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「市民連合わかやま」が衆院選での共闘を立憲野党4党に要請(2016年12月8日)

 今晩(2016年12月11日)配信した「メルマガ金原No.2657」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「市民連合わかやま」が衆院選での共闘を立憲野党4党に要請(2016年12月8日)

 昨年に引き続き、というのも変かもしれませんが、師走12月8日(木)午後1時30分から、和歌山県庁内の県政記者室において、市民連合わかやまが、立憲野党各党(民進党日本共産党社民党自由党)に、次の衆議院議員総選挙において、和歌山県下の各小選挙区(1区~3区)に、
 ① 昨年9月に成立した安全保障関連法の廃止
 ② 集団的自衛権行使容認の2014年7月の閣議決定の撤回
 ③ 日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻す
 ④ 個人の尊厳を擁護する政治を実現する
という政策を実行する統一候補を擁立し、協力して選挙に取り組むことと、その実現に向けた野党各党と市民連合わかやまによる合同会議の早急な開催を要請することを記者発表しました。
 
 各メディアの報道の中から、県内紙である紀伊民報とわかやま新法の記事にリンクしておきます。
 
紀伊民報 2016年12月9日
次期衆院選で野党統一候補を

(引用開始)
 
安保法制廃止などを求めて活動する市民団体「市民連合わかやま」は8日、和歌山県庁で記者会見し、次期衆院選で県内各選挙区から野党統一候補の擁立を、各野党に働き掛けることを発表した。
 要請内容は、安保関連法廃止、集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回などの政策を実行する統一候補の擁立▽市民連合と各党との合同会議の早急な開催。要請書はこの日、民進、共産、社民、自由の各党の事務所に手渡したり、送付したりした。
 共同代表の豊田泰史弁護士は「安倍政権の下で日本の軍事大国化が推し進められ、平和国家の先行きが危ぶまれる。これを打破しないといけない。野党共闘すれば、解決策は見いだせる」と話した。
 7月の参院選では、市民連合が和歌山選挙区に弁護士の由良登信氏を擁立。野党3党の推薦を受け「事実上の野党統一候補」として無所属で出馬したが、落選した。衆院選では「市民連合」として独自候補の擁立はせず、野党公認候補の一本化を促し、応援する形を取りたいとしている。
(引用終わり)
 
わかやま新報 2016年12月9日
衆院選に野党統一候補を 市民連合が要請

(引用開始)
 
市民団体「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま」は8日付で、県内の野党各党に対し、次期衆院選の県内各小選挙区統一候補を擁立するよう求める要請書を提出した。
 市民連合わかやまは、ことし7月の参院選和歌山選挙区に候補を擁立。共産・社民・生活(当時)の3党が推薦し、民進党は自主投票だったものの、自党の候補を取り下げたことで事実上の野党統一候補が実現した。和歌山選挙区は自民党現職に敗れたが、全国では32の1人区のうち11区で野党統一候補が勝利する成果を上げた。次期衆院選でも野党共闘の行方が焦点となる。
(略)
 県内3小選挙区を巡る野党の情勢は、民進党が1区に現職を抱え、2区に予定候補を立てており、共産党は2区と3区で候補擁立を発表し、1区でも擁立を進めるとしている。現状は1区、2区で野党の候補が競合する見通しとなっており、市民連合わかやまの要請を受けて選挙協力が進むのか、野党各党の対応が注目される。
(引用終わり)
 
 思い起こせば1年前の2015年12月24日、所も同じ県政記者説において、「安保法制の廃止を求める和歌山の会」(その後、「市民連合わかやま」と改称)が記者会見を開き、2016年7月の参院選和歌山県選挙区に統一候補を擁立することを県内野党に要請することを発表したのでした(「安保法制の廃止を求める和歌山の会(仮称)」が野党統一候補の擁立を目指して走り出しました/2015年12月24日)。
 あれから1年の間に様々なことがありました。私たちが要請した政党だけでいっても、維新の党は分裂を経て民主党と合体して民進党となり、生活の党と山本太郎となかまたち自由党となり、という具合です。もちろん、今夏の参院選に、ゆら登信弁護士を無所属候補として擁立し、推薦してくださった政党とともに選挙戦を戦うという予想外の(?)事態を経験したりしました。
 そして、1年後の今月、今度は衆議院選での共闘を、立憲野党に申し入れるということになったという次第です。なお、私がいちいち立憲野党と言うのは、「日本維新の会」や「日本のこころを大切にする党」、それに「幸福実現党」などは、政策の方向性が全く違うので要請するだけ無駄と思っているからです(彼らも我々のことなど眼中にないでしょうけど)。
 
 ところで、1年前の記者会見は私も事実上同席しましたが、今年は所用のため同席していません。出席者は、5人の共同代表のうちの4人、豊田泰史さん、花田惠子さん、松浦攸吉さん、由良登信さんでした(という顔ぶれであったということも、紀伊民報の写真を見て確認しました)。
 以下に、野党各党への要請書を全文掲載します。記者会見の前日(8日)の午後遅く、この要請書の起案担当者と電話で話したところ、「まだできていないけれど、1年前の要請書と基本は同じだから。」ということでした。たしかに、「要請の趣旨」の基本は同じなのですが、参院選衆院選では選挙制度も違うので、同じ「統一候補」という用語が使われていても、その具体的内容は微妙に違う、というのが私の考えです。
 さらにいえば、実体として、立憲野党間で有効な選挙協力が実現することを獲得目標とするのであれば、「統一候補」という表現がはたして適切か?という疑問がないわけではありませんが、まあ、文章全体を読んでいただければ、市民連合わかやまが求めるところはご理解いただけるかと思います。
 
(引用開始)
                                       2016年12月8日
                  御 中
 
                      要      請      書
 
要請の趣旨
1 野党各党が、次の衆議院議員総選挙において、和歌山県下の各小選挙区で下記の政策を実行する統一候補を擁立し、協力して選挙に取り組まれるよう要請いたします。
 ① 昨年9月に成立した安全保障関連法の廃止
 ② 集団的自衛権行使容認の2014年7月の閣議決定の撤回
 ③ 日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻す
 ④ 個人の尊厳を擁護する政治を実現する
2 上記統一候補擁立に向け、野党各党と当会による合同会議を早急に開催されるよう要請いたします。
 
要請の理由
 昨年9月19日、安倍政権は、海外で集団的自衛権行使等を可能にするために、憲法違反の安全保障法制を数の力で強行成立させました。私たちは、主権者として、日本国憲法が命じる恒久平和主義の破壊を許すわけにはゆきません。この憲法違反の安全保障法制を廃止する法案を国会で可決して廃止し、1日も早く立憲主義と民主主義を回復しなければなりません。また、社会保障の切り下げ、TPPの強行、非正規雇用の推進など国民生活を破壊する安倍政権を一日も早く退陣させなければなりません。
 そのために、本年7月の参議院選挙で、和歌山選挙区でも「事実上の野党統一候補」を擁立して闘いました。和歌山においては勝利することはできませんでしたが、全国32の内11の1人区で当選するという成果が上がりました。そして、今、次の衆議院議員総選挙における小選挙区で市民と野党の統一候補が多数の当選を勝ち取ることが是非とも必要となっています。
 そこで、私たちは、和歌山の各選挙区においても野党各党と市民が統一候補を擁立して当選を目指すことが是非とも必要と考え、上記のとおり要請いたします。
 私たちも、統一候補の当選に向けて共に行動する覚悟でおりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 
   安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま
    (連絡先)和歌山市六番丁24 ニッセイ和歌山ビル11階
            あすか綜合法律事務所
             TEL(073)433-3980、FAX(073)433-3981
(引用終わり)
 
 「市民連合わかやま」は、記者会見終了後、民進党和歌山県総支部連合会と日本共産党和歌山県委員会にはこの要請書を直接持参し、社会民主党和歌山県連合と自由党には郵送したと聞いています。
 まだまだ早期解散の目は消えていないと思われる中、野党4党、とりわけ民進党の動向が注目されるところです。