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市民連合が前原誠司、枝野幸男両氏に提出した「民進党代表選挙に関する要望」(8/25)を読む

 2017年8月26日配信(予定)のメルマガ金原.No.2916を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
市民連合が前原誠司枝野幸男両氏に提出した「民進党代表選挙に関する要望」(8/25)を読む
 
  8月21日に代表選挙が公示され、9月1日(金)の臨時党大会で新しい代表が決まる民進党ですが、前原誠司枝野幸男両候補のいずれが当選するにしても、選挙の後に一荒れも二荒れもありそうですね。
 民進党の党員でもサポーターでもない私にとっても、無関心ではいられない代表選挙ですが、ただ、マスコミによる、野党共闘へのスタンスの相違をことさら強調する報道姿勢には相当の違和感を感じており、両候補の主張については、それぞれの出馬表明記者会見を主な拠り所として判断しています。
 
[2017年8月7日 前原誠司氏 出馬表明]
 

[2017年8月8日 枝野幸男氏 出馬表明]
 

 2人の候補者の討論会は、民進党主催で各地で行われており、その動画は同党のホームページで見ることができますが、
ここでは、公示の翌日に日本記者クラブで開かれた討論会の動画のみご紹介しておきます。 
 

 それらを見た上での私の感想は・・・書くほどのものではありませんが、「枝野さんの主張する政策を前原さんが実行するというのが民進党にとって一番良いのでは?」というものです。それが出来れば民進党は浮上するかもしれない。まあ、不可能でしょうけど。
 
 さて、民進党代表選挙の行方を横目で見ながら、立憲野党の共闘しか選択肢はない、と考える市民は、全国各地で自分たちにできることを地道にやっている訳ですが、これまで野党共闘を働きかけて成果をあげてきた市民連合は、やはりここでひとこと言っておかなければと考えたようで、昨日(8月25日)、「民進党代表選挙に関する要望」を、前原・枝野両氏に提出しました。
 ここで、その全文を読んでおきましょう。
 
(引用開始)
民進党代表選挙に関する要望
 
 
 この度の民進党代表選挙に当たり、党の再建と日本の民主政治の回復のために立候補されたことについて、深い敬意を表します。安保法制の廃止と立憲主義の回復を実現し、個人の尊厳を擁護する政治を求める全国各地の市民とともに、参議院選挙、さらに次の衆議院総選挙に向けて戦ってきた私たち市民連合としても、この代表選挙が野党第一党民進党のリーダーシップと政策を再構築するための有意義な機会となるよう念願しています。代表選挙の候補者のお二人に、市民連合として二点要望を申し上げたいと存じます。
 
1 市民連合と立憲4野党が確認した共有政策を発展させる
 安倍政権に代わる国民本位の新政権を樹立するためには、野党第一党たる民進党が中心とならざるを得ません。5年になろうとする安倍政権の失敗と罪を厳しく総括し、安倍自民党との明確な対抗軸を構築することがこの代表選挙の課題です。
 何より重要なのは、安倍政権による憲法破壊を止め、日本を立憲主義、民主主義の国に戻すことです。安保法制、特定秘密保護法共謀罪法の廃止は、民進党の国民に対する責務だと考えます。また、国民生活不在のアベノミクスに終止符を打ち、生活者・働く者本位の経済・社会政策に転換することも急務です。
 これらの課題について、今年4月に市民連合と立憲4野党が合意した政策の基本枠組みを踏まえて、さらに発展させることを要望します。
 
2 立憲4野党と市民の協力を前進させる
 広範な市民と立憲4野党の結集と協力なくして、安倍政治を終わらせ、「国民とともに進む政治」に転換することはできません。安保法制反対運動以来、立憲4野党は国会の内外で協力を重ね、民主政治の危機を憂える市民の期待に応えてきました。蓮舫代表のもとで次の総選挙に向けて4野党が協力することも合意されています。公党間の合意は新執行部でも尊重されなければなりません。そうした手続き論の次元だけではなく、市民の期待に応えるためにも、民進党が野党協力の先頭に立つことが必要です。
 次の総選挙が近づく中、今の民進党に何より必要なことは、日本の立憲主義と民主主義を取り戻すための基本的な理念と方向性の確認です。2年余りの経験と実績を持つ立憲4野党と市民の結集を強固にすることが、安倍自民党に対する対抗勢力の構築に不可欠です。
 
 民進党が新体制の下で結束を強化し、政治刷新の先頭に立つよう強く願っています。また、私たち市民連合も、新代表とともに総選挙に向けて市民と立憲4野党の共闘を深化させていきたいと念願しています。
 
2017年8月25日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合
(引用終わり) 
 
 上記の「今年4月に市民連合と立憲4野党が合意した政策の基本枠組み」というのは、4月5日付「『市民連合が実現を目指す政策』に関する四党の考え方」のことです。
 また、「蓮舫代表のもとで次の総選挙に向けて4野党が協力することも合意されています」というのは、6月8日に行われた4党党首会談における合意のことで、今でも民進党のホームページで、次のように説明されています。
 
(引用開始)
 民進、共産、自由、社民の野党4党の党首らが8日午前、国会内で会談した。
 会談後、記者団の取材に応じた蓮舫代表は、(1)当面の課題(2)次期総選挙における野党4党の協力――について提案し確認を求めたと述べた。
当面の課題について
1.この間の党首会談の合意を尊重し、実行するために引き続き努力をする
2.安倍政権のもとでの憲法9条の改悪に反対をする
3.共謀罪廃案を目指し院の内外で共同して闘う
4.加計学園森友学園疑惑の徹底究明のため全力を尽くす
 以上の点について、「4野党党首共に異論はなく、賛成をいただき確認をした」と述べた。
次期総選挙における野党4党の協力について
•次期総選挙は新しい区割りのもとで行われることになる
•安倍政権の打倒を目指して全力を挙げること
民進党日本共産党自由党社民党の野党4党は次期総選挙で出来る限りの協力を行うとの去年9月の合意に基づき、協議を加速させ、4野党が協力して候補者調整を行い、一致したところを順次発表する
 以上の点について、「他の3党の党首からも力強い賛同をいただいた」と述べた。
 また、「あと1週間あまりで会期末ということなので、内閣不信任決議案の提出も視野に、適時適切に国対委員長会談、幹事長書記局長会談、また4野党の党首会談も丁寧に行っていくことを確認した」と述べた。
                                  民進党広報局
(引用終わり)
 
 誰が考えても、市民連合の上記「要望」は、主として前原さんに対して「ちゃぶ台返しはしてくれるな」と言っているように読めますけどね。効果あるかな?
 
 なお、「要望」提出の前日(8月24日)、山口二郎さんが「安倍内閣打倒にむけて、私たちの役割」というテーマで講演されています。市民連合の主催なんだろうか?市民連合のホームページを見ても何も書いてませんけど。
 まあ、主催者はともかく、今最もトピカルなテーマについての講演で、関心を持って聴いていただけるのではないかと思い、ご紹介します。
 
市民連合 山口二郎氏講演会「政治危機と私達の選択 憲法と民主主義を守る大結集を」2017年8月24日(1時間17分)