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渡辺治さんの「SEALDs戦争法案に反対する国会前抗議行動」(7/17)での訴え

 今晩(2015年7月20日)配信した「メルマガ金原No.2157」を転載しました。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
渡辺治さんの「SEALDs戦争法案に反対する国会前抗議行動」(7/17)での訴え

 7月15日から3日連続、SEALDs(シールズ:Students Emergency Action for Liberal Democracy - s
)が呼びかけた戦争法案(強行採決)に反対する国会前緊急抗議行動が行われ、多くの市民が参加しましたが、その中で心揺さぶられるスピーチも数多く聞かれ、SNSで拡散されています。
 そういう多くのスピーチの中で、学生や若い年代に限らず、戦争法案に反対する運動を担っている広汎
な人々を勇気づけるスピーチを、7月17日(金)に渡辺治さん(一橋大学名誉教授(政治学・憲法学九条の会事務局、安全保障関連法案に反対する学者の会呼びかけ人)が行っていますのでご紹介します
 動画はいくつかあるようですが、レイバーネット撮影のものが見やすいようです。
 
8月をもっともっと熱い夏に!渡辺治が学生に訴え
 

 このスピーチを文字起こししてFacebookページにアップした方がいるということを教えてくださった方
がいて気がついたのですが、朝岡晶子さんという方が文字起こししておられました。
 朝岡さんって、以前1度か2度、YouTubeで見たことがある「生放送!とことん共産党」という番組で司
会をされていた方でしょうか?(多分そうでしょう)
 了解もなく勝手に文字起こしを転載し、その上「校正」までしてしまって良いのだろうか?ということ
が一瞬(法律家としての良心から?)脳裏をかすめたのですが、渡辺さんの訴えを1人でも多くの人々に届けるためなのだから、当然「黙示の承認」があるものと考えて良い、と勝手に判断し、以下にご紹介します。
(注)朝岡さんの文字起こしをベースにさせていただきましたが、レイバーネットの動画で聴き取った音
声に基づき、私の判断で加除修正を加え、文字遣いを変更している箇所があります。
 
【2015年7月17日 国会前での渡辺治さんのスピーチ】
みなさん、こんばんは。学者の会の呼びかけ人の一人である渡辺治です。よろしくお願いします(拍手)

今日はみなさんに、ぜひとも1つお話をしたいことがあって来ました。
それは一体この憲法に違反する戦争法案、衆議院強行採決をされましたが、本当に廃案にするにはどう
したらいいのか。本当に廃案にできるのか。この問題について考えてみたいと思います。
みなさんの中には、怒りでここに結集した。そして同時に、少しはこんな衆議院強行採決で国民の声も
聴かないような安倍政権のやり方では、もしかしたら戦争法案、強行(採決)されるんじゃないか。そう
いう焦りもあるかもしれません。
でも、まず第1に言いたいことは、焦っているのは私たちより安倍政権です(「そうだ」の声と拍手)。
安倍政権は、私たちの運動の中で2つの大きなミスを犯しました。
1つ。意外かもしれませんが、国会の会期を8月の初旬に終わらせたいはずだったのに、なんと国会の会
期を95日も延長せざるを得なかったこと。これは私たちの闘いの中で、6月の4日に憲法(の)審査会で3人の憲法学者違憲を言ってしまう。こういうようなことの中で、国会を8月初旬に閉じるなんてことはとてもできなくなった。だから絶対安全を期すために、なんと9月の27日まで延ばさざるを得なかった。
それからもう1つ。これも意外かもしれないが、強行採決は本当は彼らもしたくなかった。そんなことを
やれば、国民がさらにこの戦争法案をどう見るかわかっているから、彼らだってやりたくなかった。それをやらないと間に合わない状況を作った。この2つの誤算が安倍内閣を大きく縛っていると私は思います
なぜ8月の初旬に国会を閉じたかったのか。そのことが一番問題です。8月になると、もし国会が開かれ
ていると、戦争法案という大きな害悪に加えて、3つの爆弾が出てきます。
1つは何か。8月の中旬に間違いなく川内原発の再稼働が行われます。安倍は絶対にこの川内原発の第1号機の再稼働を実現したい。彼の大国を作るために、強い大企業本位の国を作るために、戦争法案と並んで、彼がどんなに国民の反対を受けても、川内原発をまず再稼働したい。これが8月の初めにあります。
続いて、8月の10日過ぎには、安倍がこれまた執着している戦後70年についての談話があります。こ
れも安倍は、自分の命をかけて発表したい。そこでは、戦前の日本の侵略戦争と植民地支配を絶対にお詫びしない、絶対にお詫びしない。それから絶対に謝罪をしない。そうしなければ、これから日本の国を支える若者たちが、この国に誇りを持てない(と)彼は思っている。馬鹿げたことだ(賛同のどよめき)。この戦後70年の談話は彼は絶対に出す。しかし大きな反響が、中国や韓国だけではなくて、この私たち国民の中からも確実に起こる。これが2番目の爆弾です。
3番目の爆弾は、辺野古の新基地について、前知事が許可をした埋め立て許可を拒否する、その決定を翁
長さんは8月にやると言っています。
この原発、戦後の歴史問題の修正、植民地支配を反省しないで居直る。そして普天間の基地(移設)を強
行する。辺野古の基地(建設)を強行する。この3つのことは、戦争法案がなくても大きな爆弾で、安倍内閣の命を吹っ飛ばすような、私たちにとって重大な課題。これがなんと8月に出てくるんです。
だから彼は、8月の初旬に国会を閉めて、心静かにゴルフをしたかった(笑)。ところが、この運動はそ
れを許さなかった。9月の27日まで、つまり8月の間中、この国会の中で、まさに(国会が)開かれている中で、原発の問題と、辺野古の問題と、戦後70年の問題について大いに議論する。これは、戦争法案と合わせて4つの爆弾を彼は抱えている。
もちろん私たちが寝ていたらこの爆弾は爆発しない。しかし私たちがこの闘いを大きくすることによって
、確実に安倍政権のこの4つの爆弾で、安倍政権の命運を左右することができる。これが戦争法案をなくす唯一最大の道です。
みなさん、じゃあ一体そのような4つの爆弾を爆発させるために、私たち、君たちは何をやったらいいの
か。これについて話をしたい。
もちろん毎週金曜日ここに来る。これは前提です。だけどこれだけでは不十分だ。大きな闘いをやるには
、これだけでは不十分だ。
私は、学生諸君が、まず私も大学で教えていました。今、夏学期の試験、あるいは始まるところです。学
生みんな来てるんです。そこのところで、まず集会が終わったら学園に帰って、そこで1人でも多く友だちを見つける。そして戦争法案がいかに悪いかっていうことを話して、ここに連れてくる。そしてもっと余力があったら、学習会を開いて、シンポジウムを開いて、大学の中で戦争法案とは(と)議論する。僕らは喜んで行きます。学者の会は伊達にあるんじゃない(賛同のかけ声と拍手)。もし君らが本当に勉強する、多くの学生を呼びたい、少なくてもいい。だけど学者の会に声をかけて欲しい。
僕は九条の会もやっています。九条の会の事務局にも声をかけて欲しい。みんな行きたい、みんな行きたい、そういうふうに思っている。ぜひとも学園に帰ってほしい。これが1つ。
もう1つ。もしかしたら夏休みに、地域に帰るかもしれない、郷里に帰るかもしれない。恥ずかしがるこ
とはない。絶対に帰るべきだ。そして地域の中で、学生諸君は、必ず地域で起こっている運動に参加して欲しい。なぜならば、九条の会は全国に7500あります。7500あって10年以上頑張っています。
最大の弱点、何か。中高年なんです(笑)。僕と同じ、みんなおじさんおばさんがね、必死で頑張っている。だから君らが、地域に帰って、必ず君らの地域に九条の会はある。必ず地域で戦争法案反対の取り組みがある。そこに行って訴えて欲しい。自分たちはこんなことをやってる。こういうことを国会の前でやっているんだ、ともに闘おう、とぜひ言って欲しい。これは地域の人びとに、ものすごく大きな元気を与えます。
これから暑い夏がやって来ます。安倍さんはこう思ってると思います。このような強行採決の後の集会の
ところで、今は盛り上がってるけど、そのうち常連ばかりが集まって、静かな国会がやってくるだろう。彼はそれを切望しています。そこんなことは許せない。そんなことは絶対に許せない。
じゃあどうするか。それは私たちが、安倍さんが嫌がるようなそういう暑い夏に、もう嫌で嫌でしょうがない、生きていられない、そういう夏にしようではありませんか(賛同の叫びと拍手)。私たちの熱気で、怒りの熱気で、暑い夏を作り出しましょう(「そうだ」の声と拍手)。
この夏が勝負です。この夏が、戦争法案を通して、国を戦争する国、70年の歴史を変えるのか、それと
も戦争する国を阻んで、私たちの国をアジアに広げていくのか、そういう正念場が今来ています。この夏をもっともっと暑い夏にするために、ともに頑張りましょう(大きな拍手)。