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続・3人の原発事故調委員長+1による討論会(3/10日本記者クラブ)

 今晩(2014年3月23日)配信した「メルマガ金原No.1674」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
続・3人の原発事故調委員長+1による討論会(3/10日本記者クラブ
 
 去る3月10日に日本記者クラブにおいて、国会、政府、民間の3つの事故調委員長に、3.11当時の米国原子力規制委員会(NRC)委員長であったグレゴリー・ヤツコ氏をえた4氏による討論会が日本記者クラブで行われたことは、その翌日にメルマガ(ブログ)でご紹介しました。
 
3人の原発事故調委員長+1による討論会(3/10日本記者クラブ
 
 今日は、その討論会を再度取り上げます。
 討論会自体の映像も、前回は日本記者クラブ公式チャンネルの映像をご紹介しましたが、今回は、ビデオニュース・ドットコムの映像をご紹介します。基本的に寄りの“絵”で構成されており、こちらの方が視聴しやすいと感じました。
 
【3.11 3周年特別企画】事故の教訓は活かされているか・日本記者クラブ討論会
登壇者
北澤宏一氏(元民間事故調委員長)
黒川清氏(元国会事故調委員長)
畑村洋太郎氏(元政府事故調委員長)
グレゴリー・ヤツコ氏(前米国原子力規制委員会委員長) 
 
 また、3月14日に収録されたニュース・コメンタリーにおいて、神保哲生さんと宮台真司んが、この討論会に語り合っておられて、いつもながら非常に参考になります。 
 
ビデオニュース・ドットコム ニュース・コメンタリー(2014年3月15日)
3事故調の元委員長が揃って政府の原発政策を批判
(番組案内より抜粋引用開始)
(前略)東日本大震災福島第一原発事故から3年目となる3月11日を前に、安倍首相は前日の­10日、参議院予算委員会原子力規制委員会が安全と判断した原発ついては再稼働さ­せる意向を改めて強調した。「(再稼働するかどうかを)判断するのは避難計画ではなく­、原子力規制委員会が世界で最も厳しい基準に乗っ取って審査を進め、安全であると判断­した段階において、我々は再稼働を進めていくことになる」と語り、政府として原子力­規制委の審査をパスした原発については、避難計画の有無に関わらず再稼働していく意向­を示したのだ。
 これに対して、同日午後、日本記者クラブで開催された討論会に、原発事故を調査し
た3­つの調査委員会の元委員長らが揃って参加し、政府の再稼働へ向けた動きを批判した。(中略)
 仮に原発を再稼働するのであれば、政府は原発を動かす場合のリスクとメリット、動かさ­ない場合のリスクとメリットをはっきりと国民の前に示し、その上で再稼働というのであ­れば、なぜ再稼働が国益に資すると判断するのか、その根拠を示さなければならない。む­しろそれを隠し、その判断を規制委に丸投げするなど言語道断ではないか。原子力規制委­に原発再稼働の責任も、いわんや万が一事故が起きた場合の責任も負えるはずがない。そ­もそも法律で彼らには再稼働を決定する権限がないのだ。規制委はあくまで各原発技術­的な基準を審査するだけだ。しかし、原発には技術以外にも膨大な政治的、経済的、倫理­的責任が伴うことを、われわれは3年前にいやというほど学ばされたのではなかったのか­。(後略)
(引用終わり)
 
 個々の登壇者の発言については、映像をご覧いただければと思います。また、国会事故調と政府事故調の「報告書」(pdf)については、前回の私のブログでご紹介していますので、そちらをご参照ください。
 
 民間事故調は少し性格が異なるかもしれませんが、国会事故調や政府事故調による調査は「何のために」行われたのでしょうか?
 まず、「再稼働ありき」という結論を前提とした発想しかしない政府の態度に、各事故調の元委員長が非常に厳しい評価をされるのも当然と言わねばなりません。
 私たちは、これらの各事故調の報告を国民共有の財産とし、事故から真の教訓を汲み出す源泉とする努力が不断に求められているのだと思いますし、そのことによって、政府の原発推進政策を批判する揺るがぬ拠り所が得られるのだと思います。
 その意味からも、この討論会は是非ご覧いただきたいと思い、あえて2度目のご紹介をすることにしたものです。