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レイバーネットTV第110号 特集「行っちゃだめ!南スーダン~元自衛官は訴える」(ゲスト:井筒高雄さん&泥憲和さん)を視聴する

 今晩(2016年11月14日)配信した「メルマガ金原No.2630」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
レイバーネットTV第110号 特集「行っちゃだめ!南スーダン~元自衛官は訴える」(ゲスト:井筒高雄さん&泥憲和さん)を視聴する
 
 しばらく手持ちの刑事事件が無くなったなと思っていたら、この前の土曜日(11月12日)、和歌山弁護士会の当番弁護士兼国選弁護人の待機日に、一度に3件の被疑者国選弁護事件を受任することに。もっとばらけて欲しいのですが、なかなかうまくいかないものです。
 ということで、今晩も3箇所の警察署を接見で回ってからの帰宅となりましたので、それから題材を考えて書ける記事は限られており、そのような状態がしばらくの間続きそうです。
 
 今晩見つけた素材は、レイバーネット日本が作るインターネットTV番組「レイバーネットTV」の第110号、特集「行っちゃだめ!南スーダン~元自衛官は訴える」、ゲストは、元自衛官のお2人、井筒高雄さんと泥憲和さん(姫路からスカイプで出演)です。
 元自衛官と言っても、自衛隊を活かす会シンポに出てくる冨澤暉元陸上自衛隊幕僚長のような将官クラスの人とは当然ながら異なった、現場の自衛官の意識により近い立場からの発言を聴くことができると思い、ご紹介することにしました。
 是非耳を傾けてください。
 
 以下に、まずレイバーネット日本に掲載された写真報告を引用し、その後に動画(収録配信日:2016年11月9日)をご紹介します。
 
写真報告:レイバーネットTV第110号 特集「行っちゃだめ!南スーダン~元自衛官は訴える」
(引用開始)
 
戦争法の発動が現実のものとなってきた。安倍政権は、南スーダンPKO派遣している陸上自衛隊に「駆けつけ警護」「共同防衛」の新たな任務を付与する。15日にも閣議決定し、その最初の部隊「陸自第5普通科連隊」が、11月20日に青森空港から南スーダンに向けて出発しようとしている。首都ジュバの戦闘 が激化する中、11月2日にケニアはPKO撤退を決めたばかりだが、日本は「行け行けドンドン」である。南スーダンはいまどうなっているのか。自衛隊は「新任務」で「殺し殺される」世界に突入してしまうのか。一人ひとりの自衛官の思いはどうなのか? 私たちに何ができるのか?11月9日のレイバーネットTVは、東京スタジオを姫路スタジオをつないで、現場を知る元自衛官、井筒高雄さん(元陸自レンジャー隊員)、泥憲和さん(元陸自防空ミサイル部隊)に大いに語ってもらった。
 話は生々しかった。マスコミで知ることのできない軍事現場の実状が伝わってきた。井筒さん「PKOはいまや交戦主体になっている。確実に死にます。今回は自衛隊の実戦デビューで、今後もっと深入りしていく」と。泥さんも「駆け付け警備」の実態を語り、「危ない自衛官がかわいそう。一度も現場のことが語られることなく、自衛官を送り込む不条理を許せない」と安倍政権を批判した。「南スーダン派遣」で日本国憲法の形骸化が一気にすすみそう。「なにか止める方法はないか?」の質問に、井筒さんは「きたる選挙で自公を落とすしかない」と明快に答えた。なお、井筒さんは『デイズジャパン』12月号でより詳しい内容を発表する予定。 
(引用終わり)
 
3分~6分 井筒高雄さん(はじめに)
9分~23分 泥憲和さん(スカイプ
23分~26分 ジョニーHさんの歌
26分~27分 乱鬼龍のきょうの1句「南スーダン安倍の野望は血に飢える」
27分~1時間06分 井筒高雄さん

岩上安身氏と孫崎亨氏が語り合うトランプ勝利後の世界と日本(4時間20分全編無料公開中)~付・IWJが緊急「寄付・カンパ」を要請!

 今晩(2016年11月13日)配信した「メルマガ金原No.2629」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
岩上安身氏と孫崎亨氏が語り合うトランプ勝利後の世界と日本(4時間20分全編無料公開中)~付・IWJが緊急「寄付・カンパ」を要請!

 ドナルド・トランプ大統領が誕生するという事態をどう受け止めたら良いのか、正直私の能力を超えており、つまらぬ「私見」など書いても仕方がないと思いつつ、いくつかの動画を見たり文章を読んだりし
ています。
 今日は、とりあえず、IWJ・岩上安身さんによる孫崎亨さんに対する長時間インタビュー(なんと4
時間20分!)、それからマイケル・ムーア監督が7月に公表していまや誰知らぬものはない予言の書となった「ドナルド・トランプが大統領になる5つの理由を教えよう」、ムーアの意見を下敷きにしつつ、分かりやすく解説してくれた泥憲和さんの文章を、私自身の備忘も兼ねてご紹介します。
 
IWJアーカイブ 2016.11.10
トランプ氏が圧勝!「まさか!」の米大統領選を徹底分析!トランプ新大統領のもとで日米安保、TPPはどうなる!? 岩上安身が元外務省国際情報局長の孫崎享氏に訊く!
イントロ動画(15分24秒)
 

「IWJはTPPに反対します!公共性に鑑みフル公開します。ぜひ拡散して下さい!」
ということで、全編
が特別無料公開されています。
 ところで、このインタビューの中で(41分~)、岩上さんからIWJ存亡の危機の現状が説明され、「寄付・カンパのお願い」が訴えられています。
 私も気がついてみると、一般会員継続の手続を怠り、ついつい忙しさに取り紛れて更新手続をしていなかったことを反省し、急いで新規会員登録して1年分の会費をクレジットカード払いで支払いました。私が更新手続をさぼっていたのは、支払方法が以前はPayPal限定で無茶苦茶面倒であったことによるのですが、今度手続をしてみたら、銀行振込やクレジットカード払い(これは一括払いのみ)も可能になっていました

 この年末までに、必要な資金が集まらなければ、重大な事態を招きかねないということはかなり真実性が高いと思われます。その証拠に、岩上さんの訴えが専ら「寄付・カンパのお願い」であって「新規会員録のお願い」ではないことからもそのことが推測されます。従って、以上の事態を理解し、会員登録して会費を前払いする人は、万一の時にはそれはカンパの趣旨も含むものだったという覚悟を持って欲しい
ですね。

「和歌山の恥」鶴保庸介沖縄北方相の差別容認発言を岩上さんが徹底批判している部分(2時間35分~)は是非ご覧ください。ただし、岩上さんは鶴保氏が「和歌山選出」の参議院議員であることは知っていても、残念ながら「大阪出身」であることは知らないようですね(知っていればもっと手厳しく批判したはずです)。
 
ハフィントン・ポスト
投稿日: 2016年07月29日 16時36分 JST 更新: 2016年07月30日 21時09分 JST
Michael Moore(マイケル・ムーア) 映画監督
ドナルド・トランプが大統領になる5つの理由を教えよう

 
※「投稿が一時的に制限されています」ということで読めないかもしれません。原因は不明です。 
【トランプの勝因、ヒラリーの敗因 ②】

今井高樹氏講演「南スーダンPKO 自衛隊派遣の危険性を問う~現地からの報告~」(11/7)のご紹介

 今晩(2016年11月12日)配信した「メルマガ金原No.2628」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
今井高樹氏講演「南スーダンPKO 自衛隊派遣の危険性を問う~現地からの報告~」(11/7)のご紹介

 今日(11月12日)の午後、和歌山市河西(かせい)コミュニティセンターで開催した「前田佳世ソプラノコンサート~祈り、平和。そして希望へと~」に多数の方にご参加いただくことができました。実行委員会(前田佳世コンサートを成功させる会)の一員として、心よりお礼申し上げます。
CIMG6738 また、出演してくださった前田佳世さんと伴奏ピアニストの細尾和代さん、それにヴィブラフォンとピアノによるユニット「Chromatica(クロマティカ)」のお2人(田中麻衣子さん、多田安希子さん)にも、コンサートにふさわしいとは言いにくい会場や備え付け楽器というハンディを吹き飛ばす素晴らしい演奏を披露してくださったことに、絶大な感謝の意を表したいと思います。

 その上、実行委員にもかかわらず、当日の会場設営や運営、それに終演後の後片付けなど、一切何のお手伝いもできず、全て私以外の実行委員にお任せしてしまい、申し訳ない次第です。私が手伝いもせず何をやっていたかと言うと、和歌山弁護士会の当番弁護士兼国選待機弁護士として、和歌山市内の3箇所の警察署をぐるぐる回って被疑者との接見をしていたので、公務だから仕方がないとはいうものの、
 
第Ⅰ部 前田佳世&細尾和代 クラシックオペラの一幕
 全く聴けず。
第Ⅱ部 Chromatica(クロマティカ)
 最後の曲『満月の夕(ゆうべ)』を聴けただけ。
第Ⅲ部 前田佳世&細尾和代
 1曲目『アンパンマンのマーチ
 2曲目『さとうきび畑
 3曲目『多喜二へのレクイエム』
 4曲目『いのちの理由』
 5曲目『歌をください』
 まで聴いたところで途中退席。
 
であったというのはとても残念でした。
 
CIMG6745 今晩のメルマガ(ブログ)は、コンサートを最初から最後まで聴ければそれを取り上げようと思っていたのですが、何しろ以上のような状況で、とてもそういう訳にはいかず、別の素材を探さざるを得ませんでした。
 しかも、和歌山市内某所でのコンサートの打ち上げに参加していたため帰宅も遅くなり、こういう時によくやる「手」ですが、気になる講演動画をご紹介することにしました。
 
 今日ご紹介するのは、「NPJ動画ニュース」の1本としてYouTubeにアップされた「南スーダンPKO 自衛隊派遣の危険性を問う~現地からの報告~」です。
 講師の今井高樹さん(日本ボランティアセンター(JVC)スーダン事務所現地代表)の講演ということでは、今年の5月20日、新外交イニシアティブ(ND)主催の緊急企画「自衛隊派遣のリスクを考える―南スーダン現地からの報告―」でお話された動画をご紹介したことがありました(巻末に再掲します)。
 NDの講演会で話されてから半年近くが経ち、自衛隊への新任務付与が既定路線となる中、南スーダンの状況がさらにどのように変化しているのかを知るためにも、貴重な講演会であると思い、ご紹介することとしました。
 

講師 今井高樹氏(日本ボランティアセンター(JVC)スーダン事務所現地代表)
主催 城北法律事務所(緊急企画)
収録 2016年11月7日

(弁護士・金原徹雄のブログから)
2016年7月14日

由良登信(ゆら・たかのぶ)弁護士、和歌山県下をかけめぐって自民党改憲案の危険性を訴える~那智勝浦町(11/13)、御坊市(11/19)、田辺市(11/20)

 今晩(2016年11月11日)配信した「メルマガ金原No.2627」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
由良登信(ゆら・たかのぶ)弁護士、和歌山県下をかけめぐって自民党改憲案の危険性を訴える~那智勝浦町(11/13)、御坊市(11/19)、田辺市(11/20)

 私のメルマガ(ブログ)では、たびたび、主に和歌山県下で開催される様々な企画(憲法問題や原発問題に関連する企画が多いものの、それだけでもありません)をご紹介しています。
 今日も、企画のご紹介なのですが、非常に間際になってからのお知らせなので、何かしら効果があるかどうか、はなはだ疑問ではありますが、やはりご案内すべきだろうと思い、取り上げることにしました。
 
 昨夜、三重県紀宝町に住む旧知の松原洋一さん(紀宝9条の会、くまの平和ネットワーク)から、明後日(11月13日)、和歌山県那智勝浦町で、由良登信(ゆら・たかのぶ)弁護士を講師に招いた講演会を開催するということで、チラシその他の資料がメールで送られてきました。
 チラシに目を通すと、テーマは自民党改憲案であり、「くまの平和ネットワーク」と「市民連合わかやま・くまの」との共催ということでした。
 まず、チラシからその文字情報を引用してみましょう。
 
チラシより引用開始)
あなたはどっち。
政府の暴走を縛る憲法
国民の自由を縛る憲法
 
「わからない」では済まされないかもしれない憲法のコト。
私たちの暮らしと国のかたちを決める大切な憲法のコトを
もっと知ろうよ―というわけで
憲法学習会に、みんなでGO!
 
11/13(日)午後1時30分~4時
那智勝浦町体育文化会館 2F大集会室
 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字天満字木戸浦44
 
◆テーマは
自民党憲法草案ってなに?
◆講師は 
弁護士 由良登信(ゆら・たかのぶ)
 1986年弁護士登録。弱者の支援や社会正義の実現をめざす弁護活動で多くの信頼を得ている。和歌山弁護士会元会長。
◆入場無料
 
■主催/市民連合わかやま・くまの、くまの平和ネットワーク
(連絡先 0735-21-1674 植村)
(引用終わり)
 
 ここで、若干の補足説明をしておくと、「くまの平和ネットワーク」は、「憲法9条を守りたい」と活動している熊野から串本までの10団体(紀南9条の会/しんぐう九条の会/紀宝9条の会/宝来9条の会/年金者組合新東支部9条の会/新日本婦人の会牟婁支部/ほんぐう9条くらぶ/御浜九条の会/なちかつ・たいじ九条の会/くしもと九条の会)によって構成されたネットワークです。
 また、「市民連合わかやま・くまの」(愛称「わかくま」)は、立憲主義と民主主義を取り戻そうとして立ちあがった「市民連合」「市民連合わかやま」の動きに呼応し、新宮熊野地方の皆さんが結集したプラットフォームであり、参院選が終わった後も、野党統一候補として参院選を闘った由良登信さんを講師に招いて各所で「けんぽうカフェin紀南」を開催するなど、今も地道な活動を続けています。
 
 その両団体(双方に参加しているメンバーも少なくないでしょうが)が共同して企画した憲法学習会です。
 「くまの平和ネットワーク」は、毎年6月ころに共同企画を実施しており、私も2013年にお招きいただきましたし、今年も、6月26日に泥憲和さんを招いた講演会を開催していますが、今年は、さらにもうひとがんばりしようということになったのでしょう。
 
 ところで、松原洋一さんからお送りいただいた資料で興味深かったのは、地元紙各社に送った文書です。私はファイルを開けるまでは、てっきりいわゆるプレスリリースだろうと思っていたのですが(そういう要素もありますが)、行事案内を掲載しようと考えてくれた地元紙があった場合、そのまま使える「記事のひな形」になっており、「新宮熊野地方ではこれが一般的なのだろうか?」と驚いた次第です。
 一瞬、和歌山でもやってみようかと思ったのですが、よく考えてみると、送付するメディアが多過ぎて、まずこの「手」は無理でしょうね。それにこんなに長い予告記事など載せてくれないでしょうから。
 
(引用開始)
                                         
2016年11月3日
各新聞社 御中
                                  くまの平和ネットワーク       
                                 
  (連絡先)植村 美穂子
      
                  新聞記事掲載のお願い
 
 いつもお世話になり、ありがとうございます。
 さて、以下の件につきまして、貴社の新聞に記事として掲載していただきたく、別紙の通り、送付いたしますので、よろしくお願いいたします。
 
            改憲草案の問題点などを13日に勝浦で憲法講演会
 
 先の参議院選挙で改憲勢力が3分の2を超え、憲法改正の発議が現実味を帯びてきた今日、2012年に自民党が発表した「日本国憲法改正草案」の内容とその問題点などをわかりやすく解説する講演会が、11月13日(日)午後1時30分から那智勝浦町体育文化会館2階大集会室で開かれる。演題は「自民党憲法草案ってなに?」で、弁護士の由良登信氏が講演する。
 主催は新宮地方で憲法を大切にしたいと活動している10団体が参加する「くまの平和ネットワーク」(代表:二河通夫)と、立憲主義と民主主義を守る取り組みを進めている「市民連合わかやま・くまの」。
 現憲法は、先の戦争の反省に立ち、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重の3つの柱に、大きな権力を持った政府が国民の権利や自由を侵害しないように、国家権力を制限する「立憲主義」の理念が貫かれている。自民党の草案は、国防軍の設置や家族で助け合う条項、国民の義務を大幅に増やし、基本的人権の制限につながる表現など、「国民」よりも「国家」に重きを置いた復古的な内容が目立つと多くの識者が指摘している。
 主催者は「由良弁護士は穏やかな人柄とともに、弱者の支援や社会正義の実現をめざす弁護活動で多くの信頼を受けている方です。講演では、現憲法と草案の違いやその問題点などをわかりやすく具体的にお話しいたします。憲法というと難しい話のように思われがちですが、何が問題かを知ることは、これからのふだんの暮らしの中でも大切なことだと思います。お気軽にお越しください」と多数の参加を呼びかけている。また、託児コーナー(10日までにご連絡ください)を用意。入場無料(カンパ歓迎)。
 問い合わせは、植村さん(0735-21-1674)まで。
(引用終わり)
 
 参院選に野党統一候補「ゆら登信」として出馬した由良弁護士は、選挙が終わった後直ちに、憲法の危機に立ち向かうため、和歌山県下100箇所を目標に、早急に自民党改憲案の危険性を訴える学習会をやろうと提案し、自ら率先して週末ごとに県下を駆け回っています。
 その手始めは、投票日のわずか3週間後(7月31日)に開催された緊急学習会「「自民党憲法改正草案」を斬る!」(主催:憲法9条を守る和歌山市共同センター)であり、この講演の動画はYouTubeにアップされ、レジュメは私のブログに掲載させてもいらいました。
 
 

 さて、7月31日を皮切りに、県下行脚を始めた由良さんは、明後日は9月以降何度目かになる新宮熊野地方での講演ですが、その次の週末も、以下のとおり、11月19日(土)は地元の御坊市で、翌20日(日)は、紀南地方の中心都市・田辺市での講演が控えています。特に、20日の会場は、ほぼ1年前に「戦争する国づくりストップ!田辺・西牟婁住民の会」が中心になって開催した小林節氏講演会と同じ紀南文化会館・小ホールであり、正直「すごい!」と思います。10月22日に私がやった和歌山市中央コミセン(主催:憲法を生かす会 和歌山)とは比べものになりません。田辺・西牟婁地方の皆さんの意気込みが伝わってくるようです。
 19日と20日の学習会の概要を以下に記載しておきます。
 那智勝浦、御坊、田辺。いずれでもよいので、時間と会場までの距離から、都合のつくところに是非足を運んでいただければと思います。
 
改憲阻止!戦争法廃止!全国一斉行動 御坊・日高学習会
自民党憲法改正草案」を斬る!
講師 由良登信弁護士
日時 2016年11月19日(土)午後1時30分~3時
場所 日高教育会館
和歌山県御坊市湯川町財部254
主催 憲法9条を守り・いかす日高連絡会
憲法9条を守る御坊・日高共同センターと日高地方の9条の会との連絡会)
連絡先 日高教育会館 TEL:0738-22-0199
 
□「戦争する国づくりストップ!住民の会」結成3周年記念講演
憲法9条2項を削除し国防軍を創設、人権思想を否定する
自民党憲法草案と、たたかいの方向
講師 由良登信弁護士
日時 2016年11月20日(日)午前10時~
場所 紀南文化会館 小ホール
    和歌山県田辺市新屋敷町1番地
主催 戦争する国づくりストップ!田辺・西牟婁住民の会
連絡先 田辺市高雄1-10-8 電話:0739-22-2152 FAX:0739-22-2162
 
(付記)
 由良さんの週末ごとの講演ツアーは、12月になってもまだまだ続くようです。県外の人から見たら、「他に人材はいないのか?」と思うでしょうね。
 
由良チラシ(くまの)16年11月13日 

渡辺治氏(一橋大学名誉教授)講演「憲法をめぐる参院選後の情勢と課題」(2016/10/10)を視聴する

 今晩(2016年11月10日)配信した「メルマガ金原No.2626」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
渡辺治氏(一橋大学名誉教授)講演「憲法をめぐる参院選後の情勢と課題」(2016/10/10)を視聴する

 多くの憲法学者の中で、「情勢論と展望」を語らせたらこの人の右に出る者はないというのが渡辺治さん(一橋大学名誉教授)だと私は思っています。
 ですから、今夏の参院選が終わった後の政治状況を踏まえた上での、渡辺治さんのまとまったご意見を是非拝聴したいものだと思っていました。
 そして、10月6日(木)18時30分から、北とぴあ・さくらホールにおいて、戦争させない・9条を壊すな!総がかり行動実行委員会が主催する「戦争法廃止!憲法をいかそう!さらなる広がりを求めて 総がかり行動シンポジウム」には、中野晃一さん(上智大学教授)、高野孟さん(「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹)と一緒に渡辺さんがパネリストとして登壇されており、分かりやすいお話は伺えたものの、発言時間が限られていて物足りないという憾みはどうしてもぬぐえませんでした。
 何とか、最近の単独講演の動画はないものかと探していたところ、ようやく見つけました。上記シンポジウムのわずか4日後である10月10日(体育の日)に憲法会議(憲法改悪阻止各界連絡会議)が主催した公布70年・憲法講座「今こそ、守り生かそう!日本国憲法」で、渡辺治さんが講演されていました。
 その憲法講座の模様を伝えた「憲法しんぶん(速報版)第675号」(2016年10月11日発行)から、該当箇所を引用します。
 
(引用開始)
 「公布70年・憲法講座─今こそ、守り生かそう! 日本国憲法」が、10月10日(体育の日)に全国家電会館で開催されました。安倍政権が改憲に向けた動きを強めるもとで、憲法をめぐる情勢を学び、戦争法廃止・憲法改悪阻止のたたかいをどうすすめるべきかと、関心と期待を集めて会場いっぱいの220人が参加し、学習しあいました。主催は憲法会議、協賛は首都圏の各憲法会議でした。
 井上哲士日本共産党参議院議員参議院国会対策委員長が「臨時国会の争点と戦争法・改憲の動き」をテーマに国会報告。
 井上議員は、①参院選後の立ち上がる市民と野党の共闘の現状、②そのもとでたたかわれている今の臨時国会の論戦と安倍政権の危険な動きと国民のたたかいについて、次のように報告しました。
 参院選の共同の効果で、新しい共同がひろがり、新しい前進が生まれている。新潟知事選挙では、柏崎刈羽原発の再稼働反対を訴える米山隆一候補への県民の期待が急速に広がる。自民党に激震が走り、「『まさか』という慢心があった。危なくなると想定していなかった。想定外の接戦に対応が遅れている」と自民党関係者は危機感をあらわにしている。そして、その米山氏の選対として頑張っているのが、先の参院選で野党統一候補として当選した森裕子議員である。一方で、安倍内閣の危険なおごりの姿勢が際立っており、今国会でも様々な形で現れている。南スーダンへの新しい任務を付与しての派遣で、自衛隊員が殺し殺される事態を招いてはいけない。戦争法廃止を求める運動をさらに大きくして行かねばならない。そのためにも安倍政権を打倒し、憲法を守り、生かすとりくみをすすめよう、と強調しました。
 渡辺治一橋大学名誉教授は、「憲法をめぐる参院選後の情勢と課題」としたテーマで、主に、①改憲をめぐる攻防から見た参院選、②改憲阻止の視点からの4野党の選挙共同の成果と課題、③参院選の結果を受けた安倍政権の改憲戦略、④安倍政権の暴走を阻む運動の課題の4点について、次のように講演しました。
 参院選後、安倍政権は9条の実質破壊であり9条改憲への地ならしとなる戦争法発動を、不退転の決意ですすめようとしている。南スーダンPKO派遣自衛隊への新任務の付与、限定的集団的自衛権発動訓練をすすめ、早期に衆院選を行い、ふたたび改憲勢力3分の2 を確保して明文改憲実行へ突き進む。そして、自民党総裁任期の延長を行い、安倍政権下での改憲を実行しようとしている。安倍改憲の本命は「これある限り『普通の国』にはなれない」と述べているように、9 条改憲である。しかし、国民多数が9条改憲に反対するもとで、本気になったら思い切って「柔軟路線」で改憲多数派を形成するために、野党共闘を攻撃・分断し、加憲論の公明党日本維新の会を巻き込み、改憲合意をすすめるだろう。
 そして、安倍政権の改憲を阻む運動の課題として、改憲を阻むには安倍政権を倒すことであるとして、野党の共同を強化し、憲法の実質改悪である戦争法の発動を阻止・廃止のたたかいに全力をあげること、憲法9条のもつ力を学び広めることなど憲法の学習の重要性を語りました。
 講演の後、だされた質問に2 人の講師は丁寧に回答しました。
 詳しい内容は、『月刊憲法運動』12月号(456号)に掲載されます。
(引用終わり)
 
 それでは、自由メディア(FmA)によるYouTube動画をご紹介します。
 
1010憲法講座(2時間29分)

冒頭~ 井上哲士日本共産党参議院議員講演
23分~ 渡辺治氏講演「憲法をめぐる参院選後の情勢と課題」
 25分~ ① 改憲をめぐる攻防から見た参院選
 47分~ ②改憲阻止の視点からの4野党の選挙共同の成果と課題
 1時間22分~ ③参院選の結果を受けた安倍政権の改憲戦略
 1時間59分~  ④安倍政権の暴走を阻む運動の課題
2時間09分~ 質疑応答
 
 私としては、改憲シミュレーションを検討するために非常に参考になったという意味で、特に1時間30分~1時間59分の部分に注目しました。2012年自民党「日本国憲法改正草案」2005年自民党「新憲法草案」公明党・加憲案という3つの改憲案の位置付けなど興味津々で聴きました。
 その他の部分も非常に示唆に富む有益な講演だと思います。
 是非視聴されますようお薦めします。
 

2016年11月のお薦めTV(地上波)ドキュメンタリー番組~まもなく放送「終わらない人 宮崎駿」(11/13)

 今晩(2016年11月9日)配信した「メルマガ金原No.2625」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
2016年11月のお薦めTV(地上波)ドキュメンタリー番組~まもなく放送「終わらない人 宮崎駿」(11/13)

 昨日、久々の大作?(自民党「憲法改正推進本部長方針について」(2016/10/18)を読む)を書いたものの、この記事のブログ版へのアクセス数がさっぱり増えず(もうすぐ一昼夜経つというのにいまだに30アクセス台)、いささか疲れましたので、今日はお手軽ヴァージョンでしのぐことにします。
 まあ、保岡興治自民党憲法改正推進本部長による「方針」に興味を持つ人がそんなにいる訳ないですけどね。
 
 アクセス数ということで言えば、予想外にアクセスが集まることもごくたまにはあるもので、4日前(11月5日)に書いた「UPLAN【原発事故被害者インタビュー(4)】飛田晋秀さん~福島県三春町在住の写真家が訴える福島の現状」に昨日から急にアクセスが集まりだし、不思議に思って調べてみると、某投稿サイトの人気記事の中で、上記記事にリンクを貼って紹介してくれたのが原因と判明しました(福島県三春町の写真家・飛田晋秀さんが語る福島の真実)。
 もっとも、この投稿サイトには、私と森松明希子さんを一まとめにして「森松明希子氏と一緒になって訴訟を起こしている弁護士・金原徹雄氏の背後には極左の部落解放同盟全国連合会がいました」という“お笑い投稿”(何しろこの時点では、私はまだ森松さんとお話したことすらなかったし、部落解放同盟部落解放同盟国連合会の区別もついていないようだし、ネトウヨの中でも相当レベルが低い)が載ったりもしていますので、いわゆる「投稿サイト」など無縁の私にも、それなりの影響があったりもするので
すね。
 
 さて、今日は、ほぼ自分のための備忘録をそのままメルマガ(ブログ)に載せるようなものですが、定期的にお届けしているTV(地上波)ドキュメンタリー番組案内です。
 関心を持たれる番組がありましたら、録画・視聴されますように。
 
NHK総合
2016年11月12日(土)午前0時10分~1時04分(11日深夜)
(再放送)NHKスペシャル「廃炉への道2016 調査報告 膨らむコスト~誰がどう負担していくか~」

メルトダウンした3つの原子炉を同時に「廃炉」にする、世界でも例のない取り組み。その長い道程を
記録していくシリーズ「廃炉への道」。
福島第一原子力発電所の事故から5年半が経ち、核燃料の除去など、技術的な困難があらわになる中、もう一つの難題が浮かび上がっている。事故収束に向けた費用が想定以上に膨らみ、現行の仕組みでは持続的にまかなっていくことが極めて難しくなりつつあるのだ。人件費や技術開発費の増大だけではない。住民帰還のための除染のコストや、賠償費の膨張も著しい。またこうした費用をまかなっていく「仕組み」も、壁にぶつかっている。先頃東京電力も、負担の厳しさを訴え、さらなる国の追加支援を求める方針を
示した。
こうした「コスト」の問題は、廃炉の方法や住民帰還など政策の根幹に関わる。番組では、廃炉を「コスト」という切り口から徹底検証する。一体どれだけ膨らむのか。その負担は誰がどのように担っていくのか。事故コストの全体像を可視化し、持続可能な「廃炉への道」を考える。」
 
NHK総合
2016年11月13日(日)午後9時00分~9時49分
NHKスペシャル「終わらない人 宮崎駿」
「3年前、電撃的な引退宣言を行った世界的なアニメーション映画監督・宮崎駿(75)。長編映画の現場から身を引くと宣言した宮崎だが、その創造への意欲は実は衰えていなかった。新進気鋭の若きCGアニメーターとの出会いから、初めてCGを本格的に使い、短編アニメで新たな表現への挑戦を始めた。だが、映画作りは難航し、制作中止の危機に直面する。宮崎アニメ初となるCG短編制作の舞台裏を、カメラが2年にわたって独占取材した。クールジャパンの基幹コンテンツと期待されながら、国際的にはピクサー、ディズニーらのCGアニメに圧倒されている日本のアニメーション。宮崎が世に放つ短編は、日本アニメの未来を変える一手となるのか。番組では、巨匠の溢れ出る映画作りへの想い、苦悩、あがきを生々しく活写していく。」
 
NHK・Eテレ
2016年11月20日(日)午前1時00分~2時00分
(再放送)ETV特集「武器ではなく 命の水を~医師・中村哲とアフガニスタン~」
「戦乱と干ばつが続くアフガニスタン。この地で干ばつと闘い続けてきた医師・中村哲(69)。始めたの
は用水路の建設。渇いた大地に再び緑を取り戻すまでの15年の記録。
アメリカ同時多発テロから15年。今も戦乱の続くアフガニスタンで干ばつと闘う日本人がいる。医師・中村哲(69)。「武器や戦車では解決しない。農業復活こそがアフガン復興の礎だ」。中村は白衣を脱ぎ、用水路の建設に乗り出した。15年たったいま、干ばつの大地には緑がよみがえり、人々の平穏な営みが再び始まろうとしている。戦乱の地アフガニスタンに必要な支援とは何か。15年にわたる中村の不屈の歩みを通して考える。」
 
テレビ朝日
2016年11月20日(日)午前4時30分~5時00分
朝日放送
2016年11月20日(日)午前5時20分~5時50分
テレメンタリー「テロリストは僕だった~沖縄・基地建設反対に立ち上がった元米兵たち~」
「「ノーモア・ミリタリーベース!」沖縄の米軍基地の前に座り込むアメリカ人がいた。かつて沖縄に駐
留していた元海兵隊員、マイク・ヘインズさん(40)だ。ヒーローと称賛される退役軍人が、なぜ今、沖縄で基地建設を止めようと体を張るのか。
取材班は渡米し、マイクの姿を追いながら、若い兵士たちやホームレス化した元兵士たちなど、日本から
は見えてこない「米軍」を追う。
「テロとの戦いのためにイラク戦争に派兵されたが、人々にとってのテロリストは僕だった。」
ナレーター:宮城さつき
制作:琉球朝日放送
 
NHK総合
2016年11月27日(日)午後9時00分~9時49分
NHKスペシャル「パナマ文書 知られざる記録(仮)」
「史上最大のリークといわれ世界に大きな衝撃を与えた「パナマ文書」。これまで知られてこなかった“
新たな事実”が、いま明らかになろうとしている。パナマにある法律事務所の内部文書のリークから始まった「パナマ文書」報道。国際調査報道ジャーナリスト連合・ICIJに持ち込まれ、加盟する107社(80か国)、400人のジャーナリストたちがそれぞれの国で取材、ロシア・プーチン大統領や中国・習近平国家主席など、権力者やその親族の資産運用の実態を暴き、空前の大スクープとなった。NHKは、今年6月ICIJのプロジェクトに参加、新たに日本関連の膨大な文書の存在が明らかになってきた。
どのような人たちが、どのような理由で、「パナマ文書」に名前が載るに至ったのか。番組では、一つ一つのケースを詳細に取材し、これまで知られてこなかった「パナマ文書」と日本との関わりを明らかにする。同時に、各国の最高権力者による秘められた“錬金術”に、ジャーナリストたちがどのように連携し、迫っていったのか、ICIJを取材。世界に衝撃を与えたパナマ文書報道の舞台裏の一部始終を明らかにする。」
 

自民党「憲法改正推進本部長方針について」(2016/10/18)を読む

 今晩(2016年11月8日)配信した「メルマガ金原No.2624」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
自民党憲法改正推進本部長方針について」(2016/10/18)を読む

 私は、先月(2016年10月)、2度にわたって憲法学習会の講師の依頼を受け、そのために書いたレジュメを、このメルマガ(ブログ)でご紹介してきました。
 
 
 その際、レジュメの冒頭に「はじめに~あるシミュレーション」という1章を設け、「201X年〇月△日、自民党公明党の与党に加え、日本維新の会、日本のこころ他無所属の一部も加わり、衆参両院の総議員の三分の二以上の賛成を得て、初めて日本国憲法改正案を国会が発議した。」「国民投票の対象となる憲法改正案は、「第八章 地方自治」の次に「第九章 緊急事態」として、次の二箇条を挿入するというものであった。」という想定の下、主として改憲派による「国民投票運動」がどのようなものになるかを中心にお話しました。
 その趣旨は、漠然と「衆参両院で改憲勢力が2/3を超えた」というだけでは、これからどのような事態が「起こり得るのか」についての具体的なイメージがなかなかわかないことから、少しでも憲法が直面している危機についての理解を深めていただく手段としてシミュレーションをやってみようと思いついた次第です。
 
 けれども、私の問題関心の中心は「国民投票運動」にありましたので、いきなり、緊急事態条項を追加するという憲法改正案が発議された、というところから始めたのですが、もっと精度の高いシミュレーションを試みるのであれば、当然、憲法改正案の発議に至るまでの政治過程はどうなるのか?についての検討が必要になる訳です。これは現状の私には手に余る作業ですが、必ず誰かがやっておかねばならないこと(それも日本中各地で)だと思いますので、有志を募って、「憲法改正シミュレーション検討会」を立ち上げられれば、などと夢想しています。
 
 シミュレーションの基礎となる法令は、憲法改正案の発議までの段階は「国会法」で、発議以降、国民投票に至るまでの手続は「日本国憲法の改正手続に関する法律」(ただし、「国民投票広報協議会」の設置については国会法が定める)で規定されています。
 
国会法(昭和二十二年四月三十日法律第七十九号)
第六章の二 日本国憲法の改正の発議
 第六十八条の二
 第六十八条の三
 第六十八条の四
 第六十八条の五
第十一章の二 憲法審査会
 第百二条の六
 第百二条の七
 第百二条の八
 第百二条の九
 第百二条の十
第十一章の三 国民投票広報協議会
 第百二条の十一
 第百二条の十二
 
日本国憲法の改正手続に関する法律(平成十九年五月十八日法律第五十一号)
第一章 総則(第一条)
第二章 国民投票の実施
 第一節 総則(第二条―第十条)
 第二節 国民投票広報協議会及び国民投票に関する周知(第十一条―第十九条)
 第三節 投票人名簿(第二十条―第三十二条)
 第四節 在外投票人名簿(第三十三条―第四十六条)
 第五節 投票及び開票(第四十七条―第八十八条)
 第六節 国民投票分会及び国民投票会(第八十九条―第九十九条)
 第七節 国民投票運動(第百条―第百八条)
 第八節 罰則(第百九条―第百二十五条)
第三章 国民投票の効果(第百二十六条)
第四章 国民投票無効の訴訟等
 第一節 国民投票無効の訴訟(第百二十七条―第百三十四条)
 第二節 再投票及び更正決定(第百三十五条)
第五章 補則(第百三十六条―第百五十条)
第六章 憲法改正の発議のための国会法の一部改正(第百五十一条)
附則
 
 実は以上は前振りで、今日の主眼は、「憲法改正シミュレーション検討会」(?)での作業を行うための資料の1つとなるはずの文書のご紹介です。
 それは、去る10月18日に、自由民主党憲法改正推進本部の保岡興治(やすおか・おきはる)本部長名で発表された「憲法改正推進本部長方針について」です。
 実は、10月に行った2回目の講演用レジュメを書いた際には、この「本部長方針について」の原文自体は読めておらず、新聞報道を孫引きしただけでしたので、気になっていました。
 レジュメにも書きましたが、そもそも国会法第68条の3は、「憲法改正原案の発議に当たつては、内容において関連する事項ごとに区分して行うものとする。」と定めていますから、自民党日本国憲法改正草案」全体を国民投票にかける(事実上の「全部改正」)ことは法律上出来ないことになっており、保岡本部長が「衆参の憲法審査会に「そのまま提案することは考えていない」(東京新聞より)と本部長方針で述べたのはあまりにも当然すぎることだと思っていたのですが、原文では、該当箇所は以下のようになっていました。
 
(引用開始)
〇「日本国憲法改正草案」の位置付けなど
 当推進本部としては、両院の憲法調査会における我が党の憲法改正についての取り組みに対応する必要がある。わたしたちが直近にまとめた平成24年の「日本国憲法改正草案」は、先に述べた我が党の憲法論議を踏まえた上で発表した党の「公式文書」の中の一つではあるが、それを手にしてから既に4回の国政選挙を経て議員の構成が大きく変わり、また、その間これに対して内外から多くの意見もいただいてきた。それらを踏まえつつ、両院の憲法審査会の議論の状況などを見ながら、これに対応できるよう、現在の所属議員で闊達な議論を行い、党の考え方を整理する必要があると考える。したがって、24年草案やその一部を切り取ってそのまま審査会に提案することは考えていない。その上で、憲法審査会において、各党各会派が意見を持ち寄って、現憲法の足らざる点や改めるべき点など憲法改正の必要性とその内容について熟議を重ね、我が国初めての憲法改正が世界の国々にも理解されるよう、丁寧な合意形成を図っていくべきだと考える。
(引用終わり)
 
 以上のような文脈の中で、「24年草案やその一部を切り取ってそのまま審査会に提案することは考えていない」という方針が示されたという訳です。
 上記国会法の規定から考えて、この文章で意味を持つのは、「その一部を切り取ってそのまま審査会に提案することは考えていない」という部分であることは言うまでもありません。
 でも、よくよく考えてみると、「その一部を切り取ってそのまま審査会に提案すること」はしないということは、具体的な「提案」をしようとする場合には、どうするんでしょうかね。おそらく、野党の一部を含めた多数派工作をして合意に達した「改正案」を複数政党で共同提案するのだと思いますが。
 以下には、「憲法改正推進本部長方針について」の全文を引用するとともに、若干の補注と感想を付記します。
 

                                       平成28年10月18日 
 
            憲法改正推進本部長方針について
 
憲法とは何か~憲法論議の本質
 憲法とは、「いかなる政党が政権に就いたとしても守らなければならない共通のルールを定めた国家の基本」である。このことからするならば、憲法論議とは、各政党が選挙でより多くの議席を確保し政権を目指し、その政策を推進する政治活動、すなわち「政局」とはそもそも本質が異なるものである。
 中山太郎会長が作り上げた衆議院憲法調査会時代以来の運営理念の一つは、「憲法論議は国民代表である国会議員が主体性を持って行うべき」との考え方に基づき、審査会での議論は、各党の意見表明や委員同士の自由討議を中心として行い、対政府質疑などは行わないことを原則とすること、二つには、「議席数の多寡」はひとまず置き、少数会派や委員に平等に時間を配分して、議論を尽くし、深化させ、憲法改正に必要な3分の2以上の幅広い合意形成を目指すこと、というものであり、これらの運営理念は、国会が、国民投票を前提に、国民に分かりやすく明快な発議をすることを念頭に置いているものである。
 
(補注)
こういう「憲法」の定義は初めて読みました。つまり、一党独裁の国には「憲法」は存在しないということでしょうね(そういう定義ももちろんあり得ますが)。
ついでに言うと、こういう「政局」の定義も初めて読みました。これが一般的な定義なんでしょうか?
審査会では「対政府質疑などは行わない」のは、内閣に憲法改正発議権はない、と一般に解されているからではなかったのでしょうか?
 
 このような運営ルールの下、政局から離れて静かに議論をする条件・環境を作って議論する憲法調査会以来の良き伝統は、先に述べた憲法の本質に立脚して得られたものであり、この方針の徹底が、長きにわたって与野党の対立のため憲法論議ができなかった国会から脱却し、「憲法調査会報告書」(平成17年4月)、「憲法改正国民投票法制定」(平成19年5月)、「三つの宿題の解決(18歳投票年齢などの国民投票法制定時に積み残した問題)」(平成26年6月)という成果につながっていることは明らかである。
 これからの憲法改正の道も、このことを大切に進めていくことが必要である。その先に自ずから目指すべき方向と道筋が見えてくると考える。
 
 
自由民主党憲法論議の歴史など
 我が党は、昭和30年の結党以来、60余年の憲法論議を積み重ねてきた。結党当時の「党の使命」や「政綱」などによると、我が党は結党当時から日本国憲法の三大原理を堅持することを明確にした上で、一貫してその基本を大切に自主的な憲法改正に向け努力を重ね、取りまとめを試み、近年においては、憲法の全体像を条文の形で表した「新憲法草案」(平成17年)及び「日本国憲法改正草案」(平成24年)を得てきた。このように自由民主党は、現在に至るまで真摯に憲法論議を積み重ね、その成果として、数々の「公式文書」を世に問うてきた。
 他方、各党においても、それぞれ「憲法提言」や「論点整理」、改憲原案などを発表されている。
 わたしたち憲法改正推進本部は、我が党の過去の憲法に関する歩はもちろんのこと、各党の憲法に関する提言や上記の「憲法調査会報告書」(平成17年4月)などをしっかり把握することが、まずは大切であると考える。すなわち、我が党の憲法論議を中心としてこれまでの国会における憲法論議の成果を俯瞰することが極めて重要であり、憲法改正推進本部として、しっかりとこれらを勉強する場を設けて参りたい。
 
 
〇「日本国憲法改正草案」の位置付けなど
 当推進本部としては、両院の憲法調査会における我が党の憲法改正についての取り組みに対応する必要がある。わたしたちが直近にまとめた平成24年の「日本国憲法改正草案」は、先に述べた我が党の憲法論議を踏まえた上で発表した党の「公式文書」の中の一つではあるが、それを手にしてから既に4回の国政選挙を経て議員の構成が大きく変わり、また、その間これに対して内外から多くの意見もいただいてきた。それらを踏まえつつ、両院の憲法審査会の議論の状況などを見ながら、これに対応できるよう、現在の所属議員で闊達な議論を行い、党の考え方を整理する必要があると考える。したがって、24年草案やその一部を切り取ってそのまま審査会に提案することは考えていない。その上で、憲法審査会において、各党各会派が意見を持ち寄って、現憲法の足らざる点や改めるべき点など憲法改正の必要性とその内容について熟議を重ね、我が国初めての憲法改正が世界の国々にも理解されるよう、丁寧な合意形成を図っていくべきだと考える。
 
(補注)
「4回の国政選挙を経て議員の構成が大きく変わり」「党の考え方を整理する必要がある」というのは、保岡本部長の率直な感慨なのではと推測します。
 2014年2月26日の参議院憲法審査会における自民党赤池誠章(あかいけ・まさあき)議員の発言に驚き呆れた私は、思わず「赤池誠章氏(自民党)の参議院憲法審査会(2/26)での発言から考える」という発言批判の文章を書きました。
 何しろこの議員は、「現行憲法には制定過程に問題があり、法律としての大前提である「正統性」がないと感じております。」「憲法自体が憲法違反の存在というものであります。」「その制定過程を知る以上、国民代表である私たち国会議員がそれを「是」とすることはあり得ないと私は考えております。」とまで発言したのですからね。
 私は、上記の批判文の中で、「2005年の郵政選挙において衆議院山梨1区で落選したものの比例復活したが、1期務めただけで2009年の選挙で落選し、2013年の参議院全国区で当選したばかりという経歴の議員に全面的に憲法審査会での発言を任せるほど自民党は人材不足なのだろうか?」と書きましたが、保岡興治氏も、心の中では私の意見に同意していただけるのではないか、などと思ったりします。
 
 当推進本部としては、各党が今日まで憲法審査会の歩みにおいて真摯に取り組まれたことに敬意を表しつつ、徹底した議論が尽くせるように、その環境条件を整えることに意を払ってまいりたい。
 また、すでに森本部長時代に、山口泰明組織本部長とともに各都道府県連に憲法改正推進本部を設置することを要請したところであるが、我が党がこれまでに発表した党の改正案やその前提となる現行憲法の体系についての理解を深めるとともに、党推進本部での議論の状況も踏まえつつ、国民の憲法改正への合意形成を目指し、国民に憲法論議の理解を深めていただくよう、党を挙げて努力をしていきたい。
 
〇おわりに
 森英介・前本部長の「憲法改正推進本部の使命は、まず何より、国民の合意形成にあり、本部は、謙虚に、真摯にそのための土俵作りの役目を果たす」という方針を受け継ぎ、推進本部の役員や議員各位の皆様とともに、この憲法改正推進本部における議論が、自由闊達に、オープンで透明性の確保された形で進められるように努めて参りたい。
 
(補注)
 今臨時国会から、衆議院憲法審査会の会長が保岡興治氏から森英介氏に変わり、それと入れ替わるように、保岡氏が森氏の後を襲って党の憲法改正推進本部長に就任したということのようです。この交替にどんな思惑があるかは不明です。
 

(参考サイト)
マガジン9 2016年10月26日up
 南部義典「立憲政治の道しるべ」
 第106回 自民党はなぜ、憲法改正“やるやる詐欺”を続けるのか?

マガジン9 2016年7月13日up
 南部義典「立憲政治の道しるべ」
 第99回 “3分の2”超でも、憲法改正がすんなり進まないと考える理由

海渡雄一氏講演会「もんじゅは廃炉だ!黄昏の核燃料サイクル-3.11後の原発訴訟を踏まえて-」(11/5)を視聴する

 今晩(2016年11月7日)配信した「メルマガ金原No.2623」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
海渡雄一氏講演会「もんじゅ廃炉だ!黄昏の核燃料サイクル-3.11後の原発訴訟を踏まえて-」(11/5)を視聴する

 このところ、2日か3日に1回くらいのペースで動画をご紹介しているような気がするUPLANですが、と
にかく関心を持たざるを得ないテーマを次々とアップしてくれるのだから仕方がない(?)でしょう。
 今日ご紹介しようとするのは、「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」が主催する
「さようなら原発講演会」(3回連続)の第1回、11月5日(土)に東京都千代田区の連合会館で行われた「もんじゅは廃炉だ!黄昏の核燃料サイクル」(講師:海渡雄一弁護士)です。
 ちなみに、第2回及び第3回の講演会は以下のように予告されています。
 
第2回 2016年12月17日(土)
電力自由化自然エネルギーの行方
講師:飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)
 
第3回 2017年1月14日(土)
放射線健康被害のウソ-ICRPのまやかし
講師:西尾正道氏(北海道がんセンター名誉院長)
 
 それでは、UPLANによる11月5日の講演動画をご紹介します。
 
20161105 UPLAN 海渡雄一もんじゅ廃炉だ!黄昏の核燃料サイクル」(2時間18分)
 
冒頭~ 開会
2分~ 主催者挨拶 鎌田 慧氏
17分~ 海渡雄一氏 講演
1時間47分~ 質疑応答
2時間12分~ 行動提起 
 
 ところで、海渡雄一(かいど・ゆういち)弁護士による講演の演題は、動画で映し出されたパワーポイント資料で確認したところ、正確には「もんじゅ廃炉だ!黄昏の核燃料サイクル-3.11後原発訴訟を踏まえて-」というものでした(副題があってこそ講演の中身に即した演題になります)。
 海渡さんの講演は、動画の17分~2時間08分の部分ですが、その概要は以下のとおりです。
  17分~ 「もんじゅ」の危険性
  34分~ 第一次もんじゅ訴訟の経緯
  1時間00分~ 3.11前の原発訴訟
  1時間05分~ 第一次もんじゅ訴訟の意義
  1時間07分~ 3.11後の原発訴訟
  1時間29分~ 第二次もんじゅ訴訟
  1時間47分~ 質疑応答
  
 このうち、「3.11後の原発訴訟」よりも前の部分については、海渡さんが岩波新書から刊行された以下の著書に詳細に記述されていたと思います(また読み返してみよう)。
 
原発訴訟 (岩波新書)


 私は、海渡さんの講演に耳を傾けながら、「3.11で変わった」裁判官と「変わらなかった」裁判官
がいるのだなということをあらためて思いました。
 そして、鹿児島県知事選挙や新潟県知事選挙における、原発に慎重な姿勢を示す候補のあいつぐ勝利は、確実に裁判官にも影響を与えているということの例証として、海渡さんが、現在、名古屋高裁金沢支部で審理が続いている大飯原発差止訴訟控訴審(福井地裁の樋口英明裁判長が2014年5月に言い渡した大飯原発3号機、4号機の差止めを命じる判決の控訴審)において、被控訴人(原告住民)側が求めていた島崎邦彦氏(東京大学名誉教授、前原子力規制委員会委員長代理)の証人尋問を実施する意向を裁判所が示したということを明らかにされた(動画の1時間44分~)のには驚きました。この裁判のフォロー
がおろそかになっていたため、これだけの大きなニュースに気がついていませんでした。
 早速「福井から原発を止める裁判の会」ホームページを調べたところ、去る10月19日に開かれた第9回口頭弁論において、「裁判長から今後の方針が示され、「裁判所も基準地震動がもっとも重要な問題であると認識している。島崎氏の証人申請は決定ではないが次々回に決めたい」と来年4月24日頃を提示しました。裁判の日にちにまで言及があったので、島崎氏の証人申請が認められる可能性が高くなりま
した。」と報告されていました。
 次回(第10回)口頭弁論期日は、来年の1月30日と指定されているようなので、その期日で正式に島
崎氏の証人採用が決定される公算が高まったということのようです。
 10月19日の弁論終了後の記者会見の動画をご紹介しておきます。
 
大飯3・4号機運転差し止め訴訟 控訴審(第9回口頭弁論後の記者会見)(48分)

海渡雄一弁護士の発言は9分~です。
 
 今回の講演会は「もんじゅ」を中心テーマとしつつ、さらに、3.11後の原発訴訟全般についての見通しを分かりやすく与えてくれるものだと思います。多くの人に視聴をお薦めしたいと思います。

3.11で人生が変わった人 変わらなかった人

 今晩(2016年11月6日)配信した「メルマガ金原No.2622」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
3.11で人生が変わった人 変わらなかった人

 和歌山弁護士会では、10年ごとのインターバルで「和歌山弁護士会小史」という冊子(豪華ハードカバーです)の発行を続けており、現在、来年(2017年)3月の発行をめざして第5巻の編集作業が進行中です。
 小史編纂特別委員会から、和歌山弁護士会の現役会員全員に、字数1000字で自由題の文章を書いて欲しいというい原稿依頼がされており、以下は、その「和歌山弁護士会小史 第5巻」掲載用原稿として書いたものです。
 メルマガ(ブログ)を以前から読んでくださっている方にとっては、これまで何度も読んだことのある内容でしょうが、和歌山弁護士会会員(本日現在の会員数143名)の中には、私がメルマガ(ブログ)をやっていること自体知らない者がたくさんいますからね。
 ということで、「和歌山弁護士会小史」は非売品であり、発行されても皆さんの目に触れる機会はまずないでしょうから、早手回しではありますが、本メルマガ(ブログ)でご紹介させていただくことにしました。
 なお、1000字という制限のため、いささか説明不足の感があることは否めません。巻末に、過去類似のテーマで書いた記事にリンクしてありますので、ご参照いただければ幸いです。1つだけ選ぶとすれば、昨年のクリスマスに配信した「「避難の権利」を考えるための視点~医師、看護師を目指す学生の皆さんに語ったこと」がお薦めです。
 

         3.11で人生が変わった人 変わらなかった人

                                     金 原 徹 雄
 
 和歌山弁護士会会員にも何人かには(多分十数名)お送りしているが、私は、2011年3月28日から、「メルマガ金原」と称するささやかなパーソナル・メールマガジンの配信(それも「毎日」)を始めて現在に至っている。また、2013年1月からは、配信したメルマガの記事をただちに転載する「弁護士・金原徹雄のブログ」を始めたので、いまや、毎日更新するブロガーにもなっている。
 そのきっかけは、3.11、より端的に言えば東京電力福島第一原発事故であった。私は、原発が安全だなどとは決して信じていなかったし、できれば原子力発電など止めるべきだと思っていた。けれども、私は何の行動も意思表示もしていなかった。そして、福島第一原発メルトダウンし、多くの人が心ならずも故郷を離れて避難を余儀なくされた。この結果に対して、何もしなかった私にも個人としての責任がある、と思わざるを得なかった。
 自分自身が直接被害を受けた訳ではないにもかかわらず、「3.11によって人生が変わった」人々がいる。多分、そのような人々を突き動かしているのは、私と同様の「悔恨」ではないかと想像している。
 それでは、「3.11で人生が変わらなかった人」は?他の人のことは知らない。「責任」を自覚するかどうかは個々人の内面の問題なのだから。
 私が、発信するメルマガ&ブログが、何らか「世の中の役に立つ」というのは思い上がりだろうが、「何もしないよりは百層倍まし」「二度と同じ後悔はしない」と自らに言い聞かせて、睡眠時間を削りながら毎日配信を続けている。
 私のブログのタイトルページには、「憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します。」というモットーを掲げている。第二次安倍政権登場後、取り上げるテーマは、原発問題から憲法問題に大きくシフトせざるを得なかったが、それでも、原発問題(避難者支援を含め)からは絶対に目をそらせることなく、重要な情報を多くの人と共有できればと念願している。
 ところで、「憲法」「原発」と並んで重視しているはずの「音楽」はどうかと言えば、全く実践がともなっていない。ベートーヴェンの第九を歌いたい気持ちはあるものの、練習に参加する時間の確保が難しく、また、私が歌うと裏方を手伝う者がいなくなってしまうのが悩みの種である。
 

(弁護士・金原徹雄のブログから)
2012年3月11日(2013年1月26日に再配信)
3.11に思う(「原発問題」と「倫理」について)
2013年3月2日
メルマガ、ブログ、そして Facebook 再説 前編
2013年3月2日
メルマガ、ブログ、そして Facebook 再説 後編
2013年3月11日
もう一度「原発と倫理」(3.11から2年を迎えて)
2013年10月2日
メルマガ配信1500号到達!ありがとうございました(付・米国政府と安倍政権の微妙な関係)

2015年12月25日
「避難の権利」を考えるための視点~医師、看護師を目指す学生の皆さんに語ったこと
2016年7月2日
普通の国民に見て貰いたい~柳澤協二さん講演動画のご紹介(付・「メルマガ金原」2500号到達ありがとうございます)

UPLAN【原発事故被害者インタビュー(4)】飛田晋秀さん~福島県三春町在住の写真家が訴える福島の現状

 今晩(2016年11月5日)配信した「メルマガ金原No.2621」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
UPLAN【原発事故被害者インタビュー(4)】飛田晋秀さん~福島県三春町在住の写真家が訴える福島の現状

 三輪祐児さんが主催するUPLANが月島スタジオから送る「原発事故被害者インタビュー」の4回目として
福島県三春町(みはるまち)在住の写真家、飛田晋秀(ひだ・しんしゅう)さんが登場しました。
※第1回の松本徳子さんと第2回の森松明希子さんまでは【原発事故避難者インタビュー】でしたが、もう少し幅を広げようということでしょうか、第3回の吉田千亜さん(フリーライター)の時から【原発事故被害者インタビュー】となりました。
 
 飛田晋秀さんのホームページ・飛田晋秀「福島のすがた」は、写真集『福島のすがた~3.11で止まった町~』(2013年12月)刊行から間もなく立ち上げられたのでしょうか。プロフィール欄には、2014年1月までの活動履歴が掲載されています。
 そこから一部ご紹介します。
 
(引用開始)
私は福島県三春町生まれ・在住の写真家です。
元々は日本の職人さんの撮影を専門にしていたプロ・カメラマンです。福島第1原発の事故後に現地の状
況がどうなっているか、写真を通じて皆さんにお知らせしています。
3.11の重大な事故後の状況を撮影して、「事故を風化させない」、そして「事故後の状況をありのまま
に知ってほしい」、「福島県民の思いを知ってほしい」という思いでいます。
地震で倒壊した家屋、荒れ果てた常磐線の駅、津波で破壊された漁業施設、野生化した家畜、耕作が放棄されている田畑は雑草が伸び放題になっている、などなどを知っていただき私たち日本人の記憶に残して
いきたいと思っています。
また、現在も15万人余りの方々が狭く不便な仮設住宅での避難生活を強いられています。
こうした現状を知っていただくために、私は日本各地で写真展と講演会を行っています。
次世代への警鐘として、将来の日本のすがたを考える糧として、そして、何よりも東北の復興と福島の再
生を願ってこのサイトを通じて訴えていきたいと思います。
(引用終わり)
 
 以上が、おそらくはホームページを立ち上げた際の飛田さんの決意だったと思うのですが、今回のUPLANによるインタビューと最新の写真を視聴した上での私の感想は、ホームページに書かれた決意はそのまま持続しつつ、そこに「福島の現状は、帰還政策を推進できるような状況にほど遠いということを写真を通して訴えたい」ということが付け加わっているに違いないというものでした。
 今年になってから撮影された大熊町双葉町南相馬市などの写真が、インタビュー動画の中で次々と
紹介されており、1枚として目をそらすことができません。
 是非、視聴されますようお勧めします。
 
20161104 UPLAN 【原発事故被害者インタビュー(4)】飛田晋秀氏(写真家)に聞く(53分41秒)
 

(参考動画)
20160117 UPLAN 飛田晋秀「福島の真実」を聴き「福島のすがた」を見る(1時間17分)

飛田晋秀さんの南相馬の写真(2016年6月12日・新宿アルタ前)

飛田晋秀さんが撮影した福島県の写真の解説(2016年9月16日/首相官邸前)