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憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

高橋和夫氏(放送大学名誉教授)による「北朝鮮と中東」のご紹介(YouTube「今朝の思い」)

 2018年6月25日配信(予定)のメルマガ金原.No.3189を転載します。
 
高橋和夫氏(放送大学名誉教授)による「北朝鮮と中東」のご紹介(YouTube「今朝の思い」)
 
 国際政治学者・高橋和夫先生(放送大学名誉教授)が、ご自身のYouTubeチャンネルから「今朝の思い」と題した短い発信(音声のみ)をされていることは、既に2回にわたってご紹介したところです。
 
2018年5月15日
高橋和夫氏(放送大学名誉教授)「今朝の思い」(YouTube高橋和夫(国際政治学者)チャンネル)のご紹介
2018年6月19日
高橋和夫氏(放送大学名誉教授)による「トランプ/アメリカ・ファーストの第三の男」のご紹介(YouTube「今朝の思い」)
 
 そして、わずか6日前に、3回連載の「トランプ/アメリカ・ファーストの第三の男」をご紹介したばかりだというのに、引き続き、3回連載の「北朝鮮と中東」をご紹介することになるとは思いませんでした。
 高橋先生ご自身、手探りで始められたとおぼしい「今朝の思い」ですが、ここ最近の2つの連載を聞くにつけ、今や、相当に力を入れて発信していこうという風に考えておられるのかなあと感じられます。
 まずは、6月22日から24日にかけて3回連載された「北朝鮮と中東」の動画(音声)3本をご紹介します。
 
180622 今朝の思い(7)北朝鮮と中東-1-(15分13秒)
北朝鮮を敵として戦った唯一の中東の国トルコ
 
180623 今朝の思い(8)北朝鮮と中東-2-(9分17秒)
北朝鮮から軍事支援を受けたエジプトとシリア
 
180624 今朝の思い(9)北朝鮮と中東-3-(6分51秒)
※イランと北朝鮮
 
 北朝鮮と密接な関係を持ってきた中東の国として、高橋先生は、トルコ(第1回)、エジプトとシリア(第2回)、そしてイラン(第3回)という4つの国を挙げ、それぞれの北朝鮮との関わりの具体的内容を簡潔に説明されています。
 
 1950年に始まった朝鮮戦争に、延べ1万5,000人の兵士を派遣し、その内1,000人の戦死者・行方不明者、2,000人の負傷者という多大な犠牲を出したトルコの置かれていた国際政治環境が語られる第1回を聴いて、中東のイスラム国家であるトルコが何故NATO加盟国なのか、ということについて初めて得心がいきました。
 また、共にソ連圏に属する国同士として、イスラエルと戦うエジプトを北朝鮮パイロットや管制官を送り込んで支援していた(イスラエルが交信を傍受していた)ことや、イスラエルによって2007年に空爆されたシリアが建設中であった原子炉施設が、北朝鮮の支援によって建設されていたことなど(これはかなり知られていましたが)、これらの中東諸国(エジプトやシリア)と北朝鮮との関係が、「血で固めた」同盟関係であったことは、常に念頭に置いておく必要があることを教えられました。
 そして、「イランと北朝鮮」という、アメリカとの関係において、まさに国際政治の焦点となっている両国同士の関係を解説される第3回の末尾において、高橋先生は次のように語っておられます。
「イランは既に、『アメリカは、約束をしてもそれを守るとは限らない。アメリカにだまされないように。』というメッセージを北朝鮮に対して送っています。北朝鮮がこのイランのメッセージをどんな風に受け止めるのか、アメリカ・北朝鮮の対話と北朝鮮・イラン関係の推移というものに、引き続き注目してまいりたいと思っています。」
 
 私も、高橋和夫先生からのタイムリーな発信を見逃すことなく、学び、かつ考え続けなければと思います。
 
(参考動画)
 高橋先生も第2回で言及されていますが、今年の3月21日、イスラエル政府は、2007年に原子炉とみられるシリアの施設に対して行われた攻撃について、同国軍が空爆したものであると初めて認め、爆撃の際に撮影したターゲットの動画を公開しました。
イスラエル軍によるシリア空爆 F16とF15戦闘機が原子炉を空爆(1分50秒)
AFP 2018年3月21日 16:52 発信地:エルサレム/中東・アフリカ
動画:シリア「原子炉」空爆イスラエルが認める 北の支援で建設か
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/高橋和夫氏関連)
2013年8月17日
高橋和夫放送大学教授に岩上安身氏が“中東問題”をきく ※追記あり(高橋教授から受講者・視聴者への訴え)
2015年1月23日
イスラム国」人質事件について柳澤協二さんと高橋和夫さんの意見を聴く~IWJに会員登録をして
2016年8月6日
高橋和夫教授の「パレスチナ問題('16)」(放送大学)受講のすすめ
2017年1月26日
高橋和夫教授(放送大学)の「パレスチナ問題('16)」全15回を是非視聴して欲しい
2017年5月1日
IWJからの緊急メッセージと高橋和夫放送大学教授の4講義「受講」の奨め
2017年8月17日
高橋和夫教授(放送大学)の「パレスチナ問題('16)」全15回を是非視聴して欲しい(再説)
2017年9月7日
田中浩一郎氏と高橋和夫氏が語る「イラン情勢と米国の中東政策」(日本記者クラブ/2017年6月8日)を視聴する
2018年1月19日
放送大学あれこれ~高橋和夫教授の退任と「子ども居場所づくりで子そだち子そだて支援-学びは生きる力-」(2/10和歌山学習センター)
2018年4月26日
高橋真樹×高橋和夫×荻上チキ「今、パレスチナで何が起きているのか?」を読む
2018年5月15日
高橋和夫氏(放送大学名誉教授)「今朝の思い」(YouTube高橋和夫(国際政治学者)チャンネル)のご紹介
2018年6月1日
「核合意離脱 米・イラン関係の行方」~高橋和夫放送大学名誉教授と田中浩一郎慶應義塾大学教授が再び日本記者クラブで語った(2018年6月1日)
2018年6月19日
高橋和夫氏(放送大学名誉教授)による「トランプ/アメリカ・ファーストの第三の男」のご紹介(YouTube「今朝の思い」)

和歌山弁護士会など「全国一斉 旧優生保護法による不妊手術110番」(2018年7月3日)実施のお知らせ~今度が3回目です

 2018年6月24日配信(予定)のメルマガ金原.No.3188を転載します。
 
和歌山弁護士会など「全国一斉 旧優生保護法による不妊手術110番」(2018年7月3日)実施のお知らせ~今度が3回目です
 
 このブログで、和歌山弁護士会が実施する「全国一斉 旧優生保護法による不妊手術110番」をご案内するのは3回目となります。
 
2018年3月28日
和歌山弁護士会など「全国一斉 旧優生保護法による不妊手術110番」(2018年3月30日)実施のお知らせ
2018年5月17日
和歌山弁護士会など「全国一斉 旧優生保護法による不妊手術110番」(2018年5月21日)実施のお知らせ
 
 第1回のときは実施の2日前、第2回では4日前という、ともに間際のお知らせでしたから、あまり広報の役には立たなかったのかなと思います。
 その点、今度の第3回(7月3日実施)については、9日前というのですから、かなりの進歩(?)と言わねばなりません。
 
 いつものように、和歌山弁護士会高齢者・障害者支援センター運営委員会の長岡健太郎委員長から資料を送ってもらいました。
 この内、総ルビ付きのチラシについては、末尾に画像としてアップしておきますが、以下には、より詳細な「実施要領」をご紹介します。ただし、文体が常体(である調)でしたので、これを私の責任で敬体(ですます調)に変更し、タイトルその他、ホームページ掲載用原稿のものに差し替えた部分もあります。
 
(引用開始)
          「全国一斉 旧優生保護法による不妊手術110番」を実施します
 
 平成8年に改正され、「母体保護法」と改称される以前の旧優生保護法は、「この法律は、優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するととともに、母性の生命健康を保護することを目的とする」(1条)と規定しており、同法のもと、平成8年まで、全国で多くの障害者が本人の意思に関わりなく不妊手術及び人工妊娠中絶を受けました。
 この問題に関しては、知的障害を理由に同意なく不妊手術を強制され、救済措置も取られていないのは違法として、宮城県内の60代の女性が平成30年1月30日、国家賠償訴訟を仙台地裁に提起し、大きく報道されました。5月17日には札幌、仙台、東京で二次提訴が行われ、6月28日には三次提訴が行われます。
 また、この間複数の都道府県で過去の優生手術に関する資料が公表されるようになったり、実際に優生手術を行った医師がマスコミの前で発言したり、国会でも質問で取り上げられたり、議員立法が検討されるなどしています。
 和歌山県でも、少なくとも143人が強制不妊手術を受けており、手術に関する資料は県に現存しているとされています。
 このような動きの中で、本年7月3日(火)、全国的に優生手術被害者からの相談に弁護士が答える110番の実施が計画されています。
 そこで、当会でも「旧優生保護法による不妊手術110番を実施します。弁護士が無料で相談に応じますので、この機会にぜひご相談ください。
 
相談会の概要
(1)日  時  平成30年7月3日(火)午後1時~午後3時
(2)相談方法   
    面接相談:和歌山弁護士会館(和歌山市四番丁5番地)にて
    電話相談:073-421-6055
      上記番号は、当日のみの開設です。
    FAX:073-436-5322
      電話による相談が困難な方のためにFAXでも相談を受け付けます。
   ※なお、7月3日以降も、和歌山弁護士会では、随時ご相談を受け付けています。
    電話:073-422-4580 FAX:073-436-5322
(3)対    象  障害当事者や、その家族、支援者等。
(4)相 談 料  無料
(5)相談内容  旧優生保護法による不妊手術や人工妊娠中絶に関する問題等。
(6)相 談 員  和歌山弁護士会人権擁護委員会及び高齢者・障害者支援センター運営委員会委員が担当
(7)主  催  和歌山弁護士会
(8)お問い合わせ先
   和歌山弁護士会 TEL:073-422-4580
(引用終わり)
 
 和歌山弁護士会が過去2回実施した「旧優生保護法による不妊手術110番」には、どなたからも相談はありませんでした。
 弁護士会の担当委員会としても、何とか当事者や支援者のもとに情報を届けるべく、工夫しなければと考えているようですが、まずは、7月3日(火)午後1時~3時の相談会を広く周知したく、何卒ご協力をよろしくお願いします。
 
 なお、優生保護法被害弁護団のホームページが開設されており、
「全国一斉電話相談・5/21結果と7/3予定」が掲載されていましたので引用します。
 
(引用開始)
 先日5月21日に実施した全国一斉電話相談の結果をお知らせします。
 実施したのは39都道府県で、総相談件数は58件でした。一番多かったのは東京で12件、次いで宮城8件、兵庫7件の相談がありました。他方、20の県では0件でした。まだまだ電話相談自体の認知度が低いのかもしれません。今後も定期的に実施し、優生手術被害者や家族の方々などからの相談を受け付けていきたいと思います。
 さっそく、7月3日に第3回全国一斉電話相談を予定しています。前回よりも実施都道府県が増え、実施時間も拡大する見込みです。受付時間や電話番号・FAXなどの詳細についてはまた6月末頃にお知らせする予定です。全都道府県で実施ができるよう頑張っていますので、どうぞよろしくお願いいたします!
全国一斉電話相談(7/3)実施予定
(引用終わり)
 
 弁護団ホームページに載っている7月3日の実施予定(6月21日現在)に和歌山が載っていませんが、次の更新の際には掲載されるでしょう。
 
 ところで、「電話相談自体の認知度が低い」という悩みを抱えているのは和歌山だけではなかったようです。折に触れ、ブログでもこのテーマを取り上げていきたいと思います。
 

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(参考サイト)
立命館大学生存学研究センターサイト内「◆旧優生保護法不妊手術 2018 」
優生手術に対する謝罪を求める会Facebook

「第4回「原発と人権」全国研究・市民交流集会 in ふくしま」のご案内とクラウドファンディングへのご協力のお願い(6月29日まで!)

 2018年6月23日配信(予定)のメルマガ金原.No.3187を転載します。
 
「第4回「原発と人権」全国研究・市民交流集会 in ふくしま」のご案内とクラウドファンディングへのご協力のお願い(6月29日まで!)
 
 2012年から2年に一度の間隔により、福島の地で開催されてきた「「原発と人権」全国研究・交流集会in福島」。今年も、7月28日(土)・29日(日)の両日、福島大学を会場として、「第4回「原発と人権」全国研究・市民交流集会inふくしま」が開催されます。
 「原発と人権ネットワーク」ホームページの「経験交流集会」のページに、第4回の詳細パンフレットのPDFファイルが掲載されています。
 
 ところで、私がこの「第4回「原発と人権」全国研究・市民交流集会 in ふくしま」のご案内をしなければと考えたきっかけは、昨日(6月22日)、集会実行委員会構成団体の1つである青年法律家協会弁護士学者合同部会のMLに、実行委員会事務局次長を務める柿沼真利弁護士から、
 
「現在、開催費用を賄うための、クラウドファンディングを行っております。
このクラウドファンディングは、目標額を「40万円」に設定しており、残り「1週間」しか無い、締切までに、その目標額を達成しないと、すべてをお返ししなければならない、システムになっております。
本日6月22日(金)13:00現在、41名の方々にご協力いただき、「31万1000円」と77%の達成状況にあり、残額は、「8万9000円」となります。
是非是非、皆さんにご協力をいただきたく思います。
よろしくお願い致します。」
 
という投稿がなされているのに気がつき、福島までは行けないものの、少しはご協力しなければと考えて申し込みをした上で、このブログを読んでくださる方にも是非知っていただいて、ご協力をお願いしようと考えた次第です。
 ちなみに、このブログの下書きを書いている23日午後6時の段階では、
    支援総額  32万6000円
    支援者数  44人
となっていましたので、柿沼先生のアピール以降、私を含めて3人が(多分5,000円ずつ)協力したものと思います。
 「残り日数 6日(6月29日午後11時00分まで)」、目標金額まであと「7万4000円」です。
 
 このクラウドファンディングのページには、過去3回の研究交流集会の経過や、「第4回「原発と人権」全国研究・市民交流集会 in ふくしま」の内容などが、詳細パンフレットよりもなお「詳細」に掲載されていました。
 支援のコースには、3,000円コースから100,000円コースまで各種用意されていますので、是非ご協力いただければと思います。
 
 それでは、以下に、集会パンフレットから、主要項目を抜き出してご紹介します。なお、2日目の分科会の内容については、クラウドファンディングのサイトから引用しました。
 
(抜粋引用開始)
人間・コミュニティの回復と原発のない社会をめざして
第4回 原発と人権 全国研究・市民交流集会 in ふくしま
 
主催:第4回「原発と人権」全国研究・市民交流集会 in ふくしま実行委員会
後援:福島大学うつくしまふくしま未来支援センター、福島民報社福島民友新聞社、マスコミ関連九条の会連絡会
 
実行委員会参加団体
原子力市民委員会/原発被害者訴訟原告団全国連絡会/公害・地球環境問題懇談会/自由法曹団青年法律家協会弁護士学者合同部会/全国公害被害者総行動実行委員会/全国公害弁護団連絡会議/日本科学者会議/日本環境会議/日本国際法律家協会/日本ジャーナリスト会議/日本反核法律家協会/日本民主法律家協会脱原発弁護団全国連絡会/「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発事故被害弁護団福島原発被害首都圏弁護団福島原発被害弁護団/「原発と人権」ネットワーク
 
第4回「原発と人権」全国研究・市民交流集会へのお誘い
 私たちは、2012年、2014年、2016年と3回にわたって、「『原発と人権』全国研究・交流集会 in ふくしま」を開催してきました。
 今年は事故から満7年を迎えます。この間、各地で原発被害者訴訟に関し判決が下され、新たな地平を私たちは歩み出そうとしています。
 私たちは、国と東京電力に明確な法的責任を認めさせ、福島の復興政策及び原発・エネルギー政策を、被害者の方たちとともに、原発のない社会へ向けたものに転換させなければなりません。
 その道すじを進めていくために、今回、第4回の「『原発と人権』全国研究・市民交流集会 in ふくしま」を開催します。集会名には、市民のみなさんと共に考えるというスタンスを確認する意味で「市民」を加えました。
 私たちは、みなさんと一緒に、失われてしまった人権、コミュニティ、環境の回復と原発のない社会を目指して、前進したいと思います。
 
日程 2018・7/28(土)・29(日)
資料代 1,000円(両日参加・一日参加ともに同一料金、当日購入可)
 
第1日目 7月28日(土) 全体会
福島大学/L講義棟・4号教室
12:30開場 13:00開会 17:40閉会
開会あいさつ 実行委員長 牛山積さん(早稲田大学名誉教授)
歓迎あいさつ 中井勝己さん(福島大学学長)
Ⅰ 報告「福島第一原発の現状」
      山川剛史さん(東京新聞原発取材班キャップ)
Ⅱ 被害者・被災地の声
Ⅲ 報告「現在の被害補償、復興政策の問題点と検討されるべき課題」
   鈴木浩さん(福島大学名誉教授・基福島県復興計画策定委員会委員長)
-休憩-
Ⅳ 記念講演「フクシマは何を問うているのか」
   高橋哲哉さん(東京大学教授)
Ⅴ 報告「原発被害者訴訟判決の成果と課題」
   米倉勉さん(弁護士)
Ⅵ 報告「原発差し止め訴訟判決の成果と課題」
      井戸謙一さん(元裁判官・弁護士)
 
第2日目 7月29日(日) 分科会/全体会
分科会 9:30~14:30
第1分科会「福島第一原発の後始末と脱原子力社会への転換」
担当:日本環境会議/原子力市民委員会【M講義棟・2号教室】
 本分科会では、福島第一原発事故の後始末事業を巡る諸課題について集中的に議論します。第1部では第一原発事故を振り返り、後藤政志さん(元東芝 原発設計技術者、NPO法人APAST理事長)からは、事業者も規制当局もさまざまな予兆がありながらそれを汲み取れなかったことについて、伴 英幸さん(原子力資料情報室共同代表)からは、後始末作業のプロジェクト管理、労務管理、廃棄物処分などの評価を、井野博満さん(東京大学名誉教授、柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会代表)からは、新規制基準に事故の教訓が十分反映されていないことを明らかにしていただきます。
 第2部では、後始末の課題に焦点を当て、筒井哲郎さん(プラント技術者の会、NPO法人APAST理事)から、期限を30~40年とする「中長期ロードマップ」の後始末事業の実情について、鈴木薫さん(NPO法人いわき放射能市民測定室たらちね)からは、トリチウム水の海洋放出の問題性について指摘していただきます。最後に平川秀幸さん(大阪大学)より、福島第一原発の後始末の問題につき、熟議を尽くして合意形成する社会へ転換する道すじにつき議論していきます。
 
第2分科会「原発災害と政策転換」
担当:日本環境会議【M講義棟・4号教室】
 福島原発事故による被害の回復のためには、正当な賠償とともに「人間の復興」に向けた復興政策の見直しが不可欠です。また健康確保のための施策の改革なども求められます。
本分科会では、第1日目全体会での被害回復に向けた政策的課題に関する報告・議論を受けて、上記の論点についてより具体的な検討を進めます。具体的には、①住民の健康調査や放射能測定、および②復興行財政の見直しを取り上げます。①については、医学的な知見ではなく、情報公開やリスクコミュニケーションなどの政策的視点から問題を検討します。
 また、市民、自治体による独自の測定や調査を通じて、政策的課題を考えていきます。②では、復興行財政の現状を明らかにするとともに、改革の方向性を検討します。
 三木由希子さん(情報公開クリアリングハウス)、村山武彦さん(東京工業大)、清水奈名子さん(宇都宮大)、井上博夫さん(岩手大学)他の登壇を予定しています。
 
第3分科会「原発事故賠償の課題と展望」
担当:日本環境会議福島原発事故賠償問題研究会【M講義棟・21号教室】
 福島原発事故から生じた被害の回復を求めて提起された約30の集団訴訟において、2017年春以降、判決が続いています。東電とともに国の責任を認めるもの、国の指針の下で東電が定めた損害賠償の範囲を超える賠償を認めるものなど、現行の原子力損害賠償制度の不十分さを明らかにした点は評価できますが、認容額が被害実態とかけはなれているなど、今後乗り越えなければならない課題は山積しています。
 午前の部では、これらの判決について、清水晶紀さん(福島大学)、若林三奈さん(龍谷大学)を中心に、関連弁護団の分析・検討を基に、意見交換を行ないます。午後の部では、原子力損害賠償制度の諸課題について、神戸秀彦さん(関西学院大学)、大坂恵里さん(東洋大学)他から報告を受け、意見交換を行ないます。なお、本分科会は、日本環境会議(JEC)福島原発事故賠償問題研究会の研究成果報告会でもあります。
 
第4分科会「核兵器原発
担当:日本反核法律家協会/日本国際法律家協会【M講義棟・22号教室】
 2017年7月、核兵器禁止条約が採択され、12月にはICAN核兵器廃絶国際キャンペーン)がノーベル平和賞を受賞しました。一方で、日本政府は、未だこの条約に署名せず、また、原発ゼロ社会へも進んでいこうとしていません。
 第1回集会以来、本分科会では「人類と核は共存できない」とのテーマのもと、表裏一体の関係にある核兵器原発、安全保障とエネルギー政策のあり方を検討してきましたが、今回は、基調講演を双方に精通する鈴木達治郎さん(長崎大学 核兵器廃絶研究センター センター長、元内閣府原子力委員会委員長代理)にお願い致しました。
 パネルディスカッションでは、山田寿則さん(明治大学)に核兵器禁止条約の成立が原発政策に与える影響について、足立修一さん(弁護士)に、在韓被爆者の方々をはじめとする東アジアの人々との連帯について、山根和代さん(立命館大学)には、平和学の観点から、世界的な核・原発廃絶運動の市民の取り組みの紹介とともに、両者を若い世代にどう繋いていくべきかについて、ご報告いただきます。
 
第5分科会「原発政策の転換とメディア」
担当:日本ジャーナリスト会議【M講義棟・23号教室】
 福島事故から7年、事故処理の目途も立たず、政府は避難指示を解除して賠償金の支給も停止しましたが、住民は戻ることはできていません。このような状況の中で、政府は原発を再稼働させ、原発の輸出をも奨励し、原子力推進の政策を変えようともしません。原発政策を転換させるために、私たちはどうしたらよいのでしょうか。そのために、メディアは何をすべきかについて考えます。
 パネリストには、チェルノブイリ、福島事故を中心として原発政策全般について林 勝彦さん(元NHKチーフプロデューサー・科学ジャーナリスト)、ベトナムほか、各国への原発輸出の現状について中村梧郎さん(写真家、ジャーナリスト)に、原発を廃止し、自然エネルギーへ転換したドイツの経験を中心に小野 一さん(工学院大學、著書『脱原発社会を求める君たちへ』(幻冬舎刊))にお願いしました。
 コーディーネーターは、柴田鉄治(前・日本ジャーナリスト会議代表委員、元・朝日新聞論説委員・科学部長)が務めます。
 
全体会 14:45~16:00 L講義棟・4号教室
Ⅰ 分科会報告 各分科会責任者
Ⅱ 集会アピール
Ⅲ 閉会あいさつ
(引用終わり)
 
 なお、実際に参加を検討し、「宿泊(飯坂温泉)と懇親会」を申し込んだり(締切7月10日)、オプショナル企画としての現地調査を申し込まされる場合には、上でご紹介した「原発と人権ネットワーク」サイトから、「ご宿泊・懇親会参加申込書(Excel)」や「オプショナル企画 第7回フクシマ現地調査の参加案内」などをダウンロードしてお申し込みください。

未来のための公共+若者憲法集会「内閣総辞職を求める0603新宿デモ~まともな政治をあきらめない。」(2018年6月3日)を視聴する

 2018年6月22日配信(予定)のメルマガ金原.No.3186を転載します。
 
未来のための公共+若者憲法集会「内閣総辞職を求める0603新宿デモ~まともな政治をあきらめない。」(2018年6月3日)を視聴する
 
 既にデモが行われてから3週間近くが経ってしまいましたが、6月3日(日)16時に新宿中央公園水の広場に集合した、未来のための公共と若者憲法集会の共催による「内閣総辞職を求める0603新宿デモ~まともな政治をあきらめない。」の動画をご紹介します。
 
 私自身、この両団体のバックグラウンドや活動内容については疎いので、それぞれの公式Facebookを調べてみました。
 
未来のための公共Facebook
若者憲法集会Facebook
 
 すると、6月3日には、デモの前に、「安倍9条改憲NO!民主主義守れ!若者憲法集会2018」が開かれていたことが分かりました。
 📌8つの分科会(10:30~)都内各会場
 📌全体集会(13:30~)上野野外音楽堂
 📌デモ(16:00~)新宿中央公園集合
 
 若者憲法集会は、和歌山でも「ワカケン」と称して活動していた時期もありましたが、今、どうなってるんだろう?
 それはさておき、「若者憲法集会」という言葉から受ける語感は、民主青年同盟などと親近性ありそうだなあ、というものですが・・・あまりあてにならないから信用しないでください。
 他方、「未来のための公共」と聞くと、「SEALDs(シールズ)の復刻版ではない」とは言うものの、サウンドデモからのスピーチやラップ風コールなどを連想しますよね。
 
 ということで、「Makabe Takashi」さんがYouTubeにアップしてくださったデモの動画を2本(通常版と360度映像版)ご紹介します。
 このデモの様子をじっくり眺めていると、若者憲法集会と未来のための公共が合流したデモだということが、何だかよく分かるような気がしてきます。
 
 ちなみに、通常版映像の53分から、和歌山のデモで顔なじみの、和歌山大学教育学部のM君がスピーチしているではないですか。この日のデモには、「右翼」による妨害行動(彼らからすれば、一種の「カウンター」でしょうが)もあったようですが、M君は、「あの人たち(当日出現した「右翼」の人たちでしょうか)とも、もしかしたら分かり合えるんじゃないかなあと思います。」(59分)と語っていました。「その心意気や良し」と言うべきでしょう。
 
 それでは、以下に、「Makabe Takashi」さんによる2種類のデモの映像と、デモの前に行われた「若者憲法集会 全体会」の動画をまとめてご紹介します。
 
(通常版)未来のための公共 若者憲法集会 内閣総辞職を求める0603新宿デモ まともな政治をあきらめない。2018年6月3日(1時間46分)
 
(360度映像版)未来のための公共 若者憲法集会 内閣総辞職を求める0603新宿デモ まともな政治をあきらめない。1/2 2018年6月3日(47分)
 
安倍9条改憲NO!民主主義まもれ!若者憲法集会2018 全体会 2018年6月3日(1時間40分)
※16分~57分「小森陽一さんに聞く」

放送予告・NNNドキュメント「今日も、海の庭で・・・(仮)」(2018年7月15日放送)~『スナメリ泳ぐ海』を聴きながら

 2018年6月21日配信(予定)のメルマガ金原.No.3185を転載します。
 
放送予告・NNNドキュメント「今日も、海の庭で・・・(仮)」(2018年7月15日放送)~『スナメリ泳ぐ海』を聴きながら
 
 私のブログ(弁護士・金原徹雄のブログ)のタイトルバックには、「憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します。」というモットーを掲げています。
 ちなみに、背景の写真は、和歌山県日高郡日高町の小浦海岸という、かつて関西電力による原発立地計画があわや実現する寸前まで行った「古戦場」を撮影したものです。
 
 さて、その「音楽」です。ブログの3大モットーの一つにしては、他の「憲法」「原発」に比べ、取り上げる頻度が目立って少ないことは否めません。
 2013年1月24日から配信をスタートした「弁護士・金原徹雄のブログ」の最初の記事が「橋本美香さん「原発憲法…理想を現実に」」というもので、私は「憲法」と「音楽」にカテゴライズしたのですけどね(このブログは一つの記事につき2種類のカテゴリーに分類できます)。
 
2013年1月24日
橋本美香さん「原発憲法…理想を現実に」
 
 以後、昨日(2018年6月20日)までの5年とほぼ5か月の間、1日の休みもなく更新を続けた結果(原則1日1本の記事を2つのカテゴリーに分類)、「憲法」と「音楽」に分類した記事の延本数は以下のとおりでした。
 
憲法」⇒765本
「音楽」⇒58本  
 
 以上のとおり、本数こそ10分の1にも満たないのですが、「音楽」カテゴリーの記事の中には、自分でも力を入れて書いた愛着深いものが多く、読み返し始めると時間の経つのを忘れてしまいます。そのような記事の1つが、「『スナメリ泳ぐ海』から世界を見たら」です。
 
2013年11月16日
『スナメリ泳ぐ海』から世界を見たら
 
 私と『スナメリ泳ぐ海』(作詞作曲:笠松美奈)という素晴らしい楽曲や「なつおmeets南風」との出会い、そして「私は、日本中の子どもたちが『スナメリ泳ぐ海』を歌う日が来ることを、本気で夢見ているのです。『スナメリ泳ぐ海』から世界を見る。そんな子どもたちがいずれ大人になっていく。そういう日が必ず来るという「夢」を皆さんも共有しませんか?」という思いを書き切った文章なので、是非お読みいただければと思います。
 
 もっとも、肝心の『スナメリ泳ぐ海』の演奏動画が、野外のためか音質があまりぱっとしないのが残念でしたが、このブログを書いた約2年後の2015年9月23日、会場も同じ田辺市の「ララ・ロカレ」で行われた「なつおmeets南風」による『スナメリ泳ぐ海』の演奏がYouTubeにアップされています。美奈さんのウエディングパーティでは1人目のお子さんを抱きながら歌っていたボーカルの嶋田奈津子(ナツオ)さんでしたが、2015年の演奏時には、2人前のお子さん出産直前でした。
 
『スナメリ泳ぐ海』なつおmeets南風(4分51秒)
 
    『スナメリ泳ぐ海』 作詞作曲 笠松美奈
 
  スナメリって知ってる?世界で一番小さなクジラなんだよ
  ナメクジウオって知ってる?魚みたいな形で人類の祖先と言われてるんだ
  ここに来ればたくさんの仲間と出会えるんだ
  これからも共に生きてゆく仲間たち
  この海は人間だけのものじゃない
  この海は全ての命のふるさと
  未来は人間だけのものじゃない
  未来は全ての命かがやく場所
    カンムリウミスズメって知ってる?水に潜って魚をとるのが上手な渡り鳥
    カラスバトって知ってる?カラスのような黒い体に牛のような鳴き声
    今まで一緒に暮らしてきた仲間たち
    これからも仲良く生きてゆく仲間たち
    この空は人間だけのものじゃない
    この空は全ての命つつみこんでる
    未来は人間だけのものじゃない
    未来は全ての命かがやく場所
  この星は人間だけのものじゃない
  この星は全ての命の楽園
  未来は人間だけのものじゃない
  全ての命に未来はあるから 
 
 さて、ここまで読んでこられた方は、今日のブログのテーマは『スナメリ泳ぐ海』だと思われたでしょうね。それはそうだと言ってもよいのですが、実は、当初、今日は、7月15日(日)深夜に放送されるNNNドキュメント「今日も、海の庭で・・・(仮)」をご紹介しようと思って書き始めたのです。
 下関市の三軒屋海岸で、「スナメリを13年間毎日のように観察してきた」上崎美代子さんという女性を追った山口放送制作のドキュメンタリー番組で、「これは是非観なければ」と直感的に思ったという、その理由を書こうとして前説が長くなってしまったという次第です(私にはよくあることですが)。
 以下に番組案内を引用しますが、私は、その末尾にある「上崎さんの思いは広がっていく。」という、その「思い」が番組の中で語られるのを是非聴きたいと思いました。
 
2018年7月16日(月)午前1時05分~(15日深夜25時05分~)
NNNドキュメント「今日も、海の庭で・・・(仮)」
(番組案内から引用開始)
山口県下関市、1日千隻の船が行き交う関門海峡を臨む三軒屋(さんげんや)海岸は、海を見つめる上崎美代子さんを中心にいつも賑わう。視線の先にいるのは『スナメリ』。絶滅の危険性が高い世界最小のクジラだ。上崎さんは海岸に現れるスナメリを13年間毎日のように観察してきた。癌の宣告を受けても、海岸に通う上崎さん。そこはまるで『庭』のようだという。その『海の庭』で上崎さんの思いは広がっていく。【制作:山口放送
再放送
7月22日(日)11:00~ BS日テレ
7月22日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24
(引用終わり)
 
 祝島を訪ねたことから生まれた『スナメリ泳ぐ海』をあれだけ愛聴しながら、私は、瀬戸内海を泳ぐスナメリの映像を見たことがありませんでした。
 水族館で飼育されているスナメリとか、都市の河川に迷い込んだスナメリ、変わったところでは、大阪湾で繁殖中(?)のスナメリの群れの映像などがYouTubeで見られますが、本来の生息地での自然な姿を見てみたいですものね。そういう意味からも、この番組には注目しているのです。

日本弁護士連合会「被災者生活再建ノート」をご活用ください

 2018年6月20日配信(予定)のメルマガ金原.No.3184を転載します。
 
日本弁護士連合会「被災者生活再建ノート」をご活用ください
 
 一昨日(6月18日)発生した大阪北部地震では、同日中に、大阪府は、府下の12市1町に災害救助法を適用する旨決定しました。
 対象市町は以下のとおりです。
 
大阪市(おおさかし)、豊中市(とよなかし)、吹田市(すいたし)、高槻市(たかつきし)、
守口市(もりぐちし)、枚方市(ひらかたし)、茨木市(いばらきし)、寝屋川市(ねやがわし)、箕面市(みのおし)、摂津市(せっつし)、四條畷市(しじょうなわてし)、交野市(かたのし)、三島郡島本町(みしまぐんしまもとちょう)
 
 菅義偉(すが・よしひで)官房長官が、枚方市を「まいかたし」と読み誤ったことが少し話題となっていましたが、大阪府に隣接する和歌山県に住む私も、「三島郡島本町」と聞いて、どの辺に所在する自治体なのか、全く見当がつきませんでしたので、人のことは言えません。調べてみると、京都府大山崎町との合併話まであったという大阪府の北東端に位置する町であり、大阪府の中で和歌山市から最も遠い自治体でした。
 
 それはさておき、災害が発生すると、多くの住民が被災し、その生活再建が問題となります。被災者支援のための制度には様々なものがありますが、その大半は法令に基づいて運用されているものであり、被災者を対象とした法律相談などで、私たち法律家が果たすべき役割には重要なものがあります。そして、このような需要に応えるためには、相談を担当する弁護士にも、平時の法律相談とは異なったスキル、前提知識が必要となります。
 そのため、各地の弁護士会の他、日本弁護士連合会や、近畿弁護士会連合会のようなブロック連合会も、被災者支援に関わる研修会に熱心に取り組んでいます。
 
 今日は、日本弁護士連合会が作成して(PDFで)公表している「被災者生活再建ノート」をご紹介します。
 実は、私自身、うかつなことに、このノートの存在に気がついていなかったのですが、FB友達である青木佳史弁護士(大阪弁護士会)や津久井進弁護士(兵庫県弁護士会)のFBタイムラインで「被災者の生活全体をみて支援する。阪神淡路、中越、広島、東日本、熊本などの経験から作成されました。大阪府下で被災者の支援にあたる方や被災者ご自身のために、ぜひご活用ください。」(青木佳史弁護士)と紹介されているのを読んで、あわててPDFファイル(24頁)をプリントアウトして通読してみました。
 その結果、これは被災者から相談を受ける弁護士にとって、このノートに掲載された各種支援制度の概要を頭に入れておくことは「must」であり、被災者ご自身にとっても、非常に有用なものだと確信しました。
 
「被災者生活再建ノート(2018年2月8日版)」(PDFファイル;1.4MB)
 
 このノートが掲載された日弁連サイトの案内ページには、次のように記載されています。
 
(引用開始)
被災者生活再建ノートを作成しました。
 これまで災害が発生する度に、被災した弁護士会では、臨時弁護士会ニュースを発行するなど、被災者に必要な公的支援制度(以下「支援制度」といいます。)を周知してきました。
 しかし、災害発生時に、被災した弁護士会が支援制度を網羅的に掲載した弁護士会ニュースなどの広報物をゼロから作成する負担は大きく、全般的な支援制度がまとまった冊子や、弁護士会等において編集可能な冊子のデータがあると、災害時に被災地弁護士会が対応しやすいという声がありました。また、相談担当弁護士が変わったとしても、被災者に継続的な相談が行えるように、相談内容の記録化と引継ぎの必要性も指摘されていました。
 日弁連では、これらの声を受けて、支援制度を一覧としてまとめるなどして、災害時の相談対応の基となる被災者生活再建ノート(以下「被災者ノート」といいます。)を作成しました。
 弁護士会および会員におかれましては、災害発生時の法律相談などに必要数をそのまま印刷してご活用ください。
(引用終わり)
 
 されに詳しくは、ノート冒頭の「被災者生活再建ノートとは」(1、2頁)をお読みください。
 
(引用開始)
                             被災者生活再建ノートとは
はじめに
 この被災者生活再建ノートは,被災された方が,弁護士などの専門家など(以下「相談担当者」といいます。)から相談を受ける際に,受けられる公的支援制度などの必要な情報が漏れなく伝えられ,適正なアドバイスを継続して受けられるようにしたい,という観点から作成しています。
 被災された方のみならず,相談担当者にとっても,公的支援制度や問題点の確認ができるノートとなっておりますので,御相談の際には御手元に置いていただけるとスムーズな相談につながります。
 一日も早い生活再建のために御活用いただけると幸いです。
 
                                 被災された方へ
〇「被災者生活再建ノート」(3~5ページ)
 被災された方が「受けられる公的支援制度」を確認できるページです。
 相談時に3~4ページを使用して,相談担当者にどのような支援制度が利用できるのか説明をお願いしてみてください。5ページは,「その他の悩み事」を記載いただく欄になっていますので,相談前に,気になる点や御不明な点などを御記載ください。
〇「被災者生活再建カルテ」(6~7ページ)
 本ページは,病院の「カルテ」のような役割をイメージしています。相談担当者が変更になっても,従前の相談内容や行ったアドバイスが引き継げるようになることを意図しています。相談担当者に記載いただくことを想定していますので,相談担当者に記載をお願いしてみてください。
〇「支援制度の概要」(8ページ~)
 「被災者生活再建ノート」(3~4ページ)に記載のある各公的支援制度について説明しています。様々な支援制度がありますが,更に詳しくお知りになりたい場合は,相談担当者に説明をお願いしてみてください。
 
                          弁護士などの相談担当者の方へ
〇「被災者生活再建ノート」(3~5ページ)
 被害の状況や悩みごとなどの記載から,被災された方が受けられるはずの公的支援を受けられているのか確認できるページです。
 当該ページを使用して,被災された方にどのような支援制度が利用できるのか説明をしてください。
〇「被災者生活再建カルテ」(6~7ページ)
 相談担当者に相談した日ごとに,相談の概要や助言の内容などを記録しておくためのページです。これにより,相談担当者が変わった際でも,その都度記録が残っていることになり,被災された方が,新たな相談担当者に最初から被災状況などを説明する負担を無くし,相談担当者が変更となっても,従前の相談の経緯などを踏まえた適切な助言等がスムーズに行えるようになります(病院のカルテのような役割です。)。
 本ページは,相談担当者に記載いただくことを想定していますので,上記の趣旨に沿った記載をしてください。
〇「支援制度の概要」(8ページ~)
 「被災者生活再建ノート」(3~4ページ)記載の各公的支援制度の概要を掲載しています。あくまでも概要しか掲載していませんので,詳しい内容を知るためには窓口やホームページのアドレスも載せていますので,そちらをあらかじめ御参照いただき,説明をしてください。
(引用終わり)
 
 なお、一般向けには「被災者生活再建ノート」はPDFファイルで公開されていますが、日弁連会員専用サイトには、被災者ノートの編集可能なデータ(ワード・エクセル)が掲載されており、「発生した災害に応じて支援制度等を加筆するなど、弁護士会版の被災者ノートとしてご活用ください。」と呼びかけられていますので、被災地弁護士会としては、当初はPDFファイルを必要部数印刷して配布、使用し、少し落ち着いてきたら、各地の情報を盛り込んだ独自ノートを作成することができるということですね。
 
 最後に、「被災者生活再建ノート」の8頁以下に掲載されている「支援制度の概要」から、その表題のみ引用しておきます。詳しくは、本文をお読みください。
 
(引用開始)
*被災建物の応急危険度判定(+被災宅地応急危険度判定)について(8頁)
*災害弔慰金について(9頁)
*災害障害見舞金について(9頁)
*り災証明書について(10頁)
*損害保険の損壊判定について(11頁)
*応急仮設住宅について(11頁)
*被災者生活再建支援金について(12頁)
*被災ローン減免制度(自然災害債務整理ガイドライン)について
*生活資金貸付制度について(14頁)
*応急修理制度について(15頁)
*災害復興住宅融資について(16頁)
土地区画整理事業について(16頁)
*防災集団移転促進事業について(17頁)
*がけ地近接等危険住宅移転事業について(18頁)
*被災自治体による独自事業を含むその他の支援制度について(18頁)
*災害公営住宅について(19頁)
*被災マンション法について(20頁)
*グループ補助金について(20頁)
*貸付・保証制度について(21頁)
(引用終わり)
 
 この「被災者生活再建ノート」が多くの被災者の方のお役に立つことを願っています。

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(弁護士・金原徹雄のブログから/災害支援関連)
2018年1月12日
日本弁護士連合会「大規模災害に備えるために公職選挙法の改正を求める意見書」を是非読んで欲しい
2018年5月23日
日本弁護士連合会「災害救助法の一部を改正する法律の早期成立及び被災者支援制度の早期の抜本的な改善を求める会長声明」を読む

高橋和夫氏(放送大学名誉教授)による「トランプ/アメリカ・ファーストの第三の男」のご紹介(YouTube「今朝の思い」)

 2018年6月19日配信(予定)のメルマガ金原.No.3183を転載します。
 
高橋和夫氏(放送大学名誉教授)による「トランプ/アメリカ・ファーストの第三の男」のご紹介(YouTube「今朝の思い」)
 
 国際政治学者の高橋和夫先生(放送大学名誉教授)が、「今朝の思い」と題し、YouTubeでご自身のお考えを短い動画(といっても音声だけですが)で発信されるようになったことは、既に私のブログでご紹介しています(高橋和夫氏(放送大学名誉教授)「今朝の思い」(YouTube高橋和夫(国際政治学者)チャンネル)のご紹介/2018年5月15日)。
 その際には、
 
180426 今朝の思い トロントとグーグル
180513 今朝の思い(2) シリア上空でのロシアン・ルーレットが止まった!
 
の2本をご紹介しましたが、その直後、
 
180515 今朝の思い(3) インドネシアイスラムビンタン・ビールとコーランの共存
 
がアップされているのに気づき、「かなり頻繁にアップされる意気込みなのかな?」と想像したのですが、その後、約1か月新たな発信はなく、やはり「不定期連載」だということが分かりました。
 
 今日は、久しぶりの「今朝の思い」の更新、しかも3回続きで1つのテーマ「アメリカ・ファースト」について語るという興味深い発信がありましたので、3本まとめてご紹介することとしました。
 トランプ米国大統領の基本政策を象徴する「アメリカ・ファースト」という概念について、同大統領が、このキャッチフレーズによって有名となった最初のアメリカ人ではなく、少なくとも「第三の男」であることに注意を喚起したものです。
 3回連続の第1回(6月16日)では、チャールズ・リンドバーグ(初の大西洋単独無着陸飛行に成功したことや、幼い子どもが誘拐殺人の犠牲となったことで有名ですが、アメリカ第一委員会(America First Committee)の主要なスポークスマンでもありました)が、第2回(6月17日)では、1992年の共和党・大統領予備選において、現職のジョージ・H・ブッシュ大統領に挑戦し、「アメリカ・ファースト」を掲げて善戦したパット・ブキャナン候補が取り上げられています。
 そして、今日の第3回(6月19日)が、以上の歴史を踏まえた上での、トランプ大統領の首唱する「アメリカ・ファースト」についての現時点での評価ということになります。
 何しろ、トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」は、現在進行形であり、その具体的施策は一見すると転変極まりないようにも見えますが、「アメリカ・ファースト」というキーワードを、米国政治史の中で適切に位置付けるという基礎的な作業を行うことによって、少しはトランプ政権の行動についての見通しをよりよくつけられるようになるのではないか、という期待を込めて、高橋先生による3本1セットの発信をご紹介します。
 なお、余談ながら、冒頭で「ツァラトゥストラはかく語りき」(リヒャルト・シュトラウス)が流れるのは今回が初めてだと思いますが、高橋先生が放送大学の講義でゾロアスター教について詳しく解説されていることからの選曲でしょうか?(「ゾロアスター」は「ツァラトゥストラ」の英語読み)
 
180616 今朝の思い(4)トランプ/アメリカ・ファーストの第三の男-1-(10分48秒)
 
180617 今朝の思い(5)トランプ/アメリカ・ファーストの第三の男-2-(7分53秒)
 
180618 今朝の思い(6)トランプ/アメリカ・ファーストの第三の男-3-(12分31秒)
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/高橋和夫氏関連)
2013年8月17日
高橋和夫放送大学教授に岩上安身氏が“中東問題”をきく ※追記あり(高橋教授から受講者・視聴者への訴え)
2015年1月23日
イスラム国」人質事件について柳澤協二さんと高橋和夫さんの意見を聴く~IWJに会員登録をして
2016年8月6日
高橋和夫教授の「パレスチナ問題('16)」(放送大学)受講のすすめ
2017年1月26日
高橋和夫教授(放送大学)の「パレスチナ問題('16)」全15回を是非視聴して欲しい
2017年5月1日
IWJからの緊急メッセージと高橋和夫放送大学教授の4講義「受講」の奨め
2017年8月17日
高橋和夫教授(放送大学)の「パレスチナ問題('16)」全15回を是非視聴して欲しい(再説)
2017年9月7日
田中浩一郎氏と高橋和夫氏が語る「イラン情勢と米国の中東政策」(日本記者クラブ/2017年6月8日)を視聴する
2018年1月19日
放送大学あれこれ~高橋和夫教授の退任と「子ども居場所づくりで子そだち子そだて支援-学びは生きる力-」(2/10和歌山学習センター)
2018年4月26日
高橋真樹×高橋和夫×荻上チキ「今、パレスチナで何が起きているのか?」を読む
2018年5月15日
高橋和夫氏(放送大学名誉教授)「今朝の思い」(YouTube高橋和夫(国際政治学者)チャンネル)のご紹介
2018年6月1日
「核合意離脱 米・イラン関係の行方」~高橋和夫放送大学名誉教授と田中浩一郎慶應義塾大学教授が再び日本記者クラブで語った(2018年6月1日)

伊藤千尋さんの分かりやすい!元気が出る!希望が湧く!講演動画「9条と平和な暮らしを護るために」(生協労連大学部会in佐賀大学)を視聴する

 2018年6月18日配信(予定)のメルマガ金原.No.3182を転載します。
 
伊藤千尋さんの分かりやすい!元気が出る!希望が湧く!講演動画「9条と平和な暮らしを護るために」(生協労連大学部会in佐賀大学)を視聴する
 
 元朝日新聞記者でジャーナリスト、九条の会世話人伊藤千尋さんがこの前和歌山で講演されたのは、昨年(2017年)5月のことでした。和歌山県勤労福祉会館プラザホープ4階ホールを会場として、憲法九条を守るわかやま県民の会が主催する恒例の「5月の風に We Love 憲法」、昨年のゲストが伊藤千尋さんだったのです(開催予告5/13伊藤千尋さん講演会「憲法を生かす世界の人々」@和歌山市(5月の風に We Love 憲法 2017)/2017年4月11日)。
 
 私も是非参加したかったのですが、よんどころない先約があったために聴講できず、残念な思いをしました。
 以下に、会紙「九条の会・わかやま」に、同事務局の南本勲さんがまとめられた伊藤さんの講演要旨が、3回にわたって連載されましたので、ご紹介しておきます。
 
第1回 会紙「九条の会・わかやま」323号
第2回 会紙「九条の会・わかやま」324号
第3回 会紙「九条の会・わかやま」325号
 
 伊藤千尋さんの講演会に参加した多くの知人から、伊藤さんのお話は、とても分かりやすくて元気がでた、という感想を聞きました。
 1年前に講演されたばかりですから、そうすぐには伊藤さんの講演会を和歌山で企画する団体はないかもしれませんので、ここは動画を視聴しようと思います(便利な世の中になりました)。
 早ければその日のうちに、講演会を丸ごと収録した動画がインターネットにアップされたりしますからね。
 
 ということで、昨日(6月17日)、佐賀大学で行われた伊藤千尋さんの講演「9条と平和な暮らしを護るために」をご紹介しようと思います。前日の16日から、佐賀大学では、生協労連大学部会第32回全国交流集会が開かれていたようで、その記念講演の一部としての開催だったのではないかと思います(動画説明には詳しいデータは書かれていないので推測ですけど)。
 ちなみに、講演自体のタイトルは先に書いたとおりなのですが、動画に付けられたタイトルは、「分かりやすい!元気が出る!希望が湧く!伊藤千尋さん講演 9条と平和な暮らしを護るために 2018年6月17日」というものでした。
 
分かりやすい!元気が出る!希望が湧く!伊藤千尋さん講演 9条と平和な暮らしを護るために 2018年6月17日(1時間39分)

第6回「日隅一雄・情報流通促進賞」表彰式を視聴する~今年の大賞は「優生手術に対する謝罪を求める会」

 2018年6月17日配信(予定)のメルマガ金原.No.3181を転載します。
 
第6回「日隅一雄・情報流通促進賞」表彰式を視聴する~今年の大賞は「優生手術に対する謝罪を求める会」
 
 去る6月13日(水)午後6時30分から、東京都千代田区の日比谷コンベンションホールにおいて、「第6回 日隅一雄・情報流通促進賞表彰式」(主催:日隅一雄・情報流通促進基金)が開かれました。
 故・日隅一雄氏の生前の活動、日隅一雄・情報流通促進基金や日隅一雄・情報流通促進賞の趣旨などについては、日隅一雄・情報流通促進基金ホームページをご参照いただきたく、
また、昨年の「第5回 日隅一雄・情報流通促進賞表彰式」をご紹介した私のブログにも主要部分を引用しています(第5回「日隅一雄・情報流通促進賞」表彰式を視聴する~今年の大賞は「みんなのデータサイト」/2017年12月20日)。
 
 「第6回 日隅一雄・情報流通促進賞」を受賞されたのは以下の方々(団体)でした。
 
大賞:優生手術犠牲者への謝罪と補償を求める活動(優生手術に対する謝罪を求める会)
奨励賞:3者・団体
・沖縄米軍基地をめぐる報道と「ルポ 沖縄 国家の暴力」の執筆活動(阿部岳さん・沖縄タイムス記者)
・福島から札幌に避難している避難者による、コミュニティFMによる情報発信(都築啓子さん)
・ルポ「黙殺-報じられない無頼系独立候補たちの戦い」執筆と長年の選挙取材活動(畠山理仁さん・フリーランスライター)
特別賞:3者・団体
・情報公開請求・裁判による官房機密費の調査活動(政治資金オンブズマン
・書籍「アベノミクスによろしく」の執筆活動(明石順平さん・弁護士)
南スーダン自衛隊「日報」問題に関わる調査・執筆活動(布施祐仁さん・ジャーナリスト)
 
 13日には、上記各受賞者の皆さんに対する表彰式と併せ、本間龍さん(作家)による記念講演「CMやりたい放題の憲法改正国民投票」が行われました。
 NPJによって表彰式の模様がYouTubeにアップされていますのでご紹介します。
 
6/13 第6回 日隅一雄・情報流通促進賞 表彰式(1時間27分)
1分~ 開会のご挨拶 海渡雄一氏(弁護士、日隅一雄・情報流通促進基金理事)
4分~ 記念講演 本間 龍さん (作家)「CMやりたい放題の憲法改正国民投票
31分~ 表彰式
 31分~ 選考理由の説明 岩崎貞明氏(メディア総合研究所)
【特別賞】(3作品) プレゼンター 岩崎貞明氏(メディア総合研究所)
34分~ 南スーダン自衛隊「日報」問題に関わる調査・執筆活動(布施祐仁さん・ジャーナリスト)
39分~ 書籍『アベノミクスによろしく』の執筆活動(明石順平さん・弁護士)
41分~ 情報公開請求・裁判による官房機密費の調査活動(政治資金オンブズマン
【奨励賞】(3作品) プレゼンター 三木由希子氏(情報公開クリアリングハウス)
47分~ ルポ『黙殺-報じられない無頼系独立候補たちの戦い』執筆と長年の選挙取材活動(畠山理仁さん・フリーランスライター)
53分~ 福島から札幌に避難している避難者のコミュニティFMによる情報発信活動(都築啓子さん)
1時間00分~ 沖縄米軍基地をめぐる報道と『ルポ沖縄 国家の暴力』の執筆活動(阿部岳さん・沖縄タイムス記者)
1時間06分~ 審査員から 三木由希子氏
【大賞】(1作品) プレゼンター 落合恵子氏(作家)
1時間09分~ 優生手術犠牲者への謝罪と補償を求める活動(優生手術に対する謝罪を求める会)
1時間15分~ 審査員から 落合恵子氏 
1時間22分~ 閉会のご挨拶 梓澤和幸氏 (弁護士、日隅一雄・情報流通促進基金理事)
 
 以下に、大賞以下の受賞者を発表した「日隅一雄・情報流通促進基金」の記事を引用します。ここに書かれた贈賞理由が、基本的に表彰状の本文になっています。
 
日隅一雄・情報流通促進賞2018 大賞決定! 2018年5月12日
(引用開始)
 表現の自由や情報公開などに力を入れ、知る権利や情報通信分野で活躍するメディアやジャーナリスト、市民を顕彰している「日隅一雄・情報流通促進賞」の2018年度大賞に、優生手術犠牲者への謝罪と補償を求める活動に取り組んできた「優生手術に対する謝罪を求める会」が決定しました。優生保護法を根拠に行われてきた強制不妊手術の問題を最初に提起し、謝罪を求める活動をはじめ、母体保護法優生保護法の問題点を追求してきたことが評価されたものです。
 また奨励賞には、沖縄米軍基地をめぐる報道と「ルポ 沖縄 国家の暴力」の執筆活動に取り組んだ沖縄タイムス記者の阿部岳さん、福島から避難者としてコミュニティFMによる情報発信を続けてきた都築啓子さん、ルポ「黙殺ー報じられない無頼系独立候補たちの戦い」執筆と長年の選挙取材活動に取り組んできた畠山理仁さんが選ばれました。特別賞には、情報公開請求・裁判による官房機密費の調査活動で機密費の一端を明らかにした政治資金オンブズマン、書籍「アベノミクスによろしく」を執筆した弁護士の明石順平さん、南スーダン自衛隊「日報」問題に関わる調査によりPKO派遣の実態に迫ったジャーナリストの布施祐仁さんが選ばれました。
 
<表彰者>
大賞:優生手術犠牲者への謝罪と補償を求める活動
(優生手術に対する謝罪を求める会)
 強制不妊手術による被害事実の掘り起こしとこれを裏付ける行政資料の発掘に丹念に取り組み、行政交渉などを行ってきた長年の活動によって、現在の当事者による裁判の提訴や議員連盟の結成など被害者救済に結びつく大きな流れが作られてきました。このような優生手術に対する謝罪を求める会の地道な事実確認、情報収集活動、理論的検討活動などを、公正な情報の流通促進や国民主権の実現に資する活動として表彰します。
※金原注(参考サイト)
立命館大学生存学研究センターサイト内「◆旧優生保護法不妊手術 2018 」
優生手術に対する謝罪を求める会Facebook
 
奨励賞:3者・団体
・沖縄米軍基地をめぐる報道と「ルポ 沖縄 国家の暴力」の執筆活動
(阿部岳さん・沖縄タイムス記者)
 阿部岳さんは、書籍「ルポ 沖縄 国家の暴力」によって、沖縄の米軍基地反対運動に対して国家が行っている弾圧や暴力を明らかにするとともに、いわゆるネット右翼からの攻撃にも怯むことなく、果敢に取材を行っています。このように、もっとも厳しい現場に身を置きつつ、構造的な言論状況や日本の劣化を浮き彫りにしようと挑戦している活動は、公正な情報の流通促進や国民主権の実現に資するものとして表彰します。
※金原注(参考サイト)
沖縄タイムス+プラス 2017年9月24日 12:00
米軍基地建設を解説 ルポ「国家の暴力」出版記念で本紙・阿部記者
 
・福島から札幌に避難している避難者による、コミュニティFMによる情報発信
(都築啓子さん)
 都築啓子さんは、原発事故が過去のものとなりつつある中、福島からの避難者としての立ち位置を明確にしながら、自由に語る番組を長期間にわたって継続しています。札幌エリアの方々に対して、避難者として暮らす人たちの生の声をはじめとした多様な意見を伝えている都築啓子さんの活動は、公正な情報の流通促進や国民主権の実現に資するものとして表彰します。
※金原注(参考サイト)
つたえるコトバ つながるミライ~コトミラ~Facebook
 
・ルポ「黙殺-報じられない無頼系独立候補たちの戦い」執筆と長年の選挙取材活動
(畠山理仁さん・フリーランスライター)
 畠山理仁さんは、書籍「黙殺 報じられない無頼系独立候補たちの戦い」執筆と長年にわたる地道な選挙取材活動を通じて、高額な供託金制度をはじめとする選挙制度の問題や、選挙に参加する主権者の意識、そして一部候補者しか報じないメディアの姿勢等について問題を提起しました。明治以来、日本の民主主義の基幹にくすぶり続ける問題を浮き彫りにした活動は、選挙において表れる問題点を広く情報流通させたという意味で、公正な情報の流通促進や国民主権の実現に資するものとして表彰します。
※金原注(参考サイト)
第十五回 開高健ノンフィクション賞
無頼系独立候補は社会の宝物 畠山理仁さん 池田香代子の世界を変える100人の働き人 12人目(53分)
 
特別賞:3者・団体
・情報公開請求・裁判による官房機密費の調査活動
(政治資金オンブズマン
 政治資金オンブズマンは、情報公開請求および行政訴訟を通して、秘密のベールに包まれた官房機密費の一端を明らかにし、政治と金の実態に迫りました。「官房機密費」という最も政治的かつ機密性の高い分野の情報開示に果敢に取り組み、長期間をかけて開示を勝ち取りました。この活動によって、官房長官が管理し領収書も不要な「政策推進費」が全体の約9割を占めていたことが明らかになったことは、様々な情報公開請求活動の中でも大きな意義があるものとして表彰します。
※金原注(参考サイト)
政治資金オンブズマン公式サイト
 
・書籍「アベノミクスによろしく」の執筆活動
(明石順平さん・弁護士)
 明石順平さんは、書籍「アベノミクスによろしく」で、公表されている経済情報をベースに作成されたグラフや図表を駆使し、経済用語も平易な言葉を用いて解説しながら、会話形式によって、アベノミクスの問題点をわかりやすく提示しました。アベノミクスの本質をわかりやすく提示している明石順平さんの活動は、情報流通を真の意味で国民共通の財産とする活動として出色であると評価し、表彰します。
※金原注(参考サイト)
インターナショナル新書『アベノミクスによろしく』(26頁までの立読あり)
 
南スーダン自衛隊「日報」問題に関わる調査・執筆活動
(布施祐仁さん・ジャーナリスト)
 布施祐仁さんは、違憲の疑いが強い自衛隊南スーダンPKO派遣に関して、丹念に事実を調査し、繰り返し情報公開請求を行うことで「日報」があることを突き止めました。森友問題、厚労省裁量労働制についてのデータ「偽造」問題などをはじめとする安倍政権の体質を明らかにする先鞭となったともいえる活動は、公正な情報の流通を促進し、国民主権の実現に資するものであると評価し、表彰します。

 2018年6月16日配信(予定)のメルマガ金原.No.3180を転載します。
 
パソコンで講演動画を視聴する人の必需品~「ダイソー300円スピーカー」をお薦めします
 
 皆さんは、YouTubeなどで是非聴きたいと思っていた講演動画を発見して視聴を始めてみたところ、音量レベルが低過ぎてとても聴き取りにくく、最初の方だけで視聴を断念したことはありませんか?
 私自身、過去このブログで様々な講演会やシンポジウムや集会の動画をご紹介してきましたが、中には、大変魅力的な登壇者なのに、「声が小さい!」と悲鳴を上げたくなるような動画も正直いってありました。
 そのような場合には、パソコンやモニターに附属した貧弱なスピーカーに耳をこすりつけるようにして、何とか聴き取ろうと努力したりもしますが、結局、1時間も2時間もそんな努力を続けるわけにもいかず、「惜しい」と思いながら、視聴を諦めることにならざるを得ません。
 
 このような問題の解決策は、外付けのアンプ内蔵小型スピーカーをパソコンに繋ぐことだろうということは理解していたものの、多忙に紛れ、機種選びもなかなか進まなかったのですが、それでも、AMAZONなどで売れ筋商品のレビューなどを読んでみたところ、今や、電源はUSB端子からの接続が主流で、それプラス、イヤホン端子から音を取るアナログタイプと、USBプラグ1本だけで済むデジタルタイプとがあり、1,000円台で、そこそこ満足できる品質の製品が入手できるようだというところま情報を集め、そろそろ注文する製品を決めようかと思っていたところ、今週、帰宅途中に立ち寄ったダイソーで、偶然「300円(税抜) USBミニスピーカー 3W×2(USBケーブル付)」と外箱に書かれた製品を発見し、あとさき考えずに買ってしまっていました。何しろ税込324円ですからね。
 
 さっそく翌朝、事務所で私が使っているデスクトップパソコンに、この300円スピーカーを接続してみました。電源はUSB端子から、音はイヤホン端子からというアナログタイプでした。
 実際に音を出してみるテスト用の動画として、私がためらうことなく選んだのは、去る4月27日に和歌山県民文化会館大ホールで開かれた青年法律家協会和歌山支部主催による「憲法を考える夕べ2018/これからの日本 憲法と教育の危機」での前川喜平さんと寺脇研さんによる講演(第2部ディスカッションのコーディネーターは堀内秀雄さん)を収録した動画でした。
 
これからの日本 憲法と教育の危機20180427(2時間34分)
 
 この、1,500人もの聴衆が詰めかけ、大方の参加者から好評を博したこの講演会の模様を、参加できなかった方にも是非知っていただきたいということで、小谷英治さんがすぐにYouTubeにアップしてくださいました。けれども、特に前川さんの発言部分がそうですが、全般的に音量レベルが低く、かなり聴き取りづらいことは事実であり、小谷さんも高画質版を再アップしてくださったりしたものの、音量は変わらず、というものでした。
 
これからの日本憲法と教育の危機(高画質版)20180427(2時間34分)
 
 そして、ダイソーの300円スピーカーを接続した効果やいかに?
 大成功!でした。前川さんの講演もはっきりと聴き取れます。前川さんに合わせて音量調整すると、寺脇さんや堀内さんの発言部分はボリュームを絞りたくなる位です。
 324円でこの効果、もっと早く手に入れておけば良かった、としみじみ思いました。
 もちろん、1,500円前後でもっと良い音質のアンプ付ミニスピーカーが手に入るのでしょうが、何もパソコンで音楽を聴こうという訳ではなく、私の場合は、YouTubeに収録された講演会やシンポジウムでの発言(人の声)を、ストレスなく聴き取れればそれで目的を達するのですから、ダイソーの300円スピーカーで十分です。
 私と同じように、「YouTubeの声が聴き取りにくいなあ」と不満に思っている方には、絶対のお奨めです。
 
 なお、「ダイソー スピーカー 300円」でGoogle検索してヒットしたレビューをいくつかご紹介しておきます。
 
ぎゃもにゃもライフ 2017年12月15日
ダイソーの300円のUSBミニスピーカーを買ってみたのでレビュー!その実力はいかに!?
 
ライブドアNEWS 2018年1月13日
「300円とは思えない音」...ダイソーのミニスピーカーに高評価続々
 
一歩前進、二歩後退 2018年1月14日
コスパ最強!!ダイソー300円USBスピーカーをレビュー
 
(付記)
 ダイソーの商品は、一定のロットで大量仕入れをし、在庫がなくなれば販売終了となることもままあります。この300円スピーカーは、昨年の10月頃から発売されたようですが、「一時見かけなくなった」という記事があったりしたものの、どうやら好評につき再発注をかけたようで、私がよく立ち寄る和歌山市オーストリー和歌山北バイパス店内のダイソーショップ(そう大規模ではない)にも数個在庫が陳列されていましたから、新しいロットが入荷したのでしょう。
 もっとも、今の在庫が売り切れた後、再びダイソーが生産者に再発注するか、は何とも言えませんけどね。

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