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原発再稼働の流れを食い止めるために~河合弘之弁護士と後藤政志氏が語ったこと

 今晩(2015年10月28日)配信した「メルマガ金原No.2257」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
原発再稼働の流れを食い止めるために~河合弘之弁護士と後藤政志氏が語ったこと

 安保関連法案成立阻止に精力を傾けている間に、九州電力川内原子力発電所鹿児島県)1号機が再稼働してしまい、続いて今月、同2号機も起動しました。
 九州電力のホームページによれば、1号機は「通常運転中」、2号機は「調整運転中」と説明されています。
 また、「今年度の発電実績」を見ると、
  8月 26,718万kWh(1号機)
  9月 67,128万kWh(同上)
とあり、誰かの利益のために、それだけ新たな核のごみを生み出したのだということを思わざるを得ませ
ん。
 
 さらに、関西電力高浜原子力発電所福井県)3号機、4号機、四国電力伊方原子力発電所愛媛県)3号機が、原子力規制委員会による適合性審査を通っており、後者については、今週、中村時広愛媛県知事が再稼働に同意したと伝えられ、いよいよ原発再稼働の流れが勢いを増していることに危機感を持たれている方が多いことと思います。

 ただし、高浜3、4号機については、今年の4月14日、福井地方裁判所民事第2部(樋口英明裁判長)が運転を差し止める仮処分決定を出したため(現在、福井地裁で異議審続行中)、とりあえず再稼働を食い止めています。
 ここで、去る10月8日に福井地裁で行われた大飯原発(3号機、4号機)運転差止め仮処分審尋兼高浜原発(3号機、4号機)仮処分決定に対する異議審終了後の記者会見・報告会の冒頭で、弁護団共同代表である河合弘之弁護士が述べた挨拶に耳を傾け、みんなで元気を奮い起こすべきでしょう。
 
大飯高浜原発運転差止仮処分 審尋・異議審(1時間15分)
 

 さて、この10月8日の審尋で、井野博満東京大学名誉教授らとともに、「現実に事故が起こってきた
こと」と題してプレゼンされた後藤政志さんが、昨日(10月27日)、久しぶりに動画配信されました。
 後藤さんも、川内、伊方と続く再稼働の動きに対し、あらためて技術的に何が問題なのか?ということ
について、基礎的なことを伝える必要があると考えられたのだと思います。40分足らずの動画なので、是非視聴されることをお勧めしたいと思います。
 
大飯原発3.4号機 高浜原発3.4号機 運転差し止め仮処分の申し立て 後藤政志(38分)
 

 なお、後藤政志さんが高島武雄さんと執筆された共著論文「原子炉格納容器内の水蒸気爆発の危険性」
(「科学」2015年9月号掲載)が、岩波書店の許諾を得て公開されています。
 この論考は、続々と再稼働を進めようとしている九州電力四国電力関西電力がいずれも採用している加圧水型原子炉の過酷事故対策が、水蒸気爆発を発生させる危険性が高いにもかかわらず、原子力規制委員会がこれを無視している姿勢を厳しく批判する内容となっており、是非ご一読をお勧めしたいと思います。
 
 最後に、上記論考を調べていてふと下の方を見ると、チラシに書かれた「後藤政志の講演がマンガになりました!!」という惹句が目に飛び込んできました。
 『デンジレンジャーVSダイシゼンガー』という、タイトルだけ見ても内容の見当は全然つきそうもありませんが、「原案:後藤政志・白六郎/脚色・漫画:白六郎」だそうです。
 チラシには「A5版、オールカラー60ページ、本体価格500円(+税)/中井書店」と書かれていま
すが、Amazonでは、Kindle版(310円)しか見当たりません。紙の本は品切れなのだろうか?
 いずれにしても、一度是非読んでみたいものですね。
 
『デンジレンジャーVSダイシゼンガー』[Kindle版]

 

(忘れないために)
 「自由と平和のための京大有志の会」による「あしたのための声明書」(2015年9月19日)を、「忘れないために」しばらくメルマガ(ブログ)の末尾に掲載することにしました。
 
(引用開始)
  あしたのための声明書
 
わたしたちは、忘れない。
人びとの声に耳をふさぎ、まともに答弁もせず法案を通した首相の厚顔を。
戦争に行きたくないと叫ぶ若者を「利己的」と罵った議員の無恥を。
強行採決も連休を過ぎれば忘れると言い放った官房長官の傲慢を。
 
わたしたちは、忘れない。
マスコミを懲らしめる、と恫喝した議員の思い上がりを。
権力に媚び、おもねるだけの報道人と言論人の醜さを。
居眠りに耽る議員たちの弛緩を。
 
わたしたちは、忘れない。
声を上げた若者たちの美しさを。
街頭に立ったお年寄りたちの威厳を。
内部からの告発に踏み切った人びとの勇気を。
 
わたしたちは、忘れない。
戦争の体験者が学生のデモに加わっていた姿を。
路上で、職場で、田んぼで、プラカードを掲げた人びとの決意を。
聞き届けられない声を、それでも上げつづけてきた人びとの苦しく切ない歴史を。
 
きょうは、はじまりの日。
憲法を貶めた法律を葬り去る作業のはじまり。
賛成票を投じたツケを議員たちが苦々しく噛みしめる日々のはじまり。
人の生命を軽んじ、人の尊厳を踏みにじる独裁政治の終わりのはじまり。
自由と平和への願いをさらに深く、さらに広く共有するための、あらゆる試みのはじまり。
 
わたしたちは、忘れない、あきらめない、屈しない。
 
     自由と平和のための京大有志の会
(引用終わり) 
 

(付録)
東電に入ろう』(ピアノ弾き語りヴァージョン) 演奏:丸尾めぐみ