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マガ9対談:川口創さん×半田滋さん「検証:9条を骨抜きにするいくつかの方法について」

 今晩(2013年2月21日)配信した「メルマガ金原No.1271」を転載します。
 
マガ9対談:川口創さん×半田滋さん「検証:9条を骨抜きにするいくつかの方法について」
 
 第二次安倍晋三内閣は、2013年夏の参議院議員通常選挙までは「タカ派」の爪を極力隠し、経済政策中心で支持率アップを狙うだろうというのが大方の観測であり、実際そうだろうとは思うのですが、それでもぼろぼろと「本性」は現れてきており、その代表的なものが、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の「復活」
す。
 2月7日付内閣総理大臣決裁による文書を引用します。
(引用開始)
1.趣旨
 我が国周辺の安全保障環境が一層厳しさを増す中、それにふさわしい対応を可
能とするよう安全保障の法的基盤を再構築する必要があるとの問題意識の下、集団的自衛権の問題を含めた、憲法との関係の整理につき研究を行うため、内閣総理大臣の下に「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(以下「懇談会」という。)を開催する。
2.構成
(1)懇談会は、別紙に掲げる有識者により構成し、内閣総理大臣が開催する。
(2)内閣総理大臣は、別紙に掲げる有識者の中から、懇談会の座長を依頼する。
(3)懇談会は、必要に応じ、関係者の出席を求めることができる。
(4)懇談会の事務は、内閣官房において処理する。
(引用終わり)
 
 ご存知のとおり、第一次安倍内閣においても、これと全く同じ「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が設置され、安倍首相退陣ではしごを外されたの懇談会が、2008年6月24日付で、設定された事例における集団的自衛権使を認めるべきとの「報告書」を提出したのですが、福田康夫首相はこれを一顧にせず、「棚上げ」になっていました。
 
 その「懇談会」が、座長も同じ柳井俊二氏(元駐米大使)の下で「復活」したという訳です。
 メンバーもほとんど変わらず、あいかわらず坂元一哉大阪大学大学院教授の名前もあり、はじめから「結論は見えている」懇談会ですが、問題は報告書を出すイミングであり、一部には参議院選挙前にも報告書を提出すると報じられています。
 
 2月8日に開催された復活第1回の懇談会における安倍首相あいさつが、首相官邸ホームページに掲載されています。
 何と、これによると、「1年で政権の座から降りるということになりました。皆様方の叡智を込めた結論を直接受け取ることができず、大変心苦しく思っていたところでございますが、本日、こうして再び報告書を受け取る機会を得られたことにつきまして、本当に皆様方に御礼申し上げたいと思う次第でございます」とありますから、いったん福田康夫元首相宛に提出した「報告書」を、あらためて安倍首相に提出し直すという「セレモニー」があったようですね。二度の「お勤め」をする「報告書」というのも珍しい。
 「珍しい」と言うよりも、「しんぶん赤旗」が書いているとおり「異常」です。
 
 この動きに対してどのように反撃すれば良いのかについて、非常に参考になる対談が「マガジン9」に2週にわたって掲載されました。
 川口創(かわぐち・はじめ)さん(弁護士/イラク派兵差止訴訟弁護団事務長)と半田滋(はんだ・しげる)さん(東京新聞論説委員兼編集委員)という、今、この問題を論じるのに最も相応しいお二人による対談です。
 
マガジン9 2013年2月13日、20日掲載
マガ9対談 検証:9条を骨抜きにするいくつかの方法について
川口創さん(弁護士)×半田滋さん(ジャーナリスト)
その1 集団的自衛権行使に向けて踏み出した安倍政権
その2 9条の歯止めの意味を確認し直す必要がある
 
 集団的自衛権の問題を学究的に探求するのであれば、豊下楢彦(とよした・ならひこ)先生が第一人者だと今でも思いますが(余談ながら、最新の著書『「閣問題」とは何か』の「あとがき」を読むと、まもなく関西学院大学法学部教退任されるようです。それとももう退任されたのかな?)、自衛隊イラク派兵差止訴訟を闘ってきた弁護士、そして、年にわたり自衛隊・防衛問題を担当してきたジャーナリストの視点からの意見は非常に分かりやすく、問題の本質を伝えてくれます。
 
 是非、通読・精読をお薦めしたいのですが、私がとりわけ注目した部分を以に引用します。
 それは、「その2」において、川口さんが述べられた以下の部分です。
 
(引用開始)
 先日、弁護士会で国家安全保障基本法の勉強会を行ったとき、弁護士になってまだ2ヶ月ぐらいの若い人が参加していたのですが、彼がまず自分の意見ではないですよ、と前置きをしながら「先日の選挙の結果について、国際社会から〈日本が右傾化している〉と批判されたけれど、世界最強の軍隊を持っていて核兵器も世界でもっとも多く持っているアメリカになんで言われなくっちゃいけないんですか?また中国だってあれだけ強大な軍隊を持っていて、北朝鮮もテポドン打ったり、核実験したりと挑発してくる。なのになぜ、日本はやっちゃいけないんですか?言われっぱなしで、やられっぱなしで、何か不公平じゃないでしょうか?アジアの国に対しての戦争責任について、なぜ日本だけがいつまでも詫びないといけないのか、こちらが謝り続けている間に、相手はやりたい放題だ」という論理がかなり若い世代には浸透していると、紹介してくれました。
 もう単純に昔の歴史について学びましょう、というだけでは、太刀打ち
できなくな
っているという危機感もあり、そこが結構難題だと思っています。そのあたりの共がないと「集団的自衛権の行使、別にいいんじゃないの?」ということで、9条を骨抜きにする「国家安全保障基本法」みたいな法律も、世論の反対もなく、すっと通ってしまうでしょうね。
(引用終わり)
 
 これに対して、編集部から「そういう若い世代に届く言葉って何でしょうか?」という質問が投げかけられています。
 川口さんと半田さんの意見は是非上記サイトでお読みください。
 ただし、「そういう若い世代に届く言葉って何でしょうか?」という問いかけに対て、私たち一人一人が自分なりの「言葉」を持つ必要があると思いました。