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小林節教授の「立憲フォーラム」勉強会での講演

 今晩(2013年5月27日)配信した「メルマガ金原No.1369」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
小林節教授の「立憲フォーラム」勉強会での講演
 
 国会議員の間では、様々な議員連盟が設立されています。
 特定の立法を目指す議員連盟も珍しくありませんが、こと憲法に関しては、こまで改憲派の動きだけが目立っていました。
 たとえば、「憲法96条改正を目指す議員連盟」(96条議連)などがその典型です。
 同議連は、先頃(2013年5月13日)再始動して気勢を上げました。産経が、らしげに以下のようなニュースを配信していました。
 
産経ニュース 2013年5月13日21時17分
超党派「96条改正議連」再始動 参加議員350人に達する
(抜粋引用開始)
 憲法改正の国会発議要件を3分の2から過半数へ緩和することを目指す超派の「憲法96条改正を目指す議員連盟」(96条議連)は13日、昨年の選後初の総会を国会内で開き、再始動した。議連参加者は自民、民主、日本維新、みんな各党などから計約350人に達し、衆院選前を110人以上も上回った。96条改正の是非が争点となる夏の参院選に向け、改憲派が大きな一歩を踏み出した。
(引用終わり)
 
 これに対し、「立憲主義」を守ろうという国会議員が結集した議連がようやく今年の4月18日に設立されました。
 名付けて「立憲フォーラム」です。
 呼びかけ人の1人である辻元清美衆議院議員(民主党)の公式サイトに掲載されている「設立趣意書」を引用します。
 
(引用開始)
●立憲フォーラム設立趣旨書
 いま、時代は大きな転換期に入っており、新しい世界の協調・共生関係の構築が求められています。そうしたなかで、日本はどういう立ち位置をとるのかが問われています。先の大戦での日本国民の死者は軍人から市民まで多大な数にのぼり、世界もおびただしい犠牲者を出しました。戦後の日本は、その反省に立大日本帝国憲法を改正し、その体制を民主主義へと移行させました。
 私たちは「人権の保障を宣言し、権力分立を原理とする統治機構を定めた憲
法」を基礎にすえた立憲主義の立場をいま一度確認すべきだと考えます。
 憲法とはそもそもどのようなものであるのか、戦後、現憲法がどのような役割を果たしてきたのか、はたして現憲法に追加されるべきことはあるのか、現在語られている96条を抜き出して憲法を「改正」するということの意味するものは何か、といったことを闊達に論議し、立法府の構成員たる議員としての責任を果たしたいと、ここに立憲フォーラムを立ち上げるものです。
 既に明らかにされた自民党の憲法改正案は天皇を元首とし、自衛隊を国防軍にかえ、基本的人権を制限できるように「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」にすりかえるなど、戦後日本社会の規範・枠組みを根本から変える内容となっています。憲法は政府を縛るのではなく、国民を拘束するものだという考え方は主権在民という立憲主義の原則を根本的に否定するものです。
 日本維新の会は綱領で「日本を孤立と軽蔑の対象に貶め、絶対平和という
非現実的な共同幻想を押し付けた元凶である占領憲法を大幅に改定」との立場を明らかにしています。
 これらの動きは、憲法改正の是非の立場をこえて、立憲主義そのものの危
機であると考えます。
 私たちはこうしたさまざまな動向に平和・人権・環境を重視する立場から国会や言論の場で検証と同時に提言を行うために、立憲フォーラムに、是非多くの議員の皆さんの参加をお願いいたします。
   2013年4月18日
立憲フォーラム呼びかけ人
阿部知子江崎孝大河原雅子近藤昭一篠原孝、武内則男、
辻元清美、那谷屋正義、松野信夫、水岡俊一、吉川元、吉田忠

(引用終わり)
 
 「立憲フォーラム」では、以下のとおり、これまで3回にわたって勉強会を開催し、いずれもIWJによってユースト中継されました。
 
第1回(設立総会) 2013年4月18日
記念講演
武村正義元官房長官(元さきがけ代表)
 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/75986
※完全版は会員だけが視聴できます(非会員は5分余りのダイジェストのみ聴できます)。
 
第2回勉強会 2013年5月16日
講師 田原総一朗氏(ジャーナリスト)

 

※完全版は会員だけが視聴できます(非会員は4分余りのダイジェストのみ視聴できます)。
 
第3回勉強会 2013年5月23日
講師 小林節氏(慶應義塾大学教授)
 
(番組案内・引用開始)
 「庶民に民放、刑法が必要なように、権力者には憲法が必要だ」―。改憲論者でありながら、自民党の掲げる憲法96条改正に反対している小林節応大教授は2013年5月23日、憲法96条改正に反対する超党派の議員連盟「立憲フォーラム」の第三回となる勉強会でこのように述べた。
 自民党の憲法議論の場において、「立憲主義」も知らない議員がいると紹介し、「立憲主義は、学説としてとる、とらないじゃない。日本語と同じで、知ってて当たり前。日本語がわからないなら話し合いにならないのと同様、『立主義』も知らないで議論に参加するな。この知的レベルに私は本気で怒っている」と、自民党の実態を強く非難した。
(引用終わり)
 
 この第3回勉強会については、今のところ全編(56分余り)が視聴できますが、期間限定ですので、できるだけ早めに視聴されることをお勧めします。
 「改憲派」の小林節教授が、96条「改憲」をなぜ許せないのか、是非じっくりとそのお話を聴いていただきたいですね。
 
 なお、有料会員登録( http://iwj.co.jp/join/ )すれば、期間無限定で、第1回から全て視聴することができます。
 
 ところで、「立憲主義フォーラム」事務局長の辻元議員の説明によれば、参議院選挙までに、第4回(6月5日、半藤一利氏)、第5回(6月24日、ピーター・バラカン氏、ジェームス三木氏)の勉強会を予定しているそうです。