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安倍改憲NO!のために~3000万人署名に向けての地域・職場でのキックオフ集会・ミニ講演用レジュメ

 2017年11月27日配信(予定)のメルマガ金原.No.2999を転載します。
 
安倍改憲NO!のために~3000万人署名に向けての地域・職場でのキックオフ集会・ミニ講演用レジュメ
 
 「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」に「九条の会」も加わり、さらに学者の会やママの会有志も実行委員会に加わった「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が記者会見を開き、「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」(3000万人署名)をスタートすると記者会見で発表したのが9月4日。そして、なかのZERO大ホールに入りきれないほどの参加者を集めてキックオフ集会が開かれたのが9月8日のことでした。そして、この呼びかけに応え、各地の9条の会を含む様々な団体が、どう署名活動に取り組もうかと検討を始めたところに、降って湧いたような衆議院の解散・総選挙。正直言って、3000万人署名はその出鼻を挫かれたという感を否めません。
 しかし、衆院選も終わり、私の地元・和歌山においても、各団体において3000万人署名への取組を具体化する動きが急速に立ちあがっており、各地・各団体独自のキックオフ集会で、安倍9条改憲の危険性やこれからの運動についてのミニ講演を依頼したいという要請が、個々に、あるいは「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」を通じて届き始めています。
 今日(11月27日)、私は、そのようなキックオフ集会を兼ねたミニ学習会の1つで講師を務めてきました。主催は和歌山県民主医療機関連合会(和歌山民医連)で、和歌山生協病院会議室でお話をさせていただきました。質疑応答を含めて約45分という限られた時間であったのは、平日の午後で、参加者もそれぞれ仕事があるから、ということかなと思います。
 以下にご紹介するレジュメは2日前に書いたものですが、主催者に送信した後、「これをしっかりお話すると最低60分は必要」ということに気がついたのですが、適宜はしょりながら、何とか予定時間内に納めました。
 なお、一昨日、急いでこのレジュメを書くにあたっては、11月21日に開催したリレートーク自民党改憲4項目の検証」のために4人の弁士の皆さんが書かれたレジュメを大いに参照させていただきました。
 今後も、このような機会には、どんどん若手弁護士に行ってもらいたいと思っており、そのための参考にでもなればと思い、拙いレジュメを掲載することにしました。もしも、私に同じような依頼がまたあれば、今回の反省を踏まえた改訂版のレジュメを作ることになるだろうと思います。

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2017年11月27日(月) 
和歌山生協病院 5階会議室
 
                            安倍改憲NO!のために
 
                            弁護士 金 原 徹 雄
 
1 安倍晋三首相による改憲メッセージ(改憲提言)
 2017年5月3日
 ◎読売新聞朝刊インタビュー
 ◎改憲派の集会(公開憲法フォーラム)へのビデオメッセージ
   ①9条1項、2項を残しつつ自衛隊を明文で書き込む
  ②高等教育無償化
 
2 自民党憲法改正推進本部における検討と衆院選公約
(1)自民党衆院選「公約」
 「自衛隊の明記」、「教育の無償化・充実強化」、「緊急事態対応」、「参議院の合区解消」という4項目を明示した上で、「初めての憲法改正を目指します」とした。
(2)選挙後の推進本部での議論
 まず、「参議院の合区解消」についてたたき台が。
 憲法47条
 選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。
 →たたき台(追加)
 各選挙区は、人口を基本とし、行政区画、地勢等を総合的に勘案して定めなければならない。参議院議員の全部または一部については、改選ごとに各広域的な地方公共団体の区域から少なくとも一人が選出されるよう定めなければならない。
 憲法92条
 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める。
 →たたき台(追加)
 地方公共団体は、基礎的な地方公共団体及びこれを包括する広域的な地方公共団体とすることを基本とし、その種類は、法律で定める。
 ◎これからの議論の推移
 
3 本命は9条
(1)憲法自衛隊が明記されていないことの意味
 自衛隊が「合憲」であることを政府の側で立証(説明)しなければならない。    
 ①外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえさ  れるという急迫、不正の事態に対処するため
  ②これを排除するために他に適当な手段がなく
  ③我が国に対する武力攻撃を排除するために必要最小限度にとどまる実力の行使は憲法上許容される(旧3要件)。
 自衛隊は、そのような必要最小限度の実力の範囲内にとどまるので、「陸海空軍その他の戦力」にあたらず合憲である(2014年6月までの政府解釈)。 
(2)ころが2014年7月「閣議決定」、15年9月「安保法制」
 ①我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において
 ②これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに
 ③必要最小限度の実力を行使することは合憲である。(新3要件)
 ⇒安保法制型自衛隊
    集団的自衛権の否定と一体であった自衛隊合憲論の根拠が崩れてしまった。
(3)改憲して自衛隊明記
 報道によれば・・・
 9条の2 前条の規定は、我が国を防衛するための必要最小限度の実行組織として自衛隊を設けさせることを妨げるものと解釈してはならない。
 2 内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有し、自衛隊は、その行動について国会の承認その他の民主的統制に服する。
 ここで明記される「自衛隊」は、「専守防衛自衛隊」ではなく、「安保法制型自衛隊」。
 安倍首相は、改憲メッセージの中で、自衛隊違憲とする憲法学者や政党の存在を指摘した上で、「自衛隊の存在を憲法上にしっかりと位置づけ、『自衛隊違憲かもしれない』などの議論が生まれる余地をなくすべきである」と主張しているが、隠された意図は、2014年「閣議決定」、2015年「安保法制」によって合憲性の根拠を失った自衛隊(安保法制型自衛隊)をあらためて合憲化することに他ならない。
(4)さらに改憲の向こうには自衛軍
 
4 緊急事態条項は不要であるばかりか有害で危険
(1)議員の任期延長が取り沙汰されているが・・・
(2)大日本帝国憲法ではどうだったか
(3)日本国憲法に「緊急事態条項」がないのは何故か
(4)改憲派のデマに対抗するために
(5)世界中の憲法に「緊急事態条項」があるというけれど~「緊急事態条項」は戦争 をするためのもの
 
5 草の根「改憲に向けた動き」
(1)「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の1000万人「署名」
(2)「憲法おしゃべりカフェ」
(3)全国の神社が改憲派の拠点に(神社本庁神社庁の指示で神社が改憲署名集め)
 
6 もしも改憲が発議されたら?
(1)国民投票運動は誰でもできる。
(2)公職選挙法は適用されず、「買収」以外はほとんど罰則もない。
(3)投票期日前14日間はテレビやラジオのCMは流せないが、それ以外の広告は金さえあれば何でも出来る(投票日当日の新聞広告も)。
(4)日本会議神社本庁青年会議所など、改憲を強力に主導している団体は言うに及ばず、各種業界団体なども、政党からの締め付けで改憲運動のお先棒をかつぐと見なければならない。さて、我々の備えは?
(5)仮に「自衛隊明記」が発議されたら、改憲派は「もしも改正案が否決されたら自衛隊が無くなってしまう。それでもいいのか?」と国民を脅しにかかると見なければならない。従って、我々も、否決した後の自衛隊についてのイメージをしっかりと持つべきである。
 [第1案]2014年7月1日「閣議決定」の前(従前の自民党政権民主党政権時代の「専守防衛自衛隊」に戻る⇒立憲民主党
 [第2案]湾岸戦争(1991年)、PKO協力法(1992年)の前、自衛隊の海外派遣を一切認めていなかった時代の自衛隊に戻る⇒共産党
 [第3案]自衛隊を改組して災害救助隊に⇒?
 
7 発議させないための闘い
(1)「改憲派」とは何か?
 単純で一色の「改憲派」がある訳ではない。
 共闘できる可能性のある者を、「改憲派」だとレッテル貼りをして「あちら側」に押しやる(排除する)愚は避けねばならない。
(2)世論喚起のために
 3000万人署名の達成を。
 今まで話しかけたことのない層への働きかけが重要。
 SNSの活用を抜本的に強化しよう(立憲民主党の公式Twitterを見習おう)。
 

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(弁護士・金原徹雄のブログから/安倍改憲メッセージ関連)
2017年5月24日
立憲デモクラシーの会「安倍晋三首相による改憲メッセージに対する見解」を読む
2017年6月16日
書き起こしで読む立憲デモクラシーの会「安倍晋三首相による改憲メッセージに対する見解」発表記者会見(5/22)
2017年6月22日
羽柴修弁護士講演会「憲法をめぐる情勢と国民投票を意識した取り組み」から学ぶ
2017年6月27日
動画・学習会「安倍首相の改憲発言をめぐって」(九条の会事務局)~浦田一郎さん、渡辺治さんのダブル講演で学ぶ
2017年6月30日
立憲デモクラシーの会「安倍政権による強権的な国会運営と説明責任の放棄に対する声明」(6/26)を読む
2017年7月9日
「なるほど!新9条改正案を斬る」(イキョンジュ氏「アジアの中の日本国憲法」出版記念イベント)のご案内
2017年7月12日
和歌山県下7団体共同声明「安倍首相による改憲発言についての声明」を今日(7/12)発表しました
2017年7月18日
市民連合「緊急シンポジウム ストップ安倍政治-改憲を許さない市民集会」(7/12)を視聴する
2017年7月20日
書き起こしで読む立憲デモクラシーの会「安倍政権による強権的な国会運営と説明責任の放棄に対する声明」発表記者会見(6/26)
2017年7月26日
法律家6団体アピール「自衛隊の存在を9条に明記する安倍改憲提案に反対します」と清水雅彦氏講演動画「『2020年 安倍改憲』~その中味と狙いとは何か」のご紹介
2017年7月31日
君島東彦立命館大学教授「安倍改憲案とわたしたちの平和構想―9条論の再創造―」講演動画を視聴する
2017年8月2日
「安倍9条加憲NO!シンポジウム―未来をつくる日本国憲法―」(中野晃一、武村正義、長谷部恭男、辻元清美各氏/7/31)の動画を視聴する
2017年8月9日
青井未帆氏「憲法自衛隊を明記することの意味を考える」講演動画(8/5兵庫県弁護士9条の会)を視聴する 
2017年8月23日
和歌山弁護士会憲法学習集会9/20「安倍首相の新たな改憲提言について―自衛隊憲法に書き込む改憲は何をもたらすか―」(講師:青井未帆氏)のご案内
2017年9月5日
九条の会」も参加して「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」がスタートします~目指せ3000万人署名
2017年9月9日
「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」9.8 キック・オフ集会大成功~3000万人署名活動スタート!
2017年9月13日
「安倍9条改憲を阻むために全国の九条の会は立ちあがりましょう」(9/6九条の会事務局からの訴え)
2017年9月14日
「安倍9条改憲NO!」のために「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」はまだまだ頑張ります
2017年9月15日
今年の憲法フェスタ(11/3守ろう9条 紀の川 市民の会)は本秀紀(もと・ひでのり)さん~歌う憲法学者が語る9条と自衛隊
2017年9月18日
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2017年10月11日
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2017年10月17日
憲法(特に9条)についての各党「公約」比較~とても分かりやすくなっていた
2017年10月22日
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山田朗明治大学教授による講演「安倍改憲の危険性と北朝鮮問題」を視聴する(映画人九条の会
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2017年10月28日
開催予告11/21「リレートーク 自民党改憲4項目の検証」(憲法9条を守る和歌山弁護士の会) 
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