検察庁検事長定年延長問題について(2)~政府の解釈はこういうことだろうか?

2020年2月16日

東京高等検察庁検事長定年延長問題について(3)~論点は出そろった(渡辺輝人氏、園田寿氏、海渡雄一氏の論考を読んで)

2020年2月22日

東京高等検察庁検事長定年延長問題について(4)~「国家的悲劇」を象徴する痛ましい姿(小田嶋隆さんのコラムを読む)

2020年2月23日

東京高等検察庁検事長定年延長問題について(5)~立憲デモクラシーの会の声明と文理解釈再び

2020年3月4日

東京高等検察庁検事長定年延長問題について(6)~静岡県弁護士会「黒川弘務東京高検検事長の定年延長に強い懸念を表明する会長声明」を読む

2020年3月6日

東京高等検察庁検事長定年延長問題について(7)~法律家9団体共同声明を読む

東京高等検察庁検事長定年延長問題について(6)~静岡県弁護士会「黒川弘務東京高検検事長の定年延長に強い懸念を表明する会長声明」を読む

2020年3月4日配信(予定)のメルマガ金原No.3449を転載します。

東京高等検察庁検事長定年延長問題について(6)~静岡県弁護士会「黒川弘務東京高検検事長の定年延長に強い懸念を表明する会長声明」を読む

 2月25日に新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長は安倍晋三内閣総理大臣)がようやく「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を決定して発表したのもつかの間、翌26日に大規模イベントの中止「要請」、さらに27日には小学校・中学校・高校・特別支援学校の休校「要請」という、明らかに「基本方針」と矛盾し、かつ法的根拠の不明な「政治決断」を安倍首相があいついで発表し、日本中が大混乱に陥っています。
 おかげで、「桜を見る会」前夜祭スキャンダルや東京高検検事長定年延長問題への関心が薄れつつあるのではないか(それも首相の狙いの一部では)ということが懸念される今日この頃ですが、そういう私自身、自分が役員を務める全国組織の地方事務所にまで小学校休校の余波が及んだ上に、頻繁な接見を要する国選弁護事件を引き受けたりして、「東京高等検察庁検事長定年延長問題について」シリーズ(?)の続編にとりかかる余裕がなくなってしまい、この間ブログで更新したのは、3月8日(日)の「フクシマを忘れない!原発ゼロへ和歌山アクション2020」と3月14日(土)の「守ろう9条紀の川市民の会」第16回総会と君島東彦立命館大学教授による記念講演の中止をお知らせする告知記事だけという有様でした。

 しかしながら、「東京高等検察庁検事長定年延長問題について(5)」を書いて以降も、是非取り上げておきたい材料がいくつかあり、何とか書いておこうと思っているうちに、3月2日付で静岡県弁護士会「黒川弘務東京高検検事長の定年延長に強い懸念を表明する会長声明」を発出していることに気が付き、一読したところ、とても感銘を受けましたので、まずはこの会長声明をご紹介しようと決意しました。

 実は、東京高検検事長定年延長問題は、国民の司法への信頼を根底から揺るがす大事件であるにもかかわらず、その一翼を担うはずの日本弁護士連合会からの意見表明がないことに不満を抱く会員(もちろん私もその1人)が多い中、全国の弁護士会からの意見表明が待たれていました。
 静岡県弁護士会が会長声明を発出した最初の弁護士会かどうかまでは未確認ですが、法曹として言及すべき重要論点についてしっかり論述されており、しかも、一般市民が読んでも理解しやすい平明かつ論理的な文章であることに感心しました。
 私も、所管委員会の担当者として、過去何度か会長声明の草稿を起案したことがありますが、過不足なく論点を取り上げ、説得力豊かな声明文を書くというのは容易なことではありません。説明不足では用をなしませんし、言い過ぎては常議員会(弁護士会の意思決定機関)の承認が得られません。そして、そんなことにあれこれ目配りし過ぎると、間違ったことは書いていないけれど、どこに焦点があるのかよく分からないぼやけた声明になったりします。

 そこで、静岡県弁護士会の会長声明です。私が一読してまず感じたのは、その「勢い」というか「熱意」がひしひしと伝わってきたことです。
 もちろん、「今回,黒川弘務氏の定年延長を閣議決定したことは,検察庁法に違反する疑いが強い。」と表現し、違法と断定することを慎重に避けるなどの配慮はあるものの、静岡県弁護士会の執行部、常議員、起案者が一致して、法曹としての矜持にかけ、100%の自信を持って作り上げた会長声明であるという強い印象を受けました。

 それから、静岡ということで思い出すのは、去る2月19日に開催された検察長官会同の場で、勇気をもって定年延長問題について発言した神村昌通氏が、静岡地方検察庁の検事正であったというこです。静岡県弁護士会がこの会長声明を準備している際、神村検事正に対する援護射撃をしたいという意図があったかどうかは分かりませんが、同じ法曹としての連帯感が存在したことは間違いないでしょう。

 ただ、唯一懸念されるのは、これからこの問題についての会長声明を起案する立場になった静岡以外の弁護士会の担当者が、静岡県弁護士会のこの会長声明を読んでしまうと、「とてもこれ以上のものは書けない」とひるんでしまうのではないか、ということです。

 それでは、静岡県弁護士会の会長声明を是非お読みください。そして、1人でも多くの方に広めてください。

(引用開始)
    黒川弘務東京高検検事長の定年延長に強い懸念を表明する会長声明

1 本年1月31日,政府は,2月7日で定年退官する予定だった東京高等検察庁(以下「東京高検」という。)検事長の黒川弘務氏について,国家公務員法第81条の3を適用し,半年後の8月7日まで定年を延長させることを閣議決定した。また,その後の国会答弁によれば,政府は,この閣議決定に先立ち,これまで一貫して「検察官には国家公務員法による定年延長は適用されない」としてきた解釈を,あえて変更したとされている。
 しかし,このように唐突な法解釈の変更と,それを前提として黒川弘務氏の定年延長を認めた閣議決定は,法治主義の原則や刑事司法制度に対する信頼維持の見地から,極めて問題が大きい。

2 そもそも,検察官の定年が国家公務員法の規定によって延長できると解釈する余地があるのかについて,重大な疑問がある。
 国家公務員法第81条の3第1項は,定年に達した職員が「前条第1項の規定により退職すべきこととなる場合」において,職務の特殊性や特別の事情により公務に著しい支障があるときは,1年以内なら引き続いて勤務させることができる旨を規定する。また,ここでの「前条第1項」にあたる同法第81条の2第1項には,定年に達した職員は「法律に別段の定めのある場合を除き」定年に達した日以後に到来する定年退職日に退職する旨が規定されている。そして,国家公務員法には定年制度そのものが存在しなかったところ,これらの定年制度や勤務延長(定年延長)制度は,1981年(昭和56年)の法律改正によって初めて導入されたものであった。
 もっとも,かかる国家公務員法の改正以前から,検察庁法第22条は「検事総長は,年齢が65年に達した時に,その他の検察官は年齢が63年に達した時に退官する。」と定めていた。つまり,検察官については,他の国家公務員には定年すらなかった当時から,検察庁法に基づく独自の定年退官の制度として同法第22条が適用されていたのである。
 このような経過を踏まえれば,検察官の場合には,国家公務員法第81条の2第1項で「法律に別段の定めのある場合を除き」とされている「別段の定め」が,検察庁法第22条であることは当然である。そして,この「別段の定め」である検察庁法第22条により「検事総長は,年齢が65年に達した時に,その他の検察官は年齢が63年に達した時に退官する。」と明確に定められた検察官について,国家公務員法第81条の2及びこれを前提とした同法第81条の3が適用されないのは明白である。
 また,実質的にも,刑事訴訟法上の強大な権限を与えられている検察官について,検察庁法は,その任用資格を厳しく制限する(第18条及び第19条)とともに,他の公務員にはない欠格事由(第20条)を定め,さらに,一定の年齢に達したときは当然に退官するという定年退官制度(第22条)を設けており,これらの諸規定は,いずれも「検察官の職務と責任の特殊性に基づいて」国家公務員法の「特例を定めたもの」だと明記されている(第32条の2)。そうすると,検察庁法第22条は,検察官の職務と責任の特殊性を考慮して,そのような職に従事できる者の資格を法律に明定したものと理解され,検事総長以外の検察官が63歳を超えて勤務することを禁じる趣旨と解するべきである。そして,検察官の定年退官は,国家公務員法の規定ではなく,専ら検察庁法の規定により行わなければならないと解釈するべきである。

 したがって,今回,黒川弘務氏の定年延長を閣議決定したことは,検察庁法に違反する疑いが強い。

3 そして,このように解釈すべきことは,国家公務員の人事制度について詳細に記載した『逐条国家公務員法<全訂版>』(学陽書房・2015年)などからも裏付けられる。
 同書によれば,国家公務員の定年制度の目的は,①職員の新陳代謝を計画的に行うことにより組織の活力を維持し,もって公務能率の維持増進を図ること,②所定の年齢まで職員の勤務の継続を保障して,安んじて職員を公務に専念させ,職員の士気の高揚を図り,組織の活力を維持すること,とされている。
 しかし,「法律に別段の定めがある場合」には,この国家公務員法の定年制度の対象とならない。この点について同書は,「一般職の国家公務員については,原則的には本法に定める定年制度が適用されるが,従来から他の法律により定年制度が定められているものについては,その経緯等に鑑み,それぞれの法律による定年制度を適用しようとするものである。このようなものとしては,検察庁法第22条による検事総長(65歳)及び検察官(63歳)の定年・・・(省略)・・・がある。」とされているのである。
 また,1981年(昭和56年)に定年制度の導入に関する国家公務員法改正案が国会で審議された際,人事院は「検察官と大学教員は既に定年が定められ,国家公務員法の定年制は適用されないことになっている」と明確に答弁していた。さらには,当時の国会審議の関連資料として,旧総理府人事局が1980年(昭和55年)10月に作成していた「国家公務員法の一部を改正する法律案(定年制度)想定問答集」と題する文書では「検察官,大学の教員については,年齢についてのみ特例を認めたのか。それとも全く今回の定年制度からはずしたのか」という問いに,「定年,特例定年,勤務の延長及び再任用の適用は除外されることとなる」との回答が明記されていた。
 このように,国家公務員法に定年制が導入された際の国会審議では,検察官については,国家公務員法第81条の3による勤務延長(定年延長)を含めて同法による定年制度全般の適用が除外される旨が明確に確認され,それを前提として改正国家公務員法が成立していたのである。

4 ところが,本年2月13日の衆議院本会議で,安倍首相は,今回の閣議決定に当たって安倍内閣として従来の法解釈を変更したことを明らかにした。すなわち,安倍首相は,当時は検察庁法によって検察官について国家公務員法が適用除外されていたことを認める一方,検察官も一般職の国家公務員であるため検察官の定年延長に国家公務員法の規定が適用されると解釈変更したと述べたのである。
 しかしながら,本声明第2項で述べたとおり,このような解釈の変更には無理があり,検察官に国家公務員法による定年延長を適用できるとの解釈そのものが検察庁法に違反する疑いがきわめて強い。
 さらに,検察官に国家公務員法による定年延長の適用がないことは,定年に関する国家公務員法改正案が国会で成立した際に明確に確認され,その後何十年にもわたって維持されてきた解釈であるのに,それを,法律の改正によらず,しかも,一検察官の退職日の延長のためだけという理由によって急遽変更するべき必要性は何ら見出し難い。そして,このような政府による恣意的な法解釈の変更を許容してしまえば,国会で決めた法律がどのように運用されるかは全て政府次第となり,法の安定性が揺らぎ,「法治主義」の根幹を揺るがしかねない。
 すなわち,今回の解釈変更を前提にする閣議決定は,政府が国会の立法権を実質的に侵害するに等しく,三権分立原則や法律による行政の原則にも違反する疑いが強いものである。

5 他方で,今回の定年延長は次期検事総長人事をにらんだものとの臆測もあるところ,政府は2月18日の閣議で,定年を延長した黒川弘務氏について,検察トップの検事総長に任命することは可能だとする答弁書を決定した。
 法律上は,検事総長を任命するのは内閣である。もっとも,これまでは,前任の検事総長が後任を決めるのが慣例とされ,政治的判断を排除することが,検察の職権行使の独立性の象徴ともされてきた。しかるに,今回の東京高検検事長の定年延長という違法の疑いの強い閣議決定によって,内閣が黒川弘務氏を次の検事総長に指名することになるとすれば,内閣が,その政治的判断によって,実質的にも検察のトップを指名できることになり,これまで検察が至上命題としてきた「検察の独立性」が,「検事総長人事」という中核から事実上崩壊することになる。
 検察庁は「検察の理念」として「厳正公平,不偏不党を旨として,公正誠実に職務を行う」ことを掲げている。首相主催の「桜を見る会」や,会の前夜に開いた夕食会について,市民団体や大学教授らが,公職選挙法違反や政治資金規正法違反などの容疑で安倍首相に対する告発状を東京地検に提出している中,検察庁の厳正公平,不偏不党に疑念が持たれれば,国民の信頼はとても得られない。
 加えて,そもそも国家公務員の定年延長にしても「特殊な場合についてのみ認められる定年制度上の特例的措置であることから,定年制度の趣旨を損なうことがないよう慎重かつ厳格に適用されなければならないもの」(前掲「逐条国家公務員法<全訂版>」)とされ,恣意的な運用が厳に戒められている。しかるに,政府は,黒川弘務氏の定年を延長しなければならない理由や必要性について,国民が納得するに足りる説明をしているとは到底認められない状況であり,このように恣意的な政府による法解釈・適用の結果として,黒川弘務氏が将来的に検事総長に就任するような事態となれば,刑事司法制度に対する国民の信頼はきわめて大きく損なわれることが深刻に危惧される。

6 当会は,同じ法曹として,今回の黒川弘務東京高検検事長に関する定年延長の閣議決定は,検察庁法及び国家公務員法の解釈からも,法治主義,検察の独立性及び刑事司法への国民の信頼などの観点からも,極めて重大な問題があるものと言わざるを得ず,ここに強い懸念を表明する。

2020年(令和2年)3月2日
静岡県弁護士会
会長 鈴木 重治
(引用終わり)


(関連法令)
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)
 (定年による退職)
第八十一条の二 職員は、法律に別段の定めのある場合を除き、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の三月三十一日又は第五十五条第一項に規定する任命権者若しくは法律で別に定められた任命権者があらかじめ指定する日のいずれか早い日(以下「定年退職日」という。)に退職する。
〇2 前項の定年は、年齢六十年とする。ただし、次の各号に掲げる職員の定年は、当該各号に定める年齢とする。
一 病院、療養所、診療所等で人事院規則で定めるものに勤務する医師及び歯科医師 年齢六十五年
二 庁舎の監視その他の庁務及びこれに準ずる業務に従事する職員で人事院規則で定めるもの 年齢六十三年
三 前二号に掲げる職員のほか、その職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより定年を年齢六十年とすることが著しく不適当と認められる官職を占める職員で人事院規則で定めるもの 六十年を超え、六十五年を超えない範囲内で人事院規則で定める年齢
○3 前二項の規定は、臨時的職員その他の法律により任期を定めて任用される職員及び常時勤務を要しない官職を占める職員には適用しない。

 (定年による退職の特例)
第八十一条の三 任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。

○2 任命権者は、前項の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前項の事由が引き続き存すると認められる十分な理由があるときは、人事院の承認を得て、一年を超えない範囲内で期限を延長することができる。ただし、その期限は、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して三年を超えることができない。

 (定年退職者等の再任用)
第八十一条の四 任命権者は、第八十一条の二第一項の規定により退職した者若しくは前条の規定により勤務した後退職した者若しくは定年退職日以前に退職した者のうち勤続期間等を考慮してこれらに準ずるものとして人事院規則で定める者(以下「定年退職者等」という。)又は自衛隊法の規定により退職した者であつて定年退職者等に準ずるものとして人事院規則で定める者(次条において「自衛隊法による定年退職者等」という。)を、従前の勤務実績等に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、常時勤務を要する官職に採用することができる。ただし、その者がその者を採用しようとする官職に係る定年に達していないときは、この限りでない。
○2 前項の任期又はこの項の規定により更新された任期は、人事院規則の定めるところにより、一年を超えない範囲内で更新することができる。
○3 前二項の規定による任期については、その末日は、その者が年齢六十五年に達する日以後における最初の三月三十一日以前でなければならない。

第八十一条の五 任命権者は、定年退職者等又は自衛隊法による定年退職者等を、従前の勤務実績等に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、短時間勤務の官職(当該官職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間が、常時勤務を要する官職でその職務が当該短時間勤務の官職と同種のものを占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間であるものをいう。第三項において同じ。)に採用することができる。
○2 前項の規定により採用された職員の任期については、前条第二項及び第三項の規定を準用する。
○3 短時間勤務の官職については、定年退職者等及び自衛隊法による定年退職者等のうち第八十一条の二第一項及び第二項の規定の適用があるものとした場合の当該官職に係る定年に達した者に限り任用することができるものとする。

  附  則
十三条 一般職に属する職員に関し、その職務と責任の特殊性に基いて、この法律の特例を要する場合においては、別に法律又は人事院規則(人事院の所掌する事項以外の事項については、政令)を以て、これを規定することができる。但し、その特例は、この法律第一条の精神に反するものであつてはならない。

検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)
第二十二条 検事総長は、年齢が六十五年に達した時に、その他の検察官は年齢が六十三年に達した時に退官する。

第三十二条の二 この法律第十五条、第十八条乃至第二十条及び第二十二条乃至第二十五条の規定は、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)附則第十三条の規定により、検察官の職務と責任の特殊性に基いて、同法の特例を定めたものとする。

人事院規則一一―八(11―8)(職員の定年)(昭和五十九年人事院規則一一―八)
 (定年に達している者の任用)
第五条 職員(法第八十一条の二第三項に規定する職員を除く。)の採用は、再任用(法第八十一条の四第一項又は第八十一条の五第一項の規定により採用することをいう。次項において同じ。)の場合を除き、採用しようとする者が当該採用に係る官職に係る定年に達しているときには、行うことができない。ただし、かつて職員として任用されていた者のうち、引き続き特別職に属する職、地方公務員の職、沖縄振興開発金融公庫に属する職その他これらに準ずる職で人事院が定めるものに就き、引き続きこれらの職に就いている者の、その者が当該採用に係る官職を占めているものとした場合に定年退職(法第八十一条の二第一項の規定により退職することをいう。以下同じ。)をすることとなる日以前における採用については、この限りでない。
2 職員の他の官職への異動(法第八十一条の二第三項に規定する職員となる異動を除く。)は、その者が当該異動後の官職を占めているものとした場合に定年退職をすることとなる日後には、行うことができない。ただし、法第八十一条の三第一項の規定により引き続いて勤務している職員(以下「勤務延長職員」という。)の法令の改廃による組織の変更等に伴う異動であつて勤務延長(法第八十一条の三第一項の規定により職員を引き続いて勤務させることをいう。以下同じ。)に係る官職の業務と同一の業務を行うことをその職務の主たる内容とする他の官職への異動及び再任用をされている職員としての異動については、この限りでない。

 (勤務延長)
第六条 法第八十一条の三に規定する任命権者には、併任に係る官職の任命権者は含まれないものとする。

第七条 勤務延長は、職員が定年退職をすべきこととなる場合において、次の各号の一に該当するときに行うことができる。
一 職務が高度の専門的な知識、熟達した技能又は豊富な経験を必要とするものであるため、後任を容易に得ることができないとき。
二 勤務環境その他の勤務条件に特殊性があるため、その職員の退職により生ずる欠員を容易に補充することができず、業務の遂行に重大な障害が生ずるとき。
三 業務の性質上、その職員の退職による担当者の交替が当該業務の継続的遂行に重大な障害を生ずるとき。

第八条 任命権者は、勤務延長を行う場合及び勤務延長の期限を延長する場合には、あらかじめ職員の同意を得なければならない。

第九条 任命権者は、勤務延長の期限の到来前に当該勤務延長の事由が消滅した場合は、職員の同意を得て、その期限を繰り上げることができる。

第十条 任命権者は、勤務延長を行う場合、勤務延長の期限を延長する場合及び勤務延長の期限を繰り上げる場合において、職員が任命権者を異にする官職に併任されているときは、当該併任に係る官職の任命権者にその旨を通知しなければならない。

 

(弁護士・金原徹雄のブログから~東京高等検察庁検事長定年延長問題)
2020年2月8日
東京高等検察庁検事長定年延長問題について~法律の規定は読み間違えようがない
2020年2月11日
東京高等検察庁検事長定年延長問題について(2)~政府の解釈はこういうことだろうか?
2020年2月16日
東京高等検察庁検事長定年延長問題について(3)~論点は出そろった(渡辺輝人氏、園田寿氏、海渡雄一氏の論考を読んで)
2020年2月22日
東京高等検察庁検事長定年延長問題について(4)~「国家的悲劇」を象徴する痛ましい姿(小田嶋隆さんのコラムを読む)
2020年2月23日
東京高等検察庁検事長定年延長問題について(5)~立憲デモクラシーの会の声明と文理解釈再び

講演会中止のお知らせ・3/14君島東彦立命館大学教授講演会を中止します(守ろう9条 紀の川 市民の会)

 202032日配信(予定)のメルマガ金原No.3448を転載します。

講演会中止のお知らせ・3/14君島東彦立命館大学教授講演会を中止します(守ろう9条 紀の川 市民の会)

 まことに残念ながら、3月14日(土)に予定していた君島東彦(きみじまあきひこ)先生講演会(及び第16回総会)は中止とすることになりました。現在、6月頃をめどに開催すべく(総会・記念講演とも)調整中であり、正式に決まりましたらまたご案内致します。
 以下に、「守ろう9条 紀の川 市民の会」からの「お知らせ」を貼り付けますので、周知へのご協力を何卒よろしくお願いします。

(守ろう9条 紀の川 市民の会 より)
                                          2020年3月2日

                守ろう9条 紀の川 市民の会
           第16回総会及び記念講演「中止」のお知らせ

 日頃は大変お世話になっております。
 さて、かねて開催をご案内しておりました当会の第16回総会及び君島東彦立命館大学教授による記念講演「激変する東アジアで憲法9条を考える」(3月14日(土)午後1時30分~/於:和歌山市河北コミュニティセンター2階多目的ホール)につきましては、コロナウイルスによる感染リスクを避け、参加者の健康に最大限配慮すべきとの観点から、まことに残念ではありますが、「中止」することと致しました。
 開催予定日まで10日余りしかない間際の決定となったことをお詫びするとともに、中止となった旨の周知方にご協力賜りたく、重々ご迷惑をおかけ致しますが、事情ご賢察の上、何卒よろしくお願い申し上げます。
 なお、中止した総会及び君島教授による記念講演につきましては、6月頃をめどに開催する方向で調整中であり、正式に決まりましたら、あらためてご案内致します。
 以上、お知らせ申し上げます。

                                守ろう9条 紀の川 市民の会

※本件についてのお問合せは、当会代表・原 通範(電話073-462-0539)までお願い致します。

開催を告知したブログ

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東京高等検察庁検事長定年延長問題について(5)~立憲デモクラシーの会の声明と文理解釈再び

 2020年2月23日配信(予定)のメルマガ金原No.3447を転載します。

東京高等検察庁検事長定年延長問題について(5)~立憲デモクラシーの会の声明と文理解釈再び

 昨日予告したとおり、東京高等検察庁検事長定年延長問題についての(5)として、立憲デモクラシーの会が一昨日(2月21日)公表した「検察官の定年延長問題に関する声明」をご紹介し、併せて、あらためて「検察官の定年を延長することが現行法上可能か?」についての文理解釈を試みることにします。

 その前にまず、過去4回の記事にリンクしておきます。

2020年2月8日
東京高等検察庁検事長定年延長問題について~法律の規定は読み間違えようがない

2020年2月11日
東京高等検察庁検事長定年延長問題について(2)~政府の解釈はこういうことだろうか?

2020年2月16日
東京高等検察庁検事長定年延長問題について(3)~論点は出そろった(渡辺輝人氏、園田寿氏、海渡雄一氏の論考を読んで)

2020年2月22日
東京高等検察庁検事長定年延長問題について(4)~「国家的悲劇」を象徴する痛ましい姿(小田嶋隆さんのコラムを読む)

 以下に、立憲デモクラシーの会の声明を全文ご紹介しますが、一昨日、国会で発表のための記者会見が開かれ、報道によると(NHKニュースとしんぶん赤旗にリンクしておきます)、山口二郎法政大学教授、石川健治東京大学教授、長谷部恭男早稲田大学教授、高見勝利上智大学名誉教授、西谷修東京外国語大学名誉教授が出席されたそうです。会見の模様を収めた動画はないかと探しているのですが、残念ながら見つけられませんでした。
 立憲デモクラシー講座の動画をよくアップしてくださっているUPLANの三輪祐児さんも、「各種集会などが中止になっていることもあり、しばらく撮影を自粛します。」ということなので、どこも撮影していないのかもしれません。

NHKニュース 2020年2月21日 20時49分
「法の支配 根底から揺るがす」憲法学者ら検事長定年延長批判
(引用開始)
 グループの共同代表で法政大学の山口二郎教授は、21日の会見で「法の安定的な解釈運用や公平な行政の実施に誇りを持っている行政官を、いわば力ずくで屈服させたようなもので、ある種の暴力を感じる」と批判しました。
 また、東京外国語大学西谷修名誉教授は「あらゆる職務義務や倫理に反しても、政府がやっていることを正しいことにしなくてはいけないというのが、今の日本の政治状況だ」と話していました。
(引用終わり)

しんぶん赤旗 2020年2月22日(土)
検察定年延長 法の支配が揺らぐ 立憲デモクラシーの会声明
(抜粋引用開始)
 立憲主義の回復を目指す幅広い研究者でつくる立憲デモクラシーの会が21日、国会内で記者会見し、安倍内閣が法解釈を変えて東京高検検事長の定年を延長した問題について声明を発表しました。
(略)
 会見で、石川健治東京大学教授は「(安倍政権によって)法秩序の連続性の崩壊が行われた。この政権の一貫した姿勢が表れている」と立憲主義破壊を批判しました。山口二郎法政大学教授は「法のねじ曲げはまかり通る。日本は法の支配の国ではない。前近代的専制国家に堕落したと言わざるを得ない」と主張しました。
(引用終わり)

 それでは、立憲デモクラシーの会による「検察官の定年延長問題に関する声明」をご紹介します。

(引用開始)
        検察官の定年延長問題に関する声明(2020年2月21日)

 東京高検の黒川弘務検事長の定年延長問題が論議の的となっている。
 検察庁法は22条で「検事総長は、年齢が65年に達した時に、その他の検察官は年齢が63年に達した時に退官する」と定める。黒川氏は「その他の検察官」にあたり、今年2月7日に退官する予定であった。ところが安倍内閣は1月末の閣議で、国家公務員法の規定を根拠に黒川氏の定年延長を決定した。
 ここには大きく分けて二つの問題がある。国家公務員法の規定とは同法81条の3第1項で、任命権者は、職員が定年に達する場合であっても、その職員の「職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは」、定年退職予定日の翌日から起算して1年を超えない範囲内で、その職員の定年を延長することができるとしている。
 国家公務員法は、国家公務員の身分や職務に関する一般法である。検察官も国家公務員ではあるが、検察庁法が特別に検察官の定年を定めている。いわゆる一般法と特別法の関係にあり、両者の間に齟齬・抵触があるときは、特別法が優越するという考え方が法律学の世界では受け入れられている。国家公務員法81条の3が制定された当時の政府見解でも、検察官にはこの規定は適用されないという考え方が示されていた。
 それにもかかわらず、閣議決定で制定当時の政府見解を変更し、国家公務員法の規定を適用して黒川氏の定年を延長してよいのかというのが第一の問題である。権力の中枢にある者の犯罪をも捜査の対象とする検察官の人事のルールは、国政上の最重要事項の一つであり、全国民を代表する国会の審議・決定を経ずして、単なる閣議決定で決められるべき事柄ではない。
 ときの政権の都合で、こうした重大事項についても、従来の法解釈を自由に変更してかまわないということでは、政権の行動に枠をはめるべき法の支配が根底から揺るがされる。政府の権限は、主権者たる国民からの預かりものである。預かり物として大事に扱い、メンテナンスを施し、次の政権へ、将来の国民へと手渡していかなければならない。その時々の都合で長年の法解釈を変更して恬として恥じるところがないというのでは、国民の法の支配への信頼は崩壊してしまう。
 第二の問題は、百歩譲って検察官にも国家公務員法を適用して定年を延長できるとしても、それが可能な場合は現行法上、きわめて限定されているということである。前述したように、国家公務員法上、定年延長には「十分な理由」が必要である。そうした理由が認められる場合を人事院は、その規則で限定列挙している(人事院規則11-8第7条)。
 第一が、職務が高度の専門的な知識、熟達した技能又は豊富な経験を必要とするため、後任を容易に得ることができないときで、つまり本人が名人芸的な技能の持ち主であるときである。第二が、勤務環境その他の勤務条件に特殊性があるため、その職員の退職により生ずる欠員を容易に補充できず、業務の遂行に重大な支障が生ずる場合で、持ち場が離島にある場合などがこれにあたる。第三が、業務の性質上、その職員の退職による担当者の交替が当該業務の継続的遂行に重大な障害を生ずるときで、特定の研究プロジェクトがじき完了する場合や、切迫する重大案件を処理するため、幹部クラスの職員に一定の区切りがつくまで、当該案件を担当させる場合である[1]。これら三つの場合のいずれかにあたらない限り、国家公務員法に基づく定年の延長は認められない。
 かりに検察官に国家公務員法81条の3が適用されるのだとしても、今回の例がこのいずれにもあたらないことは明らかであろう。問題の検事長は名人芸の持ち主だとも知られておらず、離島に務めてもおらず、特別なプロジェクトを遂行しているとの情報もない。任命権者の裁量的判断で人事院規則に反する定年延長が許されるとなれば、内閣から独立した立場から国家公務員の政治的中立性と計画的人事を支える人事院の機能は骨抜きとなりかねない。つまり、問題となる国家公務員法の規定が適用されるとしても、今回の閣議決定は、人事院規則および国家公務員法に違反している疑いが濃い。
 閣議決定がどのような思惑でなされたのかは、この際、問わないこととしよう。万一不当な動機が背後に隠されていたとしても、権力を握る者はそれにもっともらしい理由をつけて、国民を納得させようとするものである。しかし、今回の閣議決定に関しては、そのもっともらしい理由さえ存在しない。法の支配をないがしろにする現政権の態度があらわになったと言わざるを得ない。

[1]森園幸男・吉田耕三・尾西雅博編『逐条国家公務員法〔全訂版〕』(学陽書房、2015)698-700頁参照。
(引用終わり)

 以上のとおり、この声明は、

閣議決定で制定当時の政府見解を変更し、検察官に国家公務員法の規定を適用して定年を延長できると解釈することが可能か
②仮に検察官にも国家公務員法を適用して定年延長ができるとしても、黒川検事長が、人事院規則11-8第7条が求める勤務延長のための要件を充足していると言えるか

という2つの論点に絞り、そのいずれについても、本件閣議決定は「非」であり、「法の支配をないがしろにする現政権の態度があらわになった」と批判しています。

 もとより、以上2つの論点についての主張に全く異論はなく、日本弁護士連合会を始め、全国のいずれの弁護士会からも、検事長定年延長決定を批判する会長声明が出ていない(準備中の単位会があるという噂は聞きますが)現状の中、立憲デモクラシーの会が率先して声明を出されたことに満腔の敬意を表したいと思います。

 もっとも、最初に通読した際には、後半の論点②で百歩譲る必要があるのか?というのが正直疑問でしたけどね。ただ、人事院規則11-8第7条(末尾に引用しておきます)の要件を吟味するためには「仮に検察官に国家公務員法の定年延長規定が適用されるとしても」と仮定せざるを得ないので、まあ仕方がないかと思います。

 あと、強いて望蜀の言を述べるとすれば、以下のようなことになるでしょうか。
 論点①について、「こうした重大事項についても、従来の法解釈を自由に変更してかまわないということでは、政権の行動に枠をはめるべき法の支配が根底から揺るがされる。」とある部分は、今回の検事長定年延長は、形式的には「法解釈の変更」の範囲内ではあるが、「重大事項」であるので許されない、と主張しているように読めないこともありません。

 もちろん、そのような実質判断も重要でしょうが、重大であろうが、それほど重大でなかろうが、法令の解釈には自ずから限界がある、というのが法解釈学の常識でしょう。
 黒川弘務東京高検検事長の定年を延長した1月31日の閣議決定に多くの法曹が批判の声を上げたのは、「いくら何でも解釈の範囲を超えている。」と思ったからではないでしょうか。少なくとも私はそうでしたし、立場上声を上げにくい検察官や裁判官も、大半の人は同じ意見だと信じたいと思います。

 国家公務員法検察庁法の解釈についての私の意見は、この連載(?)の(1)と(2)に書いたとおりですが、ここで、私自身の頭の整理のために、おさらいをしておこうと思います(タイトルの「文理解釈再び」がこれです)。

 まず前提(その1)として、この問題に関する政府の見解を確認しておきましょう。出典は、2月14日に政府が衆議院予算委員会理事会に提出した「検察官の勤務延長について」と題された文書(日本共産党山添拓参議院議員がTwitterで紹介した画像から引用)です。

(引用開始)
 昭和56年当時、検察官については、国家公務員法の定年制は検察庁法により適用除外されていると理解していたものと認識している。
 他方、検察官も一般職の国家公務員であるから、検察庁法に定められている特例以外については、一般法たる国家公務員法が適用されるという関係にある。したがって、国家公務員法検察庁法の適用関係は、検察庁法に定められている特例の解釈に関わることであり、法務省において整理されるべきものである。
 そこで、検察庁法を所管する法務省において国家公務員法検察庁法との関係を検討したところ、
検察庁法が定める検察官の定年による退職の特例は、定年年齢と退職時期の2点であること
○特定の職員に定年後も引き続きその職務を担当させることが公務遂行上必要な場合に、定年制度の趣旨を損なわない範囲で定年を越えて勤務の延長を認めるとの勤務延長制度の趣旨は、検察官にも等しく及ぶというべきであること
から、一般職の国家公務員である検察官の勤務延長については、一般法である国家公務員法の規定が適用されると解釈することとし、このような解釈を政府として是としたもの。
(引用終わり)

 前提(その2)は、関係法条の施行日の先後関係です。

検察庁法第22条 昭和22年5月3日
国家公務員法附則第13条 昭和23年7月1日
検察庁法第32条の2 昭和24年6月1日
国家公務員法第81条の2 昭和60年3月31日
国家公務員法第81条の3 昭和60年3月31日
※注 条文は巻末に引用してあります。なお、「再任用」について規定した国家公務員法第81条の4及び第81条の5も、昭和60年3月31日施行です。

 以上を踏まえ、もう一度、検察官の定年を合法的に延長できるのか、考えてみます。

 内閣が、令和2年1月31日の閣議において、63歳の定年を迎える黒川弘務東京高等検察庁検事長の勤務を6か月間延長することとした根拠規定は、昭和56年に追加され、同60年に施行された国家公務員法第81条の3です。
 そもそも、上記改正まで、国家公務員には定年制そのものが存在せず、当然ながら定年延長などあるはずがありませんでした。
 しかし、日本国憲法と同じ昭和22年5月3日に施行された検察庁法第22条は、当初から「検事総長は、年齢が六十五年に達した時に、その他の検察官は年齢が六十三年に達した時に退官する。」という定年制を定めていました(定年延長の規定は存在せず)。

 特別法と一般法とに矛盾がある場合、特別法の規定が優先されるとの原理は、法曹界以外にも(今回の件を契機に?)広く知られるところとなったと思いますが、法解釈の場面では、後法優先原理というものもあります。
 制定・施行に前後関係のある法令間で内容的に矛盾がある場合には、後法を優先するということなのですが、前法が後法の特別法たる地位にあれば、特別法優先原理の方が適用されることになります。
 このあたりの説明は、園田寿甲南大学法科大学院教授の論考「検事長定年延長問題は、なぜこんなにも紛糾しているのか」をご参照ください。
 その中で園田教授も指摘されている「法令の制定や改正においては、既存の法令の内容を精査して、矛盾抵触する箇所があれば廃止や改正が行われますので、この後法優先原理が問題になる場面は実際上はほとんどありません。」という点が大変重要です。
 私も大学の教養課程の「法学」で後法優先原理という概念を学んで以降、弁護士としての実務についてからも、この原理を適用しなければ適切な法解釈ができないというような場面に遭遇したことは一度もありませんでした(記憶力が減退しつつあるのでもしかしたらあったのかもしれませんが、まあほとんどない)。

 山尾志桜里衆議院議員立憲民主党)が、2月10日の予算委委員会での質問に先立ち、国家公務員法に定年制を導入した昭和56年当時の国会審議状況を知るため、会議録をしらみつぶしに読んだそうですが、それは、上記の「法令の制定や改正においては、既存の法令の内容を精査して、矛盾抵触する箇所があれば廃止や改正が行われ」るという実務を前提として、どのような意図の下にどういう「改正」が行われたのか、すなわち「立法者意思」を知ることが、すなわち法令相互間の関係(今回の場合でいえば検察庁法と国家公務員法)を正しく解釈するための不可欠の前提であるからです。

 山尾議員が2月10日の衆院予算委員会で指摘した昭和56年当時の政府委員(人事院任用局長)の答弁をもう一度確認しておきましょう。

第94回国会 衆議院 内閣委員会 第10号 昭和56年4月28日
(引用開始)
○斧誠之助政府委員(人事院事務総局任用局長) 検察官と大学教官につきましては、現在すでに定年が定められております。今回の法案では、別に法律で定められておる者を除き、こういうことになっておりますので、今回の定年制は適用されないことになっております。
(引用終わり)

 さて、いよいよ文理解釈に入りましょうか。ここまで書いたことが条文を文理に即して解釈する前提となる事実です。
 国家公務員法第89条の3第1項は、以下のように規定しています。

「任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。」

 上記条項が検察官に適用可能か否かを判断する上で、最も重要な箇所は下線を引いた部分、すなわち、「前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において」と「同項の規定にかかわらず」の2箇所です。

  まず、「前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において」という文言をどう解釈すべきでしょうか?
 前条(第81条の2)第1項は以下のような規定です。

「職員は、法律に別段の定めのある場合を除き、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の三月三十一日又は第五十五条第一項に規定する任命権者若しくは法律で別に定められた任命権者があらかじめ指定する日のいずれか早い日(以下「定年退職日」という。)に退職する。」

 そして、同条2項は、(一部の例外を除き)「前項の定年は、年齢六十年とする。」としているのですから、同条第1項は、要するに、職員は、法律に別段の定めのある場合を除き、満60歳に達した時は、一定の基準日(定年退職日)に退職することを定めた規定ということになります。

 そこで、もう一度、第81条の3第1項に戻ってみましょう。これは2月10日の衆院予算委員会山尾志桜里議員も同趣旨のことを述べていましたが、上記引用条文の下線部を削除しても、この条文は意味が通じるのです。

「任命権者は、定年に達した職員が、その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。」

 いかがですか。これでちゃんと意味が通じるでしょう。
 それでは、立法者は、なぜ「前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において」「同項の規定にかかわらず」という語句を挿入したのでしょうか。
 その理由を知るためにこそ、会議録というものが作られるのです。
 先に前提として引用した斧誠之助人事院事務総局任用局長の答弁を思い出してみましょう。

「検察官と大学教官につきましては、現在すでに定年が定められております。今回の法案では、別に法律で定められておる者を除き、こういうことになっておりますので、今回の定年制は適用されないことになっております。」

 園田寿甲南大学法科大学院教授が「法令の制定や改正においては、既存の法令の内容を精査して、矛盾抵触する箇所があれば廃止や改正が行われますので」という部分も思い出してください。
 国家公務員法に定年制度に関する規定(第81条の2~第81条の6)を新設するにあたり、立法者(主務官庁は人事院でしょう)が、34年も先行して独自の定年制度を設けてきた検察庁法(第22条)との間に矛盾抵触が生じぬように配慮するのは当然のことです。
 第81条の3第1項に「前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において」や「同項の規定にかかわらず」という文言がなかったとしても、検察官の定年には検察庁法が適用され、国家公務員法の定年制に関する規定は適用されないという解釈は十分可能であるとはいえ、後日、紛議の起こらぬよう、他の法律で別途独自の定年制を定めている検察官や(当時の)国立大学教官には適用しないという趣旨を明確にするために、第81条の2第1項に「法律に別段の定めのある場合を除き」と明示した上で、第81条の3第1項に重ねて「前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において」「同項の規定にかかわらず」との文言を挿入することにより、検察官や大学教官の定年延長は認めないという趣旨を念押ししたものと解すべきであり、斧任用局長の上記答弁は、まさにその趣旨を明言したものなのです。

 以上のとおり、国家公務員法第81条の3第1項で定年延長が可能なのは、同法第81条の2第1項の規定に基づき退職すべきこととなる場合に限定されており、検察官は、同法ではなく、検察庁法第22条の規定に基づいて退職するのですから(このことは、2月10日の山尾議員の質問に対する答弁で森雅子法相も認めていました)、定年延長の規定は適用できません。

 以上が、ごくまっとうな文理解釈というものです。
 それでは、政府の統一見解では、国家公務員法第81条の2第1項や第81条の3第1項の規定をどう解釈しているのでしょうか。一部推測も混じりますが(ここまでの答弁は森法相もしていないと思う)、まず以下のようなことではないでしょうか。

1 国家公務員法第81条の2第1項は、特例がない限り、検察官にも適用される。
2 同項にいう「法律に別段の定めのある場合を除き」とは、同項が定める、①定年に達すれば退職するということ、及び②定年退職日(退職時期)について、同項とは異なる定めをする法律があればそれによるという趣旨である。
3 検察庁法第22条は、定年年齢と退職時期の2点についての特例を定めた規定である。
4 検察官は、定年年齢と退職時期は検察官法第22条に従うが、定年により退職すること自体の根拠は国家公務員法第81条の2第1項であり、検察庁法には検察官の定年延長(勤務延長)に関する規定はないので、一般法たる国家公務員法第81条の3が適用される。

 これをしも「解釈変更」と言うべきか?
 前提となる1自体が成り立たないことは、昭和56年当時の政府委員(人事院任用局長)答弁からも明らかですし、2、3も、まことに都合の良い「独自の見解」ということで、判決書などでは一顧だにされない屁理屈です。
 これは、もはや「解釈」の域を超えていると言わざるを得ないというのが、私の結論です。
 週明けからの国会に政府からどんな文書が出てこようとも、本連載(3)のタイトルのとおり、論点は既に出そろっており、結論は変わりようがありませんん。

(付言)
 なお、政府の説明によれば、1月22日に法務省人事院に検察官の定年延長について協議を申し入れ、同月24日に人事院が異論は述べないとの(日付のない)文書回答をしたことになっていますが、2月19日の衆議院予算委員会における山尾志桜里議員の質問に対し、松尾恵美子人事院給与局長が以下のように答弁していることはもう少し注目されても良いのかなと思います。

衆議院インターネット審議中継 2020年2月19日 (水) 予算委員会
6時間47分57秒~
松尾恵美子人事院給与局長 1月24日に法務省の方にお出しした書面におきまして、再任用につきましては、フルタイム再任用と短時間再任用とにかかわらず、再任用は、検察官の職務の特殊性に鑑み適用になじまないことから、国家公務員法第81条の4及び第81条の5は適用されないと解されるとすべきであるという見解を付してお返しをしているところでございます。

 「1月24日に」そのような文書回答をしたのか否かの詮索はさておくとして、国家公務員の再任用を定めた国家公務員法第81条の4(フルタイム)及び第81条の5(短時間勤務)の規定が「検察官の職務の特殊性に鑑み」、検察官には適用されないというのが人事院の見解であることは分かりました。
 安倍内閣全体として、この人事院見解を是としているのか否かは不明です。・・・というか、前提(その1)でご紹介した、なぜ検察官の定年延長が可能なのかについての政府統一見解と上記人事院見解は矛盾するとしか考えられません。

 政府は、特別法である「検察庁法が定める検察官の定年による退職の特例は、定年年齢と退職時期の2点であること」とした上で、「勤務延長制度の趣旨は、検察官にも等しく及ぶというべきであること」から、勤務延長については、一般法である国家公務員法の規定が適用されると解釈することとしたというのですから、特別法たる検察庁法に再任用についての規定がない以上、一般法たる国家公務員法第81条の4及び第81条の5が適用されるとしなければ辻褄が合わなくなるでしょう。
 もしも、検察官に第81条の3(定年延長)は適用されるが、第81条の4と第81条の5(再任用)は適用されないとするのであれば、定年延長の「趣旨は、検察官にも等しく及ぶというべきである」が、再任用の趣旨には及ばないというべきであるということになってしまい、法的安定性など皆無の「どうとでも解釈できる」状態を認めることになり、到底「解釈」の名に値しません。

 そもそも、検察官に、国家公務員法の定年延長の規定は適用されるが、再任用の規定は適用されないという人事院の(2月19日以降の)見解自体、全く整合性のとれない解釈です。「検察官の職務の特殊性に鑑み適用になじまない」のは、再任用に限ったことではなく、定年延長もそうでしょう(従来ずっとそう解釈してきたのだし)。
 現在の人事院総裁は、元仙台高等裁判所長官であった一宮なほみ氏ですが、元法曹としての矜持を示していただきたいと切に祈ります。


(関連法令)
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)
 (定年による退職)
第八十一条の二 職員は、法律に別段の定めのある場合を除き、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の三月三十一日又は第五十五条第一項に規定する任命権者若しくは法律で別に定められた任命権者があらかじめ指定する日のいずれか早い日(以下「定年退職日」という。)に退職する。
〇2 前項の定年は、年齢六十年とする。ただし、次の各号に掲げる職員の定年は、当該各号に定める年齢とする。
一 病院、療養所、診療所等で人事院規則で定めるものに勤務する医師及び歯科医師 年齢六十五年
二 庁舎の監視その他の庁務及びこれに準ずる業務に従事する職員で人事院規則で定めるもの 年齢六十三年
三 前二号に掲げる職員のほか、その職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより定年を年齢六十年とすることが著しく不適当と認められる官職を占める職員で人事院規則で定めるもの 六十年を超え、六十五年を超えない範囲内で人事院規則で定める年齢
○3 前二項の規定は、臨時的職員その他の法律により任期を定めて任用される職員及び常時勤務を要しない官職を占める職員には適用しない。

 (定年による退職の特例)
第八十一条の三 任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。
○2 任命権者は、前項の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前項の事由が引き続き存すると認められる十分な理由があるときは、人事院の承認を得て、一年を超えない範囲内で期限を延長することができる。ただし、その期限は、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して三年を超えることができない。

 (定年退職者等の再任用)
第八十一条の四 任命権者は、第八十一条の二第一項の規定により退職した者若しくは前条の規定により勤務した後退職した者若しくは定年退職日以前に退職した者のうち勤続期間等を考慮してこれらに準ずるものとして人事院規則で定める者(以下「定年退職者等」という。)又は自衛隊法の規定により退職した者であつて定年退職者等に準ずるものとして人事院規則で定める者(次条において「自衛隊法による定年退職者等」という。)を、従前の勤務実績等に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、常時勤務を要する官職に採用することができる。ただし、その者がその者を採用しようとする官職に係る定年に達していないときは、この限りでない。
○2 前項の任期又はこの項の規定により更新された任期は、人事院規則の定めるところにより、一年を超えない範囲内で更新することができる。
○3 前二項の規定による任期については、その末日は、その者が年齢六十五年に達する日以後における最初の三月三十一日以前でなければならない。

第八十一条の五 任命権者は、定年退職者等又は自衛隊法による定年退職者等を、従前の勤務実績等に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、短時間勤務の官職(当該官職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間が、常時勤務を要する官職でその職務が当該短時間勤務の官職と同種のものを占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間であるものをいう。第三項において同じ。)に採用することができる。
○2 前項の規定により採用された職員の任期については、前条第二項及び第三項の規定を準用する。
○3 短時間勤務の官職については、定年退職者等及び自衛隊法による定年退職者等のうち第八十一条の二第一項及び第二項の規定の適用があるものとした場合の当該官職に係る定年に達した者に限り任用することができるものとする。

  附  則
十三条 一般職に属する職員に関し、その職務と責任の特殊性に基いて、この法律の特例を要する場合においては、別に法律又は人事院規則(人事院の所掌する事項以外の事項については、政令)を以て、これを規定することができる。但し、その特例は、この法律第一条の精神に反するものであつてはならない。

検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)
第二十二条 検事総長は、年齢が六十五年に達した時に、その他の検察官は年齢が六十三年に達した時に退官する。

第三十二条の二 この法律第十五条、第十八条乃至第二十条及び第二十二条乃至第二十五条の規定は、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)附則第十三条の規定により、検察官の職務と責任の特殊性に基いて、同法の特例を定めたものとする。

人事院規則一一―八(11―8)(職員の定年)(昭和五十九年人事院規則一一―八)
 (勤務延長)
第六条 法第八十一条の三に規定する任命権者には、併任に係る官職の任命権者は含まれないものとする。
第七条 勤務延長は、職員が定年退職をすべきこととなる場合において、次の各号の一に該当するときに行うことができる。
一 職務が高度の専門的な知識、熟達した技能又は豊富な経験を必要とするものであるため、後任を容易に得ることができないとき。
二 勤務環境その他の勤務条件に特殊性があるため、その職員の退職により生ずる欠員を容易に補充することができず、業務の遂行に重大な障害が生ずるとき。
三 業務の性質上、その職員の退職による担当者の交替が当該業務の継続的遂行に重大な障害を生ずるとき。
第八条 任命権者は、勤務延長を行う場合及び勤務延長の期限を延長する場合には、あらかじめ職員の同意を得なければならない。
第九条 任命権者は、勤務延長の期限の到来前に当該勤務延長の事由が消滅した場合は、職員の同意を得て、その期限を繰り上げることができる。
第十条 任命権者は、勤務延長を行う場合、勤務延長の期限を延長する場合及び勤務延長の期限を繰り上げる場合において、職員が任命権者を異にする官職に併任されているときは、当該併任に係る官職の任命権者にその旨を通知しなければならない。