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憲法24条と自民党改憲案、そして映画『ベアテの贈りもの』

 今晩(2013年5月14日)配信した「メルマガ金原No.1355」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
憲法24条と自民党改憲案、そして映画『ベアテの贈りもの』
 
前注 本号は、2013年5月11日、ブログ「あしたの朝 目がさめたら(弁護士・金原徹雄のブログ2)」に掲載した「6/4は映画『ベアテの贈りもの』上映会(in和歌市)に参加しよう」を一部修正の上転載するものです。
 
 これまでも、私のブログで何度かお知らせしてきましたが、来る6月4日(火)、和歌山市あいあいセンター6Fホールにおいて、映画『ベアテの贈りもの』の上映会が開かれます。
 
(「弁護士・金原徹雄のブログ」から)
 「「ベアテさんを偲ぶ会」での娘さん・ニコルさんのスピーチと映画『ベアテの贈りもの』上映(in和歌山市)」
(「あしたの朝 目がさめたら」から)
 「6/4映画『ベアテの贈りもの』上映会(和歌山市あいあいセンター)のご案内」
 「4/28ベアテ・シロタ・ゴードンさん追悼式(inNY)と6/4映画『ベアテの贈りもの』上映会(in和歌山市)」
 
 素敵なチラシが出来上がり、「九条の会・わかやま」ホームページに掲載されています。
 
 昨年12月30日に亡くなられる直前まで日本国憲法の行く末を心配していたベアテ・シロタ・ゴードンさん(ブログで紹介した娘さんのスピーチを是非読んでください)が、22歳の若き日に巡り会い、全力を傾けた「憲法起草」という運命の日々に思いをはせれば、「押し付け憲法論」がいかに無意味か実感できるはずです。
 そして、彼女が心血を注いだ日本国憲法24条を、自民党がどのように改変しようとしているかを知れば、心ある全ての日本女性は怒りに震えるはずです。
 
(現行憲法)
第二十四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族
に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
 
(自民党・改憲案)
(家族、婚姻等に関する基本原則)
第二十四条 家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。
族は、互いに助け合わなければならない。
2 婚姻は、両性の合意に基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
3 家族、扶養、後見、婚姻及び離婚、財産権、相続並びに親族に関するそ
の他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
 
 一見して、「大した違いがない」などと思ったら大間違いです。とりあえず2点だけ。
 「家族は、互いに助け合わなければならない」って何ですか?「お前達(自民党)にだけは言われたくない」というのはもちろんですが、誰が言うにしても、こんなことは憲法に書き込むべきことではありません。これを読むだけでも、自民党改憲案起草者たちが、「憲法」とは国家が国民を統制するための道徳規範であって、いわば戦前の「教育勅語」や「軍人勅諭」のようなものだと考えている、そういうものにしたいと欲しているということは明らかです。
 また、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」が「婚姻は、両性の合意に基づいて成立し」に変わっています。「合意」に基づかない「婚姻」など、江戸時代までなら格別、21世紀の日本で考えられますか?本来この条項は、「のみ」にこそ意味があったのであり、この二文字を取り去ることによって、全く無意味な条項に変わってしまっているのです。
 参考までに、自民党「憲法改正推進本部起草委員会」のメンバーとして起草に関わった女性議員(当時)の名前を列挙し、決して忘れないようにしましょう。
 幹事:川口順子、委員:近藤三津枝(事務局次長兼務)、有村治子、片山さつき、山谷えり子
 
 自民党改憲案のことになると、つい頭に血が上ってしまいます。
 以前にも書きましたが、上に列挙した愚かな女性議員らのような者ではなく、ベアテさんのような素晴らしい心性と知性と情熱を持った女性が、1946年2月のあの時、GHQ民政局のスタッフの中にいたのは、まさに「天の配剤」でなくて何でしょう。
 
 孫崎享さんも強調されていたとおり、日本国憲法に最大級の「危機」が迫る今、「女性」こそ最も期待できる存在なのです。
 「ベアテの贈りもの」を私たちの時代に絶対失わないという決意を再度固めるためにも、6月4日の上映会に結集しましよう。
 
(上映会概要)
日時 2013年6月4日(火) 3回上映
     第1回 11:00~
     第2回 14:00~
     第3回 18:30~
会場 和歌山市あいあいセンター 6階ホール
     和歌山市小人町29番地
参加協力券
 パンフレット(700円)付き 1,500円(限定30人様)
  ※当日のパンフレット販売はありません。
 一般券(前売・当日とも)
  大人 1,000円
  学生   500円
  高校生・中学生・小学生 無料    
上映作品
 映画『ベアテの贈りもの/The Gift from Beate』
   2004年製作/92分/監督・脚本:藤原智子
 2008年開催「9条世界会議」記録DVDより抜粋
   ~ベアテ・シロタ・ゴードンさんの講演 約15分 
お問い合わせ先:ベアテの贈りものをみる会
 TEL&FAX.073-453-6046(中村)
 TEL.090-2119-9494(国重)
 kayon.bluepools@gmail.com (ナカサト) 
 
(参考サイト)
ベアテさん&藤原監督インタビュー(シネマジャーナル)
「ベアテ・シロタさん 憲法草案について語る」(1993年)