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“憲法くん(松元ヒロさん)”を手本に日本国憲法前文を朗読しましょう

今晩(2014年8月22日)配信した「メルマガ金原No.1825」を転載します。

なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
憲法くん(松元ヒロさん)”を手本に日本国憲法前文を朗読しましょう
 
 ザ・ニュースペーパー創設メンバーの1人、松元ヒロさんを何と評するのが適切でしょうか。以
下でご紹介する「ラジオフォーラム」では、「社会派エンターテイナー」と表記されていましたし、Wikipediaでは「ピン芸人」でした。
 おそらく、「ピン芸人」というのが由緒正しい呼び方なのでしょうが、もう少しシャレて欧米風に
表記すれば「スタンダップ・コメディアン」というところでしょうか。
 
 松元さんの最も著名な持ちネタ「憲法くん」を初めて観たのは、「守ろう9条 紀の川 市民の会」主催の何年も前の憲法フェスタにおけるDVD上映会でのことだったと思うのですが、そのDVDのタイトルも失念し(憲法くん以外にどういうシーンがあったかさえ記憶にない)、再び視聴する機会に恵まれないのは残念です。
 しかも、かけちがって松元さんの実演を楽しませてもらう機会も持てておらず、次に西谷文和
さんとのコラボレーション企画の案内があった時は、何とか時間をやりくりして出かけようかと思っているのですが。
 
 実はその西谷文和さんがパーソナリティを務めた回の「ラジオフォーラム」(WEB公開日:2014年8月11日)に松元ヒロさんがゲスト出演した際の録音アーカイブを聴くことができます。
 
第83回「テレビに出られない芸人、松元ヒロとは?」
 
 一度でも生の舞台や録画を観たことがある人には説明の必要もありませんが、松元ヒロさんの持ちネタ「9条くん」はこういう風に始まります。
 
「こんにちは、憲法です。姓は日本国、名は憲法日本国憲法です。ちょっと名前が長いんですよね。だから、気安く『憲ちゃん』って呼んでください」
 
 動画サイトで探しても、「憲法くん」は見つからなかったので、今年の6月6日、練馬九条の会が主催した「どこに行く?日本~元外交官孫崎享が語り松元ヒロが演ずる」についてレイバーネット日本に掲載されたレポートから、「9条くん」のセリフ部分を引用します。
 
(引用開始)
「私は今年で67歳になりました。年金支給が70歳まで待たされるという噂があるので、
引退はできません。それに、85歳になっても元気に跳び跳ね踊っているネズミさんには、まだまだ負けられません。ひとつ自慢させてください。この67年間、戦争という名の下で日本国民に他国の人を殺したり殺されたりしたことは一回も私はさせていません。安倍首相は現状に合わなくなったから私をリストラするというけれども、私は日本国民の理想ですよ。理想に合わない現状を演じている安倍さんの方が首相をリストラされるべきですよね・・・」
(引用終わり)
 
 ところで、「ラジオフォーラム」では、「憲法くん」の聴かせどころ、日本国憲法前文を一気に朗読するシーンが、西谷さんのリクエストに応えて再現されています(11分30秒から約2分間)。
 憲法前文のテキストは用意されておらず、とっさに暗唱されたようです。実際のライブとは異
なり、しーんとした録音スタジオの中ではなかなか気分が盛り上がらないだろうと思いますが、それでも、初めて聴く方にはそれなりのインパクトがあるのではと思います。是非お聴きください。
 なお、終わってから松元さん自身が「もしかしたら、いま、前半で間違えたかもしれない」と
っているとおり、1カ所言い間違えられた箇所があります。
 私はすぐに気がつきましたが、皆さんはいかがでしたか?
 
 以下に、日本国憲法前文を転記しておきます。
 別に「間違いさがし」をしましょう、というのではありません。
 松元さんも「ラジオフォーラム」で強調されていますが、黙読するだけではなく、日本国憲法
前文を是非声に出して読んでいただきたいのです。
 欧文脈が気に入らないというような「しょうもない」難癖をつける者もいますが、作家の山本有
三氏らが協力し、法制局の主要メンバーが練り上げた前文です。
 自信をもって、納得できる自分なりの読み方をさぐってみましょう。
 「憲法くん」が今の朗読スタイルを確立するまでにも、様々な試行錯誤があったはずです。
 1人1人の思いを受け止めてくれるだけの包容力を日本国憲法前文は持っています。
 
 ところで、自民党が、党員に「日本国憲法改正草案(2012年)」の前文を朗読して欲しいと要請したことなど多分ないでしょう。もしも「あれ」を朗読しろと言われたら、私が自民党なら、即座に離党届を書きますね。
 
 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、こ憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自
覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有
することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであ
つて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを
誓ふ。
 
(参考サイト)
1 東京を変えるキックオフ集会「宇都宮けんじさんとともに人にやさしい東京を」(2012年12月)出演時の映像
2 「談志の格言」(2009年)に松元ヒロ氏がゲスト出演