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憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

「原発がこわい女たちの会ニュース」第94号が届きました

 今晩(2015年6月18日)配信した「メルマガ金原No.2125」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
原発がこわい女たちの会ニュース」第94号が届きました

 松浦雅代さんから、「原発がこわい女たちの会ニュース」の第94号が届きました。今号では、5月10日に開催された結成28年のつどいでの佐藤栄佐久福島県知事のお話が詳しく紹介されています。その
著書紹介といい、松浦さんのこのたびの講演会に対する思い入れの深さを再認識しました。
 私も当日買ったものの、まだ読む時間のない『日本劣化の正体』を何とか読まなければ。
 

原発がこわい女たちの会ニュース NO94号・2015年06月15日発行
事務局 〒640-0112和歌山市西庄1024-15 TEL・FAX073/451/5960松浦雅代方
原発がこわい女たちの会ブログ 
http://blog.zaq.ne.jp/g-kowai-wakayama/
2013年の9月15日から
日本の原発はすべて止まっています

未来のない再稼働を許さない!
そのための活動を個人個人が考えて行動しましょう。
 川内原発鹿児島県)・伊方原発愛媛県)・大飯原発福井県)が原子力規制委員会の「新規制基準
」の適合審査に通り、再稼働に向けた動きを強めています。
 「何もしなのは推進しているのと同じ」になると合言葉のようにして私たちは活動してきました。それは本当に小さな力かもしれません。福島の事故が起きてしまいました。何も収束していません。甲状腺ガンが増え続けています。私たちは黙ってはいられません。
 
創刊号 会の結成当時のニュースが出てきました(←)。世話人代表の一人、泉谷富子さんは2001年5月5日に亡くなられました.もう14年も前になりますが、泉谷さんは日本の右傾化に危機感を持ち1997年3月17日「第9条の会わかやま」を和歌山で発会させました。
 亡くなる少し前に朝日新聞の朝刊に「戦後の平和―安保の力か、九条の力か―」というテーマで、「憲法を考える特集」に泉谷富子さんと桜井よし子さんの対立する意見が大きく取り上げられました。その記
事での私の言い分が正確ではないと、気にしておられました。
 81歳の泉谷さんとの最後の話でした。
 

高浜発電所3号機及び4号機の原子炉は 運転してはならない
~2015年4月14日、福井地裁で出された高浜原発3・4号運転差し止仮処分の決定~
 
 4月29日、大阪市にて「高浜原発3・4号仮処分裁判勝利 報告集会」が開催されました。集会のゲスト・弁護団の海渡雄一弁護士の話から―
 昨年5月21日の大飯勝訴判決と今回の4月14日の仮処分判決こそが、人格権を根底に据え、原発事故は「万が一にもあってはならない」と云う歴史的な判決であり、「新規制基準は緩やかにすぎ、これに適合しても本件原発の安全性は確保されていない。新規制基準は合理性を欠くものである。」として、規制委員会の審査を根底から批判し、「運転してはならない」との効力が現実に発揮されたものであること。
 4月22日の川内原発の仮処分決定については、事故のリスクを認めながらも行政に追随したものだと厳しく批判された。川内の決定は「今後、原子力施設についてさらに厳しく安全性を求めるという社会的合意が形成されたと認められる場合」には、そのような判断をする必要性を認めているということです。
 上記報告会に松浦雅代も参加。仁坂知事が高浜仮処分決定を「原発だけなぜゼロリスクなのか」等と4月20日の知事定例記者会見で批判をしたのを受けて、<4月22日>仁坂和歌山県知事に抗議に行きました。大阪の勝利報告集会では、和歌山の原発を止めた人たちが、命をかけて何を守ったのか。福島の事故を経験しても分からない和歌山県知事の批判をして来ました。(知事宛抗議文同封しています)
※金原注 4月22日に知事宛に提出された抗議文を2通ご紹介しておきます。
脱原発わかやま
子どもたちの未来と被ばくを考える会
 
海渡弁護士から知+情+意の話
脱原発の実現のため、①原子力ムラの論理に打ち克つ知識を体得し、②福島の被害を肌感覚で知り、繰り返してはならないと心で感じること、③この闘いは勝てると云う意識・確信を共有すること。
 この「知情意」の結合で脱原発は必ず実現すると話されました。」
 

福島県甲状腺がん及び疑い 福島県全体で126人
第19回「県民健康調査検討委員会」が5月18日に開かれました。103人が手術をしました。それでもまだ福島の事故での影響は考えられないのだそうです。
 

原子力おことわり 政府自民党は、選挙の時「原発依存度については可能な限り低減させる」と言いながら福島の事故を忘れたように再稼働の動きを急いでいます。
*2030年に向けての長期エネルギ―需給見通し(案)が出されました。電力の電源構成は原子力は20~22%だそうです。<これによって、東日本大震災前に約3割を占めていた原発依存度は大きく低減する>と書かれています。
 国民の意見募集しています。
 原発事故を起こしてはならない。原発はゼロにするように是非ともあなたの意見を書いて送ってください。再生可能なエネルギーをもっと多くする、等。
 郵送とFAX兼用の用紙を同封しています。
宛先・〒100-8931東京都千代田区霞が関1-3-1
資源エネルギー庁長官官房総合政策課・パブリックコメント受付担当宛 
*FAXは03-3501-2305宛  7月1日必着
※金原注 パブコメ告知「長期エネルギー需給見通し策定に向けた御意見の募集について」はこちらです。
意見提出フォームから送信することもできます。
 

少し先です。
2015年さよなら原発全国集会(京都と東京の2か所で開催されます。)
★9/6京都集会は 京都・梅小路公園
★9/23 東京集会 東京・代々木公園
 

緊急です。<主催>戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
とめよう戦争法、集まろう国会へ。
6月24日(水)18:30~20:00国会議事堂周辺
※金原注 チラシはこちらです()。
 

<報告>5月10日― 原発がこわい女たちの会結成28年のつどい
あいあいセンター6階「センターみらい」に於いて
原発問題と地方の論理」佐藤栄佐久氏講演会(元福島県知事)
 
 「原発がこわい女たちの会結成28年のつどい」に佐藤栄佐久さんをお呼びしようと考えたのは、次のようなことからでした。
 チェルノブイリ原発事故後、和歌山の原発を止めたいとの思いで本会を結成し28年が経過したのですが、私たちは、4年前、福島の事故を経験し、その未曾有の事故にこれから長時間、向き合わざるを得なくなってしまいました。
 そして、18年間福島県知事の座にあった佐藤さん。初めから原発に反対していた訳ではなかった人が、県民の立場に立って国や電力会社に対峙し、2006年に逮捕され、収賄額ゼロと云う前代未聞の収賄罪で有罪になりました(2012年)。
 何故抹殺されたのかも含めて、佐藤さんの考え方と実践を一人でも多くの人に知って貰うと共に、私たちのこれからの活動に活かしたいと考えました
佐藤栄佐久氏講演会1 当日の講演では、長い政治活動の豊富な経験を包括的にお話しいただきました。
 まず、知事になる前に日本の民主主義があぶないと思った、それは、私の尊敬する知事さんたちがコロコロと取り替えられた事です、との話から始められました。
 地方の論理として、政治家にとって不可欠なものは哲学・理念であり、政策施策個々の事業にそれが貫徹すること、政治理念のない政治家などいらないと喝破して、複数主義(プルーラリズム)と政治のベクトルという氏の2つの政治理念を語られました。
 非効率であっても集中を排し地域の個性を尊重する、政治のベクトルを現状とは真逆の<住民⇒市町村⇒県⇒国>へと変える、ということです。例えば「平成の大合併」の際にも福島県では住民600名の村を残したこと、道州制に反対し全国の知事会で導入を潰したことなどがそれです。
 そのためには地方の首長は、国の言うがままではなく自分の頭で判断することが前提であって、地方自治体を力ずくでも国策に従わせるという霞ヶ関官僚たちとの交戦も必要となるのでしょう。
 講演のテーマである原発問題についてもまったく同根・同質です。住民の安全と安心を守るためには、この<国⇒県⇒市町村⇒住民>という情報伝達の流れを変えていかないといけないということです。
 知事就任直後1989年に起きた福島第2原発3号機の事故に直面したとき、東電からの情報伝達の順序が逆転していることに気づいたそうです。冷却水ポンプが外れて30㎏もの部品が原子炉内に落下するという重大事故でしたが、最も影響を受ける地元へ伝えられたのは、国、県の後で1週間もたってからのこと。
佐藤栄佐久氏講演会2 同時にこの事故で、国や東電の隠ぺい体質に気づかせられたといいます。「原発には事故があるのだ」という認識、つまり「安全神話」から解かれたときに、「都合の悪いことを隠そう」とする原子力ムラの体質もみえてくるのでしょう。
 スリーマイル島チェルノブイリをはじめ、国内でも福井の高速増殖炉もんじゅで、東海村JCOで、美浜で、柏崎刈羽で…死傷者の出る原発事故は枚挙にいとまがないほど起きたし、トラブル隠しにデータ改ざん、内部告発の不当な扱い、県からの申入れを無視・反故。どれもこれも原発への懐疑心、東電と国への不信感を増幅するものでした。
 佐藤さんは、立地県知事として原発問題に真摯に向き合い、徹底的に闘いました。
 県民主体で原子力を考えるため、「福島県エネルギー政策検討会」を立ち上げて小冊子「あなたはどう考えますか?~日本のエネルギー政策」にまとめ(2001年)、情報公開。(対抗するかのようにエネルギー庁が「プルサーマル原子力安全」を双葉郡内全戸に配布)
 県庁内の勉強会「核燃料サイクル懇話会」を設置し、県主催の国際シンポジウム「核燃サイクルを考える」を東京で開催、原子力学会や原子力委員会での発言、など情報発信を縦横無尽に行ってきました。
 とりわけ、核燃料サイクルについては当初から強い危惧を持ち続けてきました。プルサーマルは国策だからやむなし、と東電に対しいったんは実施の事前了解を与えていたが(1998年)、MOX燃料データ改ざんなどが明るみにでたため、2001年受入れを撤回。これは結局、後任の佐藤雄平知事のもとで受入れ、2010年福島第1原発3号機で発電開始となりましたが。
○注;核燃料サイクル
使用済み核燃料の再処理により抽出されるプルトニウムを、ウランと混ぜてMOX燃料として原発で消費・再利用するのがプルサーマル発電である。危険性が大きいことから導入実績は進んでいない。核燃料サイクルという原子力政策の基本的な方向変更を国民の幅広い合意形成をはからぬまま、1997年「プルサーマル計画の積極的推進」が閣議決定された。

 地方行政のトップとして粉骨砕身の歳月をバックグラウンドに、話したいことが続々と山ほど、おありだったと思います。最後の話を「地方の論理」の共生の話で締めくくられました。事故後、飯舘村ではイノシシとブタの「共生」でイノブタが生まれている写真を見せながら、自然界はこのような共生だが、福島原発事故後、人と人の世代間の共生を損なってしまった、原発共生出来ない、と訴えられました。佐藤さんが培ってきた地方の論理が原発事故により破壊されたことに一番傷ついているのは佐藤栄佐久氏本人だろうと思いました。
 これは、どこかに書いておられたご自身の言葉だが、「ドン・キホーテが風車に向かってたたかっているようなもの」。…とすると、全国には大小さまざまな「ドン・キホーテ」がいてもいいし、いるだろうと思います。
 実のところ、チケットの売れ行きが芳しくなかったので気をもんでいたのですが、会場(153席)が満席になるほど大勢の方に参加いただいくことができました。
 みなさまありがとうございました。
 
○当日の佐藤栄佐久講演録がYou Tubeにアップされています。


佐藤 栄佐久氏の本の紹介
◆『日本劣化の正体』(ビジネス社)2015/3/19 
佐藤 栄佐久 (著)

 一言でいうと、日本はこと原子力政策に関するかぎり、とうてい民主主義国家とは言えない。日本は「原子力帝国」なのである。そしてその植民地は原発の立地する全国の過疎地である。それは米国基地の七割以上が集中する沖縄の構造とまったく同じだ。政治家の「地元の声が大切だ」という言葉はパフォーマンスにすぎない。原発推進は国策であり、反対の民意は基本的に無視される。川内原発の再稼働は、事故後鳴りを潜めていた原子力ムラが本格的に復活したことを意味する」(はじめに より)

◆『知事抹殺―つくられた福島県汚職事件』(平凡社) 2009/9/10 

佐藤 栄佐久 (著)

 東京一極集中に異議を唱え、原発問題、道州制などに関して政府の方針と真っ向から対立、「闘う知事」として名を馳せ、県内で圧倒的支持を得た。第五期一八年目の二〇〇六年九月、県発注のダム工事をめぐる汚職事件で追及を受け、知事辞職、その後逮捕される。〇八年八月、第一審で有罪判決を受けるが、控訴。(「BOOK」データベースより)

◆『地方の論理―フクシマから考える日本の未来』(青土社) 2012/3/14
佐藤栄佐久(著)、開沼博 (著)

 元福島県知事と気鋭の社会学者が、これからの「日本」について徹底討議する。あらゆる「中央の論理」から自立し、「地方」だからこそ可能な未来を展望し、道州制から環境問題、地域格差まで、3・11以後の社会のありかたを考えるいま必読の書。(「BOOK」データベースより)
開沼 博:1984年福島県いわき市生まれ。東京大学大学院修了。専攻は社会学。著書『「フクシマ」論』(青土社、2011年)

◆『この国はどこで間違えたのか―沖縄と福島から見えた日本』(徳間書店) 2012/11/21

内田樹小熊英二開沼博佐藤栄佐久佐野眞一・清水修二・広井良典辺見庸 (著)徳間書店出版局 (編集)
 原発事故、オスプレイ配備、米軍基地問題、地方の犠牲―。今こそ問い直そう。ニッポンが沈没してしまう前に。(「BOOK」データベースより)インタビューという形での編集。インタビュアーは沖縄タイムスの渡辺豪氏          
                                         (松浦雅代 & sora)
 

<お知らせ>
脱原発わかやまの総会と講演会
○6月21日(日)総会 12時30分~
○講演会 13時30分~15時30分
福井地裁の勝訴判決&仮処分決定とこれから」 
  講師・中嶌哲演氏(福井から原発を止める裁判の会代表・明通寺住職)
○会場・田辺市民総合センター・2階青少年ホール(田辺市高雄1-23-1)
○参加費・無料 誰でも参加できます。
○主催「脱原発わかやま」
※金原注 中嶌哲演氏が坂村真民『あとから来る者のために』という詩を朗読されている3年以上前の動画(東条雅之さん撮影)があります。

 
この詩をめぐるエピソードに触れた私のブログ(坂村真民『あとから来る者のために』)もご紹介しておきます。
 
*上映会:「チェルノブイリ・28年目の子どもたち~低線量長期被曝の現場から」
     (Ourplanet-TV製作DVD2014年/43分)
 映画解説と福島の現状報告 山崎知行氏(医師)
○6月28日(日)14時30分~
○会場・和歌山ビック愛9階・会議室A(和歌山市手平2-1-2)
○参加費・無料 誰でも参加できます。
○主催「子どもたちの未来と被ばくを考える会」
※私のブログに掲載した開催案内です。
 
◆2014年度の会計報告を同封します。佐藤栄佐久氏講演会の会計は別にしています。
◆2015年度の会費を納入して下さい。(振り込み用紙同封しています)6月中に。
◆年会費一口1200円 いく口でも可
 
<記>集団的自衛権閣議決定されてから実感したこと。権力を持つと人は変わる。こわいものが無くなるのだ。多数決で何でもできてしまう。憲法も骨抜きに出来てしまう。このような人が今国会で多数。戦争法案を議論しているのをテレビで長時間見ていたが、自民党はまともに答えない。こちらが恥ずかしくなるくらい。彼らは的外れでも何でもいい。あとは多数決なんだから。民主主義なんか考えたことない、と言ってもよい。侵略戦争も戦後も塗り替えようとしている。自分たちで自分たちの都合のよい日本をつくる為に国民をだまし、嘘の説明をしていてもみんなでやればこわくないのだ。日本を取り巻く世界状況が危機的だと言うが、安倍自民党はわれわれにとって一番危険だ。                 
                                              (松浦雅代)